JP4707436B2 - 歯車付きモータ装置、および便座・便蓋開閉装置 - Google Patents

歯車付きモータ装置、および便座・便蓋開閉装置 Download PDF

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Description

モータの駆動力を動力伝達輪列を介して伝達する歯車付きモータ装置、およびこの歯車付きモータ装置を備えた便座・便蓋開閉装置に関するものである。
洋式便器の便座および便蓋を電動によりそれぞれ開閉する便座・便蓋開閉装置が提案されており、かかる便座・便蓋開閉装置では、2つのモータからの駆動力を2系列からなる動力伝達輪列で減速する歯車付きモータ装置によって、同軸上に配設した便座や便蓋の回転軸に伝達するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−284号公報
このような便座・便蓋開閉装置に用いられる歯車付きモータ装置では、2モータの出力部が軸線方向の同一高さに並設されている。そのため、2系列の動力伝達輪列を同一高さに並設された2つのモータの出力部から始める必要があり、2系列の動力伝達輪列を平歯車の干渉を考慮して配設しようとした場合、平面方向へのコンパクト化の障害になるという問題がある。なお、2モータの出力部を軸線方向の異なる高さから出力させるように配設させてもよいが、この場合、2モータの出力部が軸線方向の同一方向から出力されていることから、互いの出力部を離間させた距離だけ2つのモータが軸線方向に離間されるため、出力部の離間距離が大きくなると2つのモータを軸線方向に重合させることができなくなり軸線方向に大型化してしまうという問題がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、軸線方向に大型化することなく面方向へのコンパクト化が可能な歯車付きモータ装置、およびこの歯車付きモータ装置を備えた便座・便蓋開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、2つのモータと、該2つのモータからの駆動力を同軸状に配設させた2つの出力軸にそれぞれ伝達する2系列の動力伝達輪列と、を有する歯車付きモータ装置において、前記2つのモータと前記2つの出力軸はひとつのケース内に収納されているとともに、前記2つの出力軸は同軸状に前記ケース内から突出しているものであり、前記2つのモータは、前記2つの出力軸の軸線方向を上下方向としたとき、前記ケース内において上下逆向きに配設されることにより、前記2つのモータのそれぞれの出力部は、前記ケース内の上下に上側出力部と下側出力部として離間されて設けられ、前記2つの出力軸は、一方の出力軸は軸体であり、他方の出力軸は、前記軸体の外側に同軸上に嵌められた円筒体であり、前記軸体と前記円筒体にはそれぞれの出力歯車が、前記ケース内の上下に上側出力歯車と下側出力歯車とに離間して設けられ、前記ケース内において、前記上側出力歯車と前記下側出力部とが一方の前記動力伝達輪列により連結されるとともに前記下側出力歯車と前記上側出力部とが他方の前記動力伝達輪列により連結されることを特徴とする。
本発明においては、前記2つの出力軸としての前記軸体と前記円筒体にはそれぞれの出力歯車が、前記ケース内の上下に上側出力歯車と下側出力歯車とに離間して設けられ、前記ケース内において、前記上側出力歯車と前記下側出力部とが一方の前記動力伝達輪列により連結されるとともに、前記下側出力歯車と前記上側出力部とが他方の前記動力伝達輪列を介して連結されている。このように構成すると、上側出力歯車と下側出力部との軸線方向のスペースおよび下側出力歯車と上側出力部との軸線方向のスペースを利用してそれぞれ一方の動力伝達輪列および他方の動力伝達輪列を配設することができる。故に、動力伝達輪列を平面方向へコンパクトに配設することが可能になる。
本発明において、前記2系列の動力伝達輪列は遊星歯車機構を含み、一方の前記遊星歯車機構と他方の遊星歯車機構とを軸線方向に重合して設けることが好ましい。このように構成すると、遊星歯車機構を軸線方向に重合した分だけ歯車付きモータ装置をコンパクト化することができる。また、遊星歯車機構は、軸線方向に配設された太陽歯車と遊星歯車との組み合わせによって大きな減速を得ることができる機構のため、この遊星歯車機構を軸線方向に配設することにより、面方向へのコンパクト化が可能になる。それ故、動力伝達輪列を平歯車で構成した場合に比較して、遊星歯車機構を平面方向へ配設するための設計の自由度を大きくすることができる。
本発明において、前記遊星歯車機構は、例えば、太陽歯車が前記モータの側に機構的に接続されて当該太陽歯車の回転を減速して前記出力歯車に向けて出力するように構成されている。
本発明に係る歯車付きモータ装置は、例えば、便蓋・便座開閉装置において、前記歯車付きモータ装置における前記2つの出力軸のいずれかによって、便蓋および便座のうちの少なくとも一方を回転駆動するなどの用途に用いることができる。
本発明において、2つのモータは、ひとつのケース内において、出力部がそれぞれ軸線方向に上下逆向きとなるようにして軸線方向に重合して配設され、出力部が軸線方向の上下に上側出力部と下側出力部とに離間されている。そのため、2つのモータを軸線方向に重合した状態でも、互いの出力部を軸線方向に大きく離間させることができる。故に、軸線方向に大型化することなく、2系列の動力伝達輪列を軸線方向に離間した2つのモータの出力部から始めることができる。更に、2つの出力軸はそれぞれの出力歯車が、ケース内の上下に上側出力歯車と下側出力歯車とに離間して設けられ、ケース内において、上側出力歯車に対して下側出力部が一方の前記動力伝達輪列を介して連結されるとともに、下側出力歯車に対して上側出力部が他方の前記動力伝達輪列を介して連結されているから、上側出力歯車と下側出力部との軸線方向のスペースおよび下側出力歯車と上側出力部との軸線方向のスペースを利用してそれぞれ一方の動力伝達輪列および他方の動力伝達輪列を配設することができる。故に、動力伝達輪列を平面方向へコンパクトに配設することが可能になる。従って、2系列の動力伝達輪列の干渉を考慮しつつ、平面方向へのコンパクト化を図ることができる。

[実施の形態1]
以下、添付図面を参照して、本発明を適用した歯車付きモータ装置、およびこの歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置を説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置の構成を示す説明図である。図2(a)、(b)はそれぞれ、図1に示す便蓋・便座開閉装置の要部のレイアウトを示す平面図、およびモータ搭載部の断面図である。なお、図1は、図2(a)のX1−X1′線断面図に相当し、図2(b)は、図2(a)のX2−X2′線断面図に相当する。
図1および図2(a)、(b)において、本形態の便蓋・便座開閉装置1は、洋式便器の便蓋(図示せず)および便座(図示せず)を電動により開閉するための装置であり、第1のケース体61と第2のケース体62と第3のケース体63によってケース6が構成され、このケース6内から、便蓋を回転駆動するための便蓋シャフト4の先端側、および便座を回転駆動するための便座シャフト5の先端側が突出している。一方、便蓋シャフト4の基端側および便座シャフト5の基端側は、それぞれ、軸線方向の上側(後述する+Z方向)に配設される上側出力歯車としての便座出力歯車18B、および軸線方向の下側(後述する−Z方向)に配設される下側出力歯車としての便蓋出力歯車18Aが形成されている。ここで、便蓋シャフト4は軸体であり、便蓋シャフト4の基端側の円筒部41の内側に第1のケース体61に形成された円筒状の受け部64が嵌っている。一方、便座シャフト5は、便蓋シャフト4の外側に同軸状に嵌められた円筒体であり、第3のケース体63に形成された円筒部65の内側に嵌っている。従って、便座シャフト5および便蓋シャフト4は、各々が独立して軸線周りに回転可能な状態にある。
このように構成した便蓋・便座開閉装置1において、便蓋シャフト4に対しては、駆動装置として第1の歯車付きモータ装置10Aが構成され、便座シャフト5に対しては、駆動装置として第2の歯車付きモータ装置10Bが構成されており、以下、これらの歯車付きモータ装置10A、10Bの構成を説明する。なお、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bとは、図2(b)に示すように、それぞれ軸線方向に上下逆向きになるようにして軸線方向に重合して配設されている。すなわち、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bは、それぞれの出力部としての回転軸12A、12Bが軸線方向に上下逆向きになるようにして互いに離間して配設されている。その際、便座シャフト5および便蓋シャフト4が突出している方向を軸線方向における+Z方向とし、それとは反対側を−Z方向とする。
(第1の歯車付きモータ装置10Aの構成)
図3は、本発明を適用した歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置に組み込んだトルクリミッタの断面図である。
まず、第1の歯車付きモータ装置10Aは、モータ11Aの出力部としての回転軸12Aを+Z方向に向けてケース内に固定された第1のモータ11Aと、この第1のモータ11Aからの駆動力を便蓋シャフト4の基端側に形成された便蓋出力歯車18Aに減速して伝達するための第1の動力伝達輪列19Aとを有している。第1の動力伝達輪列19Aは、第1のモータ11Aの回転軸12Aに固着されたピニオン13Aと、このピニオン13Aに噛合する入力歯車14Aと、減速機構としての第1の遊星歯車機構15Aとを備えており、この第1の遊星歯車機構15Aのキャリアピニオン28Aが便蓋出力歯車18Aと噛合している。なお、図2(a)に示すように、第1の遊星歯車機構15Aに対しては、ポテンショ歯車40Aを介して回転位置を検出するポテンショメータ(図示せず)が配置されている。
再び、図1および図2(a)、(b)において、第1の遊星歯車機構15Aの太陽歯車20Aは、入力歯車14A(モータ11Aの側)と噛合する駆動側太陽歯車体21Aと、この駆動側太陽歯車20Aに対して−Z方向に配置された従動側太陽歯車体22Aとを備えており、従動側太陽歯車体22Aの−Z方向側の軸部に形成された外歯と、この外歯の外周側の可動内歯歯車29Aおよびケース6に固定された固定内歯歯車25Aとに対して複数の遊星歯車26Aが噛合している。複数の遊星歯車26Aは各々、遊星ホルダ27Aに回転可能に支持され、この遊星ホルダ27Aは、それより−Z方向側に配置された有底状のキャリアピニオン28Aの内側に配置され、その底部と遊星ホルダ27Aの底壁とが摺動するようになっている。このようなレイアウトを採用したため、第1の歯車付きモータ装置10Aにおいては、第1のモータ11Aの回転軸12Aが+Z方向に突出しているにもかかわらず、−Z方向側において、キャリアピニオン28Aと便蓋出力歯車18Aとが噛合している。その結果、第1のモータ11Aと遊星歯車機構15Aとは軸線方向に重合するようになっている。なお、本形態では、固定内歯歯車25Aの歯数は36枚であり、可動内歯歯車29Aの歯数が33枚であり、歯数を変えてあっても、両内歯は転位することにより、同一の遊星歯車26Aと噛合できる。
ここで、第1の遊星歯車機構15Aの太陽歯車20Aでは、駆動側太陽歯車体21Aと従動側太陽歯車体22Aとの間に、図3に示す第1のトルクリミッタ30Aが構成されており、駆動側太陽歯車体21Aから従動側太陽歯車体22Aへの駆動力の伝達は、第1のトルクリミッタ30Aを介して行われる。
このような第1のトルクリミッタ30Aとして、本形態では、従動側太陽歯車体22Aには、駆動側太陽歯車体21Aに向けて突出した円筒部221が形成され、この円筒部221は、駆動側太陽歯車体21Aから従動側太陽歯車体22Aに向けて突出した円筒部211の外周側に摺動可能に嵌合している。円筒部221には、半径方向に貫通した3つの貫通孔34が形成され、円筒部211の外周面には6本の溝31(凹部)が形成されている。3つの貫通孔34は、6本の溝31に対して1つおきに対向する位置に形成され、かつ、3本のローラピン32(係合部材/回動部材)は、貫通孔34と溝31の両者に跨るように配置されている。また、円筒部221の外側にはコイルバネ33が配置され、ローラピン32を溝31の底部に向けて付勢している。従って、出力側が通常負荷の範囲内にあるときには、ローラピン32が両者に跨るように配置されているため、駆動側太陽歯車体21Aの駆動力を従動側歯車体22Aに伝達可能であり、出力側に過大なトルクが加わると、ローラピン32がコイルバネ33の付勢力に抗して溝31から脱出するため、駆動側太陽歯車体21Aの駆動力が遮断され、従動側太陽歯車体22Aに伝達されない。
再び、図1および図2(a)、(b)において、第1の歯車付きモータ装置10Aを作動させると、回転軸12Aの駆動力は、ピニオン13A、第1の遊星歯車機構15Aの太陽歯車20Aおよび遊星歯車26A、遊星ホルダ27A、キャリアピニオン28Aを介して便蓋出力歯車18Aに伝達され、便蓋シャフト4が軸線周りに回転し、便蓋が開方向あるいは閉方向に駆動される。
(第2の歯車付きモータ装置10Bの構成)
本形態の便蓋・便座開閉装置1では、第1の歯車付きモータ装置10Aと並列して第2の歯車付きモータ装置10Bが配置されており、この第2の歯車付きモータ装置10Bは、モータ11Bの出力部としての回転軸12Bを−Z方向に向けてケース内に固定された第2のモータ11Bと、この第2モータ11Bからの駆動力を便座シャフト5の基端側に形成された便座出力歯車18Bに減速して伝達するための第2の動力伝達輪列19Bとを有している。この第2の動力伝達輪列19Bは、第2のモータ11Bの回転軸12Bに固着されたピニオン13Bと、このピニオン13Bに噛合する入力歯車14Bと、減速機構としての第2の遊星歯車機構15Bと、この第2の遊星歯車機構15Bのキャリアピニオン28Bと噛合するアイドル歯車17Bとを備えており、アイドル歯車17Bが便座出力歯車18Bと噛合してる。便座出力歯車18Bと便座シャフト5とは、一方に形成された突起と他方に形成された溝などの係合部によって連結されている。なお、便座出力歯車18Bと第3のケース体63とには、便座出力歯車18Bの円筒部の周りに装着された補助バネ8の端部が各々連結されており、補助バネ8は、便座シャフト5を開方向に付勢している。また、図2(a)に示すように、第2の遊星歯車機構15Bに対しては、ポテンショ歯車40Bを介して回転位置を検出するポテンショメータ(図示せず)が配置されている。
再び、図1および図2(a)、(b)において、第2の遊星歯車機構15Bの太陽歯車20Bは、入力歯車14B(モータ11Bの側)と噛合する駆動側太陽歯車体21Bと、この駆動側太陽歯車20Bに対して+Z方向に配置された従動側太陽歯車体22Bとを備えており、従動側太陽歯車体22Bの+Z方向側の軸部に形成された外歯と、この外歯の外周側の可動内歯歯車29Bおよびケース6に固定された固定内歯歯車25Bとに対して複数の遊星歯車26Bが噛合している。複数の遊星歯車26Bは各々、遊星ホルダ27Bに回転可能に支持され、この遊星ホルダ27Bは、それより−Z方向側に配置された有底状のキャリアピニオン28Bの内側に配置され、その底部と遊星ホルダ27Bの底壁とが摺動するようになっている。このようなレイアウトを採用したため、第2の歯車付きモータ装置10Bにおいては、第2のモータ11Bの回転軸12Bが−Z方向に突出しているにもかかわらず、+Z方向側において、キャリアピニオン28Bと便蓋出力歯車18Bとが噛合している。その結果、第2のモータ11Bと遊星歯車機構15Bとは軸線方向に重合するようになっている。この構成に加えて、本形態の場合、上述のように第1のモータ11Aと遊星歯車機構15Aとが軸線方向に重合され、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bとも軸線方向に重合されている。従って、遊星歯車機構15Aと遊星歯車機構15Bとが軸線方向に重合されている。なお、本形態では、固定内歯歯車25Bの歯数は36枚であり、可動内歯歯車29Bの歯数が33枚であり、歯数を変えてあっても、両内歯は転位することにより、同一の遊星歯車26Aと噛合できる。
ここで、第2の遊星歯車機構15Bの太陽歯車20Bでは、駆動側太陽歯車体21Bと従動側太陽歯車体22Bとの間に第2のトルクリミッタ30Bが構成されており、駆動側太陽歯車体21Bから従動側太陽歯車体22Bへの駆動力の伝達は、第2のトルクリミッタ30Bを介して行われる。
このような第2のトルクリミッタ30Bとして、本形態では、図3に示すように、第1のトルクリミッタ30Aと同様、従動側太陽歯車体22Bには、駆動側太陽歯車体21Bに向けて突出した円筒部221が形成され、この円筒部221は、駆動側太陽歯車体21Bから従動側太陽歯車体22Bに向けて突出した円筒部211の外周側に摺動可能に嵌合している。円筒部221には、半径方向に貫通した3つの貫通孔34が形成され、円筒部211の外周面には6本の溝31(凹部)が形成されている。3つの貫通孔34は、6本の溝31に対して1つおきに対向する位置に形成され、かつ、3本のローラピン32(係合部材/回動部材)は、貫通孔34と溝31の両者に跨るように配置されている。また、円筒部221の外側にはコイルバネ33が配置され、ローラピン32を溝31の底部に向けて付勢している。従って、出力側が通常負荷の範囲内にあるときには、ローラピン32が両者に跨るように配置されているため、駆動側太陽歯車体21Bの駆動力を従動側歯車体22Bに伝達可能であり、出力側に過大なトルクが加わると、ローラピン32がコイルバネ33の付勢力に抗して溝31から脱出するため、駆動側太陽歯車体21Bの駆動力が遮断され、従動側太陽歯車体22Bに伝達されない。
再び、図1および図2(a)、(b)において、第2の歯車付きモータ装置10Bを作動させると、回転軸12Bの駆動力は、ピニオン13B、第2の遊星歯車機構15Bの太陽歯車20Bおよび遊星歯車26B、遊星ホルダ27B、キャリアピニオン28B、アイドル歯車17Bを介して便座出力歯車18Bに伝達され、便座シャフト5が軸線周りに回転し、便座が開方向あるいは閉方向に駆動される。
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態では、第1の歯車付きモータ装置10Aと第2の歯車付きモータ装置10Bは、軸線方向で逆向きに配置されている。すなわち、第1の歯車付きモータ装置10Aでは、回転軸12Aを+Z方向に向けて第1のモータ11Aを配置するとともに、第1の遊星歯車機構15Aでは、駆動側太陽歯車体21Aと従動側太陽歯車体22Aを軸線方向に重ねて配置して−Z方向側においてキャリアピニオン28Aと便蓋出力歯車18Aとを噛合させているのに対し、第2の歯車付きモータ装置10Bでは、回転軸12Bを−Z方向に向けて第2のモータ11Bを配置するとともに、第2の遊星歯車機構15Bでは、駆動側太陽歯車体21Bと従動側太陽歯車体22Bを軸線方向に重ねて配置して+Z方向側においてキャリアピニオン28Bとアイドル歯車17Bとを噛合させ、かつ、アイドル歯車17Bと便座出力歯車18Bとを噛合させている。
故に、この構成によって本形態では、2つのモータ11A、11Bが軸線方向に重合して配設され、回転軸12Aと回転軸12Bとが互いに離間して設けられており、2つのモータ11A、11Bを軸線方向に重合した状態でも、回転軸12Aと回転軸12Bとを軸線方向に大きく離間させることができる。故に、軸線方向に大型化することなく、2系列の動力伝達輪列19A、19Bとを軸線方向に離間した2つのモータ11A、11Bのそれぞれの回転軸12A、12Bから始めることができる。すなわち、便座出力歯車18Bと回転軸12Bとの軸線方向のスペースおよび便蓋出力歯車18Aと回転軸12Aとの軸線方向のスペースを利用してそれぞれ動力伝達輪列19Bおよび動力伝達輪列19Aを配設することができる。故に、動力伝達輪列19A、19Bの干渉を考慮しつつ平面方向へコンパクトに配設することができる。
[実施の形態2]
図4および図5は、本発明の実施の形態2に係る歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置の構成を示す説明図、および要部のレイアウトを示す平面図であり、図4は、図5のY1−Y1′断面図に相当する。なお、本形態の便蓋・便座開閉装置は、基本的な構成が実施の形態1と共通しているので、共通している部分については同一符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
上記実施の形態1では、平面的には第1の歯車付きモータ装置10Aと第2の歯車付きモータ装置10Bとを並列配置し、第2の歯車付きモータ装置10Bにおいてキャリアピニオン28Bと便座出力歯車18Bとを機構的に接続するにあたって、キャリアピニオン28Bと便座出力歯車18Bとの間にアイドル歯車17Bを配置したが、本形態では、図4および図5に示すように、第1の歯車付きモータ装置10Aの第1のモータ11Aと第2の歯車付きモータ装置10Bの第2のモータ11Bとを、便蓋出力歯車18Aおよび便座出力歯車18Bを挟む両側位置に配置し、歯車付きモータ装置10Bにおいては、アイドル歯車を用いずに、キャリアピニオン28Bと便座出力歯車18Bとを直接、噛合させてある。その他の構成は、実施の形態1と共通しているので、それらの説明を省略する。
このように構成した便蓋・便座開閉装置1でも、実施の形態1と同様、遊星歯車機構15A、15Bの太陽歯車20A、20B内には、図3を参照して説明したトルクリミッタ30A、30Bが組み込まれているので、動作の途中、出力側に衝撃が加わっても、過大な過重をトルクリミッタ30A、30Bでのスリップで逃がすことができる。従って、動力伝達輪列19A、19Bを構成する歯車に過大な負荷がかからない。また、実施の形態1と同様、第1の歯車付きモータ装置10Aと第2の歯車付きモータ装置10Bについては軸線方向で逆向きに配置してあるため、便座出力歯車18Bと回転軸12Bとの軸線方向のスペースおよび便蓋出力歯車18Aと回転軸12Aとの軸線方向のスペースを利用してそれぞれ動力伝達輪列19Bおよび動力伝達輪列19Aを配設することができる。故に、動力伝達輪列19A、19Bの干渉を考慮しつつ平面方向へコンパクトに配設することができる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態1、2に係る便蓋・便座開閉装置は、動力伝達輪列に遊星歯車機構を有しているが、必ずしも遊星歯車機構を有している必要は無く、平歯車のみにより動力伝達輪列を構成してもよい。
また、上記形態1、2では、第1のモータ11Aの回転軸12Aが、第1の歯車付きモータ装置10Aを介して便蓋出力歯車18Aと連結させ、第2のモータ11Bの回転軸12Bが、第2の歯車付きモータ装置10Bを介して便座出力歯車18Bと連結させているが、反対に、第1のモータ11Aの回転軸12Aを、第1の歯車付きモータ装置10Aを介して便蓋出力歯車18Bと連結させ、第2のモータ11Bの回転軸12Bを、第2の歯車付きモータ装置10Bを介して便蓋出力歯車18Aと連結させるようにしてもよい。さらに、遊星歯車機構15Aと遊星歯車機構15Bとは、必ずしも軸線方向に互いに重合していなくてもよい。
本発明の実施の形態1に係る歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置の構成を示す説明図である。 (a)、(b)はそれぞれ、図1に示す便蓋・便座開閉装置の要部のレイアウトを示す平面図、およびモータ搭載部の断面図である。 本発明を適用した歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置に組み込んだトルクリミッタの断面図である。 本発明の実施の形態2に係る歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置の構成を示す説明図である。 図4に示す便蓋・便座開閉装置の要部のレイアウトを示す平面図である。
符号の説明
1 便蓋・便座開閉装置
4 便蓋シャフト(出力軸)
5 便座シャフト(出力軸)
10A、10B 歯車付きモータ装置
11A、11B モータ
12A、12B モータの回転軸(出力部)
15A、15B 遊星歯車機構
18A 便蓋出力歯車
18B 便座出力歯車
19A、19B 動力伝達輪列
20A、20B 太陽歯車

Claims (4)

  1. 2つのモータと、該2つのモータからの駆動力を同軸状に配設させた2つの出力軸にそれぞれ伝達する2系列の動力伝達輪列と、を有する歯車付きモータ装置において、
    前記2つのモータと前記2つの出力軸はひとつのケース内に収納されているとともに、前記2つの出力軸は同軸状に前記ケース内から突出するものであり、
    前記2つのモータは、前記2つの出力軸の軸線方向を上下方向としたとき、前記ケース内において上下逆向きに配設されることにより、前記2つのモータのそれぞれの出力部は、前記ケース内の上下に上側出力部と下側出力部として離間されて設けられ、
    前記2つの出力軸は、一方の出力軸は軸体であり、他方の出力軸は、前記軸体の外側に同軸上に嵌められた円筒体であり、前記軸体と前記円筒体にはそれぞれの出力歯車が、前記ケース内の上下に上側出力歯車と下側出力歯車とに離間して設けられ、
    前記ケース内において、前記上側出力歯車と前記下側出力部とが一方の前記動力伝達輪列により連結されるとともに前記下側出力歯車と前記上側出力部とが他方の前記動力伝達輪列により連結されることを特徴とする歯車付きモータ装置。
  2. 請求項1において、前記2系列の動力伝達輪列は遊星歯車機構を含み、一方の前記遊星歯車機構と他方の遊星歯車機構とを前記軸線方向に重合して設けたことを特徴とする歯車付きモータ装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記遊星歯車機構は、太陽歯車が前記モータの側に機構的に接続されて当該太陽歯車の回転を減速して前記出力歯車に向けて出力するように構成したことを特徴とする歯車付きモータ装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかに規定する歯車付きモータ装置を備えた便蓋・便座開閉装置であって、前記歯車付きモータ装置における前記2つの出力軸である前記軸体と前記円筒体のいずれかによって便蓋および便座のうちの少なくとも一方が回転駆動されることを特徴とする便蓋・便座開閉装置。
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