JP4707279B2 - クールダウン効果を有するマッサージ用の化粧料 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細にはボディーなどのマッサージ用に好適な化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
現在、ボディー用の化粧料には、洗浄を目的とするもの、マッサージにより血行促進、老廃物の代謝活性化を目的とするもの、炎症或いは腫脹などの熱感を除去する目的のもの、微生物の繁殖を防ぎ、不快な体臭の生成抑制を目的とするものなどが知られている。この内、マッサージにより血行促進、老廃物の代謝活性化を目的とするものは、通常は、乳化剤形或いはゲル剤形のものが使用されている。これは、この様な剤形の化粧料が摩擦による刺激を抑制し、マッサージの効果を高めるのに適しているためである。一方、炎症或いは腫脹などの熱感除去用の化粧料としては揮発性成分や清涼感を有する成分をガスとともに噴霧し、揮発熱と清涼成分の刺激により熱感を除去するものが使用されている。しかし、これらの２つの製剤の特徴を併せ持つものは知られていないし、この様な性質を併せ持つものが疲労時のむくみなどの処置に好適であることも全く知られていない。又、１）清涼成分と２）低沸点液化天然ガスを含有した形態の化粧料は知られていないし、この様な形態を取ることにより、この様なマッサージにより血行促進、老廃物の代謝活性化する作用と、炎症或いは腫脹などの熱感除去作用とを併せ持つ化粧料になることも全く知られていない。
【０００３】
一方、足などの疲労の蓄積によって生じるむくみなどに対しては、マッサージを施し、血行を促進し、老廃物の代謝を促進する処置がとられていたが、この様な処置によっても、充分にむくみの除去が出来ない場合があり、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段の開発が望まれていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段を提供することを課題とする。
【０００５】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段を求めて、鋭意研究を重ねた結果、１）ｌ−メントール及びグリセロールモノメンチルエーテルと、２）２０℃における圧力が０．１〜０．２ＭＰａで定義される低沸点液化天然ガスを化粧料全量に対して６２〜６８重量％含有することを特徴とする化粧料を用いてマッサージを行った場合、マッサージ本来の血行促進効果や老廃物代謝活性化効果が得られるのみならず、クールダウンにより、炎症や腫脹などを改善する作用も得られることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
（１） クラッキング・フォーム剤形であることを特徴とするマッサージ用の化粧料であって、
１）ｌ−メントール及びグリセロールモノメンチルエーテルと、
２）２０℃における圧力が０．１〜０．２ＭＰａで定義される低沸点液化天然ガスを化粧料全量に対して６２〜６８重量％含有することを特徴とする、化粧料。
（２） クールダウン用であることを特徴とする、（１）に記載の化粧料。
【０００６】
（１）本発明の化粧料の必須成分である清涼成分
本発明の化粧料は清涼成分を必須成分として含有することを特徴とする。ここで言う清涼成分とは、経皮的に投与した場合に、皮膚に於いて温点を刺激し、冷感を与えるような成分を意味し、例えば、Ｄ−メントール、Ｌ−メントール、チモール、ヒノキチオールなどのテルペン類或いはグリセロールモノメンチルエーテルなどのテルペンの配糖体が好ましく例示できる。これらの中で特に好ましいものは、Ｌ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルである。特にこの２者の併用が好ましい。かかる清涼成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の化粧料における、これら清涼成分の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、０．０１〜１．００重量％であり、更に好ましくは０．０５〜０．３重量％である。これは、少なすぎるとクールダウン効果が得られない場合があり、多すぎると刺激感を感じる場合があるなどの好ましくない事象が生ずる場合があるからである。
【０００７】
（２）本発明の低沸点液化天然ガス
本発明の化粧料は低沸点液化天然ガスを必須成分として含有することを特徴とする。低沸点液化天然ガスの低沸点とは、液化天然ガス及びその分留物の内、沸点が低いものの総称を意味し、大凡の好ましい基準としては、２０℃における圧力が０．１〜０．２ＭＰａ、更に好ましくは、０．１２〜０．１８ＭＰａのものが例示できる。これはこの圧が高すぎても低すぎても好ましいクラッキング・フォーム剤形とならずクールダウン効果が得られない場合があるためである。この様な特性の液化天然ガスは、その構成を８０％以上、より好ましくは９０重量％以上、更に好ましくは９５重量％以上をノルマルブタンとすることにより調整できる。かかる低沸点液化天然ガスを、前記天然ガスを含む化粧料全量に対して６０〜８０重量％、更に好ましくは６２〜６８重量％になるように含有させることにより、クラッキング・フォーム剤形とすることが出来る。ここで、クラッキング・フォーム剤形とは、噴出したフォームが「パチパチ」と音を立ててはじける形態の剤形のことを意味し、この様なクラッキング・フォーム剤形にする事により、泡がはじけるときに出る衝撃により、清涼成分によるクール感刺激を高め、クールダウン効果を発現せしめることが出来る。
【０００８】
（３）本発明の化粧料
本発明の化粧料は、上記必須成分を含むことを特徴とし、クラッキング・フォーム剤形を好ましく取るものである。本発明の化粧料は、前記必須成分である、１）清涼成分と２）低沸点液化天然ガス以外に、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。かかる任意の成分としては、スクワランや流動パラフィン、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコンやフェメチコンなどの内、必須成分とはならないシリコーン類、ホホバ油やゲイロウなどのエステル類、ステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコールやセタノール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類、牛脂やオリーブオイル等のトリグリセライド類、ステアリン酸モノグリセリド、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンステアレート等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレートなどのアニオン界面活性剤、４級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、結晶セルロース等の粉体類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーの塩、アクリル酸・メタクリル酸（Ｃ１０〜３０）アルキルコポリマーの塩、ポリアクリル酸の塩、ベントナイト、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、ビタミンやグリチルリチンなどの有効成分などが好ましく例示できる。これらの内，好ましいものは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘作用を有する水溶性高分子である。これらはクラッキング・フォーム剤形において、クラッキングの程度を好ましく調節するからである。本発明の化粧料に於けるかかる水溶性高分子の好ましい含有量は、０．０５〜１重量％であり、更に好ましくは、０．１〜０．５重量％である。これは、少なすぎても、多すぎてもクラッキング特性が損なわれる場合があるためである。又、本発明に於いては、ガス成分以外のエタノールなどの水より沸点の低い成分から選ばれる１種乃至は２種以上を含有させることも、クールダウン効果を増強させるので好適である。本発明の化粧料における水より沸点の低い成分の好ましい含有量は、化粧料全量に対して、総量で１〜１０重量％であり、更に好ましくは５〜８重量％である。又、乳化剤としては、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有する分岐アルコールのエーテルが好ましく例示でき、中でもPOE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルが特に好ましく例示できる。このものの好ましい含有量は０．０１〜０．５重量％である。このものはこの範囲に於いてクラッキングに好ましい泡を形成させしめる。本発明の化粧料は、上記必須成分と任意の成分とを常法に従って処理することにより製造することが出来る。かくして得られた化粧料は、クールダウン効果を有し、運動で生じる乳酸などの代謝物の蓄積によるむくみ、膨張感、炎症などを鎮める作用を有する。
【０００９】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
【００１０】
＜実施例１＞ 下記に示す処方に従って、本発明の化粧料を作成した。即ち、イ、ロの成分を８０℃に加熱し、イに徐々にロを加え乳化し、ホモミキサーで乳化粒子を均質化し、攪拌冷却した後、ハの成分を加えエアゾール缶に充填、密閉し、本発明の化粧料であるクラッキング・フォーム剤形の化粧料１を得た。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
Ｌ−メントール０．１重量部
グリセロールモノメンチルエーテル ０．１ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．１５ＭＰａ） ６５ 重量部
【００１１】
＜実施例２＞ 実施例１の化粧料１と化粧料１のガスを０．３ＭＰａのものに置換した比較例１とＬ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルとを水に置換した比較例２とガスを０．３ＭＰａのものに置換しＬ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルとを水に置換した対照例１とについて、足のむくみ改善効果を調べた。即ち、水槽に水を充填しこれに足の膝から下の部分を浸漬し、こぼれた水の量より足の体積を測定することにより、疲れた足のマッサージ前後の容積の変化を調べた。測定は１０００メートルのジョギングの後に行った。結果を表１に示す。何れの化粧料を用いたマッサージに於いても足の体積は減少し、むくみ改善効果が観察されたが、本発明の化粧料である化粧料１ではその効果が特に著しかった。これより、本発明の化粧料の優れたクールダウン効果が明かとなった。尚、比較例１と対照例１ではクラッキングが殆ど観察されなかった。
【００１２】
【表１】
【００１３】
＜実施例３＞ 化粧料１の液化天然ガスを０．２ＭＰａのものに置換して、化粧料１と同様に処理して化粧料２を作成した。このものは実施例２のむくみ改善試験で、６．５１％の体積減少を観察した。これより、本発明の化粧料に於いては、液化天然ガスは０．２ＭＰａ以下であることが好ましいことが判る。化粧料２に於いては、クラッキングが観察されたもののその程度は微弱であった。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
Ｌ−メントール ０．１ 重量部
グリセロールモノメンチルエーテル ０．１ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．２ＭＰａ） ６５ 重量部
【００１４】
＜実施例４＞ 化粧料１の清涼成分を変えて、その効果を実施例２の手技に従って評価した。結果を表２に示す。これより、本発明の化粧料に於いては、清涼成分としてはＬ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルの併用が好ましいことが判る。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
清涼成分＊ ０．２ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．１５ＭＰａ） ６５ 重量部
＊表２に詳細を示す。
【００１５】
【表２】
【００１６】
＜実施例５＞ 実施例１の化粧料１のガス量を変えて、実施例２と同様に効果の検討を行った。又、同時にクラッキング性も＋＋：非常によい、＋：よい、±：やや悪い、−：悪いの基準で判定した。結果を表３に示す。これより、本発明の化粧料に於いて、好ましいガス量は、６０〜８０重量％であり、更に好ましくは６２〜６８重量％であることがわかる。尚、化粧料９に於いてはガスのみ噴出する「空うち」現象がわずかに観察された。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
Ｌ−メントール ０．１ 重量部
グリセロールモノメンチルエーテル ０．１ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．１５ＭＰａ） ＊＊ 重量部
＊＊詳細は表３に示す。
【００１７】
【表３】
【００１８】
【発明の効果】
本発明によれば、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細にはボディーなどのマッサージ用に好適な化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
現在、ボディー用の化粧料には、洗浄を目的とするもの、マッサージにより血行促進、老廃物の代謝活性化を目的とするもの、炎症或いは腫脹などの熱感を除去する目的のもの、微生物の繁殖を防ぎ、不快な体臭の生成抑制を目的とするものなどが知られている。この内、マッサージにより血行促進、老廃物の代謝活性化を目的とするものは、通常は、乳化剤形或いはゲル剤形のものが使用されている。これは、この様な剤形の化粧料が摩擦による刺激を抑制し、マッサージの効果を高めるのに適しているためである。一方、炎症或いは腫脹などの熱感除去用の化粧料としては揮発性成分や清涼感を有する成分をガスとともに噴霧し、揮発熱と清涼成分の刺激により熱感を除去するものが使用されている。しかし、これらの２つの製剤の特徴を併せ持つものは知られていないし、この様な性質を併せ持つものが疲労時のむくみなどの処置に好適であることも全く知られていない。又、１）清涼成分と２）低沸点液化天然ガスを含有した形態の化粧料は知られていないし、この様な形態を取ることにより、この様なマッサージにより血行促進、老廃物の代謝活性化する作用と、炎症或いは腫脹などの熱感除去作用とを併せ持つ化粧料になることも全く知られていない。
【０００３】
一方、足などの疲労の蓄積によって生じるむくみなどに対しては、マッサージを施し、血行を促進し、老廃物の代謝を促進する処置がとられていたが、この様な処置によっても、充分にむくみの除去が出来ない場合があり、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段の開発が望まれていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段を提供することを課題とする。
【０００５】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段を求めて、鋭意研究を重ねた結果、１）ｌ−メントール及びグリセロールモノメンチルエーテルと、２）２０℃における圧力が０．１〜０．２ＭＰａで定義される低沸点液化天然ガスを化粧料全量に対して６２〜６８重量％含有することを特徴とする化粧料を用いてマッサージを行った場合、マッサージ本来の血行促進効果や老廃物代謝活性化効果が得られるのみならず、クールダウンにより、炎症や腫脹などを改善する作用も得られることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
（１） クラッキング・フォーム剤形であることを特徴とするマッサージ用の化粧料であって、
１）ｌ−メントール及びグリセロールモノメンチルエーテルと、
２）２０℃における圧力が０．１〜０．２ＭＰａで定義される低沸点液化天然ガスを化粧料全量に対して６２〜６８重量％含有することを特徴とする、化粧料。
（２） クールダウン用であることを特徴とする、（１）に記載の化粧料。
【０００６】
（１）本発明の化粧料の必須成分である清涼成分
本発明の化粧料は清涼成分を必須成分として含有することを特徴とする。ここで言う清涼成分とは、経皮的に投与した場合に、皮膚に於いて温点を刺激し、冷感を与えるような成分を意味し、例えば、Ｄ−メントール、Ｌ−メントール、チモール、ヒノキチオールなどのテルペン類或いはグリセロールモノメンチルエーテルなどのテルペンの配糖体が好ましく例示できる。これらの中で特に好ましいものは、Ｌ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルである。特にこの２者の併用が好ましい。かかる清涼成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の化粧料における、これら清涼成分の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、０．０１〜１．００重量％であり、更に好ましくは０．０５〜０．３重量％である。これは、少なすぎるとクールダウン効果が得られない場合があり、多すぎると刺激感を感じる場合があるなどの好ましくない事象が生ずる場合があるからである。
【０００７】
（２）本発明の低沸点液化天然ガス
本発明の化粧料は低沸点液化天然ガスを必須成分として含有することを特徴とする。低沸点液化天然ガスの低沸点とは、液化天然ガス及びその分留物の内、沸点が低いものの総称を意味し、大凡の好ましい基準としては、２０℃における圧力が０．１〜０．２ＭＰａ、更に好ましくは、０．１２〜０．１８ＭＰａのものが例示できる。これはこの圧が高すぎても低すぎても好ましいクラッキング・フォーム剤形とならずクールダウン効果が得られない場合があるためである。この様な特性の液化天然ガスは、その構成を８０％以上、より好ましくは９０重量％以上、更に好ましくは９５重量％以上をノルマルブタンとすることにより調整できる。かかる低沸点液化天然ガスを、前記天然ガスを含む化粧料全量に対して６０〜８０重量％、更に好ましくは６２〜６８重量％になるように含有させることにより、クラッキング・フォーム剤形とすることが出来る。ここで、クラッキング・フォーム剤形とは、噴出したフォームが「パチパチ」と音を立ててはじける形態の剤形のことを意味し、この様なクラッキング・フォーム剤形にする事により、泡がはじけるときに出る衝撃により、清涼成分によるクール感刺激を高め、クールダウン効果を発現せしめることが出来る。
【０００８】
（３）本発明の化粧料
本発明の化粧料は、上記必須成分を含むことを特徴とし、クラッキング・フォーム剤形を好ましく取るものである。本発明の化粧料は、前記必須成分である、１）清涼成分と２）低沸点液化天然ガス以外に、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。かかる任意の成分としては、スクワランや流動パラフィン、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコンやフェメチコンなどの内、必須成分とはならないシリコーン類、ホホバ油やゲイロウなどのエステル類、ステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコールやセタノール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類、牛脂やオリーブオイル等のトリグリセライド類、ステアリン酸モノグリセリド、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンステアレート等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレートなどのアニオン界面活性剤、４級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、結晶セルロース等の粉体類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーの塩、アクリル酸・メタクリル酸（Ｃ１０〜３０）アルキルコポリマーの塩、ポリアクリル酸の塩、ベントナイト、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、ビタミンやグリチルリチンなどの有効成分などが好ましく例示できる。これらの内，好ましいものは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘作用を有する水溶性高分子である。これらはクラッキング・フォーム剤形において、クラッキングの程度を好ましく調節するからである。本発明の化粧料に於けるかかる水溶性高分子の好ましい含有量は、０．０５〜１重量％であり、更に好ましくは、０．１〜０．５重量％である。これは、少なすぎても、多すぎてもクラッキング特性が損なわれる場合があるためである。又、本発明に於いては、ガス成分以外のエタノールなどの水より沸点の低い成分から選ばれる１種乃至は２種以上を含有させることも、クールダウン効果を増強させるので好適である。本発明の化粧料における水より沸点の低い成分の好ましい含有量は、化粧料全量に対して、総量で１〜１０重量％であり、更に好ましくは５〜８重量％である。又、乳化剤としては、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有する分岐アルコールのエーテルが好ましく例示でき、中でもPOE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルが特に好ましく例示できる。このものの好ましい含有量は０．０１〜０．５重量％である。このものはこの範囲に於いてクラッキングに好ましい泡を形成させしめる。本発明の化粧料は、上記必須成分と任意の成分とを常法に従って処理することにより製造することが出来る。かくして得られた化粧料は、クールダウン効果を有し、運動で生じる乳酸などの代謝物の蓄積によるむくみ、膨張感、炎症などを鎮める作用を有する。
【０００９】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
【００１０】
＜実施例１＞ 下記に示す処方に従って、本発明の化粧料を作成した。即ち、イ、ロの成分を８０℃に加熱し、イに徐々にロを加え乳化し、ホモミキサーで乳化粒子を均質化し、攪拌冷却した後、ハの成分を加えエアゾール缶に充填、密閉し、本発明の化粧料であるクラッキング・フォーム剤形の化粧料１を得た。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
Ｌ−メントール０．１重量部
グリセロールモノメンチルエーテル ０．１ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．１５ＭＰａ） ６５ 重量部
【００１１】
＜実施例２＞ 実施例１の化粧料１と化粧料１のガスを０．３ＭＰａのものに置換した比較例１とＬ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルとを水に置換した比較例２とガスを０．３ＭＰａのものに置換しＬ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルとを水に置換した対照例１とについて、足のむくみ改善効果を調べた。即ち、水槽に水を充填しこれに足の膝から下の部分を浸漬し、こぼれた水の量より足の体積を測定することにより、疲れた足のマッサージ前後の容積の変化を調べた。測定は１０００メートルのジョギングの後に行った。結果を表１に示す。何れの化粧料を用いたマッサージに於いても足の体積は減少し、むくみ改善効果が観察されたが、本発明の化粧料である化粧料１ではその効果が特に著しかった。これより、本発明の化粧料の優れたクールダウン効果が明かとなった。尚、比較例１と対照例１ではクラッキングが殆ど観察されなかった。
【００１２】
【表１】
＜実施例３＞ 化粧料１の液化天然ガスを０．２ＭＰａのものに置換して、化粧料１と同様に処理して化粧料２を作成した。このものは実施例２のむくみ改善試験で、６．５１％の体積減少を観察した。これより、本発明の化粧料に於いては、液化天然ガスは０．２ＭＰａ以下であることが好ましいことが判る。化粧料２に於いては、クラッキングが観察されたもののその程度は微弱であった。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
Ｌ−メントール ０．１ 重量部
グリセロールモノメンチルエーテル ０．１ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．２ＭＰａ） ６５ 重量部
【００１４】
＜実施例４＞ 化粧料１の清涼成分を変えて、その効果を実施例２の手技に従って評価した。結果を表２に示す。これより、本発明の化粧料に於いては、清涼成分としてはＬ−メントールとグリセロールモノメンチルエーテルの併用が好ましいことが判る。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
清涼成分＊ ０．２ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．１５ＭＰａ） ６５ 重量部
＊表２に詳細を示す。
【００１５】
【表２】
＜実施例５＞ 実施例１の化粧料１のガス量を変えて、実施例２と同様に効果の検討を行った。又、同時にクラッキング性も＋＋：非常によい、＋：よい、±：やや悪い、−：悪いの基準で判定した。結果を表３に示す。これより、本発明の化粧料に於いて、好ましいガス量は、６０〜８０重量％であり、更に好ましくは６２〜６８重量％であることがわかる。尚、化粧料９に於いてはガスのみ噴出する「空うち」現象がわずかに観察された。
イ
ジメチコン（１０ｍＰａ／ｓｅｃ） ０．２ 重量部
トリメチルシロキシ珪酸 ０．２ 重量部
デカメチルペンタシロキサン ０．２ 重量部
Ｌ−メントール ０．１ 重量部
グリセロールモノメンチルエーテル ０．１ 重量部
ＰＯＥ（４０）硬化ヒマシ油 ０．１ 重量部
ＰＯＥ（３０）ＰＯＰ（６）デシルテトラデシルエーテル ０．１ 重量部
セタノール ０．０４重量部
ロ
ポリエチレングリコール４００ ０．０４重量部
１，３−ブタンジオール ０．０４重量部
グリセリン ０．０４重量部
ポリエチレングリコール２００００ ０．０４重量部
中空アクリル樹脂ビーズ ０．２ 重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．１５重量部
キサンタンガム ０．０２重量部
エタノール ８ 重量部
水 ２５．４５重量部
ハ
液化天然ガス（０．１５ＭＰａ） ＊＊ 重量部
＊＊詳細は表３に示す。
【００１７】
【表３】
【発明の効果】
本発明によれば、むくみの除去に有用な処置法或いは処置手段を提供することができる。
Claims (2)
- クラッキング・フォーム剤形であることを特徴とするマッサージ用の化粧料であって、
１）ｌ−メントール及びグリセロールモノメンチルエーテルと、
２）２０℃における圧力が０．１〜０．２ＭＰａで定義される低沸点液化天然ガスを化粧料全量に対して６２〜６８重量％含有することを特徴とする、化粧料。 - クールダウン用であることを特徴とする、請求項１に記載の化粧料。
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