JP4706394B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、封止膜を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
一般に、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、エレクトロルミネッセンスを適宜ELと記載する。)は、ガラス基板上にITO(インジウム錫酸化物)で構成される透明電極(陽極)が形成され、透明電極(陽極)上には、発光層を含む有機EL層及び陰極が順次積層されている。そして、有機EL層は、大気中の水分、酸素等によってダメージを与えられるため、従来、大気中の水分、酸素等から有機EL層を保護する方法として、陰極形成後に、有機EL層及び陰極の露出部分を覆うように封止膜を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、特許文献2には、光遮断性の良好な保護膜が陰極上に形成されたうえで、保護膜上に紫外線硬化樹脂からなる封止膜が形成された有機EL素子が開示されている。そして、特許文献2では、封止膜を硬化させる際に照射する紫外線を保護膜によって遮断して、紫外線が有機EL層にまで到達することを回避する。
特開2002−222691号公報 特開平9−71771号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2では、有機EL素子に陰極表面から突出する異物が存在している場合の不都合について何ら考慮していない。例えば、図5に示すように蒸着法によって封止膜100を陰極101上に形成する場合、陰極101の表面から突出する異物102が存在すると、異物102によって陰極101の表面に陰となる部分ができる。ここで、「陰」とは、異物を陰極101の表面へ投影させることでできる陰のことを意味する。そして、その陰となる部分には封止膜100が形成され難いため、陰極101の表面から突出した異物102が存在している状態で封止膜100を形成すると、異物102の陰となる部分に対応する箇所に水分・酸素等が入り込む経路(図5に模式的に矢印で図示)が形成される。したがって、有機EL素子に陰極101の表面から突出する異物102が存在していると、水分・酸素等が有機EL層103へと入り込むことがあった。
また、陰極表面から封止膜の表面までの距離が、陰極表面から異物の頂点までの距離の数倍となるような膜厚の厚い封止膜を形成すれば、水分・酸素等が入り込む経路が発生することは少ない。しかし、このような膜厚の厚い封止膜を形成すると、封止膜を形成するために要する時間が長くなるため、生産効率が低下するという問題がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は酸素・水分等が有機EL層に到達することを抑制する有機EL素子を製造できる有機EL素子の製造方法を提供することにある
記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1電極が形成された基板を準備する基板準備工程と、前記基板準備工程の後に有機エレクトロルミネッセンス層を形成する有機エレクトロルミネッセンス層形成工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス層形成工程の後に第2電極を形成する第2電極形成工程と、前記第2電極を覆うように第1封止膜を形成する第1封止膜形成工程と、前記第1封止膜形成工程の後に前記第1封止膜をエッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後に、エッチングされた前記第1封止膜上に第2封止膜を形成する第2封止膜形成工程とを備える。ここで、「封止膜」とは少なくとも水分(水蒸気)及び酸素の透過を抑制する機能のある膜を意味する。
第2電極の表面から突出する異物が存在すると、異物によって第2電極の表面に陰となる部分が生じ、その陰によって第1封止膜形成時に隙間ができる場合がある。この発明では、第1封止膜形成後に第1封止膜をエッチングすることで、第1封止膜の表面部分を除去し第1封止膜を平坦な膜とする。そして、第2封止膜形成工程では、平坦となった第1封止膜上に第2封止膜を形成するため、第2封止膜は、第1封止膜形成時にできた隙間を埋めるとともに、連続する膜として形成される。第2封止膜が連続する膜となれば、第2封止膜には、水分・酸素等が入り込む経路が存在しなくなるため、水分・酸素等が有機EL層に到達することを抑制できる。したがって、第2電極の表面から異物が突出していても、水分・酸素等が有機EL層に到達することを抑制できる有機EL素子を製造することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1封止膜形成工程、前記エッチング工程及び前記第2封止膜形成工程は、同一チャンバー内で実施される。
この発明では、第1封止膜形成工程、エッチング工程及び第2封止膜形成工程を別々のチャンバー内で行なう場合に比較して、それぞれの工程毎にチャンバーを変更する必要がないため、効率よく有機EL素子を製造することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1封止膜及び前記第2封止膜は、同一材料で形成される。
この発明では、第1封止膜及び第2封止膜は、同一材料で形成されるため、第1封止膜形成工程と第2封止膜形成工程とで、有機EL素子の製造環境を変えることや、蒸着させる材料を替える必要はない。したがって、複数層の封止膜を形成する作業を簡略化することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、少なくとも前記第1封止膜は、CVD法により形成される。
第1封止膜を塗布によって形成すると、第1封止膜を形成する際の塗布液が有機EL層と接触して有機EL層がダメージを受けることもあるため好ましくない。この発明では、CVD法によって第1封止膜を形成するため、第1封止膜形成時に有機EL層がダメージを受けるというような悪影響が生じることはない。したがって、第1封止膜よりも外側に形成する封止膜を例えば塗布によって形成しても有機EL層に悪影響が及ぶことはない。
本発明によれば、第2電極の表面から突出する異物が存在していても、水分・酸素等が有機EL層に到達することを抑制できる有機EL素子を製造することができる
以下、本発明を例えば、バックライトに使用する有機EL素子に具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。図1(a)は有機EL素子の模式断面図、(b)は異物が存在する部分の模式断面図である。
図1(a)に示すように、有機EL素子1は、基板としてのガラス基板10の表面に第1電極(陽極)11、有機EL層12、第2電極(陰極)13が順に積層されている。そして、第1電極11、有機EL層12及び第2電極13の外面を覆うように第1封止膜14が形成されており、さらに、第1封止膜14の外面を覆うように第2封止膜15が形成されている。即ち、有機EL素子1は、ガラス基板10上に第1電極11、有機EL層12、第2電極13が順次積層され、かつ第2電極13の外側に第1封止膜14及び第2封止膜15が積層された構成となっている。なお、「第1電極11、有機EL層12及び第2電極13の外面」とは、ガラス基板10の表面に第1電極(陽極)11、有機EL層12、第2電極(陰極)13を順に積層させた状態において、外側に露出している第1電極(陽極)11、有機EL層12、第2電極(陰極)13の面のことである。また、有機EL素子1には、第1電極11、有機EL層12、第2電極13を形成(成膜)する際に発生した異物16が存在している。なお、異物16は、第2電極13の表面17から外側へ向かって突出しており、異物16の大きさは、個々によって異なるが、通常成膜される封止膜の厚さと同じ程度(2ミクロン程度)である。有機EL素子1は有機EL層12の発光がガラス基板10側から取り出される(出射される)所謂ボトムエミッション型の有機EL素子を構成する。
第1電極11はITO(インジウム錫酸化物)膜で形成された透明電極からなる。ここで、「透明」とは可視光透過性であることを意味する。有機EL層12には公知の構成のものが使用され、例えば、第1電極11側から順に、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の3層あるいは正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の4層で構成されている。第2電極13は金属(例えば、アルミニウム)で形成されている。
第1封止膜14は、少なくとも水分(水蒸気)及び酸素の透過を抑制する機能を有し、この実施形態では材料として窒化ケイ素が使用されている。第1封止膜14は、異物16が存在することによって異物16に対応する部分で不連続な層となっている。詳述すれば、第1封止膜14の膜厚は、異物16が存在しない箇所では均一となっているが、図1(b)に示すように、異物16が存在する箇所では、第1封止膜14の膜厚が異物16から離れるにつれて徐々に厚くなっている。また、第1封止膜14は、異物16上にも積層している。第1封止膜14の表面18,19には、エッチング処理が施されており、第1封止膜14の表面18,19は平坦となっている。そして、第1封止膜14の表面18,19が平坦にされているため、第2電極13の表面17から異物16上に積層されている第1封止膜14の表面18までの距離K1は、異物が存在しない部分における第2電極13の表面17から第1封止膜14の表面19までの距離K2と等しくなる。また、第2電極13の表面17から第1封止膜14の表面19までの距離K2が、第2電極13の表面17から異物16の頂点Pまでの距離K3より長くなるように第1封止膜14は形成されている。第1封止膜14は、蒸着により形成可能な材料からなる蒸着膜で構成されている。ここで、「蒸着膜」とは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、CVD法等の真空状態あるいは減圧下で薄膜を形成する方法で形成された膜を意味する。
第2封止膜15は、少なくとも水分(水蒸気)及び酸素の透過を抑制する機能を有し、この実施形態では、酸化ケイ素で構成されている。第2封止膜15は、塗布法によって第1封止膜14上に形成されており、第2封止膜15は、第1封止膜14を形成した際に生じた隙間を埋めるとともに、連続する層として構成されている。そして、第2電極13の表面17から第2封止膜15の表面20までの距離K4は、第2電極13の表面17から第1封止膜14の表面19までの距離K2の2倍となっている。
次に前記のように構成された有機EL素子1の製造方法を説明する。有機EL素子1の製造は、図2のフローチャートに示す手順で行なわれる。
まず、基板準備工程としてのステップS1の第1電極形成工程で、ガラス基板10上にITO膜からなる第1電極11を形成する。そして、ステップS2の基板洗浄工程で、ガラス基板10及び第1電極11の洗浄が行なわれる。この基板洗浄工程においては、第1電極11の表面に付着している有機物や比較的大きな塵埃が除去される。さらに、UV洗浄やプラズマ処理等が行なわれ、洗浄では除去できなかった小さな塵埃や有機物等の除去が行なわれる。
次に、ステップS3の有機EL層形成工程で、有機EL層12が形成(成膜)される。有機EL層12は例えば蒸着法で形成され、有機EL層12を構成する各層は、蒸着により順次形成される。
次に、ステップS4の第2電極形成工程で、第2電極13が形成される。第2電極13は、例えばAlの蒸着により形成される。第2電極形成工程S4終了後、第2電極13形成後の有機EL素子1は、第2電極13の形成が行われたチャンバー内から図示しないCVD装置のチャンバー内へと移送される。そして、このチャンバー内では、後述する第1封止膜形成工程S5及びエッチング工程S6が実施される。
図3に示すように、ステップS5の第1封止膜形成工程で、CVD法によって第2電極13上に第1封止膜14が形成される。このとき、第1封止膜14の膜厚が異物16の大きさより大きい膜厚となるように、第2電極13上に材料を蒸着させる。第1封止膜形成工程S5で第1封止膜14を形成すると、異物16上に積層されている第1封止膜14には、オーバーハングする部分が発生する。ここで、第2電極13上に付着している異物16の大きさは、個々で相違するため、第1封止膜14及び第2封止膜15の膜厚によっては、第1封止膜14及び第2封止膜15を形成したとしても有機EL素子1にいくつかダークスポットが発生することもある。そこで、本実施形態では、有機EL素子1に発生するダークスポットの数が、製品として出荷することのできる許容数より少なくなるように、第1封止膜14及び第2封止膜15の膜厚を設定している。第1封止膜14の膜厚としては、例えば、第1封止膜形成工程S5で異物16の大きさの2倍(より具体的には、4ミクロン程度)となるように形成すれば、有機EL素子1に発生するダークスポットの数は許容数より少なくなる。本実施形態では、予め設定された膜厚となるように第1封止膜形成工程S5で第1封止膜14を形成すれば所望の品質を満足する有機EL素子1が得られるため、有機EL素子1を製造する度に異物16の大きさを観察することは行っていない。
その後、ステップS6のエッチング工程でドライエッチングを実施して、図4に示すように第1封止膜形成工程S5で形成された第1封止膜14の表面部分を除去する。ここで、「エッチング」とは、膜の特定の部分を除去することを意味する。具体的なエッチング工程の説明としては、まず、三フッ化窒素からなるエッチングガス(クリーニングガス)をチャンバーの側方からチャンバー内へ供給する。そして、チャンバー内においてエッチングガスをガラス基板10の一端側から他端側へと流れるように(図4に模式的に矢印で図示)供給しつつエッチングすることで、第1封止膜形成工程で形成された第1封止膜14の表面部分が除去される。したがって、エッチング工程終了後の第1封止膜14は、その表面が平坦になる。なお、チャンバー内にはエッチングガスが常時供給されつつ、供給されたエッチングガスは図示しないポンプによってチャンバーの外へ排気されるため、チャンバー内にエッチングガスが充満することはなく、エッチング工程S6時のチャンバー内の圧力は、所定の圧力に設定される。エッチング工程S6では、第1封止膜形成工程S5で異物16上に積層された第1封止膜14の一部が、エッチング工程S6終了後も異物16上に残るような条件で第1封止膜14をエッチングしている。そして、エッチング工程S6終了後の有機EL素子1は、エッチング工程S6を行なったチャンバー内から、後述する第2封止膜形成工程S7を行なうチャンバー内へと移送される。
そして、ステップS7の第2封止膜形成工程で、表面が平坦となった第1封止膜14上に塗布法によって第2封止膜15が形成される。具体的には、まずポリシラザンを例えばキシレンに溶解することで塗布液とし、その塗布液を第2電極13上に塗布した後、酸化処理を行なって酸化ケイ素とすることで第2封止膜15は形成される。
次に、前記のように構成された有機EL素子1の作用を説明する。
第1電極11、有機EL層12及び第2電極13により構成される部分のうち、特に有機EL層12は水分及び酸素の存在下で劣化し、ダークスポットやダークエリアが発生する。そこで、第1電極11、有機EL層12及び第2電極13の外面を水分や酸素の透過を抑制する封止膜で覆って、有機EL層12が劣化することを抑制している。
ところが、第2電極13の表面17から異物16が突出している状態で第2電極13上に第1封止膜14を形成すると、異物16の陰になる部分における第1封止膜14の膜厚は、異物16が存在しない部分の膜厚に比較して薄く形成される。そのため、例えば、図3に示すように、第1封止膜形成工程S5で、第1封止膜14の膜厚が、異物16の大きさの2倍となるように第1封止膜14を形成した場合には、異物16の陰となる部分に対応する箇所に隙間が生じる。ここで、「異物の陰」とは、異物16を第2電極13の表面17へ投影させることでできる陰のことを意味する。しかし、第1封止膜形成工程S5の後にエッチング工程S6を実施することで、図4に示すように、第1封止膜14の表面が平坦になる。エッチング工程S6終了後の第2封止膜形成工程S7では、塗布液を第1封止膜14上に塗布する際、第1封止膜形成工程S5終了時に生じていた隙間に塗布液が流れ込む。そして、第2封止膜形成工程S7で形成される第2封止膜15は、第1封止膜形成工程S5終了時に生じていた隙間を埋めるとともに連続する層となる。したがって、図1(b)に示すように第2封止膜15には、水分・酸素等が入り込む経路が発生することはない。本発明では、有機EL素子1に第2電極13の表面17から突出する異物16が存在していても、第1封止膜14及び第2封止膜15によって、水分や酸素の透過抑制機能を発揮することができる。
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 第2電極13の表面17からは異物が突出しており、第1封止膜14は異物16に対応する部分が不連続な層になるとともに、第1封止膜14上に形成された第2封止膜15は連続する層となっている。そして、第1封止膜14には、エッチング処理が施されている。
したがって、第2封止膜15には水分・酸素等が入り込む経路が存在しないため、第1封止膜14に欠陥があっても、大気中の水分や酸素等が有機EL層12に到達するのが抑制され、有機EL素子1の寿命を長くすることができる。
(2) 第1封止膜形成工程S5の後に第1封止膜14をエッチングするエッチング工程S6と、エッチング工程S6の後に第2封止膜15を形成する第2封止膜形成工程S7とが行なわれる。
したがって、第2封止膜形成工程S7では第2封止膜15を連続する層として形成することができるため、第2電極13の表面17から異物16が突出していても、水分・酸素等が有機EL層12に到達することを抑制できる有機EL素子1を製造することができる。
(3) 第1封止膜形成工程S5とエッチング工程S6とは、同一チャンバー内で実施される。
したがって、第1封止膜形成工程S5及びエッチング工程S6を別々のチャンバー内で行なう場合に比較して、チャンバーを変更する必要がないため、効率よく有機EL素子1を製造することができる。
(4) 第1封止膜形成工程S5では、第1封止膜14をCVD法によって形成する。
したがって、第1封止膜形成時に有機EL層12がダメージを受けるというような悪影響が生じない。
(5) 第2封止膜形成工程S7では、第2封止膜15を塗布法によって形成する。
したがって、第1封止膜形成工程終了時に生じていた隙間を第2封止膜15によって埋めることができるため、水分・酸素等が有機EL層12に到達することをより抑制することができる。
(6) エッチング工程S6では、エッチングガスがガラス基板10の一端側から他端側へと流れるように供給しつつ第1封止膜14をエッチングする。
したがって、第1封止膜14をエッチングする際に、エッチングガスが第1封止膜形成工程S5終了時に生じた隙間に入り込むことは少ないため、隙間部分に対応する第1封止膜14が除去されることなく、第1封止膜14の表面を除去することができる。第1封止膜形成工程S5終了時に生じた隙間がエッチング工程S6を行なう際に拡大することは、回避される。
(7) エッチング工程S6では、第1封止膜形成工程S5で異物16上に積層された第1封止膜14が、エッチング工程S6終了後も異物16上に残るような条件で、第1封止膜14をエッチングしている。
したがって、異物16上に積層された第1封止膜14を全て除去するようにエッチングした場合の第1封止膜14の膜厚に比べて、エッチング工程S6後の第1封止膜14の膜厚を厚くすることができる。第1封止膜14の膜厚が厚くなれば、水分・酸素等が有機EL層12にまで及ぶことをより抑制することができる。
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第2封止膜15を塗布法で形成する代わりに、蒸着法で形成してもよい。そして、蒸着法のうち、例えば、CVD法で第2封止膜15を形成するようにすれば、エッチング工程S6の後にチャンバーを変更して第2封止膜形成工程S7を実施しなくとも、同一チャンバー内で、第1封止膜形成工程S5、エッチング工程S6及び第2封止膜形成工程S7を実施することができる。このようにすれば、第1封止膜形成工程S5、エッチング工程S6及び第2封止膜形成工程S7を別々のチャンバー内で行う場合に対して、それぞれの工程に移行する際、チャンバーを変更することがないため効率よく有機EL素子1を製造することができる。
○ 第2封止膜15を蒸着法で形成する場合には、第2封止膜15を第1封止膜14と同一の材料である窒化ケイ素で形成してもよい。第1封止膜14と第2封止膜15とを同一の材料で形成すれば、第1封止膜形成工程S5と第2封止膜形成工程S7とで、有機EL素子の製造環境を変えることや、蒸着させる材料を替える必要はない。したがって、第1封止膜14と第2封止膜15とを形成する作業を簡略化することができる。
○ 第1封止膜14と第2封止膜15の2層構成ではなく複数層の構成としてもよい。例えば、第1封止膜14及び第2封止膜15を形成した後に、第3封止膜形成工程を実施して、第3封止膜を第2封止膜15上に形成してもよい。
また、第2電極13上に下層封止膜を形成し、第1封止膜14を下層封止膜の外側に形成してもよい。この場合、下層封止膜及び第1封止膜14には水分・酸素等が入り込む経路が生じているが、下層封止膜の外側に形成された第1封止膜14をエッチングしてエッチング後に第2封止膜15を形成すれば、第2封止膜15は、連続する層となる。
○ 複数層で構成される封止膜の膜として金属膜を設けてもよい。金属膜は第1電極11、第2電極13とを短絡させない状態で設ける必要があり、例えば、第1封止膜14より外側に設けるのが好ましい。金属膜はセラミック膜に比較して同じ厚さにおいてピンホールが発生し難く、外力に対する耐衝撃性も高いため、より水分・酸素が有機EL層12に到達することを抑制できる。
○ 塗布液の材料としてはポリシラザンに限らず、例えば、ブチルゴム、エポキシ樹脂等を使用してもよい。
○ 蒸着膜の材料は、窒化ケイ素でなくてもよい。例えば、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、ダイヤモンドライクカーボンのような材料を用いて蒸着膜を形成してもよい。
○ 有機EL素子1は、バックライト用に限らず、他の照明装置やディスプレイ装置の発光源として使用してもよい。
○ エッチング工程S6で実施するエッチングは、ドライエッチングでなくてもよい。例えば、エッチング工程で第1封止膜14をウェットエッチングして、第1封止膜14の表面部分を除去してもよい。
○ 第1封止膜14は、第2電極13の表面17から第1封止膜14の表面19までの距離K2が、第2電極13の表面17から異物16の頂点Pまでの距離K3より長ければよいため、距離K2の長さについてはとくに限定されない。例えば、第2電極13の表面17から第1封止膜14の表面19までの距離K2が、第2電極13の表面17から異物16の頂点Pまでの距離K3の2倍となるように第1封止膜14を形成してもよい。
○ 基板は、ガラス基板10でなくともよい。例えば、ガラス基板10に代えて樹脂製で透明なフレキシブル基板を使用してもよい。
○ 有機EL層12の発光の取り出し方向を基板側とするボトムエミッション型に限らず、基板と反対側から光を取り出すトップエミッション型としてもよい。その場合、有機EL層12を挟んで基板と反対側に配置される第2電極13を透明とする必要があるため、第2電極13をITO膜からなる透明電極(陽極)とし第1電極11を陰極として有機EL素子1を構成してもよい。
○ 第1電極形成工程S1から第2封止膜形成工程S7までを一貫して行なわなくてもよい。例えば、基板準備工程としてガラス基板10上に第1電極11が形成された市販品を準備した後に、基板洗浄工程S2から第2封止膜形成工程S7までを一貫して行なうようにしてもよい。また、第1電極形成工程S1をある工場で実施した後に有機EL素子1を移送して、基板洗浄工程S2から第2封止膜形成工程S7までを一貫して他の工場で行なうような作業工程を採用してもよい。
○ 異物16は、第2電極13の表面17から突出していればよいため、第2電極13上に付着しているものに限定されない。例えば、異物16が第1電極11や有機EL層12に付着している場合であっても、異物16が第2電極13の表面17から突出する大きさであると、第1封止膜14を第2電極13上に形成する際、隙間ができる場合がある。なお、異物16が第1電極11に付着した状態で、有機EL層12及び第2電極13を形成すると、異物16上に有機EL層12及び第2電極13の材料からなる層が積層する。この場合、異物16とは、有機EL層12及び第2電極13の材料からなる層を含んだ全体を指す。
○ エッチング工程S6では、異物16上に積層された第1封止膜14のうち、オーバーハングしている部分の一部を除去するようにしてもよい。このようにすれば、異物16上に積層された第1封止膜14がオーバーハングすることでできる陰をエッチング工程S6で減少させた後に、第2封止膜形成工程S7で第2封止膜15を形成することができる。したがって、第2封止膜15に隙間ができることをより抑制することができる。
以下の技術的思想は前記実施形態から把握できる。
第1電極が形成された基板を準備する基板準備工程と、前記基板準備工程の後に有機エレクトロルミネッセンス層を形成する有機エレクトロルミネッセンス層形成工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス層形成工程の後に第2電極を形成する第2電極形成工程と、前記第2電極を覆うように下層封止膜を形成する下層封止膜形成工程と、前記下層封止膜の外側に第1封止膜を形成する第1封止膜形成工程と、前記第1封止膜形成工程の後に前記第1封止膜をエッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後に前記第1封止膜上に第2封止膜を形成する第2封止膜形成工程とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(a)は、一実施の形態の有機EL素子の模式断面図、(b)は、異物が存在する部分の模式断面図。 製造プロセスを示すフローチャート。 第1封止膜形成工程時の部分模式断面図。 エッチング工程時の部分模式断面図。 従来技術の異物の作用を説明する模式断面図。
符号の説明
1…有機EL素子、10…ガラス基板、11…第1電極、12…有機EL層、13…第2電極、14…第1封止膜、15…第2封止膜、16…異物、17,18,19,20…表面。

Claims (4)

  1. 第1電極が形成された基板を準備する基板準備工程と、
    前記基板準備工程の後に有機エレクトロルミネッセンス層を形成する有機エレクトロルミネッセンス層形成工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層形成工程の後に第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    前記第2電極を覆うように第1封止膜を形成する第1封止膜形成工程と、
    前記第1封止膜形成工程の後に前記第1封止膜をエッチングするエッチング工程と、
    前記エッチング工程の後に、エッチングされた前記第1封止膜上に第2封止膜を形成する第2封止膜形成工程とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記第1封止膜形成工程、前記エッチング工程及び前記第2封止膜形成工程は、同一チャンバー内で実施される請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記第1封止膜及び前記第2封止膜は、同一材料で形成される請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 少なくとも前記第1封止膜は、CVD法により形成される請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
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