JP4705728B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄機本体における洗浄槽の側壁に固着されたガイド部材にフィルタ部材を掛止するように構成された食器洗浄機に関し、特に、ガイド部材の断面形状を単純なコ字状に形成することにより、ガイド部材が洗浄槽の内側方向に延びる長さを小さくしてフィルタ部材の濾過面積を増大することが可能であるとともに、ガイド部材の下側に付着するゴミ等の発見を容易にして掃除を簡単に行うことが可能な食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より提案されている食器洗浄機において、汚れた食器の洗浄中に発生する食物滓等を濾過するフィルタ部材を洗浄機本体の洗浄槽に配置する構成としては各種の構成が存在し、例えば、従来の食器洗浄機においては図9、図10に示すような構成でフィルタ部材を配置するのが一般的である。
【0003】
ここで、図9、図10を参照して従来の食器洗浄機における洗浄機本体の洗浄槽内でフィルタ部材を配置する構成について説明する。図9は従来の食器洗浄機におけるフィルタ部材の配置構成を模式的に示す斜視図、図10は従来の食器洗浄機におけるフィルタ部材の配置構成を模式的に示す断面図である。
【0004】
図9、図10において、食器洗浄機の洗浄機本体100に設けられた洗浄槽101の側壁102には、洗浄槽101を開閉する開閉扉(図示せず)を閉じる際に開閉扉の下端を当接して衝撃を緩和する2つのストッパ部材103が固着されている。かかるストッパ部材103は、開閉扉の下端が当接される突起部104を有する。
【0005】
そして、断面視で略L字形状を有するガイド部材105が、各ストッパ部材103突起部104を介して側壁102に水平状態で取り付けられている。ここに、ガイド部材105は、内壁102と突起部材104と間の隙間に配置される係止部105A、突起部104を挿通する挿通孔105Bが設けられた上水平部105C、上水平部105Cの端縁からストッパ部材103の長さよりも下方に長く垂下された垂下部105D、垂下部105Dの下端から水平方向に延出された下水平部105Eが一体に形成されてなる。上水平部105Eには、フィルタ部材106の耳部106Aが載置され掛止されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の食器洗浄機におけるフィルタ部材106の配置構成では、掛止部105A、上水平部105C、垂下部105D及び下水平部105Eから一体に形成され、断面視で略L字形状を有するガイド部材105を使用しているので、掛止部105Aと下水平部105Eの端部(図10中、右端部)との間の距離で決定されるガイド部材105の水平方向の幅Lは、比較的大きなものとなる。従って、ガイド部材105の下水平部105Eに、耳部106Aを介して掛止されるフィルタ部材106において形成可能な濾過面積は、ガイド部材105の幅Lが大きくなる分に応じて狭くなり制限を受けてしまう。かかる場合には、汚れた食器の洗浄中に発生する食物滓等の濾過効率が低下してしまい、フィルタ部材106の掃除を頻繁に行わなければならない。
【0007】
また、図10に示すように、ガイド部材105の垂下部105Dは、ストッパ部材103よりも下方に長く形成されていることから、ストッパ部材103の下端と垂下部105Dの裏側面(図10中、左側面)との部分は、外部からは見ることができない袋状の死角となる。従って、図10に示すように、食器の洗浄中に、洗浄槽101内の洗浄液が飛散して食物滓等107がストッパ部材103の下端と垂下部105Dの裏側面との間に付着した場合、外部から見ることができないことから、食物滓等107の存在に気付かずにそのまま食器の洗浄動作を継続してしまう虞がある。かかる場合には、洗浄槽101が不衛生となってしまい、また、長い間に食物滓等107がストッパ部材103や垂下部105Dに強固に付着してその掃除が困難なものとなる。
【0008】
本発明は前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、ガイド部材の断面形状を単純なコ字状に形成することにより、ガイド部材が洗浄槽の内側方向に延びる長さを小さくしてフィルタ部材の濾過面積を増大することが可能であるとともに、ガイド部材の下側に付着する食物滓等の発見を容易にして掃除を簡単に行うことが可能な食器洗浄機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る食器洗浄機は、洗浄槽を有する洗浄機本体と、洗浄槽の上部を開閉する開閉扉とを備え、洗浄槽と開閉扉とにより形成される洗浄室内で食器の洗浄を行う食器洗浄機において、前記洗浄槽の側壁に固着されるとともに、上水平部、洗浄槽の側壁に固着される固着部及び下水平部を有する断面コ字状に形成されたガイド部材と、前記ガイド部材の下水平部に掛止されるフィルタ部材とを備え、前記ガイド部材の下水平部は、前記洗浄槽の内側方向に向かって上水平部よりも水平方向に延出されていることを特徴とする。
【0010】
請求項1の食器洗浄機では、洗浄槽の側壁に固着されるガイド部材の断面形状が、上水平部、固着部及び下水平部からなるシンプルなコ字状に形成されているので、ガイド部材が洗浄槽の内側方向に延びる長さを小さくしてフィルタ部材の濾過面積を増大することが可能となる。これにより、汚れた食器の洗浄中に発生する食物滓等の濾過効率を向上してフィルタ部材の掃除の頻度を低減することができる。また、下水平部の下面に死角を発生することなく、下水平部の下面に付着した食物滓等を外部から容易に発見することを可能として食物滓等の掃除を簡単に行うことができ、また、洗浄槽が不衛生となってしまうことを防止することができる
【0011】
また、請求項に係る食器洗浄機は、前記ガイド部材の下水平部は、前記洗浄槽の内側方向に向かって上水平部よりも水平方向に延出されていることを特徴とする。かかる請求項の食器洗浄機では、ガイド部材の断面形状をシンプルなコ字状に形成しつつ、下水平部が洗浄槽の内側に向かって上水平部よりも水平方向に延出するように構成したので、下水平部に対してフィルタ部材をセットする際においても上水平部が邪魔になることはなく、従って、下水平部に対してフィルタ部材を容易にセットすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る食器洗浄機について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、図1に基づき食器洗浄機の概略構成について説明する。図1は開閉扉を開放した状態を示す食器洗浄機の斜視図である。図1において、食器洗浄機Wは洗浄機本体1を備えている。洗浄機本体1は、食器洗浄機Wの下部を構成し、その内部には、上洗浄ノズル及び下洗浄ノズルに対して洗浄水を供給するための洗浄水供給管、洗浄ポンプが内設されており、また、上すすぎノズル及び下すすぎノズルに対してすすぎ水を供給するためのすすぎ水供給管、すすぎポンプが内設されている。その他、洗浄機に必要な各種の装置も内設されている。尚、前記各洗浄ノズル、すすぎノズル、その他の構成については、食器洗浄機Wにおいて公知であり、従って、ここではこれらの詳細説明については省略する。
【0013】
洗浄機本体1の背部にはリアパネル2が配設されており、また、リアパネル2の前方側(図1中、紙面の手前側)には左右一対のガイドレール3が立設されている。
【0014】
洗浄機本体1の上方において、底部が開放されて箱状に形成された開閉扉4が、各ガイドレール3に沿って昇降可能に設けられている。かかる開閉扉4は、その閉塞時に洗浄室を区画するものであり、開閉扉4が閉塞された状態で、上洗浄ノズル、下洗浄ノズルから洗浄水を噴射することにより洗浄機本体1の上部にて平行に配設された複数本のパイプ5をからなるラック載置部上に載置された食器ラック6に収納された食器7の洗浄が行われる。また、図1に示すように、開閉扉4が開放された状態で、食器7を収納した食器ラック6の洗浄室Rへのセット及び取出が行われる。
【0015】
開閉扉4の外側には、リアパネル2の上端部における2箇所に形成された支点8(図1中には、1つの支点8のみを示す)を中心として回動可能なハンドル9が取り付けられている。ハンドル9は、開閉扉4の周囲を囲むように、略「コ」字状に形成されている。ハンドル9の前方側(図1中、左側)には、相互に対向する2箇所にて支点10(図1中では、1つの支点10のみを示す)が設けられており、また、同様に、開閉扉4の相互に対向する側壁4A(図1中、一方のみを示す)には支点11が設けられている。そして、各支点10と支点11との間には、リンク12が連結されている。
【0016】
前記構成において、開閉扉4を開放するには、ハンドル9を支点8の回りに時計方向に回動する。これにより、ハンドル9は支点8の回りに時計方向に回動され、また、ハンドル9の上昇に対応してリンク12も時計方向に回動される。この状態でハンドル9を上方に押上げると、開閉扉4は、各ガイドレール3に沿って上方に移動案内され、図1に示す状態まで開放される。また、開閉扉4を閉塞するには、ハンドル9を下方に押し下げると、前記と逆の動作が行われ、これにより開閉扉4は閉塞状態にセットされる。
【0017】
尚、リアパネル2の上部側方位置に取り付けられているのは操作パネル13である。かかる操作パネル13を操作することにより、洗浄動作、すすぎ動作等の動作を行わせることができる。
【0018】
また、図1において、洗浄機本体1の一部を切り欠いて示すように、洗浄機本体1の内部には洗浄槽20が設けられており、また、洗浄槽20の両側壁21には、断面視で略コ字状を有するガイド部材22が固着されている。各ガイド部材22間には、2つのフィルタ部材23、23が掛装されている。各フィルタ部材23は、汚れた食器7の洗浄中に発生する食物滓等を濾過する作用を行うものである。また、右側のフィルタ部材23には、膨出部23Aが形成されており、かかる膨出部23Aの下方には、オーバーフローパイプ25が配置されている。
【0019】
次に、前記のように構成された食器洗浄機Wにおける洗浄機本体1の洗浄槽20内でフィルタ部材23を配置する構成について、図2及び図3に基づき説明する。図2は食器洗浄機Wにおけるフィルタ部材23の配置構成を模式的に示す斜視図、図3は食器洗浄機におけるフィルタ部材23の配置構成を模式的に示す断面図である。尚、図2及び図3では、ガイド部材22とフィルタ部材23との配置関係につき洗浄槽20の片方の側壁21における配置関係しか示されていないが、かかる配置関係は洗浄槽20の両側の側壁21において同一である。
【0020】
図2及び図3において、洗浄機本体1に設けられた洗浄槽20の側壁21には、ガイド部材22がネジ24Aを介して固着されている。このガイド部材22は、上水平部22A、上水平部22Aの左端部から垂下されて側壁21に固着される固着部22B及び固着部22Bの下端から水平方向に延出された下水平部22Cから一体に構成されており、断面視で略コ字状に形成されている。また、フィルタ部材23の側部には、ガイド部材22の下水平部22Cに載置されて掛止される耳部23Aが形成されている。
【0021】
ここに、固着部22Bの外側面(固着面)と上水平部22Aの外側端部(左側端部)との間の距離で決定される上水平部22Aの幅Mは、固着部22Bの外側面と下水平部22Cの外側端部(左側端部)との間の距離で決定される下水平部22Cの幅Nよりも小さく形成されている。換言すれば、下水平部22Cは、洗浄槽20の内側方向に向かって上水平部22Aよりも水平方向に延出されていることとなる。
【0022】
前記した上水平部22Aの幅Mと下水平部22Cの幅Nとの関係から、ガイド部材22の幅は、下水平部22Cの幅Nで決定されるが、かかる幅Nは、前記したようにガイド部材22がシンプルなコ字状に形成されているので小さくなり、これよりガイド部材22が洗浄槽20の内側方向に延びる長さを小さくしてフィルタ部材23の濾過面積を増大することが可能となる。これに基づき、汚れた食器の洗浄中に発生する食物滓等を濾過するフィルタ部材23の濾過効率を向上してフィルタ部材23の掃除の頻度を低減することができる。
【0023】
また、下水平部22Cの幅Nが小さくなることに基づき、下水平部22Cの下面に死角を発生することなく、下水平部22Cの下面に付着した食物滓等24を外部から容易に発見することを可能として食物滓等24の掃除を簡単に行うことができ、また、洗浄槽20が不衛生となってしまうことを防止することができる。
【0024】
更に、ガイド部材22の断面形状をシンプルなコ字状に形成しつつ、下水平部22Cが洗浄槽20の内側に向かって上水平部22Aよりも水平方向に延出するように構成されているので、下水平部22Cに対してフィルタ部材23の耳部23Aをセットする際においても上水平部22Aが邪魔になることはなく、従って、下水平部22Cに対してフィルタ部材23を容易にセットすることができる。
【0025】
また、開閉扉4を介して洗浄槽20を閉塞して食器ラック6内の食器7の洗浄を行う場合、開閉扉4の下端4Aは、図3に示すように上水平部22Aに近接するが、このとき、上水平部22Aは、開閉扉4の外側面と洗浄槽20の内側側壁21との間に形成される隙間から洗浄水が外部に飛散してしまうことを確実に防止する。
【0026】
次に、オーバーフローパイプ25の構成について図1、図4乃至図6に基づき説明する。図4はオーバーフローパイプ25の分解斜視図、図5はオーバーフローパイプ25の下端部と排水管との接続構造の一部を省略して示す説明図、図6はオーバーフローパイプ25の作用を説明する説明図である。
【0027】
オーバーフローパイプ25は、洗浄槽20の底壁26(図1参照)に配設されたフランジ部材27(図1参照)に立設されている。かかるオーバーフローパイプ25は、図4に示すように、ステンレス製のパイプ部材28、パイプ部材28の上端部に固着された板状部材29及び板状部材29の締結孔30に挿通されたネジ31を介して板状部材29に締結固定される把持部材32とから構成されている。
【0028】
ここに、パイプ部材28の上端部の周囲には、洗浄水をオーバーフローさせる複数の排水孔33が形成されており、また、パイプ部材28の下端部には、テーパ部34が形成されている。テーパ部34は、図5に示すように、フランジ部材27に配設された合成樹脂製の排水管35の排水口36に嵌合される。かかる排水口36の周囲には、パイプ部材28のテーパ部34のテーパ形状と合致するテーパ部37が形成されている。かかるテーパ部37は、パイプ部材28がステンレス製であり、また、排水管35が合成樹脂製であることから、排水管35を合成樹脂材から射出成形した後に、パイプ部材28のテーパ部34のテーパ形状に合致するように排水口36の上端部内周面に切削加工が施されている。これにより、パイプ部材28のテーパ部34と排水管35のテーパ部37とは、直接密着してシール構造を構成する。このようにパイプ部材28と排水管35との間で直接シール構造を形成したので、両者の物理的特性に基づき洗浄水の温度による影響、アルカリや油脂等による影響を受けることなく安定的にシールすることができ、更に、両者の間でぐらつきが発生することを防止できるので、図6に示すように、排水孔33からオーバーフローする洗浄水の水位Sを一定に保持することができ、この結果、洗浄槽20内における洗浄水の水位Sを一定に保持することができる。
【0029】
尚、把持部材32は、オーバーフローパイプ25を排水管35から引き抜く際に、手で把持されるものである。
【0030】
以上説明した通り本実施形態に係る食器洗浄機Wでは、ガイド部材22における上水平部22Aの幅Mと下水平部22Cの幅Nとの関係から、下水平部22Cの幅Nで決定されるガイド部材22の幅は、ガイド部材22がシンプルなコ字状に形成されていることから小さくなり、これよりガイド部材22が洗浄槽20の内側方向に延びる長さを小さくしてフィルタ部材23の濾過面積を増大することが可能となる。これに基づき、汚れた食器の洗浄中に発生する食物滓等を濾過するフィルタ部材23の濾過効率を向上してフィルタ部材23の掃除の頻度を低減することができる。
【0031】
また、下水平部22Cの幅Nが小さくなることに基づき、下水平部22Cの下面に死角を発生することなく、下水平部22Cの下面に付着した食物滓等24を外部から容易に発見することを可能として食物滓等24の掃除を簡単に行うことができ、また、洗浄槽20が不衛生となってしまうことを防止することができる。
【0032】
更に、ガイド部材22の断面形状をシンプルなコ字状に形成しつつ、下水平部22Cが洗浄槽20の内側に向かって上水平部22Aよりも水平方向に延出するように構成されているので、下水平部22Cに対してフィルタ部材23の耳部23Aをセットする際においても上水平部22Aが邪魔になることはなく、従って、下水平部22Cに対してフィルタ部材23を容易にセットすることができる。
【0033】
また、開閉扉4を介して洗浄槽20を閉塞して食器ラック6内の食器7の洗浄を行う場合、開閉扉4の下端4Aは、図3に示すように上水平部22Aに近接するが、このとき、上水平部22Aは、開閉扉4の外側面と洗浄槽20の内側側壁21との間に形成される隙間から洗浄水が外部に飛散してしまうことを確実に防止する。
【0034】
尚、前記実施形態に係る食器洗浄機Wにおいて、開閉扉4のバネ付勢機構は、本出願人の出願に係る特願平10−90150号の明細書及び図面(特開平11−285464号公報)に記載されたバネ付勢機構と同一の機構を採用しているが、本願発明が所謂アンダーカウンタタイプの食器洗浄機に採用された場合には、例えば図7及び図8に示すようなバネ付勢機構を採用してもよい。
【0035】
図7はアンダーカウンタタイプの食器洗浄機においてバネ付勢機構により開閉ドアが閉じられた状態を模式的に示す説明図、図8はバネ付勢機構により開閉扉が開放された状態を取り出して模式的に示す説明図である。
【0036】
図7及び図8において、アンダーカウンタタイプの食器洗浄機40の前面側(図7中、左側)には、その上部に上前面パネル41、その下部に下前面パネル42が固設されている。また、上前面パネル41と下前面パネル42との間には、開閉扉43が配置されている。更に、開閉扉43と下前面パネル42との間にはバネ付勢機構44が設けられている。
【0037】
バネ付勢機構44は、側面視で略L字状の作動片45を有しており、この作動片45の左側端部45Aは下前面パネル42の上部にて軸46を介して回動可能に支持されており、また、作動片45の上側端部45Bは開閉扉43に固定されている。更に、作動片45における左側端部45Aと右側端部45Cとの略中間位置に存在する固定点Pには、付勢バネ47の一端が固定されており、かかる付勢バネ47の他端は食器洗浄機40の底部40Aにおける固定点Qに固定されている。
【0038】
前記バネ付勢機構44において、固定点Pと固定点Qは、図7に示すように、水平方向に距離Rだけずれている。このように位置関係に基づき、軸46、固定点P及び固定点Qで形成される角度Xは、鈍角となる。このとき、付勢バネ47は若干伸張した状態にあり、これに伴いその張力(付勢力)は増大した状態にある。このように増大した張力に基づき付勢バネ47は開閉扉43を閉じた状態に保持している。
【0039】
そして、図7の状態から付勢バネ47の付勢力に抗して開閉扉43を開放していくと付勢バネ47は除々に伸張していき、開閉扉43が閉状態から略45度まで開放された時点で軸46、固定点P及び固定点Qで形成される角度Xは略90度(直角)となる。このように角度Xが略90度になった時点で付勢バネ47の張力は開閉扉43に対して最大に作用する。更に、開閉扉43を開放していくと、付勢バネ47は更に伸張するとともに、角度Xは90度から鋭角に転じ除々に小さくなっていく。このように角度Xが除々に小さくなっていくに従って付勢バネ47は伸張されていくものの、付勢バネ47が開閉扉43に対して作用する力は除々に小さくなっていき、開閉扉43は図8に示す状態まで開放される。尚、図8に示す開閉扉43の開放状態から図7に示す閉状態まで開閉扉43を閉じていく場合には、前記した動作と逆の動作が行われる。
【0040】
前記した開閉扉43の開放動作に基づけば、開閉扉43の開放に要する力は、閉状態から45度まで開放していく間には除々に大きくなっていき、開閉扉43が45度を越えて水平状態まで開放していく間には除々に小さくなっていく。また、開放状態から開閉扉43を閉じる場合、開閉扉43に作用する力は、前記とは逆の関係となり、小さい状態から除々に大きくなり、この後除々に小さくなっていく。
【0041】
前記したように、開閉扉43の開閉時に、開閉扉43を開放する力(作用する力)は、開閉扉43が略45度開放した状態で最大となり、その前後では小さくなるので、開閉扉43が急激に開放したり、閉じたりすることを確実に防止することができる。従って、開閉扉43の開閉時に、開閉扉43が扉ストッパ(図示せず)に当接する際の衝撃を緩和することができ、これより衝撃音を小さくして開閉扉43の寿命を長くすることができる。
【0042】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が能であることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明は、ガイド部材の断面形状を単純なコ字状に形成することにより、ガイド部材が洗浄槽の内側方向に延びる長さを小さくしてフィルタ部材の濾過面積を増大することが可能であるとともに、ガイド部材の下側に付着する食物滓等の発見を容易にして掃除を簡単に行うことが可能な食器洗浄機を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 開閉扉を開放した状態を示す食器洗浄機の斜視図である。
【図2】 食器洗浄機におけるフィルタ部材の配置構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】 食器洗浄機におけるフィルタ部材の配置構成を模式的に示す断面図である。
【図4】 オーバーフローパイプの分解斜視図である。
【図5】 オーバーフローパイプの下端部と排水管との接続構造の一部を省略して示す説明図である。
【図6】 オーバーフローパイプの作用を説明する説明図である。
【図7】 アンダーカウンタタイプの食器洗浄機においてバネ付勢機構により開閉ドアが閉じられた状態を模式的に示す説明図である。
【図8】 バネ付勢機構により開閉扉が開放された状態を取り出して模式的に示す説明図である。
【図9】 従来の食器洗浄機におけるフィルタ部材の配置構成を模式的に示す斜視図である。
【図10】 従来の食器洗浄機におけるフィルタ部材の配置構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・洗浄機本体、4・・・開閉扉、6・・・食器ラック、7・・・食器、20・・・洗浄槽、21・・・洗浄槽の側壁、22・・・ガイド部材、22A・・・上水平部、22B・・・固着部、22C・・・下水平部、23・・・フィルタ部材、23A・・・耳部、W・・・食器洗浄機

Claims (1)

  1. 洗浄槽を有する洗浄機本体と、洗浄槽の上部を開閉する開閉扉とを備え、洗浄槽と開閉扉とにより形成される洗浄室内で食器の洗浄を行う食器洗浄機において、
    前記洗浄槽の側壁に固着されるとともに、上水平部、洗浄槽の側壁に固着される固着部及び下水平部を有する断面コ字状に形成されたガイド部材と、
    前記ガイド部材の下水平部に掛止されるフィルタ部材とを備え、
    前記ガイド部材の下水平部は、前記洗浄槽の内側方向に向かって上水平部よりも水平方向に延出されていることを特徴とする食器洗浄機。
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