JP4705607B2 - 鋼床版および鋼床版の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼床版および鋼床版の製造方法に関し、詳しくは、主桁に支持される複数の横リブと、この横リブに交差して支持される複数の縦リブと、これらの横リブおよび縦リブの上側に溶接固定されるデッキプレートとを備え、道路橋等における路盤支持構造として用いられる鋼床版、およびその製造方法に関する。
従来、道路橋等に用いられる鋼床版の構造として、横リブ(横桁)に切り欠きを設けるとともに、この切り欠きに縦リブを挿通して横リブと縦リブとを交差させ、この交差部において切り欠きに沿って横リブと縦リブとを溶接接合するとともに、横リブと縦リブの上側にデッキプレートを溶接固定したものが一般的である(非特許文献1の第5章参照)。
このような鋼床版に用いられる縦リブとしては、断面U字形のUリブや、上下に延びる平板状の平板リブ、上下に延びる板状の下端部に拡大部を有した断面形状のバルブプレートリブ(バルブリブ)などがあり、これらの縦リブの断面形状に応じて横リブの切り欠き形状および溶接位置が規定されている。すなわち、縦リブがUリブの場合には、Uリブの左右側面に沿った一対の側端縁およびUリブの下面に沿った下端縁がスカラップで連続した切り欠き形状とされ、この切り欠きの一対の側端縁部分とUリブの左右側面とが片面隅肉溶接で接合されるようになっている。一方、平板リブやバルブリブの場合には、上下に延びて下端部にスカラップを有し縦溝状で、かつ平板リブの平板部やバルブリブの拡大部が挿通可能な幅寸法を有した切り欠き形状とされ、この切り欠きの一方の側端縁部分と平板リブやバルブリブの平板部側面とが片面隅肉溶接で接合されるようになっている。
一方、鋼床版の構造として、縦リブに逆T字形断面を有したCT形鋼を用いたものが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された鋼床版では、主桁に架設した横リブとしてのH形鋼の上面に縦リブとしてのCT形鋼を載置して支持させ、このCT形鋼のウェブ上端縁とデッキプレート(16mm以上の厚さ寸法を有した鋼板)とが両面隅肉溶接で接合されるようになっている。この鋼床版の構造は、道路橋等などの架け替えの際の施工の容易さや工期短縮を図るために考案されたもので、H形鋼(横リブ)にCT形鋼(縦リブ)を載置することから、鋼床版全体の高さ寸法が大きくなってしまうという欠点を有している。そこで、横リブにも逆T字形断面を有したCT形鋼を用い、このCT形鋼のウェブに縦リブを溶接接合する構造が考えられ、この場合には、隣接する横リブの間隔寸法(スパン)に応じた長さ寸法の縦リブを用意し、一対の横リブのウェブ側面に縦リブの長手方向両端部を溶接接合することとなる。
ところで、道路橋等の路盤上(デッキプレート上)を車両が通行した際において、横リブに対する荷重位置(前輪および後輪の位置)の関係によって、横リブと縦リブとの接合部に発生する応力についての研究がなされている(非特許文献2のFig.26、Fig.27参照)。この文献によれば、横リブと縦リブとの接合部に発生する応力は、荷重位置が横リブから離れるほど大きくなり、横リブ間の中央近傍で最大になるという知見が開示されている。ただし、非特許文献2に記載された研究データは、隣接する横リブ間隔(スパン)が2.75mのものであり、スパンが3mを超える場合のデータは開示されていない。
また、鋼床版に作用する車輪からの動荷重によってデッキプレート、縦リブ、横リブ等の溶接接合部に発生する疲労き裂についても、既存道路橋の調査を実施した報告がなされている(非特許文献3の図1および表2参照)。この文献によれば、縦リブとデッキプレートとの溶接部や、縦リブ同士の突き合わせ溶接部、縦リブと横リブとの交差部などに疲労き裂の発生が見られ、特に、縦リブ(Uリブ、バルブリブ)と横リブとの交差部における疲労き裂が多数見られることが開示されている。
特開平11−50416号公報 鋼道路橋の疲労設計指針(社団法人日本道路協会)平成14年3月発行 INTERNATIONAL INSTITUTE OF WELDING XIII-1973-03、「Identification of thecause of fatigue damage in an orthotropic steel bridge deck structure with box girder 」(S.Suganuma and others.) 土木学会第61回年次学術講演会(平成18年9月)、1067〜1068頁、「阪神高速道路における鋼床版の疲労損傷状況報告」(高田、他)
前記非特許文献2に記載されているように(同文献のFig.22等参照)、道路橋における鋼床版のデッキプレート上を車両が走行すると、デッキプレートに作用する動荷重により、デッキプレート、縦リブ(Uリブ)、横リブの変形が繰り返される。このような繰り返しの変形を受けると、デッキプレートと縦リブや横リブとの溶接部、縦リブと横リブとの溶接部に疲労き裂が発生する可能性が高い。そして、縦リブがUリブから構成されている場合には、このUリブの外側からしかデッキプレートに溶接できないことから、ルート側の疲労強度が低くなってしまう。
また、前記非特許文献2によれば、荷重位置が横リブ間の中央近傍の場合に横リブと縦リブとの接合部に発生する応力が最大になることから、横リブ間隔が広くなるほど、横リブと縦リブとの接合部での発生応力が増大し、接合部位置での溶接部に疲労き裂が発生する可能性が一層高くなってしまう。
このような横リブと縦リブとの接合部における発生応力を低減させる方法としては、縦リブや横リブの部材高さ寸法を大きくすることが考えられるものの、従来の縦リブとして用いられるUリブや平板リブ、バルブリブは、その板厚や部材高さ寸法の製造サイズが限られ、特に平板リブでは座屈防止のために自由端の突出長が制限されるために高さ寸法が大きくできない。従って、非特許文献1で規定された2.5mを超えて横リブ間隔を拡大することが困難である。
一方、前記特許文献1の鋼床版に基づいて、横リブの側面(ウェブ)に縦リブの長手方向両端部を溶接接合する構造を採用したとすると、以下のような問題が生じる。
すなわち、横リブの間隔寸法であるスパンごとに縦リブが切断され、この縦リブ全ての両端部を横リブの側面に溶接することとなるため、溶接箇所数が膨大になるとともに、部材数も多数になることから、部材数量および加工手間が増加して製造コストが大幅に増大してしまう。さらに、縦リブの両端部を横リブの側面に突き合わせた状態でこれらを溶接することから、この溶接部の溶接精度を確保することが困難になり、疲労強度の低下を招く原因になりやすい。そして、このような溶接部の箇所数が膨大であるために、溶接欠陥が発生する可能性も高まり、この点からも溶接部に疲労き裂が発生しやすくなってしまう。
本発明の目的は、溶接部の疲労き裂を防止しかつコスト増加を最小限に抑えて横リブ間隔の大スパン化が可能な鋼床版および鋼床版の製造方法を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の鋼床版は、主桁に支持される複数の横リブと、この横リブに交差して支持される複数の縦リブと、これらの横リブおよび縦リブの上側に溶接固定されるデッキプレートとを備えた鋼床版であって、前記横リブは、上下に延びるウェブを少なくとも有し、このウェブには、上方に開口して下方に延びる複数の切り欠きが形成され、前記縦リブは、上下に延びるウェブと、このウェブの下端部に連続するフランジとから略逆T字形または略L字形の断面を有し、前記横リブの切り欠きに対応した位置の前記フランジが切り欠かれて形成され、前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブが挿通された状態で、当該横リブのウェブと縦リブのフランジとが添え板を介してボルト接合されていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、横リブに複数の切り欠きを形成し、これらの切り欠きに縦リブを挿通することで、横リブを1枚ものの通しで製作できるとともに、縦リブに関しても横リブとの交差部で切断されずに、縦リブのウェブを通しで製作することができる。そして、フランジを切り欠いた縦リブを横リブの切り欠きに挿通して互いに交差させ、この交差部において横リブのウェブと縦リブのフランジとを添え板を介してボルト接合することで一体化でき、製作に要する工数を削減することができるとともに、部材数量の増加を抑制することができる。さらに、横リブと縦リブとをボルト接合することで、横リブと縦リブのウェブ同士を直接に溶接しなくてもよいため、この接合部に疲労き裂が発生しないようにできる。
また、縦リブのフランジを切り欠いたことで、横リブに設ける切り欠きの幅寸法を縦リブのフランジ幅とは無関係に設定することができる。従って、横リブの切り欠きの幅寸法を縦リブのウェブを挿通させるのに必要な最小限の寸法に設定することで、横リブとデッキプレートとの溶接部における発生応力を低減することができる。さらに、縦リブのウェブ上端縁とデッキプレートとを両面隅肉溶接で接合することで、縦リブとデッキプレートとの溶接部における疲労損傷も防止できる。
また、縦リブとして略逆T字形または略L字形の断面を有した鋼材を用いたことで、従来のUリブや平板リブ、バルブリブ等のような部材高さ寸法の制約がなくなり、縦リブの高さ寸法を適宜設定することで、横リブ同士の間隔寸法を長くすることができ、このような横リブ間隔の大スパン化によって、部材数を削減することができる。
この際、本発明の鋼床版では、前記横リブ同士の間隔が3m以上かつ8m以下の範囲に設定されていることが好ましい。
ここで、横リブ同士の間隔(横リブのスパン)を8m以下に設定したのは、大型車両の前後輪間隔が8m程度であることから、横リブの1スパン内に前後輪の両方が位置しないようにするためであり、このような条件下であれば、横リブや縦リブ、デッキプレート、これらの溶接接合部に発生する応力は、前記非特許文献2等で報告されたものから大きく乖離することがなく、前述した本発明の作用効果を得ることができる。
また、本発明の鋼床版では、前記横リブの切り欠きの下端部には、前記縦リブのフランジよりも大きな幅寸法を有した幅広のスカラップが形成され、前記切り欠かれた縦リブのフランジ同士が前記スカラップに挿通された添え板を介して連結されていてもよい。
さらに、本発明の鋼床版では、前記横リブのウェブと前記縦リブのウェブとが添え板を介して接合されていてもよい。
このように横リブのウェブと縦リブのフランジとを接合する前記添え板に加えて、縦リブのフランジ同士あるいは横リブおよび縦リブのウェブ同士を接合する添え板を設ければ、縦リブや横リブに発生する応力が添え板により分散されるとともに、接合強度を向上させることができる。ここで、縦リブや横リブと添え板との接合は、ボルト−ナット接合によるものが好ましい。
一方、本発明の請求項5に記載の鋼床版の製造方法は、主桁に支持される複数の横リブと、この横リブに交差して支持される複数の縦リブと、これらの横リブおよび縦リブの上側に溶接固定されるデッキプレートとを備えた鋼床版の製造方法であって、前記横リブは、上下に延びるウェブを少なくとも有し、前記縦リブは、上下に延びるウェブと、このウェブの下端部に連続するフランジとから略逆T字形または略L字形の断面を有してそれぞれ形成されたものであり、前記横リブのウェブに上方に開口して下方に延びる複数の切り欠きを形成し、前記横リブの切り欠きに対応した位置の前記縦リブのフランジを切り欠いてから、前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブを挿通し、当該横リブのウェブと縦リブのフランジとを添え板を介してボルト接合することを特徴とする。
このような構成によれば、前述と同様に、横リブと縦リブとの組み立てに要する工数を削減することができるとともに、縦リブと横リブとの接合部における疲労き裂の発生をなくし、縦リブおよび横リブとデッキプレートとの溶接部における発生応力を低減することができる。
この際、本発明の鋼床版の製造方法では、前記横リブの切り欠きを形成する際に、その切り欠きの下端部に前記縦リブのフランジよりも大きな幅寸法を有した幅広のスカラップを形成しておき、前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブを挿通してから、前記切り欠かれた縦リブのフランジ同士を前記スカラップに挿通した添え板を介して連結することが好ましい。
さらに、本発明の鋼床版の製造方法では、前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブを挿通してから、前記横リブのウェブと前記縦リブのウェブとを添え板を介して接合してもよい。
このような構成によれば、縦リブや横リブに発生する応力が分散されるとともに、接合強度を向上させることができる。
以上のような本発明の鋼床版および鋼床版の製造方法によれば、縦リブと横リブとの接合部における疲労き裂の発生をなくし、横リブおよび縦リブとデッキプレートとの溶接部の疲労き裂を防止して疲労寿命を向上させることができるとともに、縦リブの部材高さ寸法を大きく設定することによって横リブ間隔の大スパン化することができ、部材数量や製造工数の削減を図ってコスト増加を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る鋼床版1を用いた道路橋の一部を示す斜視図である。 図1において、道路橋は、図示しない基礎や支柱からなる下部工と、支柱間に渡って架設される鋼製の主桁2と、一対の主桁2間に支持される中間部の鋼床版1および主桁2の両側方に支持される片持ち状の鋼床版1とを有して構成されている。そして、鋼床版1は、主桁2に支持される複数の横リブ3と、この横リブ3に交差して支持される複数の縦リブ4と、これらの横リブ3および縦リブ4の上側に溶接固定されるデッキプレート5とを備えて構成されている。
図2は、鋼床版1における横リブ3および縦リブ4の組立前の状態を示す斜視図である。図3は、横リブ3および縦リブ4を一体化した状態を示す斜視図である。図4は、鋼床版1を縦リブ4側方から見た断面図である。
図2および図3において、鋼床版1の横リブ3は、上下に延びるウェブ3Aと、このウェブ3Aの下端部に一体化されたフランジ3Bとを有した略逆T字形に形成されており、横リブ3のウェブ3Aには、上方に開口して下方に延びる複数の切り欠き3Cが形成されている。また、縦リブ4は、上下に延びるウェブ4Aと、このウェブ4Aの下端部に連続するフランジ4Bとから略逆T字形(または略L字形)の断面を有して形成されている。この縦リブ4のフランジ4Bは、横リブ3の切り欠き3Cに対応した位置おいて切り欠かれ、この切り欠かれた切欠部4Cを挟んで左右に分割されている。
そして、縦リブ4は、その切欠部4Cの位置からウェブ4Aが横リブ3の切り欠き3Cに挿通され、この挿通された状態で横リブ3のウェブ3Aと縦リブ4のウェブ4Aとが添え板6A,6Bとボルト7A、ナット7Bによって接合され、これにより横リブ3と縦リブ4とが一体化されている。添え板6A,6Bは、全体L字形に形成された鋼材であり、添え板6A,6Aは、縦リブ4のフランジ4B下面と横リブ3のウェブ3A側面とに当接して配置され、添え板6B,6Bは、縦リブ4のフランジ4B上面と横リブ3のウェブ3A側面とに当接して配置されている。さらに、図4に示すように、横リブ3および縦リブ4のウェブ3A,4A上端縁と、デッキプレート5の下面とが両面隅肉溶接され(溶接部W1,W2)、この溶接接合により横リブ3および縦リブ4とデッキプレート5とが一体化されている。
横リブ3の切り欠き3Cは、縦リブ4のウェブ4Aの板厚よりも所定寸法(例えば、15〜35mm)だけ大きく、かつ縦リブ4のフランジ4Bの幅寸法よりも十分に小さな幅寸法を有した溝状に形成されている。そして、切り欠き3Cの下端部には、スカラップ3Dが形成されている。
このような鋼床版1の組立手順としては、先ず、図2に示すように、横リブ3のウェブ3Aに複数の切り欠き3Cを形成しておくとともに、縦リブ4のフランジ4Bを切り欠かいて切欠部4Cを形成しておく。次に、フランジ4Bを上にした複数の縦リブ4を、図示しない多電極溶接装置に設置したデッキプレート5上に位置決めし、多電極溶接装置の複数の溶接電極(トーチ)を縦リブ4間から挿入して、縦リブ4の4Aの上端縁とデッキプレート5とを両面隅肉溶接して接合する(溶接部W2)。次に、これらの縦リブ4上方から切り欠き3Cを下に向けた横リブ3を吊り込み、切り欠き3Cを縦リブ4の切欠部4Cから挿通する。この際、切り欠き3Cの幅寸法が前記所定寸法だけ縦リブ4のウェブ4Aの板厚よりも大きく設定されていることで、横リブ3の切り欠き3Cと縦リブ4のウェブ4Aとの干渉が回避でき、スムーズに横リブ3をセットできるようになっている。以上のように縦リブ4および横リブ3を位置決めした状態で、多電極溶接装置により横リブ3のウェブ3A上端縁とデッキプレート5とを両面隅肉溶接接合してから(溶接部W1)、図3に示すように、添え板6A,6Bとボルト7A、ナット7Bを用いて横リブ3と縦リブ4とを一体化する。
以上の鋼床版1によれば、横リブ3に複数の切り欠き3Cが形成され、これらの切り欠き3Cに縦リブ4のウェブ4Aを挿通することで、横リブ3を1枚ものの通しで製作できるとともに、縦リブ4に関しても横リブ3との交差部で切断されずに、縦リブ4のウェブ4Aを通しで製作することができる。そして、フランジ4Bを切り欠いた縦リブ4を横リブ3の切り欠き3Cに挿通して互いに交差させ、この交差部において横リブ3のウェブ3Aと縦リブ4のフランジ4Bとを添え板6A,6Bを介して接合することで一体化でき、製作に要する工数を削減することができる。さらに、横リブ3と縦リブ4とを添え板6A,6Bを介して接合することで、横リブ3と縦リブ4のウェブ3A,4A同士を直接に溶接しなくてもよいため、この接合部に疲労き裂が発生しないようにできる。
また、縦リブ4のフランジ3Bが切り欠かれているので、横リブ3の切り欠き3Cの幅寸法を、縦リブ4のウェブ4Aを挿通させつつ、設置の際のクリアランスを確保した最小限の寸法に設定することができる。従って、横リブ3のウェブ3A上端縁とデッキプレート5との溶接されない部分の幅を最小限にして溶接長さが確保でき、横リブ3とデッキプレート5との溶接部における疲労損傷が防止できる。さらに、横リブ3および縦リブ4のウェブ3A,4A上端縁とデッキプレート5とを両面隅肉溶接で接合することで、この溶接部W1,W2における疲労損傷も防止できる。
また、縦リブ4として略逆T字形や略L字形の断面を有した鋼材を用いたことで、従来のUリブや平板リブ、バルブリブ等のような部材高さ寸法の制約がなくなり、縦リブ4を大きな高さ寸法に設定することで、横リブ3,3同士の間隔寸法(スパン)を長くすることができる。このような横リブ3,3間隔の大スパン化によって、部材数を削減することができるとともに、溶接箇所の削減により疲労き裂の発生可能性を低減させることができる。
なお、本実施形態における鋼床版1は、以上の形態に限らず、以下の図5〜図7に示すような各種の形態が適用可能である。
図5〜図7は、それぞれ本実施形態における鋼床版1の変形例を示す断面図である。
図5において、縦リブ4の切欠部4Cを挟んで分割されたフランジ4B,4B同士は、添え板6Cによって連結されている。この添え板6Cは、フランジ4Bと略同一の幅寸法を有した板材であり、横リブ3のスカラップ3Dに挿通されて横リブ3のウェブ3Aの左右両側に跨って配置されている。この場合、横リブ3のスカラップ3Dは、添え板6Aを挿通可能な幅寸法、つまり縦リブ4のフランジ4Bよりも大きな幅寸法を有した幅広に形成されている。そして、添え板6Cは、その下面に配置された前記添え板6A,6Aと、前記添え板6B,6Bとともにボルト7A、ナット7Bによってフランジ4B,4Bに接合されている。
また、図6において、縦リブ4のフランジ4B,4B同士は、図5と同様の添え板6Cに加えて、フランジ4Bの上面に沿って配置されて横リブ3のスカラップ3Dに挿通される添え板6Dによって連結されている。
図7において、縦リブ4の切欠部4Cを挟んで分割されたフランジ4B,4B同士は、図6と同様の添え板の添え板6C,6Dによって連結されるとともに、縦リブ4のウェブ4Aおよびフランジ4Bと横リブ3のウェブ3Aとは、添え板6E,6Eによって連結されている。この添え板6Eは、横リブ3および縦リブ4のウェブ3A,4Aおよび縦リブ4のフランジ4Bの各々に沿った三面の板材が一体化されたもので、横リブ3のウェブ3Aを挟んだ左右両側面および縦リブ4のウェブ4Aを挟んだ左右両側面に配置され、つまり1箇所の交差部に対して4つが配置されている。そして添え板6Eの二側面は、ウェブ3A,4Aを貫通するボルト7Aおよびナット7Bを緊結することで互いに接合されている。さらに、添え板6Eの下面部は、添え板6Dの上面に沿って配置され、添え板6C,6Dとともにボルト7A、ナット7Bによってフランジ4B,4Bに接合されている。
以上の図5〜図7に示したように、添え板6C,6Dを用いて縦リブ4のフランジ4B,4B同士を連結したり、添え板6Eを用いて縦リブ4と横リブ3のウェブ3Aとを連結することで、横リブ3および縦リブ4の接合部に発生する応力を分散させることができ、接合強度を向上させることができる。
以上の鋼床版1において、各部寸法や設計仕様としては、以下のように設定されることが望ましい。
すなわち、デッキプレート5としては、板厚寸法Tが16〜19mmの範囲に設定され、縦リブ4としては、高さ寸法Hが350〜700mmの範囲に設定され、かつフランジ4Bの幅寸法が200mm程度に設定されていることが好ましい。また、縦リブ4同士の間隔寸法L1が400〜500mmの範囲に設定され、横リブ3同士の間隔寸法(横リブスパン)L2が3000〜8000mm(3m以上かつ8m以下)の範囲に設定されていることが好ましい。ここで、例えば、デッキプレート5、横リブ3および縦リブ4の板厚寸法Tを18mmに設定し、縦リブ4の高さ寸法Hを500mmに設定し、縦リブ4同士の間隔寸法L1を450mmに設定し、横リブ3同士の間隔寸法(横リブスパン)L2を4000mmに設定した場合でも、デッキプレート5や縦リブ4、横リブ3の接合部に過大な応力が発生しないようになっている。すなわち、接合部の発生応力が4kgf/mm2以下となるように、上述の各部寸法が設定されることが好ましい。
また、縦リブ4の高さ寸法Hおよび縦リブ4同士の間隔寸法L1としては、縦リブ4の間隔部分に多電極溶接機のトーチが入るように設定されることが好ましく、例えば、縦リブ4の高さ寸法Hを580mm以下、かつ間隔寸法L1を450mm程度に設定しておけば、溶接作業を自動で実施する上で問題が生じない。さらに、縦リブ4同士の間隔寸法L1としては、縦リブ4同士の間隔部分上方に車両の車輪が入り込まないように、つまり車輪がいずれかの縦リブ4上に位置するように設定することが好ましく、車輪としてWタイヤを対象とした場合に、縦リブ4同士の間隔寸法L1を500mm以下に設定しておけば、デッキプレート5における過大な応力の発生が防止できる。また、横リブ3同士の間隔寸法(横リブスパン)L2としては、大型車両の前後輪が同一スパン内に入り込まないように設定することが好ましく、一般的な大型車両の前後輪間隔を対象とした場合に、横リブ3同士の間隔寸法L2を8000mm以下に設定しておけば、デッキプレート5や縦リブ4、横リブ3の接合部における過大な応力の発生が防止できる。
以上のように、本発明では、構造を工夫することによって発生応力を低減している。しかしながら、製作や溶接の不具合、設計ミスなどにより、構造が狙ったものにならずに、疲労が完全には防止できない場合も生じる可能性もありうる。そのようなときに、溶接部に対してグラインダー処理やピーニングを施すことは、疲労の防止に極めて有効である。
特に、近年、使用されるようになってきた超音波を駆動源としたピーニングは、使用性に優れ、また、打撃密度が従来のピーニングなどに比較して極めて大きいために、処理部位の均一性が著しく高く、確実に溶接止端部からの疲労き裂の発生防止に有効である。中でも超音波の周波数帯が20〜60kHzで、ウエーブガイドの先端での振幅が20μm以上、ピン径が1〜6mm程度のものが、処理効率及び効果が共に高いために好適である。
そして、従来のUリブ鋼床版構造では、Uリブが閉断面となっていたために、Uリブとデッキプレートの溶接部は処理が出来なかった。これに対して、本発明の構造は開断面リブを用いており、しかも、従来のUリブ構造よりも縦リブ間隔も横リブ間隔も広がっているために、ピーニングやグラインダーを施す上でも有利であり、基本的に処理のできない部位はない。
以下に、前記実施形態で説明した鋼床版の設計モデル(FEM)による応力解析を実施し、縦リブおよび横リブの交差部における発生応力を検討した例(第1〜第3実施例、および第1、第2比較例)について説明する。
ここで、設計モデルは、図8、図9に示すように、前記実施形態の鋼床版1をモデル化した鋼床版M1であり、この鋼床版M1は、主桁2をモデル化した主桁M2と、横リブ3をモデル化した横リブM3と、縦リブ4をモデル化したM4と、デッキプレート5をモデル化したM5とを有して構成されたものである。そして、図8、図9において、縦リブM4同士の間隔寸法がL1、横リブM3同士の間隔寸法(横リブスパン)がL2、縦リブM4の高さ寸法がHで示されている。
〔第1実施例〕
第1実施例の設計モデルは、図8に示す鋼床版M1であって、デッキプレートM5、横リブM3および縦リブM4の板厚寸法Tを18mmに設定し、縦リブM4の高さ寸法Hを500mmに設定し、縦リブM4同士の間隔寸法L1を450mmに設定し、横リブM3同士の間隔寸法L2を4000mmに設定したものである。そして、第1実施例の設計モデルでは、前記実施形態の図4に示すように、縦リブ4のフランジ4Bと横リブ3のウェブ3Aとが添え板6A,6Bで連結され、一方、縦リブ4のフランジ4B,4B同士が連結されていない。
〔第2実施例〕
第2実施例の設計モデルは、図8に示す鋼床版M1であって、デッキプレートM5、横リブM3および縦リブM4の板厚寸法Tを18mmに設定し、縦リブM4の高さ寸法Hを500mmに設定し、縦リブM4同士の間隔寸法L1を450mmに設定し、横リブM3同士の間隔寸法L2を4000mmに設定したものである。そして、第2実施例の設計モデルでは、前記実施形態の図5に示すように、縦リブ4のフランジ4Bと横リブ3のウェブ3Aとが添え板6A,6Bで連結され、かつ縦リブ4のフランジ4B,4B同士が添え板6Cで連結されている。
〔第3実施例〕
第3実施例の設計モデルは、図8に示す鋼床版M1であって、デッキプレートM5、横リブM3および縦リブM4の板厚寸法Tを18mmに設定し、縦リブM4の高さ寸法Hを500mmに設定し、縦リブM4同士の間隔寸法L1を450mmに設定し、横リブM3同士の間隔寸法L2を4000mmに設定したものである。そして、第3実施例の設計モデルでは、前記実施形態の図7に示すように、縦リブ4のウェブ4Aおよびフランジ4Bと横リブ3のウェブ3Aとが添え板6Eで連結され、かつ縦リブ4のフランジ4B,4B同士が添え板6C,6Dで連結されている。
〔第1比較例〕
第1比較例の設計モデルは、従来のUリブを用いた鋼床版であって、デッキプレートの板厚寸法を12mmに設定し、縦リブとして横幅が320mmのUリブ(U320)を用い、横リブ同士の間隔寸法L2を2000mmに設定したものである。
〔第2比較例〕
第2比較例の設計モデルは、図9に示す鋼床版M1であって、デッキプレートM5、横リブM3および縦リブM4の板厚寸法Tを18mmに設定し、縦リブM4の高さ寸法Hを340mmに設定し、縦リブM4同士の間隔寸法L1を450mmに設定し、横リブM3同士の間隔寸法L2を2000mmに設定したものである。そして、第2比較例の設計モデルでは、縦リブ4のウェブ4Aと横リブ3のウェブ3Aとが溶接接合されてる。
以上の第1〜第3実施例および第1、第2比較例について、応力解析を実施した結果を以下の図11〜図17に示す。ここで、図11〜図17に示す発生応力は、次の図10に示す各位置において検出したものであり、具体的には、図10に仮想線(一点鎖線)で示すように、縦リブM4と横リブM3との交差部における縦リブM4側の位置S1、縦リブM4と横リブM3との交差部における横リブM3側の位置S2、および横リブM3とデッキプレートM5との溶接接合の位置S3での発生応力である。そして、図11および図12は、それぞれ第1実施例の解析結果を示すグラフであり、図11には、第1実施例における位置S1の発生応力が示され、図12には、第1実施例における位置S3の発生応力が示されている。図13は、第2実施例の解析結果を示すグラフであり、位置S1の発生応力が示されている。図14は、第3実施例の解析結果を示すグラフであり、位置S1の発生応力が示されている。図15および図16は、それぞれ第1比較例の解析結果を示すグラフであり、図15には、第1比較例における位置S1の発生応力が示され、図16には、第1比較例における位置S2の発生応力が示されている。図17は、第2比較例の解析結果を示すグラフであり、位置S1の発生応力が示されている。これらの各グラフにおいて、縦軸は、発生応力であり、横軸は、デッキプレートM5からの距離(高さ位置)である。また、各図において、黒塗り菱形印(◆)は、車輪が横リブの20cm手前に来た時点(m1)における発生応力を示し、黒塗り四角印(■)は、車輪が横リブ直上に来た時点(m2)における発生応力を示し、黒塗り三角印(▲)は、車輪が横リブと横リブの中間に来た時点(m3)における発生応力を示す。
図15に示す第1比較例の位置S1では、車輪が横リブと横リブの中間に来た時点(m3)において、Uリブにおける発生応力が多くの区間で5kgf/mm2 を超え、一部で7kgf/mm2 に達することが解る。さらに、図16に示す第1比較例の位置S2でも、車輪が横リブ直上に来た時点(m2)および車輪が横リブと横リブの中間に来た時点(m3)において、横リブにおける発生応力が多くの区間で5kgf/mm2 を超えていることが解る。これに対して、図17に示す第2比較例では、縦リブM4における発生応力が3kgf/mm2 以下に収まることが解る。そして、図11に示す第1実施例の位置S1では、縦リブM4における発生応力が一部(車輪が横リブの20cm手前に来た時点(m1))で4kgf/mm2 を超えるものの、全体としては4kgf/mm2 以下に収まり、車輪が横リブ直上に来た時点(m1)および車輪が横リブと横リブの中間に来た時点(m2)の過半の区間では、1kgf/mm2 程度まで発生応力が減少していることが解る。なお、デッキプレートからの距離が0mm近傍で、発生応力が8.5kgf/mm2程度となった部分は首溶接部なので、疲労強度の評価としては、10kgf/mm2程度まで問題が生じない。また、図12に示す第1実施例の位置S3では、横リブM3における発生応力が一部(車輪が横リブと横リブの中間に来た時点(m3))で4kgf/mm2 を超えるものの、全体としては4kgf/mm2 以下に収まっていることが解る。
次に、図13に示す第2実施例では、縦リブM4における発生応力が一部(車輪が横リブと横リブの中間に来た時点(m1))で大きくなるものの、全体としては4kgf/mm2 以下に収まり、車輪が横リブ直上に来た時点(m1)および車輪が横リブと横リブの中間に来た時点(m2)の過半の区間では、1kgf/mm2 程度まで発生応力が減少していることが解る。なお、デッキプレートからの距離が500mm近傍で、発生応力が4.5kgf/mm2程度となった部分は、溶接部ではなく母材部なので、疲労強度の評価としては問題が生じない。さらに、図14に示す第3実施例では、第1および第2実施例の場合よりも全区間において発生応力が減少していることが解る。以上のことから、本発明の実施例では、縦リブM4と横リブM3との接合部の発生応力が概ね4kgf/mm2以下となり、前記設計仕様が満足でき、縦横リブの交差部において、溶接接合ではなく添え板を介したボルト接合を採用したことによって、疲労き裂の発生を完全になくすことができる。
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る鋼床版を用いた道路橋を示す斜視図である。 前記鋼床版の横リブおよび縦リブの組立前の状態を示す斜視図である。 前記横リブおよび縦リブを一体化した状態を示す斜視図である。 前記鋼床版を縦リブの側方から見た断面図である。 前記実施形態における鋼床版の変形例を示す断面図である。 前記実施形態における鋼床版の変形例を示す断面図である。 前記実施形態における鋼床版の変形例を示す断面図である。 本発明の実施例に係る鋼床版の設計モデルを示す斜視図である。 本発明の実施例に係る鋼床版の設計モデルを示す斜視図である。 本発明の実施例における応力検出位置を示す斜視図である。 本発明の第1実施例における発生応力を示すグラフである。 本発明の第1実施例における発生応力を示すグラフである。 本発明の第2実施例における発生応力を示すグラフである。 本発明の第3実施例における発生応力を示すグラフである。 本発明の第1比較例における発生応力を示すグラフである。 本発明の第1比較例における発生応力を示すグラフである。 本発明の第2比較例における発生応力を示すグラフである。
符号の説明
1…鋼床版、3…横リブ、3A…ウェブ、3B…フランジ、3C…切り欠き、3D…スカラップ、4…縦リブ、4A…ウェブ、4B…フランジ、4C…切欠部、5…デッキプレート、6A〜6E…添え板、7A…ボルト、7B…ナット、H…縦リブの高さ寸法、L1…縦リブの間隔寸法、L2…横リブの間隔寸法、T…板厚寸法、W1,W2…溶接部。

Claims (7)

  1. 主桁に支持される複数の横リブと、この横リブに交差して支持される複数の縦リブと、これらの横リブおよび縦リブの上側に溶接固定されるデッキプレートとを備えた鋼床版であって、
    前記横リブは、上下に延びるウェブを少なくとも有し、このウェブには、上方に開口して下方に延びる複数の切り欠きが形成され、
    前記縦リブは、上下に延びるウェブと、このウェブの下端部に連続するフランジとから略逆T字形または略L字形の断面を有し、前記横リブの切り欠きに対応した位置の前記フランジが切り欠かれて形成され、
    前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブが挿通された状態で、当該横リブのウェブと縦リブのフランジとが添え板を介してボルト接合されていることを特徴とする鋼床版。
  2. 請求項1に記載の鋼床版において、
    前記横リブ同士の間隔が3m以上かつ8m以下の範囲に設定されていることを特徴とする鋼床版。
  3. 請求項1または請求項2に記載の鋼床版において、
    前記横リブの切り欠きの下端部には、前記縦リブのフランジよりも大きな幅寸法を有した幅広のスカラップが形成され、
    前記切り欠かれた縦リブのフランジ同士が前記スカラップに挿通された添え板を介して連結されていることを特徴とする鋼床版。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の鋼床版において、
    前記横リブのウェブと前記縦リブのウェブとが添え板を介して接合されていることを特徴とする鋼床版。
  5. 主桁に支持される複数の横リブと、この横リブに交差して支持される複数の縦リブと、これらの横リブおよび縦リブの上側に溶接固定されるデッキプレートとを備えた鋼床版の製造方法であって、
    前記横リブは、上下に延びるウェブを少なくとも有し、前記縦リブは、上下に延びるウェブと、このウェブの下端部に連続するフランジとから略逆T字形または略L字形の断面を有してそれぞれ形成されたものであり、
    前記横リブのウェブに上方に開口して下方に延びる複数の切り欠きを形成し、前記横リブの切り欠きに対応した位置の前記縦リブのフランジを切り欠いてから、前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブを挿通し、当該横リブのウェブと縦リブのフランジとを添え板を介してボルト接合することを特徴とする鋼床版の製造方法。
  6. 請求項5に記載の鋼床版の製造方法において、
    前記横リブの切り欠きを形成する際に、その切り欠きの下端部に前記縦リブのフランジよりも大きな幅寸法を有した幅広のスカラップを形成しておき、
    前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブを挿通してから、前記切り欠かれた縦リブのフランジ同士を前記スカラップに挿通した添え板を介して連結することを特徴とする鋼床版の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の鋼床版の製造方法において、
    前記横リブの切り欠きに前記縦リブのウェブを挿通してから、前記横リブのウェブと前記縦リブのウェブとを添え板を介して接合することを特徴とする鋼床版の製造方法。
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