JP2008231718A - 鋼床版の補強工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デッキプレートの底面側に備えた橋軸方向の閉リブと、橋軸直角方向の横リブとで構成した鋼床版における閉リブと横リブの交差部を補強する補強工法を提供する。
【解決手段】デッキプレート101と、該デッキプレート101の底面側に備えた橋軸方向Lの縦リブと、橋軸直角方向Wの横リブ20とで構成した鋼床版100の補強工法であって、前記縦リブをUリブ10で構成するとともに、該Uリブ10と前記横リブ20との交差部分の前記Uリブ10の底面10bにおけるスカーラップ42の少なくとも一部を跨いで前記Uリブ10の底面10bと前記横リブ20とをL型アングル50で連結するスカーラップ閉塞補強工法である。
【選択図】図5

Description

この発明は、例えば、デッキプレートの底面側に備えた橋軸方向の縦リブと、橋軸直角方向の横リブとで構成した鋼床版の補強工法に関する。
軽量で、架設が容易である鋼床版は、施工の容易性もあって、多くの道路橋に採用されている。しかし、道路橋である鋼床版には、自動車車輪荷重が直接載荷されるとともに、その荷重の載荷の繰り返し数が極めて多い。したがって、例えば、縦リブと横リブの交差部のように部材交差部等において局所的に大きな応力が繰り返し発生し、その部分での疲労損傷が生じる可能性が高く、そのような鋼床版の補強工法が提案されている(特許文献1参照)。
上記補強工法は、所定間隔を隔てて橋軸直角方向に複数配置した断面U型のU型鋼材で構成した縦リブの隣接する縦リブとの間に橋軸直角方向の補強リブを溶接やボルトで接続する補強工法である。
しかし、この補強工法はデッキプレートとUリブとの交差部における亀裂が発生した場合の補強方法であり、鋼床版における縦リブと横リブの交差部を補強するものではなかった。
特開2006−97283号公報
この発明は、デッキプレートの底面側に備えた橋軸方向の閉リブと、橋軸直角方向の横リブとで構成した鋼床版における閉リブと横リブの交差部を補強する補強工法を提供することを目的とする。
この発明は、デッキプレートと、該デッキプレートの底面側に備えた橋軸方向の縦リブと、橋軸直角方向の横リブとで構成した鋼床版の補強工法であって、前記縦リブを閉リブで構成するとともに、該閉リブと前記横リブとの交差部分の前記閉リブの底面部分におけるスカーラップの少なくとも一部を跨いで前記閉リブの底面と前記横リブとを連結部材で連結する鋼床版の補強工法であることを特徴とする。
前記閉リブは、Uリブといわれる断面U型のU型鋼材やトラフリブといわれる断面台形型の台形断面鋼材であることを含む。
前記スカーラップは、橋軸方向に連続する閉リブである縦リブが横リブを貫通する態様で交差する交差部において、縦リブの底面部分において横リブと溶接されていない部分の間隙を示す。
上記構成により、直接載荷される自動車車輪荷重の繰り返しによって発生する部材交差部における局所的に大きな応力による疲労損傷が生じることを防止できる。
この発明の態様として、前記連結部材を、断面L型のL型鋼で構成することができる。
これにより、平面視直交する閉リブと横リブとの交差部において、閉リブの底面と横リブの平面部分との接触面積を容易に確保しながら、両リブをL型鋼で連結することができ、施工性が向上する。また、流通量の多いL型鋼を連結部材として用いることによって、本補強工法における連結部材の材料費を低減することができる。
また、この発明の態様として、前記L型鋼を、前記縦リブ及び前記横リブと高力ボルトで接続することができる。
上記高力ボルトは、引張耐力が非常に高いハイテンションボルトであることを含む。
これにより、高力ボルトによって強く締めつけることで、部材間に生じる摩擦力によって強固に接続することができる。また、先端にピンテールと呼ばれる締付け反力を受けて破断する部分を有するトルシア形の高力ボルトを用いた場合、連結トルクを容易に管理して連結することができ、利用者の利便性が向上する。また、閉リブ及び横リブに連結部材を溶接によって接続する場合と比較して、閉リブ、横リブ、並びに連結部材が溶接による熱の影響を受けることを防止できる。
また、L型鋼を連結部材として用いた場合、閉リブ及び横リブのそれぞれと連結部材との接触面積を確保できるため、部材間に生じる摩擦力を確実に確保でき、施工の信頼性をより向上することができる。
また、この発明の態様として、前記L型鋼と前記閉リブとを接続する高力ボルトを表面側である片側からの施工によって締結可能な片側施工ボルトで構成することができる。
上記片側施工ボルトは、二部材に備えたボルト孔を連通させ、該ボルト孔に片側面から片側施工ボルトを挿入し、同じ片側面から該ボルトを締め付け回転することで螺挿できるボルトであり、いわゆるワンサイドボルトといわれるボルトであることを含む。
これにより、外部から閉ざされた閉空間である閉リブの内部でのナットの締め付け固定の必要性がなくなり、前記L型鋼と前記閉リブとの接続施工を容易にすることができる。また、例えば、閉リブの底面等にハンドホールを設置して開リブ内部に手を入れて上記ナットの締め付け固定をする場合と比較して、構造部材である閉リブに強度低下の要因となり得る断面欠損を設けずにL型鋼と閉リブとを接続することができる。また、底面に耐力に十分に余裕のある場合であっても、ハンドホールからは目視できない閉リブ内部での施工が不要となり、L型鋼と閉リブとの接続施工を容易に行うことができる。
この発明により、デッキプレートの底面側に備えた橋軸方向の閉リブと、橋軸直角方向の横リブとで構成した鋼床版における閉リブと横リブの交差部を補強する補強工法を提供することができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本発明の補強工法の対象となる鋼床版100の一部の底面側からの斜視図を示す図1、横リブ20の交差貫通孔40部分の正面図を示す図2、補強前のUリブ10と横リブ20との交差部の拡大正面図を示す図3、補強後の鋼床版100の前記交差部の底面側からの拡大斜視図を示す図4、補強後のUリブ10と横リブ20との交差部の拡大正面図を示す図5、補強後のUリブ10と横リブ20との交差部の拡大縦断面を示す図6、前記交差部における応力状態についての確認試験結果を説明する説明図を示す図7、並びに前記交差部における応力状態についての解析結果を説明する説明図を示す図8とともに、スカーラップ閉塞補強工法について説明する。
軽量で、架設が容易かつその施工が速いため、道路橋に多数採用されている鋼床版100は、表面側のデッキプレート101と、該デッキプレート101の底面側に溶接接続された橋軸方向Lの縦リブであるUリブ10と、橋軸直角方向Wの横リブ20と、前記横リブ20の左右両端でUリブ10に対して略平行な垂直補剛材102とで構成されている。
Uリブ10は、上面開放の断面略逆台形型のU型鋼の側面であるウェブ部10aの両上端をデッキプレート101の底面に隅肉溶接31によって接続している。なお、本実施例においては、左右の垂直補剛材102の間において橋軸直角方向Wに等間隔を隔てて、複数のUリブ10を配置している。
なお、Uリブ10を縦リブとして用いた鋼床版100は、バルブリブを用いた鋼床版と比較して溶接量が少なく、コスト削減が図れる。また、Uリブ10自体のねじれ剛性が高く、橋軸方向Lへの荷重分配作用が大きいため、隣接するUリブ同士の間隔である縦リブ支間を長くとれ、鋼重量を軽減できる。
さらに、Uリブ10内部は密閉空間であるため、塗装面積が少なく、維持管理が容易等のメリットが多く存在する。したがって、バルブリブ構造の鋼床版に代わってUリブ10を縦リブとして用いた鋼床版100が多く採用されている。
横リブ20は、T型断面のT型鋼を上下さかさまに配置して構成し、橋軸方向Lに所定間隔を隔て、上端をデッキプレート101の底面に隅肉溶接31によって接続している。なお、隅肉溶接31は後述する円弧切欠40aで廻し溶接となり、横リブ20の表裏面を連続的に溶接している。
なお、横リブ20には、図2に示すように、Uリブ10が貫通する交差貫通孔40を所定箇所に設けている。交差貫通孔40は、Uリブ10の断面外形よりわずかに大きな略逆台形型であり、底面部分を左右及び下方向に拡張するとともに、両隅角部と両側部上端に円弧状の円弧切欠40aを備えた貫通孔である。
図3に示すように、前記Uリブ10と横リブ20とは、上記交差貫通孔40を貫通する態様で交差し、その交差貫通孔40の両側面と、対向するUリブ10のウェブ部10aとを隅肉溶接31によって接続している。なお、隅肉溶接31は円弧切欠40aでまわし溶接となり、横リブ20の表裏面を連続的に溶接している。
このようにして、交差貫通孔40の両側面と、Uリブ10のウェブ部10aとを隅肉溶接31で接続してUリブ10と横リブ20とを一体化するとともに、隅肉溶接31によってUリブ10と接続されていない交差貫通孔40のその他の部分及び円弧切欠40aをスカーラップ42として機能させている。
なお、スカーラップ42は、Uリブ10とデッキプレート101の底面との隅肉溶接31による溶接線と、横リブ20とデッキプレート101の底面との隅肉溶接31による溶接線との交差を避けるとともに、Uリブ10と横リブ20との交差部における隅肉溶接31の溶接品質を確保している。
このような構造で構成した鋼床版100は、1980年以降に建造された自動車橋に多く採用されており、昨今の点検整備において、下側の円弧切欠40aのスカーラップ42であり、Uリブ10のウェブ部10aと横リブ20とを接続した隅肉溶接31の下端である廻し溶接部31aから横リブ20の母材に向けた幅方向の疲労亀裂60(図3)が多く確認されている。
これは、Uリブ10のねじれ変形が隅肉溶接31によって溶接された横リブ20によって拘束されているため、繰返し数が極めて多く自動車輪荷重が直接載荷される鋼床版100において、応力変動が大きくなるために発生すると考えられる。また、交通量の増加や重量違反者の存在により、局所的に、さらに大きな応力が繰り返し発生し、疲労損傷に繋がると考えられている。
本発明のスカーラップ閉塞補強工法は、上記スカーラップ42における疲労亀裂60の発生を抑制、あるいは疲労亀裂60の発生した鋼床版100を補強する工法である。
このスカーラップ閉塞補強工法は、Uリブ10と横リブ20との交差部において、スカーラップ42を跨ぐ態様のL型アングル50でUリブ10の底面10bと横リブ20とを連結するものである。
詳述すると、交差部において横リブ20と溶接されていないUリブ10の底面10bの面と、スカーラップ42を介して対向する底面側の横リブ20とを、スカーラップ42を跨ぐ態様且つUリブ10の底面10b及び横リブ20のそれぞれの面に密接するL型アングル50によって、図6に示すように、橋軸方向Lの両側から横リブ20を挟みこんで連結する工法である。
なお、横リブ20と各L型アングル50とは、トルシア型のハイテンションボルト51で接続している。トルシア型のハイテンションボルト51は、ボルト頭部が丸く、先端にピンテールと呼ばれる締付け反力を受けて破断する部分を有した引張耐力が非常に高い高力ボルトであり、ピンテールの破断によって高力ボルトの締め付けトルクを管理することができる。
また、Uリブ10の底面10bと各L型アングル50とは、ワンサイドボルト型のハイテンションボルト52で接続している。ワンサイドボルト型のハイテンションボルト52は、トルシア型のハイテンションボルト51と同様に、引張耐力が非常に高い高力ボルトであり、Uリブ10の底面側からの締め付け、すなわち片側からの施工のみで締め付けることのできる高力ボルトである。
詳しくは、ワンサイドボルト型のハイテンションボルト52は、Uリブ10の底面10bとL型アングル50の両方の部材に備え、連通させたボルト孔に、底面10bの下側から挿入し、底面10bの下側から該ボルトを締め付け回転することで底面10bとL型アングル50とを締結することのできるボルトである。
このように、スカーラップ閉塞補強工法は、Uリブ10の底面10b及び横リブ20のそれぞれの面に密接するL型アングル50を、ハイテンションボルト51,52によって接続しているため、Uリブ10の底面10b及び横リブ20とL型アングル50との間で摩擦力が確実に生ずるため、ハイテンションボルト51,52による摩擦接続をより堅固なものとすることができ、施工の信頼性をより向上することができる。
また、Uリブ10の底面10bとL型アングル50との接続をハイテンションボルト52で行うため、密閉空間であるUリブ10内部での施工を必要とせず、Uリブ10の底面側からの締め付け施工だけでUリブ10とL型アングル50とを接続できる。
上記構成のスカーラップ閉塞補強工法の補強効果確認のための確認試験及び解析結果について以下において説明する。
この確認試験は、鋼床版100をモデル化した供試体(図示省略)に対して行った静的載荷試験によってスカーラップ閉塞補強工法による応力低減効果を確認する試験である。
上記供試体は、橋軸方向3.88m×橋軸直角方向2.81mの平面寸法で形成し、4本のUリブ10と3枚の横リブ20を備えている。なお、添接部に隣接する横リブ20のスカーラップ42に疲労亀裂60の発生が集中している事実に基づいて、この供試体の橋軸方向中央付近に添接部(F点)を再現している。
118kNの載荷荷重を、図7(e)に示すように、上記F点を中心とした橋軸方向の2mの範囲において11箇所(A点〜K点)で載荷した状態で発生する応力を測定している。なお、C点,I点は、横リブ20の直上の載荷ポイントである。
応力測定位置は、図7(a),(b)に示すように、橋軸直角方向に併設したNO1とNO2の2本のUリブ10のうち右側のNO2Uリブ10の左右両側のウェブ部10aの下端であり、隅肉溶接31によって横リブ20と接続した隅肉溶接31の下端部分である廻し溶接部31aを着目点とした着目点aに設置した5連式応力集中ゲージによって、疲労亀裂60が発生する廻し溶接部31aに発生する応力を測定している。
また、応力測定結果は、NO2Uリブ10のNO1側の着目点aと垂直補剛材102側の着目点aとに発生する応力をスカーラップ閉塞補強工法による補強前と補強後とで測定して比較している。
測定結果を示す図7(c),(d)について説明すると、図7(c)はNO2Uリブ10のNO1側の着目点aの測定結果を示し、図7(d)は垂直補剛材102側の着目点aの測定結果を示す。そして、図7(c),(d)はともに、橋軸方向の載荷点(A〜K)毎に発生した応力を示し、(2)、(5)は本工法による補強前の5連式応力集中ゲージの2番端子と5番端子での測定結果であり、(2’),(5’)は対策後の前記2番端子と前記5番端子での測定結果を示す。
このように示した図7(c),(d)から、本工法による補強前では、添接部上であるF点載荷時の発生応力が最も高く、C点載荷時の発生応力の3倍程度であることが確認できる。本工法による補強前は、図7(c)で示す発生応力は全て引張領域であり、図7(d)では全て圧縮領域となっていることからUリブ10はねじり力が卓越していると考えられる。
本工法による補強の前後を比較すると、図7(c)の(2)と(2’)において最大値となるF点の載荷では122N/mmから29N/mmと1/5程度に低下していることが確認できる。一方、補強後A点〜E点の載荷において、C点で−27N/mmの圧縮応力が発生しており、応力が引張領域から圧縮領域に変化している。しかし、本工法の補強によって、応力範囲は約1/2となり、疲労耐久性は向上すると考えられる。図7(d)においても同様に比較すると、本工法による補強前後で最大−96N/mmから4N/mm、応力範囲が大幅に低下することが確認できる。
このようにして、スカーラップ閉塞補強工法の補強効果確認のための確認試験において、NO1側の着目点a及び垂直補剛材102側の着目点aともに、応力範囲が低減し、明確に本工法による補強効果があることが確認できた。
また、上記確認試験において用いた供試体をモデル化してFEM解析した結果について説明する。
このFEM解析においては、着目点a近傍をソリッド要素、それ以外の部分をシェル要素とビーム要素でモデル化し、上記F点に載荷荷重118kNを載荷した際に着目点aに発生する応力を補強前後で比較した。
この着目点aに発生する補強前後の応力を示す図8からわかるように、補強前の着目点aに発生していた最大応力133MPaが、補強によって18MPaに低減していることが確認できる。
このように、本発明のスカーラップ閉塞補強工法は、補強効果確認のための確認試験と同様に、FEM解析においても、着目点aにおける発生応力を低減する効果があると評価できる。したがって、スカーラップ閉塞補強工法でUリブ10と横リブ20との交差部分を補強することにより、直接載荷される自動車車輪荷重の繰り返しによって発生するUリブ10と横リブ20との交差部における局所的に大きな応力に起因する横リブ20に疲労損傷の進行及び新たな発生を防止することができる。
また、単純な形状、且つ流通量が多く安価なL型アングル50でスカーラップ42を跨ぎ、橋軸方向Lの両側から横リブ20を挟みこんで、Uリブ10の底面10bと横リブ20と連結することができる。また、Uリブ10の底面10bと横リブ20の平面部分とをL型アングル50で連結するため、Uリブ10と横リブ20との交差部を容易に連結して補強することができる。したがって、スカーラップ閉塞補強工法による補強に要する補強費用を材料費及び工費ともに低減することができる。
また、各L型アングル50をハイテンションボルト51,52で接続したため、Uリブ10の底面10bと各L型アングル50、及び横リブ20と各L型アングル50との連結トルクを容易に管理して、Uリブ10と横リブ20とを連結することができるため、利用者の利便性が向上する。また、L型アングル50を溶接によってUリブ10の底面10bや横リブ20に接続する場合と比較して、Uリブ10、横リブ20並びにL型アングル50に溶接による熱の影響による強度低下することを防止できる。
上述した効果確認試験及びFEM解析結果からもわかるように、Uリブ10及び横リブ20を用いた鋼床版100における疲労亀裂60は、そのほとんどが縦リブと横リブの交差部で発生しており、疲労亀裂60が大規模になると施工が大がかりとなるが、本発明のスカーラップ閉塞補強工法によって、従来スカーラップ42によって連結されていなかったUリブ10の底面10bと横リブ20とを連結することでUリブ10と横リブ20とが、さらに一体化され、これにより、横リブ20に発生する応力を低減でき、疲労亀裂60の発生を防止できる。なお、スカーラップ閉塞補強工法は、デッキプレート101の底面側のみの施工によって実現できるため、上面側である車道面を交通規制することなく、Uリブ10と横リブ20との交差部を補強でき、利用者の満足度を向上することができる。
なお、本実施例においては、Uリブ10と横リブ20との交差部に疲労亀裂60が既に生じている鋼床版100をスカーラップ閉塞補強工法で補強したが、疲労亀裂60が生じていない鋼床版100を補強してもよい。これにより、疲労亀裂60の発生を防止することができる。
また、本実施例においては、橋軸方向Lの両側から横リブ20を挟みこむ態様の2枚のL型アングル50でUリブ10の底面10bと横リブ20とを連結したが、橋軸方向Lの2枚のL型アングル50のうちいずれか一方のL型アングル50で、Uリブ10の底面10bと横リブ20とを連結してもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の閉リブは、Uリブ10に対応し、
以下同様に、
連結部材は、L型アングル50、及びハイテンションボルト51,52に対応し、
L型鋼は、L型アングル50に対応し、
高力ボルトは、ハイテンションボルト51に対応し、
片側施工ボルトは、ワンサイド型のハイテンションボルト52に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
鋼床版の一部の底面側からの斜視図。 横リブの交差貫通孔部分の正面図。 補強前のUリブと横リブとの交差部の拡大正面図。 補強後の鋼床版の前記交差部の底面側からの拡大斜視図。 補強後のUリブと横リブとの交差部の拡大正面図。 補強後のUリブと横リブとの交差部の拡大縦断面。 交差部における応力状態についての確認試験結果を説明する説明図。 交差部における応力状態についての解析結果を説明する説明図。
符号の説明
10…Uリブ、20…横リブ、42…スカーラップ、50…L型アングル、51,52…ハイテンションボルト、100…鋼床版、101…デッキプレート

Claims (4)

  1. デッキプレートと、該デッキプレートの底面側に備えた橋軸方向の縦リブと、橋軸直角方向の横リブとで構成した鋼床版の補強工法であって、
    前記縦リブを閉リブで構成するとともに、
    該閉リブと前記横リブとの交差部分の前記閉リブの底面部分におけるスカーラップの少なくとも一部を跨いで前記閉リブの底面と前記横リブとを連結部材で連結する
    鋼床版の補強工法。
  2. 前記連結部材を、
    断面L型のL型鋼で構成した
    請求項1に記載の鋼床版の補強工法。
  3. 前記L型鋼を、
    前記閉リブ及び前記横リブと高力ボルトで接続した
    請求項2に記載の鋼床版の補強工法。
  4. 前記L型鋼と前記閉リブとを接続する高力ボルトを
    表面側である片側からの施工によって締結可能な片側施工ボルトで構成した
    請求項3に記載の鋼床版の補強工法。
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