JP4705095B2 - 真空装置を用いるシート曲げ装置及びその方法 - Google Patents

真空装置を用いるシート曲げ装置及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は真空印加設備をもつ装置と、1つ又はそれ以上のシート、例えば積層されるべき1対のガラスシートを曲げるために真空を使用する方法に関し、更に特に、本発明は重力たるみ曲げ、プレス曲げ及び負の空気圧の組合せによって1対のガラスシートを同時成形することに関する。
より複雑な湾曲とより深いたるみをもつフロントガラスを得るという自動車設計者の希望と、フロントガラスが予定の表面プロフィルにその全範囲に亘って適合するという要求は、より厳重な公差をもつより困難な成形ガラス部品を製作することをガラス製作者に要求する。かかる複雑な形状は、車輌のスタイリング目的のために、また、燃料節約のために、例えば空気抵抗を減らすために望まれる。これらの目的を達成するために、ガラス部品の形状は、成形されたガラスシート、例えば成形された積層フロントガラスは、フロントガラスを湾曲した据え付け台の形状と同化させるように自動車車体の部品を成形する湾曲した据え付けフレーム内に据え付けられることを可能になす厳密な公差に適合することが要求される。
“ガラスシートを曲げるための装置と方法”についてJames N.Schwartz等の名儀の2003年11月12日出願の米国特許出願第10/706,884号は、たるみ曲げ、プレス曲げ及び静的空気圧によってガラスシートを複雑な形に形成すると同時に、シートを形成する曲げ作業の間に生じるガラスシートの傷あと付きを最小限にする圧力印加設備をもつリング又は輪郭モールドの使用を開示している。上述の特許出願に開示されたモールド配置は、1つ又はそれ以上のガラスシートを今日の複雑な形状及び光学的基準に合うように形成する能力をもつが、限度はある。更に特に、輪郭モールドへの変更と、静的空気圧を適用するための設備は、曲げ設備のコストへ追加の出費を加える。
ガラスシート形成の当業者によって認められることができるように、1つ又はそれ以上のガラスシートを複雑な形状に形成すると同時に、シートを形成する曲げ作業の間に生じるガラスシートの傷あと付きと光学的欠陥を最小限となす安価な装置と方法を提供することは有利であろう。
本発明は、シートを、例えば1対の加熱したガラスシートを曲げる装置に関するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本装置は、主面をもつ第1の形成モールドを含み、主面の一部は、予定の形成されたプレス面をもつ形成部材を含み、更に、輪郭又は周辺形成モールド、例えば第2モールドを含み、この第2モールドは1対の離間した端レールと、離間した端レール間の1対の離間した中心レールをもつ。対をなす離間した端レールと対をなす離間した中心レールは、開放した領域の回りの境界を限定し、端レールと中心レールの部分は、シート支持面と第1及び第2モールド間の外壁を提供する。外壁は境界内にシート支持面をもつ境界を限定する。エレベータ配置は、第1と第2のモールドの少なくとも1つに作用して、第1と第2のモールドをお互いに関して、第1位置へ動かしそして第2位置へ動かし、第1位置では、第1と第2のモールドはお互いに離間しておりかつ外壁が第1と第2のモールドの内の少なくとも1つから離間しており、上記第2位置では、第1と第2モールド及び外壁が包囲体を形成し、この包囲体は、第2モールドのシート支持面と、包囲体に面する第1モールドの形成部材をもつ。周囲空気は少なくとも開放領域を通して包囲体内へ移動できる。開放領域より他の少なくとも1つの通路は、包囲体と流体接触している第1端と、包囲体の外側の第2の反対端をもつ。
本発明の非限定的実施例では、第2実施例の端レールと中心レールは、連続しており、連続したシート支持面を形成し、または、中心レールは所定位置に確保されており、端レールは第1位置から第2位置へ旋回するように枢着されており、この第1位置では、端レールと中心レールはシートをほぼ水平に支持し、第2位置では、端レールの端の一部が中心レールより上に持ち上げられるようになっている。
本発明は、第1モールドの第2主面に据え付けられた外壁を含み、外壁は形成部材を包囲しかつこの形成部材から離間しており、及び/又は外壁は中心レールと端レールに据え付けられている。非限定的実施例では、外壁は整列配置の一部をもち、第1モールド及び/又は第2モールドは整列配置のもう1つの部分をもつ。
レールの形状は、本発明に限定することなく、中心レールと、“T”レールと定義される“T”形横断面をもつ端レールを含むことができ、“T”レールの水平部材はシート支持面をもつ。外壁は、“T”レールの水平部材の外面に連結されることができ、そして“T”レールと開放領域から離れるように延びるか、または外壁は“T”レールの垂直部材に連結されることができ、そして“T”レールと開放領域から離れるように延びる。シート支持面は、開放領域に隣接した“T”レールの水平部材の一部とすることができる、そして外壁は開放領域から最も遠い“T”の水平部材の一部とすることができる。
本発明のもう1つの非限定的実施例では、中心レールと端レールは、“I”レールと定義される“I”形横断面をもち、そして“I”レールの上端はシート支持面であり、外壁は“I”レールの外部垂直面に据え付けられた1端をもち、そして“I”レールと開放領域から離れるように延びる。
第1形成モールドの非限定的実施例は、第1の主面と第2の反対の主面をもつプレート部材を含み、この場合、形成部材をもつ第1モールドの主面は、プレート部材の第2面であり、形成部材はプレート部材の第2面、プレート部材の第1面の一部の上のプレナム(plenum)から離れるように延び、少なくとも1つの通路は、複数の離間した通路の1つであり、この場合、複数の通路のうちの選択されたものは、形成部材から離間した位置で包囲体の内部と流体接触している第1端と、プレナム(plenum)の内部と流体接触している第2端をもち,第1形成モールドは更に、第1主面をもつプレート部材と、第2の反対の主面をもち、この場合、形成部材をもつ第1モールドの主面はプレート部材の第2面であり、形成部材はプレート部材の第2面から離れるように延びる。プレナムは、プレート部材の第1面の一部を覆い、そして少なくとも1つの通路は、複数の離間した通路のうちの1つであり、複数の通路のうちの選択されたものは、形成部材の周縁部に沿った適所で、包囲体の内部と流体接触した第1端と、プレナム内部と流体接触した第2端をもつ。
通路の非限定的実施例は、複数の通路を含み、この場合、通路のうちの選択されたものは、第1と第2のモールドと外壁が第2位置にある時に、第1モールドの形成部材の周縁に隣接した第1端を持ち、この場合、通路の選択されたものの本体は、外壁と、外壁の外面にあるかまたはそれを超えて延びる通路の選択されたものの第2端を通過する。もう1つの非限定的実施例では、第1と第2のモールドと外壁が第2位置にあるとき、通路の選択されたものは、形成部材の周縁に隣接した第1端をもつ。この場合、複数の通路のうちの選択されたものの本体は、第2モールドを通過し、そして複数の通路の選択されたものの第2端は、第2モールドの外部からアクセス可能である。
形成部材の非限定的実施例は、プレス面をもつ形成部材を含み、そして少なくとも1つの通路は第1の複数の通路のうちの1つであり、更に第2の複数の通路を含む。第2の複数の通路は、形成部材のプレス面に第1端をもち、通路の本体は、形成部材を通過する。第1プレナムは第1の複数の通路の第2端と流体連通しており、第2プレナムは、第2の複数の通路の第2端と流体連通している。第2プレナムは第1プレナムの内部にあることができるか、または、第1と第2のプレナムは、互いに相並んでいることができる。第1プレナムは真空ポンプまたは真空送風機へ導管によって連結され、第2プレナムは、導管によって、第2真空ポンプまたは真空送風機へ連結されるか、または、代案として、第1開放位置と第2開放位置をもつ弁へ連結され、この場合、第1開放位置の弁は導管によって真空送風機へ連結され、第2位置の弁は加圧流体系統へ導管によって連結される。
本発明のもう1つの非限定的実施例では、第1モールドは、加圧ステーションに据え付けられ、この加圧ステーションは上流端と下流端及び加圧ステーションの上流端に連結された加熱炉をもつ。冷却炉は、加圧ステーションの下流端に連結され、そして搬送系統は、加熱炉、加圧ステーション及び冷却炉を通して延びて、第2モールドを加熱炉、加圧炉及び冷却炉を通る経路に沿って動かす。加圧ステーションは更に、上部往復ロッド、例えば、第1モールドを加圧ステーション中の搬送系統の一部へ行き来するように動かすためのピストンまたはパイプと、第1モールドへ行き来するように動くことができる下部ピストンを含む。第2モールドは、第2位置の加圧ステーション内へ行く経路に沿って搬送系統によって動かされるキャリジ上に据え付けられる。その後、下部ピストンは、第2モールド、第1モールド及び外壁を第1位置に位置決めするために第2モールドを第1モールドに向かって動かす。
本発明は更に、外壁、入口端、出口端、入口ドア、及び出口ドアをもつチャンバを有するシート曲げ装置に関する。第1の形成モールドはチャンバ内に据え付けられ、上記第1形成モールドは、主面をもち、また、形成部材をもち、この形成部材は、予定の形成されたプレス面をもつ。第2モールドと定義されるアウトライン形成モールドは、第1モールドに対面する関係で、チャンバ内に据え付けられており、第2モールドは、1対の離間した端レールと1対の離間した中心レールを離間した端レール間にもち、この場合、端レールと中心レールの部分は、シート支持面の境界内に開放領域をもつシート支持面を提供する。エレベータ配置は、第1と第2のモールドのうちの少なくとも1方に作用して、第1と第2のモールドを互いに相対的にシート受け入れ位置へ、そしてシート加圧位置へ動かす。この場合、上記シート受け入れ位置では第1と第2のモールドは互いに離間しており、また上記シート加圧位置では第1と第2のモールドは、第1位置にあるときより互いにより接近している。真空ポンプまたは真空送風機は、加圧チャンバに連結され、そして導管は、形成レールと反対端の間で開放領域へ連結された一端をもち、反対端は空気供給源へ、例えばチャンバ外の大気へ連結される。
本発明は更に、加圧モールド、例えば、プレス面上にしっかり据え付けられた網布をもつ上述の第1形成モールドに関する。網布は端間に予定の間隔をもち、その場合、第2の複数の通路の第1端は、第2の複数の通路の第2端の上にある網布の間隔に等しいか又はそれより小さい。1非限定的実施例の、第2の複数の通路は、第1端の反対側に第2の端をもち、そして第2の複数の通路のうちの少なくとも1つの通路は、プレス面に第2端開口より大きい第一端開口をもち、そして、更に、第2の複数の通路のうちの少なくとも1つの第2端開口内に据え付けられた貫通した複数の離間した孔をもつプレートを含む。
更に、本発明は、1つ又はそれ以上のシートの積重ね体の第1主面として定義される主面の周縁部分に係合し、第2の主面として定義されるシートの積重ね体の反対側の主面を形成部材のプレス面に対して動かし、プレス面と第2主面間から少なくとも空気を引くために積重ね体の周縁へ真空を適用し、同時に、シートの積重ね体を予定形状へ曲げるために、積重ね体を形成部材のプレス面へ偏倚させるよう、圧力例えば大気圧又はより高い圧力を第1主面に印加することによって、単数又は複数のシートを曲げる方法に関する。
本発明のもう1つの非限定的実施例では、シートが形成された後、それらのシートは積層された自動車窓を提供するために積層される。
本発明は更に、曲げ装置を使用して作られた自動車窓及び本発明の方法を実施することに関する。
本発明は、例えば、フロントガラス用の、積重ねられた1対のガラスシート又はダブレットを同時に形成するために、1つまたはそれ以上の柔軟なシートを曲げ及び/又は形成することに関するが、本発明はこれに限定されるものではない。シートを曲げ及び/又は形成する当業者によって認められる如く、本発明は、任意数の任意の熱軟化可能のシート材料を形成することを実行することができ、その場合、シートが精密にかつ正確に形成され、そしてシートの曲げ及び/又は形成中のシートへのマーク付けが、除去されないにしても最小限にされることが望まれる。以下の説明において1対のガラスシートの同時曲げ及び/又は形成は、重力たるみ曲げ、プレス曲げ及び負圧適用の組合せによって行なわれるが、本発明はそれらに限定されず、ガラスシートの曲げ及び/又は形成は、負圧のみを使用することによって、及び/又は任意の曲げ及び/又は形成設備またはプロセスとの組合せで行なうことができる。
本発明の非限定的実施例の以下の説明において、“内部”、“外部”、“左”、“右”、“上”、“下方”、“水平”、“垂直”等の如き場所的または方向的用語は、図面に示されているので、本発明に関係があるものである。しかし、本発明は、種々の代わりの方位とることができるのは言うまでもない。従って、かかる用語は限定を意味するものと考えるべきでない。更に、本明細書及び請求の範囲で使用されている寸法、物理的特性等を示すすべての番号は、“約”という用語によってすべての場合に、変更されるものと考えられるべきである。従って、反対を表示しなければ、以下の明細書と請求の範囲に示した数値は、本発明の実施によって得られると考えられる所望の性質に従って変わり得るものである。少なくとも、及び請求の範囲と同等の理論の適用を限定する試みとしてではなく、各数字パラメータは、少なくとも報告された重大な数値の数を考慮して、そして普通のラウンディング(rounding)技術を適用することによって解釈されるべきである。更に、本文中に開示されたすべての範囲は、ここに包含される任意のかつすべてのサブレンジ(部分範囲)を含むものと理解すべきである。例えば、提示された範囲“1対10”は、最小値1と最大値10間の(およびそれらを含めて)任意のかつすべてのサブレンジ、すなわち、1又はそれより多い最小値で始まりかつ10又はそれより小さい最大値で終わるすべてのサブレンジ、及び例えば、1乃至6.3、又は5.5対10、又は2.7対6.1間内のすべてのサブレンジを含むと考えるべきである。また、ここで使用されている如く、“に位置決めされる”又は“に支持される”ような用語は、上に位置決めされる又は、上に支持されることを意味するが、かならずしも、直接表面接触することではない。例えば、形成レール“上に位置決めされた”ガラスシートは、シートとレールの表面間に置かれた1つ又はそれ以上の他の材料の存在を排除しない。
更に、本発明の非限定的実施例の議論では、本発明は他の実施例にも可能であるので、本発明は、示されかつ議論された特定の実施例の細部にその適用が限定されないのは勿論である。更に、本文中で使用される用語は、説明用のものであって、限定用のものではなく、また他の意味を指さないのであれば、同じ数字は同じ要素を指すものとする。
一般に、本発明は、なかんずく、モールド、例えば上部モールドのプレス面に固定した関係で1つまたはそれ以上のシート、例えば1対の積重ねられたガラスシートを囲む包囲体を提供し、そしてプレス面と隣接したガラスシートの表面間から空気を排出して、ガラスシートを上部モールドのプレス面に対して偏倚させて、ガラスシートを形成する装具と方法に関するものである。説明を目的とし本発明を限定するものでない偏倚作用は、上部モールドのプレス面と隣接シートの表面間の負圧の結果であり、相対的正圧がプレス面から最も遠いガラスシート面に作用する。後述する本発明の好適な非限定的実施例では、本発明の実施中、包囲体は、上部モールド、輪郭又はリングモールド、上部と下部モールド間の外壁、及び輪郭モールドの形成レール上に支持されたシートによって提供される。後述する本発明の好適な非限定的実施例では、包囲体を提供する装置の構成要素は、上部モールド、輪郭又はリングモールド、上部と下部のモールド間の外壁である。シートの存在無しでは、下部モールドのシート支持面は、開放領域を限定する境界として作用する。認められるように、本発明は、装置の構成要素の方位または場所に限定されず、例えば、上部モールドは下部モールドとすることができ、包囲体は後述するように、曲げステーションとすることができる。
図1,2を参照すれば、上部形成モールド20と下部リング又は輪郭モールド22が示されており、これらは、本発明の実施に使用され、1対の加熱されたガラスシート、例えば上部ガラスシート24と下部ガラスシート25を曲げる及び/又は形成するものである。明らかなように、本発明は、任意の特定の上部モールド及び/又は下部リング又は輪郭モールド設計に限定されず、また、任意の上部モールド及び/又は下部リング又は輪郭モールド設計は、本発明の実施及び/又は機能の達成及び要素の協同において使用されることができる。
上部形成モールド20は、複数の離間した“Z”形固定部材32(2つの部材32が図2に明示されている)によってプレート部材30に固定された形成部材28を含み、この固定部材は、1つ又はそれ以上のねじ36によって、プレート部材30に固定された外脚34と、図1と2に示す如く、形成部材28の周縁部分40を受け入れるために、プレート部材30と共に溝39を形成する他の外脚38をもつ。プレート30は連続した周囲側壁41をもち、この周囲側壁は上部モールドチャンネル42を提供するために形成部材28を囲みかつこの形成部材から離間していて、流体、例えば空気、ガス等をプレート部材30内の通路を通して形成部材28から離れるように移動させる。通路44はプレート部材30を通して延びて、上部モールドチャンネル42と、プレート部材30上に据え付けられて固定されたプレナム46の内部との間に流体連通を提供する。流体、例えばガス及び/又は空気を導管48(図1を参照)を通して引くことによって、真空がプレナム46内に設定され、上記導管は1端がプレナム46に連結され、他端が真空設備(図10を参照)に連結される。以下の説明では、流体は空気とされるが、しかし、当業者に認められるように、流体は、任意のガス組成をもつ任意の種類のガス及び/又は空気とすることができる。
形成部材28は下部プレス面49を含み、また、好適ではあるが本発明に限定することなく、金属又はセラミックプレス面を含む。プレス面49は連続した領域を覆う。その輪郭は下部モールド22上に支持されたガラスシート24と25の輪郭より僅かに大きい。上部モールド20の上部形成部材28の下向きのプレス面49は、立面図で下向きにほぼ凸面であり、すなわち、図2に示される如く固体の凸面であり、プレス面の形状は、ガラスシート24と25の周囲を巡る所望のガラス面の輪郭と、ガラスシートの中心領域の所望の輪郭を限定する。ガラスシートに与えられるべき形状の複雑さに依存して、プレス面49は更に、所望の横向きの曲げ成分に従うために、ガラス焼きなまし炉(後述する)の長さ方向に立面図で、S−形曲げ成分を含むことができる。
プレス面49は、耐熱性の布又は金属織物50の1つ又はそれ以上の層で覆われることができる(図2を参照)。この織物は、熱ガラスシート、例えば、プレス曲げ作業中に形成部材と接触するガラスシート24の表面に傷あとを付けない。本発明に限定しないけれども、1非限定実施例では、プレス面49は、Bekaert Fibre Technologies,Marietta,GA.から市場入手可能のステンレス鋼編みのプレス布#3KN/C3の1層で覆われた、Glass Tech,Perrysburg,OH,から市場入手可能の繊維ガラスプレス布#S−1NS7L90062301の1層で覆われる。
図1,2に示される下部リング又は輪郭モールドは、連続形成レール52、すなわち連続中心部分56と端部分58をもちかつシート支持面54をもつ固定レール輪郭モールドである。シート支持面54は、立面図と輪郭において、曲げられるべきガラスシート24と25のためのガラスシート周辺の僅かに内に望まれる長手方向及び横の高さ形状に従う。固定されたレール輪郭モールドは当業者には周知であり、更なる説明は必要ないと思われるが、固定レール輪郭モールド関連の更に詳細な議論については、米国特許第3,846,104;4,260,408;4,260,409及び4,265,650を参照することができる。これらの特許の開示は参考として本文に援用する。輪郭モールド22は、キャリジ51がシートを形成するために整列させられるときに、例えば、プレス曲げステーション内に整列させられそして輪郭モールド22が処理位置内にあるときに、モールドの幾何学的中心が上部形成モールド20の幾何学的中心とほぼ整列させられるように、キャリジ51に相対的に位置決めされる。これについては以下で詳述する。図1,2に示す本発明の非限定的実施例では、輪郭モールド22は、キャリジ51の横支柱62間に延びる複数の横部材60によってキャリジ51に支持されて固定され、この場合、横支柱62は1対の離間した支柱64と、横部材60によって離間関係に維持されている。輪郭モールド22は、横部材60に固定され、横部材60は任意の便利な又は通常の手法で、支柱62に固定される。
図1,2に示す如く、形成レール52の外部周縁は周囲側壁66をもち、この周囲側壁はガラスシート24,25の周縁67と協働して、ガラスシート24,25の回りにチャンネル68を提供する。上部モールド20の周囲側壁41と、輪郭モールド22の周囲側壁66は所定の寸法をもっていて、上部と下部のモールドの側壁41と66が図2に示すように夫々互いに接触しており、支持面54はシート24と25を、プレス面49と、輪郭モールド22の側壁66、形成レール52の形成面上に支持されたガラスシート24と25に対して動かし、そして上部モールド20は包囲体72(図2に示されている)を形成する。更に特に、包囲体の内部は、ガラスシート24,25、形成レール52、輪郭モールド22の側壁66、上部モールド20のプレート部材30の側壁41によって境界付けられる。導管48を通して真空吸引される時、空気は導管48、プレナム46、通路44、及び包囲体72を通して吸引されて、包囲体72内に負の空気圧が設定される。当業者に認められるように、本発明はゲージ圧測定値を用いてチャンバ内の圧力を測定することに限定されない。更に特に、ゲージ圧は、一局部的大気、即ち測定がなされている大気の圧力はゼロ圧力(平方インチゲージ当たり(psig)のポンド)であると仮定される。本発明は、絶対圧力を使用してチャンバ内の圧力を測定することを企図している。即ち、完全真空の圧力はゼロであり、そして1気圧は、海水面で、平方インチ当たり絶対圧力(psia)14.7ポンドである。
負の空気圧が包囲体72内に設定されているので、空気は形成部材28のプレス面49と上部シート24の間から及びシート24と25の間から引かれる。包囲体内の負圧力は、下部シート25の下部表面74とガラスシートのすべての他の表面間の正味圧力差をもたらす。表面74上の圧力はより高く、従ってガラスシート24と25を形成部材28のプレス面49に対して上向きに押圧または偏倚させて、ガラスシートを形成し又はその形成を完了させるようにする。プレス面49に対してシート24と25を偏倚させることはまた、シート間に及び形成部材のプレス面49とシート24の間に空気があるとすれば、その空気の除去を助ける。
当業者に認められるように、シートがプレス面からより遠く離れておればおる程、プレス面に対してガラスシートを押圧する包囲体内の負圧力は高くなる。本発明に限定はしないが、本発明の実施においては、上部と下部のモールドの側壁41と66が夫々、図2に示すように、互いに接触してい状態で、支持面54がシート24と25の周縁をプレス面49に対して動かすような寸法になっている上部モールド20の周囲側壁41と輪郭モールド22の周囲側壁をもつのが好適である。
本発明は、形成レール52の周囲側壁66と上部モールドのプレ−ト部材30の周囲側壁41の配置と協働に限定されない。例えば、図3乃至6には、本発明の実施に使用することができる種々の形式の本発明の非限定的実施例が示されている。
図3の実施例は、周囲側壁と形成レール82の無いプレート部材80を示し、この形成レールは、上部モールド88と下部モールド90が曲げ及び/又は形成位置にあるときに包囲体86を形成するのに十分な高さをもつ周囲側壁84をもつ。図4に示すもう1つの非限定的実施例では、上部モールド93のプレート部材92は、連続溝94をもち、下部形成モールド98の形成レール96は、包囲体(図4には示されていない)を形成するためにプレート部材92の溝94内に嵌入する厚さをもつ周囲側壁100をもつ。
当業者によって認められるように、下部リング又は輪郭モールド、例えば図1と2中の下部モールド22、図3中の下部モールド82、及び図4中の下部モールド98は、キャリジ51によって位置決めされて、下部モールドの幾何学的中心は、下部リング又は輪郭モールドがより詳細に後述するように加圧位置を占めるとき、上部形成モールドの幾何学的中心とほぼ整列させられ、例えば、図1と2中の上部モールド20、図3中の上部モールド88、及び図4中の上部モールド93とほぼ整列させられるようになる。上部モールドの幾何学的中心を下部輪郭モールド22の幾何学的中心と精密に垂直整列させるために、単数又は複数の側壁及び/又はモールドは、整列配置を備える。図4において、整列配置は下部モールド98の周囲側壁100と、上部モールド93のプレート部材92内の溝94を含む。
図5を参照すれば、本発明のもう1つの非限定的整列配置が示されている。図5では、下部リング又は輪郭モールド106の連続周囲側壁104の表面102は連続又は非連続の棚部108を備えており、また、上部モールド114の周囲側壁112の表面は、連続又は非連続の溝116を備えている。溝116は、好適にはしかし本発明をそれに限定することなしに、上部と下部のモールド106と114が側壁104と112の表面102を動かして夫々互いに接触させるように夫々互いの方に向かって動かされるときに棚部108を着座させる逆円錐形をもつ。
包囲体の単数又は複数の周囲側壁は上部及び/又は下部のモールド上に据え付けられ必要はない。更に特にまた図6に示されている如く、本発明の非限定的実施例は、夫々加圧ステーションに据え付けられた上部及び下部表面124内のピン受け入れ孔122を備える周囲リング120を含む。上部モールド128のプレート部材127と、下部モールド130の形成レール129は、ピン132を備え、これらのピンは、下部と上部のモールドが包囲体を提供するために互いの方に向かって動かされるときに、リング120の孔122内へ入る。
ここに認められる如く、上述した整列配置は、本発明に限定するものではなく、更に特に、下部モールド上に設けられたピンと棚部は上部モールド上に使用されることができる。更に、他の実施例の整列ピン又は他の周知形式の当業者に周知の整列配置は後述される加圧作業中に下部リング又は輪郭モールドに関して上部モールドを位置決めするために使用される。
ここに認められるように、包囲体から空気を引くための通路は、プレ−ト部材、例えば、プレート部材30(図2)又はプレート部材127(図6)を通して設けられなければならないことはない。例えば、しかし本発明に限定することなく、通路は、周囲側壁を通して備えられることができる。例えば、しかし本発明に限定することなしに、側壁120内の通路133は図6に又は下部モールドを通して示され、例えば、しかし本発明に限定することなく、下部モールド130内の通路135は図6に示される。プレナム(図示せず)は、必要に応じて、側壁120又は135の外面上に据え付けられることができる。プレナムは図6に示された上部モールド128の通路44のために設けられたプレナム46に類似することができる。
図7乃至9を参照すれば、本発明の非限定的実施例はシート24と25を形成するために関節結合する形成リング又は輪郭モールドを使用するものとして議論されだろう。図7に示す上部モールド140は連結された導管48をもつプレナム46と、プレス表面144をもつ形成部材142を含み、このプレス面は任意の便利な手法で、例えばクランプ146によって、所定位置に保持された織物50で覆われている。関節結合リングまたは輪郭モールド148は、1対の離間した中心レール154(図7には1つのみを示す)を支持する複数の直立した調節可能の部材152をもつリング支持部材150を含む。各レール156と158は夫々ピボット160と161に枢着される。関節結合する形成輪郭モールドは当業者には周知であり、端レールの連結に関して更なる議論は必要であるとは考えられない。しかし関節結合する形成輪郭モールドの更なる議論については、米国特許第4,597,789号を参照することができる。この特許の開示内容はここに参考として援用する。
当業者には既知の如く、平らなガラスシート24と25が関節結合リングモールド148上に置かれ、端レール156と158が水平またはシート受け入れ位置(図7に実線で示されたシート受け入れ位置にある端レール156と158)にシート24と25の剛性によって、押さえ付けられている。シートが例えば後述する手法で加熱されると、シートは軟化し、釣り合い錘163と164が端レール156と158を夫々持ち上げる(持ち上がった端レール156と158の端部分は図7に点線で示されている)。シート24と25は、今は、端レール156及び158と、リングモールド148の中心レール154のシート形成表面上に支持される(図8と9を参照)。リングモールド148が後述する手法で、上昇するにつれて、リングモールド148の周壁部分166がプレス表面144の周囲部分168に掛合する(掛合は図7の点線で示されている)。端レールと中心レール、端レールと中心レール上に支持されたガラスシート及び上部モールドのプレス表面は包囲体170を形成する。空気はプレート部材174とプレス表面144を通過する通路172を通して包囲体170から引かれ、前述の如くシートを形成するために、シート24と25をプレス表面上の織物50に対して偏倚させる。
認められ得る如く、本発明の実施においては、側壁は真空設備に加わる負荷を減らすために連続しているのが好適である。しかし本発明は、それに限定されず、側壁は連続しているとする必要はない。更に特に、関節結合モールドの側壁は、ピボット点160と161に中断部をもち、それ故不連続である。本発明の実施において、端レール156と158及びピボット点160と161における中心レール154間の間隔は、包囲体170から空気を引く間の空気漏れを減らす寸法にすることができる。本発明に限定はしないが、約1/8乃至1/4インチ(0.32乃至0.64センチメートル)の範囲内の間隔が本発明の実施においては、許容できる。認められる如く、追加の金属が、モールド閉鎖体上に重なって、有効に間隔を除去するために、追加されることができる。
図8と9を参照すれば、本発明の非限定的実施例では、関節結合する又は固定されたレール形成モールドの形成レールは、図8に示す如く、“I”形ビーム支持レール176か又は図9に示す如く“T”形支持レール178をもつことができる。図8を特に参照すれば、周壁166は、“I”形ビーム形成レールのシート支持端180の下に、“I”形ビーム形成レールに固定された、例えば、関節結合の形成モールドの中心レールと端レール及び形成モールドの固定レールに固定された一側179をもち、そして、包囲体を提供するために、図8に示される如く、プレス面144に対して掛合させかつ偏倚させるための又は図3に示す如くプレート部材80に掛合するための他側182をもつ。図8に示される周囲壁166は、ほぼ“L”形横断面をもつが、認められる如く、壁166の横断面形状は本発明に限定されることなく、例えば本発明のもう1つの非限定的実施例では、壁は横断面で、図8に破線で示す如く、或る半径をもっている。
さて、図9を参照すれば、ガラスシート24と25を支持する“T”形支持レール178の水平部材184は、延長部186をもち、この延長部は包囲体170を提供するために織物50をプレス面144に対して掛合させかつ偏倚させる。
さて認められる如く、本発明は下部輪郭モールド及び/又は上部モールドが作られる手法に限定されることなく、モールド成分の寸法は、上述の如く真空が引かれる包囲体を提供する。例えば、本発明の非限定的1実施例では、形成レールと側壁は、1/8インチステンレス鋼バーから形成され、この場合側壁は形成レールに溶接される。もう1つの非限定的実施例では、レールと側壁は一体とされて、1/8インチステンレス鋼シートから形成され、この場合、各側壁の縁は、織物被覆されたプレート部材またはプレス表面に掛合するように指定される。更に、1/8インチステンレス鋼バーは切断され、折る曲げられることができ、又は、別法として、形成レールのシート支持面のための所望の高さ輪郭を提供するように形成されることができる。
更に、認められる如く、側壁を提供するために図1乃至9に示される固定形成レールリングモールド及び関節結合形成リングモールドに追加される延長部の配置は包囲体を形成するために、お互いに相互交換可能である。その包囲体からは、シートを上部モールドの織物被覆されたプレス面に対して偏倚させるために空気が引き出されるようになっている。
図10を参照すれば、包囲体から空気を除去するのを助けるために、上部モールド20のプレス面49に対してシートを偏倚させるために(図2も参照されたい)、通路192が形成部材28内に設けられることができ、プレス面49と、ガラスシート24及び25、例えばシート24の上面の間から空気を除くために、この形成部材28を通して空気を引出す。真空が引かれるプレス面内に孔をもつことに関係があるのはガラスシート、特にシート24の上面がガラス面内に孔マーキング(markings)をもつことができることである。本発明の1実施例では、孔マーキングは、布または、プレス面49を覆うワイヤメッシュ又は布50の織り内の開口に等しいか又はそれより小さいプレス面内の通路開口をもつことによって、除去される。例えば、Bekaert Fibre Technology,Marietta,Ga.から市場で入手し得るステンレス鋼編みプレス布#3KN/C3を使用した約0.020インチ又はそれより小さい直径をもつ通路は、ガラス表面に、例えばガラスシート24の上面に目に見える孔マーキングを残すことは期待されない。
形成部材内の通路192がガラスシートとプレス面間の真空を引くためだけに使用される場合には、通路192はプレナム46内に延び入ることができそして通路44と共に作動することができる。通路192が別のプロセス作業に使用されるときには、例えば、真空を引くために、またはガラスシートをプレス面から離すために加圧空気を動かすために使用されるときには、他の流体流れ配置が作られるべきである。更に特に、非限定的流体流れ配置は、真空を引くためにまたは、通路192を通過する形成ガラスシートの冷却と破砕を防止するために加圧空気、好適には加熱された加圧空気を動かすために、図10に示されている。図10を更に参照すれば、サブプレナムまたは第2プレナム193が、プレナム46内に据え付けられて、通路192をもつ上部モールド20のプレート部材30の一部に重なっている。この配置では、プレート部材30を通過する通路44は、プレナム46の内部と、図2の包囲体72又は前述の如く図8と9の170との間の連通を提供する。通路192は、プレス面49から、形成部材28とプレート部材30を通して、サブプレナム193の内部194へ延びて、サブプレナム193の内部194と包囲体72間の連通を提供する。更に特に、シートが形成モールドのプレス面に当接しているとき、通路192はプレス面とシート間の空気を排出する。覆われたプレス面からシートを外すための加圧空気の使用は、織物50に接触するガラスシートの上部主面がセラミックペイント縁取り又は他の装飾模様をもちそしてペイントが織物に付く傾向があるときには有利である。
図10に示すように、サブプレナム193は、導管198によって二方弁196に連結される。二方弁196は、導管200によって、加圧空気供給源202、好適には加熱加圧ガス系統に、そして真空設備206、例えば真空ポンプまたは真空送風機に導管204によって連結される。プレナム46に連結された導管48もまた、真空設備206に連結される。本発明の1非限定実施例では、前述の如く、シート加圧作業の間に、真空が導管48、プレナム46、通路44及び導管72を通して引かれ、そして真空が導管204、弁196、導管198、サブプレナム193、通路192、及び包囲体72を通して引かれる。シート加圧作業の後に、真空設備206は導管48と204から遮断され又は外され、そして弁196は、導管198を導管200へ連結するために動かされ、加熱加圧された空気供給源202は導管200、弁196、導管198、サブプレナム193を通して加圧空気を動かし、通路192はプレス面49から形成シートを離すように動かされる。認められ得る如く、プレナム46と193は、異なった真空レベルをプレナムへ適用するために、別の真空源へ連結することができる。
認められるように、サブプレナム193と通路192によって覆われた領域は本発明に限定することなしに、そして作用されるべき形成部材28のプレス面49の領域、例えば真空下または空気圧下に置かれるべき領域の関数である。更に本発明は、通路192を通って移動する空気の圧力及び/又は温度に限定されない。圧力は、形成ガラスシートとプレス面間の任意の真空又は付着を破るのに十分とすべきである。要求はされないが、プレス面49からシートを離すために通路192を通るように向けられる空気は好適には、例えば加熱前にそれが曝された温度より下の温度で空気とそれらが接触することからもたらされるガラスシートに加わるどんな熱衝撃をも回避するように、加熱されるが、しかし、本発明をそれには限定せず、温度は、形成ガラスシートの冷え(chilling)及び/又は破砕を防止するように十分高くすべきである、例えば、538℃(1000°F)。更に、加圧空気温度はガラスシートをそれらの非熱−変形可能状態に冷やすために使用されることができる。本発明の1非限定的実施例では、空気は371℃乃至621℃(700°F乃至1150°F)の温度に加熱される。
認められ得る如く、本発明は、通路44と192の開口の寸法及び通路44と192が上部モールド内に設けられる手法に限定されない。例えば、包囲体内から真空を引くのに使用される通路44は、上述の如く、ガラスシートを覆われたプレス面に対して動かして偏倚させるために、プレス面とガラスシート24の間及びガラスシート24と25の間により低い圧力を提供する寸法にされる。通路とチャンバを通る真空によって引かれる流速(rate of flow)は、シートがプレス部材に対して偏倚させられそして空気が形成レールと上部モールドの周囲を通して移動して入るときに、例えば、関節結合したリングモールドの端部分と中心部分内の分離部を通して、ガラスシートと形成レール間の間隙を通して、定常状態で包囲体内に移動する空気の速度に等しいだろう。本発明の実施においては、−40インチ水の真空が1/4インチ(0.64センチメートル(“cm”))の直径をもつ通路を通してかつ1.0インチ(2.54cm)の中心対中心間隔で引かれた。通路は、任意の便利な穿孔技術を用いて、形成部材、例えば、形成部材28とプレート部材、例えばプレート部材30を通して、作られることができる。
形成されるべきシートの中心領域内の形成部材を通る通路192は、覆われたプレス面に対してシート周辺間のシート部分を偏倚させるために真空が通路を通して引かれるとき、ガラスシート表面を、例えば、シート表面内の孔マークを結合させることを防止する寸法にされる。1非限定的実施例では、プレス面にある通路192の開口の寸法は、プレス面を覆う布の織物内の開口に等しいか又はそれより小さい。例えば、0.020インチの孔開口は、繊維ガラスプレス布#S−1NS7L90062301の2層を含む織物と共に使用するために許容できる。上記プレス布は、Glass Tech,Perrysburg,OH.から市場入手可能であり、ステンレス鋼編みされたプレス布#3KN/C3の2層間に挟まれており、上記プレス布は、ガラス表面上の孔マーク付きを防止するために、Bekaert Fibre Technologies,Marietta,GA.から市場入手可能である。
通路192は、任意の手法で形成部材内に設けられることができる。例えば、1非限定的実施例では0.020インチ直径をもつ通路は、プレート部材と形成部材を通して穿孔されることができるが、放電機械として既知の技術を用いる本発明に限定はしない。図11と12を参照すれば、もう1つの非限定的実施例では、同心の中心をもつ1対の孔212,214が、上部モールド20内に穿孔される。孔214より小さい直径、例えば1−1/4インチ(3.16cm)をもつ孔212は、プレート部材30と、形成部材28を通して延びて、プレス面49から約0.10インチ(0.24cm)で終わる。1−1/2インチ(3.81cm)をもつ孔214は、孔212の端からプレス面49まで延びる。プレート216(図12に明示されている)は0.020インチ直径をもつ複数の孔218をもち、任意の手法で孔214内に例えば、摩擦嵌合、又は溝・タブ配置によって固定される。次いで、プレート216の表面は、表面輪郭49に合うように軽く機械加工される(図10を参照)。認められるように、本発明は、上部モールド内の通路の数に限定しないで、数と間隔は、シートをプレス面を離すために通路を通して引かれる真空及び/又は動かされる圧力の量に依存する。更に、通路192は塗装された表面部分をもつ深所又はS形湾曲部又はシートをもつシートの領域内でプレス面とガラスシート間から真空を引くように有利に置かれることができる。通路192を通して真空によって引かれる空気量又はそれを通して動かされる加圧空気量は、本発明に限定することなく、閉じ込められた又はゆっくり動く空気をシート間から除去するように、又は覆われたプレス面にシートを保持する真空又は粘着力を破るように、選択される。
認められるように、複数の通路192は、プレス面上の深い湾曲位置で真空を引くために使用されることができるが、ガラスシートが塗装領域をもたないプレス面上の位置では真空を引かない。プレス面からシートを離すのを助けるために、加圧空気は、通路を通してプレス面上の深い湾曲位置でかつガラスシートが塗装領域をもつプレス面上の位置で、通路を通して動かされる。
図13に示す如く、形成レール52のガラス支持表面54は、1つ又はそれ以上の軟質の、耐熱性の、可撓性の織物又は金属布222の1つ又はそれ以上の層で覆われることができる。それらの金属層は、以下でより詳細に説明するように、下部モールド24の形成レール52上に支持されている間、またはプレス曲げ作業の間に、熱ガラスシートに傷あとを付けない。可撓性織物は更に、ガラスシート25の底面とレール52の支持表面間に従順な支持を提供して、湾曲作業の間に真空がプレナム46及び/又はサブプレナム193に適用されるとき、下部シート25の外側周縁部分と形成レール52の支持面54の間から空気が引かれるのを制限するガスケット又はシールを形成する。また、織物222は、ガラスシートと形成レール52の支持表面間に絶縁表面を提供して、それらの間の伝導熱の伝達速度を遅くする。織物は、支持表面54が完全に覆われることを確実にするために、連続した周囲側壁41の外面に巻かれて固定される。1非限定的実施例では、形成レール52の支持表面を単に覆うよりはむしろ、織物は、形成レール52の内周によって限定される下部モールドの開放部分全体を横切って延びる。織物はぴんと張られるか、又はシートの中心部分より下のスペース内でたるまされる。更に特に、湾曲作業が、プレス曲げの前にガラスシートのたるみ曲げを含むとき、織物はたるまされる。本発明の1非限定的実施例では、織物は、Bekaert Fibre Technologies,Marietta,GAから市場入手可能のステンレス鋼編みのプレス布#3KN/C3の1層によって覆われた、Glass Tech,Perrysburg,OHから市場入手可能のガラス繊維のプレス布#S−1NS7L90062301の1層を含む。
当業者によって認められる如く、ガラスシート24と25は、シートの曲げ及び/又は形成の前に任意の手法で、熱軟化させられることができる。本発明の次の非限定的実施例では、ガラスシートは、図14Aと14Bに示される加熱、形成及びガラス焼鈍炉230内で加熱、形成及び焼鈍される。ガラス焼鈍炉230は、負荷領域232で上流に流れ始め、そしてトンネル型配列の加熱領域234、加熱領域234の下流側の重力曲げ領域236、重力曲げ領域236を直ぐ越えたプレス曲げ又は形成ステーション238、焼鈍領域240を含み、この領域はプレスステーション238への接近を可能にするドア242と、形成ステーション238を越えたドア243(図15を参照)、及びガラス焼鈍炉の下流側部分で端と端を接した関係にある冷却領域244を含むことができる。荷降ろし部分246は冷却領域244を越えた所にある。本発明が、上述の特定の形式のガラス焼鈍炉に限定されず、他の形式のガラス焼鈍炉、例えば、箱−型ガラス焼鈍炉と組合せて使用できることは、認められるべきである。その場合、複数の別のコンテナ又は箱の各々は、支持されたガラスをシートを含み、当業者には周知の如く、これらのシートは停止−及び−進行配置(stop−and−go arrangement)内でガラス焼鈍炉を通して処理される。
図14と15を参照すれば、横方向で対向しかつ長手方向で離間した関係に配列された複数対のスタブロール250を含むコンベヤが、ガラス焼鈍炉230の全長に延びて、長手方向の基準ラインに沿ったガラス焼鈍炉230を通る移動経路を限定する。各スタブロール250はシャフト(図示せず)上に据え付けられ、このシャフトはガラス焼鈍炉の側壁を通して延びて、コンベヤ駆動装置(図示せず)に連結される。モールド戻しコンベヤ(図示せず)は、ガラス焼鈍炉全体に沿って延びる。コンベヤは、通常の駆動ロッド及びギヤ手段又はチーエン駆動装置を経て、それら自身の駆動手段によって駆動される幾つかのセクションに分割されることができるか、または、コンベヤセクションは当業者に既知の周知の手法によってクラッチを経て共通の駆動装置から駆動されることができる。複数のモールド支持キャリジ51(図15に1つだけ示す)がスタブロール250の回転掛合によってコンベヤに沿って運ばれる。
図15を続けて参照すれば、下部リング又は輪郭モールド22は、形成レール52の下に置かれたクロス部材60によってキャリジ51上に据え付けられる(図1にも示されている)。形成レール52は立面図と輪郭において、ガラスシート周囲の僅かに内側で曲げられるべきガラスシート24と25に望まれる長手方向と横方向の高さ形状に適合する。図15に示された輪郭モールド22は連続した固定形成レール、すなわち、連続した中心部分と端部部分(図1も参照されたい)をもつ。しかし、所望ならば、下部モールド22は、例えば図7に示されている関節結合輪郭モールドとすることもできる。輪郭モールド22は、キャリジ51がプレス曲げステーション238内で整列させられて輪郭モールド22が加圧位置を占めるときに、下部又は輪郭モールド22の幾何学的中心が、上部形成モールド20の幾何学的中心とほぼ整列させられるように、キャリジ51に相対的に置かれる。認められるように、上部及び/又は下部モールドの側壁は、図4乃至6に示された本発明の非限定的実施例につき示されかつ議論された整列配置をもつことができ、図8と9に示された形成レールの型式の何れかをもつことができ、またその組合せをもつことができる。図15に示される本発明の非限定的実施例では、下部モールド22は、下部モールド22の形成レール52とキャリジ51の間に延びる横部材60によって、キャリジ51に支持されかつ固定される。下部モールド22は、任意の便利な手法で横部材60に固定される。当業者によって理解される如く、曲げ及び形成プロセスがたるみ曲げを含むとき、ガラスシートの周縁は形成レール上に支持され、例えば形成レール52とシートの中心部分は、重力の力を受けて妨げられずに自由にたるむ。
形成レール52のシート支持表面54は、下部モールド22の形成レール52上に支持されている間にまたはプレス曲げ作業中に、熱ガラスシート24と25にマーク付けしない軟質の、耐熱性の可撓性織物(図15には示されておらず、図13に明示されている)の1つまたはそれ以上の層で覆われている。
続けて図15を参照すれば、プレス曲げステーション238はまた、持ち上げフレーム256を含む。フレーム256はスタブロール250の間又は下に置かれ、そして特に図15に示す特定の実施例では、グリッド状外形をもち、これは複数の相互連結された横に延びるビーム258(図15には1つ示されている)と、長手方向に延びるビーム260をもっている。要求はされないが、ビーム間のフレーム内の開口は絶縁体(図示せず)で満たされることができる。フレーム256は、一連のポスト262に固定され、上記ポストはフレーム256の下に置かれた持ち上げビーム264に据え付けられる。本発明に限定はしないが、図15に示す特定の実施例では、持ち上げビーム264の対向する端266はプレス曲げステーション238の外に延びて、リフター267上に据え付けられており、このリフターはビーム264と持ち上げフレーム256を昇降させる。この持ち上げフレームは次に、プレス曲げ作業中に、下部キャリジ51と下部輪郭モールド22に掛合して、昇降させ、そしてそれらを、第1位置と第2位置の間を動かし、上記第1位置では、下部モールド22が上部モールド20から離間しており、上記第2位置では、下部モールド22の側壁66が上部モールド20の側壁41と接触して、包囲体72(図2をも参照)を提供して、より詳細に後述するように、上部モールド20の形成部材28の覆われたプレス表面49に対して支持されたガラスシート又はシート24と25を位置決めする。持ち上げビーム264の垂直移動は、好適には案内によって指向され、例えば、しかし本発明には限定しないが、案内270によって指向される。本発明を限定することなしに、リフター267は、ボールねじ、液圧シリンダ、又は他の型式のライナーアクチュエーターとすることができる。
上部モールド20の形成部材のプレス面29は、例えば、金属又はセラミックとすることができる。プレス面49は連続領域を覆い、この領域の輪郭は、下部モールド22の形成レール上に支持されている形成されるべきガラスシート24と25の輪郭より僅かに大きい。上部モールド20の下向きのプレス面49は、長手方向の曲げ成分に適合するように、ガラス焼鈍炉の幅を横切って立面図でほぼ下向きに凹面をなしており、すなわち、プレス面の表面は凸面をなしてり、ガラスシート24と25の周囲を巡る所望のガラス表面輪郭と、ガラスシートの中心領域の所望の輪郭を限定する。形成されるガラスシートに与えられるべき形状の複雑さに依存して、プレス面49は、更に、所望の横方向の曲げ成分に適合するように、ガラス焼鈍炉の長さの方向において立面図内にS形の曲げ成分を含む。
プレス面49は、耐熱性織物50(図2を参照)の1つ又はそれ以上の層で覆われることができる。上記織物はプレス曲げ作業の間に熱ガラスシート24と25に傷あとを付けない。本発明においては限定はしないが、1非限定的実施例では、プレス面49は、Bekaert Fibre Technologies,Marietta,GA.から市場入手可能の、ステンレス鋼編みのプレス布#3KN/C3の1層によって覆われた、Glass Tech,Perrysburg,OH,から商業的に入手可能な、繊維ガラスプレス布#S−1NS7L90062301の1層によって覆われる。
図15に示す非限定的実施例では、上部モールド20は、チェーン282によって支持プレート280からプレス曲げステーション238において吊られそして、後述する如く、上部モールド20の自重はガラスシート24と25をプレスするのに使用される。モールド20は、キャリジ51が形成ステーション238内に位置決めされるときに、その幾何学的中心が輪郭モールド22の幾何学的中心と垂直に整列させられるように、位置決めされる。整列ピン、又は当業者に周知の又は図4乃至6に示される型式の他の周知型式の整列配置は、加圧作業の間に、下部又は輪郭モールド22に相対的に上部モールド20を位置決めするために使用される。細長いロッド、例えば、支持プレート280に連結されたピストン又はパイプ284は、上昇位置、例えば第1位置と、下部位置、例えば第2位置の間において上部モールド20を動かす。この場合第1位置では、上部モールド20と下部モールド22は互いに離間しており、第2位置では、上部モールド20と下部モールド22の側壁は包囲体を提供するために互い接触している。上部モールドが第2位置にある場合、シートの周縁は、支持レールによって、形成部材28の覆われたプレス面49に対して偏倚させられる。本実施例に限定はしないが、細長いロッド284はまた、上部モールド20の形成部材28に正の下向き力を提供するために使用されることができ、そのため、モールド自重と、細長いロッド284によって加えられる追加力との組合せによって、ガラスシートの加圧が行なわれる。
(作業サイクル)
本発明の1非限定的実施例では、湾曲した輪郭のかつそれらの間に適当な分割材料をもつ1対のガラスシート24と25は、図15に示すガラス焼鈍炉230の負荷領域232で、キャリジ51によって支持された下部輪郭モールド22の形成レール52上に実質上水平指向状態で位置決めされている。形成レール52内の領域は、開放とすることができるか又は、前述の如く、レール52間にまたがる織物222(図13を参照)をもつことができる。キャリジ51は、ガラス焼鈍炉230を通る長手方向の基準線に関して横方向で整列している。キャリジ51は、ガラス焼鈍炉230の加熱領域234を通過し、そこには、加熱素子(図示せず)が、ガラス焼鈍炉230を通る下部モールド22のための進行経路の長手方向と横方向の両者に加熱パターンを提供するように配置されている。下部モールド22がプレス曲げステーション238(1080°F乃至1150°F[582°C乃至621℃]の周囲温度範囲に維持されている)に到達するときまで、ガラスシート24と25は、それらの変形温度(典型的には、1070°F乃至1125°F[577℃乃至607℃])に加熱されており、そして重力によって仮の外形にたるみ、その場合、ガラスシート24と25の周囲は、形成レール52の中心部分56と端部分58のレール表面の高さ輪郭にほぼ適合している。下部モールド22が例えば図7に示す型式の関節結合モールドである本発明の非限定的実施例では、端レール156と158は、下部モールド22がプレス曲げステーション238に入るときまでには、上方へ旋回させられるだろう。
負荷領域232から曲げステーション238へ輪郭モールド22が通る間に、それは長手方向の基準線に関する方位におけるその適切な整列を失うかも知れない。しかし、ガラスシートは一般的に、平面図でみて非均等な湾曲の非方形の輪郭をもちそして複雑な形状に曲げられるので、シートが曲げステーション238に到達するときに、予備的に形成されたシート24と25を持つ輪郭モールド22は、上部モールド20の形成部材28のプレス面49の下に方位付けられかつ整列させられることが必須である。図15を参照すれば、曲げステーション238に到達したとき、下部モールド22がその上に位置決めされている支持キャリジ51は、もし必要ならば、輪郭モールド22の幾何学的中心と予備的に形成されたガラスシート24と25を、その上昇位置にあるプレス面49の下で、ほぼ整列させるために、位置変えさせられる。種々の型式の整列システムは当業者に周知であり、ここで、例えば図4乃至6で議論される整列システムとその組合せは、キャリジ51を曲げステーション178内で整列させるために使用することができ、及び/又は輪郭モールド22を上部モールド20に関して適切に位置決めするために使用することができる。例えば、しかし本発明に限定することなしに、下部モールドは、それがキャリジ51上で曲げステーション178内へ移動するときに、上部モールド20に関してほぼ整列することができ、かつ、上部モールドと下部モールドの側壁が、図4乃至6に示される整列配置とその組合せを使用して互いに接触するときに、精密に整列させられることができる。リミットスイッチ(図示せず)は、キャリジ51がプレス曲げステーション238で適切に位置決めされて整列させられないならば、加圧作業は続かないことを確かめるために使用することができる。
ガラスシート24と25がその上に支持されている下部モールド22が適切に整列させられた後に、リフター267は持ち上げフレーム256を上方へ動かして、キャリジ51と掛合させる。リフター267は、上部モールド20の形成部材28のプレス面49に向けて、スタブロール250から離してキャリジ51を上昇させ続ける。下部モールド22が上昇させられると、ピストン284は上部モールド20を下降させる。下部モールド22が上部モールド20に接近すると、例えば図4乃至6に示す如き整列装置又は、当業者に既知の如き他の同等な装置が、下部モールド22と共に吊り下げられた上部モールド20の方位に向き、幾何学的中心が整列させられるようになる。下部モールド22と上部モールド20は、形成レールが上部シートの上部表面の周縁部分を覆われたプレス面49に対して動かすまで、互いに相対的に動き、そして上部モールド20の側壁と、下部モールド22の側壁66は互いに接触して、包囲体72を形成する(図2を参照)。
上部と下部のモールドの側壁が互いに接触しかつ上部シート24の周縁が形成レールによって覆われたプレス面に対して偏倚させられている状態で、真空が導管48、プレナム46及び通路44を通して、また任意に、導管198、サブプレナム193及び通路192(図10をも参照)を通して、包囲体72内に引き入れられる。空気がチャンバ72から引かれると、チャンバ72内の負圧がプレスステーション238内の空気にガラスシート25の下面を偏倚させて、ガラスシート24と25の中心と縁を上部モールド20の形成部材28のプレス面に対して持ち上げて、ガラスシート24と25の形成を完了させるようにする。シートと被覆されたプレス面間の空気は、布の織目を通して引かれる。
シート24と25が形成された後、真空の吸引は中断され、シート24と25は下部モールド22の形成レール52上に落ちる。任意に加熱された加圧空気は、導管198を加熱加圧された空気供給源202へ連結することによって、通路192を通して動かされることができる(図10を参照)。形成レール52上にシートがある状態で、下部モールド22、持上げフレーム256及び持上げビーム264は下げられ、キャリジ51はスタブロール250上に再置させられる。同様に、上部モールド20は、ピストン284によって、その最初の又は第1の位置に持上げられる。下部モールド22がスタブロール250上に再置されると、ガラス焼きなまし炉ドア243は開き、そしてスタブロール250は、形成されたガラスシート24と25と、下部モールド22を形成ステーション38の外へそして焼鈍領域240内へ運ぶようにされる。そのとき、ドア243は次の曲げ及び形成サイクルのために閉ざされる。
上述の本発明の非限定的実施例が、スタブロール250に加圧負荷を適用することを避けることは認められるべきである。更に特に、キャリジ51をスタブロール250から離れるように持上げる持上げフレーム256を使用することによって、加圧中に上部モールド20(及び随意に、ピストン284)によって、下部モールド22に加えられる負荷はスタブロール250よりはむしろ、持上げビーム264とリフター267に伝達される。
一旦ガラスシート24と25が加圧ステーション238内で形成されてしまうと、それらは、変形温度範囲内からガラスの歪点より下まで冷却されるまで、焼鈍領域240内でそれらの適合する形状を保持する必要がある。その温度はフロート(float)ガラスではほぼ950°F(510℃)である。ガラスシート間の過剰の永久歪みを避ける最大冷却速度は、数あるファクターの中で、ガラスシート厚さに依存する。焼鈍の後、ガラスシートは、追加冷却のために冷却領域244内へ入る。
上部と下部のモールドの移動は、他の曲げ作業系列を提供するために変更され得ることは認められるべきである。例えば、そして本発明を限定することなしに、上部モールド20は静止状態に留まることができ、そしてリフター267は、下部モールド22とガラスシート24と25を、上述の如くガラスシートを加圧するのに十分な距離上方へ動かすために使用することができる。もう1つの非限定的な別の実施例では、下部モールド22がスタブロール250上に留まっている間に、ピストン284は上部モールド20を下方へ動かすために使用されることができる。
図16に示す本発明の非限定的実施例では、単一の又は積重ねられたガラスシート300が、一連のコンベヤロール304上に炉302を通して運ばれる。熱軟化したガラスシートが形成ステーション306に到達したとき、シートは、例えば、形成された掛合表面を任意にもつ真空シャトル310によって、ロールから下部リングモールド308上へ運ばれる。リングモールド308は、図1に示す下部モールド22、又は図7に示される下部モールド148に類似している。その後、図1に示された上部モールド200に類似したリングモールド308と上部モールド310は、例えば、ガラスシートの回りに包囲体を形成するために、図15に示される加圧ステーション238を用いてモールド20と22を動かすために議論したように、任意の通常の手法によって、互いに相対的に動かされる。シートが形成された後、シートは、任意の通常の手法で下部モールド308から除かれて、制御可能に冷却され、例えば、形成されたシートをガラス焼鈍炉を通して動かす。
図17を参照すれば、本発明のもう1つの非限定的実施例が示されている。図17では、加圧チャンバ316は、通路322をもつピストン320上に据え付けられた形成レール318をもち、上記通路を通して周囲空気は自由に移動する。熱軟化したシート24と25が任意の通常の手法で、形成レール318上に置かれた後、ピストン320はシートを上方へ移動させて、シートの周縁部分を上部モールド326の布被覆されたプレス面324に対して偏倚させる。閉鎖壁328と、加圧ステーションの入口と出口端にあるドア330(図17には1つだけを示す)は、加圧チャンバ316に入る空気の移動を封鎖するか又は最少限となす。加圧チャンバが封鎖された後、加圧チャンバ316内の空気が導管334を通して真空設備332によって、引き出される。チャンバから引き出された空気は、シート間からそして頂上のシート24と被覆されたプレスシート324の間から空気を移動させる。ピストンの通路322内の空気は、シートを形成するために、被覆されたプレス面324に対してシートを偏倚させる。シートが形成された後、真空設備332が遮断され、ピストン322が下げられる。ピストン322が着座させられた後、加圧チャンバ322へ通じるドアが開かれそして、次の組のシートがチャンバ322内へ移動しそして形成レール上に置かれるので、形成されたシートが形成レールとチャンバ322から除かれる。
当業者によって認められる如く、シートを加圧ステーション内へ移動させかつモールドを上昇及び/又は下降させるための関連した設備と装置は、明瞭化の目的で、図16と17から除去されており、図1乃至15に示された及び/又はここで議論された装置と持上げ配置の何れも使用されることができる。
ガラスシートが形成された後、それらのシートは、住宅及び車輌の透明性へ向けて、任意の便利な手法で引き続き処理されることができ、例えば、しかし本発明をそれに限定することなしに、任意の便利な手法で、例えば、米国特許第4,367,107;4998,784及び5,355,144号内で議論されている如く積層され、これらの特許は、この結果、参考として自動車の透明性、例えば、自動車の積層風防ガラス及び積層側灯及びバックライトへ具体化される。
本開示内容に示されかつ記載された本発明の形態は、本発明の例示的な、非限定的実施例を説明するものである。以下の請求範囲記載の主題によって限定される本発明の教示から逸脱することなく、種々の変更を成し得ることは言うまでもない。
下部形成モールドから離間した上部形成モールドの正射投影法図の部分横断面図で、上部と下部モールドは本発明の非限定的実施例を組み込んでいる。 図1に示す上部と下部のモールドの横断端面図で、本発明の開示に従って包囲体を形成するために、両モールドの側壁は互いに接触している。 包囲体を提供するために使用される本発明の非限定的実施例の1側壁の分解横断端面図である。 包囲体を提供するために使用される本発明の非限定的実施例の別の1側壁の分解横断端面図である。 包囲体を提供するために使用される本発明の非限定的実施例の更に別の1側壁の分解横断端面図である。 包囲体を提供するために使用される本発明の非限定的実施例の更に別の1側壁の分解横断端面図である。 図2に類似の図で、本発明の開示に従ってシートを形成するための、本発明の上部と下部のモールドのもう1つの非限定的実施例を示す図である。 本発明の開示に従って上部と下部のモールド間に包囲体を提供するために本発明の非限定的実施例を示す分解横断端面図である。 本発明の開示に従って上部と下部のモールド間に包囲体を設定するために本発明のもう1つの非限定的実施例を示す図8に類似の図である。 特に上部モールドの形成部材を通して空気を引くための及び加圧空気を動かすための本発明の非限定的実施例を示す上部モールドの分解横断端面図である。 本発明の開示に従って上部モールドの形成部材を通過する通路をもつ上部モールドの非限定的実施例を示す分解横断面図である。 図11に示すモールドのプレス面の分解横断面図である。 本発明の開示に従って下部モールドの表面上に網ワイヤをもつ下部モールドの分解横断端面図である。 本発明のガラスシートを曲げるガラス焼鈍炉配置の長手方向側面図で、プレス曲げステーションの上流側のガラス焼鈍炉配置の一部を示す図である。 本発明のガラスシートを曲げるガラス焼鈍炉配置の長手方向側面図で、プレス曲げステーションの下流側のガラス焼鈍炉配置の一部を示す図である。 図14Aの線15−15に沿った図で、図14に示すガラス焼鈍炉配置のプレス曲げステーションの横断立面図を示し、これは本発明の特徴を組み込みかつ下位置に示された下部輪郭モールドと、全表面上部モールドの非限定的実施例を含んでいる。 本発明のガラスシートを曲げるガラス焼鈍炉の上流側配置の長手方向側面図である。 図2に類似した図で、本発明に従ったプレスステーションのもう1つの非限定的実施例を示す図である。
符号の説明
20 上部形成モールド
22 下部リング又は輪郭モールド
24 上部ガラスシート
25 下部ガラスシート
28 形成部材
30、127 プレート部材
46 プレナム
51 キャリジ
52 形成レール
54 シート支持面
72、86 包囲体
82 形成レール
88、93、128 上部モールド
90、130 下部モールド
156,158 端レール
196 二方弁
206 真空設備
238 プレス曲げステーション
264 持ち上げビーム
280 支持プレート
332 真空設備

Claims (17)

  1. 第1形成モールド、第2形成モールドと定義される輪郭形成モールド、周囲側壁、昇降装置ならびにプレナムを含むシート曲げ装置であって、
    前記第2形成モールドは一対の離間した端レールおよび一対の離間した中心レールを有し、一対の離間した前記端レールと一対の離間した前記中心レールとで、開放領域を囲む境界を画成しており、かつ該端レールと該中心レールの一部でシート支持表面を提供しており、
    前記第1形成モールドは、プレート部材および形成部材を有し、該プレート部材の両側面を第1の主面および第2の主面とし、該形成部材の両側面を第1主面および第2主面とし、該形成部材の第1主面は、前記プレート部材の第1の主面と対面関係にあり、前記形成部材は、前記第1形成モールドの前記プレート部材の第1の主面に固定されており、該形成部材の前記第2主面は、成形プレス面を有し、該成形プレス面は、中実で凸状であり、かつ前記第2成形モールドの前記シート支持表面および前記開放領域と対面関係にあり、前記形成部材の周辺は、前記成形プレス面の境界を画成し、該成形プレス面の境界は、前記プレート部材の周辺内にあって、該プレート部材の周辺から隔置されており、両端が第1端と第2端とする複数の通路が前記プレート部材に形成され、前記プレート部材の周辺と前記形成プレス面の境界との間で画成され該成形プレス面を囲んでいる該プレート部材の帯辺に、該通路の第1端が開口しており、
    前記昇降装置は、前記第1形成モールドと前記形成第2モールドの少なくとも一つを駆動して該第1形成モールド、該第2形成モールドならびに前記周囲側壁を第1位置と第2の位置の間で互いに相対変位させ、該第1位置では、前記第1形成モールドと前記第2形成モールドは、互いに隔置し、かつ前記周囲側壁が該第1形成モールドと該第2形成モールドの少なくとも一つから隔置して非接触となり、また前記第2位置では、該周囲側壁が該第1形成モールドと該第2形成モールドの双方に接触して包囲体を画成しており、該第1形成モールドおよび該第2形成モールドは、該包囲体の両側を画成し、該第2成形モールドの前記シート支持表面および前記第1形成モールドの複数の前記通路の第1端は、前記周囲側壁で画成される境界以内にあり、前記第2形成モールドの前記シート支持表面は、前記第1形成モールドの前記プレート部材の第1の主面と対面関係にあり、前記包囲体内外の流体の連通は、前記開放領域および前記複数の通路を介してのみ行われ、前記包囲体内に導入された被成形シートは、前記シート支持面に支持されて前記開放領域を覆い、該被成形シートの周縁は、前記周囲側壁の内面から隔置されており、
    前記プレナムは、前記プレート部材の前記第2の主面上に設けられ、前記複数の通路の前記第2端が該プレナムに開口している、
    シート曲げ装置
  2. 前記第2形成モールドの前記端レールと前記中心レールが連続していて、連続したシート支持表面を形成している、請求項1に記載の曲げ装置。
  3. 前記中心レールが隔置された前記端レールの間に設けられて定位置に固定され、しかして該端レールは、第1角度位置から第2角度位置へ枢動すべく枢動可能に設けられ、該第1位置で前記端レールおよび前記中心レールがほぼ水平の支持を提供し、該第2位置で前記端レールの端部が前記中心レールの上方に上昇される、請求項1に記載の曲げ装置。
  4. 前記周囲側壁は、前記第1形成モールドの前記プレート部材に据え付けられている、請求項1に記載の曲げ装置。
  5. 前記周囲側壁は、前記第2形成モールドに据え付けられ、該第2形成モールドの前記シート支持表面を囲む、請求項1に記載の曲げ装置。
  6. 前記中心レールと前記端レールは、“T”レールと定義される“T”形横断面をもち、該“T”レールの水平部材がシート支持表面を画成している、請求項5に記載の曲げ装置。
  7. 前記周囲側壁は、前記“T”レールの垂直部材の外表面に連結されていて、該“T”レールから離れるように延びている、請求項6に記載の曲げ装置。
  8. 前記シート支持表面は、前記第2形成モールドの前記開放領域に隣接した前記“T”レールの水平部材の一部であり、前記周囲側壁は、前記開放領域から最も遠い“T”の水平部材の一部である、請求項6に記載の曲げ装置。
  9. 前記中心レールと前記端レールは、“I”レールと定義される“I”形横断面をもち、該“I”レールの上端は、前記シート支持表面となり、前記周囲側壁は、該“I”レールの外側垂直表面に一端で据え付けられ該“I”レールと前記開放領域から離れるように延びている、請求項5に記載の曲げ装置。
  10. 前記周囲側壁に整列装置の一部分が設けられ、前記第1形成モールドおよび/もしくは第2成形モールドに該整列装置の他の部分が設けられている、請求項1に記載の曲げ装置。
  11. さらに加圧ステーション、該加圧ステーションの上流端に連結された加熱炉ならびに該加圧ステーションの下流端に連結された冷却炉及び運搬系統が設けられ、該運搬系統は、該加熱熱炉、該加圧ステーション及び該冷却炉を通して延びており、前記第2形成モールドが該加熱炉、該加圧ステーションならびに該冷却炉を通る経路に沿って搬送され、前記第1形成モールドが該加圧ステーションに配置され、前記昇降装置により前記第2形成モールドが前記経路から変位され、該経路へ戻されるようになっている、請求項1に記載の曲げ装置。
  12. 前記第1形成モールドおよび前記第2形成モールドが前記第2位置にあるときに前記開放領域が閉じられ、少なくとも一つの被成形シートが該第1形成モールドの前記成形プレス面と該第2形成モールドのシート支持面との間に位置し、少なくとも一つの前記通路を介して前記包囲体内から空気を抜くことにより、前記開放領域における前記少なくとも一つの被成形シートを介しての空気圧力差が増大して、前記少なくとも一つの被成形シートが前記第1形成モールドの成形プレス面に片寄せられる、請求項1に記載の曲げ装置。
  13. 第1形成モールド、第2形成モールドとなる輪郭形成モールド、該第1形成モールドおよび該第2形成モールドとの間に設けられる周囲側壁、昇降装置ならびに複数の貫通孔を設けたプレートを含むシート曲げ装置にして、
    前記第1形成モールドは、主面を有し、該主面の一部が該第1形成モールドの周囲以内に該周囲から隔置して設けられ、かつ所定形状のプレス面を有する形成部材を有し、さらに該第1形成モールドは、前記第1成形モールドの周囲と前記形成部材との間で前記第1形成モールドの主面に第1端が開口する複数の第1通路と、該第1形成モールドの前記プレス面に第1端が開口する複数の第2の通路を有し、前記第1通路の第2端が第1室と流体的に連通し、前記第2通路の第2端が第2室と流体的に連通し、
    前記第2形成モールドは、一対の隔置された端レールと一対の隔置された中心レールとを有し、一対の該端レールと一対の該中心レールとが開放領域の境界を画成し、該端レールと該中心レールの一部分がシート支持表面を提供し、
    前記昇降装置は、前記第1形成モールドと前記第2形成モールドとの少なくとも一つを駆動し、該第1形成モールドと該第2形成モールドを第1位置と第2位置の間で互いに相対的に変位させ、該第1位置においては、該第1形成モールドと該第2形成モールドが互いに離間し、前記周囲側壁が該第1形成モールドと該第2形成モールドの少なくとも一つから離間し、該第2位置においては、該第1形成モールド、該第2形成モールドならびに該周囲側壁が包囲体を画成し、該第2形成モールドの前記シート支持表面および複数の前記第1通路の第1端は、該周囲側壁の内面で画成される境界以内に位置し、該第1形成モールドが前記包囲体の一側を画成し、該第2形成モールとが該包囲体の他方の側を画成し、該第2形成モールドの前記シート支持表面と複数の前記第2通路の第1端が互いに対面関係となり、該第2形成モールドの前記開放領域を介して該包囲体に外気が作用しうるものであり、
    複数の前記第1通路は、前記第1室と前記包囲体の内部との間の流体的連通を提供し、前記複数の第2通路は、前記第2室と該包囲体の内部との間の流体連通を提供し、前記複数の第2通路のうちの特定の各通路が、第1部分と第2部分とを有し、該第1部分は、前記プレス面で開口し、該プレス面から所定の深さまで一定の形状と一定のサイズを有する開口有し、該第2部分は、前記第1部分の開口より小さな開口を有して前記プレス面に段差凹所を提供し、
    前記プレートが、前記凹所に装着されている、
    シート曲げ装置。
  14. 前記第2室は、前記第1室内にあり、該第1室は、導管により真空ポンプに接続され、該第2室は、導管によりバルブに接続され、該バルブは、第1の開放位置で導管を介して前記真空ポンプに接続され、しかして第2開放位置では、導管を介して加圧流体システムに接続されている、請求項13に記載のシート曲げ装置。
  15. さらに前記プレス面上を覆って貼り付けられた網目状の布を含み、該網目状の布は、所定の編目を有して所定サイズの開口を提供し、複数の前記第2通路の第1端の開口サイズは、該第2通路の第1端の開口を覆う前記網目状の布の編目の開口の所定サイズに等しいか、あるいは小さい、請求項14に記載のシート折り曲げ装置。
  16. 前記成形部材の前記プレス面を覆って貼り付けられた網目状の布を含み、該網目状の布の網目は、所定の編目を有して、所定間隔の所定の開口を提供し、前記プレートの前記孔の開口サイズは、当該孔を覆う該網目状の布の開口サイズに等しいか、あるいは小さい、請求項13に記載のシート折り曲げ装置。
  17. 前記特定の各通路の前記第1部分が、第1の一定の径を有する丸孔であり、該特定の各通路の第2部分が該第1の径より小さい第2の径を有する丸孔である、請求項13に記載のシート折り曲げ装置。
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