JP4703936B2 - 燃料電池発電設備とその運転停止方法 - Google Patents

燃料電池発電設備とその運転停止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4703936B2
JP4703936B2 JP2002297255A JP2002297255A JP4703936B2 JP 4703936 B2 JP4703936 B2 JP 4703936B2 JP 2002297255 A JP2002297255 A JP 2002297255A JP 2002297255 A JP2002297255 A JP 2002297255A JP 4703936 B2 JP4703936 B2 JP 4703936B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
gas
line
pressure
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002297255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004134227A (ja
Inventor
宏明 大原
康朗 山中
実 水澤
和典 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2002297255A priority Critical patent/JP4703936B2/ja
Publication of JP2004134227A publication Critical patent/JP2004134227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4703936B2 publication Critical patent/JP4703936B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池発電設備とその運転停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte FuelCell:PEFC)は、図3の原理図に示すように、電解質にプロトン(H+)導電性を有する高分子膜1を用い、この膜の両側に薄い多孔質Pt触媒電極2(アノードとカソード)を付けた構造を有する。それぞれの電極にH2 およびO2 を供給し、室温〜100℃前後で動作させると、H2はH2 極(アノード)でH+ に酸化され、H+は膜内を移動してO2極(カソード)に到達する。一方e- は外部回路を通って電気的な仕事をしたのち、O2極に到達する。O2極ではO2が到達したH+およびe-と反応してH2Oに還元される。従って、全体反応は、水素が酸化して水が形成される反応である。
【0003】
上述した固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池発電設備は、例えば、[特許文献1]に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−354145号公報
【0005】
図4は、特許文献1に開示された燃料電池発電設備の全体構成図である。この図において、7a,7b,7c,7dは熱交換器(ガスガス熱交換器)、8a,8bは冷却器、9は加湿器、11は燃料ブロア、12は脱硫器、13は水噴射器、14はシフトコンバータ、15はCO除去器、16は水噴射クーラ、17a,17b,17cは水セパレータ、18は補助燃焼器、19はターボチャージャ、20は固体高分子型燃料電池(燃料電池)、22は改質器、22aは燃焼器、24は排ガスリサイクルライン、25はアノード排ガスブロア、26は排ガス循環ブロア、28は蒸気発生器、29は冷却水循環系、30は排ガス蒸気発生器である。
【0006】
上述した固体高分子型燃料電池(PEFC)は、COに被毒されやすく、そのため、電池が許容できる10〜100ppm程度までCO含有量を低減する必要がある。そのため、特許文献1の発電設備では、改質器22の下流にシフトコンバータ14およびCO除去器15を設けてCO含有量を低減している。また、PEFCは、電解質膜(膜/電解質接合体)が適度に湿っている必要がある。そのため、特許文献1の発電設備では、CO除去器15を出たアノードガスを水噴射クーラ16で電池入口温度(例えば約80℃前後)まで下げる過程で水分を除去すると共にカソードガスにも加湿するようになっている。
【0007】
上述した固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池発電設備の運転を停止する場合、改質反応器22、シフト反応器14およびCO除去反応器15からなる燃料改質装置(以下、これらの反応器をそれぞれ「触媒反応器」と呼ぶ)や燃料電池20の触媒を内蔵する反応器の性能劣化を防止する必要がある。また、触媒反応器の前後を遮断して内部を単に閉じ込めると、高温ガス(最大運転温度、約700℃)が常温まで冷却されたときにガス容量が減少して内部が負圧となり、触媒反応器の容器が変形し触媒反応器に損傷を与えるおそれがある。
【0008】
そこで従来は、図5に模式的に示すように、燃料改質装置にガスボンベ4とガス供給ライン5を設け、運転を停止後に水素パージ、窒素パージ又は水蒸気パージを行っていた。
【0009】
水素パージは、反応停止後に各触媒反応器内を水素ガスでパージし、ガスライン出入口(原料供給弁10、アノード入口弁20a、アノードバイパス弁20b)を閉切って燃料改質装置の各触媒反応器内を閉切りにする。温度低下に伴って反応器内の圧力が下がると共に水素ガスをガスボンベ4とガス供給ライン5から補充することで、反応器の圧力が負圧になることを避ける手段である。そのために改質反応器22の上流側に水素ガス供給ライン及び水素ボンベを設けるものである。
【0010】
窒素パージは、同様に、反応停止後に触媒を含む反応器内を窒素ガスでパージし、ガスライン入口出口を閉切って燃料改質装置を閉切りにする。温度低下に伴って反応器内の圧力が下がると共に窒素ガスを補充することで、反応器の圧力が負圧になることを避ける手段である。そのために改質反応器22の上流側に窒素ガス供給ライン及び窒素ボンベを設けるものである。
【0011】
水蒸気パージは、反応停止後に触媒を含む反応器内を水蒸気ガスでパージし、ガスライン入口出口を閉切って燃料改質装置を閉切りにする。温度低下に伴って反応器内の圧力が下がると共に空気を補充することで、反応器の圧力が負圧になることを避ける手段である。
【0012】
また、他の運転停止手段として、[特許文献2]が開示されている。
【0013】
【特許文献2】
特開2002−100387号公報
【0014】
特許文献2の「改質システム」は、図6に示すように、改質空気、メタノール及び水を用いて改質部111、CO選択酸化部112により改質をして改質ガスを生成して燃料電池部113に供給する改質システムにおいて、システム停止時に、第1温度計測部141で計測された改質部111の温度値及び第2温度計測部143で計測されたCO選択酸化部112の温度値、及び圧力計測部142で計測された第2流路122の圧力値を用いて、改質部111及びCO選択酸化部112内に残存する改質ガスの圧力値が常温時に常圧となる圧力値を演算し、演算して得た圧力値とするようにシャットオフ弁131及び第1流量調整弁132を制御する制御部144を備えるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述した水素パージは、水素パージは、水素ガスを用いるため、各触媒反応器内を還元雰囲気に保持できる利点があるが、ボンベ交換が必要であり、メンテナンス性および経済メリットが低い。また、水素ガスは高価である問題点がある。
【0016】
また、窒素パージは、窒素ガスを用いるため、安価である利点があるが、水素パージと同様にボンベ交換が必要であり、メンテナンス性および経済メリットが低い問題点がある。
【0017】
水蒸気パージは、窒素パージよりも更に安価であるが、空気及び水蒸気により触媒の酸化反応を引き起こして触媒を劣化させ、或いは酸化により反応器部が高温化し、その劣化を促進するおそれがある。
また、特許文献2の「改質システム」は、改質部111及びCO選択酸化部112内に残存する改質ガスの圧力値が常温時に常圧となる圧力値を演算し、演算して得た圧力値とするようにシャットオフ弁131及び第1流量調整弁132を制御するため、パージガスを必要としないが、運転制御が複雑である、運転停止後内圧が常圧となるまで長時間制御を継続する必要がある、シャットオフ弁131を通して空気が流入し触媒の酸化反応を引き起こして触媒を劣化させ、或いは酸化により反応器部が高温化し、その劣化を促進するおそれがある等の問題点があった。
【0018】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、パージガスを必要とせずに各触媒反応器内を還元雰囲気に保持でき、触媒の酸化反応を防止してその劣化と高温化を抑制でき、かつ制御が容易である燃料電池発電設備とその運転停止方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、互いに連通された複数の触媒反応器と、該複数の触媒反応器の最上流端に原料を供給する原料遮断弁(32a)を有する原料ライン(32)と、複数の触媒反応器の最下流端に設けられた排気調節弁(33)と、該排気調節弁から外部に連通する排気ライン(34)と、該排気ラインの途中に設けられた貯留バッファ(36)とを備え、該貯留バッファと排気ラインの全排気ライン内容積Vが、運転停止後に排気ライン内のアノード排ガスが逆流して前記触媒反応器に導入されるときに排気ラインの外部から導入される空気が前記排気調節弁まで到達しない程度の大きさに設定されていることを特徴とする燃料電池発電設備が提供される。
【0020】
本発明の構成によれば、貯留バッファ(36)と排気ライン(34)の全排気ライン内容積Vが、運転停止後に排気ライン内のアノード排ガスが逆流して前記触媒反応器に導入されるときに排気ラインの外部から導入される空気が前記排気調節弁まで到達しない程度の大きさに設定されているので、停止時に原料遮断弁(32a)を全閉し、触媒反応器内の負圧化を防止するために排気調節弁(33)を開いても、排気ライン(34)内のガスは停止まえに排気されたアノード排ガス(水素を含み還元性ガス)であり、各触媒反応器内を還元雰囲気に保持できる。
すなわち、外部から新たに排気ライン(34)に導入された空気は、排気調節弁(33)から最も遠い部分に導入されるので、空気が各触媒反応器内に供給されるのを間に残存するアノード排ガスで防止できる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、運転停止後、触媒反応器内の圧力が正圧のときに前記原料遮断弁(32a)と排気調節弁(33)を全閉し、次いで触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入して負圧の上昇を抑制する負圧防止装置(40)を備える。
この構成により、負圧防止装置(40)により触媒反応器内の圧力が正圧のときには、内部のアノード排ガスを正圧のまま保持できるので貯留バッファ(36)の必要容積を小さくできる。
【0022】
前記負圧防止装置(40)は、複数の触媒反応器内の圧力を検出する圧力検出器(37a)と、触媒反応器内の圧力により排気調節弁(33)を開く圧力制御器(37b)とからなる。
この構成で、圧力検出器(37a)と簡単な圧力制御器(37b)の組み合せで、触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入することができる。
【0023】
前記負圧防止装置(40)は、触媒反応器内の圧力が負圧のときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入する逆止弁(38)である。
この構成により、逆止弁(38)のみで、触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入することができ、制御を更に容易にでき、かつ制御電源を不要にできる。
【0024】
前記複数の触媒反応器は、原料を改質する改質反応器と、改質した改質ガス中のCOをシフト反応させるシフト反応器と、改質ガス中のCOを除去するCO除去反応器とである。また、前記排気ライン(34)は、アノード排ガス用の気液分離器と、燃料電池を出たアノード排ガスを気液分離器まで導く上流側排ガスライン(34a)と、気液分離器を出たアノード排ガスを燃焼器まで導く下流側排ガスライン(34b)とからなり、前記燃焼器は、運転停止後、大気開放され、前記貯留バッファ(36)は、下流側排ガスライン(34b)に設けられている。
この構成により、外部から新たに下流側排ガスライン(34b)に導入された空気を、貯留バッファ(36)内に貯留し、上流側排ガスライン(34a)の存在により空気が排気調節弁(33)まで導入されるのを効果的に防止できる。
【0025】
また本発明によれば、互いに連通された複数の触媒反応器と、該複数の触媒反応器の最上流端に原料を供給する原料遮断弁(32a)を有する原料ライン(32)と、複数の触媒反応器の最下流端に設けられた排気調節弁(33)と、該排気調節弁から外部に連通する排気ライン(34)と、該排気ラインの途中に設けられた貯留バッファ(36)とを備えた燃料電池発電設備の運転停止方法であって、貯留バッファと排気ラインの全排気ライン内容積Vを、運転停止後に排気ライン内のアノード排ガスが逆流して前記触媒反応器に導入されるときに排気ラインの外部から導入される空気が前記排気調節弁まで到達しない程度の大きさに設定し、運転停止後、触媒反応器内の圧力が正圧のときに前記原料遮断弁(32a)と排気調節弁(33)を全閉し、次いで触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入して負圧の上昇を抑制する、ことを特徴とする燃料電池発電設備の運転停止方法が提供される。
【0026】
上記本発明の方法によれば、貯留バッファ(36)と排気ライン(34)の全排気ライン内容積Vを、運転停止後に排気ライン内のアノード排ガスが逆流して前記触媒反応器に導入されるときに排気ラインの外部から導入される空気が前記排気調節弁まで到達しない程度の大きさに設定するので、停止時に原料遮断弁(32a)を全閉し、触媒反応器内の負圧化を防止するために排気調節弁(33)を開いても、排気ライン(34)内のガスは停止まえに排気されたアノード排ガス(水素を含み還元性ガス)であり、各触媒反応器内を還元雰囲気に保持できる。
すなわち、外部から新たに排気ライン(34)に導入された空気は、排気調節弁(33)から最も遠い部分に導入されるので、空気が各触媒反応器内に供給されるのを間に残存するアノード排ガスで防止できる。
従って、パージガスを必要とせずに各触媒反応器内を還元雰囲気に保持でき、触媒の酸化反応を防止してその劣化と高温化を抑制できる。
また、触媒反応器内の圧力が正圧のときには、内部のアノード排ガスを正圧のまま保持できるので貯留バッファ(36)の必要容積を小さくできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付して使用する。
【0028】
図1は、本発明の燃料電池発電設備の第1実施形態を示す全体構成図である。この図に示すように、本発明の電池発電設備は、互いに連通された複数の触媒反応器22、14、15、20と、複数の触媒反応器の最上流端に原料及び水を供給する原料遮断弁32aを有する原料ライン32と、複数の触媒反応器の最下流端に設けられた排気調節弁33と、排気調節弁33から外部に連通する排気ライン34と、排気ライン34の途中に設けられた貯留バッファ36とを備える。
【0029】
この例において、複数の触媒反応器22、14、15は、原料及び水を改質する改質反応器22と、改質した改質ガス中のCOをシフト反応させるシフト反応器14と、改質ガス中のCOを除去するCO除去反応器15とである。また燃料電池20は、改質ガスをアノードガスとする固体高分子型燃料電池である。
燃料電池20には図示しないカソードガス(空気を含む)が別途供給され、アノードガスとカソードガスにより図3に示した原理で発電する。燃料電池20から出たアノード排ガスは、気液分離器17bで水分を除去した後、燃焼器22aに供給され、ここで燃焼した高温ガスを発生する。発生した高温ガスはこの例では改質反応器22、シフト反応器14、及びCO除去反応器15を外部から間接加熱した後、外部に排気される。
なお本発明は上述した構成に限定されず、その他の構成の燃料電池発電設備であってもよい。
【0030】
本発明によれば、貯留バッファ36と排気ライン34の全排気ライン内容積Vが、原料遮断弁32aから排気調節弁33までに封入される全ガス量の停止時と常温常圧時の容積差ΔVよりも十分大きく設定されている。
原料遮断弁32aから排気調節弁33までに封入される全ガス量V1の常温常圧時(27℃、1atm)の容積V2は、原料遮断弁32aと排気調節弁33を閉じたときの内部圧力をP1(atm)、平均温度をT1(℃)とすると、V2=V1×(P1/1)×(273+27)/(273+ T1)で表すことができる。
従って、停止時と常温常圧時の容積差ΔV=V1-V2は、停止時(遮断時)の内部圧力が大きいほど小さく、平均温度が高いほど大きくなる。すなわち、例えば、停止時(遮断時)の内部圧力が常圧(1atm)であり、平均温度が327℃の場合には、容積差ΔVはV1のほぼ半分であり、貯留バッファ36を十分大きく設定する必要がある。また逆に、停止時(遮断時)の内部圧力が正圧であれば、容積差ΔVは小さくなり、貯留バッファ36も小型化できる。
なお厳密には、全排気ライン内容積Vも温度低下の影響を受けるので、これを加味した容量に貯留バッファ36を設定するのがよい。
【0031】
図1において、排気ライン34は、アノード排ガス用の気液分離器17bと、燃料電池20を出たアノード排ガスを気液分離器17bまで導く上流側排ガスライン34aと、気液分離器17bを出たアノード排ガスを燃焼器22aまで導く下流側排ガスライン34bとからなる。貯留バッファ36は、下流側排ガスライン34bに設けられている。
貯留バッファ36は、運転停止後、大気開放される燃焼器22aから、流入する空気(大気)が、下流側から上流側に順に移動するように構成されている。すなわち。貯留バッファ36に流入した空気が下流側からほぼプラグフローのように流れるように構成する。このような流れは、貯留バッファ36を細長い1本の管路として構成することにより実現できる。
また、このような流れを実現できる限りで、排気ライン34(気液分離器17b、上流側排ガスライン34a、及び下流側排ガスライン34b)の容積を大きく設定し、その分、貯留バッファ36を小型にしてもよい。
【0032】
図1において、本発明の好ましい実施形態によれば、運転停止後、触媒反応器内の圧力が正圧のときに原料遮断弁32aと排気調節弁33を全閉し、次いで触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン34内のガスを触媒反応器内に導入して負圧の上昇を抑制する負圧防止装置40を備える。
この負圧防止装置40は、図1の例では、複数の触媒反応器内の圧力を検出する圧力検出器37aと、触媒反応器内の圧力により排気調節弁33を開く圧力制御器37bとからなる。
この構成で、圧力検出器37aと簡単な圧力制御器37bの組み合せで、触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン34内のガスを触媒反応器内に導入することができる。
【0033】
図2は、本発明の燃料電池発電設備の第2実施形態を示す部分構成図である。この例において、負圧防止装置40は、触媒反応器内の圧力が負圧のときに、排気ライン34内のガスを触媒反応器内に導入する逆止弁38である。
この構成により、逆止弁38のみで、触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン34内のガスを触媒反応器内に導入することができ、制御を更に容易にでき、かつ制御電源を不要にできる。
【0034】
また本発明の方法では、貯留バッファ36と排気ライン34の全排気ライン内容積Vを、原料遮断弁32aから排気調節弁33までに封入される全ガス量の停止時と常温常圧時の容積差ΔVよりも十分大きく設定し、運転停止後、触媒反応器内の圧力が正圧のときに原料遮断弁32aと排気調節弁33を全閉し、次いで触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン34内のガスを触媒反応器内に導入して負圧の上昇を抑制する。
【0035】
すなわち、本発明の方法では、以下の操作手順で窒素パージレス操作を行う。
(1)運転停止時後、原料/水ラインを閉鎖し、燃料処理装置からアノード出口気液分離器までの閉鎖弁を開き、バーナまでのラインを空気ラインに接続して開放する。
(2)燃料処理装置内における原料ラインが停止に伴って温度低下し、各反応器内が負圧にならないようにバーナ以降空気が押し込まれる形で、ラインを逆流してくる。
アノード出口気液分離器の容積を増し、反応器側に引込まれる改質ガス量を十分にとり、反応器に空気が入り込まない設計とする。
また、アノード出口気液分離器以降のラインに、改質ガスを貯蔵するタンクもしくは十分な内容量(径および長さ)を持つ配管を設置する。
【0036】
上述した本発明の方法及び装置によれば、貯留バッファ36と排気ライン34の全排気ライン内容積Vが、原料遮断弁32aから排気調節弁33までに封入される全ガス量の停止時と常温常圧時の容積差ΔVよりも十分大きく設定されているので、停止時に原料遮断弁32aを全閉し、触媒反応器内の負圧化を防止するために排気調節弁33を開いても、排気ライン34内のガスは停止まえに排気されたアノード排ガス(水素を含み還元性ガス)であり、各触媒反応器内を還元雰囲気に保持できる。
すなわち、外部から新たに排気ライン34に導入された空気は、排気調節弁33から最も遠い部分に導入されるので、空気が各触媒反応器内に供給されるのを間に残存するアノード排ガスで防止できる。
従って、パージガスを必要とせずに各触媒反応器内を還元雰囲気に保持でき、触媒の酸化反応を防止してその劣化と高温化を抑制できる。
【0037】
また、外部から新たに下流側排ガスライン34bに導入された空気を、貯留バッファ36内に貯留し、上流側排ガスライン34aの存在により空気が排気調節弁33まで導入されるのを効果的に防止できる。
更に、負圧防止装置40により触媒反応器内の圧力が正圧のときには、内部のアノード排ガスを正圧のまま保持できるので貯留バッファ36の必要容積を小さくできる。
【0038】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、以下の特徴を有する。
(1)水素ガスや窒素ガスを用いないことで、交換用のガスボンベもしくはガス供給が不要となる。
(2)水素ガスや窒素ガスを使ったパージ手段に比べて、発電ユニット停止後の制御操作が容易になる。
(3)停止後に触媒反応器への空気の侵入を避けることができ、触媒の酸化に伴う性能劣化を防止することができる。
(4)停止後に触媒反応器への空気の侵入を避けることができ、燃料処理装置内の高温化を避けることができる。
【0040】
従って、本発明の燃料電池発電設備とその運転停止方法は、パージガスを必要とせずに各触媒反応器内を還元雰囲気に保持でき、触媒の酸化反応を防止してその劣化と高温化を抑制でき、かつ制御が容易である、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池発電設備の第1実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の燃料電池発電設備の第2実施形態を示す部分構成図である。
【図3】固体高分子型燃料電池の原理図である。
【図4】従来の固体高分子型燃料電池発電設備の全体構成図である。
【図5】従来の燃料電池発電設備の運転停止方法の模式図である。
【図6】従来の別の運転停止方法の模式図である。
【符号の説明】
1 イオン交換膜(高分子膜)、2 電極、
4 ガスボンベ、5 ガス供給ライン、
7a,7b,7c,7d 熱交換器(ガスガス熱交換器)、
8a,8b 冷却器、9 加湿器、10 原料供給弁、
11 燃料ブロア、12 脱硫器、13 水噴射器、
14a,14b シフトコンバータ、15 CO除去器、
16 水噴射クーラ、17a,17b,17c 水セパレータ、
18 補助燃焼器、19 ターボチャージャ、
20 固体高分子型燃料電池(燃料電池)、
22 プレート型改質器、22a 燃焼器、
24 排ガスリサイクルライン、25 アノード排ガスブロア、
26 排ガス循環ブロア、28 蒸気発生器、
29 冷却水循環系、30 排ガス蒸気発生器、
32 原料ライン、32a 原料遮断弁、
33 排気調節弁、34 排気ライン、
36 貯留バッファ、37a 圧力検出器、
37b 圧力制御器、38 逆止弁、
40 負圧防止装置

Claims (7)

  1. 互いに連通された複数の触媒反応器と、
    該複数の触媒反応器の最上流端に原料を供給する原料遮断弁(32a)を有する原料ライン(32)と、
    複数の触媒反応器の最下流端に設けられた排気調節弁(33)と、
    該排気調節弁から外部に連通する排気ライン(34)と、
    該排気ラインの途中に設けられた貯留バッファ(36)とを備え、
    該貯留バッファと排気ラインの全排気ライン内容積Vが、運転停止後に排気ライン内のアノード排ガスが逆流して前記触媒反応器に導入されるときに排気ラインの外部から導入される空気が前記排気調節弁まで到達しない程度の大きさに設定されていることを特徴とする燃料電池発電設備。
  2. 運転停止後、触媒反応器内の圧力が正圧のときに前記原料遮断弁(32a)と排気調節弁(33)を全閉し、次いで触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入して負圧の上昇を抑制する負圧防止装置(40)を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電設備。
  3. 前記負圧防止装置(40)は、複数の触媒反応器内の圧力を検出する圧力検出器(37a)と、触媒反応器内の圧力により排気調節弁(32a)を開く圧力制御器(37b)とからなる、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池発電設備。
  4. 前記負圧防止装置(40)は、触媒反応器内の圧力が負圧のときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入する逆止弁(38)である、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池発電設備。
  5. 前記複数の触媒反応器は、原料を改質する改質反応器と、改質した改質ガス中のCOをシフト反応させるシフト反応器と、改質ガス中のCOを除去するCO除去反応器とである、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電設備。
  6. 前記排気ライン(34)は、アノード排ガス用の気液分離器と、燃料電池を出たアノード排ガスを気液分離器まで導く上流側排ガスライン(34a)と、気液分離器を出たアノード排ガスを燃焼器まで導く下流側排ガスライン(34b)とからなり、
    前記燃焼器は、運転停止後、大気開放され、前記貯留バッファ(36)は、下流側排ガスライン(34b)に設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池発電設備。
  7. 互いに連通された複数の触媒反応器と、該複数の触媒反応器の最上流端に原料を供給する原料遮断弁(32a)を有する原料ライン(32)と、複数の触媒反応器の最下流端に設けられた排気調節弁(33)と、該排気調節弁から外部に連通する排気ライン(34)と、該排気ラインの途中に設けられた貯留バッファ(36)とを備えた燃料電池発電設備の運転停止方法であって、
    貯留バッファと排気ラインの全排気ライン内容積Vを、運転停止後に排気ライン内のアノード排ガスが逆流して前記触媒反応器に導入されるときに排気ラインの外部から導入される空気が前記排気調節弁まで到達しない程度の大きさに設定し、
    運転停止後、触媒反応器内の圧力が正圧のときに前記原料遮断弁(32a)と排気調節弁(33)を全閉し、
    次いで触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン(34)内のガスを触媒反応器内に導入して負圧の上昇を抑制する、ことを特徴とする燃料電池発電設備の運転停止方法。
JP2002297255A 2002-10-10 2002-10-10 燃料電池発電設備とその運転停止方法 Expired - Fee Related JP4703936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002297255A JP4703936B2 (ja) 2002-10-10 2002-10-10 燃料電池発電設備とその運転停止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002297255A JP4703936B2 (ja) 2002-10-10 2002-10-10 燃料電池発電設備とその運転停止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004134227A JP2004134227A (ja) 2004-04-30
JP4703936B2 true JP4703936B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=32287004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002297255A Expired - Fee Related JP4703936B2 (ja) 2002-10-10 2002-10-10 燃料電池発電設備とその運転停止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4703936B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4831973B2 (ja) * 2005-01-25 2011-12-07 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP2007269615A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Miura Co Ltd 水素生成機およびこれを用いた燃料電池システム
JP2008081331A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Aisin Seiki Co Ltd 改質装置
CN104075114B (zh) * 2014-06-19 2017-11-14 江苏中靖新能源科技有限公司 通信电源气路系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004134227A (ja) 2004-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3972675B2 (ja) 燃料電池システム
US8039154B2 (en) Fuel cell system, method of starting fuel cell system
JP5394568B2 (ja) 開放型燃料電池システム
JP2004207241A (ja) 空気及び燃料の流れを再循環させる燃料電池一体型ハイブリッド発電装置
JP6804661B2 (ja) 燃料電池の温度分布制御システム、燃料電池、及び温度分布制御方法
JP2006310109A (ja) 燃料電池発電システム
US9112198B2 (en) Closed loop type fuel cell system
JP2007273276A (ja) 燃料電池発電システム及びその運転方法
WO2009005158A1 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御装置
JP2001143732A (ja) 固体高分子型燃料電池発電システム及びその運転方法
JP2008140772A (ja) 燃料電池発電装置の停止方法及び燃料電池発電装置
US20100221620A1 (en) Fuel cell system and operation method thereof
JP2005276757A (ja) 燃料電池コジェネレーションシステム
JP4703936B2 (ja) 燃料電池発電設備とその運転停止方法
US20110311890A1 (en) Open type fuel cell system with unreacted material removing function
JP4427707B2 (ja) 燃料電池発電設備とその運転停止方法
JP4015225B2 (ja) 一酸化炭素除去装置
JP2007053015A (ja) 燃料電池システム
US20080292928A1 (en) Method for purging pem-type fuel cells
JP2931372B2 (ja) 燃料電池発電システムの運転方法
JP5411199B2 (ja) 未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム
JP5602162B2 (ja) 燃料電池システムのパージ方法
JP5502521B2 (ja) 燃料電池システム
JP5044921B2 (ja) 燃料電池モジュールおよび運転方法
JP2005174757A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081017

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090423

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090601

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20091120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110309

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees