JP4703885B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に自動車等におけるエンジンの燃料系統、冷却系統等などにおける流体配管に使用される管継手のコネクタ、あるいは、その他のコネクタ類に流用することのできるコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のコネクタには、例えば特開平11−22885号公報に開示されたものがある。その公開公報におけるコネクタ(従来例のコネクタという)は、コネクタ本体とリテーナとを備えている。コネクタ本体には、軸状体が軸方向に挿入される。リテーナは、前記軸状体に弾性変形を利用して係合し、その軸状体をロックする。
しかして、コネクタ本体は、金属製のシール材収容体と、そのシール材収容体に一体的に形成された樹脂製のリテーナ支持体とにより構成される。このため、シール材収容体には、シール材収容体と軸状体との間をシールするシール材が軸状体挿入側の開口端部より嵌合される。さらに、シール材収容体の開口端部を内方に折り曲げることにより、前記シール材の反嵌合方向への移動すなわち抜け外れが防止されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例のコネクタ本体がリテーナ支持体とシール材収容体とにより構成されるコネクタによると、シール材の抜け外れを防止するために、シール材収容体の開口端部を折り曲げている。このため、シール材収容体の折り曲げ加工により、シール材収容体の加工工数が増加していた。なお、シール収容体にシール材の抜け外れを防止する折り返し部分を形成しておくことも考えられるが、シール材収容体内へのOリングの嵌め込みが困難になるため好ましくない。
【0004】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、コネクタ本体がリテーナ支持体とシール材収容体とにより構成されるコネクタでありながら、シール材収容体の加工工数を増加することなく、シール材の抜け外れを防止することのできるコネクタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する請求項1に記載された発明のコネクタは、コネクタ本体と、そのコネクタ本体に設けられたリテーナとを備える。前記コネクタ本体は、軸状体を軸方向に挿入可能に形成されている。前記リテーナは、前記コネクタ本体に挿入された前記軸状体に対する係合によってその軸状体をロック可能に形成されている。そして、前記コネクタ本体を、前記リテーナを支持するリテーナ支持体と、そのリテーナ支持体に設けられるシール材収容体とにより構成する。前記シール材収容体内には、そのシール材収容体と前記軸状体との間をシールするシール材を軸状体挿入側の開口端部より嵌合する。前記シール材収容体の軸状体挿入側には、基部側から開口端部に向かって内径を次第に大きくするテーパー状のフランジ部が形成される。前記リテーナ支持体を、相互に嵌合可能な内側部材と外側部材とにより構成する。前記内側部材と前記外側部材とは、相互の嵌合により前記シール材収容体のフランジ部を挟持する挟持部を有する。前記リテーナ支持体の内側部材には、前記シール材収容体内に嵌合された前記シール材の反嵌合方向への移動を所定量に制限するストッパ部を設ける。前記内側部材と前記外側部材とが、相互の嵌合により前記挟持部の相互間に前記フランジ部を挟持した状態で前記シール材収容体に組付けられ、その組付けられた前記内側部材のストッパ部により前記シール材の反嵌合方向への移動が所定量に制限される構成としたものである。
【0006】
このように構成すると、コネクタ本体に挿入された軸状体に対するリテーナの係合によって、その軸状体がロックされる。
ところで、コネクタ本体を構成するリテーナ支持体の内側部材と外側部材とがシール材収容体に設けられることにより、そのシール材収容体内に嵌合されたシール材の反嵌合方向への移動がリテーナ支持体の内側部材のストッパ部によって所定量に制限される。
したがって、コネクタ本体がリテーナ支持体の内側部材と外側部材とシール材収容体とにより構成されるコネクタでありながら、シール材収容体に余計な加工を必要とせずに、シール材の反嵌合方向への移動を所定量に制限することができる。このため、シール材収容体の加工工数を増加することなく、シール材の抜け外れを防止することができる。
【0007】
また、前記リテーナ支持体を、相互に嵌合可能な内側部材と外側部材とにより構成している。前記内側部材と前記外側部材とは、相互の嵌合により前記シール材収容体のフランジ部を挟持する挟持部を有する。さらに、内側部材と外側部材とが、相互の嵌合により前記挟持部の相互間に前記フランジ部を挟持した状態で前記シール材収容体に組付けられたものである。このように構成すると、リテーナ支持体を内側部材と外側部材とに分割して形成することができる。したがって、リテーナ支持体を一部品で形成する場合に比べて、内側部材と外側部材の形状が単純化されるので、内側部材と外側部材を容易に形成することができる。
【0008】
請求項2に記載された発明のコネクタは、請求項1に記載のコネクタであって、前記リテーナにより前記内側部材と前記外側部材とを軸方向に位置決めしたものである。
このように構成すると、内側部材と外側部材とがリテーナを利用して軸方向に位置決めされるので、内側部材と外側部材との軸方向の位置決めに専用の部品を使用しなくて済む。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。この実施の形態では、自動車におけるエンジンの燃料系統における流体配管に使用される管継手のコネクタを例示する。なお、図1はコネクタ及びパイプ体を示す斜視図、図2はコネクタのロック状態を示す側断面図、図3は図2のIII−III線断面図、図4はコネクタのアンロック状態を図3に準じて示す断面図、図5はコネクタの分解斜視図である。
【0010】
図1に示すように、管継手は、コネクタ8と、そのコネクタ8に接続可能なパイプ体1とにより構成される。コネクタ8には、チューブ5の接続側の端部が嵌合により接続される。なお、説明の都合上、パイプ体1を述べた後にコネクタ8を説明する。
【0011】
まず、パイプ体1を説明する。図1に示されるパイプ体1は、金属製で、ほぼ丸型パイプ状に形成されている。パイプ体1のコネクタ接続側の端部(挿入端部という)2には、その端面から所定間隔を隔てた位置における外周面上に突出する環状のバルジ部3が形成されている。挿入端部2の先端(図2において右端)は、先細り状に形成されている。なお、パイプ体1は本明細書でいう「軸状体」に相当する。
【0012】
次に、コネクタ8を説明する。図1に示すように、コネクタ8は、その主体をなすコネクタ本体9と、前記パイプ体1をロック可能なリテーナ40とを備える。さらに、コネクタ本体9は、ファーツリー10とリテーナ支持体19とにより構成されている。さらに、リテーナ支持体19は、インナーブッシュ30とアウターケース20とにより構成されている。
すなわち、コネクタ8は、ファーツリー10とアウターケース20とインナーブッシュ30とリテーナ40とを構成部品として構成されている。以下、順に説明する。
【0013】
まず、ファーツリー10を説明する。図6にファーツリー10を一部破断した側面図が示されている。なお、図6では、図の上半部が外形で表わされ、その下半部が断面で表わされている。
ファーツリー10は、金属製で、ほぼ丸型パイプ状に形成されている(図5参照)。ファーツリー10内の中空部によって形成される燃料通路10aは、小径側のチューブ接続管部11(図6において右端部)から大径側の開口端部15(図6において左端部)に向かって、内径を段階的に大きくする段付孔状に形成されている。
なお、ファーツリー10は本明細書でいう「シール材収容体」に相当する。
【0014】
詳しくは、ファーツリー10には、燃料通路10aにおける内径の小さいチューブ接続管部11と、そのチューブ接続管部11の内径よりも大きな内径を有する連通管部12と、その連通管部12の内径よりも大きな内径を有するシール材収容管部13と、そのシール材収容管部13から開口端部に向かって内径を次第に大きくするほぼテーパー状のフランジ部14と、そのフランジ部14の大径側から開口端に向かって突出する開口端部15とが形成されている。なお、開口端部15は本明細書でいう「軸状体挿入側の開口端部」に相当する。
【0015】
前記チューブ接続管部11の外周面には、適数個(図6は4個を示す)のほぼ環状をなす隆起部11aが突出されている。隆起部11aは、チューブ接続管部11に対する樹脂製のチューブ5(図1参照)の嵌合による接続を確実化する。
【0016】
図6に示すように、前記ファーツリー10における前記シール材収容管部13内には、リング状のスペーサ17を間にして2個の弾性を有するOリングからなるシール材16が配置されている。そのシール材16及びスペーサ17は、シール材収容管部13の開口端部15から嵌合可能に形成されている。
奥側(図6において右側)のシール材16は、シール材収容管部13と連通管部12との接続部における段差面(符号、10bを付す)により受止められる。なお、前記シール材16は、その弾性によりファーツリー10とパイプ体1との間をシールする(図2参照)。
【0017】
次に、アウターケース20を説明する。図7にアウターケースの正面図、図8にアウターケースの側面図が示されている。
図7及び図8に示すように、アウターケース20は、樹脂製で、ほぼ円筒状に形成されている。アウターケース20は、外筒部21と、その一端部(図8において右端部)に内向きフランジ状に突出された外側挟持部22とを有している。
外側挟持部22によって形成されるファーツリー挿入孔23は、前記ファーツリー10のシール材収容管部13を挿通可能な口径で形成されている(図2参照)。
【0018】
前記外筒部21の内周面は、前記ファーツリー10の開口端部15を挿通可能な内径で形成されている(図2参照)。
また、外筒部21と外側挟持部22とによる隅角部の内周面には、内側テーパ孔24が形成されている。内側テーパ孔24は、前記ファーツリー10のフランジ部14を嵌合可能に形成されている(図2参照)。
【0019】
さらに、図7及び図8に示すように、前記外筒部21には、周方向の約半分を開口する外側開口窓25が形成されている(図4参照)。
外筒部21の内側面には、外側開口窓25の周方向の一端縁部(図7において右端縁部)25bにおいて、その外側開口窓25を間にしてほぼ対称状に位置する凹部26が形成されている。凹部26は、外筒部21の内周面上に位置しかつ外筒部21の軸線L1に平行する軸線L2を中心とするほぼ半円形状に形成されている(図5参照)。
また、前記外筒部21の外側開口窓25の周方向の他端縁部(図7において左端縁部)25aは、係合凸部25a(当該端縁部と同一符号を付す)に設定されている。
なお、アウターケース20は本明細書でいう「外側部材」に相当する。
【0020】
次に、インナーブッシュ30を説明する。図9にインナーケースの正面図、図10にインナーケースの側面図が示されている。
図9及び図10に示すように、インナーブッシュ30は、樹脂製で、ほぼ円筒状に形成されている。インナーブッシュ30は、内筒部31と、その一端部(図10において右端部)から先端部に向かって径を次第に小さくするほぼテーパー状の内側挟持部32と、その内側挟持部32の小径側から先端に向かって突出するストッパ筒部37とを有している。なお、インナーブッシュ30内の中空部は、パイプ体挿入口33に設定されている。
【0021】
図2に示すように、前記内筒部31の外周面は、前記アウターケース20の外筒部21内に嵌合可能な外径で形成されている。
また、内筒部31の内周面は、前記パイプ体1のバルジ部3を嵌合可能な内径で形成されている。
【0022】
前記内側挟持部32の外周面は、前記ファーツリー10の開口端部15の端面及び内周面及びフランジ部14の内周面に嵌合可能に形成されている。
また、内側挟持部32の内周面は、前記内筒部31からストッパ筒部37に向かって内径を次第に小さくするテーパー孔状に形成されている。
【0023】
前記ストッパ筒部37の外周面は、前記ファーツリー10のシール材収容管部13内に嵌合可能な外径で形成されている。
また、ストッパ筒部37の内周面は、前記パイプ体1を挿通可能な内径で形成されている。
また、ストッパ筒部37は、例えばシール材収容管部13の軸方向長さの1/2程度の軸方向長さで形成されている。
また、ストッパ筒部37の先端面37aは、前記ファーツリー10の段差面10bと対向可能に形成されている。
なお、ストッパ筒部37は本明細書でいう「ストッパ部」に相当する。
【0024】
さらに、図9及び図10に示すように、前記内筒部31には、周方向の約半分を開口する内側開口窓35が形成されている(図4参照)。内側開口窓35は、前記アウターケース20の外側開口窓25よりも大きい開口角度で形成されている(図4参照)。また、内側開口窓35の軸方向の開口幅は、外側開口窓25の軸方向の開口幅とほぼ等しい大きさに設定されている。
内側開口窓35の両端縁部35a,35bは、前記アウターケース20の外側開口窓25の両端縁部25a,25bよりも周方向に奥まった位置に配置可能に形成されている(図4参照)。すなわち、内側開口窓35の両端縁部35a,35bに対し、前記アウターケース20の外側開口窓25の両端縁部25a,25bが周方向に突出した位置に配置可能に形成されている。
【0025】
前記内筒部31の外側部には、内側開口窓35の一端縁部(図9において右端縁部)35bの近くにおいて、ヒンジ軸38が形成されている。ヒンジ軸38は、内筒部31の軸線L1に平行する軸線L2を中心とするほぼ円柱形状に形成されている。ヒンジ軸38は、前記アウターケース20の凹部26(図7及び図8参照)内に嵌合可能に形成されている。
なお、インナーブッシュ30は本明細書でいう「内側部材」に相当する。
【0026】
次に、リテーナ40を説明する。図11にリテーナ40の正面図、図12にリテーナ40の側面図が示されている。
図11及び図12に示すように、リテーナ40は、樹脂製で、ほぼ円弧板状に形成されている。リテーナ40の凹形内周面は、前記パイプ体1の挿入端部2に径方向より嵌合可能な嵌合部41に設定されている(図3参照)。
リテーナ40は、前記アウターケース20の外側開口窓25及び前記インナーブッシュ30の内側開口窓35に嵌合可能に形成されている(図3参照)。
【0027】
前記リテーナ40の一端部(図11において下端部)は、取付け部42に設定されている。取付け部42には、側方(図11において左方)に開口するほぼC字状の軸孔43が形成されている。
リテーナ40の軸孔43は、取付け部42の弾性変形を利用して前記コネクタ本体9のインナーブッシュ30のヒンジ軸38に係合可能に形成されている(図3及び図4参照)。これにより、リテーナ40をヒンジ軸38に回動可能に支持させることができる。
【0028】
図11に示すように、前記リテーナ40の他端部(図11において上端部)には、平坦面46が形成されている。平坦面46の外端部には、ほぼ段付状をなす係合凹部47が形成されている。係合凹部47は、前記アウターケース20の係合凸部25aに、例えば係合凸部25aの弾性変形を利用して係合可能に形成されている(図3参照)。
【0029】
上記したファーツリー10(図6参照)、アウターケース20(図7及び図8参照)、インナーブッシュ30(図9及び図10参照)、リテーナ40(図11及び図12参照)は、以下のようにして組付けられる。なお、ファーツリー10のシール材収容管部13には、予め、シール材16及びスペーサ17が嵌合されて収容されている(図2参照)。
【0030】
まず、図5の状態からファーツリー10のチューブ接続管部11をアウターケース20の外筒部21内を通してファーツリー挿入孔23内に挿入する。
そして、ファーツリー10のシール材収容管部13をアウターケース20のファーツリー挿入孔23内に相対的に挿入するとともに、ファーツリー10のフランジ部14に対しアウターケース20の外側挟持部22を面接触状に嵌合する。
【0031】
次に、前記アウターケース20内に、インナーブッシュ30をストッパ筒部37から挿入する。このとき、アウターケース20の凹部26とインナーブッシュ30のヒンジ軸38とを整合させる。
そして、ファーツリー10のシール材収容管部13内にインナーブッシュ30のストッパ筒部37を挿入するとともに、ファーツリー10のフランジ部14内に対しインナーブッシュ30の内側挟持部32を面接触状に嵌合する。また、アウターケース20の外筒部21とインナーブッシュ30の内筒部31が嵌合される。
これにより、ファーツリー10のフランジ部14がアウターケース20とインナーブッシュ30とにより挟持される(図2参照)。また、アウターケース20の凹部26とインナーブッシュ30のヒンジ軸38とが嵌合される。また、アウターケース20の外側開口窓25とインナーブッシュ30の内側開口窓35とが整合される(図4参照)。
【0032】
次に、図4に示すように、インナーブッシュ30のヒンジ軸38に、リテーナ40がその取付け部42の弾性変形を利用して軸孔43が係合されることにより、回動可能に支持される。このとき、リテーナ40は、アンロック状態におかれる(図4参照)。
【0033】
上記のようにして、ファーツリー10(図6参照)、アウターケース20(図7及び図8参照)、インナーブッシュ30(図9及び図10参照)、リテーナ40(図11及び図12参照)の組付けが完了することにより、コネクタ8が完成する。
この状態では、インナーブッシュ30とアウターケース20とによりリテーナ支持体19が構成される。これとともに、ファーツリー10とリテーナ支持体19とによりコネクタ本体9が構成される(図1参照)。また、インナーブッシュ30とアウターケース20との嵌合によりリテーナ支持体19がファーツリー10に組付けられる(図2参照)。
【0034】
また、インナーブッシュ30のストッパ筒部37(詳しくは、その先端面37a(図10参照))は、ファーツリー10内に嵌合された手前側(図2において左側)のシール材16を受止め可能である。このため、ファーツリー10内に嵌合されたシール材16の反嵌合方向(図2において左方)への移動が、リテーナ支持体19におけるインナーブッシュ30のストッパ筒部37によって所定量に制限される。
また、リテーナ40によりインナーブッシュ30とアウターケース20とが軸方向に位置決めされる(図2参照)。
また、アウターケース20の凹部26とインナーブッシュ30のヒンジ軸38との嵌合により、インナーブッシュ30とアウターケース20とが周方向に位置決めされる(図1参照)。
【0035】
上記のように構成されたコネクタ8(図1参照)は、以下のようにして使用される。
即ち、先ず、図1及び図4に示すリテーナ40のアンロック状態において、パイプ体1の挿入端部2を、インナーブッシュ30の内筒部31内を通して、ファーツリー10のシール材収容管部13及び連通管部12内に挿入する(図2参照)。
【0036】
この状態では、図2に示すように、パイプ体1の挿入端部2は、インナーブッシュ30のパイプ体挿入口33、手前側(図2において左側)のシール材16、スペーサ17及び奥側(図2において右側)のシール材16を順に貫通し、連通管部12内に位置する。また、パイプ体1の挿入端部2の外周面に対し、両シール材16が弾性的に接触することにより、パイプ体1とファーツリー10との間がシールされる。
【0037】
続いて、アンロック状態(図4参照)にあるリテーナ40を、ヒンジ軸38を中心として図4において左回り方向(図4中、矢印R参照)に回動する。これによって、リテーナ40が前記アウターケース20の外側開口窓25及び前記インナーブッシュ30の内側開口窓35に嵌合される。これとともに、パイプ体1に対しリテーナ40の嵌合部41がバルジ部3の手前側(図2において左側)において径方向から嵌合される(図3参照)。
【0038】
また、リテーナ40の係合凹部47は、前記アウターケース20の係合凸部25aに対しその弾性変形を利用して係合する(図3参照)。これによって、リテーナ40がロック状態となる。なお、係合凹部47と係合凸部25aとによって「係合手段」が構成される。
【0039】
上記したように、リテーナ40がロック状態になることによって、コネクタ8にパイプ体1が完全に結合されるとともに、その完全な結合状態が確認される(図2及び図3参照)。
この状態では、図2に示すように、パイプ体1のバルジ部3がインナーブッシュ30の内側挟持部32とリテーナ40との間において位置規制される。なお、リテーナ40は軸方向及び径方向に関し所定量だけ移動可能になっている。また、ロック状態にあるリテーナ40をアンロック状態に戻すことにより、パイプ体1に対するロックを解除することが可能である。
【0040】
また、仮にパイプ体1をコネクタ8に挿入したときに、その挿入が不完全である場合には、リテーナ40をロック方向(図4中、矢印R参照)に回動しても、リテーナ40がパイプ体1のバルジ部3に当たる。これにより、コネクタ8にパイプ体1が完全に挿入されておらず、リテーナ40がロックされていないことが確認される。そのときには、パイプ体1の挿入状態を修正すればよい。
【0041】
上記したコネクタ8によると、コネクタ本体9を構成するリテーナ支持体19がファーツリー10に設けられることにより、そのファーツリー10内に嵌合されたシール材16の反嵌合方向(図2において左方)への移動がリテーナ支持体19のストッパ筒部37によって所定量に制限される。
したがって、コネクタ本体9がリテーナ支持体19とファーツリー10とにより構成されるコネクタ8でありながら、ファーツリー10に余計な加工を必要とせずに、シール材16の反嵌合方向への移動を所定量に制限することができる。このため、ファーツリー10の加工工数を増加することなく、シール材16の抜け外れを防止することができる。
【0042】
また、リテーナ支持体19をインナーブッシュ30とアウターケース20とに分割して形成することができる(図5参照)。したがって、リテーナ支持体19を一部品で形成する場合に比べて、インナーブッシュ30とアウターケース20の形状が単純化されるので、インナーブッシュ30とアウターケース20を容易に形成することができる。
【0043】
また、インナーブッシュ30とアウターケース20とがリテーナ40を利用して軸方向に位置決めされるので(図2参照)、インナーブッシュ30とアウターケース20との軸方向の位置決めに専用の部品を使用しなくて済む。
【0044】
また、パイプ体1に対するコネクタ8の変位により力が加わる部材、すなわちファーツリー10が金属製である。このため、ファーツリー10が樹脂製である場合に比べて、ファーツリー10の温度変化による強度低下を防止し、耐熱性を向上することができる。このことは、例えばエンジンに近い部位にコネクタ8が配置されるような場合に有効である。
また、パイプ体1に対するコネクタ8の変位により力が加わりにくい部材、すなわちインナーブッシュ30及びアウターケース20が樹脂製である。このため、インナーブッシュ30及びアウターケース20の温度変化による強度低下による悪影響を避けながら、インナーブッシュ30及びアウターケース20の成形の自由度を増大し、生産性を向上することができる。
【0045】
また、回動式のリテーナ40を採用したことにより、弾性変形を利用したリテーナ(例えば特開平11−22885号公報参照)に比べて、パイプ体1に対するリテーナ40の保持力の温度依存性を低減することができる。
【0046】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明のコネクタ8は、管継手のコネクタ8に限らず、その他のコネクタ8類にも適用することが可能である。また、リテーナ40は、コネクタ本体9に挿入されたパイプ体1に対する係合によってパイプ体1をロック可能であればよく、例えば、弾性変形を利用した係合によってパイプ体1をロックするもの(例えば特開平11−22885号公報参照)でもよい。また、ヒンジ軸38は、インナーブッシュ30に一体形成するものに限らず、インナーブッシュ30に取付けるものでも良いし、また、ヒンジ軸38をインナーブッシュ30に代えてアウターケース20に設けてもよい。また、インナーブッシュ30とアウターケース20との軸方向及び/又は周方向の位置決めは、上記実施の形態のものに限定されるものではなく、係合や嵌合等の設計変更によって適宜設定することができる。また、コネクタ8を構成するファーツリー10、アウターケース20、インナーブッシュ30、リテーナ40の形状は適宜変更することが可能である。また、ストッパ筒部37の形状も適宜変更することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のコネクタによれば、コネクタ本体がリテーナ支持体とシール材収容体とにより構成されるコネクタでありながら、シール材収容体の加工工数を増加することなく、シール材の抜け外れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるコネクタ及びパイプ体を示す斜視図である。
【図2】コネクタのロック状態を示す側断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】コネクタのアンロック状態を図3に準じて示す断面図である。
【図5】コネクタの分解斜視図である。
【図6】ファーツリーを一部破断して示す側面図である。
【図7】アウターケースの正面図である。
【図8】アウターケースの側面図である。
【図9】インナーケースの正面図である。
【図10】インナーケースの側面図である。
【図11】リテーナの正面図である。
【図12】リテーナの側面図である。
【符号の説明】
1 パイプ体(軸状体)
8 コネクタ
9 コネクタ本体
10 ファーツリー(シール材収容体)
15 開口端部
16 シール材
19 リテーナ支持体
20 アウターケース(外側部材)
30 インナーブッシュ(内側部材)
37 ストッパ筒部(ストッパ部)
40 リテーナ
Claims (2)
- コネクタ本体と、そのコネクタ本体に設けられたリテーナとを備え、
前記コネクタ本体は、軸状体を軸方向に挿入可能に形成され、
前記リテーナは、前記コネクタ本体に挿入された前記軸状体に対する係合によってその軸状体をロック可能に形成されているコネクタであって、
前記コネクタ本体を、前記リテーナを支持するリテーナ支持体と、そのリテーナ支持体に設けられるシール材収容体とにより構成し、
前記シール材収容体内には、そのシール材収容体と前記軸状体との間をシールするシール材を軸状体挿入側の開口端部より嵌合し、
前記シール材収容体の軸状体挿入側には、基部側から開口端部に向かって内径を次第に大きくするテーパー状のフランジ部が形成され、
前記リテーナ支持体を、相互に嵌合可能な内側部材と外側部材とにより構成し、
前記内側部材と前記外側部材とは、相互の嵌合により前記シール材収容体のフランジ部を挟持する挟持部を有し、
前記リテーナ支持体の内側部材には、前記シール材収容体内に嵌合された前記シール材の反嵌合方向への移動を所定量に制限するストッパ部を設け、
前記内側部材と前記外側部材とが、相互の嵌合により前記挟持部の相互間に前記フランジ部を挟持した状態で前記シール材収容体に組付けられ、その組付けられた前記内側部材のストッパ部により前記シール材の反嵌合方向への移動が所定量に制限される構成とした
ことを特徴とするコネクタ。 - 請求項1に記載のコネクタであって、
前記リテーナにより前記内側部材と前記外側部材とを軸方向に位置決めしたことを特徴とするコネクタ。
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