JP4703875B2 - 現像ユニット及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、あるいはこれらの機能を併有した複合機等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像ユニット、及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機等の画像形成装置において、感光体を含む画像形成部の構成は、例えば図6に示すようになっている。この図6は複写機の画像形成部の構成の一部を示している。
感光体ドラム1の周囲には、露光の前に感光体ドラム1の表面(感光面)を一様に帯電させる帯電ローラ2a及びそのクリーニングパッド2b、露光によって形成される静電潜像を現像する現像ユニット3、トナー濃度検知センサであるPセンサ4、用紙の転写が終了した部分を感光体ドラム1から剥離する分離爪5、感光体ドラム1の表面に付着している残留トナーを除去するクリーニングブレード7、除去されたトナーを現像部や回収ボトルに送る搬送スクリュー6、感光体ドラム1上に残留した静電気を除去する除電ランプ8等がそれぞれ配置されている。
【0003】
図7は、図6の現像ユニット3を断面にしてその内部構造を示す図である。この現像ユニット3は、感光体ドラム1と対面した現像スリーブ10、この現像スリーブ10に平行に配置された第1搬送スクリュー11と第2搬送スクリュー12、この第1搬送スクリュー11と第2搬送スクリュー12との間に配置された仕切板13、現像スリーブ10上の現像剤を所定の厚さに規制するドクタブレード14、トナー濃度を検知するTセンサ15を有する。
【0004】
そして、この現像ユニット3のケーシング16内に補給された現像剤(図示を省略)が、第1搬送スクリュー11と第2搬送スクリュー12の回転駆動により、仕切板13により規制される方向に巡回して搬送され、現像スリーブ10に対向して設けられた感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、これを転写紙(図示を省略)に転写して画像が形成されるようになっている。
上記仕切板13は、第1搬送スクリュー11と第2搬送スクリュー12と共に、現像剤を巡回して搬送できるように規制し、現像スリーブ10の軸方向に現像剤が一様に分布するような役目を担う。
【0005】
また、例えば特開平6−301284号公報には、現像ユニットの仕切板を弾力性に富み腰のある樹脂フィルムあるいは弾性材からなる薄板によって形成し、現像剤のアンバランス状態があってもトルクアップにならないようにすることが開示されている。
しかし、仕切板の薄板化によって耐久性に問題があり、また仕切板に加わるストレスの大きさにより、攪拌部材に巻き込まれる恐れもある。
さらに、特開平9−211983号公報には、現像ユニットの仕切板に第1搬送スクリュ―の搬送方向の下流側に高さを漸次低くした傾斜部を設けることによって、現像剤の奥行き方向のバランスを取り、形成される画像の左右での濃度差を解消することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、開発効率を向上させ及び製造コストを低く押さえるため、部品やユニットの共通化が要望されているが、複写機やプリンタのプリント(コピー)速度の変更に対処できないという点で共通化が困難になっている。
プリント速度が異なる場合、当然のことながら各ユニットの動作速度も異なることになる。そして、ユニットの動作速度が異なると、図7に示した現像ユニット3における現像剤の均一化を図りにくくなる。そのため、現像ユニットの動作速度に応じて第1搬送スクリュー11および第2搬送スクリュー12等の攪拌部材の速度調整が必要となってくる。
このような速度調整を行うのは極めて困難である。また、前述した各従来例のように、仕切板を薄板状に形成したり、傾斜部を設けたりしても、現像ユニットの共通化を図ることはできない。
【0007】
この発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、現像ユニットを、簡単な構成で高速から低速まで各種の画像形成装置に共通に使用可能にすることにより、安価で品質の安定したものにすること、およびその現像ユニットを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明による現像ユニットは、上記の目的を達成するため、現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、該現像剤収容部内に現像剤担持体と軸方向を平行にして設けられた2本の攪拌部材と、この攪拌部材間にその軸方向の両端部を除いて設けられた仕切板とを有し、上記2本の攪拌部材は、上記現像剤収容部内の上記仕切板によって仕切られた2つの収容部にそれぞれ配置されている。
【0009】
その仕切板は、上記攪拌部材の軸方向と平行に設けられた回動軸を有し、その回動軸を軸として回動自在であり、上記2つの収容部内の現像剤の嵩のアンバランスによってこの仕切板が傾斜して、上記ケーシングとの間に現像剤が流れる隙間ができるように構成することができる。
あるいは、上記仕切板を上記攪拌部材の軸方向と直角方向に上下動可能な断面T字型で水平部を有する板体とし、バネによって下方に付勢され、上記2つの収容部内の嵩の多い方の現像剤によってこの仕切板が上記バネの付勢力に抗して持ち上げられ、上記ケーシングとの間に現像剤が流れる隙間ができるように構成してもよい。
また、上記仕切板を、その両端部付近に現像剤が流れる開口部を有し、両端部が上記攪拌部材の軸方向に移動可能であって、平面形状がT字型で移動方向に直交する部分を有し、その両端部がそれぞれバネによって上記開口部の開口幅を狭くする方向に付勢されており、そのバネの付勢力と現像剤の圧力とのバランスによって上記両端部移動して、自動的に上記開口部の開口幅が調整されるように構成してもよい。
この発明による画像形成装置は、感光体を含む電子写真方式の画像形成部に、上述したいずれかの現像ユニットを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1乃至図5を参照して説明する。なお、これらの図において、図7と対応する部分には同じ符号を付している。
図1(a)(b)は、この発明による画像形成装置の現像ユニットを示す図である。この現像ユニット30は、図6及び図7に示した現像ユニット3と同様に電子写真方式の画像形成装置の感光体ドラムに隣接して配置される。
図1(a)に示す現像スリーブ10は永久磁石内蔵した現像剤担持体であり、感光体ドラム1に近接してその回転軸10aを感光体ドラム1の回転軸に平行にして設けられており、この現像スリーブ10と感光体ドラム1とが対向する位置に現像剤9を送り、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0011】
現像剤を収容する現像剤収容部を構成するケーシング16内に、現像スリーブ10に平行に配置された撹拌部剤である第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12は、図1(b)に示すように配置され、(a)に矢印A,Bで示すように互いに反対方向に回転され、現像剤9を(b)に矢印C,Dで示す方向に循環させる役目を有する。
また、第1搬送スクリュー11と第2搬送スクリュー12の間には、仕切板13が配置されている。したがって、2本の攪拌部材である第1搬送スクリュー11と第2搬送スクリュー12は、現像剤収容部であるケーシング16内の仕切板13によって仕切られた2つの収容部にそれぞれ配置されている。
この仕切板13は、第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12の回転によって矢印C,Dで示す方向に循環される現像剤9の流れを妨げないように、各スクリュー11,12の軸方向の両端部に対応する部分が欠如された構造になっている。この仕切板13の構造に関しては図3以降の図によって更に詳細に後述する。
【0012】
なお、図1(a)において、14はドクタブレード、15はTセンサである。現像剤9は、トナー粒子と磁性粒子とからなっている2成分現像剤である。
図2は、現像スリーブ10の周面における磁束分布を破線で示しており、矢印は現像剤の循環状態を示している。かかる磁束分布に対応して現像剤9が現像スリーブ10に被着されることになる。
【0013】
図3(a)(b)(c)は、主に仕切板13の一例を示しており、この仕切板13は、軸13aと板状体13bとからなり、板状体13bが第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12に対して平行に配置されており、軸13aの両端が回動自在に支持されている。
したがって、仕切板13の板状体13bは、第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12の中間部で揺動できるようになっており、図3(c)に示すh1、h2のように2つの収容部内の現像剤9の嵩(高さ)のアンバランスが生じた場合には、現像剤9の少ない側に傾いてケーシング16との間に現像剤が流れる隙間ができ、第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12の回転に伴って、その隙間を通って現像剤9が多い方から少ない方へ流れ、最終的には第1搬送スクリュー11側と第2搬送スクリュー12側の現像剤9が均一な嵩になっていく。
【0014】
図4(a)(b)は、仕切板13の他の例を示している。この仕切板13は、攪拌部材である第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12の軸方向と直角方向に上下動可能な断面T字型で水平部を有する板体であって、第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12に対して平行に配置されており、バネである圧縮スプリング13cによって下方に付勢され、ケース31の内側に突出した部分に押し付けられるようになっている。
この仕切板13は、圧縮スプリング13cに抗して上方に持ち上げ可能になっている。そのため、図4(b)に示すように2つの収容部内の現像剤9のアンバランスが生じると、嵩の多い方の現像剤9によって仕切板13が持ち上げられて下方にケーシング16との間に現像剤が流れる隙間ができる。その結果、第1搬送スクリュー11及び第2搬送スクリュー12の回転に伴って、その隙間から現像剤9が多い方から少ない方へ流れ、最終的には第1搬送スクリュー11側と第2搬送スクリュー12側の現像剤9が均一な嵩となっていく。
【0015】
図5(a)は、仕切板13のさらに他の例を示している。この仕切板13は、その両端部13e,13f付近の一部にそれぞれ開口部13g,13hが設けられ、かつ両端部13e,13fが攪拌部材である第1搬送スクリュー11と第2搬送スクリュー12の軸方向に移動可能であって、平面形状がT字型で移動方向に直交する部分を有しており、その両端部13e,13fの移動によって開口部13g,13hの開口幅H1,H2を調整可能な構造になっている。
【0016】
また、図5(b)は、図5(a)に示す仕切り板13の両端部13e,13fにコイルバネ13dを追加した構成を示しており、開口部13g,13hの開口幅H1,H2をコイルバネ13dの付勢力と現像剤の圧力とのバランスによって自動的に調整できるようになっている。
すなわち、現像剤の圧力により仕切板13の両端部13e,13fをコイルバネ13dの付勢力に抗して移動させ、現像剤の圧力が大きいと開口幅が広くなって現像剤を流れやすくする。また、現像剤の圧力が小さくなると開口幅が狭くなり、現像剤の流れが少なくなる。このようにしてスクリューの回転による現像剤のバランスが適切に保たれる。
【0017】
これらの各実施形態に示したように、現像ユニット30内の仕切板13の少なくとも一部を、ケーシング16内の現像剤9の嵩のアンバランスや圧力によって可動にすることによって、撹拌部材である搬送スクリュー11,12や現像剤担持体である現像スリーブ10の回転速度が変化して現像剤収容部であるケーシング16内の現像剤9に片よりが生じると、仕切板13が可動動作して隙間や開口が形成され、その隙間や開口を通して現像剤9が流動して均一化される。したがって、画像形成速度の異なる各種の画像形成装置にこの現像ユニットを共用することが可能になる。しかも、その構造が簡単で、特に大きなスペースをとることもない。バネの付勢力と現像剤の嵩変動あるいは圧力変動とによって、自動的に仕切板を移動させて、現像剤の均一化が図られるようにすることもできる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、同じ現像ユニットを高速から低速までプリント速度が異なる各種の画像形成装置に共用することが可能になるので、共通化により安価で品質の安定した現像ユニットとを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態を説明するための図で、(a)は現像ユニットの横断面構成図、(b)はその現像ユニットの内部を示す斜視図である。
【図2】 現像スリーブの周面における磁束分布の説明図である。
【図3】 図1における主に仕切板の一例を示す図で、(a)と(c)は現像ユニットの横断面図、(b)は仕切板の斜視図である。
【図4】 この発明の他の実施形態を示す現像ユニットの横断面図である。
【図5】 この発明のさらに他の実施形態を示す仕切板の斜視図である。
【図6】 従来の画像形成装置における感光体を含む画像形成部の構成を示す概略図である。
【図7】 図6における現像ユニットの内部構造を示す横断面図である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム 9:現像剤 10:現像スリーブ
11:第1搬送スクリュー(撹拌部剤)
12:第2搬送スクリュー(撹拌部剤)
13:仕切板 13a:軸 13b:板状体
13c:圧縮スプリング 13d:コイルバネ
13e,13f:両端部 13g,13h:開口部
16:ケーシング(現像剤収容部)
30:現像ユニット

Claims (4)

  1. 現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、該現像剤収容部内に前記現像剤担持体と軸方向を平行にして設けられた2本の攪拌部材と、この攪拌部材間に前記軸方向の両端部を除いて設けられた仕切板とを有し、
    前記2本の攪拌部材は、前記現像剤収容部内の前記仕切板によって仕切られた2つの収容部にそれぞれ配置され、
    前記仕切板が、前記攪拌部材の軸方向と平行に設けられた回動軸を有し、該回動軸を軸として回動自在であり、前記2つの収容部内の現像剤の嵩のアンバランスによって該仕切板が傾斜して、前記ケーシングとの間に現像剤が流れる隙間ができるように構成されていることを特徴とする現像ユニット。
  2. 現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、該現像剤収容部内に前記現像剤担持体と軸方向を平行にして設けられた2本の攪拌部材と、この攪拌部材間に前記軸方向の両端部を除いて設けられた仕切板とを有し、
    前記2本の攪拌部材は、前記現像剤収容部内の前記仕切板によって仕切られた2つの収容部にそれぞれ配置され、
    前記仕切板が、前記攪拌部材の軸方向と直角方向に上下動可能な断面T字型で水平部を有する板体であり、バネによって下方に付勢されており、前記2つの収容部内の嵩の多い方の現像剤によって該仕切板が前記バネの付勢力に抗して持ち上げられ、前記ケーシングとの間に現像剤が流れる隙間ができるように構成されていることを特徴とする現像ユニット。
  3. 現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、該現像剤収容部内に前記現像剤担持体と軸方向を平行にして設けられた2本の攪拌部材と、この攪拌部材間に前記軸方向の両端部を除いて設けられた仕切板とを有し、
    前記2本の攪拌部材は、前記現像剤収容部内の前記仕切板によって仕切られた2つの収容部にそれぞれ配置され、
    前記仕切板が、その両端部付近に現像剤が流れる開口部を有し、両端部が前記攪拌部材の軸方向に移動可能であって、平面形状がT字型で移動方向に直交する部分を有し、該両端部がそれぞれバネによって前記開口部の開口幅を狭くする方向に付勢されており、該バネの付勢力と現像剤の圧力とのバランスによって前記両端部移動して、自動的に前記開口部の開口幅が調整されるように構成されていることを特徴とする現像ユニット。
  4. 感光体を含む電子写真方式の画像形成部に、請求項1乃至のいずれか一項に記載の現像ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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