JP4703034B2 - 熱可塑性樹脂の可塑化装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂を可塑化する技術に関し、特に水分管理が必要なPET等のいわゆるエンジニアリングプラスチックを混練したり、更には射出成形して製品を製造したりする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド)、PBT(ポリブチルテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)等の樹脂、いわゆるエンジニアリングプラスチック(略称「エンプラ」)やメタクリル樹脂(PMMA)等の製品類は、飲料品や医薬品等の容器や機械部品や建築部材や家電製品等として広く利用されている。
【0003】
次に、これらプラスチック材料のみでは引張強さ、曲げ強さ、衝撃値等の機械的強度が不十分な場合には、ガラス繊維等を30%程度混入して、あるいは練り込んで使用されることも多々なされている。
【0004】
更に、環境保全、省資源等の下で、これらの樹脂製品の再利用も盛んになされている。
【0005】
以下、これらの樹脂製品そのものやそれらの製品の原料ペレット等を製造する可塑化装置として、図1に示す様な射出成形機を例に採って、その技術内容を具体的に説明する。
【0006】
本図は、この射出成形機の要部の断面を示したものである。図中、10は、材料供給用のホッパーである。2は、その外周部にヒーターを装備された(図示せず)加熱筒である。3は、回転駆動用モータや射出機構を装備された(共に図示せず)スクリューであり、その外周部は、ペレット状の材料を移送しつつ溶融し、混合するためいわゆるスクリュー(フライト)31が切られており、先端部には逆流防止弁35が付けられている。更に、その外径やスクリューのピッチ等は、加熱筒内での原料の状態に適切に対応すべく、加熱筒内に占める位置で変化している。4は、ノズルである。
【0007】
さて、PET等の各種の原料プラスチック等は、通常、ペレット状あるいは粉末状とされ、ホッパーより投入される。そして、加熱筒の図上右半分の供給ゾーン301で移送されつつ混合され、また加熱される。その結果、図上中央部から左側寄りを占める圧縮ゾーン302の終端あたりでは、原料のプラスチックはほぼ完全に混ざりあい、また溶融した状態となっている。更に左方の下流側のノズル近辺の計量ゾーン303では、原料は完全に溶融し、また完全に混練された状態となっている。なお、参考までに記すならば、上記各ゾーンは各々加熱筒の(原料の流れる部分の)50%、25%、25%程度を占める。
【0008】
更に、スクリューの回転数や加熱温度は、通常は250〜300℃、100〜150rpm程度で使用されるが、この混練可塑化を効率よくなすため、原料や製品の用途に応じてこれらは調整したり、制御することが可能とされていたりもする。そして、スクリューは、充分に溶融混練された射出成形品の原料が計量ゾーンに溜まってくるに従って、右方へ移動して行き、最後に一定量溜まる毎に図示しない射出機構の作用の下、左方へ急速に移動し、またこれに併せて射出部のノズルから溜まった樹脂とガラス繊維の混練物が金型内(図示せず)へ射出されることとなる。
【0009】
ところで、原料のペレットや粉末には、大気中の水分と平衡状態にある水分が付着していたり、材料の種類によっては水素結合、ファンデルワールス力等で強固に水分が付着していたりする。また、上述の強化材として混入するガラス繊維(GF)、その他充填材等にも水分が付着している。そして、これらの水分を除去しないまま溶融、混練を行うと、特にPET、PBT、PC、PAR等では、これらの水分のため原料が加水分解する。また、エンプラの溶融混練は200℃以上多くの場合250℃程度、ケースにより300℃近辺にてなされるため、分子の破断による分子量の低下等の好ましからぬ変質が一層促進されたりする。
【0010】
その結果、製品の機械的性質が低下し、また製品の表面にシルバーストリークが発生したり、製品の内部にボイドが発生したり、変色したりする等製品の外観も悪くなる。
【0011】
また、POMでは分解物のフォルムアルデヒドが可塑化装置や金型等の内部に蓄積され、再度重合して固着したりもする、いわゆるモールドデポジットの発生ともなる。またこの結果、製品の表面に黒い点として分解物やその重合物が付着したりもする。
【0012】
その対策として、第1に図1に示す射出成形機での溶融、混練に先立ち、原料に熱風乾燥、除湿乾燥、真空乾燥等の予備乾燥を行うことがなされている。これにより、例えばPETならば0.04重量%、PAならば0.1重量%以下の水分とされる。
【0013】
第2に、ベント式射出成形機を使用して原料を溶融、混練し、この際加熱筒内で発生する水分は真空ポンプで吸引する方法も採用されている。この装置を図2に示す。本図では、図1に示すのと同じ作用、効果あるいは目的をなす部分、構成については、同一の符号を付してある。またこのため、それらについての説明は省略する。なおこれは、原則として以降の実施の形態でも同様である。
【0014】
ただし、このベント式射出成形機は、材料フィーダ1より予備乾燥しない原料を投入しても良い様に、加熱筒の中央部近辺、原料樹脂がほぼ溶融した圧縮ゾーンの終端あたりの位置にベント孔(排気孔)20を設け、更にこの排気孔は真空ポンプ系8、81に接続されているのが図1に示す射出成形機と相違する。
【0015】
そしてこのベント孔より、原料の加熱、溶融に伴い気化した水分や発生したガス等を真空ポンプ8にて強制的に排気するものである。
【0016】
第3に、上記第2の対策とは逆に、原料供給部側に真空ポンプを設け、この真空ポンプにて水分、揮発物質等を排気する方法(図示せず)も採用されている。
【0017】
以上射出成形機を例に採って従来の技術を説明してきたが、射出成形機に限らず各種の可塑化装置(含む、混練装置)においては、可塑化に併せてあるいは可塑化に先立ってその対象としている熱可塑性樹脂やこれに混入するガラス繊維等更には既に各種原材料の配合されたペレット等に吸着されている水分の除去に関して同様の対策や処理がなされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の対策は、エネルギーコストのみならず管理のコストもかかる。
【0019】
上記第2の対策は、水分等が真空ポンプへ行くのを防止するための凝縮器(コンデンサー、クーラ)81が必要である。特に、スクリューインライン式射出成形機では、スクリューの回転と停止、軸方向への移動によりベント孔付近での樹脂の充填状態が常に変動しているため、樹脂が真空ポンプ側へ引かれて(ベントアップ)真空回路の閉塞を起こしがちなためベント孔20からの排気ができず、安定した脱気効果を発揮し難い。このため、真空脱気を採用せず、ベント部から大気中へ水分、発生ガスを排出する方法が採られる(これを、オープンベントと言う)。
【0020】
上記第3の対策は、原料供給部より加熱筒内に絶えず原料を供給することを可能としつつ加熱筒内のガス等を真空吸引することとなるため、ホッパーの下部と加熱筒の入口部の接続箇所近辺にロータリーバルブ等の機構が必要となるだけでなく、原料が粉末の場合には使用が困難となる。
【0021】
このため、単一若しくは複数種のプラスチック、更にはこれらに加えて強化用のガラス繊維等の充填材等をも混合して溶融、混練し、射出成形をなす装置において、原料中に付着している水分やその他溶融、混練の際に発生する分解ガスや揮発ガス等の悪影響を確実に防止する、そして勿論簡単かつ低コストの技術の開発が望まれていた。
【0022】
また、原料樹脂類の可塑化の機械的、物理的、化学的な機構、原理あるいは処理が同様なだけに、射出成形機のみならず押出機、スクリュープリプラ式射出装置その他2軸押出機等の可塑化装置においても同様に、原料のプラスチックやガラス繊維から発生する水分その他分解ガスが発生し、これらが製品の各種性質等に悪影響を及ぼすのを防止し、しかも簡単で低コストの技術の開発が望まれていた。
【0023】
また、溶融、混練を行う際の水分や分解ガス等の悪影響は、熱可塑性エラストマー、例えばポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーの場合にも同様に生じていた。このため、これらが原料の場合にも同様の技術の開発が望まれていた。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、加熱筒内の原料樹脂等が溶融を開始する位置より(原料の流れを基準にして)下流側、原則として原料樹脂がほぼ溶けた位置やその近辺あるいは完全に溶けた位置、いわゆる圧縮ゾーンと言われる領域、特にその後流側(下流側)あるいは計量ゾーンの上流側位置の加熱筒に設けたガス供給用の孔や、当該位置に在るスクリューのガス放出用の細孔より加熱筒内へ溶融した樹脂と反応しないガス(通常はいわゆるイナートガス。ただし、製品に要求される性質や原料の種類にもよるが、発生した水分や分解ガスを持ち去る一方で樹脂と実用上問題となる機械的強度の低下や着色をもたらすほどの反応をしない限り、空気等をも含む。)を加圧して供給し、このガスを加熱筒内を原料の流れと逆の方向に流して原料投入口部より排出させるものである。そして、これにより、加熱筒内で発生した水蒸気、分解ガス等を強制的にその外部へ排出するものである。
【0025】
またこのため、当該位置の加熱筒壁面等にガス供給用の接続孔が設けられていたり、あるいはスクリューの加熱筒外部の駆動部に位置する部分に回転継ぎ手 を介してガスが供給される孔部が設けられ、この孔部と加熱筒内部のスクリューに設けられたガス放出用の細孔(ガス出口)とを結ぶ細孔がスクリュウー軸の中心部に設けられている。そして、加熱筒壁面等のガス供給用の接続孔や回転するスクリューのガス供給用孔部にガスを安定して供給する設備をも有している。具体的には、以下の構成としている。
【0026】
請求項1に記載の発明の熱可塑性樹脂の可塑化装置においては、射出成形機ならば加熱筒部の原料がほぼ溶融している位置、押出機ならば同じく供給ゾーンより下流の溶融圧縮部分の中央部や更にその下流側の位置、スクリュープリプラ式射出機の可塑化用加熱筒ならばその中央部当たりや更にその下流側位置に、原料に対して少くも実用上問題となる程度には化学反応(悪作用)しない所定の種類の気体(ガス)を所定量、圧力により加熱筒内部に注入して供給するための(不活性)ガス供給用の孔部を有している。またこれに併せて、原料供給部は原料投入に支障の生じることなく圧送されてきたガスを排出可能としている。また、上記ガスを加熱筒へ供給するコンプレッサー、ボンベと減圧弁、流調弁、その他ガス分離膜方式やPSA(圧力変動吸着)方式の窒素(ガス)発生機等からなるガス供給部を有している。上記加熱筒部は、さらに外面側加熱筒と内面側加熱筒とを有し、更に前記ガス供給用孔部は、外部から加熱筒内へガスを供給するため、前記外面側加熱筒に形成された外面ガス供給用孔と、加熱筒から加熱筒内へガスを供給するため、前記内面側加熱筒に形成された内面ガス供給用孔と、前記外面ガス供給用孔と内面ガス供給用孔を接続するため、前記外面側加熱筒と内面側加熱筒の境界部に設けられたガス導通孔とを有してなることを特徴とする。
【0027】
上記構成により、原料樹脂の種類や射出成形品等の製品の性質や用途やその他入手の便宜等により定まるガスが、加熱筒に設けられた細孔より加熱筒の外部から内部へ所定の圧力、例えば0.05kgf/cm2 以上、好ましくは1.0〜2.5kgf/cm2 程度で連続して供給され、原料と逆方向に原料供給部側へ流れて行き、この際水蒸気、分解ガス、揮発ガス等を発生次第持ち去って行く。
また上記加熱部の上記構成により、加熱筒内部へガスを供給するための孔の形成位置が多様性を増し、可塑化装置の設計や各部の配置が容易になる。また、複数の位置から原料内へガスを供給することも容易となる。なおこの場合、加熱筒は複数の筒が軸方向に直列に並び、それらがフランジ等で接続された構造になっている。このためガス導通孔部のみ2重筒になっていても良い。また、多重でも良いのは勿論である。
【0028】
更に、原料の加熱筒内への投入を邪魔することなく排気され、ダクト等を経て工場外へ排出される。
【0032】
なお、所定圧量ガス供給部の具体的な構造としては、空気を供給する場合にはコンプレッサーを、窒素やアルゴンを供給する場合にはそのボンベを、またこれらに伴う減圧弁、流調弁、圧力形等を必要に応じて有している。更に、加熱筒の径が大なら流量もこの自乗に比例して増大し、加熱筒とスクリューとの隙間が大きいならこれに比例して流量も大となり、更に実際には加熱筒の径とスクリューとの隙間の関係もあるため、これらへ対処しての制御等も成される用にしている。あるいは、それらを考慮して適切な流量となるように設計され、ガス供給系が付設される。
【0033】
また、射出成形機以外の可塑化装置においても、その構造がもたらす流路抵抗等の特質に応じて最適の流量となるようになされるのは勿論である。
【0034】
請求項2に記載の発明においては、供給する気体として、安価かつ危険性がなく、しかも多くの種類の溶融した原料や発生した水蒸気、分解ガス等と反応しない窒素あるいはケースにより稀ガスのアルゴンとしている。なお、酸化劣化や変色の恐れがなければ、あるいは射出成形品の色彩が黒であるため多少着色しても実用上問題が無い等の場合には、発生した水分や分解ガス等の除去能力がある限り(乾燥した)空気でも良いのはもちろんである。
【0035】
また、炭酸ガスでも良いのは勿論である。なお、原料プラスチックの如何によっては、炭酸ガスがただ単に発生した水分等を運び出すだけでなく、溶融混練したプラスチックに外観や機械的強度に悪影響を及ぼさない程度に物理的、化学的に作用し、更にこの作用の結果、少なくとも定性的には射出成形性が良好となる様である。このため、この効果をもねらって、多少圧力が大な炭酸ガスを多少多めに供給するようにしても良い。
【0036】
請求項3に記載の発明においては、加熱筒は原料の種類、処理量等に応じて最適な位置からガスを供給することが可能な様に、その軸方向の複数箇所の位置にガス供給用の孔部を有している。
【0037】
上記構成により、最適な位置より所定の種類のガスが供給され、他の位置の接続孔は栓をされていたり、弁を閉ざされていたりする。ただし、勿論、上流側の孔からは窒素を、下流側の孔からは炭酸ガスをと、複数の接続孔部から同時に複数のガスが供給されたりしても良い。また、選択可能型のスクリューに対応して位置の選択も整合して決定する様にしていても良い。なおこの場合、個々のガス供給用孔は径が小さいため、加熱筒の強度に悪影響を及ぼすことが無いのは勿論である。
【0038】
請求項4に記載の発明においては、原料供給部は、加熱筒内への原料の供給口の役を担い、併せてガス供給用孔部から供給されたガスの加熱筒外への排出口の役を担うため、加熱筒に接続されたホッパーを有し、更に排出されるガスに含まれている水分{その他、原料の如何等によっては排気内の(低沸点の)揮発物質}が原料供給部、特にホッパーに結露するのを防止するホッパー加熱手段とを有している。
【0039】
上記構成により、加熱筒に接続されたホッパー特にその下部はヒータ等で最低60℃以上、好ましくは70℃以上、結露防止の面からは更に好ましくは80〜90℃程度に保持され、排出されるガスに含まれている水分(含む、揮発物質)の結露が防止される。このため、結露した水分等が新たに供給される原料と共に再度加熱筒内へ入り込んだり、ホッパーの腐食の基となったりする様な不都合は生じない。また、原料樹脂の種類の如何等ケースによっては、発生した揮発ガスや分解ガス内の低沸点物質のホッパーへの付着の防止がなされることとなる。
【0040】
なおこれらのため、必要に応じて温度の制御や調整のための設備をも有していても良いのは勿論である。また、条件の如何によっては、排出されるガスに含まれている揮発物質の凝着防止が主となることもあろう。更にこの場合には、保持される温度も、100℃以上にすることが可能にされていても良い。
【0043】
請求項5又は6に記載の発明においては、以上の発明を、特に請求項1の発明を方法の面から見たものである。その結果、これらの発明と同じ作用がなされ、効果が発揮される。
【0044】
請求項7に記載の発明の熱可塑性樹脂の可塑化装置においては、原料供給部と、加熱筒部と、スクリュー部と溶融樹脂排出部とを有する押出機、押出ブロー成形機、射出成形機等の可塑化装置において、上記加熱筒部は、樹脂の溶融開始位置より下流側に、加圧されたガスを外部より供給可能な第1のガス供給用孔部を有し、さらに、外面側加熱筒と内面側加熱筒とを有し、更に前記第1のガス供給用孔部は、外部から加熱筒内へガスを供給するため、前記外面側加熱筒に形成された外面ガス供給用孔と、加熱筒から加熱筒内へガスを供給するため、前記内面側加熱筒に形成された内面ガス供給用孔と、前記外面ガス供給用孔と内面ガス供給用孔を接続するため、前記外面側加熱筒と内面側加熱筒の境界部に設けられたガス導通孔とを有してなる。上記スクリュー部は、上記加熱筒部外となる位置に設けられた第2のガス供給用孔部と、前記第2のガス供給用孔部より供給されたガスを、加熱筒内の樹脂の溶融開始位置より下流側となる位置まで導くガス導通用軸方向細孔と、上記ガス導通用軸方向細孔にて導かれたガスを、加熱筒内の樹脂の溶融開始位置より下流側にて、加熱筒内に放出するガス放出用出口を有し、上記原料供給部は、上記加熱筒内へ放出されたガスを可塑化装置の外部へ排出可能な排気可能型原料供給部であり、更に、上記スクリュー部の回転にもかかわらず、外部より前記第2のガス供給用孔部へ所定の種類、圧力のガスを所定流量で供給する回転対応型ガス供給部を有している。
【0045】
上記構成により、原料の種類や射出成形品の性質や用途や入手の便宜等により定まるガスが、スクリューの加熱筒外の部分に設けられたガス供給用の細孔より、回転継ぎ手を介して外部のガスボンベ等から供給される。そしてこのガスは、スクリュー内のガス導入用細孔を通って加熱筒内の樹脂が溶融するゾーンにまで流れて行き、加熱筒内の溶融ゾーンでスクリューから放出される。この放出された加圧ガスは、原料樹脂と逆方向に、すなわち上流の原料供給部側へ流れて行き、この際水蒸気、分解ガス、揮発ガス等を発生次第持ち去って行く。
【0046】
なお、射出成形機では樹脂が射出用のノズル辺りの溶融樹脂排出部に溜まるに伴い、加熱筒内での原料樹脂の溶融が始まる軸方向の位置等が、そして水分や分解ガスの発生する軸方向の位置が上流側に移動していくが、本請求項の発明ではスクリューも同様に上流側に移動するため、常に最適な軸方向位置からのガスの供給がなされることになる。
【0048】
請求項8に記載の発明においては、ガス供給部の加熱筒内へガスを供給するための経路や一部のハード面(供給手段)こそ相違するものの、加熱筒外壁面に設けた孔からガスを供給する請求項2の発明と同様の種類のガスが加熱筒内へ供給される。
【0049】
請求項9に記載の発明においても、ガス供給部の加熱筒内へのガスの供給手段こそ相違するものの、加熱筒外壁面に設けた孔からガスを供給する請求項3等の発明と同様にそのガスが原料供給部から外部に排出される際に、ガスに含まれている水分が原料供給部で結露するのが防止される。
【0050】
請求項10に記載の発明においては、可塑化装置は射出成形のためスクリュー部を軸方向下流側に射出するアクチュエータ部を有する射出成形機であり、回転対応型ガス供給部は、スクリュー部の回転のみならず軸方向への移動にもかかわらず外部よりガス供給用孔へ所定の種類、圧力のガスを所定流量で送ることが可能な様に、軸方向移動対応型のガス供給部であることを特徴としている。またこのため、ガス供給用の配管は何処かにかかる急な軸方向動きを吸収する構造、例えばフレキシブルホース等を有している。
【0051】
上記構成により、スクリューの軸方向移動にもかかわらず、所定の圧力、流量のガスを、スクリュー内のガス導通路へ安定して供給することが可能になる。
【0052】
請求項11または12に記載の発明においては、請求項7から10のいずれか1項に記載の物(装置)の発明を方法の面から見たものである。その結果、これらの発明と同じ作用がなされ、効果が発揮される。
【0053】
請求項13に記載の発明においては、逆流ガス供給排出ステップによる可塑化の際のガスの連続供給に先立って、スクリュー部のガス導通用細孔のガスの放出用の出口部に在りうる前回の運転終了時に排出し残った、そして加熱筒の昇温にともなって溶融している樹脂(勿論、存在しないこともある。この方が、殆どであろう。)を、例えば5気圧等好ましくは可塑化時よりも高い圧力そして流量のガスを数秒供給して吹き飛ばす前処理樹脂ブローステップと、逆流ガス供給排出ステップによるガスの供給の終了後に、スクリュー部のガス導通用細孔のガス放出用出口部(近辺を含む)に在りうるそして溶融した樹脂(その他、ガラス繊維片等)を、次回の可塑化運転時にガスの供給の邪魔をしない様に吹き飛ばす後処理樹脂ブローステップの少くも1を有している事を特徴としている。
【0054】
上記構成により、例えば窒素ガスボンベから多少高い圧力、流量のガスが流され、以降の安定したガスの供給の妨げになりかねない樹脂を吹き飛ばす。その結果、原料樹脂の可塑化のために連続運転している際に、スクリュー軸に設けられたガス放出用の細孔に固着して残った原料樹脂やパージ用のPP樹脂が栓の作用をして、一旦運転を停止後再度運転する際に、ガスの放出を邪魔することがなくなる。このため、可塑化運転におけるガスの供給に際して、所定の圧力、流量のガスを安定して供給することが容易になる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
【0056】
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、図1に示す射出成形機への本発明の適用に関する。
【0057】
図3に、本実施の形態の射出成形機の構成を示す。
【0058】
本図において、11は排気ダクトであり、15は熱電対であり、16は冷却水系であり、17は温度調整部であり、18は水用流量調整弁である。21は、加熱筒内へのイナートガス供給用接続孔であり、図1に示す射出成形機の加熱筒の圧縮ゾーン最後部位置に加熱筒内の樹脂の流れに悪影響を与えないように細孔を開けて設けたものである。5は窒素ガスボンベであり、51は減圧弁であり、52はガス用流量調整弁であり、53は圧力計であり、54はボール弁であり、55はメンテナンス用のプラグである。
【0059】
さて、この射出成形機は、加熱筒の内径(D)は、40mm、長さは1.6mである。また、回転数は100〜200rpm、圧縮比は2〜2.5、加熱筒の温度は200〜300℃程度である。ただし、これらは原材料等により多少変動する、あるいは調整可能なのは勿論である。また、対象とするエンプラは、従来の技術欄にて記載した各種樹脂やそれらのリサイクル品等であり、これらがガラス繊維、フィラー、改質剤等と共に粉末状やペレット状で所定の割合いで一定の量づつホッパーより投入されるのは従来技術のものと何ら相違はない。
【0060】
次に、イナートガスの供給であるが、本実施の形態では原材料の樹脂と反応しない、そして勿論環境汚染の恐れのないガスを使用している。具体的には、窒素、アルゴン、ケースによりヘリウムや空気等である。なお、一般的には価格、入手容易なことや融通(汎用)性の面から、ガス分離膜方式やPSA(圧力変動吸着)方式の窒素(ガス)発生機による窒素が適している。また、その供給は、空気の場合はコンプレッサーでも良いであろうが、空気を使用可能な原料は限定されること、医薬品の容器に使用する場合には機械油による汚染の防止が高度に要求されることより、本実施の形態では、上記窒素の発生機やその他窒素やアルゴンのボンベを使用するものとしている。またこのため、それら各ガス用のボンベ、減圧弁、流調弁、接続用ネジ部や切り換え部その他、細径の高圧管等を有している。更に、この射出形成機の近くにはボンベの固定用枠等も設置している。
【0061】
さて、本実施の形態では、2.0〜5.0kgf/cm2 の窒素を0.1〜0.5リットル/minの割で加熱筒内へ圧送し、ホッパー近辺の側部の取り出し口より排気ダクトへ排出する様にしている。
【0062】
次に、ホッパー近辺の熱電対、冷却水系、温度調節部について説明する。
【0063】
この部分から排気ダクトへ排出される不活性ガスは、水分、分解生成物等を含有しているため、低温であると発生した水滴や分解物がホッパーへ付着したりしかねない。このため、ホッパーの下部の取付け部近辺を90℃程度に保持するために設けたものである。
【0064】
なお、本実施の形態では、排気ガスはその処理設備へ導く様にしているが、可塑化装置、ひいては工場の立地条件や原料の如何等によっては、直接外気へ逃す様にしていても良いのは勿論である。
【0065】
次に、この窒素ガスの作用について説明する。
【0066】
図4に示す様に、ほぼ溶融したあるいは溶融しかけた原材料ペレット、粉末間、あるいはこれに加えて加熱されたガラス繊維等の充填材間を加熱筒や加熱された原材料等にて加熱されつつこれらとは逆の方向へ流れていく際に、発生した水蒸気、揮発性ガス、分解ガスその他原料中に混在していた空気等も発生しだい持ち去って行く。なお、本図において、細い矢印は、ガスの流れを示し、太い矢印は原料の流れを示す。
【0067】
このため、加熱筒の内部の原材料ペレット、粉末の周囲空間には事実上、溶融した原料に悪影響、悪作用をなす水分や分解ガス等が存在しなくなる。その結果、原料の樹脂の加水分解、その分子の破断による分子量の低下、そして粘性の低下、これらによる機械的強度の低下がなくなる。
【0068】
また、分解生成物の付着等による変色や黒点もなくなった。PMMAの場合には、表面のシルバーストリーク(銀色の線状の皺)や内部の泡の発生等も見られなくなった。
【0069】
更に、POMの場合、分解生成物たるモノマー性のフォルムアルデヒド等が装置や金型内にて再度重合して蓄積するいわゆるモールドデポジットの発生もなくなった。その結果として、射出成形機や金型の掃除、点検の必要性も少なくなり、射出成形品の表面に黒い点が付く様なこともなくなった。
【0070】
以上の他、原料の予備乾燥に伴う手間、管理の負担も少なくなった。
【0071】
(試験結果)
本実施の形態の可塑化装置を使用して製造したガラス繊維強化型の樹脂の機械強度の試験結果を表1に示す。
【0072】
本表は、ペットボトルリサイクルフレーク70重量%とガラス繊維30重量%とを混練済の原料ペレット(水分含有率0.4重量パーセント。)を無乾燥で図2に示す様なベント式射出成形機でガスの吸引等をなすことなく(オープンベント)成形した場合と、図3に示す様な射出成形機にて各種ガスをその供給用孔を利用して加圧して供給しつつ溶融混合して成形した場合と、更に図3に示す射出成形機で試験に供した材料を予備乾燥したもの(標準材料、水分含有率0.035重量パーセント。)でイナートガス接続部を閉じて(すなわち、イナートガスの供給無しで)成形をした場合の成形品の引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、伸び、IV値(対数粘度、濃度0.5g/100ml、溶媒はフェノール/1.1.2.2.テトラクロルエタン50/50wt%、温度25℃)を比較したものである。なお、ガスの流量は、N2 では0.5リットル/minと0.25リットル/min、他のガスは、いずれも0.25リットル/minであり、供給圧力は、おおよそ2.0kgf/cm2 程度である。また、溶融混練、そして射出成形温度(加熱筒の温度)は275℃、スクリューの回転数は120rpmであった。更に、試験温度は、23℃である。
【0073】
【表1】
本表1にて、標準材料(予備乾燥)での成形品と各種ガスを供給しての成形品との機械的性質を中心としての物性比較を示す。予備乾燥した材料と(予備乾燥無しで)各種ガスを供給した材料とでは、製品の引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率はもとより対数粘度についても殆ど差は無く(誤差の範囲内であり)、本発明の効果を示している。
【0074】
なお、これらに比較してオープンベント(無乾燥)では、成形品の引張強さ、曲げ強さは大きく低下し、対数粘度も低下している。なおまた、曲げ弾性率が大きくなっているが、これは水分の悪影響(悪作用)のため分子量が低下し、結晶化が進んだことによる。
【0075】
更に、製品の実用の面から重要な役を担うことが多い外観も優れていた。特に、N2 を使用した場合がそうであった。
【0076】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、押出機に応用したものである。
【0077】
既述のごとく、回転するスクリューのプロセスの進展に伴っての上流側への移動等こそないものの、原料プラスチック等の溶融、混練に伴い発生した水分や分解ガスが原料プラスチックに悪影響を及ぼすため、これらを迅速に排出する必要があるという点では押出機も同じである。このため、本実施の形態では、先の実施の形態と同様に加熱筒に小さな孔を開け、この孔より内部へ圧によりガスを供給し、発生したガスを連れ出すものである。
【0078】
図5に、本実施の形態の押出機を示す。本図の(1)に、この押出機の全体構成を示し、(2)にスクリューの外形を示す。
【0079】
本図の(1)において、301は原料の固体ペレットが下流側(内部)へ輸送される供給ゾーンであり、302が圧縮ゾーンであり、303が計量ゾーンである。そして、原料ペレット等は、大凡供給ゾーンの最下流にて溶融しだす。本図の(2)はこのスクリューを示す。(2)において、301は供給ゾーンに該当し、302は圧縮ゾーンに該当し、303は計量ゾーンに該当する。
【0080】
さて、イナートガスの供給であるが、本図に示すように大凡圧縮ゾーンの下流側端部より上流側寄りで供給ゾーンの下流側端部より下流側寄りの位置より行った。なお、供給するガスの種類、流量、圧力等は原料等により多少の相違もありうるが、先の第1の実施の形態と同様である。
【0081】
これにより、先の第1の実施の形態と同じく良好な製品が得られた。
【0082】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、スクリュープリプラ式射出装置に応用したものである。
【0083】
図6に、この装置を示す。本図において、10はホッパーであり、2は可塑化用加熱シリンダーであり、3はその内部の回転するスクリューであり、これらは各々先の第1の実施の形態のホッパー、加熱筒、スクリューの役を担う。ただし、スクリューは後退しない等多少の相違はある。40は逆流防止弁である。61は射出用加熱シリンダーであり、62は射出プランジャーであり、63は射出ピストンであり、64は射出用油圧シリンダーである。
【0084】
本実施の形態では、図6に示すように、可塑化用加熱シリンダーの中央部の下流側より不活性ガスを供給する様にしている。
【0085】
これにより、先の2つの実施の形態と同じく良好な製品が得られた。
【0086】
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。
【0087】
図7に、この射出成形装置の要部を示す。この射出成形装置の加熱筒は外部側の筒25と内部側の筒(スリーブ)26よりなり、更に(イナート)ガス供給用の接続孔211は外部側の筒に設けられ、原料の在る加熱筒内部へのガスの圧送口(圧力による放出孔、ガス出口)213は内部側の筒に設けられ、接続孔と圧送口を結ぶガスの通路212が外部側の筒と内部側の筒との境界面に、内部側の筒の外部側表面に真直ぐな溝を削ることにより、形成されている。かかる構造とすることにより、加熱筒のガス供給部の設計の自由度、配置の自由度が増す。特に、加熱筒内部側へのガスの圧送口を軸方向に複数形成したり、軸方向位置は同じで周囲の加熱筒壁面内周部に複数形成する際、この効果が増す。
【0088】
なお、かかる構造の加熱筒は、他の実施の形態の可塑化装置に採用しても良いのは勿論である。
【0089】
(第5の実施の形態)
本実施の形態は、先の第1の実施の形態に似るも、スクリュー軸内の細孔から加熱筒内にガスを放出するのが相違する。すなわち、スクリューの加熱筒外、駆動部との接続部に回転継ぎ手を間在して設け、この回転継ぎ手を利用してスクリュー軸内に設けられたガス導通孔へガスを供給し、供給されたガスがスクリュー軸に設けられたガス放出用孔から加熱筒内の樹脂の溶融するゾーンに放出されるものである。ただし、加熱筒の内径(D)等の要目、樹脂の可塑化のための装置の使用方法あるいは基本的な運転方法、イナートガスの供給装置や供給するイナートガスの圧力や流量、その他ホッパー部の結露を防止するための装備や設定温度等は、第1の実施の形態のものと何ら相違はない。このため、以下相違している部分を中心に説明する。
【0090】
図8に、本実施の形態の射出成形機の要部の構成を示す。
【0091】
本図において、7は加熱筒2の上流側かつ回転駆動部(図示せず)より下流側に位置する部分のスクリュー3軸の途中に設けられた回転継ぎ手であり、711はそのガス導入用接続部であり、712はその半径方向ガス導入用孔であり、713は栓である。また、311はスクリュー軸の中心そして軸方向に設けられたガス導通用孔(ガス通路)であり、312は加熱筒内へ加圧ガスを放出するための出口孔であり、313は製造の都合で生じた不必要な開孔の栓である。また、9は図示しない押出し部と回転駆動部やスクリューとを固定する枠の一部である。
【0092】
なお、ガス導通用の孔の直径は、機械工作とスクリュー軸系(大凡36mm)を考慮して6mmとしているが、圧損は特に問題はない。また、回転継ぎ手はフライトのあるスクリュー本体とその回転駆動部間に挟み込むため、特に本装置用にわざわざ設計したものである。ただし、これらの事項は、言わば周知技術である。このため、それらの説明は省略する。
【0093】
図9に、この射出成形装置の射出部の構成と機能面の特徴を示す。本図の(A)は、スクリューが加熱筒内最下流側(図上左)へ移動した状態を示し、溶融した原料を射出した直後の位置にある。本図の(B)は、加熱筒の押出し部に1ショット分の溶融した原料樹脂が溜まった状態の位置にあり、このためスクリューは(A)に示す位置からLだけ上流側(右方)へ移動している。なお、本図において91は射出用油圧シリンダーであり、92はスクリューを回転駆動させる油圧モータである。
【0094】
ところで、この射出成形装置では、上述の如く加熱筒の筒壁に開設した孔からでなくスクリュー軸内に設けたガス通路を介してイナートガスを放出するため、加熱筒内の最下流側に在る押出し部(計量ゾーン)に原料樹脂が溜まるに連れてスクリューが上流側に移動しても、溶融した樹脂や水分の発生位置等との関係で、常に最適な位置からガスを放出することが可能になり、このためガスの圧力や流量の細かい調整も必要がなくなる。
【0095】
次に、第1の実施の形態で説明したことと重複する面もあるが、重要なのでこの窒素ガスの作用について説明する。
【0096】
スクリュー軸内のガス通路を通過する際に加熱されたガスが、ガス出口孔から圧力にて加熱筒内に放出され、更に加熱筒内のほぼ溶融したあるいは溶融しかけた原材料ペレット、粉末間、あるいはこれに加えて加熱されたガラス繊維等の充填材間をこれらとは逆の方向へ流れていく。この際、発生した水蒸気、揮発性ガス、分解ガスその他原料中に混在していた空気等も発生しだい持ち去って行く。このため、加熱筒の内部の原材料ペレット、粉末の周囲空間には事実上、溶融した原料に悪影響、悪作用をなす水分や分解ガス等が存在しなくなり、原料の樹脂の加水分解、その分子の破断による分子量の低下、そして粘性の低下、これらによる機械的強度の低下がなくなる。
【0097】
このため、本実施の形態の射出成形機においても、第1の実施の形態の射出成形機と同様に優れた射出成形品が得られ、射出成形機や金型の掃除、点検の必要性も少なくなり、併せて原料の予備乾燥に伴う手間、管理の負担も少なくなった。
【0098】
最後に、この射出成形機は加熱筒内のスクリューに細孔があるため、その目詰まり防止のための運転手順について説明する。
【0099】
先ず、起動時であるが、加熱筒の電気ヒータのスイッチをオンにして加熱筒やその内部を昇温させる。次いで、ガスを供給し、併せてその流量(例えば1リットル/分)を確認するが、この際最初に加熱筒内のガス放出口部に在り得る前回の射出成形時の残留樹脂(勿論、無いこともある。また、ガラス繊維等厳密には樹脂以外の物質もありうる。)を、好ましくは5気圧等多少高めの圧力、2〜3リットル/min等多少多めの流量のガスを数秒流して、吹き飛ばす様にする。次いで、ホッパーから原料を供給し、成形運転に入る。
【0100】
次に、運転終了時であるが、最初に原料の供給を停止し、パージ材(例えば、PP)を供給し、更にその排出を完了する。この基で供給ガスの流量を確認するが、この際もガス放出口部に樹脂が固まって残ったりしない様、運転開始時と同様の圧力、流量等で必ずガスブローを行なう。最後に、加熱筒の電気ヒータの電源をOFFにする。
【0101】
なお、これらガスブローのため、図8等では示していないが、ガスブロー専用の配管等を別途装備しているのは勿論である。
【0102】
(試験結果)
本実施の形態の可塑化装置を使用して製造したガラス繊維強化型の樹脂の機械強度の試験結果を表2に示す。
【0103】
本表は、ペットボトルリサイクルフレーク70重量%とガラス繊維30重量%とを混練済の原料ペレット(水分含有率0.4重量パーセント。)を無乾燥で図2に示す様なベント式射出成形機でガスの吸引等なすことなく(オープンベント)成形した場合と、図8に示す様な射出成形機にて各種ガスをその供給用孔を利用して加圧して供給しつつ溶融混合して成形した場合と、更に図8に示す射出成形機で試験に供した材料を予備乾燥したもの(標準材料、水分含有率0.035重量パーセント。)でイナートガス接続部を閉(イナートガスの供給無し)として成形したものの成形品の引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、伸び、IV値(対数粘度、濃度0.5g/100ml、溶媒はフェノール/1.1.2.2.テトラクロルエタン50/50wt%、温度25℃)を比較したものである。なお、ガスの流量は、N2 では0.5リットル/minと0.25リットル/min、他のガスは、いずれも0.25リットル/minであり、供給圧力は、おおよそ2.0kgf/cm2 程度である。また、溶融混練、そして射出成形温度(加熱筒の温度)は、275℃、スクリューの回転数は120rpmであった。更に、試験温度は、23℃である。
【0104】
【表2】
本表に示す様、予備乾燥した標準材料を使用したものと予備乾燥に替えて各種のイナートガスを溶融混練時に供給したものとでは、成形品の引張り強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率更には対数粘度も殆ど差がない。これは、本発明の効果を示す。
【0105】
更に、外観も優れていた。特に、N2 を使用した場合がそうであった。
【0106】
なお、これらに比較して、オープンベント(未乾燥品)での成形品では引張り強さ、曲げ強さが低下し、対数粘度も低くなっている。なおまた、曲げ弾性率が上昇しているのは、水分の悪作用のため分子量が低下し、結晶化が進んだことによる。
【0107】
なお、第1の実施の形態の物(表1)と比較した場合、伸びは心持ち劣るものの、その他の性質は優れている。なおこの理由であるが、放出されるガスが既に昇温しているため、それだけ水分等を含みやすく、このため水分等の除去能力が優れるからと思われる。
【0108】
(第6の実施の形態)
本実施の形態は、先の第5の実施の形態において、スクリューのガス放出用の孔を軸方向に2か所の位置で、そして各位置で半径方向に逆の位置に2つ、すなわち合計4つのガス出口孔を設けたものである。
【0109】
そしてこれにより、スクリューの移動や回転、樹脂の溶融や移動、その他原料の如何等により生じうる水分等の発生する軸方向位置の多少の(30cm程度以下)不均一に対して、少量のガスを流すだけでも十分に対処可能になる。
【0110】
図10に、本実施の形態の押出機を示す。本図において、3121〜3124は図8の符号3で示すスクリューの半径方向に設けられた合計4つのガス放出用の通路孔である。
【0111】
なお、図10では半径方向のガス放出用孔の直径は軸方向の位置に無関係であるが、これは例えば原料やガスの通過断面積の狭くなるスクリューの先端側(下流側)は小さい径としていても良いのは勿論である。これにより、溶融した原料から少量発生する水分や分解ガスを無理なく取り去ることができる。
【0112】
また、スクリューの開発時には、幾つかの軸方向位置に半径方向のガス放出用の孔を設けておき、使用しない孔には栓をして原料を溶融混練し、原料の種類や処理量に応じての最適な位置を見出すようにしても良い。従って、実用化されたスクリューの使用時にはかかる軸方向位置にのみ半径方向のガス放出用の孔が設けられていたり、不必要な孔には栓がされていたりもしうる。
【0113】
また、半径方向のガス放出用孔は2つ組(ペア)、いわゆるT型であるが、これは1方向のみ、いわゆるL型であっても良いのは勿論である。
【0114】
(第7の実施の形態)
本実施の形態は、先の第2の実施の形態と同じく押出機に応用したものであるが、第5の実施の形態と同じくスクリュー側からガスを供給するのが異なる。
【0115】
図11に、本実施の形態の押出機を示す。本図にて、2は可塑化用加熱シリンダーであり、3はその内部の回転するスクリューであり、その内部にはガス導通用の軸方向細孔311、ガス放出用の細孔(出口孔)312を設けている。7は、回転継ぎ手であるが、スクリューの端部に取付けるため、市販のものを使用した。また、93は軸受けであり、94は伝導プーリであり、95は回転駆動用モータである。
【0116】
本図にて判る様に、この押出機でのイナートガスの供給は、スクリューの駆動部側(図の左側)端部に取付けた回転継ぎ手を利用してスクリュー軸中心部に設けたガス導入用孔へガスを供給する様になっている。更に、この供給されたガスは、大凡圧縮ゾーンの下流側端部より上流側寄りで供給ゾーンの下流側端部より下流側寄りに位置する部分に設けられたガス放出用孔より、加熱筒内に放出される。なお、供給するガスの種類、流量、圧力等は原料等により多少の相違もありうるが、他の実施の形態と同様である。
【0117】
これにより、他の実施の形態と同じく良好な製品が得られた。
【0118】
なお、本実施の形態でも、スクリューのガス放出用孔は複数設けられていても良いのは勿論である。
【0119】
(第8の実施の形態)
本実施の形態は、先の第3の実施の形態と同じくスクリュープリプラ式射出装置に応用したものであるが、第5〜第7の実施の形態と同じくスクリュー側からガスを供給するのが異なる。。
【0120】
図12に、この装置を示す。本図において、2は可塑化用加熱シリンダーであり、3はその内部の回転するスクリューであり、311はその内部の軸方向のガス導通用の細孔であり、312はガスの放出用出口孔である。7は、回転継ぎ手である。
【0121】
本実施の形態でも、スクリュー軸の端部に接続して設けた回転継ぎ手を利用してスクリュー軸内にガスを供給し、更にこの供給されたガスは可塑化用加熱シリンダーの中央部の下流側辺りの原料樹脂の溶融している位置にてスクリュー軸のガス放出用の出口孔から可塑化用加熱シリンダー内へ放出される。
【0122】
これにより、他の実施の形態と同じく良好な製品が得られた。
【0123】
以上、本発明をその幾つかの実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は何もこれらに限定されないのは勿論である。すなわち、例えば以下の様にしていても良い。
【0124】
1)可塑化時の装置の温度、回転数等は他の値としている。
【0125】
2)原料の種類も他のエンプラ、熱可塑性のエラストマーとしている。
【0126】
3)使用する原料の形態あるいは状態は、各種素原料を混練済みの射出成形用の原料ペレットに限定されるものでなく、樹脂とガラス繊維等の各種素原料のブレンドそのもの(未乾燥品、いわゆるドライブレンド)としている。このため、各種素原料が所定量づつあるいは更に配合されて可塑化装置のホッパーから投入される。
【0127】
4)押出ブロー成形機、更には2軸押出機等、他のタイプの可塑化装置に適用している。ただし、これらの装置そのものは、いわゆる周知技術であるため、わざわざ図示しての説明は省略する。
【0128】
5)ガス供給部は、原料投入に先立っての加熱筒内へのイナートガスの充填等にも使用している。
【0129】
6)第1の実施の形態において、樹脂替え、色替えの際、図2に示すスクリュー中央付近のブリスターリング部の下流側部に溜まっている原料を下流側へ迅速に送り出したり、取り去ったりするための治具をガス供給孔より押入可能な構造としている。
【0130】
7)スクリュー、加熱筒内各ゾーンの占める割合(軸方向長さの比率)は、上記のものと多少相違している。
【0131】
8)第1の実施の形態等において、加熱筒の2ヵ所以上の孔から(同一種類の)イナートガスが供給される様にしている。これにより、各ゾーンの位置の不確定にも対応可能になる。
【0132】
9)加熱筒の加熱用ヒータにてホッパー下部を加熱する、少くも加熱による結露防止の分担をなさせている。
【0133】
【発明の効果】
以上の説明で判る様に、本発明によれば、安価、簡単な構造の装置、簡単な処理や操作により、経費と手間のかかる原料の乾燥工程無しに優れた機械的強度と美観を有する射出成形品を製造することが可能となる。
【0134】
具体的には、各種樹脂やこれにガラス繊維等を配合した射出成形品の製造に際して、原料の溶融混練時に原料中に含有されていた水分による原料の加水分解、発生した反応ガスや揮発ガスによる製品への悪影響がなくなる。
【0135】
また、いわゆるモールドデポジットの発生や付着がなくなり、製品の外観が向上するだけでなく、装置や金型の保守も楽となる。
【0136】
また、原料供給孔から侵入した空気による製品の酸化もなくなる。
【0137】
また、原料樹脂の分子の加水分解や分解による分子量ひいては粘度の低下、これに伴う成形品の機械的性質の低下、透明性の低下、ボイドの発生やその結果としての商品価値の低下も無くなり、製品のリサイクル性も向上する。
【0138】
また、スクリューに設けたガス導通路を介して加熱筒内へガスを供給する方式の射出成形機では、原料樹脂が加熱筒内の最下流側に溜まって行くに連れてスクリューが軸方向上流側に移動する場合でも、ガスを供給する部分の原料樹脂の物理的、化学的状態が一定となるので、供給するイナートガスの圧力や流量の制御が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術の、原料の予備乾燥を必要とする射出成形機の構造図である。
【図2】 従来技術の、発生した水蒸気をベント孔から真空ポンプで吸引するタイプの射出成形機の構造図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態としての射出成形機である。
【図4】 上記実施の形態において、供給された窒素ガスが装置の上流側へ流れて行く様子を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態としての押出機である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態としてのスクリュープリプラ式射出装置である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態の射出成形機の要部の構造を示したである。
【図8】 本発明の第5の実施の形態としての射出成形機の要部を示した図である。
【図9】 上記実施の形態の射出成形機の全体を示した図である。
【図10】 本発明の第6の実施の形態の射出成形機の要部の構造を示したである。
【図11】 本発明の第7の実施の形態としての押出機である。
【図12】 本発明の第8の実施の形態としてのスクリュープリプラ式射出装置である。
【符号の説明】
1 材料フィーダー
10 ホッパー
11 排気ダクト
15 熱電対
16 冷却水系
17 温度調節部
18 水用流量調整弁
2 加熱筒、可塑化用加熱シリンダ
20 排気孔、ベント孔
21 イナートガス接続部
211 外部側加熱筒のガス接続部
212 加熱筒内に形成されたガスの通路
213 内部側加熱筒の、加熱筒内へのガスの放出口
25 外部側加熱筒
26 内部側加熱筒
3 スクリュー
31 フライト
311 スクリュー内に形成されたガスの通路
312 スクリューの加熱筒内へのガスの放出口
313 スクリューのガスの通路の栓
35 逆流防止弁
4 押出部、ノズル部
40 逆止弁
5 窒素ガスボンベ
51 減圧弁
52 ガス用流量調整弁
53 圧力計
61 射出用加熱シリンダー
8 真空ポンプ
81 コンデンサー
1 材料フィーダー
7 回転継ぎ手
711 回転継ぎ手のガス供給用接続部
712 回転継ぎ手のガスの通路(半径方向)
713 回転継ぎ手のガスの通路の栓(反対側)
9 枠
91 射出用シリンダー
92 油圧モータ
93 軸受け
94 伝導プーリ
95 回転駆動用モータ
Claims (13)
- 原料供給部と、加熱筒部と、スクリュー部と溶融樹脂排出部とを有する押出機、押出ブロー成形機、射出成形機等の可塑化装置において、
上記加熱筒部は、樹脂の溶融開始位置より下流側に、加圧されたガスを外部より供給可能なガス供給用孔部を有し、上記原料供給部は、前記ガス供給用孔部より加熱筒内へ供給されたガスを可塑化装置の外部へ排出可能な排気可能型原料供給部であり、更に、前記ガス供給用孔部へ所定の種類、圧力のガスを所定流量で送るガス供給部を有しており、
上記加熱筒部は、さらに外面側加熱筒と内面側加熱筒とを有し、更に前記ガス供給用孔部は、外部から加熱筒内へガスを供給するため、前記外面側加熱筒に形成された外面ガス供給用孔と、加熱筒から加熱筒内へガスを供給するため、前記内面側加熱筒に形成された内面ガス供給用孔と、前記外面ガス供給用孔と内面ガス供給用孔を接続するため、前記外面側加熱筒と内面側加熱筒の境界部に設けられたガス導通孔とを有してなることを特徴とする熱可塑性樹脂の可塑化装置。 - 前記ガス供給部は、窒素若しくはアルゴン等の不活性ガスあるいは炭酸ガス等の乾燥性ガスを供給するものであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。
- 上記加熱筒部は、可塑化する原材料の如何等に応じて最適なガスの供給位置を選択しうるべく、複数のガス供給用孔部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。
- 上記原料供給部は、上記加熱筒内への原料の供給口の役を担い、併せて上記ガス供給用孔部から供給されたガスの加熱筒外への排出口の役を担うため、加熱筒に接続されたホッパーと、上記排出されるガスに含まれている水分が前記原料供給部に結露するのを防止するホッパー加熱手段とを有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。
- 原料供給部と、加熱筒部と、スクリュー部と溶融樹脂排出部とを有する押出機、押出ブロー成形機、射出成形機等を使用する熱可塑性樹脂の可塑化方法において、
上記加熱筒部として、樹脂の溶融開始位置より下流側に、加圧されたガスを外部より供給可能なガス供給用孔部を有し、さらに、外面側加熱筒と内面側加熱筒とを有し、更に前記ガス供給用孔部は、外部から加熱筒内へガスを供給するため、前記外面側加熱筒に形成された外面ガス供給用孔と、加熱筒から加熱筒内へガスを供給するため、前記内面側加熱筒に形成された内面ガス供給用孔と、前記外面ガス供給用孔と内面ガス供給用孔を接続するため、前記外面側加熱筒と内面側加熱筒の境界部に設けられたガス導通孔とを有してなるものを使用し、
上記加熱筒部の原料の溶融開始位置より下流側位置から加熱筒内へ所定の種類、圧力のガスを所定流量供給し、加熱筒内を熱可塑性樹脂の流れと逆の方向へ流して原料供給部側より排出する逆流ガス供給排出ステップを有していることを特徴とする熱可塑性樹脂の可塑化方法。 - 前記逆流ガス供給排出ステップは、窒素若しくはアルゴン等の不活性ガスあるいは炭酸ガス等の乾燥性ガスを供給するステップである事を特徴とする請求項5に記載の可塑化方法。
- 原料供給部と、加熱筒部と、スクリュー部と溶融樹脂排出部とを有する押出機、押出ブロー成形機、射出成形機等の可塑化装置において、
上記加熱筒部は、樹脂の溶融開始位置より下流側に、加圧されたガスを外部より供給可能な第1のガス供給用孔部を有し、さらに、外面側加熱筒と内面側加熱筒とを有し、更に前記第1のガス供給用孔部は、外部から加熱筒内へガスを供給するため、前記外面側加熱筒に形成された外面ガス供給用孔と、加熱筒から加熱筒内へガスを供給するため、前記内面側加熱筒に形成された内面ガス供給用孔と、前記外面ガス供給用孔と内面ガス供給用孔を接続するため、前記外面側加熱筒と内面側加熱筒の境界部に設けられたガス導通孔とを有してなり、
上記スクリュー部は、上記加熱筒部外となる位置に設けられた第2のガス供給用孔部と、
前記第2のガス供給用孔部より供給されたガスを、加熱筒内の樹脂の溶融開始位置より下流側となる位置まで導くガス導通用軸方向細孔と、
上記ガス導通用軸方向細孔にて導かれたガスを、加熱筒内の樹脂の溶融開始位置より下流側にて、加熱筒内に放出するガス放出用出口を有し、
上記原料供給部は、上記加熱筒内へ放出されたガスを可塑化装置の外部へ排出可能な排気可能型原料供給部であり、更に、上記スクリュー部の回転にもかかわらず、外部より前記第2のガス供給用孔部へ所定の種類、圧力のガスを所定流量で供給する回転対応型ガス供給部を有していることを特徴とする熱可塑性樹脂の可塑化装置。 - 前記回転対応型ガス供給部は、窒素若しくはアルゴン等の不活性ガスあるいは炭酸ガス等の乾燥性ガスを供給するものであることを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。
- 上記原料供給部は、
上記加熱筒内への原料の供給口の役を担い、併せて上記ガス供給用孔部から供給されたガスの加熱筒外への排出口の役を担うため、加熱筒に接続されたホッパーと、
上記排出されるガスに含まれている水分が前記原料供給部に結露するのを防止するホッパー加熱手段とを有していることを特徴とする請求項7又は8に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。 - 上記可塑化装置は、
射出成形のため上記スクリュー部で射出するためのアクチュエータ部を有する射出成形機であり、
上記回転対応型ガス供給部は、
上記スクリュー部の回転のみならず軸方向への移動にもかかわらず、外部より前記ガス供給用孔部へ所定の種類、圧力のガスを所定流量で送ることが可能な軸方向移動対応型のガス供給部であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂の射出成形機。 - 原料供給部と、加熱筒部と、該加熱筒部外の位置から供給されたガスを加熱筒部内の樹脂の溶融開始位置より下流側となる位置まで導き更に当該位置にてガスを加熱筒部内へ放出することが可能なガス導通用細孔の有るスクリュー部と溶融樹脂排出部とを有する可塑化装置若しくは上記各部に併せて更に射出成形のためスクリュー部で射出するためのアクチュエータ部をも有する射出成形機を使用しての熱可塑性樹脂の可塑化方法において、
上記加熱筒部として、樹脂の溶融開始位置より下流側に、加圧されたガスを外部より供給可能なガス供給用孔部を有し、さらに、外面側加熱筒と内面側加熱筒とを有し、更に前記ガス供給用孔部は、外部から加熱筒内へガスを供給するため、前記外面側加熱筒に形成された外面ガス供給用孔と、加熱筒から加熱筒内へガスを供給するため、前記内面側加熱筒に形成された内面ガス供給用孔と、前記外面ガス供給用孔と内面ガス供給用孔を接続するため、前記外面側加熱筒と内面側加熱筒の境界部に設けられたガス導通孔とを有してなるものを使用し、
上記スクリュー部の加熱筒部外に位置するガス供給用孔部からスクリューの回転等にもかかわらず所定の種類、圧力のガスを所定流量供給し、原料の溶融開始位置より下流側位置から加熱筒内へ該ガスを放出し、更にこの放出したガスを加熱筒内を熱可塑性樹脂と逆の方向へ流して原料供給部側より排出する逆流ガス供給排出ステップを有していることを特徴とする熱可塑性樹脂の可塑化方法。 - 前記逆流ガス供給排出ステップは、窒素若しくはアルゴン等の不活性ガスあるいは炭酸ガス等の乾燥性ガスを供給するステップである事を特徴とする請求項11に記載の熱可塑性樹脂の可塑化方法。
- 前記逆流ガス供給排出ステップによるガスの供給に先立って、上記スクリュー部のガス導通用細孔のガス放出用の出口部に在りうる樹脂を所定圧のガスを供給して吹き飛ばす前処理樹脂ブローステップと、前記逆流ガス供給排出ステップによるガスの供給の終了後に、上記スクリュー部のガス導通用細孔のガス放出用の出口部に在りうる樹脂を吹き飛ばす後処理樹脂ブローステップの少くも1を有している事を特徴とする請求項11又は12に記載の熱可塑性樹脂の可塑化方法。
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