JP4702866B2 - 屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物に関し、詳しくは揮発性、ブリードアウト性等のない、耐候性が付与された特定のポリマー成分を配合してなる、耐光性、耐候性に優れた屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
農業、園芸、漁業、建物内外用建材、家庭用品その他に使用されるポリオレフィン系樹脂組成物の各種成形体は直接、間接に日光を浴び、又物によっては風雨に曝される場合もあり、耐光性、耐候性の付与は重要である。
特に屋外で使用される成形体、なかでも最近盛んに使用されるようになった、いわゆるビニルハウス栽培、マルチ栽培等に使用される農業用フィルムや鋼板、鋼管用の保護フィルム等、屋外で使用される成形体を構成するポリオレフィン系樹脂組成物には耐光性、耐候性が必要である。
各種ポリマーの耐光性、耐候性の向上に従来使用されている2,2,6,6−テトラメチルピペリジン系の化合物(ヒンダードアミン化合物)は、ポリマー中に発生したラジカルの捕捉機能に優れ、各種ポリマーに対して優れた耐候性を付与することが知られている。しかし、該化合物のうち低分子のものは揮散性が高いために、各種ポリマーに添加しても該ポリマー中での滞留性が充分ではなく、添加の効果の持続性に問題点があった。また、上記ヒンダードアミン化合物のうち、オリゴマータイプのものは添加されたポリマー中での滞留性は充分ではあるが、主成分のポリマーに添加、混合時に該ポリマー中での分散性が悪く、均一で充分な耐候性を得ることができないという問題があった。特にフィルム用途ではこの欠点が顕著に現れる傾向があった。
【0003】
上記問題点に対し、特開昭54−21489号、特開昭57−180616号、特許第2695971号等の各公報には、ポリマーの側鎖に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン基を導入したポリマーが報告されているが、これらのポリマーは、共重合反応やエステル交換反応を用いて得られるものであり、該ポリマー組成の制御性や工程増加等の製造プロセス上の煩雑な問題を有している。
【0004】
また、特開平11−246623号公報には、末端をヒンダードアミン基で修飾したポリプロピレン及びエチレンプロピレンランダム共重合体が報告されているが、具体的には該ポリマーは立体規則性が悪く、又アタクチックポリプロピレンを多く含有しており、結晶性又は立体規則性の比較的高い汎用ポリオレフィン系樹脂に対しての相溶性が悪く、また該ポリマー自身の耐候性、耐熱性が悪いため、耐光性付与効果も劣るので、特に屋外使用フィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物に対する耐候性付与剤としては使用に適するものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、直接、間接的に日光を浴びたり、風雨に曝される屋外使用フィルムを製造するためのポリオレフィン系樹脂組成物の一成分として使用できるポリマーであって、結晶性又は立体規則性の比較的高いポリオレフィン系樹脂との相溶性がよく、特に屋外使用フィルム内での滞留性が充分であり、耐候性の持続性にも優れ、製造も煩雑ではないポリマーを含有するポリオレフィン系樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するために検討を重ねた結果、末端が特定のピペリジン基を含む基で修飾されたエチレンポリマーを耐候性付与剤として使用したポリオレフィン系樹脂組成物が好適であるとの知見を得、本発明を完成した。本発明の要旨は以下の通りである。
第1の発明は、ポリオレフィン系樹脂及び末端が一般式(I)で表される基で修飾されたエチレンポリマーを含有してなる屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【化3】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシル基を表す。)
また本発明の第2は、ポリオレフィン系樹脂及びエチレンポリマーから一般式(II)で表される基を除いた残部の合計100質量部に対して、一般式(II)で表される基の含有量が0.001〜5質量部である本発明の第1の屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【化4】
(式中、R1は、一般式(I)と同じである。)
また本発明の第3は、ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、プロピレン/α−オレフィン共重合体及びエチレン/酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一である本発明の第1又は2の屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る樹脂組成物の主成分のポリオレフィン系樹脂は、特に制限されずに周知一般のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。これはα−オレフィン系モノマーの単独重合体又は異種のα−オレフィン系モノマーを含む共重合体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、プロピレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれることがコストも低く、入手が容易なので好ましい。中でも、ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体から選ばれることが、相溶性の点から特に好ましい。
【0008】
本発明に係る、末端が一般式(I)で表される基で修飾されたエチレンポリマーは、前記ポリオレフィン系樹脂が直接的又は間接的に日光、風雨等に曝されて、該ポリオレフィン系樹脂にヒドロペルオキシドが発生した場合に、触媒的ラジカル捕捉機能を有する基であると考えられる当該基を末端に有するポリマーであり、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするポリオレフィン系樹脂と共に使用された組成物を使用した、特に屋外使用に供され、又厚みの薄いフィルム等の耐光性、耐候性付与剤として特に有用な機能を有する。
【0009】
該ラジカル捕捉機能を有する基はエチレンポリマーに化学的に結合しているものであるから、揮散性がなく、その結果、耐候性付与効果の持続性に優れる特徴があり、また、ポリオレフィン系樹脂との相溶性に優れており、又末端にあるラジカル捕捉基がその極性の違いのゆえにポリオレフィン系樹脂の結晶界面や非晶相に局在化するので、ラジカルを効率的に捕捉し、分子切断や架橋反応を効率よく抑制することができる機能を有することが特徴である。
【0010】
本発明に係る一般式(I)及び(II)において、R1で表される炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチルが挙げられ、炭素数1〜8のアルコキシル基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシが挙げられる。
【0011】
本発明に係る末端が一般式(I)で表される基で修飾されたエチレンポリマーは、触媒の存在下でエチレンモノマーの重合反応終了後、得られた末端オレフィンであるエチレンポリマーと、例えば後記一般式(III)で表される化合物を引き続き重合させることにより得られる。この製造方法については、重合触媒、重合プロセスやヒンダードアミンの導入方法によって特に制限されることなく、公知の方法を用いることができる。
【0012】
ここに使用される重合触媒としては、酸素の他、ジ第三ブチルパーオキサイド、第三ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド及びその誘導体類、ジアセチルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、第三ブチルパーオキシイソブチレート、第三ブチルパーオキシピバレート、第三ブチルパーオキシラウレート等のパーオキシエステル類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス第三ブチルパーオキシオクタン、1,1−ビス(第三ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類、第三ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、α,α′−アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物類などのラジカル重合触媒、フィリップス触媒、チグラー−ナッタ触媒、カミンスキー−ジン触媒等の金属化合物系重合触媒が挙げられる。
これらの中でも、金属化合物系重合触媒が生成率が大きいので好ましく、バナジウム化合物とアルミニウム化合物からなるものがより好ましい。
【0013】
上記バナジウム化合物とアルミニウム化合物からなる触媒の一方の構成化合物であるバナジウム化合物としては、トリス(アセチルアセトナト)バナジウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)バナジウム、トリス(ジベンゾイルメタナト)バナジウム、トリス(アセチルベンゾイルメタナト)トリス(ジピバロイルメタナト)バナジウム、トリス(ステアロイルベンゾイルメタナト)バナジウム、トリス(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)バナジウム、トリス(1,3−ブタンジオナト)バナジウム等が挙げられる。
又、他方の構成化合物であるアルミニウム化合物としては、MAO(メチルアルモキサン)、塩化アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムモノハライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イソブチルアルミニウムジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムセスキハライド等が挙げられる。
また、これらのバナジウム化合物とアルミニウム化合物のモル比は、バナジウム原子1に対してアルミニウム原子0.5〜1000となる比が好ましく、1〜500がより好ましい。
【0014】
エチレンポリマーを得る重合プロセスとしては、1000〜4000atmでラジカル重合触媒を用いる高圧法、30〜70atmで金属化合物系重合触媒を用いる中圧法、30atmより低圧で金属化合物系重合触媒を用いる低圧法が挙げられ、所望のポリエチレンの性質により適宜選択される。
【0015】
次に、エチレンポリマー末端を一般式(I)で表される基で修飾する方法、即ち該基を導入する方法としては、アクリル酸、メタクリル酸等の重合性有機酸のハライド、エステル等を先ずエチレンポリマー末端に導入し、その後に該当するヒンダードアミン基を有するアルコールを作用させてエステル化反応またはエステル交換反応をさせてもよいが、下記一般式(III)で表される化合物を直接エチレンポリマー末端に導入してもよい。エチレンポリマーの末端に前記重合性有機酸のハライドや一般式(III)の化合物を導入するには、具体的にはエチレンポリマーの重合の後に続けてこれらのモノマーを反応系内に導入して重合を継続すればよい。その結果、これらのモノマー構造単位が1個または2個以上の連鎖としてエチレンポリマーの末端に化学的に結合したものが得られる。
【0016】
【化5】
(式中、R1は、一般式(I)と同様であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。)
【0017】
上記一般式(III)で表される化合物の具体例としては、以下に示す各種化合物が挙げられる。
【0018】
【化6】
【0019】
本発明に係る末端が一般式(I)で表される基で修飾されたエチレンポリマーの平均分子量については、特に制限されることなく任意の分子量を選択できるが、200より小さいとポリオレフィン系樹脂中での滞留性が悪く、耐候性付与効果の持続性に劣る場合があり、20000を超えると必要な耐候性を得るために添加量が多くなり、特にポリオレフィン系樹脂フィルムのような厚みが薄い成形体の物性に好ましくない影響を及ぼす場合があるので、200〜20000が好ましく、500〜10000がより好ましい。
【0020】
本発明に係る屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物を使用したフィルムの場合、ポリオレフィン系樹脂に対する、一般式(I)で表される基で修飾されたエチレンポリマーの好ましい使用量は、耐候性付与機能を有する一般式(II)で表される基の含有量が、ポリオレフィン系樹脂及び一般式(I)で表される基で修飾されたエチレンポリマーから一般式(II)で表される基を除いた残部の合計100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。0.001質量部未満では、耐光性、耐候性等の添加効果が得られない場合があり、逆に5質量部を超えても該添加効果に見合うが得られないばかりか、特にポリオレフィンフィルム成形体の物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0021】
本発明に係る屋外使用フィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物には、必要に応じて更に他の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、リン系抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、造核剤、ハイドロタルサイト類等を使用することができる。
【0022】
上記の紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜C13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が挙げられるが、特にベンゾエート類が好ましい。
【0023】
上記の紫外線吸収剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.001質量部未満では耐紫外線安定化効果が充分に得られず、逆に10質量部を超えて使用しても添加量に見合う上記安定化効果は得られないばかりでなく、屋外使用フィルム物性に悪影響を及ぼす恐れがあるので、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
【0024】
又、前記のリン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス〔2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)〕・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
【0025】
又、前記のフェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
【0026】
又、上記の硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0027】
これら各種抗酸化剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.001質量部未満では、その抗酸化性能である安定化効果が充分に得られず、10質量%を超えて使用してもその使用に見合う安定化効果は得られないばかりでなく、むしろ屋外使用フィルムの物性に悪影響を及ぼす恐れがあるので、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
【0028】
又、前記の造核剤としては、例えば4−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム等のカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート等の酸性リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、リチウムベンゾエート、ナトリウムベンゾエート、アルミニウムベンゾエート等が挙げられる。
【0029】
更に、前記のハイドロタルサイト類は、天然物でも合成物でもよく、更にリチウム等のアルカリ金属で変性されたものでもよい。特に下記一般式(IV)で示される組成のものが好ましく、結晶水の有無や表面処理の有無に依らず用いることができる。また、粒径はとくに限定されるものではないが、ハイドロタルサイト類の特性を失わない範囲で小さいことが望ましい。粒径が大きいとそれ自体の分散性が低下し安定化効果が小さくなり、さらに、得られる樹脂組成物の機械的強度や透明性などの物性を低下させることになる。
【0030】
Znx Mgy Al2(OH)2(x+y+2) CO3 ・nH2 O (IV)
(式中、xは0〜3、yは1〜6、また、x+yは4〜6の範囲の整数をそれぞれ示す。nは0〜10の範囲の数を示す。)
【0031】
これら造核剤又はハイドロタルサイトの添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.001質量部未満では、造核剤としての効果や安定化効果が充分に得られず、10質量%を超えて使用してもそれに見合う効果が得られないないばかりでなく、むしろフィルムの物性に悪影響を及ぼす恐れがあるので、0.001〜10質量部が好ましく、0.005〜5質量部がより好ましい。
【0032】
本発明の屋外使用フィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物には、必要に応じて、更に、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等から選ばれる帯電防止剤、ハロゲン系化合物、リン系化合物、金属酸化物、フッ化樹脂等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、染料、顔料等の着色剤、重金属不活性剤、金属石けん、加工助剤、充填剤、防曇剤、防霧剤、防滴剤、他のヒンダードアミン化合物等を使用することができる。
【0033】
本発明に係る屋外使用フィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法について、特に制限されることはなく、周知の製造方法を用いることができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂、末端が前記一般式(I)で表される基で修飾されたエチレンポリマー及び必要に応じて添加使用される添加剤をリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、らいかい機、押出機等で混合し、製造する方法が挙げられる。
【0034】
また、本発明に係る屋外使用フィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物を用いた屋外使用フィルムの成形方法については、特に制限されることなく、周知の方法を用いることができ、例えば、Tダイによる押出成形法、インフレーション成形法、カレンダ成形法等が挙げられる。
【0035】
なお、上記屋外使用フィルムは、厚さや具体的用途により特に制限されるものではないが、厚さについては、1mm以下が本発明の効果が顕著になるので好ましく、500μm以下がより好ましい。また、具体的用途としては、例えば、農業用フィルム、鋼板、鋼管、ガラス、樹脂板等の保護フィルムが挙げられる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではない。
【0037】
(製造例1)
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートを、一般式(I)の形でポリマー末端に有するエチレンポリマー(以下、HALS末端ポリエチレンと略称)の合成
アルゴン置換した1.5リットルの反応槽にトルエン400mlを加えた後、該トルエンにエチレンガスを吹き込み、トルエンにエチレンを溶解させるとともに、系内をエチレン置換した。50ミリモルのジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液、1.5ミリモルのトリス(アセチルアセトナト)バナジウムのトルエン溶液を重合触媒溶液として加えた後、25℃〜30℃でトルエン中にエチレンガスを吹き込みながら30分間撹拌した。その後、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートを500ミリモル加え、1時間撹拌した後、500mlのエタノール/塩酸混合液(45ml/5ml)を加え、HALS末端ポリエチレンの重合反応を停止した。
反応液を蒸留水で洗浄した後、トルエンを留去して得た濃縮物をキシレンに溶解させた後に、エタノールを滴下してポリマー析出させて濾取した。濾取した固相について同様に再結晶を5回行い、60℃で減圧乾燥して12.0gの固相を得た。得られた固相について熱アセトンによるソックスレー抽出により不純物ポリマーを除いた。得られた固相について以下の分析を行った。
【0038】
(分析結果)
(1)ポリマーの分子量測定
GPC装置:センシュウ化学(株)製のSSC−7100、カラム:東ソー(株)製のTSK−GEL G3000HHR+G5000HHRを使用し、溶媒として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いた。測定条件は180℃、溶媒流速1.0ml/分の条件で、ポリスチレンの検量線からユニバーサル法によって求めた。
その結果、数平均分子量は15000であった。
(2)ポリマーの構造決定
▲1▼赤外吸収スペクトル:
1750cm-1、1215cm-1に於ける吸収からエステル結合の存在を確認。
▲2▼窒素分析:
窒素の含有量は、カルロエルバ社製EA1108を用い、試料1.5mgを採取し、酸素気流中にて燃焼管で熱分解(約1300℃)し、さらに還元して分離カラムに導入し、検出器にて定量した。
その結果、N質量%=0.18であった。
▲3▼13C−NMRスペクトル:
14.1ppm、22.9ppm、29.7ppm、30.1ppm、32.3ppm、48.2ppm、61.6ppm、184.7ppm
▲4▼DSC分析による融点:136℃
【0039】
(実施例1)
低密度ポリエチレン100質量部に、表1記載の量(質量部)のHALS末端ポリエチレンを加え、らいかい機で混合した。その後、220℃でのT−ダイ押出加工を行い、100μm厚のフィルムを得た。得られたフィルムについて、63℃のキセノンウェザオメーター中で370時間劣化促進試験を行い、IRによる酸化劣化度及びGPCによる架橋度を測定し、この両者の数値でポリエチレン樹脂組成物の耐候性の評価の指標とした。結果を表1に示す。
なお、酸化劣化度は、フィルムの〔log(1715cm-1の赤外線の透過率/1450cm-1の赤外線の透過率)〕/フィルム厚(cm)なる式から得られた数値で表した。この値が大きいほど劣化の度合いが大きいことを表す。また、架橋度は下記式(1)で導かれるxの値で表され、このxの値が大きいほど架橋による劣化の度合いが大きいと評価される。
【0040】
x=1/3(Δn−2Δw) (1)
但し、
Δn=1/Mn−1/Mn0
Δw=1/Mw−1/Mw0
ここに、
x:架橋度(一分子鎖当りの架橋反応数)
Mn:劣化後の数平均分子量
Mn0 :劣化前の数平均分子量
Mw:劣化後の質量平均分子量
Mw0 :劣化前の質量平均分子量
【0041】
(比較例1−1)
HALS末端ポリエチレンを使用しない他は実施例1と同様に実施し、酸化劣化度および架橋度を測定した。測定結果を表1に示した。
【0042】
(比較例1−2,1−3)
HALS末端ポリエチレンに代えて、ヒンダードアミンの1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(比較例1−2)及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(比較例1−3)を使用した他は実施例1と同様に実施し、酸化劣化度および架橋度を測定した。測定結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
(実施例2−1〜2−3)
低密度ポリエチレン100質量部に対して、リン系抗酸化剤のビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.05質量部および紫外線吸収剤のヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート0.05質量部およびHALS末端ポリエチレンを表2に記載のように加え、らいかい機で混合した。その後、220℃でのT−ダイ押し出し加工により50μm厚のフィルムを得た。このフィルムを100リットルの容器中に入れ、硫黄3gをホットプレートにより燻蒸して1時間処理した。
硫黄燻蒸処理したフィルムについて、63℃のキセノンウェザオメーター中480時間後のカルボニルインデックスを測定し、耐候性の評価の指標とした。それらの結果を表2に示す。
なお、カルボニルインデックスは、下記式(2)で表されるものである。
【0045】
カルボニルインデックス=[log(I0 /I)]/d (2)
I0 :劣化試験前の1710cm-1の赤外線の透過率(%)
I:劣化試験後の1710cm-1の赤外線の透過率(%)
d:フィルム厚(cm)
【0046】
(比較例2−1)
HALS末端ポリエチレンを使用しない他は実施例2と同様に実施し、カルボニルインデックスを測定した。測定結果を表2に示した。
【0047】
(比較例2−2)
HALS末端ポリエチレンに代えて、ヒンダードアミンのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを使用した他は実施例2−2と同様に実施し、カルボニルインデックスを測定した。測定結果を表2に示した。
【0048】
(比較例2−3)
HALS末端ポリエチレンに代えて、ヒンダードアミンの3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ)エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン(表2では、HALS−1と略称)を使用した他は実施例2−1と同様に実施し、カルボニルインデックスを測定した。測定結果を表2に示した。
【0049】
(比較例2−4)
HALS末端ポリエチレンに代えて、ヒンダードアミンのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ジ(トリデシル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート(表2では、HALS−2と略称)を使用した他は実施例2−2と同様に実施し、カルボニルインデックスを測定した。測定結果を表2に示した。
【0050】
(比較例2−5)
HALS末端ポリエチレンに代えて、エチレン/1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートランダム共重合体(「HALSランダム共重合体」と略す)を使用した他は実施例2−2と同様に実施し、カルボニルインデックスを測定した。測定結果を表2に示した。
なお、比較例2−5では、ポリエチレン樹脂及びHALSランダム共重合体の樹脂組成物から表1の化学式で表される基を除いた残部の合計100質量部に対する該化学式の基の質量部を示す。
【0051】
【表2】
【0052】
(実施例3)
エチレン/プロピレン共重合体100質量部に対して、フェノール系抗酸化剤のテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.05質量部、リン系抗酸化剤のビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1質量部、ハイドロタルサイト(協和化学(株)製,アルカマイザー4)0.1質量部、紫外線吸収剤のヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート0.05質量部およびHALS末端ポリエチレンを加え、らいかい機で混合した。その後、220℃でのT−ダイ押し出し加工により50μm厚のフィルムを得た。このフィルムについて63℃のキセノンウェザオメーター中960時間の劣化促進試験を行い酸化劣化度を測定し、耐候性の評価の指標とした。その結果を表3に示す。なお、酸化劣化度は、実施例1において用いた式と同じ式から得られた数値で表した。この値が大きいほど劣化の度合いが大きいことを表す。
【0053】
(比較例3−1)
HALS末端ポリエチレンを使用しない他は実施例3と同様に実施し、酸化劣化度を測定した。測定結果を表3に示した。
【0054】
(比較例3−2)
HALS末端ポリエチレンに代えて、ヒンダードアミンのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを使用した他は実施例3と同様に実施し、酸化劣化度を測定した。測定結果を表3に示した。
【0055】
(比較例3−3)
HALS末端ポリエチレンに代えて、比較例2−5で用いたHALSランダム共重合体を使用した他は実施例3と同様に実施し、酸化劣化度を測定した。測定結果を表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、日光、風雨等に曝されても耐光性、耐候性に優れる屋外使用フィルム用のポリオレフィン系樹脂組成物を提供できる。
Claims (2)
- ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、プロピレン/α−オレフィン共重合体及びエチレン/酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一である請求項1記載の屋外使用フィルム製造用ポリオレフィン系樹脂組成物。
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