JP4702408B2 - 火花点火式内燃機関の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は火花点火式内燃機関を製造するための方法に関し、特にシリンダ容積の異なる複数の内燃機関に共通する燃焼室の設計に係る。
従来より火花点火式内燃機関においては、点火プラグの点火点から周囲に広がる火炎の伝播を阻害しないよう、燃焼室の形状に種々の工夫がなされており、例えば特許文献1には、燃焼室の床部となるピストンの頂部において前記点火プラグに対応する位置に球面状のキャビティ(凹部)を形成することが開示されている。
また、シリンダの幾何学的な圧縮比・膨張比を高く設定すれば、熱効率が高くなって、燃費の低減が図れることも従来より知られているが、単に幾何学的圧縮比を高く設定しただけでは燃費を低減できない場合があり、ノッキングが発生し易くなることもある。
特開2007−154827号公報
そうした不具合を引き起こす原因の1つは火炎伝播性にあると考えられる。すなわち、排気量が同じであれば幾何学的圧縮比を高く設定するほど、上死点近傍での燃焼室容積は小さくなるので、火炎面がピストンの頂面等、燃焼室内面に早期に干渉するようになり、冷却損失によって熱効率が低下するとともに、燃焼期間の増大によって自着火のような異常燃焼が発生しやすくなるからである。
この点、特許文献1に開示されるようにピストンの頂部にキャビティを形成すれば、このピストンとの火炎の干渉は遅らせることができるものの、そのキャビティの容積分は燃焼室が大きくなってしまうから、高圧縮比の実現には不利になる。
斯かる点に鑑みて本発明の目的は、シリンダの幾何学的圧縮比を13以上としながら、燃焼室の火炎伝播性を高めて、機関効率を向上し燃費を低減することにあり、そのような効果がシリンダ容積の異なる複数仕様の内燃機関において同様に得られるようにすることにある。
前記の目的を達成するために本発明では、ピストンの頂部に形成する凹部の位置、形状及び容積を最適化することによって、火炎との干渉をできるだけ遅らせながら、凹部の形成に伴う燃焼室容積の増大を抑えるようにしたものであり、そのような凹部の最適化手法がシリンダ容積の異なる複数の内燃機関に共通のものとなる。
具体的に請求項1の発明は、シリンダの単室容積が0.3リットル以上でその幾何学的な圧縮比が13.0以上の火花点火式内燃機関を製造するための方法であって、その内燃機関には、シリンダ内の燃焼室の天井部に臨んで点火プラグが配設される一方、燃焼室の床部となるピストンの頂部には前記点火プラグに対応して凹部が形成されており、この凹部の内面の少なくとも一部は、前記シリンダ内でピストンが上死点にあるときに前記点火プラグの点火点を中心とする球面状をなすものとする。
そして、そのような火花点火式内燃機関であって、シリンダの単室容積が異なる複数の仕様について、シリンダ内でピストンが上死点にあるときの燃焼室容積をV1とし、前記点火プラグの点火点を中心とする仮想球体について、その半径を、前記シリンダ内でピストンが上死点にあるときに、前記仮想球体が前記凹部の球面状内面に接するように設定した場合において、当該ピストンが上死点にあるときに燃焼室の床部及び天井部のいずれにも干渉しない、当該仮想球体の非干渉部分の容積をV21として、V21/V1の値が前記複数仕様の内燃機関に共通の所定範囲に含まれるように、前記凹部の形状及び容積を設定し、前記燃焼室容積V1と前記仮想球体の非干渉部分の容積V2との比率に係る、前記所定範囲の上限値を0.37とし、前記点火プラグの点火点を中心とする仮想球体について、その半径を、前記ピストンが上死点にあるときに前記燃焼室を画定する燃焼室内壁と干渉しない、該仮想球体の非干渉部分の容積V22が、V22=0.15×V1となるように設定した場合において、当該仮想球体が前記燃焼室内壁と干渉する干渉面の面積をS(単位:mm )とし、V22の単位をmm として、S/V22≦0.12mm −1 となるように前記燃焼室を形成する
すなわち、火花点火式内燃機関の製造のためにその燃焼室等の設計を行う際に、まず、点火プラグの点火点から周囲に広がる火炎を模して、その点火点を中心とする球体を想定する。そして、ピストンの頂部には、それが上死点にあるときに前記仮想の球体が概略的に接するように、少なくとも一部が球面状の凹部を形成することによって、その仮想球体により模擬される火炎との干渉を遅らせるようにする。
そうして形成する凹部の容積が大きいほど火炎との干渉は遅くなる一方で、燃焼室の容積は増大するから、高圧縮比の実現には不利になるが、本発明者は、前記のように概略的に球状をなす凹部の容積と、これを含めた燃焼室の総容積との比率(以下、凹部/燃焼室容積比ともいう)には適切な範囲があり、そうなるように凹部の容積を設定すれば、高い圧縮比を実現しながら火炎面との干渉を十分に遅らせることができることを見出した。
より具体的に、本発明者が前記凹部の容積を種々、変更しながら、同一の運転条件における燃焼速度や燃費率の変化について鋭意、研究したところ、この燃焼速度と燃費率との間には図6(a)のグラフに示すように確かな相関のあることが分かった。このグラフによればクランク角で52〜55°の範囲に所謂変曲点があり、それよりも燃焼期間が短くなれば燃費率を効果的に低減できると言える。
一方で、同図のグラフからは、クランク角で50〜52°よりも更に燃焼期間が短くなっても、これに伴う燃費率の低下幅は急速に小さくなってしまうことが分かる。そして、燃焼期間を短縮するために凹部の容積を大きくすると高圧縮比の実現には不利になることを考慮すれば、図のグラフから燃焼期間はクランク角で50°くらいまでとするのがよいと言える。
次に、燃焼期間と前記凹部/燃焼室容積比との関係を調べると、両者の間には同図(b)のグラフ(当該グラフでは、V21を「V2」と記載)のような関係があり、燃焼期間をクランク角で50〜55°の範囲に収めるためには、凹部燃焼室容積比を0.31〜0.37に設定すればよいことが分かった。ここで、凹部については、要するに火炎との干渉を遅らせることが重要なので、前記のように火炎を模擬する仮想球体のうち、上死点にあるピストンを含めた燃焼室の床部及び天井部のいずれにも干渉しない非干渉部分の容積V21を便宜上、凹部の容積とみなしている。
以上より、シリンダの幾何学的圧縮比が13以上になるようにその燃焼室の総容積を設定しながら、凹部/燃焼室容積比V21/V1の値が所定範囲(上限値が0.37であり、下限値が、一例として0.31である範囲)に含まれるように、前記凹部の形状及び容積を設定すれば、燃焼室における火炎面の伝播性を十分に高めて燃焼期間を短縮し、火花点火式内燃機関の燃費を低減することができる。
そして、仮想球体の半径を、ピストンが上死点にあるときに燃焼室を画定する燃焼室内壁と干渉しない、該仮想球体の非干渉部分の容積V22が、V22=0.15×V1となるように設定した場合においては、図5(b)のグラフ(当該グラフでは、V22を「V2」と記載)から分かるように、S/V22の値が0.12mm −1 のあたりから、この値が小さくなるに連れて燃費改善率が急上昇することが分かった。これより、仮想球体の半径をV22=0.15×V1となるように設定した場合に、S/V22≦0.12mm −1 となるように燃焼室の形状を設計することで、燃費低減が図れる。
しかも、そのような効果は、仕様の異なる複数の内燃機関において同様に得られるから、いずれか一つの仕様における開発の成果を排気量の異なる別仕様の内燃機関に写し込むことが可能であり、少ない開発投資で排気量の異なる複数仕様の内燃機関を製造することができる。
ここで、前記の所定範囲の下限値である0.31は一例であって、見方を変えれば、前記凹部/燃焼室容積比の値を或る範囲内(その上限値は0.37)に収めることによって、仕様の異なる内燃機関における燃焼の状態を揃えることができ、いずれか一つの仕様の内燃機関における開発の成果を別仕様の内燃機関に写し込むことが可能である、とも言える。よって、少ない開発投資で排気量等の異なる複数仕様の内燃機関を製造することができる。
前記のように製造される火花点火式内燃機関において、好ましいのは、ピストンの頂部に、燃焼室の天井部の形状に対応するように隆起部を形成することであり、こうすれば、凹部を形成しつつも燃焼室容積を小さくして、幾何学的な圧縮比を高く設定する上で有利になる(請求項2)。
また、従来周知の如く良好な火炎伝播性のために、点火プラグは燃焼室天井部の中央付近に臨ませるのが好ましく、これに対応して凹部はピストン頂部の中央付近に開口させるのがよい(請求項3)。
更に、前記燃焼室に燃料を直接、噴射するように燃料噴射弁を設ければ、こうして噴射する燃料の気化熱によって吸気が冷却されることから、混合気の自着火等による異常燃焼が抑制されるようになり、その分、シリンダの圧縮比を高く設定することができる(請求項4)。
その場合に前記燃料噴射弁は、燃焼室の周縁部から中央寄りに向かって燃料を噴射するように配置することで、シリンダの吸気行程における前半から中盤にかけて噴射した燃料をピストン頂部の凹部によって補足し、シリンダ内周面への付着を抑制する効果も期待できる(請求項5)。
加えて、前記シリンダのストロークはボアよりも長いことが好ましい(請求項6)。これは、シリンダのボアが大きいほど燃焼室形状は扁平化し、火炎伝播には不利になる傾向があるので、高圧縮比化のために燃焼室容積を小さくしても、それが扁平になりすぎないようにするためである。
以上、説明したように本発明によれば、燃焼室の天井部に臨む点火プラグに対応づけてピストンの頂部に凹部を形成し、その内面の少なくとも一部を、ピストンが上死点にあるときに点火プラグの点火点を中心とする球面状とし、更に、前記点火プラグの点火点を中心とする仮想球体について、その半径を、シリンダ内でピストンが上死点にあるときに、該仮想球体が前記凹部の球面状内面に接するように設定した場合において、当該仮想球体の非干渉部分の容積V21の燃焼室容積V1に対する比率V21/V1が、シリンダの単室容積が異なる複数仕様の火花点火式内燃機関に共通の所定範囲(その上限値が0.37)に収まるように、前記凹部を形成し、前記点火プラグの点火点を中心とする仮想球体について、その半径を、該仮想球体の非干渉部分の容積V22が、V22=0.15×V1となるように設定した場合において、当該仮想球体が前記燃焼室内壁と干渉する干渉面の面積をS(単位:mm )とし、V22の単位をmm として、S/V22≦0.12mm −1 となるように燃焼室を形成することによって、幾何学的に13以上の高圧縮比を実現しながら、ピストンと火炎との干渉をできるだけ遅らせて、火炎伝播性を十分に高めることができる。よって、機関効率が向上し、燃費の低減が図られる。
そして、前記のような効果は、シリンダの単室容積が異なる複数仕様の火花点火式内燃機関において同様に得られるから、いずれか一つの仕様における開発の成果を排気量の異なる別仕様の内燃機関に写し込むことができ、少ない開発投資で排気量の異なる複数仕様の内燃機関を製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明に係るエンジンE(火花点火式内燃機関)の概略図である。このエンジンEは、シリンダブロック1とその上部に組み付けられるシリンダヘッド2とを備えており、図2にも示すように、シリンダCには、その軸心c1に沿って図の上下に往復動するようにピストン3が収容されている。ピストン3は、シリンダブロック1の下部に回転自在に支持されたクランク軸4にコネクティングロッドによって連結されており、これによりピストン3の往復運動がクランク軸4の回転運動に変換されるようになる。
図示のように、シリンダC内のピストン3上方には燃焼室5が形成され、その天井部5aは、シリンダヘッド2の下面に各シリンダC毎に形成された窪みによって構成される。本実施形態では燃焼室5は所謂ペントルーフ型であり、その天井部5aは吸気側及び排気側の2つの傾斜面からなる三角屋根状をなしていて、それぞれの傾斜面には吸気ポート6,6と排気ポート7,7とが2つずつ開口している。
図1にのみ示すが、各吸気ポート6の開口部には吸気弁8が、また、各排気ポート7の開口部には排気弁9が、それぞれ配設されて、不図示の動弁機構により所定のタイミングで開閉されるようになっている。
また、それら吸気ポート6,6の下方にはその開口部間に噴口を臨ませて、燃焼室5の周縁部から中央寄りに向かい燃料を噴射するように、インジェクタ10(燃料噴射弁)が配設されている。このインジェクタ10は、図示しない燃料分配管を介して高圧燃料ポンプ等を有する燃料供給系に接続されている。本実施形態では直噴方式を想定しているが、本発明はポート噴射方式のものにも適用できる。
更にシリンダヘッド2には、シリンダ軸心c1に沿って延びるように点火プラグ11が配設されていて、その先端(下端)の電極が天井部5aの中央付近から燃焼室5に臨んでいる。この点火プラグ11の基端(上端)側には、図1にのみ示すが点火コイルユニット12が接続されており、所定のタイミングで電極間に火花を生じさせて、燃焼室5内の混合気に点火するようになっている。こうして燃焼室5の中央付近で点火することは従来周知の如く良好な火炎伝播性のために好ましい。
図2に示すように、燃焼室5の床部であるピストン3の頂部には天井部5aの三角屋根形状に対応するように、吸気側及び排気側からそれぞれ中央寄りに向かい隆起する隆起部31が形成されている。このことは、燃焼室5の容積を調整しシリンダCの幾何学的圧縮比を高く設定する上で有用であり、しかも、燃焼室5全体でその高さが概ね同じくらいになるので、火炎伝播性にも好ましいと言える。
更にピストン3の頂部には、隆起部31において開口するよう、中央付近にお椀型の凹部32が形成されている。本発明の主たる特徴部分として詳しくは後述するが、凹部32が点火プラグ11の電極間における点火点(電極間の中央と仮定。図3(a)の点CPを参照)に対応づけて設けられ、しかも、その形状及び容積が適切に設定されていることで、火炎伝播性が向上し、エンジンEの熱効率が向上する。
(燃焼室の構成)
ところで、本実施形態では、そうしてピストン3の頂部に隆起部31を形成する等して燃焼室5の容積を調整し、シリンダCの幾何学的圧縮比を13.0以上に設定している。これは、熱効率を向上し燃費低減を図るためである。幾何学的圧縮比とは、周知の通り、ピストン3が上死点(TDC)にあるときの燃焼室5の容積(凹部32の容積を含めた総容積)をV1、排気量(行程容積)をV0として、(V0+V1)/V1と表される。
容積V1は、所謂隙間容積であり、ピストン3が上死点にあるときに吸気弁8及び排気弁9がそれぞれ閉じているものとして、これらやインジェクタ10、点火プラグ11、即ち燃焼室5に臨むシリンダヘッド2の窪みに取り付けられた部品の表面、シリンダCの内周面、凹部32の内面を含めたピストン3の頂面、更にはシリンダヘッド10とシリンダブロック20との隙間によって画定されるものである。
さて、一般にエンジンにおいてはシリンダの圧縮比・膨張比を高く設定することにより熱効率が向上し、燃費低減が図れるはずであるが、単に幾何学的圧縮比を高く設定するだけでは燃費は向上しない。これは、幾何学的圧縮比を高く設定すると、同じ排気量であれば容積V1が相対的に小さくなり、火炎が早期に燃焼室の天井部や床部(ピストン頂面)と干渉し易くなって、その伝播性が悪化するからである。そこで、燃費低減と火炎伝播性との因果関係が分かれば、効率のよいエンジン設計が可能になると考えられる。
本発明では、まず図3のように点火プラグ10の点火点CPから周囲に広がる火炎を模して、その点火点CPを中心とする球体ISを想定する。火炎は放射状に広がるから仮想球体ISは火炎面の伝播した範囲をモデル化したものであり、その半径rは火炎面の進行程度を示す。すなわち、半径rが相対的に小さいときの仮想球体ISは点火後の相対的に早い時期を表し、半径rが相対的に大きいときには相対的に遅い時期を表すのである。
同図3の(a)から(b)のように半径rが大きくなると、仮想球体ISの燃焼室天井部5a等との干渉部分が増加する。このことを定量的に考慮するために、ピストン3が上死点にある場合において仮想球体ISのうち、燃焼室天井部5aやピストン3と干渉しない非干渉部分の容積をV2(単位:mm)とし、また、その場合において仮想球体ISが燃焼室天井部5aやピストン3と干渉する干渉面の面積を、干渉面積S(単位:mm)として以下、説明する。
図4には、非干渉容積V2と干渉面積Sの説明図を示す。同図は一例として、仮想球体ISが燃焼室5の天井部5a、即ちシリンダヘッド2、吸気弁8、排気弁9及び点火プラグ11と干渉する一方、ピストン3とは干渉しないような半径rの小さな状態について、(a)仮想球体IS、(b)容積V2、(c)干渉面積Sをそれぞれ模式的に示している。容積V2は、仮想球体ISから燃焼室天井部5aやピストン3との干渉部分が取り去られた立体の容積であり、干渉面積Sはそれらと干渉する部分の面積である。
−第1の評価指標:r、V2、Sの関係−
そして、本実施形態では、前記の半径r、容積V2(第1の評価指標では、請求項1のV22に相当する)及び面積Sの関係を、燃費低減の第1の評価指標とするものであり、半径rをV2=0.15×V1となるように設定した場合に、S/V2≦0.12(mm−1)となるように燃焼室5の形状を設定することによって、燃費の低減を図っている。このような結論に至ったのは以下に述べる実験結果に基づいている。
すなわち、以下に述べる第1の実験においてはボア:87.5mm、ストローク:83.1mmの火花点火式エンジンについて、形状が異なる複数種類のピストンを作成し、付け替えてそれぞれの燃費を同一条件(機関速度= 1500rpm、平均有効圧力Pe=262kPa、空燃比A/F=14.7、EGR率=20%)で計測した。図5(a)は、実験に用いた一部のピストンについての、容積V2/容積V1と、干渉面積S/容積V2と、の演算結果を示す図であり、仮想球体ISの半径rを複数、設定することにより得たものである。
前記容積V2/容積V1の値は半径rに関連し、V2/V1の値が相対的に小さいことは、半径rが相対的に小さいときに相当し火炎伝播の相対的に初期を示す。一方、V2/V1の値が相対的に大きいことは、半径rが相対的に大きいときに相当し火炎伝播の相対的に後期を示す。仮想球体ISの非干渉部分の容積V2は火炎の大きさを表す指標であり、干渉面積S/容積V2は、火炎が伝播する過程で時々刻々と変化する火炎の大きさに対する干渉面積の割合となる。
線L0、L1は、それぞれ、図示は省略するが、頂面が略平坦なピストンに関する演算結果であり、L0は幾何学的圧縮比が11.2のものに、また、L1は幾何学的圧縮比が15.0のものに、それぞれ、対応している。線L1を線L0と比較すると、フラット・ピストンの場合、ハイトが高いほど火炎伝播の比較的早い時期に火炎との干渉が始まることが分かる。
線L31〜線L34は、図2のように頂部にお椀型の凹部を設けたピストンに関する演算結果であり、これらは凹部の大きさや、凹部以外のピストン頂面の形状を変えたものである。幾何学的圧縮比は14.0〜15.0の範囲内である。これらのピストンを用いた場合、凹部を設けたことにより火炎との干渉の始まりが遅くなっており、容積V2/容積V1の比率が10%〜20%の範囲において、S/V2の値があまり上昇しなくなっている。
尚、線L4は、凹部を断面矩形状にした場合の演算結果で、この場合も幾何学的圧縮比は14.0〜15.0の範囲内である。線L1で示したピストンに比べると、火炎伝播に伴う火炎と燃焼室内壁との干渉度合いが緩やかになるが、線L31〜線L34のピストンと比べると、凹部を設けたことによるS/V2の値の影響は小さい。これは、火炎と凹部内面との干渉が線L31〜線L34のピストンよりも早く生じることを意味する。
そして、前記複数種類のピストンによる燃費の計測を行い、その結果を燃費改善率と干渉面積S/容積V2との関係にまとめたところ、容積V2/容積V1の値が0〜40%の範囲で燃費改善率と干渉面積S/容積V2との間に確かな相関が見られたのは容積V2/容積V1の値が15%の場合であった。尚、燃費改善率は、いずれかのピストンをベースモデルとし、その燃費を基準として算出した。幾何学的圧縮比がベースモデルと異なる場合は、その幾何学的圧縮比に応じて燃費改善率を補正演算し、幾何学的圧縮比が同じ場合の燃費改善率(推定値)とした。
図5(b)は、前記のように確かな相関が見られた容積V2/容積V1の値が15%の場合、即ち、仮想球体ISの半径rをV2=0.15×V1となるように設定した場合の、燃費改善率と干渉面積S/容積V2との相関を示す。この図によれば、S/V2の値が0.12のあたりから、この値が小さくなるに連れて燃費改善率が急上昇し、特に、0.10以下になると顕著である。つまり、S/V2の値が0,10〜0.12の範囲に所謂変曲点があると言える。
よって、半径rをV2=0.15×V1となるように設定した場合に、S/V2≦0.12となるように燃焼室5の形状を設計することで、燃費低減が図れ、特にS/V2≦0.10とすることが好ましい。ここで、容積V2が容積V1の15%のときの干渉面積Sを小さくするには、このときまでに火炎がピストン3と干渉しないよう、該ピストン3の頂部に前記のようなお椀状の凹部32を形成すればよいが、単に凹部32を形成しただけでは燃焼室5の容積が大きくなってしまい、高圧縮比の実現には不利になる。
−第2の評価指標:V2/V1−
そこで、前記のように燃焼室5の容積が大きくなることに注意しながら、火炎との干渉ができるだけ遅くなるように凹部32の位置、形状及び容積を最適化した。火炎との干渉を遅らせるには、ピストン3の頂部に仮想球体ISが接するような球面状の凹部を形成すればよいが、ピストン3の耐久性等の観点から凹部の底面までも球面状とすることは困難な場合があるので、凹部32の内面の一部を仮想球体ISが接する球面状とする。
その上で、そうして球面状とした凹部32の一部の面に仮想球体ISが接するように、その半径rを設定した場合に、この仮想球体ISの前記非干渉部分の容積V2(第2の評価指標では、請求項1のV21に相当する)を概略的に凹部32の容積とみなし、この容積V2の前記燃焼室容積V1に対する比率V2/V1を、本実施形態における燃費低減のための第2の評価指標とする。この容積V2/容積V1、即ち凹部/燃焼室容積比が大きいほど、火炎のピストンとの干渉が遅れることになり、火炎伝播性が向上する。
そして、本発明者は、前記容積V2/容積V1の値が変化するように、ピストン3の隆起部31や凹部32の形状を種々変更して実験を行い、エンジンEの燃費率や燃焼期間を調べたところ、容積V2/容積V1の値が所定の範囲内(例えば0.31≦V2/V1≦0.37)に収まるようにすることで、燃費率を効果的に低減できることが分かった。このことについて以下に述べる。
すなわち、前記第1の実験と同様にボア:87.5mm、ストローク:83.1mmの火花点火式エンジンについて複数種類のピストンを用意し、更にシリンダボアを83.0mm、72.0mm等々、変更した複数仕様のエンジンについても同様に複数種類のピストンを用意して、同一の運転条件(機関速度= 1500rpm、平均有効圧力Pe=262kPa、空燃比A/F=14.7、EGR率=20%)における燃費や燃焼速度を計測する第2の実験を行った。この実験の結果を燃費率と燃焼期間との関係でまとめたものが図6(a)のグラフであり、この図からはボア・ストローク比やピストンの大きさ等々によらず、燃費率と燃焼期間との間には確かな相関があることが分かる。
図によれば、ピストンの凹部の形状等が変わったことによって燃焼期間が変化すると、クランク角で52°のあたりから燃焼期間が長くなるに連れて燃費率が急に上昇しており、特に55°CAを越えてこの傾向が顕著になっている。つまり、燃焼期間が52〜55°CAの範囲に所謂変曲点があり、それよりも短い燃焼期間であれば燃費率を効果的に低減できると言える。
一方で同図(b)に示すように、容積V2/容積V1と燃焼期間との間には、V2/V1が大きいほど燃焼期間が短くなるという単純な関係がある。これは、凹部32の容積が大きくなることによってピストン3の火炎との干渉が遅くなり、火炎の伝播性が向上することによると考えられる。そして、燃焼期間が55°CAになるのはV2/V1の値が0.31を越えたくらいなので、前記図(a)の結果と読み合わせれば、燃費率の低減のためには容積V2/容積V1を0.31以上に設定すればよいと言える。
但し、同図(a)のグラフから分かるように、燃焼期間が50〜52°CAよりも更に短くなっても、これに伴う燃費率の低下幅は急速に小さくなっている。そして、燃焼期間を縮めるために凹部32の容積を大きくすれば、するほど燃焼室5の容積が大きくなって、高圧縮比の実現には不利になることを考慮すれば、容積V2/容積V1の値はあまり大きくしないほうがよく、前記グラフからV2/V1≦0.37とする。
以上より、この実施形態のエンジンEでは、ピストン3の頂部に形成する凹部32の内面の少なくとも一部を、ピストン3が上死点にあるときに点火プラグ11の点火点CPを中心とする仮想球体ISが接する球面状とし、その仮想球体ISの非干渉部分の容積V2の燃焼室容積V1に対する比率V2/V1が所定範囲内(0.31〜0.37)に含まれるように設計することによって、13以上の高圧縮比を実現しながらピストン3と火炎との干渉を最大限に遅らせて、火炎伝播性を十分に高めることができる。これにより機関効率が向上し、燃費の低減が図られる。
また、この実施形態のエンジンEは、燃焼室5に臨むインジェクタ10から燃料を直接、噴射する所謂直噴方式としており、こうして噴射する燃料の気化熱によって吸気が冷却されることから、混合気の自着火等による異常燃焼が抑制されるようになり、シリンダCの圧縮比を高く設定する上で有利な構成である。
しかも、インジェクタ10は、燃焼室5の周縁部から中央寄りに向かって燃料を噴射するように配置されており、シリンダCの吸気行程前半から中盤にかけて噴射した燃料をピストン3の凹部32によって補足し、シリンダC内周面への付着を抑制するという効果も期待できる。
尚、上述した第1、第2の実験は、いずれも、シリンダC単室の行程容積(単室容積)、即ち排気量V0が0.3リットル以上で、その幾何学的圧縮比が14.0乃至15.0のものについて行ったもので、幾何学的圧縮比が14.0以上、或いは14.5以上のエンジンEにおいて前記の相関関係が認められ、そのような高圧縮比エンジンにおける燃費の低減に有効であると言える。
この点、幾何学的圧縮比が低くなれば燃焼室5の容積が相対的に大きくなって火炎伝播性が良くなることから、圧縮比が14.0未満のエンジンにも上記の相関関係は存在すると言えるが、高圧縮比による熱効率向上との兼ね合いも考慮すれば、幾何学的圧縮比が13.0以上のものにおける燃費低減に少なくとも有効であると考えられる。
(設計の手順)
次に、前記した第1、第2の評価指標に基づいてエンジンをコンピュータ上で設計する場合の手順の例を説明する。図7は、第1、第2の評価指標をそれぞれ燃費低減の評価指標とした場合のコンピュータが実行する処理の例を示すフローチャートである。
図示の如くスタート後のステップS1では、燃焼室5を規定するエンジン構成部品の設計データを読み込む。各構成部品は例えば3次元のソリッドモデルで定義される。ステップS2ではステップS1で読み込んだ設計データに基づいて容積V1を演算する。ステップS3では仮想球体ISの半径rに初期値を設定する。初期値は予めプログラム上で定めておいてもよいし、ユーザが設定するようにしてもよい。
続いてステップS4において、ステップS3で設定した半径rに基づいて仮想球体ISの容積を演算し、これに基づいて仮想球体ISと燃焼室5の天井部5aや床部(ピストン3の頂部)との干渉部分を割り出して、その容積を算出する。そして、この干渉部分容積を仮想球体ISの容積から差し引いて、非干渉部分の容積V2を演算する。
ステップS5では、前記ステップS4で演算した容積V2が、ステップS2で演算した容積V1の15%か否かを判定する。該当する場合は後述のステップS7へ進む一方で、該当しない場合はステップS6へ進み、半径rの値を例えば規定値分ずつ増加させて前記ステップS4へ戻り、ステップS5で容積V2が容積V1の15%となるまで処理を繰り返す。
そうして容積V2が容積V1の15%となればステップS7へ進み、このときの、即ちV2=0.15×V1のときの面積Sを演算する。ステップS8ではS/V2を演算し、この演算結果を出力する。設計者は出力された演算結果から、第1の評価指標に基づいて燃焼室構成部品の設計を変更するか、確定するかを判断することができる。例えばS/V2の値が0.12(mm−1)を超えていれば、構成部品を再設計することになろう。
一方で処理はステップS9に進み、ここでは前記ステップS4で演算した仮想球体ISがピストン3の凹部32に接するか(即ち、凹部32の内面の球面状の部位に接しているか)否かを判定する。該当する場合は後述のステップS11へ進む一方で、該当しない場合はステップ10へ進み、前記ステップS6と同様に半径rの値を増加させて前記ステップS9へ戻り、仮想球体ISがピストン3の凹部32に接するまで処理を繰り返す。
そして、仮想球体ISがピストン3の凹部32に接すればステップS11に進み、その仮想球体ISの非干渉部分の容積V2を、前記ステップS4と同様にして演算する。続くステップS12ではV2/V1を演算し、この演算結果を出力する。設計者は出力された演算結果から、第2の評価指標に基づいて燃焼室構成部品の設計を変更するか、確定するかを判断することになる。例えばV2/V1の値が0.31未満であるか或いは0.37を超えていれば、構成部品を再設計することになろう。
尚、前記のステップS8、S12の出力を受けて設計者が再設計する構成部品は、燃焼室5を構成するいずれのエンジン構成部品であってもよいが、第1の評価指標に関しては設計自由度の観点からピストン3が簡便である。また、第2の評価指標に関しては自ずとピストン3の頂部の形状等を再設計することになろう。
したがって、この実施形態に係る火花点火式エンジンEの設計方法(製造方法)によると、前記図7のフローチャートに示すような処理をコンピュータ上で行うことで、設計者は試作品作成→実機試験→再設計という手順を繰り返さずとも、燃費低減についてある程度の見込みを立てることができ、効率的な設計が行える。
また、そうして設計した燃焼室5の諸元値は、上述したように排気量やボア・ストローク比、或いはピストン3の大きさ等々が異なる種々の仕様のエンジンEに適用可能である。これは、第1、第2の評価指標を満たすことによってシリンダC内の燃焼の状態、主には熱発生のパターンが概ね同じようなものになり、高圧縮比を実現しながら火炎の伝播性を高めて燃費を低減するという作用効果がエンジンEの仕様に依らず得られるからである。よって、開発の成果を仕様の異なる複数のエンジンEに写し込み、少ない開発投資で排気量等の異なる複数仕様のエンジンEを製造することができる。
尚、本発明に係る火花点火式内燃機関は、前記実施形態のような4バルブのエンジンEに限定されず、シリンダC毎の排気ポートが1つの3バルブエンジンであってもよい。
また、前記実施形態では特に言及していないが、シリンダCは、ボアよりもストロークの長い方が好ましい。シリンダCのボアが大きいほど燃焼室5の形状が扁平化し、火炎伝播には不利になる傾向があるので、13以上の高圧縮比を実現するためには、よりストロークの長い方が好ましいからである。
また、前記実施形態では、一例として4サイクルの多気筒ガソリンエンジンEを想定しているが、他の形式の火花点火式内燃機関にも本発明は適用可能である。
更に、第2の評価指標について必ずしも前記したV2/V1の下限値が0.31に限定されず、例えばV2/V1の下限値を、上限値(0.37)下限値の1.2倍以下となるようにすればよい。こうすれば、仕様の異なるエンジンにおける燃焼の状態を揃えることができ、いずれか一つの仕様のエンジンにおける開発の成果を別仕様のものに写し込むことができる。
実施形態に係る火花点火式内燃機関の概略図である。 ピストンの頂部を中心にシリンダ内燃焼室の構成を示す斜視図である。 仮想球体ISと凹部との関係を示す説明図である。 仮想球体の非干渉部の容積と干渉面積の説明図である。 (a)はS/V2とV2/V1との相関を、また、(b)はS/V2と燃費改善率との相関を、それぞれ示すグラフ図である。 (b)は燃焼期間と燃費率の相関を、また、(b)は凹部/焼室容積比と燃焼期間との相関を、それぞれ示すグラフ図である。 本発明の評価指標に基づいてエンジンをコンピュータ上で設計する場合の処理手順の一例を示すフローチャート図である。
E 火花点火式エンジン(火花点火式内燃機関)
IS 仮想球体
CP 点火点
C シリンダ
2 シリンダヘッド
3 ピストン
31 隆起部
32 凹部
5 燃焼室
5a 天井部
10 インジェクタ(燃料噴射弁)
11 点火プラグ

Claims (7)

  1. シリンダの単室容積が0.3リットル以上で、その幾何学的な圧縮比が13.0以上の火花点火式内燃機関を製造するための方法であって、
    前記火花点火式内燃機関は、
    シリンダ内の燃焼室の天井部に臨んで点火プラグが配設される一方、その燃焼室の床部となるピストンの頂部には前記点火プラグに対応して凹部が形成され、
    その凹部の内面の少なくとも一部は、前記シリンダ内でピストンが上死点にあるときに前記点火プラグの点火点を中心とする球面状とされており、
    シリンダの単室容積が異なる複数の仕様の前記火花点火式内燃機関について、
    前記シリンダ内でピストンが上死点にあるときの燃焼室容積をV1とし、
    前記点火プラグの点火点を中心とする仮想球体について、その半径を、前記シリンダ内でピストンが上死点にあるときに、該仮想球体が前記凹部の球面状内面に接するように設定した場合において、前記ピストンが上死点にあるときに燃焼室の床部及び天井部のいずれにも干渉しない、当該仮想球体の非干渉部分の容積をV21として、
    21/V1の値が、前記複数の火花点火式内燃機関に共通の所定範囲に含まれるように前記凹部の形状及び容積を設定し、
    前記燃焼室容積V1と前記仮想球体の非干渉部分の容積V21との比率に係る、前記所定範囲の上限値を0.37とし、
    前記点火プラグの点火点を中心とする仮想球体について、その半径を、前記ピストンが上死点にあるときに前記燃焼室を画定する燃焼室内壁と干渉しない、該仮想球体の非干渉部分の容積V22が、V22=0.15×V1となるように設定した場合において、当該仮想球体が前記燃焼室内壁と干渉する干渉面の面積をS(単位:mm )とし、V22の単位をmm として、
    S/V22≦0.12mm −1
    となるように前記燃焼室を形成する、ことを特徴とする火花点火式内燃機関の製造方法。
  2. 前記ピストンの頂部には燃焼室の天井部の形状に対応するように隆起部を形成するとともに、この隆起部において前記凹部を開口させる、請求項1に記載の火花点火式内燃機関の製造方法。
  3. 前記点火プラグは燃焼室天井部の中央付近に臨ませて、これに対応してピストン頂部の中央付近に凹部を開口させる、請求項1又は2のいずれかに記載の火花点火式内燃機関の製造方法。
  4. 前記燃焼室に燃料を直接、噴射するように燃料噴射弁を設ける、請求項1〜3のいずれか1つに記載の火花点火式内燃機関の製造方法。
  5. 前記燃料噴射弁を、燃焼室の周縁部から中央寄りに向かって燃料を噴射するように配置する、請求項4に記載の火花点火式内燃機関の製造方法。
  6. 前記シリンダのボアよりもストロークを長くする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の火花点火式内燃機関の製造方法。
  7. 前記燃焼室容積V1と前記仮想球体の非干渉部分の容積V21との比率に係る、前記所定範囲を、 0.31≦V21/V1≦0.37 とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の火花点火式内燃機関の製造方法。
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