JP4702080B2 - 装置部材の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は芳香族液晶ポリエステルを含有する液状組成物に使用した装置部材の洗浄方法に関する。
芳香族液晶ポリエステルは、優れた低吸湿性、耐熱性、機械的強度を示すことから、射出成形により得られるコネクターなどの電子部品を中心に広く用いられている。
最近、その優れた特性を半導体パッケージやマザーボード用の多層プリント配線板などに適用するため、塩素置換フェノール化合物を溶媒とする芳香族液晶ポリエステルの液状組成物から芳香族液晶ポリエステルのフィルムを製造する方法が提案されている(特許文献1)。
ところで、芳香族液晶ポリエステルにゴミや溶媒不溶分などの異物が存在すると、得られるフィルムに異物が混入してしまうことから、通常、芳香族液晶ポリエステルを含有する液状組成物をフィルターで濾過して異物を除去する。そして、フィルターを長期間、あるいは大量の液状組成物の濾過に使用していると異物により目詰まりし、フィルターを洗浄する必要がある場合がある。
また、芳香族液晶ポリエステルを含有する液状組成物を製造等に使用した反応器、貯蔵タンクなどの容器、配管などの装置部材に付着した該液状組成物を洗浄しなければならない。
芳香族液晶ポリエステルを含有する液状組成物を製造等に使用した容器の洗浄方法としては、グリコール類とアミン類との混合物で装置部材を加熱処理する方法が特許文献2に報告されている。
特開2002‐114894号公報([請求項1]、[請求項3]、[0038]) 特開平5‐295392号公報([請求項1]、[実施例])
本発明の目的は、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が付着した反応器や、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物の濾過に使用したフィルターなどの装置部材について、加熱処理を要しないで、芳香族液晶ポリエステル、異物及びゲル化物などの芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物を簡便に洗浄することのできる方法を提供することである。
本発明は、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が付着した装置部材と、水に可溶であり芳香族液晶ポリエステルを溶解しない有機溶媒と、を接触させて該芳香族液晶ポリエステルを主成分とする薄膜を形成させ、次いで該薄膜にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させて、該装置部材と該薄膜との界面を剥離させることを特徴とする芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が付着した装置部材の洗浄方法である。
芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が付着した装置部材を加熱処理することなく、芳香族液晶ポリエステル、異物及びゲル化物などを簡便に洗浄、除去することができる。また、芳香族液晶ポリエステルへの溶解性の低いアルカリ金属水酸化物水溶液を用いることから、水で簡便かつ完全に洗浄・除去することができ、装置部材は十分に洗浄することができる。このことにより、該装置部材を再び用いて芳香族液晶ポリエステルを製造する際に、従来、用いられていたグリコール類とアミン類との混合物と接触して芳香族液晶ポリエステルが溶解したり加水分解するおそれがない。
以下、本発明について詳細に検討する。
本発明の芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物とは、芳香族液晶ポリエステルと芳香族液晶ポリエステルを溶解させる溶媒とを主成分とし、芳香族液晶ポリエステルが高分子量化した不溶分、不融物等の異物が含有されていてもよい液状組成物である。
本発明に用いられる芳香族液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーとも呼ばれ、通常、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成する。
芳香族液晶ポリエステルとしては、例えば、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの組み合わせを重合して得られるもの、
(2)同種又は異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせを重合して得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの
などが挙げられる。
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用してもよく、これらのエステル形成性誘導体としては、カルボン酸のエステル形成性誘導体、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体等が挙げられる。
カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、ポリエステル生成反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールは、エステル形成性を阻害しない程度であれば、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基などで置換されていてもよい。
該芳香族液晶ポリエステルの構造単位としては、下記のものを例示することができる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位:
Figure 0004702080
上記の構造単位の水素原子は、ハロゲン原子またはアルキル基に置換されていてもよい。
芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位:
Figure 0004702080

上記の構造単位の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基に置換されていてもよい。
芳香族ジオールに由来する構造単位:
Figure 0004702080
上記の構造単位の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基に置換されていてもよい。
なお、上記構造単位の水素原子に置換されるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基またはブチル基がより好ましい。上記構造単位の水素原子に置換されるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
耐熱性、機械物性のバランスから芳香族液晶ポリエステルは、前記A1式で表される構造単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。
構造単位の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記(a)〜(f)が挙げられる。
(a):
前記構造単位(A1)、(B2)および(C3)の組み合わせ、
前記構造単位(A2)、(B2)および(C3)の組み合わせ、
前記構造単位(A1)、(B1)、(B2)および(C3)の組み合わせ、または、
前記構造単位(A2)、(B1)、(B2)および(C3)の組み合わせ。
(b):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C3)の一部または全部を(C1)に置換した組み合わせ。
(c):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C3)の一部または全部を(C2)に置換した組み合わせ。
(d):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C3)の一部または全部を(C4)に置換した組み合わせ。
(e):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C3)の一部または全部を(C4)と(C5)の混合物に置換した組み合わせ。
(f):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(A1)の一部を(A2)に置換した組み合わせ。
芳香族液晶ポリエステルとしては、溶解性の観点から、p−ヒドロキシ安息香酸類および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸類からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する構造単位、即ち(A1)および(A2)からなる群から選ばれた少なくとも一種の構造単位を30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル類からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する構造単位、即ち(C1)および(C3)からなる群から選ばれた少なくとも一種の構造単位を10〜35mol%、イソフタル酸類、即ち(B2)からなる構造単位を10〜35mol%含むことが好ましい。
芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物に含まれる芳香族液晶ポリエステルを溶解させる溶媒は、通常、式(I)で表されるフェノール化合物である。
Figure 0004702080
(式中、Dはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iは1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に、Dは互いに同一でも異なっていてもよい。)
式(I)において、iは好ましくは1〜3であり、より好ましくは1または2である。iが1のときDの置換位置は4位であることが好ましく、iが2以上のとき少なくとも一つのDの置換位置は4位であることが好ましい(水酸基の置換位置を1位とする)。また、Dが複数存在する場合には、Dは互いに同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。式(I)の具体例としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、3,5−ビストリフルオロメチルフェノール等が挙げられる。価格と入手の容易さの観点から、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールなどの塩素置換フェノール化合物が好ましく使用され、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物の溶解性が優れていることから、p−クロロフェノールがより好ましく使用される。
芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物は、前記溶媒100重量部に対して、芳香族液晶ポリエステルを通常0.5〜100重量部含有し、作業性あるいは経済性の観点から、1〜50重量部含有することが好ましく、3〜10重量部含有することがより好ましい。芳香族液晶ポリエステルの量が0.5重量部以上であると生産効率が向上する傾向があることから好ましく、100重量部以下であると多いと芳香族液晶ポリエステルが溶解し易い傾向があることから好ましい。
芳香族液晶ポリエステル液状組成物には、重合停止剤などの添加剤、芳香族液晶ポリエステルが高分子量化した不溶分、不融物等の異物が含有されていてもよい。
本発明に用いられる装置部材とは、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が付着している装置部材であり、例えば、芳香族液晶ポリエステルの製造等に用いる反応器、貯蔵タンクなどの容器、配管、フィルターなどが挙げられる。
芳香族液晶ポリエステルに異物が含有されると、得られる芳香族液晶ポリエステルのフィルムは、外観性状や物性を劣化する。そこで、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物をフィルターによって濾過することによって異物を除去する必要がある。濾過を繰り返し行ったり、長時間、濾過すると、フィルターは異物などにより目詰まりが生じ、閉塞に至る場合もある。本発明は、かかるフィルターに付着した異物などの芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物をほぼ完全に除去できるのである。
また、芳香族液晶ポリエステルの製造に反応器を繰返し使用すると、反応器と芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物との接触面には、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物を移送したのちも芳香族液晶ポリエステルが残存し、さらに、芳香族液晶ポリエステルが高分子量化した不溶分、不融物等が付着することがある。本発明の洗浄方法により、芳香族液晶ポリエステルのみならず、芳香族液晶ポリエステルが高分子量化した不溶分、不融物等も除去できるのである。
以下に洗浄方法の具体例を以下に説明する。
まず、装置部材に付着した芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物を十分に除去することが好ましい。十分に除去することにより、後述する芳香族液晶ポリエステルが一層薄い薄膜となり、薄膜を形成する時間が短縮される傾向があることから好ましい。
次に、水に可溶であり芳香族液晶ポリエステルを溶解しない有機溶媒を装置部材に接触させる。
かかる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N‐メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、中でも、アセトン、メタノールが取り扱いが容易で、芳香族液晶ポリエステルの薄膜を形成させやすい傾向があることから好ましい。
有機溶媒が、10〜90重量%程度の水を含む有機溶媒であってもよい。
装置部材と有機溶媒との接触方法としては、例えば、静置された装置部材に洗浄瓶などを使って有機溶媒を注ぐ方法、有機溶媒が充填された槽に装置部材を浸漬する方法、装置部材が反応器や貯蔵タンクなどの容器であれば該容器に有機溶媒を充填する方法などが挙げられる。
装置部材と有機溶媒との接触時間は、芳香族液晶ポリエステルの薄膜を形成するのに十分な時間であり、アセトンであれば、接触するとただちに薄膜が生成することから、掛け洗いする程度でよい。
装置部材と有機溶媒との接触温度は、有機溶媒が十分な流動性を持ち、しかも、有機溶媒が著しく揮発しない温度であり、通常、0〜40℃程度である。
本発明は、まず、装置部材と有機溶媒とが接触することにより、芳香族液晶ポリエステルの薄膜が形成され、異物が芳香族液晶ポリエステル薄膜に固定化される。次に該薄膜にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させると該装置部材と該薄膜との界面が剥離され、該薄膜とともに異物が完全に除去されるのである。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられ、中でも水酸化ナトリウムが入手容易であることから好ましい。
水溶液中におけるアルカリ金属水酸化物の濃度としては、通常、1〜30重量%程度である。
装置部材とアルカリ金属水酸化物水溶液との接触方法としては、例えば、攪拌などにより流動するアルカリ金属水酸化物水溶液に装置部材を静置する方法、アルカリ金属水酸化物水溶液が充填された槽に装置部材を浸漬する方法、装置部材が反応器や貯蔵タンクなどの容器であれば該容器に有機溶媒を充填する方法などが挙げられる。
装置部材とアルカリ金属水酸化物水溶液との接触時間は、生成した芳香族液晶ポリエステルの薄膜とフィルターとの界面を剥離するのに十分な時間であり、接触する温度によっても異なるが、20℃の場合には、30分以上が必要である。薄膜との剥離性の観点から5〜24時間程度が好ましい。
装置部材とアルカリ金属水酸化物水溶液との接触温度は、通常、室温(約25℃程度)であり、高いほど分解時間が短縮される傾向があるので、加熱して30〜80℃程度であってもよい。
かくして得られた装置部材は水で洗浄される。
芳香族液晶ポリエステルの薄膜が厚い場合などは、薄膜が装置部材に付着してしまう場合があるが、ブラシ等で数回擦り洗いするなどして取り除くことができる。
必要に応じて、装置部材は、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類やアセトン等で洗浄後、乾燥することにより、再び、芳香族液晶ポリエステルの製造などに用いられる装置部材として使用することができる。
フィルターの材質は、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物によって腐食や反応しないように、適宜、選定される。具体的には、綿布、濾紙などの天然繊維濾布、ポリエステル布、フッ素樹脂布などの合成繊維濾布、ガラス繊維濾布、セラミックの有孔底、金属製網などが挙げられ、これらの積層物であってもよい。中でもフッ素樹脂布が耐久性、耐腐食性の観点から好ましい。
フィルターのハウジング構造に用いられる材質は、ステンレス、鉄、チタン鋼、アルミニウムなどの金属製、繊維強化プラスチック(FRP)などの複合材料などが挙げられる。
フィルターの型式としては、例えば、ストレーナー型、カートリッジ型フィルターなどのデッドエンド型のフィルターが挙げられる。中でも、濾過面積の大きく取り替えの容易なカートリッジ型が望ましい。ここで、カートリッジ型フィルターは、それを収納する容器本体と、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物の溶液の入り口および芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物の溶液の出口部を形成したキャップと、容器本体とキャップをクランプで接続されているハウジング構造を有する場合もあるが、かかる複雑な構造を有していても本発明の洗浄方法で異物を除去できる。
装置部材が芳香族液晶ポリエステルの反応器である場合、その反応器としては、例えば、攪拌型反応器等が挙げられる。反応器は、通常、胴体と蓋がフランジ形状で接続され、ボルトで固定されるとともに、胴体部がジャケットにより温水やスチーム、熱媒により温度制御が可能であるような構造を有するが、簡単に胴体と蓋を取り外しできないような大きさ、または蓋上部に複雑な固定配管や計装機器を付属しているような構造を有している場合でも本発明の洗浄方法で該液状組成物を除去できる。
芳香族液晶ポリエステルの反応器や配管などの材質は、通常、芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物の製造温度や腐食性に応じて、適宜、選定される。具体的には、ガラスまたは、ステンレス、鉄、耐酸金属などの金属製のもの、または、金属表面をガラスやフッ素系樹脂でライニングしたものが挙げられる。中でも、金属表面をガラスでライニングした製造装置が、耐食性、耐熱性の観点から好ましい。
次に実施例等により本発明をさらに詳細に説明する。特に断りがない限り、部及び%は重量基準である
(芳香族液晶ポリエステルの製造例)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた製造装置に、p―ヒドロキシ安息香酸 141部(1.02モル比)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル 63.3部(0.34モル比)、イソフタル酸 56.5部(0.34モル比)及び無水酢酸 191部(1.87モル比)を仕込んだ。製造装置内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温してトルクの上昇が認められる時点を終了点とし内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固層で重合反応を進め、粉末状の芳香族液晶ポリエステルを得た。
(実施例1)
<濾過>
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器及び底部に抜出口を備えた反応器に、反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、溶解したp−クロロフェノール95部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で約30分かけて80℃まで昇温した時点で、芳香族液晶ポリエステル粉末5部を仕込んだ。再度、気相部を窒素ガスで置換した後に1時間かけて120℃まで昇温して、芳香族液晶ポリエステルとp−クロロフェノールからなる芳香族液晶ポリエステル液状組成物を得た。
該反応器底部の抜出口とフィルターを有するステンレス製のハウジングとポリエチレン容器とを取り外しが容易な25Aのサニタリー配管を介して接続した。また、ハウジングは、10インチのカートリッジフィルターを収納することができる程度の大きさであった。
反応器内の内容物が80℃以下まで冷却した時点で、底部の抜出口より内容物を抜き出し、フィルターを経由してポリエチレン容器に充填した。
<洗浄>
反応器に加圧窒素を導入してフィルターハウジング内の液を充分に除去し、次いで、フィルターハウジングを配管から取り外し作業を行うが、この際に、p−クロロフェノールが被液することを防止するため、ポリエチレン袋で覆った状態で取り外した。取り外したフィルターハウジングは、100Lの金属ビーカーに移し、金属ビーカー内で解体を行いながらフィルター部からハウジング内部まで、洗浄瓶に入ったアセトン約300mlをかけて、アセトンとフィルターを十分接触させた。フィルターやハウジング等の表面には白色の薄膜が被覆された。
その後、100Lの金属ビーカーに解体した各部品が満遍なく浸漬される程度の28%水酸化ナトリウム水溶液約30kgを入れて、室温にて10時間放置した。
水酸化ナトリウム水溶液から取り出されたフィルターは、充分に水で洗浄して、付着した薄膜などを除去し、乾燥した。
洗浄されたフィルターを用いて、前記と同様に濾過を実施したところ、単位時間当たりの抜き出し流量の変化傾向も再生前と変わらない状態であり、問題なく濾過を終了することができた。
フィルターハウジングと一部の配管を取り外した後に、反応器の内部表面に洗浄瓶に入ったアセトン約1000mlをかけて、液付着部分にアセトンを十分接触させた。反応器の内部表面には白色の薄膜が被覆された。
その後、洗浄瓶に5%水酸化ナトリウム水溶液約1000mlを入れて、室温にて数時間放置した。その後、充分に水で洗浄して、付着した薄膜などを除去し、乾燥した。
(実施例2〜7)
芳香族液晶ポリエステルを薄膜を形成させる有機溶媒を表1に示す。これらを実施例1と同様に実施すれば、フィルターから異物を除去することができる。
Figure 0004702080
(比較例1)
<濾過>を終了して解体した精密濾過器の各部品を、ただちに28%に調整した水酸化ナトリウム水溶液約30kgの中に、10時間浸積させた後に、水洗浄した。芳香族液晶ポリエステル液状組成物は高粘度のゲル状になり、一部表面が溶解するものの水洗で完全に除去することはできなかった。また、フィルター表面には濾過残渣が見られた。
(比較例2)
<濾過>を終了して解体したフィルターハウジングの各部品を、ただちにアセトン約30kgの中に、10時間浸積させた後に、水洗浄した。フィルターには一面の薄膜が生成した。フィルターはブラシで綿密に擦り洗いを実施したが、フィルター内部の表面には多くの濾過残渣が見られた。
(比較例3)
<濾過>を終了してフィルターおよび配管の一部を取り外した後に、反応器の内部表面に洗浄瓶にてアセトン約1000mlをかけて数時間放置させた後に、水洗浄した。フィルターには一面の薄膜が生成した。薄膜はブラシで綿密に擦り洗いを実施したが、反応器の内部表面には多くの薄膜残渣が見られた。
本発明は芳香族液晶ポリエステルの製造に必要なフィルター、反応器、配管などから付着物を完全に除去することができる。従って、フィルターについては、それを使い捨てにすることなく何度も再利用することができ、反応器、配管などについては、異なる化学構造を有する芳香族液晶ポリエステルを製造する場合、前に製造された芳香族液晶ポリエステルを混入させることなく製造することができる。

Claims (5)

  1. 芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が付着した装置部材と、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N‐メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒該芳香族液晶ポリエステルを主成分とする薄膜形成するまでの時間、加熱処理することなく接触させる第一工程、及び形成させた該薄膜にアルカリ金属水酸化物水溶液を5〜24時間接触させて、該装置部材と該薄膜との界面を剥離させる第二工程を含むことを特徴とする芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が付着した装置部材の洗浄方法。
  2. 第二工程が、加熱処理することなく行われる請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が、式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物及び芳香族液晶ポリエステルを含有する組成物である請求項1又は2に記載の洗浄方法。
    Figure 0004702080
    (式中、Dはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iは1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に、Dは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  4. 芳香族液晶ポリエステル含有液状組成物が、ハロゲン置換フェノール化合物(I)100重量部に対し、芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有する組成物である請求項3に記載の洗浄方法。
  5. 装置部材が、フィルター及び/又は容器である請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄方法。
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