JP4701529B2 - ホットプレス焼結体の孔形成方法およびセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法 - Google Patents

ホットプレス焼結体の孔形成方法およびセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ホットプレス焼結体の端部に孔を形成する方法に係り、特に、ホットプレス焼結用の無機材料に孔形成部材を埋め込んでホットプレスを行った後、その焼結体から孔形成部材を除去することにより孔を形成するホットプレス焼結体の孔形成方法、および、セラミックスヒータ型グロープラグに用いられるセラミックスヒータの発熱体の一方の極と電極取り出し金具とを接続するために、セラミックスヒータの端部に電極取り出し金具取付け孔を形成する工程を含むセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高融点金属から成る孔形成部材を焼結材料中に埋め込み、ホットプレスによりセラミックス焼結体を成形し、その後、前記孔形成部材を切削等による機械加工や溶解等により除去することによって、焼結体に孔を形成する方法が既に知られている(特開2000−121055号公報)。
【0003】
前記公報には、焼結体から孔形成部材を除去する方法として、孔形成部材の材料である高融点金属をMo(モリブデン)とし、焼結材料を窒化珪素等として、ホットプレスを実施してセラミックス焼結体を形成し、この焼結体を王水と硫酸の混合溶液に24時間浸漬してMoの孔形成部材を溶解させて孔を開ける方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記王水によりMo等を溶解する方法は、切削が困難な焼結材料にも簡単に低コストで孔を開けることができる有効な方法である。しかしながら、この方法は、酸として王水を用いることから、作業環境上の問題があった。また、前記孔形成部材を王水により溶解して孔を形成する方法を、グロープラグのセラミックスヒータに適用する場合には、セラミックスヒータの内部に埋め込まれる発熱体やこの発熱体のリード、あるいはセラミックスヒータ自体を損傷するおそれがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、ホットプレス焼結体に簡単に低コストで孔を開けることができるホットプレス焼結体の孔形成方法を提供することを目的とするものである。また、ホットプレスにより成形したセラミックスヒータの発熱体やリード等が王水による溶解等により損傷するおそれのないセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法は、ホットプレス焼結材料中に、高融点金属からなる孔形成部材を、ホットプレス軸方向とほぼ直角方向に埋め込み、ホットプレスを行った後、前記孔形成部材を除去することにより、ホットプレス焼結体に孔を形成する方法であって、特に、前記孔形成部材として、前記焼結材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度(摂氏温度)に対して融点が1.3倍以上高い材料を選択して、前記ホットプレスを行った後、このホットプレス焼結体に振動を与えることにより、前記孔形成部材を除去して焼結体に孔を形成するようにしたものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明方法は、請求項1に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、ホットプレスを行った後の前記ホットプレス焼結体に超音波振動を与えることにより前記孔成形部材を除去することを特徴とするものである。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明方法は、請求項1に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、ホットプレスを行った後の前記ホットプレス焼結体に超音波洗浄を行うことにより前記孔成形部材を除去することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明方法は、請求項3に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、ホットプレスを行った後の前記ホットプレス焼結体に酸中で超音波洗浄を行うことにより前記孔成形部材を除去することを特徴とするものである。
【0010】
前記請求項1ないし請求項4に記載の発明方法では、焼結用の無機材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度(摂氏温度)に対して融点が1.3倍以上高い材料から成る孔形成部材を、前記焼結材料中に埋め込んでホットプレスを実施した後、超音波洗浄等を行うことにより、孔成形部材が自然に脱落して除去され、ホットプレス焼結体に孔が形成される。
【0011】
また、請求項5に記載の発明方法は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、孔形成部材を、全体に亘りほぼ同一径の円柱形状としたことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6に記載の発明方法は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、孔形成部材を、埋設された焼結材料の外部に向かって径が拡大するテーパ形状としたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載の発明方法は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、ホットプレスにおける加圧解除温度を、ホットプレス温度(摂氏温度)の50%以上にしたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載の発明方法は、請求項5または請求項6に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、前記孔形成部材の表面に予め離型材を塗布したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項9に記載のセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法は、セラミックスヒータの発熱部と逆の端面に電極取り出し金具取付け孔を形成し、この取付け孔内に電極取り出し金具の一端を挿入して、この電極取り出し金具とセラミックスヒータの発熱体の一方の極とを接続するものであって、特に、ホットプレス焼結材料の端部に、この材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度(摂氏温度)に対して融点が1.3倍以上の材料からなる孔形成部材を、ホットプレスの軸方向とほぼ直角方向に埋め込み、ホットプレスを行った後、この焼結体に振動を与えて前記孔形成部材を除去することにより、前記セラミックスヒータの端部に電極取り出し金具取付け孔を形成するようにしたものである。
【0016】
請求項9に記載の発明方法では、焼結体の内部に埋め込んだ孔形成部材を簡単に除去することができ、しかも、王水等の酸により溶解する場合のように、セラミックスヒータ内に埋め込まれている発熱体やリードあるいはセラミックスヒータ自体を損傷するおそれがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。本発明方法は、ホットプレス焼結用の無機材料中に、高融点金属からなる孔形成部材を、ホットプレス軸方向とほぼ直角方向に埋め込み、ホットプレスを行った後、前記孔形成部材を除去することにより、ホットプレス焼結体に孔を形成するものであり、例えば、セラミックスヒータ型グロープラグの発熱体として用いられるセラミックスヒータ等のように、ホットプレスによって成形される焼結体の端部に、電極取り出し金具のような細い線材を挿入可能な小径の孔を形成する方法である。
【0018】
図1ないし図4は、ホットプレス焼結体に前記孔を形成する方法の各工程を示す図であり、これらの図により、孔形成方法の各工程について順次説明する。
【0019】
先ず、窒化珪素等の焼結用無機材料の粉体102を、上下の成形型(図示を省略)のキャビティ内に充填し、これらの間に高融点金属から成るほぼ円柱状の孔形成部材104を挟んだ状態(図1参照)で、プレス成形を行い、焼結材料の成形品102Aを得る(図2参照)。この焼結材料の成形品102Aには、前記孔形成部材104が、ホットプレスを行う方向(図2に矢印Pで示す方向)とほぼ直角方向を向けて埋め込まれている。埋め込まれた状態の孔形成部材104の端面104aは、前記焼結材料の成形品102Aの側面102Aaに露出している。
【0020】
次に、この孔形成部材104が埋め込まれた焼結材料の成形品102Aにホットプレスを行う。図3(a)、(b)は、孔形成部材104が埋め込まれた焼結材料102Aをホットプレスした後の状態、つまり、ホットプレス焼結体102Bの内部に孔形成部材104が保持された状態を示す。
【0021】
図5は、前記ホットプレスを実施する際の温度と加圧タイミングとの関係の一例を示すグラフであり、温度の昇降パターンとしては、炉内の温度を昇温速度20℃/minで上昇させ、最高温度(ホットプレス温度)に達した後その温度を60min保持し、その後炉内を冷却する。前記温度パターンの適宜の時期にホットプレス加圧を行う。図中の温度T1はホットプレス加圧開始温度、Tは前記ホットプレス温度、T2はホットプレス加圧解除温度であり、温度がT1からTに至りT2に冷却するまでの時間ホットプレス加圧が行われる。なお、THはホットプレス温度T×50%の温度であり、ホットプレス加圧の解除はこのTHよりも高い温度で行われる。
【0022】
前記のようにホットプレスを実施した後、水中で超音波洗浄を行うことによりホットプレス焼結体102Bに埋め込まれていた孔成型部材104を除去して、この焼結体102Bに孔106を形成する(図4(a)、(b)参照)。前述のように従来は、ホットプレス後に王水等の酸によって溶解することにより孔形成部材を除去していたが、本発明では、ホットプレス焼結用の無機材料102および孔形成部材104を形成する高融点金属材料の線膨張係数、ホットプレス温度Tに対する孔形成部材104の融点等の条件を一定の範囲に限定することにより、ホットプレス後、単に水中で超音波洗浄を行うだけで、孔形成部材104が焼結体102Bから自然に脱落して除去され、前記のように孔106を形成することができる。
【0023】
前記焼結用無機材料102と孔形成部材104の線膨張係数、およびホットプレス温度Tに対する孔形成部材104の融点についての前記限定条件を、以下に説明する実験によって得ることができ、その効果が確認された。
【0024】
この実験においては、ホットプレス焼結材料102として図6に示す4種の無機材料を使用し、これら各焼結材料102内に後に説明する各種金属材料から成る孔形成部材104を、それぞれホットプレスの軸方向Pと直交する方向に埋め込み、ホットプレスを実施した。孔形成部材104の形状を全長に亘り同一径を有する円柱状としたものを用いた第1の実験と、孔形成部材(後に説明する図11の符号140参照)の形状をテーパ形状にしたものを、大径側を外側にして埋め込んだ第2の実験を実施した。前記各焼結材料102についての実験結果を順次説明する。
【0025】
第1の実験では、先ず、その(1)として、焼結材料104に窒化珪素を用いてホットプレスを行った。この焼結材料102は、窒化珪素粉体に焼結助剤としてアルミナ4重量%およびイットリア4重量%を混合し、湿式混合の後乾燥させて原料粉を得た。この窒化珪素を主体とする焼結材料102中に、図7に示す各種高融点金属材料により成形した各孔成形部材104を、それぞれ前記ホットプレス軸Pと直交方向となるように埋め込みホットプレスを実施した。
【0026】
ホットプレス温度Tは、前記窒化珪素を主体とする焼結材料102の組成において、ほぼ100%緻密化が進行する1700℃とし、雰囲気として窒素ガスを使用した。ホットプレスの加圧開始温度(図5のT1)および加圧解除温度(図5のT2)は、ホットプレス温度Tの約80%の1400℃とした(図6参照)。
【0027】
孔形成部材104の材料として、図7に示す6種類の高融点金属を用いた。これら各高融点金属材料の融点(M)およびこれらの融点(M)とホットプレス温度(T)の比(M/T)、各金属の線膨張係数(E2)およびこれらの線膨張係数(E2)と焼結材料2としての窒化珪素の線膨張係数(E1)との比(E2/E1)は、図7に示す表のとおりである。なお、窒化珪素の線膨張係数(E1)は3.20E−06である。また、孔形成部材104の形状は全長に亘り同一径であり、その寸法は、φ0.8mm×10mmとした。
【0028】
前記窒化珪素を主体とする焼結材料102に、6種類の金属材料から成る孔形成部材104をそれぞれ埋め込んでホットプレスを実施した後、水中超音波洗浄を行うことにより、孔形成部材104が焼結体102Bから抜け出すか否かにより孔形成の可否を判断した。その結果を、前記図7に示す表の最後の欄に示す。この実験の結果、タングステン、タンタル、モリブデンを材料とした孔形成部材104は、すべて窒化珪素の焼結体102Bから抜け出して孔106が形成された。一方、パナジウム、クロム、ジルコニウムを材料とした孔形成部材104の場合は、いずれも焼結体102Bから抜け出さず、孔106が形成されなかった。孔106が形成されなかったこれら3種の金属は、ホットプレス温度(T)に対して融点(M)がさほど高くない(融点(M)がホットプレス温度(T)のほぼ1.1倍)点が共通している。
【0029】
第1の実験の(2)は、焼結材料102として窒化アルミを用いてホットプレスを実施したものである。この焼結材料102は、窒化アルミ粉体に、焼成助剤としてイットリア4重量%を混合し、湿式混合の後乾燥させて原料粉を得た。この焼結材料102中に、図8に示す各種金属から成る孔形成部材104を、ホットプレス軸Pと直交する方向に埋め込んでホットプレスを実施した。ホットプレス温度(T)は、この焼結材料102の組成において、ほぼ100%緻密化が進行する1650℃とし、ホットプレスの加圧開始温度(T1)および加圧解除温度(T2)は、ホットプレス温度(T)の約80%の1400℃とした(図6参照)。なお、窒化アルミの線膨張係数(E1)は、4.00E−06である。また、雰囲気としては窒素ガスを使用した。孔形成部材104の形状、寸法は、窒化珪素を用いた前記実験(1)の場合と同様に、φ0.8×10mmとした。
【0030】
前記組成の窒化アルミを焼結材料102とし、前記6種の金属材料から成る孔形成部材104を焼結材料102中に埋め込んでホットプレスを実施した後、水中超音波洗浄を行うことにより、孔形成部材104が抜け出すか否かにより孔形成の可否を判断した。その結果を、前記図8に示す表の最後の欄に示す。この実験の結果、タングステンの孔形成部材104は、一部(4/10)が焼結体102Aから抜け出して孔106が形成されたが、残り(6/10)は抜け出さず、孔106が形成されなかった。タングステンの場合は、線膨張係数(E2)が窒化アルミの線膨張係数(E1)とさほど差がなかったことが原因と考えられる。また、タンタル、モリブデンを材料とした孔形成部材104は、すべて窒化アルミを主体とする焼結体102Bから抜け出して孔106が形成された。一方、パナジウム、クロム、ジルコニウムを材料とした孔形成部材104は、いずれも焼結体102Bから抜け出さず、孔106が形成されなかった。孔106が形成されなかったこれら3種の金属は、ホットプレス温度(T)に対して融点(M)がさほど高くない(融点(M)がホットプレス温度(T)のほぼ1.1倍ないし1.2倍)点が共通している。
【0031】
次に、第1の実験の(3)として、焼結材料102にアルミナを用いてホットプレスを実施した。この実験ではアルミナの粉体に、図9に示す各種金属から成る孔形成部材104を、ホットプレス軸Pと直交する方向に埋め込んでホットプレスを行った。この実験では、前記窒化珪素の場合(図7参照)および窒化アルミの場合(図8参照)と同様の6種の金属に加えてチタンおよび純鉄から成る孔形成部材104についても実験を行った。ホットプレス温度(T)は、前記焼結材料102の組成において、ほぼ100%緻密化が進行する1300℃とし、ホットプレスの加圧開始温度(T1)および加圧解除温度(T2)は、ホットプレス温度(T)の約80%の1000℃とした。雰囲気としてはアルゴンを使用した。なお、アルミナの線膨張係数(E1)は、8.00E−06である。また、孔形成部材104の寸法は、前記実験(1)および(2)の場合と同様に、φ0.8×10mmである。
【0032】
この実験(3)では、ホットプレス後の水中での超音波洗浄によっては、すべての金属材料から成る孔形成部材104が焼結体102Bから抜け出さず、焼結体102Bの端部に孔106が形成されなかった。
【0033】
また、第1の実験の(4)として、焼結材料102にジルコニアを用いてホットプレスを実施した。この実験では、ジルコニア粉体にイットリア5.2重量%を混合し、湿式混合の後乾燥させ、原料粉を得た。このジルコニアを主体とする焼結材料102中に、図10に示す各種金属から成る孔形成部材104を、ホットプレス軸Pと直交する方向に埋め込んでホットプレスを実施した。この実験でも、前記アルミナを焼結材料102とした実験(3)と同様の8種の金属により孔形成部材104を形成した。ホットプレス温度(T)は、この焼結材料102の組成において、ほぼ100%緻密化が進行する1400℃とし、ホットプレスの加圧開始温度(T1)および加圧解除温度(T2)は、ホットプレス温度(T)の約80%の1100℃とした。なお、ジルコニアの線膨張係数(E1)は、9.20E−06である。また、雰囲気としてはアルゴンを使用した。孔形成部材104の寸法は、窒化珪素を用いた前記実験(1)の場合と同様に、φ0.8×10mmとした。
【0034】
この実験(4)では、図10の右端の欄に示すように、ホットプレス後の水中での超音波洗浄によっては、すべての金属の孔形成部材104が焼結体102から抜け出さず、焼結体102の端部に孔106が形成されなかった。
【0035】
前記第1の実験の(1)ないし(4)の結果(図7ないし図10参照)から、孔形成部材104を形成する各金属の線膨張係数(E2)が、焼結材料102の線膨張係数(E1)よりも小さい場合は、すべて焼結体102Bに孔106が形成されなかった。また、前記各金属の融点(M)が、ホットプレス温度(T)の1.3倍未満の場合にも、すべて焼結体102Bに孔106が形成されなかった。従って、高融点金属から成る孔形成部材104の線膨張係数(E2)が、焼結材料102の線膨張係数(E1)よりも大きく、しかも、孔形成部材104の融点(M)が、ホットプレス温度(T)に対して1.3倍以上高い材料を選択することにより、ホットプレス後に水中での超音波洗浄を行うと、孔形成部材104が焼結体102Bから脱落して孔106が形成されることがこれらの実験によって確認された。
【0036】
次に、第2の実験として、孔形成部材140の形状を図11のように変更して、第1の実験と同様の方法を実施した。孔形成部材140は、図11に示すように、テーパ形状であり、全長が10mm、大径側の外径がφ1.0mmで1/10テーパになっている。この形状の孔形成部材140を、前記大径側(図11の左端)を焼結材料102の外側に向けて埋め込んでホットプレスを実施した。第2の実験における焼結用の無機材料102および孔形成部材140の材料である高融点金属の種類は、前記第1の実験と同じであり、焼結材料102の粉体の製造方法も同一である。前記孔形成部材140を用いて、図6に示す4種類の焼結用無機材料102について、第1の実験と同様に(1)ないし(4)の実験を行った。
【0037】
前記第2の実験の(1)ないし(4)の結果を、図12ないし図15にそれぞれ示す。第2の実験の結果は、前記第1の実験結果とほぼ同様であったが、一部のケースで、第1の実験の結果と比較して孔形成部材140の除去が容易になる傾向が認められた。これは、孔形成部材140に抜き勾配が設けられたため、抜けやすくなったものと考えられる。
【0038】
次に、第3の実験として、ホットプレスの加圧解除温度(T2)が、孔形成部材104の除去され易さに影響を与えるか否かを検討するために、ホットプレス加圧解除温度(T2)を変化させた実験を行った。この第3の実験では、図16に示すように、焼結用無機材料102として窒化珪素および窒化アルミの二種類についてだけ実験を行った。ホットプレス温度(T)は、前記第1の実験と同じであり、窒化珪素が1700℃、窒化アルミが1650℃である。また、ホットプレス加圧開始温度(T1)は、いずれも1400℃とした。
【0039】
前記焼結材料102内に、図17(焼結材料102が窒化珪素の場合)および図18(焼結材料102が窒化アルミの場合)に示す6種類の高融点金属により製作された孔形成部材104を、ホットプレス軸方向Pと直角方向に埋め込んでホットプレスを実施した。孔形成部材104の形状は前記第1の実験と同様に全長に亘り同一径とする。以上の試料により、ホットプレス除荷温度(T2)を、前記図17および図18に示すように、1400℃、1700℃、1000℃、850℃および600℃の五段階に設定してホットプレスを実施した。
【0040】
この第3の実験でも、ホットプレス実施後に水中で超音波洗浄を行ったことにより孔形成部材104が焼結体102Bから抜け出したか否かにより、ホットプレス加圧解除温度(T2)が孔形成部材104の除去性に影響があったか否かを判断した。その結果は、前記図17および図18の右端の欄に示すとおり、ホットプレス加圧解除温度(T2)が600℃の場合、つまりホットプレス温度(T)の1/2よりも大幅に低い場合には、孔形成部材104が脱落し難くかったが、ホットプレス温度(T)の1/2を下まわらなければ、孔形成部材104の除去性に差はみられなかった。なお、最高温度(ホットプレス温度T)で除荷した場合が良い結果を示しているが、内蔵部材との密着性が問題とされるようなケースでは、加圧解除温度(T2)はある程度低い方が望ましい。従って、ホットプレス温度(T)に対して1/2までの範囲で加圧解除温度(T2)を選択すればよいと考えられる。
【0041】
さらに、第4の実験として、孔形成部材104に予め離型材を塗布しておいた場合の、焼結体102Bからの抜け出し易さについての確認をした。この実験では、焼結用無機材料102として、前記第3の実験と同じ窒化珪素および窒化アルミを用い、孔形成部材104は、図19および図20に示す高融点金属により製作した。この孔形成部材104の表面にBN(ボロンナイト)パウダーを主成分とする離型材を予め塗布しておく。この離型材を塗布した孔形成部材104と、表面が無処理の孔形成部材104をそれぞれ、前記焼結材料102内に、ホットプレス軸Pと直交する方向に埋め込んでホットプレスを実施した。その後、水中で超音波洗浄を行い、孔形成部材104が抜け出したか否かを判断した。
【0042】
その結果は、図19および図20の右端の欄に示すとおりであり、一部の組み合わせにおいて、離型材を塗布した方が孔形成部材104の除去が容易になるという効果が得られた。すなわち、焼結材料102が窒化アルミで孔形成部材104がタングステンの場合に、孔形成部材104の表面が無処理であると、一部(6/10)の試料が抜け出さなかったが、表面に離型剤を塗布した場合には、すべての孔形成部材104が抜け出して、焼結体102Bの端部に孔106が形成された。
【0043】
以上の第1ないし第4の実験の結果、孔成型部材104の基本的な要件として、線膨張係数(E2)が焼結材料102の線膨張係数(E1)よりも大きい金属を選択すること、および、ホットプレス温度(T)に対して融点(M)が1.3倍以上高い高融点金属を選択することが必要であることが確認された。この要件を満たす高融点金属で孔形成部材104、140を製作し、この孔形成部材104、140を焼結材料102中に、ホットプレスの軸方向Pと直交する方向に埋め込み、ホットプレスを実施すると、ホットプレス後の水中での超音波洗浄によって孔形成部材104、140が脱落して焼結体102Bに孔106が形成される。
【0044】
前記孔形成部材104、140の形状は、円柱状または焼結材料102中に埋め込まれた状態で外部に向かって次第に径が大きくなるテーパ形状とし、長さは、前記各実験の試料では、円柱状の場合にはφ0.8×10mmの寸法のものを用いたが、少なくとも形成する孔106の径に対し20倍を下まわるものとすることが望ましい。
【0045】
また、製造工程の要件としては、ホットプレスの加圧解除温度(T2)を、ホットプレス温度(T)に対して50%以上のポイントとする。前記条件でホットプレスを実施した焼結体102Bを、水中で超音波洗浄を行うことにより、ホットプレス焼結体102Bの端部から孔形成部材104、140が確実に抜け出し、抜け出した後に孔106が形成される。さらに、孔形成部材104、140の表面に離型材のコーティングをすることにより、孔形成部材104、140の除去が容易になることも明らかになった。
【0046】
なお、前記実験結果では、セラミックス焼結用の無機材料102として窒化珪素、または窒化アルミを、そして、孔形成部材104、140の材料としてタングステン、タンタル、モリブデンの三種の高融点金属を選択し組み合わせた場合には、確実に孔形成部材104、140が脱落して焼結体102Bの端部に孔106が形成されたが、これらの材料としては、前記組み合わせだけに限定されるものではなく、「焼結材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度に対して融点が1.3倍以上高い孔形成部材の材料」という条件を満たす焼結材料102と孔形成部材104、140の材料を組み合わせれば、同様の結果が得られるものと考えられる。
【0047】
また、前記実施の形態では、ホットプレス焼結体102Bを得た後、水中での超音波洗浄により孔形成部材104、140を除去するようにしたが、例えば、前記焼結体102Bに単に振動を与えること、または、超音波振動を与えること等によっても孔形成部材104、140を除去できると考えられる。また、王水等の酸中で超音波洗浄を行えば、より効果的に焼結体102Bから孔形成部材104、140を除去することができる。
【0048】
前記実施の形態では、一般的なホットプレス焼結体102Bの端部に、簡単な方法で、しかも低コストで孔106を形成することができる孔形成方法について説明したが、このようなホットプレス焼結体102Bの孔形成方法を、グロープラグの発熱体として用いられるセラミックスヒータにも適用することができる。次に、このようなセラミックスヒータ型グロープラグに適用した場合について説明する。
【0049】
図21は、前記方法により端面に孔(電極取り出し金具取付け孔)を開けたセラミックスヒータを、発熱体として備えたセラミックスヒータ型グロープラグを示す縦断面図である。このセラミックスヒータ型グロープラグ(全体として符号1で示す)の構成について簡単に説明する。このグロープラグ1のハウジング2はほぼ円筒状をしており、その内部孔4の右端部側に、セラミックスヒータ6がロウ付けにより接合された金属製外筒8が挿入され、この金属製外筒8の外周面の一部が圧入またはロウ付け等によりこのハウジング2に固定されている。
【0050】
セラミックスヒータ6は、その本体部を構成するセラミックス絶縁体62の内部に、高融点金属(例えばタングステン(W)等)をコイル状にした発熱線(発熱体)64が埋め込まれた発熱部6aを有しており、この発熱部6aが、前記金属製外筒8の先端8aから外部へ突出するとともに、この発熱部6aから遠い側の端面6bが金属製外筒8の内部に位置している。なお、この実施の形態では、発熱体6aを高融点金属としているが、導電性セラミックスやシート状の発熱体等にしても良く、導電性セラミックスの発熱体の一部を絶縁性セラミックスから露出させる等、セラミックヒータ6は、絶縁性セラミックスと発熱体としての無機導電体とを複合して形成したものであればよい。
【0051】
前記セラミックスヒータ6の内部に埋め込まれたコイル状発熱線64の一方の端部(正極側のリード)64aが、セラミックスヒータ6の前記端面6b側に伸びており、セラミックスヒータ6の内部で電極取り出し金具12の一端12aに接続されている。一方、他方の端部(負極側のリード)64bが、金属製外筒8の内部側でセラミックス絶縁体62の外面に露出して金属製外筒8の内面にロウ付けにより電気的に接続されている。
【0052】
前記電極取り出し金具12の一端12aをセラミックスヒータ6の正極側リード64aに接続する場合には、セラミックスヒータ6の前記端面6bに電極取り出し金具取付け孔106を形成し、この電極取り出し金具取付け孔106内に前記正極側リード64aの側面を露出させておく。そして、この電極取り出し金具取付け孔106内に電極取り出し金具12の先端部12aを挿入し、ロウ付け(例えば銀ロウ材によるロウ付け)することにより、セラミックスヒータ6の正極側リード64aと電極取り出し金具12とを電気的に接続する。
【0053】
前記のように銀ロウ付けを行って、絶縁性セラミックス62の内部に埋設されたコイル状発熱線64の正極側リード64aに電極取り出し金具12が接続されるとともに、その外周面に金属製外筒8が接合されたセラミックスヒータ6が、シリンダヘッドへの取付金具となる筒状のハウジング2内に、挿入されて固定される。
【0054】
前記電極取り出し金具12の正極側リード64aに接続された端部12aと逆の端部12bには、外部接続端子18の一端18aが接合されており、この外部接続端子18の他端のねじ部18bが前記ハウジング2の内部孔4の大径部4cから外部に突出している。この外部接続端子18のねじ部18bの外周にシール部材20および絶縁ブッシュ22が嵌合されて、前記大径部4c内に挿入されている。さらにその外側からナット24を外部接続端子18の締め付けねじ部18bに締結し固定している。
【0055】
以上の構成に係るグロープラグ1に設けられているセラミックスヒータ6は、前記孔形成方法により、金属製外筒8の内部側に位置している端部に孔(電極取り出し金具取付け孔)106が形成されている。セラミックスヒータ6の端部に取付け孔106を形成する場合には、図1と同様に上下二つの焼結用無機材料102の間に、発熱線64を配置し、その正極側リード64aを発熱線64と逆の端部まで延ばし、その正極側リード64aの先端と孔形成部材104とを接触させた状態にするとともに、孔形成部材104の端面を焼結材料102の端面に露出させた状態で挟み込む。この孔形成部材104の方向がホットプレスの軸方向に対し直交する方向である。
【0056】
セラミックスヒータ6を成形するための焼結用無機材料102と、取付け孔形成部材104の高融点金属材料は、前記各実験結果から得られた最も孔106の形成されやすい材料を選択する。すなわち、焼結材料102として窒化珪素または窒化アルミ、孔形成部材104の材料としての高融点金属にタングステン、タンタル、モリブデン等を選択する。
【0057】
前記焼結材料102および孔形成部材104に対し、図5に示すホットプレスパターンによりホットプレス加圧を行う。その後、水中で超音波洗浄を行うことにより孔形成部材104が脱落して、焼結体102B(セラミックスヒータ6)に電極取り出し金具取付け孔106が形成される。この取付け孔106内に電極取り出し金具12の端部12aを挿入しロウ付けにより、正極側リード64aの端部と電極取り出し金具12の端部12aとを電気的に接続する。
【0058】
なお、前記材料の組み合わせでは、前記実験結果の通り、焼結後の超音波洗浄によって確実に電極取り出し金具取付け孔106が形成されるが、前記材料のみに限定されるものではなく、「焼結材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度に対して融点が1.3倍以上高い孔形成部材の材料」という条件を満たす組み合わせであればよいことは勿論である。
【0059】
以上説明したように本発明によれば、ホットプレス焼結材料中に、高融点金属からなる孔形成部材を、ホットプレス軸方向とほぼ直角方向に埋め込み、ホットプレスを行った後、前記孔形成部材を除去することにより、ホットプレス焼結体に孔を形成する方法において、前記孔形成部材として、前記焼結材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度(摂氏温度)に対して融点が1.3倍以上高い材料を選択して、前記ホットプレスを行った後、このホットプレス焼結体に振動を与えることにより、前記孔形成部材を除去して焼結体に孔を形成するようにしたので、ホットプレス焼結体に埋め込んだ孔形成部材を簡単に除去することができ、従って、ホットプレス焼結体に、簡単にかつ低コストで孔を形成することができる。また、従来の王水で溶解することにより高融点金属の孔形成部材を除去する方法と比べて、作業環境やコスト面で有利である。
【0060】
また、請求項9に記載の発明方法では、セラミックスヒータの発熱部と逆の端面に電極取り出し金具取付け孔を形成し、この取付け孔内に電極取り出し金具の一端を挿入して、この電極取り出し金具とセラミックスヒータの発熱体の一方の極とを接続するセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法において、ホットプレス焼結材料の端部に、この材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度(摂氏温度)に対して融点が1.3倍以上の材料からなる孔形成部材を、ホットプレスの軸方向とほぼ直角方向に埋め込み、ホットプレスを行った後、この焼結体に振動を与えて前記孔形成部材を除去することにより、前記セラミックスヒータの端部に電極取り出し金具取付け孔を形成するようにしたことにより、ホットプレス焼結体に埋め込んだ孔形成部材を簡単に除去することができ、従って、セラミックスヒータの端部に簡単かつ低コストで電極取り出し金具接続用の取付け孔を形成することができ、また、従来の王水で溶解することにより高融点金属の孔形成部材を除去する方法と比べて、作業環境やコスト面で有利である。さらに、内部に埋め込まれた発熱体やリードあるいは焼結体(セラミックスヒータ)等を損傷するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るホットプレス焼結体の孔形成方法の第1の工程を示す斜視図である。
【図2】前記孔形成方法の第2の工程を示す斜視図である。
【図3】前記孔形成方法の第3の工程を示すもので、図(a)は斜視図、図(b)は平面図である。
【図4】前記孔形成方法の第4の工程を示すもので、図(a)は斜視図、図(b)は平面図である。
【図5】ホットプレスパターンを示すグラフである。
【図6】第1および第2の実験に用いた焼結材料のホットプレス条件を示す表である。
【図7】第1の実験を窒化珪素を焼結材料として行った場合の、窒化珪素と高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図8】第1の実験を窒化アルミを焼結材料として行った場合の、窒化アルミと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図9】第1の実験をアルミナを焼結材料として行った場合の、アルミナと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図10】第1の実験をジルコニアを焼結材料として行った場合の、ジルコニアと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図11】第2の実験に用いた孔形成部材の形状を示す図である。
【図12】第2の実験を窒化珪素を焼結材料として行った場合の、窒化珪素と高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図13】第2の実験を窒化アルミを焼結材料として行った場合の、窒化アルミと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図14】第2の実験をアルミナを焼結材料として行った場合の、アルミナと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図15】第2の実験をジルコニアを焼結材料として行った場合の、ジルコニアと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図16】第3の実験に用いた焼結材料のホットプレス条件を示す表である。
【図17】第3の実験を窒化珪素を焼結材料として行った場合の、窒化珪素と高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図18】第3の実験を窒化アルミを焼結材料として行った場合の、窒化アルミと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図19】第4の実験を窒化珪素を焼結材料として行った場合の、窒化珪素と高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図20】第4の実験を窒化アルミを焼結材料として行った場合の、窒化アルミと高融点金属の融点および線膨張係数と、実験の結果を示す表である。
【図21】請求項9に記載した方法により製造したセラミックスヒータ型グロープラグの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
P ホットプレス軸方向
6 セラミックスヒータ
6a セラミックスヒータの発熱部
12 電極取り出し金具
12a 電極取り出し金具の先端
64 発熱体(発熱線)
64a セラミックスヒータの発熱体の一方の極(正極側リード)
102 焼結材料
102B ホットプレス焼結体
104 孔形成部材
106 孔(電極取り出し金具取付け孔)

Claims (9)

  1. ホットプレス焼結材料中に、高融点金属からなる孔形成部材を、ホットプレス軸方向とほぼ直角方向に埋め込み、ホットプレスを行った後、前記孔形成部材を除去することにより、ホットプレス焼結体に孔を形成する方法において、
    前記孔形成部材として、前記焼結材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度(摂氏温度)に対して融点が1.3倍以上高い材料を選択して、前記ホットプレスを行った後、このホットプレス焼結体に振動を与えることにより、前記孔形成部材を除去して焼結体に孔を形成することを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  2. 請求項1に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、
    ホットプレスを行った後の前記ホットプレス焼結体に超音波振動を与えることにより前記孔成形部材を除去することを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  3. 請求項1に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、
    ホットプレスを行った後の前記ホットプレス焼結体に超音波洗浄を行うことにより前記孔成形部材を除去することを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  4. 請求項3に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、
    ホットプレスを行った後の前記ホットプレス焼結体に酸中で超音波洗浄を行うことにより前記孔成形部材を除去することを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、
    孔形成部材を、全体に亘りほぼ同一径の円柱形状としたことを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、
    孔形成部材を、埋設された焼結材料の外部に向かって径が拡大するテーパ形状としたことを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、
    ホットプレスにおける加圧解除温度を、ホットプレス温度(摂氏温度)の50%以上にしたことを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  8. 請求項5または請求項6に記載のホットプレス焼結体の孔形成方法において、
    前記孔形成部材の表面に予め離型材を塗布したことを特徴とするホットプレス焼結体の孔形成方法。
  9. セラミックスヒータの発熱部と逆の端面に電極取り出し金具取付け孔を形成し、この取付け孔内に電極取り出し金具の一端を挿入して、この電極取り出し金具とセラミックスヒータの発熱体の一方の極とを接続するセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法において、
    ホットプレス焼結材料の端部に、この材料よりも線膨張係数が大きく、かつ、ホットプレス温度(摂氏温度)に対して融点が1.3倍以上の材料からなる孔形成部材を、ホットプレスの軸方向とほぼ直角方向に埋め込み、ホットプレスを行った後、この焼結体に振動を与えて前記孔形成部材を除去することにより、前記セラミックスヒータの端部に電極取り出し金具取付け孔を形成することを特徴とするセラミックスヒータ型グロープラグの製造方法。
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