JP4700359B2 - 熱交換器用チューブの製造方法 - Google Patents

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この発明は、ろう付によって製作されるアルミニウム熱交換器の構成部材として用いられ、特に耐食性、耐圧強度を要求される熱交換器の構成部材として好適に用いられる熱交換器用チューブおよびその製造方法に関する。さらに、この熱交換器用チューブを用いた熱交換器およびその製造方法に関する。
従来から自動車用熱交換器であるコンデンサにおいては1000系アルミニウムからなる押出チューブが用いられている。その中で、コンデンサでは内圧が加わるために、薄肉化を実現しようとすれば高強度のチューブが必要となる。また、代替フロンの規制のために採用されようとしているCO2を冷媒とした熱交換器においても、高温強度を有するチューブが必要となる。このため、従来の1000系アルミニウムからなる押出チューブに代えて、3000系アルミニウム合金を用いた押出チューブが検討されている(特許文献1,2,3参照)。
特開2001−207231号公報 特開平9−170039号公報 特開2001−26832号公報
しかしながら、上記特許文献に記載されたアルミニウム合金からなる押出チューブでは、Cu含有量が多いために粒界腐食が発生しやすいという問題あった。このため、強度と耐食性を兼ね備えた押出チューブが求められている。
この発明は、上記のような技術的背景に鑑みてなされたものであって、Cu含有量を少なくすることで、粒界腐食感受性を低くして耐食性を高め、かつ、高強度な熱交換器用チューブおよびその製造方法を提供するものである。さらに、この熱交換器用チューブを用いた熱交換器およびその製造方法を提供するものである。
即ち、本発明の熱交換器用チューブは下記〔1〕〜〔8〕に記載の構成を有する。
〔1〕 フィンがろう付される熱交換器用チューブであって、Mn:1.2〜1.8質量%、Cu:0.1〜0.2質量%、Fe:0.3〜0.5質量%、Si:0.05〜0.2質量%およびTi:0.05〜0.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金によって構成されていることを特徴とする熱交換器用チューブ。
〔2〕 ろう付相当の加熱処理後において、平均結晶粒径が200μm以下である前項1に記載の熱交換器用チューブ。
〔3〕 ろう付相当の加熱処理後において、最大結晶粒径が500μm以下である前項1または2に記載の熱交換器用チューブ。
〔4〕 ろう付相当の加熱処理前において、3%以下または20%以上のひずみが与えられた前項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブ。
〔5〕 表面にZn溶射またはAl−Zn溶射による犠牲腐食層を備えた前項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブ。
〔6〕 前記アルミニウム合金におけるMn量が1.3〜1.65質量%である前項1〜5のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブ。
〔7〕 前記アルミニウム合金におけるCu量が0.12〜0.18質量%である前項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブ。
〔8〕 前記アルミニウム合金におけるSi量が0.07〜0.18質量%である前項1〜7のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブ。
本発明の熱交換器用チューブの製造方法は下記〔9〕〜〔13〕に記載の構成を有する。
〔9〕 Mn:1.2〜1.8質量%、Cu:0.1〜0.2質量%、Fe:0.3〜0.5質量%、Si:0.05〜0.2質量%およびTi:0.05〜0.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金ビレットを押出してチューブ素材を成形し、このチューブ素材に3%以下または20%以上のひずみを付与することを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
〔10〕 前記チューブ素材を長手方向に引っ張ることよりひずみを付与する前項9に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
〔11〕 前記チューブ素材を長手方向と垂直な断面方向に押さえ付けることによりひずみを付与する前項9に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
〔12〕 前記ビレットに対し、550〜620℃で4〜48時間の均熱処理を行う前項9〜11のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
〔13〕 前記チューブ素材の表面にZn溶射またはAl−Zn溶射を行う前項9〜12のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
また、本発明の熱交換器は下記〔14〕〔15〕に記載の構成を有する。
〔14〕 前項1〜8のいずれか1項に記載された熱交換器用チューブとフィンとを交互に重ねて配置するとともに、前記熱交換器用チューブにヘッダータンクを連結した状態でコア部がろう付された熱交換器であって、前記熱交換器用チューブの平均結晶粒径が200μmm以下となされていることを特徴とする熱交換器。
〔15〕 前項1〜8のいずれか1項に記載された熱交換器用チューブとフィンとを交互に重ねて配置するとともに、前記熱交換器用チューブにヘッダータンクを連結した状態でコア部がろう付された熱交換器であって、前記熱交換器用チューブの最大結晶粒径が500μm以下となされていることを特徴とする熱交換器。
本発明の熱交換器の製造方法は下記〔16〕〔17〕に記載の構成を有する。
〔16〕 前項1〜8のいずれか1項に記載された熱交換器用チューブとフィンとを交互に重ねて配置するとともに、前記熱交換器用チューブにヘッダータンクを連結してコア部を仮組みし、加熱することにより、熱交換器用チューブ、フィンおよびヘッダータンクをろう付することを特徴とする熱交換器の製造方法。
〔17〕 ろう付加熱時の昇温速度を40℃/min以上とする前項16に記載の熱交換器の製造方法。
〔1〕の発明にかかる熱交換器用チューブは、所定のアルミニウム合金により構成されたチューブであり、Cu含有量が抑制されていることで耐食性に優れ、かつ高温強度に優れている。
〔2〕〔3〕〔4〕の各発明にかかる熱交換器用チューブは、特に耐食性および高温強度に優れている。
〔5〕の発明にかかる熱交換器用チューブは、特に耐食性に優れている。
〔6〕の発明にかかる熱交換器用チューブは、特に高温強度に優れている。
〔7〕の発明にかかる熱交換器用チューブは、特に耐食性および高温強度に優れている。
〔8〕の発明にかかる熱交換器用チューブは、特に高温強度に優れている。
〔9〕の発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、ろう付加熱後に平均結晶粒径が200μm以下の結晶粒、あるいは最大結晶粒径が500μm以下の結晶粒を形成させ、耐食性および強度に優れた熱交換器用チューブを製造することができる。
〔10〕〔11〕の各発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、適正な量のひずみを付与できる。
〔12〕の発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、ろう付後に形成される結晶粒を小さくして耐食性および高温強度に優れた熱交換器用チューブを製造できる。
〔13〕の発明にかかる熱交換器用チューブ製造方法によれば、特に優れた耐食性を有する熱交換器用チューブを製造できる。
〔14〕〔15〕の各発明にかかる熱交換器は、上述した熱交換器用チューブを用いたことで耐食性および高温強度に優れたものである。
〔16〕の発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、上述した熱交換器用チューブを用いたことで耐食性および高温強度に優れた熱交換器を製造できる。
〔17〕の発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、特に耐食性および高温強度に優れた熱交換器を製造できる。
本発明の熱交換器用チューブは、フィンがろう付によって接合されるものであり、チューブを構成するアルミニウム合金組成を規定することにより耐食性および強度を確保し、さらに耐食性および強度に関与するろう付相当の加熱後の結晶状態、または再結晶の駆動力となる加熱前のひずみ量を規定するものである。なお、本発明におけるろう付相当の加熱処理とは、580〜620℃の温度範囲で1〜20分保持する処理である。
熱交換器用チューブの形状は何ら限定されないが、図2に示すような多穴扁平管(2)を例示できる。
熱交換器用チューブを構成するアルミニウム合金組成において、Mn,Cu,Fe,Si,Tiの添加意義と含有量を限定する理由を以下に説明する。
Mnは、チューブの高温強度に影響を及ぼす元素であり、その含有量を1.2〜1.8質量%とする必要がある。Mn量が1.2質量%未満ではその効果を得ることができず、1.8質量%を越える範囲では粗大な金属間化合物が生成して加工性が悪くなるためである。好ましいMn量は1.3〜1.65質量%である。
Cuは、高温強度と耐食性に影響を及ぼす元素であり、その含有量を0.1〜0.2質量%とする必要がある。Cu量が0.1質量%未満では高温強度を得ることができず、0.2質量%を越える範囲では粒界腐食が発生し易くなって耐食性が低下するためである。好ましいCu量は0.12〜0.18質量%である。
Feは、高温強度と耐食性に影響を及ばす元素であり、その含有量を0.3〜0.5質量%とする必要がある。Fe量が0.3質量%未満では高温強度を得ることができず、0.5質量%を越える範囲ではチュ一ブの耐食性が悪くなるためである。好ましいFe量は0.35〜0.45質量%以下である。
Siは、Mnの固溶度を減少させる元素であり、その含有量を0.05〜0.2質量%とする必要がある。Si量が0.05質量%未満では母合金として高度に精製された良好な鋳塊を用いる必要があって不経済であり、0.2質量%を越える範囲で添加すると高温強度を低下させるおそれがあるためである。好ましいSi量は0.07〜0.18質量%である。
Tiは、耐食性に影響を及ぼす元素であり、その含有量を0.05〜0.2質量%とする必要がある。Ti量が0.05質量%未満ではその効果が発揮されず、0.2質量%を越える範囲では粗大な金属間化合物を形成するために成形性が悪くなるためである。好ましいTi量は0.07〜0.18質量%である。
ろう付相当の加熱処理後の平均結晶粒径と最大結晶粒径を限定する理由を以下に説明する。
結晶粒径は強度に影響する因子であり、結晶粒は小さい方が強度、特に高温強度は良好である。平均結晶粒径が200μmを越える範囲では十分な高温強度を得ることができず、また、最大結晶粒径が500μmを越える範囲ではチューブ板厚方向に深い粒界腐食が発生しやすくなって耐食性が悪くなる。好ましい平均結晶粒径は5〜100μmであり、好ましい最大結晶粒径は10〜200μmである。結晶粒の平均結晶粒径または最大結晶粒径のいずれか一方が上記範囲内であれば、確実に高温強度を得ることができる。
ろう付相当の加熱前において、チューブに存在するひずみ量を限定する理由を以下に説明する。
ろう付相当の加熱処理前にチューブに存在するひずみ量は再結晶の駆動力となる。ひずみ量が3%を越え20%未満のひずみ量では、加熱後に結晶粒が粗大化してしまい、高温強度、高耐食性を確保することが困難であるため、3%以下または20%以上のひずみ量を推奨できる。好ましいひずみ量は2%以下もしくは、30%以上である。また、ひずみ量が0%のチューブにおいては、押出時の細かい結晶粒がひずみによる再結晶のための駆動力が付与されていないために細かいまま維持され、高温強度、高耐食性が得られる。このため、本願発明においてはひずみ量が0%の場合も含んでいる。
また図2に示すように、本発明の熱交換器用チューブは、チューブ素材(2a)の表面に犠牲腐食層(10)を形成する場合は、Zn溶射もしくはAl−Zn溶射を行う必要がある。Zn溶射を行う場合は、Znの付着量を2g/m2以上20g/m2以下とすることが好ましい。Al−Zn溶射を行う場合は、溶射層厚さを5μm以上50μm以下とすることが好ましい。またAl−Zn溶射による溶射層中のZn組成は0.01質量%以上6質量%以下が好ましい。
本発明の熱交換器用チューブ(2)は、例えば上記合金組成のビレットを所要形状に押し出してチューブ素材(2a)を作製し、このチューブ素材(2a)にひずみを付与することによって作製することができる。あるいはさらに前記チューブ素材(2a)の表面にZn溶射またはAl−Zn溶射を行うことによって作製することができる。
チューブ素材(2a)にひずみを付与する方法は限定されない。チューブに所期する量のひずみを与える方法として、チューブ素材(2a)を長手方向に引っ張る方法やチューブ素材(2a)を断面方向に押さえ付ける方法を例示できる。長手方向に引っ張る場合は、例えば巻き出しコイルに巻かれたチューブ素材(2a)を、巻き出しコイルにブレーキをかけながら巻き取りコイルに巻き取ることにより、走行中のチューブ素材(2a)に引張力を加えてひずみを付与する方法を挙げ得る。また、断面方向に押さえ付ける場合は、例えば走行中のチューブ素材(2a)を上下ローラーで挟んで圧下する方法を挙げ得る。ひずみ付与が目的であるから、駆動式の圧延ロールを用いる必要はなく、簡易なローラーで所定量圧下できれば良い。これらのひずみ付与方法は、いずれも長尺のチューブ素材(2a)を定尺に切断する工程に組み入れた連続処理が可能である。勿論、定尺に切断後にひずみ付与を行うこともできる。また、ひずみ付与は同じ方法を多段階で行って良いし、複数の方法を組み合わせても良い。
また、押出前のビレットの均熱条件は再結晶に影響する因子であり、550℃未満では均質化処理が十分では無く、620℃を越える範囲では高温であるため炉の温度管理が困難であり不経済である。均熱時間は4時間未満では均質化処理が十分では無く、48時間を越える範囲では不経済である。従って、本発明においてはビレットの均熱条件として550〜620℃で4〜48時間の均熱処理を推奨できる。特に好ましい均熱条件は570〜615℃で6時間〜36時間である。
犠牲腐食層(10)を形成するためのZn溶射またはAl−Zn溶射の方法は特に限定されるものではないが、好ましくはアーク溶射を用いるのが良い。例えばアーク溶射機の溶射ガンをチューブ素材(2a)に対して走査する方法や、溶射ガンを固定し、走行中のチューブ素材(2a)に溶射する方法が採用される。また、押出ダイスの直後に溶射ガンを配置しておき、押出と溶射とを連続的に行う方法等を採用することができる。特に押出と溶射とを連続して行う場合には、チューブが高温であるために溶射材料の密着性が良く、生産効率も良い。上述したひずみ付与は溶射後に行えば良い。また、前記犠牲腐食層(10)は、チューブ素材(2a)の片面のみに形成しても良く、図示例のように上下両面に形成するようにしても良い。溶射処理条件は、一般的な溶射条件に従えば良い。かかる溶射は、チューブ素材(2a)の表面に形成される犠牲腐食層(10)の酸化を可及的に防止するために、窒素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気で行うのが良い。なお、本発明は、溶射工程とひずみ付与工程の順序を定めるものではなく、ひずみ付与後に溶射を行う場合も本発明に含まれる。
図1に示すように、本発明の熱交換器用チューブ(2)は、アルミニウム製フィン(3)と交互に積層されるとともに、前記チューブ(2)の端部をヘッダータンク(4)に連通接続され、チューブ(2)とフィン(3)、チューブ(2)とヘッダータンク(4)がろう付接合されることにより、熱交換器(1)のコア部に形成される。なお、図1の熱交換器(1)においては最外側のフィン(3)にサイドプレート(5)がろう付されている。
前記フィン(3)およびヘッダータンク(4)の材料としては、周知のものを適宜使用すれば良く、例えば、フィン材料としてはJIS 3203にZnを添加したアルミニウム合金からなる芯材にJIS 4343合金からなる皮材をクラッドしたブレージングシートを推奨でき、ヘッダータンク材料としてはJIS 3003にZnを添加したアルミニウム合金からなる芯材にJIS 4343合金からなる皮材をクラッドした材料を推奨できる。
前記熱交換器(1)は、前記熱交換器用チューブ(2)、フィン(3)、ヘッダータンク(4)を仮組した状態でろう付加熱され、これらが接合される。ろう付時の加熱温度は、580〜620℃が好ましい。また、その際の昇温速度は再結晶に影響する因子であり、40℃/min以上で前記温度まで昇温することが好ましい。40℃/min未満では結晶粒径が大きくなり十分な耐食性および高温強度を得ることが困難である。好ましい昇温速度は45〜70℃/minである。
〔試験例1〕
表1に示した各種組成のアルミニウム合金からなるビレットに対して表1に示す均熱処理を施し、図2に示す幅(W)16mm×高さ(H)3mm×肉厚(T)0.5mmの多穴扁平管(2a)を押出機から押出した。また、押出機の出側において押出機の上下にアーク溶射機の溶射ガンを配置し、押出に続いて多穴扁平管(2a)の表面にZn溶射を行って犠牲腐食層(10)を形成し、さらに冷却用水槽で冷却した後、コイルに連続的に巻き取った。前記Zn溶射によるZn付着量は10g/m2とした。
次に、コイルをほどきながら多穴扁平管(2a)をカッティングする工程において、多穴扁平管(2a)の上下をローラーで挟んで長手方向と垂直な方向にひずみを付与しながらカッティングを行い、所定寸法の熱交換器用チューブ(2)を作製した。各多穴扁平管(2a)に付与したひずみ量は表1に示すとおりである。また、発明例2のひずみ量「0」はひずみ付与を行わずにカッティングしたものである。
作製した前記チューブ(1)とブレージングフィン(3)、ヘッダータンク(4)を仮組みし、ろう付することにより図2に示す表熱交換器(1)を作製した。ろう付加熱は600℃×10minとし、前記温度に達するまでの昇温速度を表1に示す速度とした。
ろう付した熱交換器について、下記の試験方法により耐食性および高温強度を評価した。これらの評価結果を表1に示す。
〈耐食性〉
製作した各熱交換器に対し、ASTM−G85−A3に規定されたSWAAT試験を実施した。試験条件は、ASTM D1141による人工海水に酢酸を添加してpH3に調製した腐食試験液を用い、腐食試験液を0.5時間噴霧−湿潤1.5時間を1サイクルとし、このサイクルを400時間実施するものとした。
前記腐食試験後、粒界腐食深さについて、最も深いと思われる部分3箇所について断面を顕微鏡で観察し、深さを測定することで粒界腐食深さとした。そして、粒界腐食が発生していないものを◎、粒界腐食の深さが50μm以下のものを〇、粒界腐食深さが50μmを越え、100μm以下のものを△、100μmを越えるものを×とした。
〈高温強度〉
高温強度については、前記熱交換器用チューブ(2)に対して前記ろう付と同じ温度条件で熱処理を行ったものを試験材とし、この試験材の180℃における引張強度を測定した。一方対照材としてJIS A3003合金の180℃における引張強度を測定し、この対照材の強度を基準に、1.2倍以上の強度を有するものを○、1.1倍以上1.2倍未満の強度を有するものを△、1.1倍未満の強度を有するものを×として評価した。
Figure 0004700359
[試験例2]
犠牲腐食層(10)の形成に際し、Zn溶射をAl−Zn溶射に変えたことを除いて上記試験例1と同じ条件で熱交換器用チューブを作製し、これらの熱交換器用チューブを用いて同じ条件で熱交換器を作製した。前記溶射層中のZn組成を1質量%とし、溶射層厚さを30μmとした。そして、試験例1と同じ方法で耐食性および高温強度を評価した。これらの結果を表1に併せて示す。
表1の結果から、各発明例の熱交換器用チューブは耐食性および高温強度に優れていることを確認した。
本発明の熱交換器用チューブは耐食性および高温強度を兼ね備えたものであるから、特にCO2を冷媒とする熱交換器等の構成部品として好適に用いることができる。
本発明の熱交換器の一実施形態を示す正面図である。 本発明の熱交換器用チューブの一実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1…熱交換器
2…熱交換器用チューブ
2a…チューブ素材(熱交換器用チューブ)
3…フィン
4…ヘッダータンク
10…犠牲腐食層

Claims (5)

  1. Mn:1.2〜1.8質量%、Cu:0.1〜0.2質量%、Fe:0.3〜0.5質量%、Si:0.05〜0.2質量%およびTi:0.05〜0.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金ビレットを押出してチューブ素材を成形し、このチューブ素材に30%以上のひずみを付与することを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
  2. 前記チューブ素材を長手方向に引っ張ることよりひずみを付与する請求項に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  3. 前記チューブ素材を長手方向と垂直な方向に押さえ付けることによりひずみを付与する請求項に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  4. 前記ビレットに対し、550〜620℃で4〜48時間の均熱処理を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  5. 前記チューブ素材の表面にZn溶射またはAl−Zn溶射を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
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