JPH09184038A - アルミニウム合金ブレージングシート条の製造方法 - Google Patents
アルミニウム合金ブレージングシート条の製造方法Info
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- JPH09184038A JPH09184038A JP87096A JP87096A JPH09184038A JP H09184038 A JPH09184038 A JP H09184038A JP 87096 A JP87096 A JP 87096A JP 87096 A JP87096 A JP 87096A JP H09184038 A JPH09184038 A JP H09184038A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車等の熱交換器のチューブ材として好適
な、ろう付加熱後の強度が高く耐食性に優れたアルミニ
ウム合金ブレージングシート条を歩留まり良く製造する
方法を提供する。 【解決手段】 0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、 0.05wt%
を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、
0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを含有し、残部アルミニ
ウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金を芯
材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%
を超え2.5wt%以下のMgを含有し、残部アルミニウムと不
可避的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以
上 30%以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアル
ミニウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造の
ブレージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前
の板厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下と
し、圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板厚での圧
下率を5%以上 15%以下とする。
な、ろう付加熱後の強度が高く耐食性に優れたアルミニ
ウム合金ブレージングシート条を歩留まり良く製造する
方法を提供する。 【解決手段】 0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、 0.05wt%
を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、
0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを含有し、残部アルミニ
ウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金を芯
材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%
を超え2.5wt%以下のMgを含有し、残部アルミニウムと不
可避的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以
上 30%以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアル
ミニウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造の
ブレージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前
の板厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下と
し、圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板厚での圧
下率を5%以上 15%以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の熱交換
器のチューブ材として好適な、ろう付加熱後の強度が高
く耐食性に優れた、アルミニウム合金ブレージングシー
ト条を歩留まり良く製造する方法に関する。
器のチューブ材として好適な、ろう付加熱後の強度が高
く耐食性に優れた、アルミニウム合金ブレージングシー
ト条を歩留まり良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジエーター等の熱交換器は、例えば、
図1に示すように複数本の偏平チューブ(1) の間にコル
ゲート状に加工した薄肉フィン(2) を一体に形成し、該
偏平チューブ(1) の両端はヘッダー(3) とタンク(4) と
で構成される空間にそれぞれ開口しており、一方のタン
ク側の空間から偏平チューブ(1) 内を通して高温冷媒を
他方のタンク(4) 側の空間に送り、チューブ(1) および
フィン(2) の部分で熱交換して低温になった冷媒を再び
循環されるものである。このような熱交換器のチューブ
材は、例えば JIS3003合金を芯材とし、該芯材の内側、
すなわち冷媒に常時触れている側には犠牲材として JIS
7072合金を、該芯材の外側には、JIS4045 等のろう材を
クラッドしたブレージングシートを電縫加工して作製さ
れており、このチューブ材は、コルゲート加工を行った
フィン等の他の部材とともにブレージングにより一体に
組み立てられる。ブレージング工法としては、フラック
スブレージング法、非腐食性のフラックスを用いたノコ
ロックブレージング法等が用いられ、 600℃付近の温度
に加熱してろう付される。
図1に示すように複数本の偏平チューブ(1) の間にコル
ゲート状に加工した薄肉フィン(2) を一体に形成し、該
偏平チューブ(1) の両端はヘッダー(3) とタンク(4) と
で構成される空間にそれぞれ開口しており、一方のタン
ク側の空間から偏平チューブ(1) 内を通して高温冷媒を
他方のタンク(4) 側の空間に送り、チューブ(1) および
フィン(2) の部分で熱交換して低温になった冷媒を再び
循環されるものである。このような熱交換器のチューブ
材は、例えば JIS3003合金を芯材とし、該芯材の内側、
すなわち冷媒に常時触れている側には犠牲材として JIS
7072合金を、該芯材の外側には、JIS4045 等のろう材を
クラッドしたブレージングシートを電縫加工して作製さ
れており、このチューブ材は、コルゲート加工を行った
フィン等の他の部材とともにブレージングにより一体に
組み立てられる。ブレージング工法としては、フラック
スブレージング法、非腐食性のフラックスを用いたノコ
ロックブレージング法等が用いられ、 600℃付近の温度
に加熱してろう付される。
【0003】ところで、近年、熱交換器は軽量・小型化
の方向にあり、そのために材料の薄肉化が望まれてい
る。チューブ材を薄肉化するには、まず、材料の肉厚が
減少する分強度を向上させ、耐食性を確保する必要があ
る。これに対して、犠牲材にMgを含有させて強度を向上
させる方法が有力視されている。例えば、特開平6−2
3535や特開平6−145859が最近提案されてい
る。しかし、これらの合金の強度は0.25mm以下の板厚の
チューブ材に適用するには十分でなく、さらに強度の向
上が望まれている。
の方向にあり、そのために材料の薄肉化が望まれてい
る。チューブ材を薄肉化するには、まず、材料の肉厚が
減少する分強度を向上させ、耐食性を確保する必要があ
る。これに対して、犠牲材にMgを含有させて強度を向上
させる方法が有力視されている。例えば、特開平6−2
3535や特開平6−145859が最近提案されてい
る。しかし、これらの合金の強度は0.25mm以下の板厚の
チューブ材に適用するには十分でなく、さらに強度の向
上が望まれている。
【0004】これを達成するために、チューブ材の芯材
合金を高強度化することが考えられる。例えば、チュー
ブ材の芯材のCuの添加量を増やすことは容易に考えられ
そうであるが、実際には容易ではない。それは、耐食性
からの問題である。理由は特開平6−23535の[002
4]に「しかし、Cu添加量が0.6%を超えると強度向上効果
は得られるものの、耐食性低下が大きく、皮材の犠牲陽
極効果を強化しても十分な耐食性が得られず」と記載さ
れているように、耐食性が大きく低下するためである。
このことは、特開平6−23535の実施例1の試験N
o.12 (芯材に0.7wt%のCuを添加した合金を使用)で皮
材側から貫通孔食が発生していることからも、極めて重
大な問題であることが分かる。特開平6−145859
にも同様な理由が記載されている。
合金を高強度化することが考えられる。例えば、チュー
ブ材の芯材のCuの添加量を増やすことは容易に考えられ
そうであるが、実際には容易ではない。それは、耐食性
からの問題である。理由は特開平6−23535の[002
4]に「しかし、Cu添加量が0.6%を超えると強度向上効果
は得られるものの、耐食性低下が大きく、皮材の犠牲陽
極効果を強化しても十分な耐食性が得られず」と記載さ
れているように、耐食性が大きく低下するためである。
このことは、特開平6−23535の実施例1の試験N
o.12 (芯材に0.7wt%のCuを添加した合金を使用)で皮
材側から貫通孔食が発生していることからも、極めて重
大な問題であることが分かる。特開平6−145859
にも同様な理由が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、3層構造の
ブレージングシート条の製造は、犠牲材/芯材/ろう材
の3層を積み重ねて加熱した後に熱間圧延を施し、さら
に冷間圧延を施して行われている。熱間圧延では、圧延
荷重の関係上、板厚が厚いうちは圧下率は小さくし、板
厚が薄くなると圧下率を大きくしている。すなわち、圧
延開始前の板厚の70%を超える板厚では 1〜5%の圧下
率、 70%以下の板厚では 6〜15% の圧下率で圧延してい
る。しかし、本発明の合金に上記のような圧延を施した
場合、犠牲材と芯材が圧着しない、または一旦圧着し
ても剥離してしまう、犠牲材と芯材が圧着すると、犠
牲材が内径側となるような圧延方向の反りが発生し、さ
らに圧延すると圧延方向に弓状に反って先端が圧延ロー
ル間に入らず、圧延が不可能になってしまうという問題
がある。本発明はこのような状況に鑑み鋭意検討の結
果、ろう付後の強度に優れ、耐食性に優れ、薄肉化可能
な熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート条の
製造方法を開発したものである。
ブレージングシート条の製造は、犠牲材/芯材/ろう材
の3層を積み重ねて加熱した後に熱間圧延を施し、さら
に冷間圧延を施して行われている。熱間圧延では、圧延
荷重の関係上、板厚が厚いうちは圧下率は小さくし、板
厚が薄くなると圧下率を大きくしている。すなわち、圧
延開始前の板厚の70%を超える板厚では 1〜5%の圧下
率、 70%以下の板厚では 6〜15% の圧下率で圧延してい
る。しかし、本発明の合金に上記のような圧延を施した
場合、犠牲材と芯材が圧着しない、または一旦圧着し
ても剥離してしまう、犠牲材と芯材が圧着すると、犠
牲材が内径側となるような圧延方向の反りが発生し、さ
らに圧延すると圧延方向に弓状に反って先端が圧延ロー
ル間に入らず、圧延が不可能になってしまうという問題
がある。本発明はこのような状況に鑑み鋭意検討の結
果、ろう付後の強度に優れ、耐食性に優れ、薄肉化可能
な熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート条の
製造方法を開発したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以
下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え
2.0wt%以下のMnを含有し、残部アルミニウムと不可避的
不純物とからなるアルミニウム合金を芯材とし、片面に
1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%を超え2.5wt%以
下のMgを含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物と
からなるアルミニウム合金を被覆率5%以上30% 以下とし
た犠牲材をクラッドし、他の片面にアルミニウム合金か
らなるろう材をクラッドした3層構造のブレージングシ
ート条を製造するにあたり、圧延開始前の板厚の 60%以
上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下とし、圧延開始前
の板厚の 30%以上 60%未満の板厚での圧下率を5%以上 1
5%以下とすることを特徴とするブレージングシート条の
製造方法である。
0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以
下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え
2.0wt%以下のMnを含有し、残部アルミニウムと不可避的
不純物とからなるアルミニウム合金を芯材とし、片面に
1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%を超え2.5wt%以
下のMgを含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物と
からなるアルミニウム合金を被覆率5%以上30% 以下とし
た犠牲材をクラッドし、他の片面にアルミニウム合金か
らなるろう材をクラッドした3層構造のブレージングシ
ート条を製造するにあたり、圧延開始前の板厚の 60%以
上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下とし、圧延開始前
の板厚の 30%以上 60%未満の板厚での圧下率を5%以上 1
5%以下とすることを特徴とするブレージングシート条の
製造方法である。
【0007】請求項2記載の発明は、0.2wt%を超え2.5w
t%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を
超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを
含有し、0.5wt%以下のMg、0.3wt%以下のCr、0.3wt%以下
のZr、0.3wt%以下のTiのうち1種または2種以上を含有
し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるアル
ミニウム合金を芯材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以
下のZn、0.05wt% を超え2.5wt%以下のMgを含有し、残部
アルミニウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム
合金を被覆率5%以上 30%以下とした犠牲材をクラッド
し、他の片面にアルミニウム合金からなるろう材をクラ
ッドした3層構造のブレージングシート条を製造するに
あたり、圧延開始前の板厚の 60%以上の板厚での圧下率
を1.0%以上5%以下とし、圧延開始前の板厚の30% 以上 6
0%未満の板厚での圧下率を5%以上15% 以下とすることを
特徴とするブレージングシート条の製造方法である。
t%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を
超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを
含有し、0.5wt%以下のMg、0.3wt%以下のCr、0.3wt%以下
のZr、0.3wt%以下のTiのうち1種または2種以上を含有
し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるアル
ミニウム合金を芯材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以
下のZn、0.05wt% を超え2.5wt%以下のMgを含有し、残部
アルミニウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム
合金を被覆率5%以上 30%以下とした犠牲材をクラッド
し、他の片面にアルミニウム合金からなるろう材をクラ
ッドした3層構造のブレージングシート条を製造するに
あたり、圧延開始前の板厚の 60%以上の板厚での圧下率
を1.0%以上5%以下とし、圧延開始前の板厚の30% 以上 6
0%未満の板厚での圧下率を5%以上15% 以下とすることを
特徴とするブレージングシート条の製造方法である。
【0008】請求項3記載の発明は、0.2wt%を超え2.5w
t%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を
超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを
含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなる
アルミニウム合金を芯材とし、片面に1.5wt%を超え6.0w
t%以下のZn、0.05wt% を超え2.5wt%以下のMgを含有し、
0.3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSn、1.6wt%以下のMnのう
ち1種または2種以上を含有し、残部アルミニウムと不
可避的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以
上 30%以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアル
ミニウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造の
ブレージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前
の板厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下と
し、圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板厚での圧
下率を5%以上 15%以下とすることを特徴とするブレージ
ングシート条の製造方法である。
t%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を
超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを
含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなる
アルミニウム合金を芯材とし、片面に1.5wt%を超え6.0w
t%以下のZn、0.05wt% を超え2.5wt%以下のMgを含有し、
0.3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSn、1.6wt%以下のMnのう
ち1種または2種以上を含有し、残部アルミニウムと不
可避的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以
上 30%以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアル
ミニウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造の
ブレージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前
の板厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下と
し、圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板厚での圧
下率を5%以上 15%以下とすることを特徴とするブレージ
ングシート条の製造方法である。
【0009】請求項4記載の発明は、0.2wt%を超え2.5w
t%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を
超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを
含有し、0.5wt%以下のMg、0.3wt%以下のCr、0.3wt%以下
のZr、0.3wt%以下のTiのうち1種または2種以上を含有
し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるアル
ミニウム合金を芯材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以
下のZn、 0.05wt%を超え2.5wt%以下のMgを含有し、0.3w
t%以下のIn、0.3wt%以下のSn、1.6wt%以下のMnのうち1
種または2種以上を含有し、残部アルミニウムと不可避
的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以上 3
0%以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアルミニ
ウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造のブレ
ージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前の板
厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下とし、
圧延開始前の板厚の30% 以上 60%未満の板厚での圧下率
を5%以上15% 以下とすることを特徴とするブレージング
シート条の製造方法である。
t%以下のSi、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を
超え2.5wt%以下のCu、 0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを
含有し、0.5wt%以下のMg、0.3wt%以下のCr、0.3wt%以下
のZr、0.3wt%以下のTiのうち1種または2種以上を含有
し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるアル
ミニウム合金を芯材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以
下のZn、 0.05wt%を超え2.5wt%以下のMgを含有し、0.3w
t%以下のIn、0.3wt%以下のSn、1.6wt%以下のMnのうち1
種または2種以上を含有し、残部アルミニウムと不可避
的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以上 3
0%以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアルミニ
ウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造のブレ
ージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前の板
厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下とし、
圧延開始前の板厚の30% 以上 60%未満の板厚での圧下率
を5%以上15% 以下とすることを特徴とするブレージング
シート条の製造方法である。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4記載のブレージングシート条において、ろう材を7.
0wt%を超え 12.0wt%以下のSi、0.3wt%を超え8.0wt%以下
のCuを含有し、0.5wt%を超え7.0wt%以下のZn、0.001wt%
を超え0.3wt%以下のIn、0.001wt%を超え0.3wt%以下のSn
のうち1種または2種以上を含有し、残部アルミニウム
と不可避的不純物とからなるアルミニウム合金とした3
層構造のブレージングシート条を製造するにあたり、圧
延開始前の板厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上
5%以下とし、圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板
厚での圧下率を5%以上 15%以下とすることを特徴とする
ブレージングシート条の製造方法である。
項4記載のブレージングシート条において、ろう材を7.
0wt%を超え 12.0wt%以下のSi、0.3wt%を超え8.0wt%以下
のCuを含有し、0.5wt%を超え7.0wt%以下のZn、0.001wt%
を超え0.3wt%以下のIn、0.001wt%を超え0.3wt%以下のSn
のうち1種または2種以上を含有し、残部アルミニウム
と不可避的不純物とからなるアルミニウム合金とした3
層構造のブレージングシート条を製造するにあたり、圧
延開始前の板厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上
5%以下とし、圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板
厚での圧下率を5%以上 15%以下とすることを特徴とする
ブレージングシート条の製造方法である。
【0011】以下、芯材について、添加元素の役割とそ
の添加量の限定理由を説明する。Siは強度向上に寄与す
る。Siが0.2wt%以下の場合強度向上効果が十分でなく、
2.5wt%を超えると融点が低下し、請求項5記載の発明の
ろう材(本発明ろう材)を用いてもブレージング時に溶
融してしまう。このなかで、特に1.2wt%を超えるSiを添
加した合金は、融点が低下するためにブレージングには
従来用いられていない合金である。本発明では、Siは0.
2wt%を超え2.5wt%以下とするが、強度、電縫加工性、耐
食性、ろう付け性のバランスを考えると0.3wt%〜1.5wt%
付近で優れた特性を示し、その中でも、0.4wt%〜0.9wt%
が特に安定する。
の添加量の限定理由を説明する。Siは強度向上に寄与す
る。Siが0.2wt%以下の場合強度向上効果が十分でなく、
2.5wt%を超えると融点が低下し、請求項5記載の発明の
ろう材(本発明ろう材)を用いてもブレージング時に溶
融してしまう。このなかで、特に1.2wt%を超えるSiを添
加した合金は、融点が低下するためにブレージングには
従来用いられていない合金である。本発明では、Siは0.
2wt%を超え2.5wt%以下とするが、強度、電縫加工性、耐
食性、ろう付け性のバランスを考えると0.3wt%〜1.5wt%
付近で優れた特性を示し、その中でも、0.4wt%〜0.9wt%
が特に安定する。
【0012】Feは、粗大な金属間化合物を合金中に分布
させ、結晶粒を微細にし、電縫加工時の割れを防止する
作用を有する。その添加量が 0.05wt%以下では十分にそ
の効果が得られず、2.0wt%を超えて添加した場合成形性
が低下し、電縫加工時にブレージングシートが割れてし
まう。
させ、結晶粒を微細にし、電縫加工時の割れを防止する
作用を有する。その添加量が 0.05wt%以下では十分にそ
の効果が得られず、2.0wt%を超えて添加した場合成形性
が低下し、電縫加工時にブレージングシートが割れてし
まう。
【0013】Cuはろう付け後に固溶状態で合金中に存在
して強度を向上させる。Cuの添加量が0.7wt%以下の合金
は特開平6-23535 号や特開平6-145859号に提案されてい
るが、十分な強度が得られていない。本発明の芯材合金
は0.7wt%を超える多量のCuを含有していることに特徴が
ある。特に1.2wt%を超えるCuの添加は融点が低下するた
め、従来用いられていなかった組成であり、本発明特有
の添加量である。このような合金を用いたチューブ材が
従来開発されていなかった理由の1つは、耐食性の問題
があったためである。多量のCuを添加した合金を芯材に
用いた場合の耐食性低下問題に関する本発明での解決手
段は後述する。本発明において、Cuの添加量を0.7wt%を
超え2.5wt%以下に限定した理由は、Cuの添加量が0.7wt%
以下では十分な強度向上効果が得られず、Cuの添加量が
2.5wt%を超えると芯材の融点が低下し、ろう付け時に芯
材が溶融してしまうためである。従って、Cuの添加量は
0.7wt%を超え2.5wt%以下とするが、特に0.8wt%〜1.5wt%
で良好な電縫加工性とろう付け性が得られる。
して強度を向上させる。Cuの添加量が0.7wt%以下の合金
は特開平6-23535 号や特開平6-145859号に提案されてい
るが、十分な強度が得られていない。本発明の芯材合金
は0.7wt%を超える多量のCuを含有していることに特徴が
ある。特に1.2wt%を超えるCuの添加は融点が低下するた
め、従来用いられていなかった組成であり、本発明特有
の添加量である。このような合金を用いたチューブ材が
従来開発されていなかった理由の1つは、耐食性の問題
があったためである。多量のCuを添加した合金を芯材に
用いた場合の耐食性低下問題に関する本発明での解決手
段は後述する。本発明において、Cuの添加量を0.7wt%を
超え2.5wt%以下に限定した理由は、Cuの添加量が0.7wt%
以下では十分な強度向上効果が得られず、Cuの添加量が
2.5wt%を超えると芯材の融点が低下し、ろう付け時に芯
材が溶融してしまうためである。従って、Cuの添加量は
0.7wt%を超え2.5wt%以下とするが、特に0.8wt%〜1.5wt%
で良好な電縫加工性とろう付け性が得られる。
【0014】Mnは微細な金属間化合物を合金中に分布さ
せ、耐食性を低下させることなく強度を向上させるため
の必須元素である。その添加量が 0.05wt%以下では十分
にその効果が得られず、2.0wt%を超えて添加した場合成
形性が低下し、電縫加工時にブレージングシートが割れ
てしまう。
せ、耐食性を低下させることなく強度を向上させるため
の必須元素である。その添加量が 0.05wt%以下では十分
にその効果が得られず、2.0wt%を超えて添加した場合成
形性が低下し、電縫加工時にブレージングシートが割れ
てしまう。
【0015】Mgは合金中に固溶状態および Mg2Siの微細
な析出相として存在し、強度を向上させる任意添加元素
であり、添加しなくともよい。Mgを0.5wt%を超えて添加
すると非腐食性フラックスを用いたろう付けの際に、フ
ラックスとMgが反応しろう付けができなくなる。従って
Mgを添加する場合、その最大添加量は0.5wt%とする。ろ
う付け性の点では0.1wt%以下が望ましい。Cr、Zr、Tiは
いずれも微細な金属間化合物を形成して強度と耐食性を
向上させる働きを有する任意添加元素であり、添加しな
くともよい。それぞれ0.3wt%を超えて添加した場合、成
形性が低下し、組付け等の加工時にブレージングシート
が割れてしまう。以上が本発明の芯材の合金成分である
が、鋳塊組織の微細化のために添加される Bや強度向上
を目的として添加される V等、上記以外の元素はそれぞ
れ0.05wt% 以下であれば含有されていても差し支えな
い。
な析出相として存在し、強度を向上させる任意添加元素
であり、添加しなくともよい。Mgを0.5wt%を超えて添加
すると非腐食性フラックスを用いたろう付けの際に、フ
ラックスとMgが反応しろう付けができなくなる。従って
Mgを添加する場合、その最大添加量は0.5wt%とする。ろ
う付け性の点では0.1wt%以下が望ましい。Cr、Zr、Tiは
いずれも微細な金属間化合物を形成して強度と耐食性を
向上させる働きを有する任意添加元素であり、添加しな
くともよい。それぞれ0.3wt%を超えて添加した場合、成
形性が低下し、組付け等の加工時にブレージングシート
が割れてしまう。以上が本発明の芯材の合金成分である
が、鋳塊組織の微細化のために添加される Bや強度向上
を目的として添加される V等、上記以外の元素はそれぞ
れ0.05wt% 以下であれば含有されていても差し支えな
い。
【0016】請求項1〜4記載の発明における犠牲材の
特徴は、最近提案されたMg添加による強度向上を狙って
いることと、Znの添加量が高いことである。すなわち、
本発明ブレージングシートにおける犠牲材は、1.5wt%を
超え6.0wt%以下のZn、0.05wt% を超え2.5wt%以下のMgを
含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなる
アルミニウム合金、または前記合金に、さらに0.3wt%以
下のIn、0.3wt%以下のSn、1.6wt%以下のMnのうち1種ま
たは2種以上を含有したアルミニウム合金である。
特徴は、最近提案されたMg添加による強度向上を狙って
いることと、Znの添加量が高いことである。すなわち、
本発明ブレージングシートにおける犠牲材は、1.5wt%を
超え6.0wt%以下のZn、0.05wt% を超え2.5wt%以下のMgを
含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなる
アルミニウム合金、または前記合金に、さらに0.3wt%以
下のIn、0.3wt%以下のSn、1.6wt%以下のMnのうち1種ま
たは2種以上を含有したアルミニウム合金である。
【0017】以下、犠牲材について、添加元素の役割と
その添加量の限定理由を説明する。Mgは犠牲効果を付与
すると共に、犠牲材を高強度化し、材料全体の強度を高
める。Mgが 0.05wt%以下ではその効果が十分でなく、2.
5wt%を超えると熱間圧延での加工性が低下して圧延圧着
が困難になり、3層構造材としてのチューブ材の製造が
できなくなる。従って、Mgは 0.05wt%を超え2.5wt%以下
とする。特に 0.5〜2.2wt%で安定した特性を示す。Znは
チューブ材の耐食性を向上させると共に材料全体の強度
を向上させる。強度は芯材のCuが犠牲材に拡散すること
と犠牲材からZnおよびMgが芯材へ拡散することで、Al-Z
n-Mg-Cu 合金、すなわち超々ジュラルミンが形成されて
向上するのである。すなわち上記犠牲材を、Cuを増量し
た本発明の芯材と組み合わせることにより、その強度向
上効果が発揮される。そして、Znが1.5wt%以下では、Z
nの芯材への拡散量が不足して、このような強度向上効
果が十分に発揮されない。6.0wt%を超えると融点が低下
し、本発明ろう材を用いたとしてもろう付け時に溶融し
てしまう。従って、Znは1.5wt%を超え6.0wt%以下とす
る。特にZnは 3.5〜5.0wt%で優れた耐食性を示す。この
犠牲材へのZn添加量は、芯材に多量のCuを添加した場合
の耐食性低下問題の解決に大きく寄与している。理由は
後述する。
その添加量の限定理由を説明する。Mgは犠牲効果を付与
すると共に、犠牲材を高強度化し、材料全体の強度を高
める。Mgが 0.05wt%以下ではその効果が十分でなく、2.
5wt%を超えると熱間圧延での加工性が低下して圧延圧着
が困難になり、3層構造材としてのチューブ材の製造が
できなくなる。従って、Mgは 0.05wt%を超え2.5wt%以下
とする。特に 0.5〜2.2wt%で安定した特性を示す。Znは
チューブ材の耐食性を向上させると共に材料全体の強度
を向上させる。強度は芯材のCuが犠牲材に拡散すること
と犠牲材からZnおよびMgが芯材へ拡散することで、Al-Z
n-Mg-Cu 合金、すなわち超々ジュラルミンが形成されて
向上するのである。すなわち上記犠牲材を、Cuを増量し
た本発明の芯材と組み合わせることにより、その強度向
上効果が発揮される。そして、Znが1.5wt%以下では、Z
nの芯材への拡散量が不足して、このような強度向上効
果が十分に発揮されない。6.0wt%を超えると融点が低下
し、本発明ろう材を用いたとしてもろう付け時に溶融し
てしまう。従って、Znは1.5wt%を超え6.0wt%以下とす
る。特にZnは 3.5〜5.0wt%で優れた耐食性を示す。この
犠牲材へのZn添加量は、芯材に多量のCuを添加した場合
の耐食性低下問題の解決に大きく寄与している。理由は
後述する。
【0018】In、Sn、Mnは、これらのうちのいずれか1
種以上を添加すればよい任意添加元素である。このう
ち、InとSnは犠牲効果を促進する。その量が0.3wt%を超
えると犠牲材の圧延加工性が低下して、ブレージングシ
ート用犠牲材としては適さなくなる。Mnは犠牲材を高強
度化してブレージングシート(チューブ)全体の強度を
高める。Mnが1.6wt%を超えると合金の圧延加工性が低下
し、ブレージングシート用犠牲材として適さなくなる。
本発明の犠牲材の不可避的不純物として、Siは0.5wt%以
下、Feは0.8wt%以下であれば許容されるが、耐食性の点
から両者とも0.1wt%以下が望ましい。強度向上のための
Cr、Zr、Ti等の上記以外の元素もそれぞれ 0.05wt%以下
であれば不純物元素として含有されていても差し支えな
い。
種以上を添加すればよい任意添加元素である。このう
ち、InとSnは犠牲効果を促進する。その量が0.3wt%を超
えると犠牲材の圧延加工性が低下して、ブレージングシ
ート用犠牲材としては適さなくなる。Mnは犠牲材を高強
度化してブレージングシート(チューブ)全体の強度を
高める。Mnが1.6wt%を超えると合金の圧延加工性が低下
し、ブレージングシート用犠牲材として適さなくなる。
本発明の犠牲材の不可避的不純物として、Siは0.5wt%以
下、Feは0.8wt%以下であれば許容されるが、耐食性の点
から両者とも0.1wt%以下が望ましい。強度向上のための
Cr、Zr、Ti等の上記以外の元素もそれぞれ 0.05wt%以下
であれば不純物元素として含有されていても差し支えな
い。
【0019】請求項5記載の本発明ろう材は、芯材に本
発明の高濃度側組成の芯材(1.2wt%以上のSiまたは1.2wt
%以上のCuを含有した芯材) を用いた場合に、その効果
が特に発揮される。その理由は、外部耐食性が低下する
問題と芯材の融点が低いためろう付け時に芯材が溶融す
るという問題を解決できるためである。すなわち、本発
明者は、熱交換器の外部耐食性についてさまざまな検討
を行い、従来用いられていたろう材と本発明のように多
量のCuを添加した高強度の芯材を組み合わせた場合、芯
材中のCuがろう付け時にろう材に拡散し、ろう材と芯材
との境界付近に低Cu領域が生じ、そこが優先的に腐食さ
れるため、膨れをともなう激しい腐食を生じることを見
出した。これに対し、本発明では、ろう材にCuを添加す
ることで、芯材からろう材へのCuの拡散を防止し、ろう
材と芯材との境界付近に低Cu領域が生じないようにして
耐食性を向上させたのである。さらに、従来 600℃付近
の温度でろう付けしていたのを 585℃以下の温度でろう
付けできるようにすれば芯材の溶融がなくなると考え、
従来のろう材よりもろう付け温度が低いろう材を用いた
のである。芯材が、1.2wt%未満のSi、1.2wt%未満のCuを
含有した低濃度側組成の場合、本発明ろう材を用いるこ
とは勿論可能であるが、従来のJIS-4343合金やJIS-4045
合金等の Al-Si系合金ろう材を用いても差し支えない。
発明の高濃度側組成の芯材(1.2wt%以上のSiまたは1.2wt
%以上のCuを含有した芯材) を用いた場合に、その効果
が特に発揮される。その理由は、外部耐食性が低下する
問題と芯材の融点が低いためろう付け時に芯材が溶融す
るという問題を解決できるためである。すなわち、本発
明者は、熱交換器の外部耐食性についてさまざまな検討
を行い、従来用いられていたろう材と本発明のように多
量のCuを添加した高強度の芯材を組み合わせた場合、芯
材中のCuがろう付け時にろう材に拡散し、ろう材と芯材
との境界付近に低Cu領域が生じ、そこが優先的に腐食さ
れるため、膨れをともなう激しい腐食を生じることを見
出した。これに対し、本発明では、ろう材にCuを添加す
ることで、芯材からろう材へのCuの拡散を防止し、ろう
材と芯材との境界付近に低Cu領域が生じないようにして
耐食性を向上させたのである。さらに、従来 600℃付近
の温度でろう付けしていたのを 585℃以下の温度でろう
付けできるようにすれば芯材の溶融がなくなると考え、
従来のろう材よりもろう付け温度が低いろう材を用いた
のである。芯材が、1.2wt%未満のSi、1.2wt%未満のCuを
含有した低濃度側組成の場合、本発明ろう材を用いるこ
とは勿論可能であるが、従来のJIS-4343合金やJIS-4045
合金等の Al-Si系合金ろう材を用いても差し支えない。
【0020】以下に、本発明ろう材の添加元素の役割と
その添加量の限定理由を説明する。Siはろう材の融点を
下げる。その量が7.0wt%以下でも、また 12.0wt%を超え
ても、十分に融点が低下せず、ろう付け時に芯材が溶融
してしまう。Cuはろう材の融点を下げ、ろうの流動性を
高める。さらに、前述のように、冷媒通路構成部材(芯
材)にCuを多量に添加した合金を用いる場合は、熱交換
器の外部腐食による膨れの発生を抑える働きをする。Cu
の添加量が0.3wt%以下ではその効果が十分に得られず、
8.0wt%を超えるとろうの電位が貴になりすぎて、芯材が
優先的に腐食するようになる。また圧延加工性が低下し
て3層構造のブレージングシートの加工が不可能にな
る。従って、ろう材のCuは0.3wt%を超え8.0wt%以下とす
る。特に 1.0〜3.0wt%で安定した特性を示す。
その添加量の限定理由を説明する。Siはろう材の融点を
下げる。その量が7.0wt%以下でも、また 12.0wt%を超え
ても、十分に融点が低下せず、ろう付け時に芯材が溶融
してしまう。Cuはろう材の融点を下げ、ろうの流動性を
高める。さらに、前述のように、冷媒通路構成部材(芯
材)にCuを多量に添加した合金を用いる場合は、熱交換
器の外部腐食による膨れの発生を抑える働きをする。Cu
の添加量が0.3wt%以下ではその効果が十分に得られず、
8.0wt%を超えるとろうの電位が貴になりすぎて、芯材が
優先的に腐食するようになる。また圧延加工性が低下し
て3層構造のブレージングシートの加工が不可能にな
る。従って、ろう材のCuは0.3wt%を超え8.0wt%以下とす
る。特に 1.0〜3.0wt%で安定した特性を示す。
【0021】ろう材にCuを添加すると、外部腐食による
膨れの発生は抑えられるものの、ろう材の電位が芯材の
電位より貴になり、外部腐食がピット状に急速に進行す
るという問題が生じる。Znは、前記のCuが添加されて電
位の上がったろう材の電位を芯材の電位に近づけ、耐食
性を向上させる。また、Znはろう材の融点を下げる。Zn
が0.5wt%以下では、その効果が十分に得られず、7.0wt%
を超えるとろうの自己耐食性が低下する上、圧延加工性
が低下し、3層構造のブレージングシートの加工が困難
になる。InおよびSnもろう材の電位を卑にし冷媒通路構
成部材の耐食性を向上させる。その添加量は、0.001wt%
以下ではその効果が十分に得られず、0.3wt%を超えると
合金の圧延加工性が低下する。犠牲効果の点ではZn、I
n、Snのうちいずれを添加してもよいが、Znは、前述の
ようにろう材の融点を低下させるので有利である。Znは
2.0wt%以上6.0wt%未満の範囲で添加するのが、特性上、
より好ましい。本発明ろう材の合金元素の説明は以上の
通りであるが、不可避的不純物のFeは1.0wt%以下であれ
ば許容される。しかし、Feはろうが凝固する時に金属間
化合物を形成し、これが腐食の起点となる。そのため、
Feは0.5wt%以下が望ましく、さらに可能であれば0.3wt%
以下が望ましい。Fe以外の他の不可避的不純物元素もそ
れぞれ 0.05wt%以下であれば差し支えない。以上が、本
発明のブレージングシートを形成する芯材、犠牲材、お
よびろう材の合金組成および不可避的不純物元素の説明
である。
膨れの発生は抑えられるものの、ろう材の電位が芯材の
電位より貴になり、外部腐食がピット状に急速に進行す
るという問題が生じる。Znは、前記のCuが添加されて電
位の上がったろう材の電位を芯材の電位に近づけ、耐食
性を向上させる。また、Znはろう材の融点を下げる。Zn
が0.5wt%以下では、その効果が十分に得られず、7.0wt%
を超えるとろうの自己耐食性が低下する上、圧延加工性
が低下し、3層構造のブレージングシートの加工が困難
になる。InおよびSnもろう材の電位を卑にし冷媒通路構
成部材の耐食性を向上させる。その添加量は、0.001wt%
以下ではその効果が十分に得られず、0.3wt%を超えると
合金の圧延加工性が低下する。犠牲効果の点ではZn、I
n、Snのうちいずれを添加してもよいが、Znは、前述の
ようにろう材の融点を低下させるので有利である。Znは
2.0wt%以上6.0wt%未満の範囲で添加するのが、特性上、
より好ましい。本発明ろう材の合金元素の説明は以上の
通りであるが、不可避的不純物のFeは1.0wt%以下であれ
ば許容される。しかし、Feはろうが凝固する時に金属間
化合物を形成し、これが腐食の起点となる。そのため、
Feは0.5wt%以下が望ましく、さらに可能であれば0.3wt%
以下が望ましい。Fe以外の他の不可避的不純物元素もそ
れぞれ 0.05wt%以下であれば差し支えない。以上が、本
発明のブレージングシートを形成する芯材、犠牲材、お
よびろう材の合金組成および不可避的不純物元素の説明
である。
【0022】次に、前記ろう材、芯材、および犠牲材の
合わせ材を圧延圧着するときの圧下率について説明す
る。前述のように、従来の圧下率で圧延したのでは、
犠牲材と芯材が圧着しない、または一旦圧着しても剥離
してしまう、犠牲材と芯材が圧着すると圧延方向に弓
状に反るという問題が生じた。そこで、本発明者等はこ
れらの原因について鋭意検討し、以下のことを明らかに
した。 犠牲材と芯材が圧着しない原因は、犠牲材の変形抵抗
が大き過ぎて、犠牲材と芯材の界面に歪みが加わり難
く、その結果、相互拡散が起き難く接合力が弱いためで
ある。弓状に反る原因は、犠牲材は変形抵抗が大きい
ために変形量が小さく、結果として犠牲材近傍の芯材も
変形量が小さくなる。これに対し、ろう材は犠牲材に比
べ変形抵抗が小さいために変形量が大きく、結果として
ろう材近傍の芯材も変形量は大きくなる。この犠牲材近
傍の芯材とろう材近傍の芯材の変形量の違いが圧延方向
の反りとなる。
合わせ材を圧延圧着するときの圧下率について説明す
る。前述のように、従来の圧下率で圧延したのでは、
犠牲材と芯材が圧着しない、または一旦圧着しても剥離
してしまう、犠牲材と芯材が圧着すると圧延方向に弓
状に反るという問題が生じた。そこで、本発明者等はこ
れらの原因について鋭意検討し、以下のことを明らかに
した。 犠牲材と芯材が圧着しない原因は、犠牲材の変形抵抗
が大き過ぎて、犠牲材と芯材の界面に歪みが加わり難
く、その結果、相互拡散が起き難く接合力が弱いためで
ある。弓状に反る原因は、犠牲材は変形抵抗が大きい
ために変形量が小さく、結果として犠牲材近傍の芯材も
変形量が小さくなる。これに対し、ろう材は犠牲材に比
べ変形抵抗が小さいために変形量が大きく、結果として
ろう材近傍の芯材も変形量は大きくなる。この犠牲材近
傍の芯材とろう材近傍の芯材の変形量の違いが圧延方向
の反りとなる。
【0023】これを解決する手段として、特に圧延前半
での軽圧下をできるだけ板厚が薄くなるまで行うことが
有効であることを見いだした。軽圧下が有効な理由は、
の圧着不良問題に対しては、軽圧下すると、犠牲材と
芯材の界面に徐々に歪みが加わり、この歪みで犠牲材と
芯材間の熱拡散が助長されて接合力が生じ、一旦生じた
接合力は軽圧下のため損なわれずに蓄積されるためであ
る。の反り問題に対しては、圧下率が小さいほど圧延
時の剪断力は表層のみに限定され、中央部、例えば、ろ
う材と芯材の界面での変形は小さくなる。この影響は、
変形し難い犠牲材側に比べ変形し易いろう材側の方が大
きく、犠牲材近傍の芯材とろう材近傍の芯材の変形量の
差が小さくなり、その結果、反りも小さくなるためであ
る。なお、逆に強圧下も有効な手段となり得る。ただ
し、犠牲材近傍の芯材をろう材近傍の芯材と同等に変形
させるだけの十分な剪断力が必要となるが、通常の設備
ではそれだけのパワーはないため、本発明の合金での適
応は不可能である。
での軽圧下をできるだけ板厚が薄くなるまで行うことが
有効であることを見いだした。軽圧下が有効な理由は、
の圧着不良問題に対しては、軽圧下すると、犠牲材と
芯材の界面に徐々に歪みが加わり、この歪みで犠牲材と
芯材間の熱拡散が助長されて接合力が生じ、一旦生じた
接合力は軽圧下のため損なわれずに蓄積されるためであ
る。の反り問題に対しては、圧下率が小さいほど圧延
時の剪断力は表層のみに限定され、中央部、例えば、ろ
う材と芯材の界面での変形は小さくなる。この影響は、
変形し難い犠牲材側に比べ変形し易いろう材側の方が大
きく、犠牲材近傍の芯材とろう材近傍の芯材の変形量の
差が小さくなり、その結果、反りも小さくなるためであ
る。なお、逆に強圧下も有効な手段となり得る。ただ
し、犠牲材近傍の芯材をろう材近傍の芯材と同等に変形
させるだけの十分な剪断力が必要となるが、通常の設備
ではそれだけのパワーはないため、本発明の合金での適
応は不可能である。
【0024】本発明で、圧延開始前の板厚の60% 以上の
板厚では圧下率を1.0%以上5%以下としたのは、1.0%未満
では剪断力が犠牲材と芯材に十分働かないために圧着せ
ず、5%を超えると犠牲材と芯材の変形量の差が大きいた
め、熱拡散により形成された接合層も剥離してしまうた
めである。圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板厚
での圧下率を5%以上 15%以下としたのは、5%未満では生
産性に劣るとともに、材料の温度が低下し易くなるため
犠牲材とろう材の変形抵抗の差が大きくなって反り易く
なるためである。また 15%を超えると一旦形成された犠
牲材と芯材の接合力を上回る剪断力が働いて犠牲材と芯
材が剥離するためである。ここで、圧延開始前の板厚の
60%以上の板厚とは、例えば、鋳塊の厚さが 300mmの場
合、 180mm以上の板厚のことである。なお、 30%未満で
の板厚では、犠牲材近傍の芯材とろう材近傍の芯材を同
等に変形させるだけの剪断力が働き、反りには影響しな
いため、圧下量は特に限定しない。また、圧延温度は高
温なほど犠牲材と芯材、芯材とろう材間の変形抵抗の差
が小さくなり、剥離や反りが起き難くなり好ましい。
板厚では圧下率を1.0%以上5%以下としたのは、1.0%未満
では剪断力が犠牲材と芯材に十分働かないために圧着せ
ず、5%を超えると犠牲材と芯材の変形量の差が大きいた
め、熱拡散により形成された接合層も剥離してしまうた
めである。圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板厚
での圧下率を5%以上 15%以下としたのは、5%未満では生
産性に劣るとともに、材料の温度が低下し易くなるため
犠牲材とろう材の変形抵抗の差が大きくなって反り易く
なるためである。また 15%を超えると一旦形成された犠
牲材と芯材の接合力を上回る剪断力が働いて犠牲材と芯
材が剥離するためである。ここで、圧延開始前の板厚の
60%以上の板厚とは、例えば、鋳塊の厚さが 300mmの場
合、 180mm以上の板厚のことである。なお、 30%未満で
の板厚では、犠牲材近傍の芯材とろう材近傍の芯材を同
等に変形させるだけの剪断力が働き、反りには影響しな
いため、圧下量は特に限定しない。また、圧延温度は高
温なほど犠牲材と芯材、芯材とろう材間の変形抵抗の差
が小さくなり、剥離や反りが起き難くなり好ましい。
【0025】本発明で製造するブレージングシート条の
犠牲材の被覆率は5%以上 30%以下である。この理由は、
例えば、プレート材のように厚さ 1mm程度であれば被覆
率5%で犠牲材の厚さは50μm程度となり、これは耐食性
に必要な厚さとなるからである。また、 30%を超える場
合は、本発明の圧延を施しても犠牲材と芯材が圧着しな
いからである。
犠牲材の被覆率は5%以上 30%以下である。この理由は、
例えば、プレート材のように厚さ 1mm程度であれば被覆
率5%で犠牲材の厚さは50μm程度となり、これは耐食性
に必要な厚さとなるからである。また、 30%を超える場
合は、本発明の圧延を施しても犠牲材と芯材が圧着しな
いからである。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)芯材合金を鋳造後、 450℃〜 600℃の温度
範囲で均質化処理し、両面を面削した。次にあらかじめ
準備したろう材合金板および犠牲材合金板を芯材の両面
にそれぞれ積層して3層構造体を作製した。尚、芯材の
面削量は3層構造体の厚さが300mmになるように調整し
た。芯材、ろう材、および犠牲材の合金組成を表1に、
3層構造体の組合わせを表2に示す。次に、この3層構
造体を種々圧下率で熱間圧延し、圧延状況を調べた。結
果を表3に示す。また、圧延パス(Pass)スケジュールの
詳細を表4に示す。
る。 (実施例1)芯材合金を鋳造後、 450℃〜 600℃の温度
範囲で均質化処理し、両面を面削した。次にあらかじめ
準備したろう材合金板および犠牲材合金板を芯材の両面
にそれぞれ積層して3層構造体を作製した。尚、芯材の
面削量は3層構造体の厚さが300mmになるように調整し
た。芯材、ろう材、および犠牲材の合金組成を表1に、
3層構造体の組合わせを表2に示す。次に、この3層構
造体を種々圧下率で熱間圧延し、圧延状況を調べた。結
果を表3に示す。また、圧延パス(Pass)スケジュールの
詳細を表4に示す。
【0027】
【表1】 *犠牲材Dは比較例品、他は本発明例品。
【0028】
【表2】 ※犠牲材/芯材/ろう材を合わせた圧延材料の厚さは300mm 。
【0029】
【表3】 *6.7%は5Pass目、♭5Pass目から5%超。
【0030】
【表4】
【0031】表3および表4より明らかなように、本発
明例品のNo.1〜3 は、剥離や反りが発生せず、圧延が良
好になされた。これに対し、比較例品のNo.4は、犠牲材
のMgの含有量が本発明の限定値を超えたため、犠牲材
と芯材との界面で歪みが生じず、従って熱拡散による接
合が全く起きなかった。No.5は5パス(Pass)目(圧延前
半)で圧下率が7%に近い大きさだったため、犠牲材と芯
材との間に剥離が生じた。No.6は5パス(Pass)目(圧延
前半)から圧下率が5%を超え始めたため、剥離は生じな
かったものの、反りが発生し、11パス(Pass)目(圧延後
半)で圧下率が 15%を超えたところで圧延不能となっ
た。
明例品のNo.1〜3 は、剥離や反りが発生せず、圧延が良
好になされた。これに対し、比較例品のNo.4は、犠牲材
のMgの含有量が本発明の限定値を超えたため、犠牲材
と芯材との界面で歪みが生じず、従って熱拡散による接
合が全く起きなかった。No.5は5パス(Pass)目(圧延前
半)で圧下率が7%に近い大きさだったため、犠牲材と芯
材との間に剥離が生じた。No.6は5パス(Pass)目(圧延
前半)から圧下率が5%を超え始めたため、剥離は生じな
かったものの、反りが発生し、11パス(Pass)目(圧延後
半)で圧下率が 15%を超えたところで圧延不能となっ
た。
【0032】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明では、犠牲
材/芯材/ろう材の3層構造体の熱間圧延を板厚が、よ
り薄くなるまで軽圧下条件で行うので、ろう材と芯材と
の界面では適度な歪みが生じて熱拡散による接合が良好
になされ、またろう材と芯材との界面では双方の変形能
の差が小さくなって反りが生じなくなる。依って、ブレ
ージングシート条を歩留り良く製造でき、工業上顕著な
効果を奏する。
材/芯材/ろう材の3層構造体の熱間圧延を板厚が、よ
り薄くなるまで軽圧下条件で行うので、ろう材と芯材と
の界面では適度な歪みが生じて熱拡散による接合が良好
になされ、またろう材と芯材との界面では双方の変形能
の差が小さくなって反りが生じなくなる。依って、ブレ
ージングシート条を歩留り良く製造でき、工業上顕著な
効果を奏する。
【図1】ラジエーターの態様を示す一部断面の斜視図で
ある。
ある。
1………偏平チューブ 2………薄肉フィン 3………ヘッダー 4………タンク
Claims (5)
- 【請求項1】 0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、0.05wt%
を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、
0.05wt% を超え2.0wt%以下のMnを含有し、残部アルミニ
ウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金を芯
材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%
を超え2.5wt%以下のMgを含有し、残部アルミニウムと不
可避的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以
上30%以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアル
ミニウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造の
ブレージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前
の板厚の60% 以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下と
し、圧延開始前の板厚の30%以上 60%未満の板厚での圧
下率を5%以上 15%以下とすることを特徴とするブレージ
ングシート条の製造方法。 - 【請求項2】 0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、 0.05wt%
を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、
0.05wt% を超え2.0wt%以下のMnを含有し、0.5wt%以下の
Mg、0.3wt%以下のCr、0.3wt%以下のZr、0.3wt%以下のTi
のうち1種または2種以上を含有し、残部アルミニウム
と不可避的不純物とからなるアルミニウム合金を芯材と
し、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%を超
え2.5wt%以下のMgを含有し、残部アルミニウムと不可避
的不純物とからなるアルミニウム合金を被覆率5%以上30
% 以下とした犠牲材をクラッドし、他の片面にアルミニ
ウム合金からなるろう材をクラッドした3層構造のブレ
ージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前の板
厚の60% 以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下とし、
圧延開始前の板厚の 30%以上 60%未満の板厚での圧下率
を5%以上 15%以下とすることを特徴とするブレージング
シート条の製造方法。 - 【請求項3】 0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、 0.05wt%
を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、
0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを含有し、残部アルミニ
ウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金を芯
材とし、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%
を超え2.5wt%以下のMgを含有し、0.3wt%以下のIn、0.3w
t%以下のSn、1.6wt%以下のMnのうち1種または2種以上
を含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからな
るアルミニウム合金を被覆率5%以上 30%以下とした犠牲
材をクラッドし、他の片面にアルミニウム合金からなる
ろう材をクラッドした3層構造のブレージングシート条
を製造するにあたり、圧延開始前の板厚の 60%以上の板
厚での圧下率を1.0%以上5%以下とし、圧延開始前の板厚
の 30%以上 60%未満の板厚での圧下率を5%以上 15%以下
とすることを特徴とするブレージングシート条の製造方
法。 - 【請求項4】 0.2wt%を超え2.5wt%以下のSi、 0.05wt%
を超え2.0wt%以下のFe、0.7wt%を超え2.5wt%以下のCu、
0.05wt%を超え2.0wt%以下のMnを含有し、0.5wt%以下の
Mg、0.3wt%以下のCr、0.3wt%以下のZr、0.3wt%以下のTi
のうち1種または2種以上を含有し、残部アルミニウム
と不可避的不純物とからなるアルミニウム合金を芯材と
し、片面に1.5wt%を超え6.0wt%以下のZn、 0.05wt%を超
え2.5wt%以下のMgを含有し、0.3wt%以下のIn、0.3wt%以
下のSn、1.6wt%以下のMnのうち1種または2種以上を含
有し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるア
ルミニウム合金を被覆率5%以上 30%以下とした犠牲材を
クラッドし、他の片面にアルミニウム合金からなるろう
材をクラッドした3層構造のブレージングシート条を製
造するにあたり、圧延開始前の板厚の 60%以上の板厚で
の圧下率を1.0%以上5%以下とし、圧延開始前の板厚の30
% 以上 60%未満の板厚での圧下率を5%以上15%以下とす
ることを特徴とするブレージングシート条の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
のブレージングシート条において、ろう材を7.0wt%を超
え 12.0wt%以下のSi、0.3wt%を超え8.0wt%以下のCuを含
有し、0.5wt%を超え7.0wt%以下のZn、0.001wt%を超え0.
3wt%以下のIn、0.001wt%を超え0.3wt%以下のSnのうち1
種または2種以上を含有し、残部アルミニウムと不可避
的不純物とからなるアルミニウム合金とした3層構造の
ブレージングシート条を製造するにあたり、圧延開始前
の板厚の 60%以上の板厚での圧下率を1.0%以上5%以下と
し、圧延開始前の板厚の30% 以上 60%未満の板厚での圧
下率を5%以上 15%以下とすることを特徴とするブレージ
ングシート条の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP87096A JPH09184038A (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | アルミニウム合金ブレージングシート条の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP87096A JPH09184038A (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | アルミニウム合金ブレージングシート条の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09184038A true JPH09184038A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=11485715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP87096A Pending JPH09184038A (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | アルミニウム合金ブレージングシート条の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09184038A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012087401A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-05-10 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 高強度アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法 |
JP2013221183A (ja) * | 2012-04-17 | 2013-10-28 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 時効硬化性に優れた自動車熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびそれを備えた熱交換器 |
WO2015015767A1 (ja) * | 2013-07-29 | 2015-02-05 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器 |
JPWO2015104760A1 (ja) * | 2014-01-07 | 2017-03-23 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器及びその製造方法 |
JPWO2015104761A1 (ja) * | 2014-01-10 | 2017-03-23 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器及びその製造方法 |
EP3095885A4 (en) * | 2014-01-16 | 2017-08-16 | UACJ Corporation | Aluminum alloy material, method for producing same, aluminum alloy clad material, and method for producing same |
JP2020099932A (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | 三菱アルミニウム株式会社 | アルミニウム合金クラッド金属板の製造方法 |
-
1996
- 1996-01-08 JP JP87096A patent/JPH09184038A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9878402B2 (en) | 2010-09-21 | 2018-01-30 | Uacj Corporation | High-strength aluminum alloy brazing sheet and method of manufacture |
JP2013221183A (ja) * | 2012-04-17 | 2013-10-28 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 時効硬化性に優れた自動車熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびそれを備えた熱交換器 |
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JPWO2015104761A1 (ja) * | 2014-01-10 | 2017-03-23 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器及びその製造方法 |
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US11136652B2 (en) | 2014-01-16 | 2021-10-05 | Uacj Corporation | Aluminum alloy material and method for producing the same, and aluminum alloy clad material and method for producing the same |
JP2020099932A (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | 三菱アルミニウム株式会社 | アルミニウム合金クラッド金属板の製造方法 |
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