JP2008121108A - 熱交換器用チューブおよびその製造方法 - Google Patents

熱交換器用チューブおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CO熱交換器のチューブにおいて、使用環境におけるMnの粒界への析出を低減することでCuの析出を低減し、粒界腐食を抑制する。
【解決手段】熱交換器用チューブは、Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、導電率(IACS%)が37〜45%である。
【選択図】 なし

Description

この発明は、熱交換器用チューブ、特にCO熱交換器に適した熱交換器用チューブおよびその製造方法、さらにこの熱交換器用チューブを用いる熱交換器およびその製造方法に関する。
近年脱フロン対策のーつとして、二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルが提案されている。二酸化炭素を冷媒とする熱交換器(以下、「CO熱交換器」と称する)では高温高圧の状態にさらされる。かかるCO熱交換器を構成するチューブには高温もしくは高圧の冷媒が流れるため、フロン系冷媒を使用するコンデンサと比べてチューブは厚肉となり重量の増加、チューブ高さが高くなることで伝熱面積の減少、チューブ本数の減少となった。また、高温で使用されるため、高温で保持されることによるCuの析出により、粒界腐食が発生し易いという問題があった。高温で保持された場合に粒界腐食が起こり易くなる原因は、Cu量とCuを析出させる起点となる粒界に析出するMnの影響が挙げられる。
熱交換器用チューブの耐食性向上に関しては、材料合金の組成とともに種々の製造方法が種々提案されている(特許文献1、2)。
特許文献1はCO熱交換器用チューブとして提案されたものであり、アルミニウム合金中のMn濃度とSi濃度の比を規定するとともに、押出用鋳塊に施す均質化処理条件を規定することによりマトリックス中に析出する金属間化合物の粒径を制御し、耐食性の向上を図ったものである。
特許文献2に記載されたエアコン配管用アルミニウム合金押出管材は、熱交換器用チューブではないが、材料合金に結晶組織を微細化する元素添加するとともに均質化処理の温度と冷却速度を規定することにより、押出材中に析出するMn含有化合物量を均一化し、耐食性の向上を図ったものである。
特開2005−256166号公報 特開平11−172388号公報
しかしながら、CO熱交換器のチューブにおいてはさらなる耐食性の向上が求められている。
本発明の熱交換器用チューブは、上述した背景技術に鑑み、CO熱交換器の使用環境(温度)においてMnの析出を低減し、Cuの析出の起点を無くすことでCO熱交換器のチューブとして要求される耐食性を達成したものである。
即ち、本発明の熱交換器用チューブ、熱交換器用チューブの製造方法、熱交換器の製造方法および熱交換器は、下記[1]〜[23]に記載の各構成を有する。
[1]Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、導電率(IACS%)が37〜45%であることを特徴とする熱交換器用チューブ。
[2]前記アルミニウム合金においてTi:0.03〜0.25質量%を含有する前項1に記載の熱交換器用チューブ。
[3]前記アルミニウム合金においてFe:0.05質量%以上0.2質量%未満を含有する前項1また2に記載の熱交換器用チューブ。
[4]前項1〜3のいずかに記載された熱交換器用チューブをチューブ基体とし、このチューブ基体の表面にZn量が1〜10g/mのZn付着層を有することを特徴とする熱交換器用チューブ。
[5]アルミニウム合金からなる材料を成形して熱交換器用チューブを製造する方法において、
前記アルミニウム合金が、Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなり、
成形前の材料に対し、550〜620℃で4〜20時間保持する高温均質化処理を行うことを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
[6]前記高温均質化処理後に、400〜530℃で3〜20時間保持する低温均質化処理を行う前項5に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
[7]アルミニウム合金からなる材料を成形して熱交換器用チューブを製造する方法において、
前記アルミニウム合金が、Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなり、
成形工程中または成形後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
[8]アルミニウム合金からなる材料を成形して熱交換器用チューブを製造する方法において、
前記アルミニウム合金が、Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなり、
成形前の材料に対し、550〜620℃で4〜20時間保持する高温均質化処理を行い、
成形工程中または成形後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
[9]前記高温均質化処理後に、400〜530℃で3〜20時間保持する低温均質化処理を行う前項8に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
[10]前記成形が押出であり、成形後の熱処理を行う前に加工ひずみを与えず、成形後の熱処理によって再結晶させない、前項7〜9のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
[11]前記成形後の熱処理の後に加工ひずみを与える前項10に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
[12]前記アルミニウム合金においてTi:0.03〜0.25質量%を含有する前項5〜11のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
[13]前記アルミニウム合金においてFe:0.005質量%以上0.2質量%未満を含有する前項5〜12のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
[14]前項5〜13のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法において、成形したチューブを基体とし、このチューブ基体の表面にZn量が1〜10g/mのZn付着層を形成することを特徴とする前項5〜13のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
[15]熱交換器用チューブとフィンとをろう付する熱交換器の製造方法において、
前記熱交換器用チューブがMn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、
ろう付時の加熱後、70℃/分以下の冷却速度で冷却することを特徴とする熱交換器の製造方法。
[16]熱交換器用チューブとフィンとをろう付する熱交換器の製造方法において、
前記熱交換器用チューブがMn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、
ろう付後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
[17]熱交換器用チューブとフィンとをろう付する熱交換器の製造方法において、
前記熱交換器用チューブがMn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、
ろう付時の加熱後、70℃/分以下の冷却速度で冷却し、
ろう付後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
[18]加工ひずみが与えられていない熱交換器用チューブに対して加工ひずみを与え、ろう付時の加熱によって再結晶させる前項15〜17のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
[19]熱交換器用チューブを構成するアルミニウム合金においてTi:0.03〜0.25質量%を含有する前項15〜18のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
[20]熱交換器用チューブを構成するアルミニウム合金においてFe:0.05質量%以上0.2質量%未満を含有する前項15〜19のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
[21]熱交換器用チューブは、前項15、16、17、19、20のいずれかに記載のアルミニウム合金で構成された熱交換器用チューブをチューブ基体とし、このチューブ基体の表面にZn量が1〜10g/mのZn付着層を有するチューブである前項14〜20のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
[22]前記熱交換器用チューブを、前項5〜14のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法で製造する前項15〜21のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
[23]前項15〜22のいずれかに記載の熱交換器の製造方法で製造されたことを特徴とする熱交換器。
[1]に記載の発明にかかる熱交換器用チューブは、その導電率(IACS%)が示すとおりMnが析出したものであるから、CO熱交換器の使用環境におけるMnの粒界への析出が低減される。このため、粒界に析出したMnを起点とするCuの析出も低減され、ひいてはCuの析出に起因する粒界腐食が抑制される。
[2]に記載の発明にかかる熱交換器用チューブによれば、さらに粒界腐食が抑制される。
[3]に記載の発明にかかる熱交換器用チューブは、長期的な耐食性を有し、かつ材料コストが抑制されたものである。
[4]に記載の発明にかかる熱交換器用チューブは、Zn付着層の犠牲腐食により優れた耐食性を有する。
[5][6][7][8][9]に記載の各発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、導電率(IACS%)が37〜45%となされたチューブを製造することができる。
[10][11]に記載の各発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、押出により、ろう付後の再結晶性が良好なチューブを製造することができる。
[12]に記載の発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、さらに粒界腐食が抑制されるチューブを製造することができる。
[13]に記載の発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、さらに長期的な耐食性と材料コストに優れたチューブを製造することができる。
[14]に記載の発明にかかる熱交換器用チューブの製造方法によれば、チューブ基体の表面にZn付着層を有するチューブを製造することができる。
[15][16][17]に記載の各発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、チューブの導電率(IACS%)が37〜45%となされ、粒界腐食が抑制される熱交換器を製造することができる。
[18]に記載の発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、チューブが再結晶した熱交換器を製造することができる。
[19]に記載の発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、さらに粒界腐食が抑制される熱交換器を製造することができる。
[20]に記載の発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、さらに長期的な耐食性と材料コストに優れた熱交換器を製造することができる。
[21]に記載の発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、さらに長期的な耐食性に優れた熱交換器を製造することができる。
[22]に記載の発明にかかる熱交換器の製造方法によれば、チューブの導電率(IACS%)が37〜45%となされ、粒界腐食が抑制される熱交換器を製造することができる。
[23]に記載の発明にかかる熱交換器は、CO熱交換器の使用環境において粒界腐食が抑制され、耐食性に優れた熱交換器である。
〔熱交換器用チューブ〕
本発明の熱交換器用チューブは、CO熱交換器の使用環境におけるMnの析出を低減してCuの析出の起点を無くすことにより、Cuの析出に起因する粒界腐食を抑制し、耐食性を向上させたものである。CO熱交換器の使用環境とは、最大で180℃である。
本発明の熱交換器用チューブは、合金組成および導電率を規定したチューブであり、さらにこのチューブをチューブ基体として表面にZn付着層を有するチューブである。
以下に、熱交換器用チューブ(チューブ基体)を構成するアルミニウム合金中の各元素の添加意義および濃度の限定理由について詳述する。
Mnは、高強度と耐食性に影響する因子であり、Mnを添加することについてのMn自身による耐食性の劣化は少ないが、CO熱交特有の高温保持を受けた場合にMnが粒界に析出する。このMnの粒界への析出により、Mn析出物を起点としてCuが析出し易くなり、Cuによる粒界腐食が発生する。Mn濃度は、1質量%未満では強度の確保が困難であり、1.6質量%を超えると加工性が低下するため、1〜1.6質量%とする。好ましいMn濃度は、1〜1.5質量%である。
Siは、Mnの析出に影響を与える元素であり、Al‐Si−Mn系の金属間化合物を生成してMnの固溶度を低下させる。Si濃度は、0.03質量%未満では鋳塊が高価となり不経済であり、0.2質量%を超えるとAl‐Si−Mn系金属間化合物を生成するために強度の確保が困難となるため、0.03〜0.2質量%とする。好ましいSi濃度は、0.1〜0.2質量%である。
また、Mn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)は5以上とするのは、Mnの固溶度および導電率、Al−Mn系金属間化合物のサイズに影響するためである。Mn/Siが5未満になると、強度が低下する。好ましいMn/Siは6以上である。
Cuは、耐食性と強度に影響する因子であり、その濃度を0.06〜0.4質量%とする。0.06%未満では強度を向上させる効果が小さく、0.4質量%を越える範囲では耐食性が劣化する。Cu濃度は好ましい下限値は0.1質量%である。また、Cu濃度の好ましい上限値は0.35質量%であり、さらに好ましい上限値は0.2質量%である。
Tiは、結晶粒を層状にする効果が高く、粒界腐食に対して良好に働く。その濃度を0.03〜0.25質量%とすることが好ましい。0.03質量%未満では前記効果が小さく、0.25質量%を越えると不経済である。特に好ましいTi濃度は0.1〜0.2質量%である。
Feは、耐食性に影響を及ぼす元素であり、その濃度が0.2質量%以上では長期的に耐食性を維持することが困難であるので0.2質量%未満が好ましい。一方、0.05質量%未満に規制しようとすれば、高純度材料の使用が必要となり材料コストが高くなる。従って、長期的に優れた耐食性を有し、かつ材料コストを抑制するために、Fe濃度は0.05質量%以上0.2質量%未満が好ましい。特に好ましいFe濃度は0.07〜0.15質量%である。
本発明の熱交換器用チューブは、上述したアルミニウム合金からなり、その導電率(IACS%)は37〜45%に規定されている。導電率(IACS%)は、Mnの固溶・析出状態を示す指標であり、析出量が多い(固溶量が少ない)ほど高くなり、析出量が少ない(固溶量が多い)ほど低くなる。CO熱交換器の使用環境におけるMnの粒界への析出を低減するには、熱交換器の製造過程でMnを析出させておく必要がある。本発明の熱交換器用チューブは、導電率(IACS%)を37〜45%に規定し、CO熱交換器の使用環境にさらされる前のMnの析出量を規定することにより、CO熱交換器の使用環境におけるMnの析出を低減させるものである。導電率が37%未満では使用環境におけるMnの析出が十分に低減されず、析出したMnが起点となってCuを析出させ、粒界腐食が発生しやすくなる。一方、45%を越えると、強度が低下する。好ましい導電率(IACS%)は37〜40%である。
熱交換器用チューブにおける導電率は、上記組成のアルミニウム合金を材料とし、熱交換器用チューブの製造工程または熱交換器用チューブをろう付して熱交換器を製造する工程において、熱的条件を規定することにより制御することができる。
本発明のもう一つの熱交換器用チューブは、合金組成および導電率を規定した上記熱交換器用チューブをチューブ基体(2a)とし、このチューブ基体(2a)の表面にZnを付着させたZn付着層(10)を有するものである(図3参照)。前記Zn付着層(10)は犠牲腐食層を形成して長期的な耐食性維持に寄与する。
前記Zn付着層(10)は、Zn単体の他、合金、化合物のいずれで構成されていても良いく、Zn、Al−Zn合金、KZnF,ZnF,ZnClを例示できる。Zn付着量は1〜10g/mが好ましい。1g/m未満では孔食が発生するおそれがあって犠牲腐食による耐食性向上効果を見込めない。一方、10g/mを越えると腐食量が増大するために、長期的な耐食性を得ることが困難となる。特に好ましい付着量は1〜7g/mである。なお、前記付着量は、金属を金属単体、合金、化合物のいずれの物質として付着させる場合もその元素の正味量である。例えば、Al−Zn合金やKZnFとして付着させる場合のZn量である。また、Zn付着層はチューブ基材の外周面の全域に形成されていても良いし、部分的に形成されていても良い。図3に例示した熱交換器用チューブ(2)は、扁平なチューブ基体(2a)の対向する平坦壁にのみZn付着層(10)を形成したものである。
〔熱交換器用チューブの製造方法〕
熱交換器用チューブを押出成形で製造する場合、押出に供する材料合金(押出ビレット)に対して行う均質化処理条件、あるいは成形工程中または成形後の熱交換器用チューブに対する熱処理条件の少なくともいずれかを規定することにより、熱交換器用チューブの導電率(IACS%)を上記範囲内とすることができる。
材料合金に対する均質化処理は、Mnの金属間化合物を粗大化および析出を促すために行い、CO熱交換器の温度環境において粒界に析出するMnを低減する効果を持つ。均質化処理は、まず550〜620℃の高温均質化処理を行い、要すればさらに400〜530℃の低温均質化処理を行う。前記高温均質処理により、鋳造時の晶出物を粗大にし、かつ金属間化合物の微細に析出させ、ひいては耐食性と強度を良好にする。そして、前記高温均質化処理後に前記低温均質化処理を行うことにより、金属間化合物の微細析出をさらに促し、耐食性と強度の向上を確実にすることができる。
前記高温均質化処理は550〜620℃で4〜20時間保持することにより行う。温度が550℃未満では前記効果が乏しく、620℃で保持すれば上記効果を奏することができるので620℃を越える範囲ではエネルギーコストの点で不経済である。また処理時間が4時間未満では前記効果が乏しく、20時間保持すれば上記効果を奏することができるので20時間を越える範囲では不経済である。高温均質化処理の特に好ましい条件は600〜620℃で6〜20時間である。
前記低温均質化処理は、400〜530℃で3〜20時間保持することにより行う。温度が400℃未満では前記効果が乏しく、530℃を超える範囲では微細に析出せずに粗大に析出するため強度向上効果が小さくなる。処理時間は、3時間未満ではその効果が乏しく、20時間保持すれば上記効果を奏することができるので20時間を越える範囲では不経済である。低温均質化処理の特に好ましい条件は、450〜500℃で6〜15時間である。
本発明において低温均質化処理は任意に行う工程であり、高温均質化処理だけを行っても良い。前記高温均質化処理および低温均質化処理の両方を行う場合は、連続して行っても良いし、高温均質化処理後、材料合金が室温まで冷却した後に再び加熱して低温均質化処理を行っても良い。
成形工程中または成形後の熱処理は、高温で熱処理することによりMnを析出させるために、450〜550℃で1〜10時間保持することにより行う。450℃未満ではその効果が乏しく、550℃を越える範囲では微細に析出しないため強度向上の効果が無くなる。処理時間は、1時間未満ではその効果が乏しく、10時間を越える範囲では不経済である。成形工程中または成形後の熱処理の特に好ましい条件は480〜530℃で1〜5時間である。
本発明の熱交換器用チューブの形状は限定されない。形状例として、図2に示す多穴扁平管(2)を例示できる。
前記熱交換器用チューブを押出により成形する場合、上述した450〜550℃×1〜10時間の熱処理は押出材に対して行う。また、成形方法は上述した押出に限定されず、他の成形方法として圧延によって製作した平板をロールフォーミングによってチューブに成形する方法を例示できる。ロールフォーミングにより熱交換器用チューブを製造する場合、上述した2段階の均質化処理は圧延に供するスラブに対して行い、前記熱処理は圧延素材に対して行い、その後チューブに成形する。即ち、成形工程中に前記熱処理を行う。
また、熱交換器用チューブが押出材である場合、成形後の熱処理を行う前には、加工ひずみを与えず成形後の熱処理によって再結晶させないことが好ましい。これは、ろう付時に再結晶させる必要があり、ろう付前に再結晶させるとろう付時に再結晶しにくくなるためである。また、ろう付時に再結晶しやすくするために、成形後の熱処理を施した熱交換器用チューブに加工ひずみを与えることも好ましい。熱交換器用チューブに加工ひずみを与える方法は限定されず、チューブに引張力を加える方法を例示できる。
また、ロールフォーミングで成形する場合は、溝付き圧延時もしくはロールフォーミングによって加工ひずみが付与される。
即ち、本発明の熱交換器用チューブは加工ひずみが与えられたものと与えられていないものの両方を含んでいる。
もう一つの熱交換器用チューブ、即ちZn付着層を有する熱交換器用チューブは、上述した熱交換器用チューブをチューブ基体とし、このチューブ基体にZn材料(合金および化合物を含む)を付着させて、所定量のZnを含むZn付着層を形成することにより製造する。Zn付着層の形成手段は限定されず、Zn材料を溶射する方法、Zn材料と樹脂バインダーを混合して塗布する方法、Znめっき(ジンケート処理)による方法、Zn材料の粉末を高速噴射してチューブ基体に衝突させて機械的に付着させる方法等を例示できる。Zn付着層の形成は、チューブ基材の成形に連続して行っても良いし、別工程で行っても良い。
また、上述した450〜550℃×1〜10時間の熱処理をチューブ基体の成形後に行う場合、Zn付着層の形成は熱処理工程後に行うことが好ましい。これは、Znが付着した状態で熱処理すると、その熱処理でZnが拡散する可能性があるためである。但し、熱処理工程がZnが拡散しても防食性能が低下しない場合はZn付着層形成後に熱処理を行うことに何ら不都合はなく、どちらの工程を先に行っても良い。
〔熱交換器の製造方法〕
熱交換器用チューブはフィンとろう付されて熱交換器が製造される。図1および図2に例示した熱交換器(1)は、熱交換器用チューブ(2)とフィン(3)とが交互に積層されるとともに、前記熱交換器用チューブ(2)の端部をヘッダータンク(4)に連通接続し、熱交換器用チューブ(2)とフィン(3)、熱交換器用チューブ(2)とヘッダータンク(4)がろう付接合されたものである。なお、図1の熱交換器(1)においては、最外側のフィン(3)にサイドプレート(5)がろう付されている。
かかる熱交換器の製造工程において、ろう付後の冷却条件またはろう付後の熱処理条件の少なくとも一方の条件を規定することにより、熱交換器用チューブの導電率(IACS%)を37〜45%にすることができる。
ろう付後の冷却速度は70℃/分以下とする。冷却速度を速くするとMnの固溶度が大きくなり、CO熱交換器の使用環境にさらされた場合にMnがより析出し易くなる。このため、析出したMnを起点としてCuの粒界腐食が発生し易くなって耐食性が悪くなる。好ましい冷却速度は60℃/分以下である。
また、ろう付前の熱交換器用チューブに加工ひずみを与えておくと、ろう付加熱によって再結晶して新しい耐食性の良好な粒界を形成し、耐粒界腐食性を良好にすることができる。加工ひずみを与える方法は限定されず、チューブを所定長さにカッティングする際に引張ひずみを加える方法を例示できる。圧延材をロールフオーミングすることによりチュ―ブを作製する場合は、圧延によって加工ひずみを付与することができる。加工ひずみは熱交換器用チューブの製造工程で与えることができるため、既に加工ひずみが与えられているチューブに対してはろう付前に新たにひずみを与える必要はない。また、押出材の場合、好ましい加工ひずみ量は5〜40%であり、特に好ましい加工ひずみ量は10〜20%である。圧延材の場合、好ましい加工ひずみ量は40〜95%であり、特に好ましい加工ひずみ量は50〜85%である。
ろう付後の熱処理は、450〜550℃で1〜10時間保持するものとする。この熱処理によってMnを析出させ、CO熱交換器の使用環境におけるMnの析出量を低減して耐粒界腐食性を良好にする。温度が450℃未満ではその効果が乏しい。一方、550℃を越える範囲では、微細に析出せずに粗大に析出するため、Mnによる強度向上効果が小さくなる。また、保持時間が1時間未満ではその効果が乏しく、1〜10時間保持すれば上記効果が得られるので10時間を越える長時間処理は不経済である。
なお、フィンおよびヘッダータンクの材料は限定されないが、フィン材料としてはJIS 3203に0.5〜3質量%のZnを添加したアルミニウム合金を推奨でき、ヘッダータンク材料としてはJIS 3003合金を推奨できる。いずれの場合も、前記合金を心材とし、Al−Si系合金ろう材を皮材とするクラッド材を用いることができる。ヘッダータンク材料としてJIS 3003合金を用いる場合は、皮材として0.5〜3質量%のZnを添加したAl−Si系合金を用いることも好ましい。
以下の各試験例において、図2に示す幅16mm×高さ3mm×肉厚0.5mmの多穴扁平管(2a)を押出により製作し、この多穴扁平管(2a)をチューブ基体とした。
押出に際し、押出機出側の上下にアーク溶射ガンを配置し、押出直後のチューブ基体(2a)の両面にZnを溶射してZn付着層(10)を形成した。続いて冷却用水槽で水冷した後、連続的にコイルに巻き取った。
コイルに巻いた多穴扁平管をほどきながら所定の長さにカッティングし、これを熱交換器用チューブ(2)とした。
前記熱交換器用チューブ(2)は、図1に示すように、フィン(3)、ヘッダータンク(4)、サイドプレート(5)とともに仮組みして全体にフラックスとしてKAlの懸濁水をスプレー塗布し、加熱炉内で600℃×10分間の加熱を行ってろう付した。前記フィン(3)として、JIS 3203に1.5質量%のZnを添加したアルミニウム合金からなる心材の両面に、JIS 4343合金からなる外皮ろう材をクラッドしたブレージングフィンを用いた。ヘッダータンク(4)として、JIS 3003合金からなる心材に、JIS 4343合金に1.2質量%のZnを添加したアルミニウム合金からなる外皮ろう材をクラッドしたクラッド材を用いた。
以上の工程において、材料合金、Zn付着層(10)におけるZn量、熱処理条件、加工ひずみ付与の有無、ろう付後の冷却速度を種々に設定して熱交換器を製作し、熱交換器用チューブの導電率、粒界腐食および高温強度について調査した。
〔試験例1〕
熱交換器用チューブ(2)の材料として表1に示す各組成のアルミニウム合金を用い、押出用ビレットに対して610℃×20時間の高温均質化処理および480℃×12時間の低温均質化処理を連続して行った。成形した熱交換器用チューブ(2)は、コイルの状態で530℃で2時間保持する成形後の熱処理を行った後、所定長さにカッティングした。
製作した熱交換器用チューブ(2)を用いて仮組みした熱交換器(1)をろう付した後は50℃/分の冷却速度で冷却した。冷却後の熱交換器(1)において、熱交換器用チューブ(2)は再結晶していた。さらに、ろう付後の熱処理として、530℃で2時間保持した。
製作した熱交換器(1)について、熱交換器用チューブ(2)の導電率(IACS%)を測定し、さらに下記の方法により粒界腐食および高温強度を調査した。これらの結果を表1に示す。
〈腐食試験による粒界腐食の調査〉
製作した各熱交換器に対し、180℃で24時間保持する熱処理を行った。この熱処理はCO熱交換器の使用環境に相当するものである。
ASTM−G85−A3に規定されたSWAAT試験を実施した。腐食試験液は、ASTM D1141による人工海水を作製し、この人工海水に酢酸を添加してpH3に調製した腐食試験液を用いた。また、試験条件は0.5時間噴霧−湿潤1.5時間を1サイクルとし、このサイクルを400時間実施するものとした。
前記腐食試験後に以下の基準で耐食性を評価した。最も粒界腐食が深いと思われる3箇所について顕微鏡で断面を観察してその深さを測定し、最も深い腐食深さにより3段階で評価した。
○:粒界腐食が発生していないもの
△:粒界腐食深さが100μm以下のもの
×:粒界腐食深さが100μmを越えるもの
〈高温強度〉
ろう付前のチューブに対してろう付相当の熱処理を行ったものについて引張強度を測定し、3段階で評価した。
○:80MPa以上
△:65MPa以上80MPa未満
×:65MPa未満
Figure 2008121108
表1の結果より、アルミニウム合金組成と導電率を規定することにより、粒界腐食を低減できることを確認した。
〔試験例2〕
表1の実施例1、5、8、11に示す組成のアルミニウム合金に対し、表2〜4に示す条件で均質化処理および成形後の熱処理を行って熱交換器用チューブ(2)を製作した。成形後の熱処理を行う場合は、加工ひずみを与えることなく熱処理を行ったところ、熱処理後に再結晶はしていなかった。また、成形後に熱交換器用チューブ(2)に加工ひずみを付与する場合は、コイルをほどきながらカッティングする際に引張力を加えた。付与したひずみ量は表2〜4に示すとおりである。
製作した熱交換器用チューブ(2)を用いて仮組みしてろう付した熱交換器(1)は、表2〜4に示す冷却速度で冷却した。ろう付後の再結晶の有無を調べた後、表2および表3に示す条件で熱処理を行った。
製作した熱交換器(1)について、試験例1と同じ方法で熱交換器用チューブ(2)の導電率(IACS%)、粒界腐食、高温強度を調査した。これらの結果を表2〜4に示す。
Figure 2008121108
Figure 2008121108
Figure 2008121108
表2〜4の結果より、熱交換器用チューブおよび熱交換器の製造工程において、熱処理条件またはろう付後の冷却速度を規定することにより、所期する導電率を得て粒界腐食を低減できることを確認した。
本発明の熱交換器用チューブは導電率(IACS%)によってMnの析出状態を規定したものであり、高温環境におけるMnの粒界への析出が低減され、析出したMnを起点とするCuの析出も低減される。そして、Cuの析出が原因となって発生する粒界腐食が抑制されるので、CO熱交換器のチューブとして好適に用いることができる。
熱交換器の正面図である。 図1の要部を拡大した斜視図である。 Zn付着層を有する熱交換器用チューブの断面図である
符号の説明
1…熱交換器
2…熱交換器用チューブ
2a…チューブ基体
3…フィン
10…Zn付着層

Claims (23)

  1. Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、導電率(IACS%)が37〜45%であることを特徴とする熱交換器用チューブ。
  2. 前記アルミニウム合金においてTi:0.03〜0.25質量%を含有する請求項1に記載の熱交換器用チューブ。
  3. 前記アルミニウム合金においてFe:0.05質量%以上0.2質量%未満を含有する請求項1また2に記載の熱交換器用チューブ。
  4. 請求項1〜3のいずかに記載された熱交換器用チューブをチューブ基体とし、このチューブ基体の表面にZn量が1〜10g/mのZn付着層を有することを特徴とする熱交換器用チューブ。
  5. アルミニウム合金からなる材料を成形して熱交換器用チューブを製造する方法において、
    前記アルミニウム合金が、Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなり、
    成形前の材料に対し、550〜620℃で4〜20時間保持する高温均質化処理を行うことを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
  6. 前記高温均質化処理後に、400〜530℃で3〜20時間保持する低温均質化処理を行う請求項5に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  7. アルミニウム合金からなる材料を成形して熱交換器用チューブを製造する方法において、
    前記アルミニウム合金が、Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなり、
    成形工程中または成形後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
  8. アルミニウム合金からなる材料を成形して熱交換器用チューブを製造する方法において、
    前記アルミニウム合金が、Mn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなり、
    成形前の材料に対し、550〜620℃で4〜20時間保持する高温均質化処理を行い、
    成形工程中または成形後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
  9. 前記高温均質化処理後に、400〜530℃で3〜20時間保持する低温均質化処理を行う請求項8に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  10. 前記成形が押出であり、成形後の熱処理を行う前に加工ひずみを与えず、成形後の熱処理によって再結晶させない、請求項7〜9のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  11. 前記成形後の熱処理の後に加工ひずみを与える請求項10に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  12. 前記アルミニウム合金においてTi:0.03〜0.25質量%を含有する請求項5〜11のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  13. 前記アルミニウム合金においてFe:0.005質量%以上0.2質量%未満を含有する請求項5〜12のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  14. 請求項5〜13のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法において、成形したチューブを基体とし、このチューブ基体の表面にZn量が1〜10g/mのZn付着層を形成することを特徴とする請求項5〜13のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  15. 熱交換器用チューブとフィンとをろう付する熱交換器の製造方法において、
    前記熱交換器用チューブがMn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、
    ろう付時の加熱後、70℃/分以下の冷却速度で冷却することを特徴とする熱交換器の製造方法。
  16. 熱交換器用チューブとフィンとをろう付する熱交換器の製造方法において、
    前記熱交換器用チューブがMn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、
    ろう付後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  17. 熱交換器用チューブとフィンとをろう付する熱交換器の製造方法において、
    前記熱交換器用チューブがMn:1〜1.6質量%、Si:0.03〜0.2質量%、Cu:0.06〜0.4質量%を含有し、かつMn濃度とSi濃度の比(Mn/Si)が5以上であり、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で形成され、
    ろう付時の加熱後、70℃/分以下の冷却速度で冷却し、
    ろう付後に450〜550℃で1〜10時間保持する熱処理を行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  18. 加工ひずみが与えられていない熱交換器用チューブに対して加工ひずみを与え、ろう付時の加熱によって再結晶させる請求項15〜17のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  19. 熱交換器用チューブを構成するアルミニウム合金においてTi:0.03〜0.25質量%を含有する請求項15〜18のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  20. 熱交換器用チューブを構成するアルミニウム合金においてFe:0.05質量%以上0.2質量%未満を含有する請求項15〜19のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  21. 熱交換器用チューブは、請求項15、16、17、19、20のいずれかに記載のアルミニウム合金で構成された熱交換器用チューブをチューブ基体とし、このチューブ基体の表面にZn量が1〜10g/mのZn付着層を有するチューブである請求項14〜20のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  22. 前記熱交換器用チューブを、請求項5〜14のいずれかに記載の熱交換器用チューブの製造方法で製造する請求項15〜21のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  23. 請求項15〜22のいずれかに記載の熱交換器の製造方法で製造されたことを特徴とする熱交換器。
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