JP4700169B2

JP4700169B2 - 振盪機

Info

Publication number: JP4700169B2
Application number: JP2000180036A
Authority: JP
Inventors: 慶秀長田
Original assignee: 株式会社アイラー千野
Priority date: 2000-06-15
Filing date: 2000-06-15
Publication date: 2011-06-15
Anticipated expiration: 2020-06-15
Also published as: JP2002001085A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振盪培養、反応、溶解、混合などに用いられる振盪機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
振盪機のうち、円軌道運動によって振盪する振盪テーブルを有する振盪機は、上端に偏心軸部を所定量偏心させて形成した駆動軸を、架台に設けた軸受を介して保持し、偏心軸部を振盪テーブル下面の軸受に嵌合している。ところが、この構成だけでは、駆動軸の回転により振盪テーブルは円軌道公転運動をし始めるが、やがて自転をし始め、駆動軸と供回りして振盪を行わなくなる。
【０００３】
このため、駆動軸周囲の３箇所以上に、上端に前記偏心軸部と同偏心量の偏心軸部を有する従動軸を配設し、各従動軸の偏心軸部を駆動軸の偏心軸部と同位相で回転するように、前記軸受とは別の振盪テーブル下面の各軸受に嵌合し、該従動軸によって振盪テーブルの自転を規制するものや、例えば、特公平４−３９３７２号公報に示される如く、架台と振盪テーブルとの間に引っ張りバネを掛け渡して振盪テーブルの自転を規制するものがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の１本の駆動軸と３本以上の従動軸を有する構成は、個々の軸の加工精度と組立段階での各軸の位相調整精度が厳しく要求されるので、加工部品のコストが高く、組立・調整にも時間がかかる。また、引っ張りバネを掛け渡した構成では、金属疲労によるバネ断裂の懸念がある。
【０００５】
そこで本発明は、簡単な構造で振盪テーブルの円滑な振盪が得られ、耐久性の高い振盪機を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明は、上端に偏心軸部を所定量偏心させて形成した駆動軸と、該駆動軸を軸受を介して保持する架台と、前記偏心軸部を嵌合する軸受を下面に設けた振盪テーブルとを有し、前記駆動軸の回転により前記振盪テーブルを円軌道公転運動させる振盪機において、前記振盪テーブル下面の軸受外周に、異なる磁極を等間隔に複数有するリング状の移動側磁石を固設し、該移動側磁石外側の架台にリング状の固定側磁石を固設し、該固定側磁石は、前記移動側磁石回転時に移動側磁石外周に接触しない大きさの内周に形成されて移動側磁石と同数の磁極を等間隔に有し、移動側磁石と異磁極を対向して配置され、前記振盪テーブルは、前記偏心軸部を形成した前記駆動軸のみによって架台に支持されていることを特徴としている。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態例を図面に基づいて、さらに詳細に説明する。振盪機１は、上端に偏心軸部２を所定量偏心させて形成した駆動軸３と、該駆動軸３を軸受４，５を介して保持する架台６と、前記偏心軸部２を嵌合する軸受７，８を下面に設けた振盪テーブル９とを有している。
【０００８】
前記架台６は、天井板１０、底板１１及び側板１２とで構成され、底板１１にモータ１３と軸受４，５の支持部材１４とが設けられている。モータ１３の出力軸１５のプーリ１６と、駆動軸３のプーリ１７とにはベルト１８が掛け渡されている。
【０００９】
振盪テーブル９下面には、軸受７，８の支持部材１９が設けられ、該支持部材１９の外周にリング状の移動側磁石２０が固設されている。この移動側磁石２０は、異なる磁極を等間隔に複数、本実施形態例では３個のＮ極と３個のＳ極とを有している。架台６の天井板１０には、前記移動側磁石２０の外側にリング状の固定側磁石２１が保持部材２２により固設されている。この固定側磁石２１は、前記移動側磁石２０回転時に移動側磁石外周に接触しない大きさの内周に形成されて、移動側磁石２０と同数の磁極を等間隔に有している。移動側磁石２０と固定側磁石２１とはＮ極とＳ極とを対向して配置されている。
【００１０】
このように構成された振盪機１は、モータ１３により偏心軸部２を回転させると、移動側磁石２０は、固定側磁石２１との磁力の作用により、各磁極の位相を変えずに旋回運動する。これに伴って振盪テーブル９下面に設けられた支持部材１９も移動側磁石２０と同じ旋回運動をするから、振盪テーブル９は自転せずに円滑な円軌道公転運動をする。したがって、２つのリング状の磁石を組み込むだけで振盪テーブル９の自転を防止できるから、構造が簡単で耐久性も高く低コスト化を実現できる。また、移動側磁石２０と固定側磁石２１とは、互いに接触しない範囲に設置すればよいから、偏心軸部２の加工誤差の許容範囲が広い。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の振盪機は、偏心軸部に嵌合される振盪テーブル下面の軸受外周に、異なる磁極を等間隔に複数有するリング状の移動側磁石を固設し、移動側磁石外側の架台に、移動側磁石回転時に移動側磁石外周に接触しない大きさの内周に形成されて移動側磁石と同数の磁極を等間隔に有し、移動側磁石と異磁極を対向配置したリング状の固定側磁石を固設したので、偏心軸部を回転させると、移動側磁石は、固定側磁石との磁力の作用により、各磁極の位相を変えずに旋回運動するから、振盪テーブルは自転せずに円滑な円軌道公転運動をする。したがって、２つのリング状の磁石を組み込むだけで振盪テーブルの自転を防止できるから、構造が簡単で耐久性も高く低コスト化を実現できる。また、移動側磁石と固定側磁石とは、互いに接触しない範囲に設置すればよいから、偏心軸部の加工誤差の許容範囲が広い。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態例を示す振盪機の断面図
【図２】移動側磁石と固定側磁石の配置状態を示す平面図
【符号の説明】
１…振盪機、２…偏心軸部、３…駆動軸、６…架台、７，８…軸受、９…振盪テーブル、２０…移動側磁石、２１…固定側磁石

Claims

上端に偏心軸部を所定量偏心させて形成した駆動軸と、該駆動軸を軸受を介して保持する架台と、前記偏心軸部を嵌合する軸受を下面に設けた振盪テーブルとを有し、前記駆動軸の回転により前記振盪テーブルを円軌道公転運動させる振盪機において、前記振盪テーブル下面の軸受外周に、異なる磁極を等間隔に複数有するリング状の移動側磁石を固設し、該移動側磁石外側の架台にリング状の固定側磁石を固設し、該固定側磁石は、前記移動側磁石回転時に移動側磁石外周に接触しない大きさの内周に形成されて移動側磁石と同数の磁極を等間隔に有し、移動側磁石と異磁極を対向して配置され、前記振盪テーブルは、前記偏心軸部を形成した前記駆動軸のみによって架台に支持されていることを特徴とする振盪機。