JP4699164B2 - 低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ - Google Patents

低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ Download PDF

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Description

本発明は、海洋・湾岸環境、塩化物環境下で使用される高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼用の溶接ワイヤに関し、特に船体構造体の外殻、隔壁、骨材、水中翼等をステンレス鋼の溶接により組み立てる際に、海水環境下での耐孔食性や耐隙間腐食性に優れ、かつ低温靱性に優れた溶接金属が得られる高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼用非消耗電極式溶接溶接ワイヤに関するものである。
一般に、オーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性が要求される環境で使用され、JISで規定されているSUS304、非酸化性酸に対する耐食性を向上させるためにNiおよびMoを多く含有したSUS316およびSUS317、耐粒界腐食性を向上させるためにCを低減したSUS304L、SUS316LおよびSUS317Lがあり、腐食環境に応じてこれらの鋼種を選択して使用されている。
また、これらのオーステナイト系ステンレス鋼を溶接する際に用いられる溶接ワイヤとしては、JIS Z 3321に規定されているオーステナイト系ステンレス鋼用ワイヤやJIS Z 3323に規定されているオーステナイト系ステンレス鋼用フラックス入りワイヤが多く用いられている。また、308、316、308L、316L系オーステナイト系ステンレス鋼用フラックス入りワイヤも用いられる(例えば特許文献1および2、参照)。
一方、特に耐海水腐食性を高めるためにCr、Mo、Cu、Nを含有し、かつ従来よりもMo及びNの含有量を多くして耐孔食性と耐隙間腐食性をより向上させた、例えば、SUS836L、SUS890L等の高耐食ステンレス鋼が開発されている。
これらの高耐食ステンレス鋼高耐海水腐食性ステンレス鋼を溶接する際に用いられる溶接材料としては、Mo:6.0〜7.0%、N:0.25〜0.50%、Cr:21.5〜25.0%、Ni:17.5〜20%、Cu:0.5〜1.0%を含有した高耐食ステンレス鋼溶接用の高Mo−高N系TIGおよびプラズマ溶接ワイヤ(例えば特許文献3、参照)、Mo:2.4〜6.7%、N:0.05〜0.30%、Cr:18.6〜28.9%、Ni:12.7〜27.3%、Cu:0.8〜2.4%を含有した高耐食ステンレス鋼溶接用の高Mo−高N系フラックス入りワイヤが提案されている(例えば特許文献4、参照)。
また、これらの共金系ワイヤを用いずに、インコネル625(60Ni−22Cr−9Mo−3.5Nb)等の高Cr−高Mo系Ni合金ワイヤを用いて高耐食ステンレス鋼を溶接する場合もあった。
上記高Mo−高N系溶接ワイヤおよび高Cr−高Mo系Ni合金ワイヤを用いて高耐食ステンレス鋼を溶接する場合には、溶接金属の耐海水腐食性は十分に確保される。しかしながら、溶接による熱サイクルにより溶接金属中にシグマ相などの脆化相が析出し、溶接金属の靱性が著しく低下するという問題が生じ、特にワイヤ中のMo含有量が増加するとともにこの問題は顕著となる(例えば、非特許文献1参照)。
一般に、これらオーステナイト系ステンレス鋼用の溶接ワイヤは、溶接性の観点、つまり溶接金属の高温凝固割れを防止する点から、溶接により溶接組織中に体積率で数%〜10%程度のフェライト相を含有する溶接金属が得られるように成分設計されている。しかし、溶接金属組織中にフェライト相を含有した溶接金属は、オーステナイト単相の溶接金属に比べて低温靱性が低下する問題が生じ、フェライト量の増加に伴いこの問題が顕著となる(例えば、非特許文献2参照)。
一方、海水環境下で使用され、かつ岩礁への座礁や船舶同士の衝突事故等に対する安全性の確保が要求される、船体構造体などを溶接により製造する場合には、溶接部として、海水環境下での耐孔食性、耐隙間腐食性に優れ、かつ、低温靱性に優れた、溶接金属を形成できる、高耐食ステンレス鋼溶接用共金系溶接ワイヤの開発が望まれている。
特開昭58−205696号公報 特開昭62−68696号公報 特開平1−95895号公報 特開平3−86392号公報 恩沢他;溶接学会論文集, vol.5 (1987), 262-268 D.T.Read et.al.; Welding Journal, vol.59 (1980), 104s-113
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、特に海水環境下での耐久性、衝突安全性などが要求される船体構造体の外殻、隔壁、骨材、水中翼等をステンレス鋼の溶接により組み立てる際に、溶接性を維持しつつ、海水環境下での耐孔食性や耐隙間腐食性に優れ、かつ低温靱性に優れた溶接金属が得られる高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼用非消耗電極式溶接溶接ワイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、種々の成分組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼ソリッドワイヤを用いてタングステンアーク溶接試験を行い、溶接性を維持しつつ、低温靱性および海水環境下での耐食性に優れた溶接金属が得られる溶接ワイヤの成分組成を鋭意検討した。
その結果、溶接金属の低温靭性を向上させるためには、溶接ワイヤのCr当量/Ni当量を0.85〜1.2とし、さらに、海水腐食環境下での溶接金属の耐孔食性を向上するために、溶接ワイヤのPI値を35以上とすることが有効な手段であることを知見した。
本発明は、かかる知見を基になされたものであって、その要旨とするところは下記の通りである。
(1)質量%で、C:0.005〜0.05%、Si:0.1〜1.0%、Mn:1.0〜3.5%、Cr:25.0〜28.0%、Ni:16.0〜23.9%、Mo:1.6〜3.0%、Cu:0.1〜0.5%、Al:0.001〜0.02%、N:0.30超〜0.50%を含有し、
さらに、O:0.03%以下、P:0.03%以下、S:0.005%以下に制限し、
かつ、下記(A)および(B)式で定義されるCr当量とNi当量の比(Cr当量/Ni当量)が0.85〜1.2の範囲にあり、下記(C)式で定義されるPI値が35以上であり、残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ。
Cr当量=[Cr]+[Mo]+1.5×[Si] ・・(A)
Ni当量=[Ni]+0.5×[Mn]+30×[C]+19.5×[N]・・(B)
PI値=[Cr]+3.3×[Mo]+10.4×[N] ・・(C)
但し、上記[Cr]、[Mo]、[Si]、[Ni]、[Mn]、[C]、[N]は溶接ワイヤ中の各成分含有量(質量%)を示す。
(2)質量%で、さらに、Ti:0.01〜0.3%、および、Nb:0.01〜0.3%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)に記載の低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ。
(3)質量%で、さらに、Ca:0.0005〜0.0050%、および、Mg:0.0005〜0.0050%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ。
本発明によれば、海洋・湾岸環境、塩化物環境下で使用される高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼用の溶接ワイヤに関し、特に船体構造体の外殻、隔壁、骨材、水中翼等をステンレス鋼の溶接により組み立てる際に、溶接性を維持しつつ、海水環境下での耐孔食性や耐隙間腐食性に優れ、かつ低温靱性に優れた溶接金属が得られる高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼用非消耗電極式溶接ワイヤを提供することができる。
したがって、海洋・湾岸環境、塩化物環境下で使用されるステンレス鋼製構造体の信頼性を長期にわたって確保し、かつ溶接部のメンテナンス性改善による経済性効果など、本発明により海洋構造物、造船の分野など産業の発展に貢献するところは極めて大である。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明において溶接金属の低温靱性および海水環境下での耐食性を向上させるための技術思想および溶接ワイヤ成分の基本設計について説明する。
本発明者らの実験などの検討によれば、オーステナイト系ステンレス鋼を共金系の溶接ワイヤにより溶接する場合には、ワイヤ成分により以下のように溶接金属の凝固形態が変化し、最終的な室温での溶接金属組織および溶接金属の低温靭性に大きく影響することを確認している。
つまり、溶接部に形成された溶接金属は、その成分組成に応じて、初晶凝固相がオーステナイト相もしくはフェライト相となった後、これらの相がそれぞれ単独で凝固を完了するものと、フェライト相+オーステナイト相の二相で凝固が完了するものに凝固形態が分類される。
これらの中で、溶接金属の初晶凝固相がフェライト相で、その後、そのままフェライト単相で凝固が完了する溶接金属の凝固形態では、その後、溶接金属が室温まで冷却される過程でオーステナイト相が針状析出するが、最終的に室温の溶接金属中のフェライト相は体積率で約20%以上も残留し、この結果、溶接金属の低温靱性は著しく低下する。
溶接金属の初晶凝固相がフェライト相で、その後、オーステナイト相の晶出によりフェライト相+オーステナイト相の二相で凝固が完了する溶接金属の凝固形態では、その後、溶接金属が室温まで冷却される過程で、オーステナイト相はデンドライト樹芯であるフェライト相中へ成長することによって、最終的に室温の溶接金属中のフェライト量は体積率で数%〜20%程度に減少する。しかし、この溶接金属中のフェライト相はネットワーク状に連結して残留し、衝撃荷重が付与されるとネットワーク状のフェライト相を介して亀裂が伝播するため、溶接金属の低温靱性は低くなる。また、室温の溶接金属においてネットワーク状に縮小したフェライト相中にはCr、Moなどが凝固時よりも濃化され、シグマ相などの脆い金属間化合物が析出しやすくなるため、溶接金属の靱性が低下する。
一方、溶接金属の初晶凝固相がオーステナイト相で、その後、フェライト相の晶出によりオーステナイト相+フェライト相の二相で凝固が完了する溶接金属の凝固形態では、その後、室温まで冷却された溶接金属の組織は、オーステナイト樹間に球状のフェライト相が分散して残留し、フェライト量が数%以下まで低減されるため、上記の凝固形態に比べて溶接金属の低温靱性の低下は少ない。
また、溶接金属の初晶凝固相がオーステナイト相で、その後、そのままオーステナイト単相で凝固が完了する溶接金属の凝固形態では、溶接金属の低温靱性は良好であるが、溶接時に溶接金属の凝固割れが発生しやすくなる傾向にある。
本発明は、上記知見を基に、溶接金属中の低温靭性に有害なフェライト相を低減するために、溶接ワイヤの成分組成を、溶接により形成される溶接金属の初晶凝固相がオーステナイト相となる凝固形態とし、かつ、凝固割れの発生を抑えることを技術思想とする。
また、本発明者らの詳細な検討の結果、かかる技術思想を実現し、溶接金属の低温靭性を向上させるための溶接ワイヤの成分系は、以下のCr当量、Ni当量の指標を用いて整理できることが判った。
図1に、溶接ワイヤのCr当量およびNi当量と溶接金属の凝固形態との関係を示す。また、図2に、バレストレイン試験による凝固割れ長さとCr当量/Ni当量の関係を示す。
ここで、溶接ワイヤのCr当量及びNi当量は、下記(A)式および(B)式による定義される。Cr当量はフェライト相の形成に対する溶接ワイヤ成分の寄与度を示す指標であり、Ni当量はオーステナイト相の形成に対する溶接ワイヤ成分の寄与度を示す指標である。
Cr当量=[Cr]+[Mo]+1.5×[Si] ・・(A)
Ni当量=[Ni]+0.5×[Mn]+30×[C]+19.5×[N]・・(B)
但し、上記[Cr]、[Mo]、[Si]、[Ni]、[Mn]、[C]、[N]は溶接ワイヤ中の各成分含有量(質量%)を示す。
図1から、溶接ワイヤのCr当量/Ni当量が1.0以上、1.2以下の場合に、溶接金属の初晶凝固相はオーステナイト相となり、その後、フェライト相の晶出によりフェライト相+オーステナイト相の二相で凝固が完了する凝固形態となり、室温で溶接金属中の低温靭性に有害なフェライト量を低減し、低温靭性の向上が可能となる(図1中の●)。
一方、溶接ワイヤのCr当量/Ni当量が1.2を越えると溶接金属の初晶凝固相はフェライト相となり、その後、そのままフェライト単相で凝固が完了しても、或いは、オーステナイト相の晶出によりフェライト相+オーステナイト相の二相で凝固が完了しても、室温で溶接金属中の低温靭性に有害なフェライト相が多く含有するため、目的とする低温靭性の向上は図れない(図1中の○)。
また、Cr当量/Ni当量が1.0未満になると溶接金属の初晶凝固相がオーステナイト相となり、その後、そのままオーステナイト単相で凝固が完了する。この溶接金属の凝固形態は、室温で溶接金属中の低温靭性に有害なフェライト量は低減され、溶接金属の低温靱性は良好となるが、溶接時に溶接金属の凝固割れが発生しやすい傾向となることが知られている(図1中の□)。
しかしながら、Cr当量/Ni当量が1.0未満は、オーステナイト単相凝固となる凝固形態の違いのみで成分系を規定しているだけで、実際の凝固割れと対比したものではない。そこで、低温靱性に有害なフェライト相を極限まで低減させ、かつ、凝固割れを発生しない成分を鋭意検討した。その結果を図2に示す。溶接金属のCr当量/Ni当量が1.0未満でオーステナイト単相凝固であっても、Cr当量/Ni当量が0.85以上では凝固割れは発生していない。一方、Cr当量/Ni当量が0.85より小さくなると凝固割れが発生し、さらに、Cr当量/Ni当量が小さくなるにしたがい凝固割れ長さが長くなっている。すなわち、溶接金属の凝固割れ感受性の観点から見れば、オーステナイト単相凝固の成分系でもCr当量/Ni当量が0.85以上では凝固割れは発生しないことが判明した。
したがって、本発明では、溶接金属の凝固割れの発生を抑えて良好な溶接性を維持しつつ、かつ、溶接金属中の低温靭性に有害なフェライト相を低減して、溶接金属の低温靱性を十分に向上するために、溶接ワイヤの成分組成を、上記(A)及び(B)でそれぞれ定義される溶接ワイヤのCr当量とNi当量の比(Cr当量/Ni当量)が0.85〜1.2の範囲を満足するものに規定した。
また、本発明者ら実験などの検討から、オーステナイト系ステンレス鋼を共金系の溶接ワイヤにより溶接する場合には、海水腐食環境下での溶接金属の耐孔食性は、ワイヤ成分を下記(C)式で定義されるPI値で整理させることを確認した。
図3は、溶接ワイヤのPI値と溶接金属の孔食電位との関係を示すものである。なお、孔食電位は、40℃の3.5%NaCl溶液中にて孔食試験を実施し、電流密度が100mA/cm2の時の電位測定値を示す。
PI値=[Cr]+3.3×[Mo]+10.4×[N] ・・(C)
但し、上記[Cr]、[Mo]、[N]は溶接ワイヤ中の各成分含有量(質量%)を示す。
図3から、溶接ワイヤの上記(C)式で定義されるPI値が35以上とすることにより、孔食試験における孔食発生電位が0.73V以上となり、孔食は全く発生しなくなる。
したがって、本発明では、海水環境下での溶接金属の耐孔食性を十分に向上させるために、溶接ワイヤの成分組成を上記(C)で定義されるPI値が35以上を満足するものに規定した。
次に、本発明におけるオーステナイト系ステンレス鋼溶接用ワイヤの成分組成の限定理由を以下に説明する。
なお、以下に示す「%」は、特に説明がない限り「質量%」を意味するものとする。
C:Cは耐食性に有害であるが、強度の観点からある程度の含有が必要であるため、0.005%以上添加する。また、その含有量が0.05%超では溶接のままの状態および再熱を受けるとCはCrと結合してCr炭化物を析出し、耐粒界腐食性および耐孔食性が著しく劣化するとともに、溶接金属の靱性、延性が著しく低下するため、その含有量を0.005〜0.05%に限定した。
Si:Siは脱酸元素および溶滴の表面張力を抑える元素として添加されるが、0.1%未満ではその効果が十分でなく、一方、その含有量が1.0%超では延性低下に伴い、靱性が大きく低下するとともに、溶接時の溶融溶込みも減少し、実用溶接上の問題になる。したがって、その含有量を0.1〜1.0%に限定した。
Mn:Mnは脱酸元素として、およびNの溶解度を増加させる元素として添加するが、その含有量が1.0%未満では効果が十分でなく、一方、3.5%を越えて添加すると延性が低下するのでその含有量を1.0〜3.5%に限定した。
Cr:Crはオーステナイト系ステンレス鋼の主要元素として不働態皮膜を形成し耐食性の向上に寄与する。Ni、Mo、Cu、Nを含有した場合に、初晶オーステナイト相で凝固し、かつ、海水環境下で優れた耐食性を得るには25.0%以上必要である。一方、Cr含有量が多いほど海水環境下での耐孔食性は向上するが、シグマ相などの脆い金属間化合物が析出しやすくなるため靱性が低下する。また、Crはフェライト生成元素であるため、初晶オーステナイト相で凝固するには、Ni、Cu、Nも増量させる必要があり、ワイヤ製造性が低下するとともに製造コストも高くなるため、その含有量の上限を28.0%とした。
Ni:Niは中性塩化物環境での腐食に対し、顕著な抵抗性を与え、かつ、不働態皮膜を強化するため、Ni含有量は多いほど耐食性に有効である。また、Niはオーステナイト生成元素でありオーステナイト系ステンレス鋼の主要元素として、オーステナイト相を生成・安定にする。本発明では、初晶オーステナイト相で凝固する成分系にする必要があるため、フェライト生成元素であるCrを25.0〜28.0%添加した場合の凝固形態および相バランスの観点から、Ni含有量は16.0%〜23.9%とした。なお、Ni含有量の上限23.9%の限定理由は、Crのようなワイヤ製造性の低下は少ないが、製造コストが高くなるためである。
Mo:Moは不働態皮膜を安定化して高い耐食性を得るのに極めて有効な元素である。特に塩化物環境での耐孔食性向上は顕著であるが、1.6%未満ではその効果は不十分である。また、その含有量が3.0%を越えるとシグマ相など脆い金属間化合物を生成して溶接金属の靱性が低下するため、1.6〜3.0%に制限する。
Cu:Cuは強度と耐食性を高めるのに顕著な効果があり、特にNi、Moと共存して中性酸環境下で優れた耐食性を示し、その効果は0.1%以上で著しいが、0.5%を越えて添加してもその効果は飽和するとともに靱性が低下するので、Cu含有量は0.1〜0.5%とする。
Al:Alは脱酸元素として添加されるとともに溶滴移行現象を向上させる元素として添加されるが、0.001%未満ではその効果が十分でなく、一方、その過剰な添加はNと反応してAlNを形成し、靱性を阻害する。その程度はN含有量にも依存するが、Alが0.02%を越えると靱性低下が著しくなるため、その含有量を0.001〜0.02%に限定した。
N:Nは強力なオーステナイト生成元素であり、塩化物環境下での耐孔食性を向上させる。0.03%超で耐孔食性および耐隙間腐食性を向上させ、含有量が多いほどその効果は大きいため、0.30%超を下限とした。一方、N含有量を多くすると、Cr当量/Ni当量を0.85以上にするには、Cr、Moなどのフェライト生成元素を増量させる必要があり、製造コストが高くなる。さらに、0.50%を越えると溶接中にブローホールが発生しやすくなる。したがって、N含有量は0.30超〜0.50%に制限する。
O、P、Sは溶接金属において不可避成分であり、以下の理由で少なく制限する。
O:Oは酸化物を生成し、過剰な含有は靱性を著しく低下させるため、その含有量の上限を0.03%とした。
P:Pは多量に存在すると凝固時の耐高温溶接割れ性および靱性を低下させるので少ない方が望ましく、その含有量の上限を0.03%とした。
S:Sも多量に存在すると耐高温割れ性、延性および耐食性を低下させるので少ない方が望ましく、0.005%を上限とした。
以上を本発明の溶接ワイヤの基本成分とするが、以下の成分を選択的に添加できる。
Ti:TiはCと結合してCr炭化物の析出を抑え、溶接金属の耐食性を向上させる作用を有する。その効果を得るために0.01%以上の添加が有効であるが、0.3%超の添加は延性、靱性を低下させるので、添加する場合は、その含有量を0.01〜0.3%とする。
Nb:NbもCと結合してCr炭化物の析出を抑え、溶接金属の耐食性を向上させる作用を有する。その効果を得るために0.01%以上の添加が有効であるが、0.3%超の添加は延性、靱性を低下させるので、添加する場合は、その含有量を0.01〜0.3%とする。
Ca:Caは熱間加工性を改善する元素であり、ワイヤ製造性を向上させる。しかし、過剰な添加は逆に熱間加工性を低下させるため、添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.0050%とする。
Mg:Mgも熱間加工性を改善する元素であり、ワイヤ製造性を向上させる。しかし、過剰な添加は逆に熱間加工性を低下させるため、添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.0050%とする。
本発明では、オーステナイト系ステンレス鋼溶接用ワイヤとして、上述のように成分含有量を規定したソリッドワイヤを用いてオーステナイト系ステンレス鋼を溶接することにより、優れた低温靱性と海水環境下での耐食性を有する溶接金属が得られる。
なお、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼溶接用ワイヤは、溶接方法として、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接などの非消耗電極式溶接の際に使用される他、被覆アーク溶接棒の芯線、あるいはフラックス入りワイヤの外皮としても使用することができる。さらに、当該溶接ワイヤは、溶接構造物の製作に適用するとともに、それら構造物の補修溶接あるいは肉盛りなどにも適用できる。
以下、実施例にて本発明を説明する。
表1に作製した溶接用ソリッドワイヤの組成を示す。なお、ワイヤ径は1.2mmφである。また、表1に示す組成の残部は鉄と不可避的不純物であり、凝固モードは、オーステナイト単相で凝固が完了するものをA、初晶オーステナイト+フェライトの二相で凝固が完了するものをAF、初晶フェライト+オーステナイトの二相で凝固が完了するものをFAで示す。次に、表2に成分を示すオーステナイト系ステンレス鋼(板厚:12mm)に、開先角度60゜、ルート面1mmの開先を作製し、表1に示した溶接用ソリッドワイヤを用いて、溶接電流:200A、アーク電圧:12V、溶接速度:10cm/minのタングステンアーク溶接(TIG溶接)で溶接継手を作製した。なお、シールドガスは、100%Arガスで、ガス流量は15リットル/minとした。
それぞれの溶接継手よりJIS Z 2202に規定のVノッチ試験片を採取し、試験温度−40℃でシャルピー衝撃試験を実施した。また、それぞれの溶接金属の表層より孔食試験片を採取し、40℃の3.5%NaCl溶液中にて孔食電位の測定をJIS G 0577に規定される方法に準拠して実施した。
表3にシャルピー衝撃試験結果と孔食試験結果を示す。なお、表3中の孔食電位は、電流密度:100mA/cm2の時の電位を示し、孔食電位の○印は、孔食は発生せず水の電気分解により酸素が発生したものを示している。
表3において、記号Hの比較例はCrが範囲外で、かつ、PI値が低いため、孔食が発生している。記号IはN含有量が少なく、記号JはNi含有量が少なく、また、記号KはCrおよびMoが規定範囲より多いために、Cr当量/Ni当量比が1.2を超え、初晶フェライト相凝固となり、シャルピー衝撃値が著しく低下している。記号Lは、各元素とも範囲内であるが、PI値が低いために孔食が発生している。また、記号Mも、各元素はいずれも範囲内であるが、Cr当量/Ni当量比が1.2を超え、初晶フェライト相凝固となるために、シャルピー衝撃値は低くなっている。記号Nは、シャルピー衝撃値および耐孔食性とも良好であるが、Cr当量/Ni当量比が0.85未満のため、溶接時に凝固割れが発生している。
一方、記号A〜Gの本発明例は、成分含有量および各成分の関係が本発明の範囲内であるため、比較例に比べ、シャルピー衝撃値は高く、かつ、孔食も発生していない。
Figure 0004699164
Figure 0004699164
Figure 0004699164
溶接ワイヤのCr当量、Ni当量とその凝固形態との関係を示す図である。 バレストレイン試験による溶接金属の凝固割れ長さとCr当量/Ni当量との関係を示す図である。 溶接金属のPI値(=Cr+3.3×Mo+16×N)と40℃の3.5%NaCl溶液中での孔食電位との関係を示す図である。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.005〜0.05%、Si:0.1〜1.0%、Mn:1.0〜3.5%、Cr:25.0〜28.0%、Ni:16.0〜23.9%、Mo:1.6〜3.0%、Cu:0.1〜0.5%、Al:0.001〜0.02%、N:0.30超〜0.50%を含有し、
    さらに、O:0.03%以下、P:0.03%以下、S:0.005%以下に制限し、
    かつ、下記(A)および(B)式で定義されるCr当量とNi当量の比(Cr当量/Ni当量)が0.85〜1.2の範囲にあり、下記(C)式で定義されるPI値が35以上であり、残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ。
    Cr当量=[Cr]+[Mo]+1.5×[Si] ・・(A)
    Ni当量=[Ni]+0.5×[Mn]+30×[C]+19.5×[N]・・(B)
    PI値=[Cr]+3.3×[Mo]+10.4×[N] ・・(C)
    但し、上記[Cr]、[Mo]、[Si]、[Ni]、[Mn]、[C]、[N]は溶接ワイヤ中の各成分含有量(質量%)を示す。
  2. 質量%で、さらに、Ti:0.01〜0.3%、および、Nb:0.01〜0.3%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ。
  3. 質量%で、さらに、Ca:0.0005〜0.0050%、および、Mg:0.0005〜0.0050%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低温靱性と耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接用非消耗電極式溶接ワイヤ。

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