JP5622707B2 - 極低温用鋼用溶接材料 - Google Patents

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Description

本発明は、液体ヘリウム温度[4K(−269℃)]近傍や液体水素温度[14K(−259℃)]近傍などの極低温領域での使用が前提とされる極低温用鋼を溶接する際に用いられる極低温用鋼用溶接材料に関し、特に、再熱部に発生する延性低下割れ性を抑制し得る極低温用鋼用溶接材料に関するものである。本発明の溶接材料は、例えば超伝導コイルなどのような、極低温領域で操業され、かつ非磁性特性が要求される機器類に好適に用いられる。
超伝導コイルなどのような極低温領域で操業され、かつ非磁性特性が要求される機器類などでは、液体ヘリウムや液体水素などにより絶対零度近くの極低温域(4〜14K)まで冷却された状態で運転されるため、これらの環境下で使用される機器(機械的構造体)には、極低温域においても強度や靱性などの機械的特性が良好な極低温用鋼が使用されている。さらに、超電導発電などのように磁場環境におかれる機器では上記特性に加えて、非磁性特性が安定していることが求められている。これらの特性を満たす極低温用鋼としては、従来からSUS304L、SUS316Lなどのオーステナイトステンレス鋼が主として使用されている他、適用分野によってはインコネル合金(商標)や高Mn鋼、析出強化非磁性鋼なども使用されている。
極低温域で使用される上記機械的構造体は、経済性などを考慮し、溶接接合などの溶接施行によって機器の組み付けを行なうことが多い。上記溶接施行に用いられる溶接材料としては、極低温用鋼を良好に溶接でき、溶接部(溶接金属)において良好な極低温特性(強度、靱性などの機械的特性)が得られることが要求されており、このような溶接材料として、本願出願人は、特許文献1の技術を開示している。特許文献1では、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、およびNの含有量をそれぞれ、適切に制御しており、また、高温割れの発生を防止するため、PやSなどの不純物元素を0.005%以下に制御している。
ところで超伝導コイルなどのような極低温領域で操業され、かつ非磁性特性が要求される機器類は、用途によって大型の構造物となる。大型構造物では機械的強度を確保するため、母材が厚肉化される傾向にあり、母材板厚が250mm程度の極厚板が採用される場合がある。また、厚板溶接では、近年、溶接施工効率向上の観点から、溶着量の少ない狭開先(開先角度がおおむね、0°〜10°)で溶接する傾向にあり、更には、当該狭開先部分を1層1パスで溶接施工することも行われている。よって、このような狭開先溶接(好ましくは1層1パスによる狭開先溶接)を行っても、上記特性を確保できる(極低温用鋼を良好に溶接できること、溶接部の極低温特性に優れること)溶接材料の開発が重要となっている。
しかしながら、狭開先での溶接は、溶接金属にかかる拘束が厳しく、高温割れが発生し易いという問題がある。溶接金属に発生する高温割れは、「凝固割れ」と「再熱部に発生する延性低下割れ」に大別される。このうち、極低温領域で使用される極低温用鋼の溶接に用いられる極低温用鋼用溶接材料で問題となるのは、後者の「再熱部に発生する延性低下割れ」であり、前者の「凝固割れ」は、さほど問題とならない。大型の超伝導コイルなどの特殊用途に用いられる極低温用鋼用溶接材料における溶接速度は、割れ以外の問題(溶融金属のなじみ性など)から、一般的な溶接材料を使用する場合と比較して、あまり上昇させることは出来ず、せいぜい、7〜15cm/minである。そのため、凝固割れの発生が問題になるような高速溶接は実施されず、通常の溶接材料で問題になるような高温凝固割れは発生し難いと考えられる。これに対し、上記用途に用いられる極低温用鋼用溶接材料では、「再熱部に発生する延性低下割れ」が発生し易いが、これは、溶接金属にかかる拘束が厳しいため、再熱部の溶接金属に対して、溶接金属が有する高温延性を超えるだけの引張応力が加わり、延性低下割れが発生するためと考えられる。そのため、溶接金属の高温延性を改善(向上)できれば、「再熱部に発生する延性低下割れ」の抑制に効果的であり、ひいては、溶接施工効率も向上するようになる。
このような観点から検討されたものとして、例えば非特許文献1が開示されている。ここには、所定のNi基合金の再熱溶接金属の延性低下割れ感受性に及ぼすCr及びSの影響について報告されており、Sについて、「Ni−Cr−Fe三元系合金において、Sを含む合金の再熱溶接金属部における延性低下割れ感受性は、PおよびSiに比して高いこと」、「S量を0.001%、0.007%、0.021%と増加させると、S量の増加とともに破断伸びが低下する傾向が認められ、Sが高温における延性に影響を及ぼすこと」、「高温延性の低下は、Sが粒界に偏析し易くなり、粒界破壊が促進されるためと推察される」といった趣旨のことが記載されている。すなわち、上記非特許文献1には、高温での延性低下がSの粒界偏析による粒界破壊の促進であることが指摘されており、不純物であるSを極力少なくすれば再熱部に発生する延性低下割れを防止できることが記載されている。
特許第3410261号公報
中尾他、「Ni−Cr−Fe三元系合金の再熱溶接金属の延性低下割れ感受性に及ぼすCr及びSの影響」、溶接学会論文集、第11巻(1993)、第1号、108〜113頁
上述したように、溶接施行効率向上の観点から、狭開先で溶接し、好ましくは狭開先部分を1層1パスで溶接しても、極低温用鋼を良好に溶接でき、溶接部における良好な極低温特性を確保できるのみならず、特に、再熱部に発生する延性低下割れを防止可能な溶接金属の高温延性を飛躍的に改善できる技術の提供が切望されている。しかしながら、前述した非特許文献1に教示されている、S量の低減方法では、このような過酷な溶接条件下での特性が充分に得られないことが判明した。また、非特許文献1に示されている、不純物であるSを極力少なくすれば再熱部に発生する延性低下割れを防止できるといった考え方を適用しようとしても、特許文献1に開示されているS濃度は十分に低く、更なるS濃度を低減した溶接材料を製造することは非常に困難であるうえ、Sを含まない高純度原料を使用する必要があり、コストアップになり経済的ではない。一方、前述した特許文献1では、延性低下割れ防止について考慮していない。また、前述した特許文献1の実施例では、200mm厚の極低温用鋼を母材として用い、溶接速度7cm/minでTIG溶接を行ったことは記載されているが、開先角度や母材形状までは明記されていない。しかし、溶着金属部分から各種試験片を採取し、各種試験に供していることから、上記特許文献1では、狭開先施工が実施されなかったことは容易に想像でき、その為に延性低下割れが発生しなかったものと推察される。生産性や機械的構造物の強度向上を考慮すると、前述の狭開先化、母材の更なる厚肉化が切望されており、このような過酷な溶接条件下でも、上記特性を十分発揮できる溶接材料の提供が強く望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、再熱部における耐延性低下割れ性に優れた極低温用鋼用溶接材料を提供することにある。詳細には、狭開先で溶接し、好ましくは狭開先部分を1層1パスで溶接しても、極低温用鋼を良好に溶接でき、溶接部における良好な極低温特性(強度、靱性などの機械的特性)が得られることは勿論のこと、再熱部における延性低下割れを防止できる新規な極低温用鋼用溶接材料を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の極低温用鋼用溶接材料は、質量%で、C:0.08%以下、Si:2.0%以下、Mn:8.0〜18.0%、Ni:12.5〜20.0%、Cr:10.0〜14.0%、Mo:2.0〜7.0%、N:0.20%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる溶接材料であって、Pを0.010〜0.040%、またはBを0.001〜0.02%の範囲で含有するところに要旨を有するものである。
本発明によれば、溶接材料中の成分(特に不純物であるPまたはBの含有量)が適切に制御されているため、狭開先で溶接し、好ましくは狭開先部分を1層1パスで溶接しても、極低温用鋼を良好に溶接でき、溶接部における良好な極低温特性(強度、靱性などの機械的特性)が得られることは勿論のこと、再熱部における延性低下割れを防止できる新規な極低温用鋼用溶接材料を提供することができた。
図1は、実施例において、耐割れ性評価に用いられる母材形状を示す図である。 図2は、実施例において、高温延性評価用の試験片を採取した位置の概略を示す図である。 図3は、実施例において、高温延性評価に用いられる真ひずみ測定試験片の概略を示す図である。
本発明者らは、再熱部における耐延性低下割れ性に優れた極低温用鋼用溶接材料を提供するため、鋭意検討した。詳細には、前述した特許文献1に記載の組成の溶接材料をベースとし、特に溶接施行効率向上の観点から、狭開先で溶接し、好ましくは狭開先部分を1層1パスで溶接しても、上記特性を確保し得る極低温用鋼用溶接材料を提供するとの観点から、研究を重ねてきた。その結果、高温での耐延性低下割れ性に悪影響を及ぼすSの粒界偏析を抑制するためには、従来のように不純物であるSの量を極力低減化するだけでなく、Sと同じ侵入型元素であるPまたはBを、積極的に所定量添加することが有効であり、これにより、上記のような溶接施行効率の高い苛酷な溶接条件で溶接したとしても、凝固割れが抑えられることは勿論のこと、再熱部における耐延性低下割れ性に優れた極低温用鋼用溶接材料を提供できることを見出し、本発明を完成した。
本明細書において、「極低温」とは、絶対温度が4〜14K程度の範囲を意味する。具体的には、超伝導コイルなどのように、液体ヘリウムや液体水素などの冷媒により冷却された状態で運転されるときの操業温度を意味する。
本明細書において、「極低温用鋼」(母材相当部分)とは、上記の極低温域で用いられる鋼を意味する。本発明では、後に詳述するように、上記極低温用鋼を溶接する際に用いられる溶接材料の組成を特定したところに特徴があり、当該極低温用鋼については、通常用いられるものであれば特に限定する趣旨ではない。具体的には、例えば、SUS304L、SUS316Lなどのオーステナイトステンレス鋼(オーステナイト組織を有するステンレス鋼)、インコネル合金(商標)、高Mn鋼、析出強化非磁性鋼などを使用することができるが、特に、オーステナイトステンレス鋼が好ましく用いられる。
本明細書において、「溶接材料」とは、溶接に用いられる材料であり、具体的には、溶接ワイヤ、ロッドなどを意味する。
本明細書において、「再熱部における耐延性低下割れ性に優れた」(単に「高温延性に優れた」と略記する場合がある。)とは、後記する実施例に記載の条件で、1000℃の高温引張試験を行ったとき、溶接金属の真ひずみが0.30以上であり、且つ、後記する実施例に記載の条件で耐割れ性を測定したとき、割れが0個のものを意味する。
以下、本発明に係る溶接材料の成分について説明する。
上記溶接材料は、C:0.08%以下、Si:2.0%以下、Mn:8.0〜18.0%、Ni:12.5〜20.0%、Cr:10.0〜14.0%、Mo:2.0〜7.0%、N:0.20%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる溶接材料であって、Pを0.010〜0.040%、またはBを0.001〜0.02%の範囲で含有するところに特徴がある。ここで、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、N、Sの各元素の含有量は、基本的には、前述した特許文献1に記載の溶接材料と同じである。本発明では、上記特許文献1では意図していなかった「再熱部における耐延性低下割れ性」の向上(詳細には、溶接施行効率向上のための、所定溶接条件下における上記特性の向上)の観点から、不純物であるPおよびBのいずれか一方を、所定範囲で積極的に添加させたところに最大の特徴がある。
まず、前提部分となるC、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、N、Sについて説明する。
C:0.08%以下(0%を含まない)
Cは、γ(オーステナイト)形成元素であり、生地(マトリックス)の強化元素としても有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Cを0.005%以上含有することが好ましい。但し、C量が0.08%を超えると靱性を阻害するため、その上限を0.08%とする。C量の好ましい上限は0.05%以下である。
Si:2.0%以下(0%を含まない)
Siは、脱酸元素として有効であり、このような作用を有効に発揮させるためには、Siを、0.1%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.40%以上である。但し、Si量が2.0%を超えると、δフェライトやσ相の生成により靱性が阻害されるため、その上限を2.0%とする。Si量の好ましい上限は1.0%以下である。
Mn:8.0〜18.0%
Mnは、γ形成元素として有効であり、また主要強化元素であるNの溶解度を上昇させて、Nによるブローホールの発生を防止する効果もある。また、Mnは脱酸元素として有効であり、このような作用を有効に発揮させるため、Mnを8.0%以上含有する。好ましくは9.5%以上である。但し、Mn量が18.0%を超えると脆化相の析出により延性や靭性が阻害されるため、その上限を18.0%とする。Mnの好ましい上限は15.0%以下である。
Ni:12.5〜20.0%
Niは、γ形成およびγ安定化元素として重要な元素であり、特にγの安定化という観点から、強力なγ形成およびγ安定化元素であるN(後記する。)を補完するため、一般の極低温用鋼に比べて多めに含有させる。また、凝固過程や冷却過程でδフェライトの生成を抑制し、あるいはδフェライトが凝固しても速やかにγ組織に変態させ、靭性を向上させる元素である。更に、上記のγ組織はN固溶度が高く、また、凝固過程や冷却過程でN固溶度の低いδフェライトの生成が抑制されているため、Nによる溶接時のブローホールの発生が有効に防止される。特にNiは、前述したC、Mn、Ni、後記するNなどのγ安定化元素と比べて、耐食性や靭性などへの悪影響が殆どなく、本発明のように多く含有させることによってγ形成およびγ安定化による低透磁率の達成と共に、Nによるブローホールの防止効果が有効に得られる。これらの作用を有効に発揮させるため、Niを12.5%以上含有する。好ましくは13.5%以上である。但し、Ni量が20.0%を超えても上記効果は飽和し、Niは高価な元素であるため経済的に無駄であることから、上限を20.0%とする。Niの好ましい上限は15.0%以下である。
Cr:10.0〜14.0%
Crは、耐食性および耐銹性の向上に寄与する元素である。また、主要強化元素であるNの溶解度を高める効果もある。このような作用を有効に発揮させるため、Crを10.0%以上含有する。好ましくは11.0%以上である。但し、Cr量が14.0%を超えると、δフェライトの生成を促して靱性が損なわれるため、その上限を14.0%とする。Crの好ましい上限は13.0%以下である。
Mo:2.0〜7.0%
Moは、後記するNと同様、強化元素であり、Nの溶解度を高める元素でもある。更に、高温延性を改善する効果があり、耐延性低下割れ性を向上する効果がある。これらの作用を有効に発揮させるため、Moを2.0%以上含有する。好ましくは4.0%以上である。但し、Mo量が7.0%を超えると、δフェライトの生成を促すと共に脆化相の析出により靱性が阻害されるため、その上限を7.0%とする。Moの好ましい上限は6.0%以下である。
N:0.20%以下(0%を含まない)
Nは、Cと同様、強力なγ形成およびγ安定化元素であり、生地(マトリックス)の強化元素としても有効である。また靱性への悪影響もCより少ない。このような作用を有効に発揮させるためには、Nを0.03%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.10%以上である。但し、N量が0.20%を超えると、溶接時にブローホールが発生し、溶接欠陥の原因となるため、その上限を0.20%とする。Nの好ましい上限は0.15%以下である。
S:0.005%以下(0%を含まない)
Sは、前述した非特許文献1に記載されているように、粒界偏析により再熱部における耐延性低下割れ性を悪化させる元素であるため、その上限を0.005%以下とする。S量は少ない程良く、好ましくは0.0045%以下であり、より好ましくは0.0040%以下である。
本発明の溶接材料は、上記の成分を含有することを前提にして、不純物元素であるPおよびBについて、(1)Pを0.010〜0.040%の範囲で含有するか(この場合、Bは不純物元素として含まれ得る)、または(2)Bを0.001〜0.02%の範囲で含有する(この場合、Pは不可避的不純物として含まれ得る)ところに特徴がある。これらのPおよびBは、いずれも、Sと同じ侵入型元素であり、これらのうちいずれか一方の元素を、上記範囲で積極的に添加することにより、PまたはBを添加しない場合に比べ、再熱部における耐延性低下割れ性が向上し、好ましくは、上記のような溶接施行効率の高い溶接条件で溶接したとしても、上記特性が発揮されることが判明した(後記する実施例を参照)。これは、PまたはBが、Sと結晶粒界に偏析する場所が共通であり、PまたはBが結晶粒界に偏析する分だけSの結晶粒界への偏析が抑制される、所謂、サイトコンペティション効果が、延性低下割れが発生するような高温の温度域でも起きており、その結果として、特に延性低下割れが発生する1000℃の高温延性を改善させ、耐延性低下割れ性を向上させたのではないかと推察される。PおよびBが、延性低下割れが発生するような高温の温度域での高温延性改善効果を発揮することは、これまで知られておらず、上述のような新たな高温延性改善方法を見出したことに本発明の特徴がある。よって、従来技術では達成困難であった、再熱部における耐延性低下割れ性の向上が可能となるものである。
以下、(1)Pを0.010〜0.040%含有する態様(この場合、Bは不純物元素として含まれ得る)、または(2)Bを0.001〜0.02%含有する態様(この場合、Pは不可避的不純物として含まれ得る)について説明する。本明細書では、説明の便宜上、上記(1)の態様を「P添加発明」、上記(2)の態様を「B添加発明」と呼ぶ場合がある。
(1)Pを0.010〜0.040%含有する「P添加発明」について(この場合、Bは不純物元素として含まれ得る)
上述したようにPは、再熱部における耐延性低下割れ性向上作用(高温延性改善作用)に大きく寄与する元素であり、このような作用を有効に発揮させるため、その下限を0.010%以上とする。後記する実施例に示すように、P量を0.010%以上とすることにより、高温延性の指標である真ひずみが0.30以上となり、割れも抑えられて、所望の特性が発揮される。好ましくは、P量を0.015%以上とする。上記作用は、P量の増加につれ、ほぼ比例的に向上する傾向にあるが、P量が過剰になると、本発明の分野においても高温凝固割れが生じる恐れがあるため、その上限を0.040%以下とする。好ましくは、P量を0.030%以下とする。好ましいP量の範囲は、高温延性改善作用および高温凝固割れの発生防止とのバランスを考慮し、適切に定めることが好ましい。
Pについて、従来の位置づけを説明すると、例えば前述した特許文献1には「高温割れが生じ、溶接欠陥の原因となるため、その上限を0.005%以下とすることが好ましい」と記載されているように、これまでは、高温凝固割れを起こすためにその量を極力減らす方向で制御されていたのが実情である。これに対し、本発明者らの検討結果によれば、Pは高温延性改善元素として有用であり、このような作用は、従来の不純物レベルを超える、0.010%以上を添加して有効に発揮されることが、はじめて明らかになった。
なお、P量を、従来に比べて多くすると、一般には高温凝固割れが懸念されるところであるが、前述したように、本発明のように大型の超伝導コイルなどの特殊用途に用いられる極低温用鋼用溶接材料では高速溶接は適用されないため、高温凝固割れは発生し難い。
Pを上記範囲で含有する上記(1)のP添加発明では、Bは不純物元素として含まれ得るため、後記する(2)のB添加発明のようにBを0.001%以上の範囲で積極的に含有することはない。具体的には、上記(1)では、Bは、おおむね、0.0005%以下で含まれ得る。
上記(1)のP添加発明では、上記の成分を含み、残部:鉄および不可避的不純物である。不可避的不純物としては、製造上不可避的に混入し得る不純物が挙げられ、例えば、Co、Nb、V、Cu、Oなどが例示される。
(2)Bを0.001〜0.02%含有する「B添加発明」(この場合、Pは不可避的不純物として含まれ得る)
BもPと同様、再熱部における耐延性低下割れ性向上作用(高温延性改善作用)に大きく寄与する元素であり、このような作用を有効に発揮させるため、その下限を0.001%以上とする。後記する実施例に示すように、B量を0.001%以上とすることにより、高温延性の指標である真ひずみが0.30以上となり、割れも抑えられて、所望の特性が発揮される。好ましくは、B量を0.002%以上とする。上記作用は、B量の増加につれ、ほぼ比例的に向上する傾向にあるが、B量が過剰になると、本発明の分野においても、高温凝固割れが生じる恐れがあるため、その上限を0.02%以下とする。好ましくは、B量を0.005%以下とする。好ましいB量の範囲は、高温延性改善作用および高温凝固割れの発生防止とのバランスを考慮し、適切に定めることが好ましい。
Bについて、従来の位置づけを説明すると、Pと同様、これまでは、高温凝固割れを起こすためにその量を極力減らす方向で制御されていたのが実情である。これに対し、本発明者らの検討結果によれば、Bは高温延性改善元素として有用であり、このような作用は、従来の不純物レベルを超える、0.001%以上を添加して有効に発揮されることが、はじめて明らかになった。
なお、B量を、従来に比べて多くすると、一般には高温凝固割れが懸念されるところであるが、前述したように、本発明のように大型の超伝導コイルなどの特殊用途に用いられる極低温用鋼用溶接材料では高速溶接は適用されないため、高温凝固割れは発生し難い。
Bを上記範囲で含有する上記(2)のB添加鋼では、Pは不純物元素として含まれ得るため、前述した(1)のP添加発明のようにPを0.010%以上の範囲で積極的に含有することはない。具体的には、上記(2)では、Pは、おおむね、0.005%以下で含まれ得る。
上記(2)のB添加発明では、上記の成分を含み、残部:鉄および不可避的不純物である。不可避的不純物としては、製造上不可避的に混入し得る不純物が挙げられ、例えば、Co、Nb、V、Cu、Oなどが例示される。
次に、本発明において好ましく用いられる溶接条件について説明する。前述したように、近年、溶接施行効率の向上、機械的構造物の強度向上などに対する要請が益々強くなっており、このような要請に応えるため、狭開先化、母材の厚肉化、溶接施行条件の1層当たりのパス低減などが推奨されるが、このような過酷な溶接方法を採用したとしても、本発明の溶接材料を用いれば、延性低下割れを抑えることができる点で、極めて有用である(後記する実施例を参照)。
(開先角度)
開先角度を小さくすると溶着量を少なくできることから、コストを低減でき、溶接施行効率が向上する。20mm厚程度の一般的な溶接継手の場合、開先角度は、おおむね、20〜50°であるのに対し、本発明のように極厚板の狭開先施工(0〜10°)を対象にし、非常に狭いものとなっている。そのため、溶接金属に働く引張応力も高く、延性低下割れが極めて発生し易い溶接施工条件であるといえるが、本発明の溶接材料を用いれば、このような過酷な溶接施工条件下であっても、延性低下割れを抑えることができた点で、極めて有用である。
(その他の溶接施行条件)
更に本発明では、上記の狭開先部分を1層1パスで溶接施工することを推奨しており、非常に拘束が厳しいものである。更に本発明では、母材の厚みに関し、機械的構造物の強度を確保するという要請に応えるため、延性低下割れが無く溶接できる母材の最大厚みを260mmに設定することを推奨しており、前述した特許文献1の実施例の母材厚み(200mm)に比べ、約30%程度厚みが増加している。本発明の溶接材料を用いれば、このような過酷な溶接施工条件下であっても、延性低下割れを抑えることができた点で、極めて有用である。
本発明における上記以外の溶接条件は特に限定されず、TIG溶接、MIG溶接、電子ビーム溶接、レーザー溶接などが用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(耐割れ性の評価方法)
母材として、表1に示すSUS316LNを用意し、図1に示すような溝部を有するように加工した後、拘束用鋼板(SM490A)の上に母材を重ね合わせ、互いが接する全周囲を予め拘束溶接した。
また、溶接材料として、表2に示す成分の溶接ワイヤ(直径1.2mm、残部:鉄および不可避的不純物)を用意した。
上記溶接ワイヤを用い、上記母材の溝部を1層1パスで8層肉盛溶接した。詳細な溶接施行条件は以下のとおりである。
溶接法:TIG溶接
溶接電流:240A
アーク電圧:12V
溶接速度:8cm/min
ワイヤ供給速度:18g/min
運棒:ウィービング
パス間温度:100〜150℃
シールドガス:Ar
開先角度:10°
このようにして得られた溶接試験体を用い、以下のようにして、耐割れ性を評価した。
125mm×50mm×10mm(溶接線方向長さが10mm)の曲げ試験用の試験片を10本作製し、曲げ半径:50mmで側曲げ割れ試験をそれぞれ、実施し、浸透探傷試験により割れの有無を測定した。本実施例では、試験片全ての割れ数を測定し、以下の基準で耐割れ性を評価し、○を合格(耐割れ性に優れる)と評価した。
○:割れ個数ゼロ
△:殆ど割れは無いが数個の割れが発生する
×:数十個の割れが発生する
(高温延性の評価方法)
母材として、SM490Aを用意し、溶接材料として、表2に示す成分の溶接ワイヤを用いて図2に示すような1層2パスで5層肉盛溶接した。詳細な溶接施行条件は以下のとおりである。
溶接法:TIG溶接
溶接電流:200A
アーク電圧:12V
溶接速度:8cm/min
ワイヤ供給速度:10g/min
運棒:ウィービング
パス間温度:100〜150℃
シールドガス:Ar
開先角度:20°
このようにして得られた溶接試験体の溶接金属中央部(図2中、「引張試験片切出し位置を参照」)から図3に示す高温延性測定用試験片を採取した。引張試験前の平行部(図3中、12mmの部分)の直径を2箇所測定し、その平均値をD0とする。
次に、以下の引張試験条件にて、1000℃で高温引張試験を行った。
引張速度:3mm/min(ひずみ速度:0.05s-1)、
雰囲気:Ar
上記引張試験の後、破断時のくびれ部(図3中、12mmの部分)の直径を2箇所測定し、その平均値をDとする。そして真ひずみを、2×ln(D0/D)に基づいて算出した。本実施例では、上記のようにして得られた真ひずみが0.30以上のものを、高温延性に優れると評価した。
本実施例では、上記のようにして測定される耐割れ性について割れの個数が0であり、且つ、上記のようにして測定される高温延性について真ひずみが0.30以上のものを、「再熱部に発生する延性低下割れに優れる」と評価した。
これらの結果を表2に併記する。表2の「B」欄における「−」は、検出限界未満(すなわち、不純物レベル)を意味する。
表より、以下のように考察することができる。
No.3および4は、Pを本発明の範囲内で含有したP添加発明の例であり、耐割れ性に優れており、且つ、破断時の真ひずみも0.30以上と、高温延性も良好であった。よって、本発明例では、再熱部に発生する延性低下割れに優れることが確認された。
また、No.5は、Bを本発明の範囲内で含有したB添加発明の例であり、耐割れ性に優れており、且つ、破断時の真ひずみも0.30以上と、高温延性も良好であった。
これに対し、No.1および2は、PもBも、本発明の範囲内で含まない(すなわち、PおよびBは、いずれも、ほぼ不純物レベルである)比較例であり、No.1は、更にC量も多い比較例であるが、いずれも、割れの数が多くなり、且つ、真ひずみも小さくなって高温延性も低下した。
同様にNo.6は、PおよびBを本発明の範囲内で含まず、且つ、Mo量も少ない比較例であるが、割れの数が多くなり、且つ、Moが少ないため、真ひずみも著しく小さくなって高温延性も低下した。
なお、上記表には示していないが、本発明の要件を満足する上記No.3〜5のP添加発明およびB添加発明は、いずれも、溶接金属部における極低温(4K)時の機械的特性(0.2%耐力、破壊靭性値など)、および室温時の非磁性特性も良好であることを確認している。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.08%以下、Si:2.0%以下、Mn:8.0〜18.0%、Ni:12.5〜20.0%、Cr:10.0〜14.0%、Mo:2.0〜7.0%、N:0.20%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる溶接材料であって、
    Pを0.010〜0.040%、または
    Bを0.001〜0.02%
    の範囲で含有することを特徴とする、再熱部における耐延性低下割れ性に優れた極低温用鋼用溶接材料。
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