JP4699037B2 - エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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(A)下記一般式(I)で表される含フッ素ジ(メタ)アクリレートと、
(B)反応性(メタ)アクリロイル基を有するシリカ粒子と、
(C)上記(A)成分以外の多官能(メタ)アクリレートと、
を含有することを特徴とする。
(式中、A1、A2は、各々同一であっても異なっていてもよく、(メタ)アクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、トリフルオロメタクリロイル基、およびビニル基より選ばれ、Rfはパーフルオロアルキレン基であり、nはそれぞれ0〜3の整数である。)
さらに光重合開始剤(D)を含有することが好ましい。
また、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計を100重量部とした場合に、(A)成分が50〜80重量部、(B)成分が10〜40重量部および(C)成分が5〜20重量部の範囲にあることが好ましく、
(A)成分が50〜75重量部、(B)成分が15〜40重量部および(C)成分が10〜20重量部の範囲にあることがより好ましい。
本発明に係る反射防止性被膜は、反射防止用エネルギー線硬化性組成物から形成されたことを特徴とする。
本発明に係るディスプレイは、前記反射防止性被膜で被覆されたことを特徴とする。
(A)含フッ素ジ(メタ)アクリレートと、
(B)反応性(メタ)アクリロイル基を有するシリカ粒子と、
(C)上記(A)成分以外の多官能(メタ)アクリレートと、
を含有してなり、さらに必要に応じて(D)光重合開始剤を含有してなる。
(A)含フッ素ジ(メタ)アクリレート
本発明において用いられる含フッ素ジ(メタ)アクリレート(A)は、特開平9−203801号公報に記載の下記一般式(I)で表される化合物を用いることができる。
式中、A1、A2は、各々同一であっても異なっていてもよく、(メタ)アクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、トリフルオロメタクリロイル基、およびビニル基より選ばれ、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
このような含フッ素ジ(メタ)アクリレート(A)としては、特開平8−239430
号公報の0011欄に記載のものが挙げられ、好ましくは以下の式で表される化合物(1),(2)、さらに好ましくは化合物(1)を用いることが望ましい。
含フッ素ジ(メタ)アクリレート(A)として、これらの化合物を用いることにより、表面硬度、摩擦被膜強度に優れるとともに、特に、反射防止性能に優れた硬化被膜を形成することができる。
(B)反応性(メタ)アクリロイル基を有するシリカ粒子
本発明において用いられる反応性(メタ)アクリロイル基を有するシリカ粒子(B)(以下、「反応性シリカ粒子(B)」ともいう)としては、特開平9−100111号公報に記載の反応性シリカ粒子を用いることができる。反応性シリカ粒子(B)は、シリカ粒子と、それと化学的に結合しているシラン化合物とからなり、シラン化合物は、加水分解性シリル基、および(メタ)アクリロイル基を末端に有し、さらに下記式(a)および(b)
末端に活性イソシアネ−ト基を有する、メルカプトアルコキシシランとポリシソシアネ−ト化合物との付加体に対し、別途合成した、末端に活性水酸基を有するポリアルキレングリコールポリイソシアネ−ト化合物と末端に水酸基を有し他方の末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物との付加体を反応させウレタン結合で両者をつなぐ方法、
等により合成することができる。
(1)反応性(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物を加水分解させた後、これとシリカ粒子とを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法、
(2)反応性(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物の加水分解をシリカ粒子の存在下に行う方法、
などにより製造することができる。
(C)多官能(メタ)アクリレート
本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレート(C)としては、従来より公知のものを使用でき、(メタ)アクリロイル基を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリルモノマーであれば、特に限定されず用いることができる。
ピレングルコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート(HDDA)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(TEGDA)、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールジアクリレート(HPNDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート(NPGDA)、1,4-ブタンジオールジアクリレート(BDDA)、1,3-ブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート(PEG400DA)、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル)メタンなどが挙げられる。
トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、グリセリルプロポキシトリ(メタ)アクリレート(GPTA)、1,1,1−トリス(アクリロイルオキシエトキシエトキシ)プロパン、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(D)光重合開始剤
本発明に用いられる光重合開始剤(D)としては、従来より公知のものを使用でき、ベンゾイン系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の何れのものも使用することができる。
本発明のエネルギー線硬化性組成物は、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分、必要に応じて(D)成分を添加混合して調製することができ、さらにこれらの成分をイソプロピルアルコール等の溶剤で希釈して調製することもできる。また、硬化被膜の反射防止性能、表面硬度、摩擦被膜強度に影響を与えない範囲で、他の成分として重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤等を添加混合することもできる。
本発明のエネルギー線硬化性組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計を100重量部とした場合に、(A)成分が50〜80重量部、(B)成分が10〜40重量部および(C)成分が5〜20重量部の範囲にあることが好ましく、さらに
(A)成分が50〜75重量部、(B)成分が15〜40重量部および(C)成分が10〜20重量部の範囲にあることがより好ましく、また
(A)成分が55〜75重量部、(B)成分が15〜35重量部、(C)成分が10〜20重量部の範囲にあることがさらに好ましく、
(A)成分が60〜70重量部、(B)成分が20〜30重量部、(C)成分が10〜
15重量部の範囲にあることが特に好ましい。
本発明の反射防止性被膜は、本発明のエネルギー線硬化性組成物を基材表面に塗布し硬化することにより形成され、D線(波長589nm)における屈折率は、1.45以下である。屈折率が、この範囲にあることにより、外光反射を抑えて視認性を向上させることができ、ディスプレイなどの表示装置に好適に用いることができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
・含フッ素ジ(メタ)アクリレート(A)
含フッ素ジ(メタ)アクリレート(a-1)
2,2,3,3、4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオールジアクリレート(下記式)
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロ−1,9−ノナンジオールジアクリレート(下記式)
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオールジアクリレート(下記式)
デソライトZ−7503(JSR(株)製)
デソライトZ−7527(JSR(株)製)
・多官能(メタ)アクリレート(C)
トリメチロールプロパントリアクリレート(製品名:アロニックスM−400、東亞合成(株)製)
・光重合開始剤(D)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(製品名:イルガキュアー184、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・希釈溶剤
イソプロピルアルコール
[実施例1〜6、比較例1〜3]
上記材料を、表1に示す組成となるように加えて、室温で30分程度攪拌し、本発明にかかるエネルギー線硬化性組成物を調製した。(なお、各実施例等において、配合成分の添加順序は、同時でも、または任意の順序でもよい。)
得られたエネルギー線硬化性組成物を、ハードコート層が既に塗付されたポリカーボネート板上にスピンコート法で塗布した。膜厚は100nmとなるよう調整した。塗付後、60℃熱風雰囲気下に1分間放置して溶剤を揮発させ、次いで1000mJ/cm2UV照射を1分間行って硬化させ、硬化被膜を形成した。この硬化被膜の膜厚は95nmであった。この硬化被膜について、仕上り外観(ハジキ)、屈折率、表面硬度、摩擦被膜強度を評価した。評価結果を表1に示す。
1)仕上り外観(ハジキ)
表面平滑性を目視にて確認し、以下の3段階で評価した。
(評価3;合格、評価1・2;不合格)
3 ; ハジキ無く、平滑。
1 ; ハジキが有り、大きな塗膜のうねり有り。
2)屈折率
D線(587.56nm)における屈折率をアッベ屈折計DR−M2(アタゴ(株)製)により測定した。その屈折率により以下の3段階で評価した。
(評価3;合格、評価1・2;不合格)
3 ; 1.45以下。
1 ; 1.47以上。
3)表面硬度(鉛筆硬度)
JIS K 5600−5−4により測定し、以下の3段階で評価した。
(評価3;合格、評価1・2;不合格)
3 ; 2H以上。
1 ; HB以下。
4)摩擦被膜強度(耐摩擦性)
消しゴム(MONO、トンボ鉛筆(株)製)を1kg荷重で往復させ、硬化被膜表面に傷が認められたときの回数により、以下の3段階で評価した。
(評価3;合格、評価1・2;不合格)
3 ; 50往復以上。
1 ; 10往復以下。
Claims (9)
- (A)下記一般式(I)で表される含フッ素ジ(メタ)アクリレートと、
(B)反応性(メタ)アクリロイル基、下記式(a)で示される基、および下記式(b)で示される基を有するシリカ粒子と、
(C)上記(A)成分以外の多官能(メタ)アクリレートと、
を含有するエネルギー線硬化性組成物;
- 光重合開始剤(D)をさらに含有する請求項1に記載のエネルギー線硬化性組成物。
- 前記組成物から形成された硬化被膜のD線における屈折率が1.45以下である請求項1または2に記載のエネルギー線硬化性組成物。
- (A)成分、(B)成分および(C)成分の合計を100重量部とした場合に、(A)成分が50〜80重量部、(B)成分が10〜40重量部および(C)成分が5〜20重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー線硬化性組成物。
- (A)成分、(B)成分および(C)成分の合計を100重量部とした場合に、(A)成分が50〜75重量部、(B)成分が15〜40重量部および(C)成分が10〜20重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止用エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項6に記載の反射防止用エネルギー線硬化性組成物から形成された反射防止被膜。
- 請求項7に記載の反射防止被膜で被覆された光学基材。
- 請求項7に記載の反射防止被膜で被覆されたディスプレイ。
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