JP4698822B2 - タイヤ加硫成形装置、タイヤ加硫成形内型およびタイヤ加硫成形方法 - Google Patents

タイヤ加硫成形装置、タイヤ加硫成形内型およびタイヤ加硫成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤの外周面を形成するための外型と内周面を形成するためのトロイド状の形状を有する分割式の内型を用いてタイヤの加硫成形を行うものであり、その構造を簡素化できるタイヤ加硫成形装置、タイヤ加硫成形内型およびタイヤ加硫成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、タイヤの加硫成形の工程においては、タイヤの外周面を形成する外型に生タイヤを押しつけるため、加硫成形装置の内部に内圧を付加する必要がある。このため、従来のタイヤ加硫成形装置では、一般に剛体材料からなる内型を使用し、この加硫に必要な内圧を付加するため、タイヤ加硫成形装置の外部に外型を押しつけるための特別な外部機構を設けていた。
【0003】
図24は、従来のタイヤ加硫成形装置の一例を示す断面図である。このタイヤ加硫成形装置は、特開平11−320566号公報において開示されたものであり、外型は、主としてタイヤのサイドウォール部を形成するための上部金型24および下部金型25と、タイヤのトレッド部を形成するための側面金型26とから構成されている。また、この側面金型26には、外部からタイヤ加硫成形装置の径中心方向に押しつけるための外部機構27が設けられている。この外部機構27は、主として搬送具28と、コンテナリング29と、側面金型26に設けられたロックピン30を誘導するための貫通穴31を有するセグメント32と、搬送具33と、案内ピン34を通すためのボルト用の穴35を有するトッププレート36と、締結ボルト37とから構成されている。
【0004】
このタイヤ加硫成形装置においては、搬送具28によってコンテナリング29を下降させ、これにより径方向に分割されているセグメント32をロックピン30および貫通穴31によって内部に誘導させ、セグメント32の内径を狭めることで、側面金型26を上部金型24および下部金型25に付勢する。さらに、搬送具33によって、トッププレート36を、穴35に案内ピン34を通すことによって誘導し、これを締結ボルト37によって固着することで、タイヤ加硫成形装置を閉状態とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のタイヤ加硫成形装置では、内圧を保持するという観点から、コンテナリング等の特別な外部機構を設ける必要があり、一般に加硫成形装置全体の構造が複雑になるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単な構造でタイヤの加硫成型時に必要な内圧を保持するタイヤ加硫成形装置、タイヤ加硫成形内型およびタイヤ加硫成形方法を提示することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記請求項1〜にかかる発明では、トロイド形状をした分割構造の内型を弾性構造とした点に特徴がある。このため、内型の拡径しようとする弾性作用によって、生タイヤを外型に押しつけたままの状態に保持されるから、加硫の際に必要な加硫成形装置内の内圧を保持することができるようになる。内型を外型に挿入する手段としては、例えば図14に示すように、下部金型18に軸方向に圧縮した内型3を配置して上部金型17をかぶせると共に側面金型19をこれらの上部金型及び下部金型に嵌め込んだ後、内型を軸方向に拡張させ、内型の外周面に配置された生タイヤを外型に押しつけた状態に保持する手段を挙げることができる。
【0008】
また、これとは逆に、内型を上部金型と下部金型との間に挟み込んだ後、上部金型と下部金型との間隔を狭め、これによって内型を軸方向に弾性圧縮し、これに外型を嵌め込んだ後、上部金型及び下部金型の間の拘束を解除することで、当該内型の弾性力によって内型の外周面上に配置された生タイヤを外型に押しつけた状態に保持する手段を採用することができる。
【0009】
なお、これら以外の手段であっても、最終的に加硫成形金型を閉じた状態で、内型が軸方向に拡張しようとする弾性力が作用する状態となっていれば、特別に加硫時の内圧を付加する外部機構を必要とすることなく、加硫成型時にその内型の外周面上に配置された生タイヤが外型に押しつけられた状態になるから、請求項1に係るタイヤ加硫成形装置の所期の目的が達成されることとなる。
【0010】
一方、前記内型は、上記内圧保持の作用ではなく、バリの発生を抑制する作用を奏する場合がある。通常、タイヤの加硫成形の工程においては、加硫により生タイヤが増減し、当該部材がタイヤの加硫成形金型のすき間にはみ出し、製品タイヤの外面にバリを作るという現象が生じる。従来の技術においては、このようなバリを除去するため、加硫後に別の工程を設ける必要があった。しかしながら、このバリを除去するための作業は、通常、手作業で行われるため、タイヤ加硫成形工程の自動化を阻害する問題を生じさせるという問題があり、また、剛体材料からなる分割式の内型を用いていたため、加硫時に増減する生タイヤを吸収する手段を別途設ける必要があった。
【0011】
かかる問題に対して、この発明では、内型を弾性部材により構成しているため、タイヤ加硫成形工程においてタイヤ部材の容積に増減が生じた場合であっても、その増減を弾性変形による容積変化により吸収できるから、加硫時におけるタイヤの外面に生じるバリの発生を抑制することができるようになる。
【0012】
また、請求項10および11に係る発明は、径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型の外周面上に生タイヤを配置し、この内型を軸方向に圧縮した状態で、タイヤの外周面を形成する外型内に挿入した後、この内型を軸方向に拡張し、この配置された生タイヤを外型に付勢することを特徴とする。すなわち、内型が弾性材料により構成されているため、例えば径の中心方向に開口部を設けた構造や、径の中心方向を板バネ状にした構造を採用することによって、当該内型をあらかじめ軸方向に圧縮した状態で外型内に挿入することができる。このため、外型をボルト等の部材によりロックするか後述するような内型の弾性力を利用して外型を閉状態に保持し、その後、軸方向への圧縮を解放することで、内型の弾性力により生タイヤを外型に押しつけることができるようになる。
【0013】
特に、外型は一般にタイヤのサイドウォール部を形成する上部金型および下部金型、並びに、タイヤのトレッド面を形成する側面金型によって構成されるため、弾性材料からなる内型を軸方向に圧縮した状態で、これらの金型からなる外型を嵌め合わせ、その後、この内型を軸方向に拡張することができる。すなわち、内型が軸方向に拡張しようとする弾性力を加硫成形金型が閉じた状態で作用させることが可能となるから、特別に加硫時の内圧を付加する外部機構を必要とすることなく、生タイヤを外型に押しつけることができる。
【0014】
つぎに、通常、タイヤの加硫成形の工程においては、加硫の際に生タイヤが増減する結果、タイヤ部材に押されて外型が開こうとする力が生ずる。従来の技術においては、この外型を開こうとする力を押さえ、加硫成形金型を閉状態に保持するために、上記特開平11−320566号公報に記載したような特別な外部機構を設ける必要があったり、例えば図24に示したように、側面金型26を外部から押しつける構成にした場合、上部金型24をトッププレート36に固定するための締結ボルト37が必要であった。このため、加硫装置全体が複雑になり、低コスト化およびメンテナンスの容易化が困難となると共に、ボルトの脱着は通常手作業により行われるため、加硫成形工程の自動化の面からも大きな問題があった。
【0015】
このような観点から、請求項および12にかかる発明では、タイヤのサイドウォール部を形成する上部金型および下部金型と、タイヤのトレッド面を形成する側面金型とを、径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型の弾性力によって付勢するようにし、従来のような特別な外部機構や締結ボルトによって加硫成形装置を閉状態に保持するのではなく、内型を弾性体とすることによって外型を軸方向に付勢する作用を持たせ、この力を利用して加硫成形金型を閉状態に保持するようにした。
【0016】
より具体的には、径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型の外周面上に生タイヤを配置し、この内型をタイヤのサイドウォール部を形成する上部金型および下部金型の間に挿入し、この上部金型及び下部金型の間隔を狭めることによってこの内型を軸方向に圧縮し、タイヤのトレッド面を形成する側面金型を該金型に嵌め合わせた後、この上部金型及び下部金型の間隔を拡張し、上部金型及び下部金型を側面金型に付勢するようにした(請求項13)。
【0017】
これにより、加硫成形金型が閉じた状態で、この内型の軸方向への弾性力が上部金型および下部金型に加わることになるから、側面金型を嵌め込み式のものや(図13及び図14参照)、鍵状の構造などの簡単なものにすることができ、金型を閉状態に保持するための特別な外部機構や締結ボルトが不要となる。
【0018】
つぎに、請求項14に係る発明は、径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型を、軸方向に圧縮することにより加硫後のタイヤから引き抜くことを特徴としている。タイヤの加硫成形の工程においては、加硫成形後の製品タイヤから内型を取り外す作業が必要となる。
【0019】
このような従来工程と比較して、請求項14に係る方法の発明によれば、内型は弾性材料からできているので、製品タイヤから内型を引き抜く際に、内型を軸方向に圧縮する手段(クランク、カム、油圧シリンダなど)により圧縮することで、内型のパーツをより容易に製品タイヤから引き剥がすことが可能になる。
【0020】
また、請求項15に係る発明は、径方向に分割が可能なトロイド形状の磁性体からなる内型およびタイヤの外周面を形成する外型を有し、かつ、該内型を加熱する手段として外型の内部もしくは外型の外部に高周波印加手段を有することを特徴とするものである。タイヤの加硫成形工程においては、加硫の際の化学反応を促進させるため、生タイヤに加熱を行う必要がある。この加熱方法の従来技術としては、外型に抵抗発熱体を設けることによって加熱を行う方法が知られている。
【0021】
また、他の加熱方法を用いるものとして、特開平11−320567号公報に記載のタイヤ加硫成形装置を挙げることができる(図示省略)。このタイヤ加硫成形装置は、内型を剛性材料からなる熱伝導体とし、内型の内周面方向に抵抗発熱体を設けた構成である。また、この抵抗発熱体は、カム機構部によって径中心方向から支持されている。このようなタイヤ加硫成形装置によりタイヤの加硫を行う場合は、前記カム機構部により進退変位することで抵抗発熱体を内型の内周面に接触させ、抵抗発熱体の熱を内型を介して生タイヤに伝達することで加熱を行う。
【0022】
しかしながら、このような従来技術では、単に内型を加熱するための抵抗発熱体を内型内周面に設けるだけでなく、加硫成形後のタイヤを加硫成形装置から取り出すことができるように、その抵抗発熱体を内型内周面に対し進退変位させるための中心機構を特別に設ける必要があり、構造が複雑となるという問題があった。
【0023】
そこで、請求項15に係る発明は、内型を弾磁性体によって構成し、外型の内部または外型の外部にこの磁性体である内型を加熱する高周波印加手段を設け、電磁誘導によるジュール熱で内型そのものを遠隔的に加熱するようにした。これにより、簡単な構造で生タイヤを加熱することができるようになる。また、内型表面の発熱によって生タイヤが直接加熱されることになるから、加硫時間が短縮して生産性が向上するようになる。さらに、加硫温度および加硫時間の制御を容易に行なうことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫成形装置の断面図である。このタイヤ加硫成形装置1は、外周面に生タイヤ2を配置する内型3と、同じく内型3の形状に沿った内形状をしており分割構造をした外型4と、内型3の固定を行う内型保持装置5とから構成されている。図2は、図1に示した内型の説明図であり、(a)にその平面図、(b)にその断面図を示す。内型3は、トロイド状の形状を有し且つ径方向に分割可能な構造である。トロイド状の形状を有するのは、その外周面上に生タイヤ2を配置してタイヤの内面形状を成形するためであり、径方向に分割可能な構造となっているのは、加硫成形後のタイヤから内型3を取り外す際に、当該内型3を分割しその内型片3a、3bを一つずつ引き抜くことを可能にするためである。
【0025】
外型4は、生タイヤ2のサイドウォール部を形成するための上部金型17および下部金型18、並びにタイヤのトレッド面を形成するための側面金型19から構成される。外型4は、図11に示すように径方向に分割可能な構成となっている。下部金型18および側面金型19は、テーブル20上に設置される。上部金型17の上部には、電磁誘導によるジュール熱で生タイヤ2を加熱するための電磁コイル171が埋設されている。同じく、下部金型18の下部および側面金型19の側部にも、電磁コイル181、191が埋設されている。
【0026】
また、内型3は弾性材料からなり、図2(b)に示すように、径中心方向に開口部3cを設けた中空の形状となり、当該内型3を軸方向に容易に弾性圧縮できるようにしている。ここで、弾性材料としては、一般に、SUP、SUS−CSPその他の材料を用いる。
【0027】
また、図3は、内型の変形例を示す断面図である。この内型3dは、その内部にバネ6を渡した点に特徴がある。このように、コイルバネ6を内型の内部に設けることによって、より内型3dの弾性作用が強化されると共に内型3dの塑性変形による機能の低下が防止される。なお、このようなコイルバネ6に代えて、板バネ、皿バネその他の弾性変形が可能な公知の部材を用いることができる。
【0028】
上記内型保持装置5は、上部フランジ11と、下部フランジ12と、上部フランジ11に固着されたセンターポスト13と、下部フランジ12に固着されたロック装置14とから構成される。このロック装置14は、シリンダー14a、トグル機構14b、爪14c及びガイド14dから構成され、内型3を外型4に挿入する際に、この内型3を軸方向に弾性圧縮した状態で保持するために用る。内型3の内型保持装置5に対する組み込みは、ロック補助装置15を用いて行う。ロック補助装置15は、シリンダー14aを設置した設置台10上に内型3の軸方向に直動する油圧シリンダー16を設けた構成である。
【0029】
図4〜図6は、内型の組み立て工程を示す説明図である。内型3は、分割した状態で内型保管棚7に収納されている。内型3を組み立てる場合、まず、断面扇形の内型パーツ3aおよび断面略四角形の内側パーツ3bを、内型保管棚7から内型移動装置8によって取り出し、回転テーブル9上で順次組み立てる。図7は、その組み立てた状態の内型3を示す断面図である。内型3は、完成状態で内側に開口部3cを有する略中空のトロイド形状をなす。
【0030】
図8は、組み立てられた内型3を内型保持装置5に組み込む工程を示した説明図である。内型3を内型保持装置5に組み込む場合、まず、内型3を、下部フランジ12およびロック装置14と共にロック補助装置15により支持し、その上方から上部フランジ11に固着したセンターポスト13を差し込む。このとき、設置台10の下部に設けた仮固定装置10aによってセンターポスト13の下部溝13aを係止し、仮固定する。次に、ロック補助装置15の油圧シリンダー16を用いて上部フランジ11と下部フランジ12との間隔を狭め、内型3を軸方向に弾性圧縮した後、シリンダー14aを作動して爪14cをセンターポスト13の上部溝13bに係合させ、その状態で固定する。
【0031】
図9は、内型3を内型保持装置5に組み込んだ状態を示す断面図である。同図において、ロック装置14による固定が完了したら、シリンダー14aおよびロック補助装置15を設置台10ごと一時取り外す。続いて、この内型3の外周面に生タイヤ2を配置する(図10参照)。符号14dは、爪14cのガイド機能と抜け止め固定機能を備えたバネを示す。なお、この爪14cは、下部フランジ12に形成した段部に係止して固定するようにしてもよい(図示省略)。
【0032】
図11〜図14は、加硫成形装置1に生タイヤ2を配置した内型3を挿入する工程を示した説明図である。まず、前記生タイヤ2を配置した内型3を内型保持装置5ごと差し込み、センターポスト13の下部溝13aを仮固定装置10aによって仮固定する(図12参照)。この際、外型4は、同図に示すような開状態となっており、内型3は、テーブル20上に固定された下部金型18に接している。次に、上方から上部金型17を被せ(図13参照)、側面金型19の内径を狭めることによって、内型3の側面方向から嵌め合わせる。これにより、加硫成形装置1は閉状態となる(図14参照)。その後、ロック装置14を解除(爪14cを外す)して上部フランジ11および下部フランジ12を解放することによって前記内型3の軸方向への弾性力を作用させ、外周面上に配置された生タイヤ2を外型4に押しつける。これによって加硫に必要な内圧を保持することができる。
【0033】
なお、上記外型4を以下のような構成とすることもできる。すなわち、上部金型17、下部金型18および側面金型19の嵌合部22を、内型3が径方向に拡張しようとする弾性力によって外型4を閉状態に保つ構造とすれば、外型4を閉状態に保つための特別な外部機構や、外型を組み立てるための締結ボルトは不要となり、加硫成形装置の構成が簡素化される。具体的には、上記嵌合部22を段形状とすることで、内型3の弾性力によって上部金型17と下部金型18との間隔を拡げようとする作用が生じ、側面金型19との嵌合部22に生ずる摩擦力によって加硫成形装置1を閉状態に保持することが可能となる。また、嵌合部22にピンを通して固定するようにしてもよい。
【0034】
以上の状態で生タイヤ2の加硫を行う。電磁コイル171、181、191に通電すると、上部金型17、下部金型18および側部金型19の内面が電磁誘導によるジュール熱で加熱される。また、内型3が弾磁性体であるため、当該内型3も同時に加熱されるから、その結果、生タイヤ全体が加熱される。また、電磁コイル171、181、191を用いて加熱を行うことにより、加硫温度および加硫時間の制御を容易に行うことができる。なお、タイヤの加硫中にタイヤの容積が増大することがあるが、この増大分は、内型3の軸方向内側に対する変形によって吸収される。この結果、従来のようにタイヤ材料が型の隙間に侵入してバリを発生させるようなことがない。
【0035】
次に、加硫後のタイヤ2sを加硫成形装置1から取り出す工程について説明する。まず、上部フランジ11と下部フランジ12の間隔をロック補助装置15に設けられた油圧シリンダー16によって狭め、内型3を再度軸方向に圧縮した状態とした後、ロック装置14により内型3を圧縮状態のまま保持する。これにより、上部金型17、下部金型18および側面金型19を嵌め合わせていた力を弱め、外型4を開くことができるようする。その後、側面金型19を後退させ(図15参照)、上部金型17を取り外し(図16参照)、タイヤ2sのついた内型3を内型保持装置5ごと加硫成形装置1から取り出す(図17参照)。
【0036】
図18および図19は、内型保持装置5から加硫後のタイヤ2sのついた内型3を取り外す工程を示す説明図である。図18に示すように、内型保持装置5にロック補助装置15を装着し、センターポスト13の下部溝13aを仮固定装置10aにより仮固定してから、油圧シリンダー16により下部金型18を押し上げ、ロック装置14によるロックを外す。これにより、内型3を上部金型17および下部金型18による拘持から開放し、図19に示すように、タイヤ2sを装着した状態で取り出すことができるようになる。
【0037】
図20〜図23は、加硫後のタイヤ2sを内型3から取り外す工程について示す説明図である。内型3は、径方向に分割されているから、この分割した内型片3a、3bをそれぞれ内型移動装置8によって引き抜き、内型保管棚7に収納する。また、内型3を引き抜くときは、まず、略四角形の内型片3bから引き抜き(図20参照)、続いて扇形の内型片3aを引き抜くようにする(図21参照)。このようにして引き抜かれた内型片3a、3bは、順次、内型保管棚7に収納される。内型3を組み立てる場合は、当該ストックした内型片3a、3bを反対順に搬出すればよい。なお、タイヤ2sの加硫成形直後は、当該タイヤ2sに柔軟性が残っているため、容易に内型3からタイヤ2sを引き抜くことができる。また、抜き出したタイヤ2s(図23参照)は、その後、冷却装置または運送装置に移動される。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、特別な外部機構を必要とすることなく、加硫成形時に必要な加硫成形装置内の内圧が保持される結果、加硫成形装置全体の構造が簡素化され、低コスト化およびメンテナンスの容易化が可能となる。また、特別な外部機構を必要とすることなく、加硫成形時に外型を閉状態に保持することができる結果、加硫成形装置全体の構造が簡素化され、低コスト化およびメンテナンスの容易化が可能となる。さらに、加硫後の製品タイヤから内型を引き抜く作業が容易になる。さらに、特別な中心機構を必要とすることなく、効率的かつ制御が容易な生タイヤへの加熱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫成形装置の断面図である。
【図2】図1に示した内型の説明図である。
【図3】図1に示した内型の変形例を示す断面図である。
【図4】図1に示した内型の組み立て工程を示す説明図である。
【図5】図1に示した内型の組み立て工程を示す説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図6】図1に示した内型の組み立て工程を示す説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図7】組み立てた状態の内型を示す断面図である。
【図8】組み立てられた内型を内型保持装置に組み込む工程を示した説明図である。
【図9】内型を内型保持装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
【図10】生タイヤの配置状態を示す断面図である。
【図11】加硫成形装置に生タイヤを配置した内型を挿入する工程を示した説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図12】加硫成形装置に生タイヤを配置した内型を挿入する工程を示した説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図13】加硫成形装置に生タイヤを配置した内型を挿入する工程を示した説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図14】加硫成形装置に生タイヤを配置した内型を挿入する工程を示した説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図15】内型保持装置から加硫後のタイヤのついた内型を取り外す工程を示す説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図16】内型保持装置から加硫後のタイヤのついた内型を取り外す工程を示す説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図17】内型保持装置から加硫後のタイヤのついた内型を取り外す工程を示す説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図18】内型保持装置から加硫後のタイヤのついた内型を取り外す工程を示す説明図である。
【図19】内型保持装置から加硫後のタイヤのついた内型を取り外す工程を示す説明図である。
【図20】加硫後のタイヤを内型から取り外す工程について示す説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図21】加硫後のタイヤを内型から取り外す工程について示す説明図であり、(a)に上面図、(b)に断面図を示す。
【図22】加硫後のタイヤを内型から取り外す工程について示す説明図である。
【図23】加硫後のタイヤを内型から取り外す工程について示す説明図である。
【図24】従来のタイヤ加硫成形装置の一例を示す断面図であり、(a)が締付け前、(b)が締付け後の状態を示す。
【符号の説明】
1 タイヤの加硫成形装置
2 生タイヤ
3 内型
4 外型
5 内型保持装置
6 コイルバネ
7 内型保管棚
8 内型移動装置
11 上部フランジ
12 下部フランジ
13 センターポスト
14 ロック装置
15 ロック補助装置
16 油圧シリンダー
17 上部金型
18 下部金型
19 側面金型
20 テーブル

Claims (15)

  1. 外周面上に生タイヤを配置することができるトロイド状の形状を有し、その径方向に分割が可能であると共にその軸方向に弾性圧縮が可能な弾性体からなる内型と、タイヤの外周面を形成する外型と、を備えたことを特徴とするタイヤ加硫成形装置。
  2. 前記内型が、その径の中心側に開口部を設けた中空構造を有する請求項1に記載のタイヤ加硫成形装置。
  3. 前記内型が、前記開口部軸方向で対向する内側部分に板バネ、皿バネその他の弾性体を渡した構造を有する請求項2に記載のタイヤ加硫成形装置。
  4. 前記外型が、タイヤのサイドウォール部を形成する上部金型および下部金型と、タイヤのトレッド面を形成する側面金型とからなる請求項1〜3のいずれか一つに記載のタイヤ加硫成形装置。
  5. 外周面上に生タイヤを配置することができるトロイド状の形状を有し、その径方向に分割が可能であると共にその軸方向に弾性圧縮が可能な弾性体からなることを特徴とするタイヤ加硫成形内型。
  6. その径の中心側に開口部を設けた中空構造を有する請求項5に記載のタイヤ加硫成形内型。
  7. 前記開口部軸方向で対向する内側部分に板バネ、皿バネその他の弾性体を渡した構造を有する請求項6に記載のタイヤ加硫成形内型。
  8. タイヤの外周面を形成する外型に対し、径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型に配置した生タイヤを、当該内型の弾性力によって付勢することを特徴とするタイヤ加硫成形方法
  9. タイヤの外周面を形成する外型に対し、請求項5〜7のいずれか一つに記載されるタイヤ加硫成形内型に配置した生タイヤを、当該内型の弾性力によって付勢することを特徴とするタイヤ加硫成形方法
  10. 径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型の外周面上に生タイヤを配置し、この内型を軸方向に圧縮した状態で、タイヤの外周面を形成する外型内に挿入した後、この内型を軸方向に拡張し、この配置された生タイヤを外型に付勢することを特徴とするタイヤ加硫成形方法。
  11. 径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型の外周面上に生タイヤを配置し、この内型を軸方向に圧縮した状態で、タイヤのサイドウォール部を形成する上部金型および下部金型の間に挿入し、タイヤのトレッド面を形成する側面金型を該金型に嵌め合わせた後、この内型を軸方向に拡張し、この配置された生タイヤを外型に付勢することを特徴とするタイヤ加硫成形方法。
  12. タイヤのサイドウォール部を形成する上部金型および下部金型と、タイヤのトレッド面を形成する側面金型とを、請求項5〜7のいずれか一つに記載の内型の弾性力によって付勢することにより、金型を閉状態に保持することを特徴とするタイヤ加硫成形方法。
  13. 径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型の外周面上に生タイヤを配置し、この内型をタイヤのサイドウォール部を形成する上部金型および下部金型の間に挿入し、この上部金型及び下部金型の間隔を狭めることによってこの内型を軸方向に圧縮し、タイヤのトレッド面を形成する側面金型を該金型に嵌め合わせた後、この上部金型及び下部金型の間隔を拡張し、上部金型及び下部金型を側面金型に付勢することを特徴とするタイヤ加硫成形方法。
  14. 径方向に分割が可能なトロイド形状の弾性体からなる内型を、軸方向に圧縮することにより加硫後のタイヤから引き抜くことを特徴とするタイヤの加硫成型方法。
  15. 前記内型が磁性体からな、かつ、該内型を加熱する手段として外型の内部もしくは外型の外部に高周波印加手段を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載のタイヤ加硫成形装置。
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