JP4697731B2 - 印字媒体制御装置、画像形成装置、並びに、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Description
これにより、制御対象物及び機構部分の摩擦力の個体差や使用環境の差異にかかわらず、高速かつ高精度な位置制御を可能としている。
しかしながら、制御ゲインを高くすることにより機構の剛性が不十分であると機構自体が振動してしまい、高精度な位置移動を実現することができないほか、機構自体が振動してしまい大きな騒音を発生してしまうなどの問題がある。
また、この機構剛性は、機構自体の組み付けや、経時変化などのバラつきによって変化してしまうためにこれまでは制御ゲインに十分余裕をとり低く設定するなどして対応することが必要である。
請求項3に記載の発明は、コンピュータに、請求項1に記載の印字媒体制御装置の機能、または、請求項2に記載の画像形成装置の機能を実現させるためのプログラムである。
請求項4に記載の発明は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、請求項3に記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体である。
図1は、本発明の実施形態に係る印字媒体制御装置の構成例を示す図で、駆動プーリ1と従動プーリ2の間に張架された印字媒体搬送用のベルト3は、駆動プーリ1の軸を回転駆動するモータ4によって回転駆動され、その回転量は駆動プーリ1と同軸上に取り付けられたエンコーダ5上のスリットをエンコーダセンサ6によって計測し、このエンコーダセンサ6の出力をカウンタ7によって計数することで計測される。
制御コントローラ8は、このカウンタ7で計測された駆動プーリ1の回転量をもとに移動量を計算し、計算された移動量と目標とする移動量との差異がなくなるようにモータ4をフィードバック制御して回転駆動制御する。
目標位置までベルト3を回転移動させるには、図2の速度プロファイルに応じたモータトルクを制御コントローラ8からモータ4に与えることで実現する。
モータ4を回転駆動するには、図2の(A)の部分のように停止状態から徐々に速度を目標最高速度まで加速させる。目標速度に達した時点で(B)の部分の等速移動に切り替え、目標位置近傍まで等速での回転動作を継続させる。
このような速度プロファイルによって移動制御を行うことで、目標位置までのスムーズかつ高速な移動が実現できる。
図4は、縦軸が偏差を示し、横軸が時間を示し、機構剛性が低い場合の停止位置付近での目標位置との偏差を表した図である。横軸400付近が図2で位置制御に切り替わる(E)から(F)の部分に相当している。
図5は、縦軸が制御トルクを示し、横軸が時間を示し、図4に対応した時間において、制御コントローラ8からモータ4に印加している制御トルク量を表している。
また、捩れによる反力が目標位置に到達した後も残るため、図5で示すようにモータ4に与える制御トルク量がゼロではなく、ある一定量を与えることで目標位置へ停止するようにしている。これは、モータ駆動点とエンコーダ5の間に捩れが生じており、その捩れが戻ろうとする力とモータ4からの駆動力が釣り合って停止状態を保持しているためである。
図7は、縦軸が制御トルク量を示し、横軸が時間を示し、図6に対応した時間において、制御コントローラ8からモータ4に印加している制御トルク量を表している。
剛性が高い場合の制御トルク量は、捩れ量が小さいために捩れによる反力が小さく、停止時の制御トルク量は摩擦とつりあう値となり移動方向とは逆回転方向の制御トルク量となる場合も生じる。
図8は、予備動作時の制御コントローラ8におけるモータ4に与える制御トルク量を計算するフローチャートである。
図8において、PWMはモータ4に与える制御トルク量、COUNTはカウンタ7で計測した回転量、xは予備駆動で動作させる回転量、Sampは制御サンプリング数である。Sampは、実際には割り込み等によって一定周期でカウントアップする値であるが、ここでは模式的に変数として扱っている。
PWMを0とした状態からサンプリング周期毎にSampをインクリメントし(ステップS3)、PWM値をインクリメントする(ステップS4)。
このとき、カウンタ7で計測したCOUNTの値がxの値に達していないときには(ステップS5のNO)、ステップS3へ戻って、次のサンプリング周期でSampをインクリメントし、PWMをインクリメントし、COUNTの値とxの比較を行う。
一方、COUNTの値がxと同じになった時点で(ステップS5のYES)、この繰り返し処理を抜けて、PWMの値をゼロに戻して処理を終了する(ステップS6)。
まず、カウンタ7で計測される回転量の最大値を保持するMAXの値をゼロに設定する(ステップS11)。
サンプリング周期ごとにSampをインクリメントし(ステップS12)、カウンタ7で計測されたCOUNTとMAXとを比較して、COUNTの値の方が小さいときには(ステップS13のYES)、ステップS12へ戻る。
一方、MAXよりもCOUNTの値が大きい場合には(ステップS13のNO)、MAXをCOUNTの値で置き換える(ステップS14)。この処理を繰り返してSampが所定のサンプリング数(end)になるまでステップS12へ戻る。
サンプリングが終了すると、MAXにカウンタ7が計測した回転量の最大値が記録される。
図10において、PWM(モータトルク指令値)を増加させていくと、それに伴いCOUNTの値(エンコーダの回転量)も増加し、xの値(図10では60に設定)に達した時点で、PWM値をゼロに戻す。PWM値をゼロに戻した時点で剛性が低い場合は、捩れが発生しており、これを戻そうとする力が働くため、COUNTの値が減少(逆転)し、安定な位置へ振動しながら収束していく。
図11において、目標位置に到達後、PWM値をゼロに戻した場合、多少の振動はあるものの、ほぼPWM値をゼロに戻した時のCOUNTの値で安定している。
このような予備駆動動作を行い、図9の処理で求めた移動最大回転量(MAX)と、ある一定時間以上経過したときの安定した回転量(COUNTの値)を比較することで、機構の剛性を予測することが可能となる。
この予備駆動動作での結果をもとに、制御コントローラ8での制御パラメータの変更を実施する。
MAX=S_COUNT
となり、
P_Gain=R_Gain=Gain
とする。また、
MAX>S_COUNT
の場合は、
一定計数Kを用いて
P_Gain=Gain、
R_Gain=Gain*(1−(MAX−S_COUNT)*K)
とする。
また、上記プログラムは、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することによって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
このように、上述した実施形態の機能をプログラム化して流通させることによって、コストの低廉化、および可搬性や汎用性を向上させることができる。
Claims (4)
- モータを動力源として印刷媒体を移動制御する印字媒体制御装置において、
前記モータを駆動する駆動軸の回転量を検出する回転量検出手段と、
ある一定移動量となるまで前記モータに与える制御トルクを増加させ、所定の移動量に到達したときに前記制御トルクを開放する予備駆動動作を行い、前記回転量検出手段で検出された回転量の最大値と前記所定の移動量に到達後一定時間以上経過したときの安定した回転量との差に応じて、前記差が大きければ大きいほど前記駆動軸の回転方向の逆方向へかける力を小さくして、印字動作の際の制御トルクを変更するフィードバック制御をする制御手段と、を備えることを特徴とする印字媒体制御装置。 - 請求項1に記載の印字媒体制御装置を備え、印刷媒体を移動させながら画像形成および印字を行うことを特徴とする画像形成装置。
- コンピュータに、請求項1に記載の印字媒体制御装置の機能、または、請求項2に記載の画像形成装置の機能を実現させるためのプログラム。
- コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、請求項3に記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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