JP4696900B2

JP4696900B2 - 回転電機

Info

Publication number: JP4696900B2
Application number: JP2005371279A
Authority: JP
Inventors: 明仁中原; 和彦高橋; 守木村; 章臣仙波
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 2005-12-26
Filing date: 2005-12-26
Publication date: 2011-06-08
Anticipated expiration: 2025-12-26
Also published as: US7825559B2; EP1801952A3; EP2325979A3; EP2325979A2; US20070145848A1; JP2007174847A; EP1801952B1; EP2325979B1; EP1801952A2

Description

本発明は永久磁石を用いた回転電機に関するものである。

従来の回転電機の例としては、特開平９−２３５９９号公報に、界磁用永久磁石をポールシューとボルトを用いて固定した回転電機が記載されている。

特開平９−２３５９９号公報

上記の特許文献１に示されるように界磁に永久磁石を用いた回転電機では、ポールシューを用い、ボルトで締付けて回転子に磁石を固定している。こうした回転電機において、回転子の径が大きい、回転速度が速いなどの理由により、磁極に大きな遠心力が懸かる場合、ポールシューの反りやめくれが起こる場合がある。

本発明は、回転子に大きな遠心力が懸かる場合でもポールシューの反りやめくれを防ぐ回転電機を提供することを目的とする。

本発明の一つの特徴は、回転電機を永久磁石と永久磁石外径側に永久磁石を保持するポールシューとを回転子に備え、ポールシューの軸方向端部における外径寸法を軸方向中央部における外径寸法よりも小さくしたことにある。また、本発明のもう一つの特徴は、回転子の外径側に前記回転子と同心に配置された固定子鉄心の軸方向端部における内径寸法を軸方向中央部における内径寸法よりも小さくしたことにある。

本発明のその他の特徴は、発明を実施するための最良の形態の欄で説明する。

本発明によれば、回転子に大きな遠心力が懸かる場合でもポールシューの反りやめくれを防ぎ、かつ出力低下を防ぐことが出来る。

以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例に基づき説明する。図１４に従来の回転電機を示す。図１４は回転電機を周方向から見た図であり、ポールシュー１と回転子に形成された台座５との間に永久磁石２を配して磁極を構成している。従来の構造では、軸方向のどの位置においても、回転子外径および固定子内径は均一となっている。

ここで従来の回転電機においては、回転子の径が大きい、回転速度が速いなどの理由により、磁極に大きな遠心力が懸かる場合、ポールシューの反りやめくれが起こるという課題がある。

そこで、本発明の第１の実施例では、図１に示すようにポールシュー１と回転子に形成された台座５との間に永久磁石２を配して磁極を構成している。ポールシュー１および永久磁石２は非磁性ボルトによる締付けまたはバインドの巻きつけにより固定される。永久磁石２は径方向に異方性を示すよう着磁されている。なお、ポールシューは鉄などの強磁性体で構成されており永久磁石から出る磁束を固定子巻線に効果的に伝えるようにするためのものである。また、永久磁石を回転子の表面に備えることも考えられるが、回転子が高速に回転するために永久磁石が劣化して吹き飛ぶことが考えられる。そこで、永久磁石の外側から硬度のあるポールシュー１で押さえつけている。さらに、永久磁石を外側からポールシューで押さえるのに、図８，図９のようにポールシューの中心で非磁性ボルトで締付け固定している。そのため、軸方向両端でボルトが支点となり、ポールシューの軸方向両端における支点からの距離が大きくなるため両端で応力がかかり反りやめくれがおこることが課題である。

そこで、本実施例では、ポールシュー１の軸方向両端における外径寸法Ｒａを軸方向中央部における外径寸法Ｒｂよりも小さくしてある。これにより、両端での荷重を減らすことができ、両端の応力が減りポールシューの両端の反りやめくれを防止することができる。

本発明の一つの特徴は、永久磁石と前記永久磁石外径側に前記永久磁石を保持するポールシューとを回転子に備え、前記ポールシューの軸方向端部における外径寸法を軸方向中央部における外径寸法よりも小さくすると共に、前記ポールシューの軸方向中心位置にボルト穴を設け、このボルト穴を通してボルトにより径方向から締めつけることによりポールシューおよび永久磁石を保持すると共に、前記ポールシューおよび／または永久磁石の径方向断面を円形または楕円形としたことにある。

なお、実施例１では、回転子の軸方向両端の外径を小さくすると、固定子内周とのギャップが大きくなるため、磁束の漏れが増加して出力が低下するという課題がある。

そこで、本発明の第２の実施例では、図２および図３に示すように固定子鉄心３の軸方向端部における内径寸法Ｒｃを軸方向中央部における内径寸法Ｒｄよりも小さくしてある。これにより軸方向両端における磁束の漏れを防ぎ、出力低下を防いでいる。

図１９には、ポールシューの上面径Ｗ_ptと下面径Ｗ_psとの比Ｗ_pt／Ｗ_psを横軸とした場合における、固定子鉄心３の軸方向における内径寸法を端部と中央部とで同じにした場合の出力電圧を実線で示した。そして、固定子鉄心３の軸方向端部における内径寸法Ｒｃを、軸方向端部での最小ギャップを軸方向中央部での最小ギャップと同寸になるようにした場合の出力電圧を破線に示した。図１９に見られるように、Ｗ_pt／Ｗ_psを小さくするに伴い電圧が減少することがわかる。そこで、本発明の実施例２に示すように、固定子の内径を軸方向位置によって連続的に変え、軸方向端部での最小ギャップを軸方向中央部での最小ギャップと同寸になるようにすれば、図１９中に破線で示すように電圧を改善することができることがわかる。

また、図２は固定子鉄心３の内径を軸方向位置によって連続的に変化させているが、図３に示すように固定子鉄心内径を段階的に変化させる部分を設けてもよい。

また、図１５に示すように、回転子についても段階的に外径を変化させる部分を設けてもよい。

本発明の第３の実施例を図４から図６に示す。本実施例は、本発明による回転電機の回転子の一例を示すものであり、図４は磁極を径方向から見た図、図５は周方向から、図６は軸方向からそれぞれ見た図である。ポールシュー１と矩形断面を有する永久磁石２は非磁性ボルト６の締付けにより台座５に固定されている。ポールシュー１は軸方向中央部における外径よりも軸方向端部における外径を小さくしてあり、回転時の遠心力によるポールシューの軸方向両端における反りやめくれを防いでいる。

ここで、複数のボルトによってポールシューおよび永久磁石を保持しようとすると、特定のボルトに荷重がかかり、ボルトあるいはボルト穴が破断する可能性がある。一方、角型の径方向断面を有するポールシューおよび永久磁石に対して１本のボルトで締付けを行うと、周方向の両端において、めくれあがりが顕著になる可能性がある。

そこで、図７から図９に示す実施例４では、ポールシュー１および永久磁石２の径方向断面形状を円形とし、各々の軸方向中心にボルト穴を設けてあり、径方向からボルト６で締付けてこれらを固定してある。ボルト１本によって１対のポールシューおよび永久磁石を保持することにより、特定ボルトに荷重がかかることを防ぐことが出来る。また、ポールシューおよび永久磁石の断面形状を円形としたことにより、軸方向のみならず周方向に対してもめくれや反りを防ぐことが可能である。図７に示す径方向から見た断面図では、ポールシューおよび永久磁石の径方向断面が円形の実施例を示しているが、設置箇所の制限などにより図１６および図１７に示すように楕円形としてもめくれや反りを防ぐ効果を得ることが出来る。

内径寸法を軸方向中央部よりも小さくした固定子鉄心の軸方向端部においては、磁極から固定子鉄心に対して軸方向に入射する磁束が増加する。鋼帯から打ち抜いた鉄板で固定子鉄心を構成する場合、この軸方向に入射する磁束により渦電流損が生じ、局所的な加熱を引き起こすという課題がある。

そこで、本発明の実施例５では、図１０に示すように固定子鉄心３のティース７にスリット８を設けて、渦電流損を低減し、局所的な過熱を防いでいる。ここでは、ティース１本に付き１本スリットを入れた例を示しているが、スリットは複数であってもよい。

また、図１１および図１２に示す本発明の実施例６では、軸方向中央部よりも内径を小さくした固定子鉄心の両端部を磁性粉末から形成した固定子鉄心１０で構成している。これにより渦電流損を低減し、局所的な過熱を防ぐことができる。

鋼帯から打ち抜いた鉄板で固定子鉄心を構成する場合、固定子鉄心の内径を変えるには、複数の抜き型を用意する必要があり、製作工数の増加に繋がる。本実施例では、内径の異なる固定子鉄心の両端部を磁性粉末により構成することにより、製作工数の低減も可能である。図１１は固定子鉄心両端部を全て磁性粉末により構成しているが、図１２に示すようにティース部分のみを磁性粉末から形成した固定子鉄心１０で構成してもよい。また、図１８に示すように、固定子鉄心全体を磁性粉末から構成してもよい。

本発明の実施例７を図１３に示す。図１３は本発明の回転電機を副励磁機として備えたタービン発電機システムを示すものである。主機回転軸１１に主励磁機１４と副励磁機
１５が取付けられており、主励磁機および副励磁機の回転子は主機回転軸の回転に伴って回転するよう構成されている。本実施例において、副励磁機は主励磁機と軸方向に見て反対側に取付けてある。これにより、タービン発電機全体の軸長短縮が可能である。しかし、軸方向反対側に取付けるにあたっては、回転軸の径が大きく回転速度が高速であること、カップリング１８と軸受１６との間の限られた空間に取付ける必要があることが課題となる。

そこで本実施の形態では、本発明に記載のいずれかの回転電機を副励磁機として備えることで、上記課題を解決した。すなわち、
１）回転軸径が大きく、回転速度が速い状態でも本発明記載のポールシュー形状により
、反りやめくれを防いでいること、
２）本発明記載の固定子鉄心形状により出力低下を防ぎ、副励磁機の体格が小型化されて限られた空間に取付け可能であること
が本実施例の構成を可能なことより、タービン発電機システムの劣化を防止することができ、寿命を長くすることができる。さらには径方向からのボルト締めを行うことにより、製作およびメンテナンスも容易に行うことが出来る。

本発明の実施例１の回転電機を周方向から見た図。本発明の実施例２の回転電機を周方向から見た図。本発明の実施例２の回転電機を周方向から見た図。本発明の実施例３に示す回転電機の磁極を径方向から見た図。本発明の実施例３に示す回転電機の磁極を周方向から見た図。本発明の実施例３に示す回転電機の磁極を軸方向から見た図。本発明の実施例４に示す回転電機の磁極を径方向から見た図。本発明の実施例４に示す回転電機の磁極を周方向から見た図。本発明の実施例４に示す回転電機の磁極を軸方向から見た図。本発明の実施例５の固定子鉄心を示す図。本発明の実施例６の回転電機を周方向から見た図。本発明の実施例６の回転電機を周方向から見た図。本発明の実施例７の発電システムを示す図。従来の回転電機を周方向から見た図。実施例２の回転子外径を段階的に変化させた回転電機を周方向から見た図。実施例４のポールシューおよび永久磁石を楕円形とした回転電機の磁極を径方向から見た図。実施例４のポールシューおよび永久磁石を楕円形とした回転電機の磁極を径方向から見た図。本発明の実施例６の回転電機を周方向から見た図。ポールシュー上面径と下面径との比に対する電圧の関係を示す図

符号の説明

１…ポールシュー、２…永久磁石、３…固定子鉄心、４…電機子巻線、５…台座、６…ボルト、７…ティース、８…スリット、９…固定子鉄心の端部、１０…磁性粉末から形成される固定子鉄心、１１…主機回転軸、１２…フレーム、１３…主機固定子鉄心、１４…主励磁機、１５…副励磁機、１６…軸受、１７…回転整流子。

Claims

永久磁石と前記永久磁石外径側に前記永久磁石を保持するポールシューとを回転子に備え、前記ポールシューの軸方向端部における外径寸法を軸方向中央部における外径寸法よりも小さくすると共に、前記ポールシューの軸方向中心位置にボルト穴を設け、このボルト穴を通してボルトにより径方向から締めつけることによりポールシューおよび永久磁石を保持すると共に、前記ポールシューおよび／または永久磁石の径方向断面を円形または楕円形としたことを特徴とする回転電機。
前記回転子の外径側に固定子鉄心を有し、前記回転子鉄心の全て又は一部を磁性粉末により形成したことを特徴とする請求項１に記載の回転電機。
前記回転子の外径側に固定子鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向端部における内径寸法を軸方向中央部における内径寸法よりも小さくしたことを特徴とする請求項１に記載の回転電機。
前記回転子の外径側に固定子鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向の中央部から端部につれて、段階的に内径寸法を小さくしたことを特徴とする請求項１に記載の回転電機。
軸方向中央部における内径寸法と異なる内径寸法を有する部分を、磁性粉末により形成したことを特徴とする請求項１に記載の回転電機。
軸方向中央部における内径寸法と異なる内径寸法を有する部分の軸側部分を、磁性粉末により形成したことを特徴とする請求項１に記載の回転電機。