JP4696719B2 - 車両用操舵装置及び車両用操舵制御方法 - Google Patents
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図6に示すようにドライバがステアリングを操舵している状況は、ドライバ101を、アシストコントローラ102及び車両を含む操舵系を制御対象と見なすことができる。車両を含む操舵系の特性がドライバの理解できない形で変化すると、ドライバはその変化に対応できず、操舵のハンチングを誘起することも起こりえる。
操舵角を強制的にカウンタステア操舵角に一致させる舵角サーボ制御は、例えば、障害物を回避する操舵を阻害しかねない。よって、レーンキープ制御で用いられる舵角サーボを単純に適用することはできない。
図7はカウンタ制御部80において実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
トルク生成部83によるドライバ入力トルクの算出方法を説明する。
θh=θm+trq/Kt …(1)
ここで、θhはハンドル角、θmは操舵角である。trqは操舵トルク、Ktはトーションバーのねじり剛性(単位は、例えば[Nm/rad])とする。
θh"=θh×s2/(s2+2ζωns+ωn 2) …(2)
trqg=trq+Ih0×θh" …(3)
ここでtrqgはドライバ入力トルクである。
図8は、アシストコントローラ8で実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、あらかじめ設定された所定周期毎に実行される。
本実施例におけるカウンタ制御部80、操舵角サーボ部81、仮想ステアリングモデル部82、トルク生成部83の作用による出力は、図9の等価モデル11によって表される。ドライバは、横滑り角速度、ドライバ入力トルク、ラック軸力等の入力により操舵角の出力に応じた反力を感じることとなる。理解を容易にするため、ドライバが感じる反力を以下のように定義する。ハンドル軸周りの運動方程式によって、式(4)が得られる。
Ih*d2θ/dt2 =(ラック軸力)+(ドライバ操舵力)+(静/動フリクション) …(4)
ここで、Ihはステアリング慣性、θは操舵角、ラック軸力、ドライバ操舵力、静/動フリクションはステアリング軸周りに換算したトルクである。その他のトルクについては、ここでは省略した。ここで、ドライバが感じる反力はドライバ操舵力と等しい大きさで方向は逆であるから、(反力)= −(ドライバ操舵力)となる。よって、次の式(5)が得られる。
(反力)= −Ih*d2θ/dt2 +(ラック軸力)+(静/動フリクション) …(5)
以下では、ステアリング慣性Ihは十分に小さいと仮定し、ステアリング慣性Ihをゼロに近似して説明する。
まず、ドライバがハンドル1をカウンタステア方向に切り始めた状態、つまりドライバはカウンタステア方向に操舵力を加え始めたものの、まだハンドル1が動いていない状態において、ドライバが感じる反力について説明する。ここでは、現在車両は右旋回を行っており、カウンタステア方向は左とする。また、左方向の力を正とする。
(反力)=(ラック軸力)+(静フリクション) …(6)
(反力)= 10 + (−5) = 5 …(7)
(反力)= 10 + (−3) = 7 …(8)
次にドライバがハンドル1をカウンタステア方向に動かしている状態において、ドライバが感じる反力について説明する。ここでは、現在車両は右旋回を行っており、カウンタステア方向は左とする。また、左方向の力を正とする。
(反力)=(ラック軸力)+(動フリクション) …(9)
(反力)= 10 + (−4) = 6 …(10)
(反力)= 10 + (−2) = 8 …(11)
操舵角が適切なカウンタ操舵角に一致若しくは略一致すると、横滑り角速度が所定値以下になるので、カウンタ制御部80はフリクションフラグを"0"に設定する。仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fは、静/動フリクションの補正を終了するので、静/動フリクションは通常の値に復帰する。
(反力)= 10 + (−2) = 8 …(12)
(反力)= 10 + (−4) = 6 …(13)
静/動フリクションはドライバが普段から体験している特性であり、その違いは理解しやすいため、ドライバのハンチング操舵を誘起することがない。また、フリクションの左右差は他の原因では現れない本実施例による作用特有のものであり、ドライバは操舵反力を通じて明確にこの反力変化を理解できることになる。よって、条件1は満たされている。
静/動フリクションが低減若しくはゼロに補正するのみであり、ドライバの操舵介入を妨げることにはならない。よって、条件2が満たされたことを示している。
また、カウンタステア方向の操舵によって、車両の強オーバステアが検知されなくなると静/動フリクションの補正は行われなくなり、カウンタステア方向の反力は小さくなる。よって、ハンドル1の保舵時のドライバが感じる反力が変化し、ドライバは適切なカウンタステア操舵角を推察することができる。
図11はカウンタ制御部84において実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
本実施例におけるカウンタ制御部84、操舵角サーボ部81、仮想ステアリングモデル部82、トルク生成部83の作用による出力は、図13の等価モデル12によって表される。ドライバは、横滑り角速度、ドライバ入力トルク、ラック軸力等の入力により操舵角の出力に応じた反力を感じることとなる。本実施例ではこの反力によって、適切なカウンタ操舵角へ積極的に誘導を行う。
前述のような保舵時に、カウンタステア方向の反力が発生すると、ドライバ入力トルクが一定であればハンドル1はカウンタステア方向に回転する。ハンドル1の回転中には静フリクションではなくハンドル1の回転方向と逆側に動フリクションが発生する。図15は、カウンタ制御トルクの発生によって、ハンドル1がカウンタステア方向への回転中のときのカウンタ制御トルク、動フリクション及び反力の発生と、操舵角の様子を示したグラフである。
図16は、本実施例における作用による操舵角変化をシミュレーションした結果であって、図16(a)はフリクションフラグの状態を、図16(b)は操舵角の状態を示す。このシミュレーションは以下の条件の基に行った。
1:右方向に定常旋回中である。
2:ドライバ入力トルクとラック軸との和はゼロ(すなわち釣合い状態)。
3:時刻0[ms]で後輪が流れ始め、横滑り角速度が所定値以上になり、カウンタ制御を開始する。
4:時刻200[ms]で、横滑り角速度が所定値未満となって、カウンタ制御が終了する。
図16(b)の操舵角は、右方向に定常旋回中の操舵角を"0"とし、左方向の操舵を正として示している。
図17はカウンタ制御部84において実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
図18は、本実施例における作用による操舵角変化をシミュレーションした結果であって、図18(a)はフリクションフラグの状態を、図18(b)は操舵角の状態を示す。本実施例では、実施例2で行ったシミュレーションの車両の横滑り角速度よりも大きな横滑り角速度が生じている場合におけるシミュレーションである。その他の条件については、実施例2と同様に以下の条件の基に行った。
1:右方向に定常旋回中である。
2:ドライバ入力トルクとラック軸との和はゼロ(すなわち釣合い状態)。
3:時刻0[ms]で後輪が流れ始め、横滑り角速度が所定値以上になり、カウンタ制御を開始する。
4:時刻200[ms]で、横滑り角速度が所定値未満となって、カウンタ制御が終了する。
図18(b)の操舵角は、右方向に定常旋回中の操舵角を"0"とし、左方向の操舵を正として示している。
3 操舵角センサ
5 コラムシャフト
6 アシストモータ
8 アシストコントローラ
10 転舵輪
80 カウンタ制御部
81 操舵角サーボ部
82 仮想ステアリングモデル部
82e 静/動フリクション信号生成部
82f 静/動フリクション補正部
83 トルク生成部
Claims (4)
- 車両のステア状態を検知するステア状態検知手段と、
操舵方向が車両の旋回方向と逆側のカウンタステア方向に操舵されているか判定するカウンタステア判定手段と、
コラムシャフトに軸周りのトルクを与えるアクチュエータと、
前記コラムシャフトに入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記コラムシャフトの回転角である操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記操舵トルクと前記操舵角とから、ドライバがハンドルに入力したドライバ入力トルクを算出するドライバ入力トルク算出手段と、
前記ステア状態検知手段が前記車両の所定の条件によるオーバステア傾向を示す強オーバステアを検知したとき、実効値がゼロの正負を繰り返す周期性トルク信号を発生させるカウンタ制御トルク出力手段と、
前記ドライバ入力トルクと前記周期性トルクとから前記コラムシャフトの目標操舵角を算出する仮想ステアリングモデルと、
前記目標操舵角に前記コラムシャフトの操舵角が追従するように前記アクチュエータの出力を制御する操舵角制御手段と、
を備え、
前記仮想ステアリングモデルに、
前記操舵トルクを転舵輪側へ伝達する伝達要素内のフリクションを模して再現し、フリクション信号として出力するフリクション信号生成手段と、
前記強オーバステアを検知し、且つ前記操舵方向がカウンタステア方向と判定した場合には、旋回方向側に発生する前記フリクションを低減又はゼロに補正した前記フリクション信号を出力する補正手段と、
を備えたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記フリクション信号生成手段は、ハンドル停止時に発生する静フリクション、又は前記ハンドルが回転時に発生する動フリクションの少なくとも一方のフリクション信号を生成することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
前記カウンタ制御トルク出力手段は、強オーバステアの程度が強い程、前記周期性トルクの振幅を大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
前記所定の条件は、前記車両が旋回走行中に後輪がグリップ力を失い始める状態を示していることを特徴とする車両用操舵装置。
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