JP4695647B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば媒体等を一軸方向や二軸方向に駆動しながら、プローブにより該媒体の表面等を走査する駆動装置の技術分野に関する。
例えば複数のプローブを含むプローブアレイに対して、記録媒体を該記録媒体の記録面に沿って移動させることで、複数のプローブの夫々を用いて記録媒体にデータを記録したり、或いは該記録媒体に記録されたデータを再生するプローブメモリの開発が進められている。このようなプローブメモリにおいては、プローブアレイの記録媒体に対する位置(言い換えれば、プローブアレイと記録媒体との位置関係)は、例えば記録媒体を搭載するステージに取り付けられた例えば静電容量方式の位置センサを用いることで検出される。つまり、位置センサによって記録媒体の移動量を検出することで、プローブアレイの記録媒体に対する位置を検出する。そして、検出された位置に基づいて、複数のプローブの夫々を、記録媒体上の所望の位置に移動させることで、データの記録や再生が行われる。複数のプローブの夫々は、記録媒体を移動させるためのアクチュエータのストロークにより、記録媒体上における走査限界が定まる。
このように、記録媒体の移動量を検出することで、プローブアレイの記録媒体に対する位置を検出するためには、記録媒体上に基準位置を示すための信号を予め記録しておく必要がある。つまり、この基準位置を示すための信号をプローブが検出したときの位置を、位置センサにより記録媒体の移動量を検出する際の原点とすることで、記録媒体の移動量を検出すれば、プローブアレイの記録媒体に対する位置を検出することができる。
こうしたプローブを用いた装置における駆動ステージの制御方法の一例が特許文献1に開示されている。
特開平5−334737号公報
しかしながら、プローブアレイに意図せぬ衝撃が加わった場合には、プローブアレイに含まれる複数のプローブのうちのいくつかが、記録媒体の記録面を外れ、例えば記録媒体の側面に衝突し得るという技術的な問題点を有している。これは、プローブの破壊や変形につながり得るため好ましくない。このような不都合を回避するべく、プローブアレイに対して記録媒体の記録面を大きく設ける手法が考えられる。しかしながら、記録媒体の記録面を大きくしても、複数のプローブの夫々の走査範囲は変わらないため、データの記録及び再生に用いることができる有効面領域の大きさは変わらない。このため、記録媒体の記録容量の効率的な利用という点からは好ましくない。
また、複数のプローブの夫々を記録媒体の記録面に対して好適に走査させるために、複数のプローブの夫々と記録媒体(更には、ステージ)との位置合せを極めて正確に行うことが求められる。しかしながら、複数のプローブの夫々と記録媒体(更には、ステージ)との位置合せを極めて正確に行うには、例えばサブミクロン単位での高精度な位置合わせが必要となるため、確実に精度を確保することが困難であるという技術的な問題点を有している。
本発明は例えば上述の課題に鑑みなされたものであって、例えばプローブの記録媒体に対する位置を好適に検出しながら、例えば記録媒体を移動させることを可能とならしめる駆動装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の駆動装置は、微小な記録領域を担持する媒体を搭載するステージ構造体と、前記媒体に対して所定の作用を行うための少なくとも一つの微小な作用構造体を前記媒体に対向するように備えると共に、前記媒体に対向し且つ前記ステージ構造体に対して所定の平面上で相対的に移動する対向構造体とを備え、前記対向構造体は、該対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出するための対向側位置検出部を備え、前記ステージ構造体は、前記対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出するためのステージ側位置検出部を備え、前記対向構造体は、前記作用構造体として、前記媒体に対する情報の記録及び前記媒体に記録された前記情報の再生の少なくとも一方を行うプローブを備え、前記プローブは、前記媒体に対して電界を印加することで前記記録及び前記再生の少なくとも一方を行い、前記媒体は背面電極を備えており、前記対向側位置検出部は位置検出用電極を備えており、前記ステージ側位置検出部は、前記背面電極と電気的導通を有する位置検出用電極を備える。
本発明の駆動装置によれば、例えばセンチメートルオーダー以下の(好ましくは、ミリメートルオーダー以下の、サブミリメートルオーダー以下の、或いはマイクロメートルオーダー以下の)記録媒体や試料等を含む媒体がステージ構造体上に搭載される。そして、該ステージ構造体に対向する位置に、例えば媒体を走査することで媒体に対して所定の作用(例えば、後述するような媒体に対する記録再生動作や、媒体の表面或いは内部構造の観察動作等)を行うプローブ等の作用構造体を備える対向構造体が配置される。このとき、対向構造体は、ステージ構造体に対して、所定の平面に沿って(例えば、媒体の表面に沿って)相対的に移動することができる。ここでいう「相対的な移動」とは、対向構造体とステージ構造体との位置関係が変化することを意味している。具体的には、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な移動は、対向構造体が実際に移動し且つステージ構造体が移動しないことで実現されてもよいし、ステージ構造体が実際に移動し且つ対向構造体が移動しないことで実現されてもよいし、或いは、対向構造体及びステージ構造体の夫々が実際に移動することで実現されてもよい。
本発明では特に、対向構造体は、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出するために用いられる対向側位置検出部を備えている。更に、ステージ構造体は、対向構造体のステージ構造体に対する基準位置を検出するために用いられるステージ側位置検出部を備えている。つまり、本発明においては、対向構造体及びステージ構造体の夫々に対して、対向構造体のステージ構造体に対する基準位置を検出するために用いられる構成が設けられている。尚、「対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置」は、例えば後述の位置センサによる媒体の移動量を検出する際の基準となる位置を示すものであり、例えば「対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置」を原点として、例えば後述の位置センサにより、対向構造体の媒体(即ち、ステージ構造体)に対する相対的な移動量が検出される。従って、対向側位置検出部及びステージ側位置検出部の夫々を用いることで、基準位置に基づいて、対向構造体の媒体(即ち、ステージ構造体)に対する相対的な移動量を検出することができる。その結果、対向構造体の媒体に対する相対的な位置を高精度に検出しつつ、対向構造体をステージ構造体に対して相対的に移動させることができる。
仮に、上述の従来技術の如く、ステージ構造体に取り付けられた位置センサを用いるのみでは、対向構造体とステージ構造体との位置ズレにより、対向構造体の媒体に対する相対的な移動量の精度が低くなってしまうおそれがある。このため、対向構造体とステージ構造体との位置合わせを極めて正確に行う必要があった。しかるに本発明においては、対向構造体及びステージ構造体の夫々に対して、対向構造体のステージ構造体に対する基準位置を検出するために用いられる構成が設けられている。このため、対向構造体とステージ構造体との位置合わせを極めて正確に行っていなかったとしても、高精度に基準位置を設定し、且つ実際の動作の際に高精度に基準位置を検出することができるという大きな利点を有している。その結果、対向構造体の媒体に対する相対的な位置を高精度に検出することができる。
加えて、本発明によれば、対向構造体が、作用構造体として、媒体に対する情報の記録及び媒体に記録された情報の再生の少なくとも一方を行うプローブ(言い換えれば、カンチレバー等)を備えている。このため、プローブを備える情報記録再生装置に対して、当該駆動装置を適用することができる。
更に、本発明によれば、プローブは、媒体に対して電界を印加することで記録及び再生の少なくとも一方を行い、媒体は背面電極を備え、対向側位置検出部は位置検出用電極を備え、ステージ側位置検出部は、背面電極と電気的導通を有する位置検出用電極を備える。このため、後に詳述するように、例えばSNDM(Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy:走査型非線形誘電率顕微鏡)の原理を利用した情報記録再生装置の構成を有効に利用しつつ、対向構造体のステージ構造体に対する基準位置を検出することができる。
本発明の駆動装置の一の態様は、前記ステージ側位置検出部は、前記所定の平面に直交する基準面を含み、前記対向側位置検出部は、前記ステージ構造体に対する前記対向構造体の相対的な移動に伴って前記基準面と接触可能であって且つ前記ステージ構造体に対して突き出た突出部を含む。
この態様によれば、対向側位置検出部としての突出部が、ステージ側位置検出部としての基準面にぶつかるないしは当たることで、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出することができる。言い換えれば、突出部が基準面にぶつかる位置が、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置を示している。そして、突起部が基準面にぶつかる位置を原点として、上述の位置センサを用いて対向構造体の媒体(即ち、ステージ構造体)に対する相対的な移動量を検出すれば、対向構造体の媒体に対する相対的な位置を高精度に検出することができる。
また、突起部及び基準面は、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な移動の機械的なストッパーとしても作用することができるため、対向構造体に設けられた例えばプローブ等が媒体から外れることによって生じえる破壊や変形等の不都合を好適に防止することができる。
この態様では、前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と同一の部材で構成され、前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と同一の部材で構成されるように構成してもよい。或いは、前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と一体に形成され、前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と一体に形成されるように構成してもよい。
このように構成すれば、比較的容易に対向側位置検出部やステージ側位置検出部を形成することができる。例えばマスキングやエッチング等のシリコンプロセス等を用いることで、上述した対向側位置検出部或いはステージ側位置検出部を形成することができる。これにより、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)のような極めて小型の駆動装置であっても、上述した構成を好適に備えることができ、その結果、上述した利益を好適に享受することができる。
本発明の駆動装置の他の態様は、前記対向側位置検出部は、前記所定の平面に直交する基準面を含み、前記ステージ側位置検出部は、前記ステージ構造体に対する前記対向構造体の相対的な移動に伴って前記基準面と接触可能であって且つ前記対向構造体に対して突き出た突出部を含む。
この態様によれば、ステージ側位置検出部としての突出部が、対向側位置検出部としての基準面にぶつかるないしは当たることで、上述した態様と同様の利益を享受することができる。
この態様では、前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と同一の部材で構成され、前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と同一の部材で構成されるように構成してもよい。或いは、前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と一体に形成され、前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と一体に形成されるように構成してもよい。
このように構成すれば、比較的容易に対向側位置検出部やステージ側位置検出部を形成することができる。例えばマスキングやエッチング等のシリコンプロセス等を用いることで、上述した対向側位置検出部或いはステージ側位置検出部を形成することができる。これにより、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)のような極めて小型の駆動装置であっても、上述した構成を好適に備えることができ、その結果、上述した利益を好適に享受することができる。
本発明の駆動装置の他の態様は、前記対向側位置検出部及び前記ステージ側位置検出部の夫々は、位置検出用電極を備え、前記対向側位置検出部が備える位置検出用電極と前記ステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間の電気的導通を検出する導通検出手段を更に備える。
この態様によれば、対向側位置検出部が備える位置検出用電極とステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間において電気的導通が検出されることで、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出することができる。例えば、対向側位置検出部が備える位置検出用電極とステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間において電気的導通が検出される位置を、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置として用いることができる。そして、対向側位置検出部が備える位置検出用電極とステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間において電気的導通が検出される位置を原点として、上述の位置センサを用いて対向構造体の媒体(即ち、ステージ構造体)に対する相対的な移動量を検出すれば、対向構造体の媒体に対する相対的な位置を高精度に検出することができる。
本発明の駆動装置の他の態様は、前記対向側位置検出部及び前記ステージ側位置検出部の夫々は、位置検出用電極を備え、前記対向側位置検出部が備える位置検出用電極と前記ステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間の静電容量を検出する静電容量検出手段を更に備える。
この態様によれば、対向側位置検出部が備える位置検出用電極とステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間の静電容量を検出することで、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置に加えて、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な位置をも検出することができる。即ち、例えば、対向側位置検出部が備える位置検出用電極とステージ側位置検出部が備える位置検出用電極とが離れている場合には、これらの位置検出用電極はコンデンサとして作用し得る。従って、その静電容量の大きさを検出することで、これらの位置検出用電極がどれだけ離れているかを検出することができる。その結果、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な位置を検出することができる。他方、これらの位置検出用電極が接触した場合、これらの位置検出用電極の間において電気的導通が検出される。従って、上述した導通検出手段を備える駆動装置の態様と同様に、対向構造体のステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出することができる。
この構成では、前記印加される電界に応じた前記プローブにおけるプローブ信号の変化に基づいて、該対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出するように構成してもよい。
このように構成すれば、例えばSNDM(Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy:走査型非線形誘電率顕微鏡)の原理を利用した情報記録再生装置の構成を有効に利用しつつ、プローブが媒体に対して何らかの作用を行っている際の、一又は複数のプローブにおけるプローブ信号(言い換えれば、入出力信号等)の変化(例えば、プローブ信号の電圧或いは周波数等の平均的な変化や変化の傾向等)に基づいて、好適に、対向構造体のステージ構造体に対する基準位置を検出することができる。
この構成では、前記対向構造体は、前記対向位置検出部が備える前記位置検出用電極を前記プローブとして備えるように構成してもよい。
このように構成すれば、後に詳述するように、例えばSNDM(Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy:走査型非線形誘電率顕微鏡)の原理を利用した情報記録再生装置の構成を更に有効に利用しつつ、対向構造体のステージ構造体に対する基準位置を検出することができる。
本発明の駆動装置の他の態様は、前記対向構造体は、前記媒体の表面及び内部の少なくとも一方の特性を測定する少なくとも1つのプローブを備える。
この態様によれば、例えばAFM(Atomic Force Microscopy)等を含む各種走査型顕微鏡等にも当該駆動装置を適用することができる。
本発明の駆動装置の他の態様は、前記対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な移動量を検出するための移動量検出部を更に備える。
この態様によれば、上述した位置センサ等を含む移動量検出部の動作を組み合わせることで、対向構造体の媒体に対する相対的な位置を高精度に検出しつつ、対向構造体をステージ構造体に対して相対的に移動させることができる。
本発明の駆動装置の他の態様は、前記対向構造体は、前記作用構造体として、前記媒体に対する情報の記録及び前記媒体に記録された前記情報の再生の少なくとも一方を行う、又は前記媒体の表面及び内部の少なくとも一方の特性を測定する複数のプローブを含むプローブアレイを備え、前記ステージ側位置検出部及び前記対向側位置検出部の少なくとも一方は、前記プローブアレイが占める領域の外側に(より具体的には、プローブアレイが対向構造体上において占める領域と該領域に対向するステージ構造体上における領域との夫々の外側に)配置される。
この態様によれば、複数のプローブを含むプローブアレイが媒体に対して行う作用に悪影響を与えることなく、好適に、対向構造体のステージ構造体に対する基準位置を検出することができる。
本発明におけるこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本発明の駆動装置は、対向構造体と、ステージ構造体とを備え、対向構造体は対向側位置検出部を備え、ステージ構造体はステージ側位置検出部を備える。従って、プローブの記録媒体に対する位置を好適に検出しながら、例えば記録媒体を移動させることができる。
第1実施例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。 第1実施例に係る駆動装置の動作の一の態様を概念的に示す断面図である。 第1実施例に係る駆動装置の動作の一の態様を概念的に示す断面図である。 第1比較例に係る駆動装置の構成を概略的に示す断面図である。 第2比較例に係る駆動装置の構成を概略的に示す断面図である。 第2実施例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。 第3実施例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。 本実施例に係る誘電体記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 本実施例において用いられる記録媒体40の一例を概念的に示す平面図及び断面図である。 データの記録動作を概念的に示す断面図である。 データの再生動作を概念的に示す断面図である。 第1変形例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。 第2変形例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 駆動装置
11 上側部材
12 プローブ
13 第1電極
14 突出部
21 下側部材
22 ステージ
23 第2電極
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
尚、以下の実施例では、本発明の駆動装置を情報記録再生装置(具体的には、プローブメモリ)に適用した場合の構成を用いて説明を進める。
(第1実施例)
初めに、図1から図3を参照して、本発明の駆動装置に係る第1実施例について説明する。ここに、図1は、第1実施例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図であり、図2は、第1実施例に係る駆動装置の動作の一の態様を概念的に示す断面図であり、図3は、第1実施例に係る駆動装置の動作の他の態様を概念的に示す断面図である。
図1に示すように、第1実施例に係る駆動装置1は、上側部材11と、複数のプローブ12と、第1電極13と、突出部(リブ)14と、下側部材21と、ステージ22と、第2電極23と、位置センサ24と、アクチュエータ25と、側壁30と、記録媒体40とを備える。
上側部材11は、例えば8×8の或いは64×64のマトリクス上に配列された複数のプローブ12を支持するための固定された支持部材である。
複数のプローブ12の夫々は、本発明の「作用構造体」の一具体例を構成しており、マイクロメートルオーダーの或いはナノメートルオーダーの大きさを有している。また、複数のプローブ12の夫々は、例えば10ナノメートルから25ナノメートル程度の(即ち、ナノメートルオーダーの)半径を有する微小な略球状のないしは突起状の先端を有しており、記録媒体40に対して所定の電界を印加する。複数のプローブ12の夫々の先端は、記録媒体40の記録面に接触していてもよい。或いは、複数のプローブ12の夫々の先端は、記録媒体の記録面に、接触と同視し得る程度に近接していてもよい。これら複数のプローブ12の夫々から記録媒体40に電界が印加されることで、記録媒体40にデータを記録したり或いは記録媒体40に記録されたデータを再生することができる。この記録動作及び再生動作の詳細については、後に詳述する(図8から図11参照)。
尚、上側部材11と複数のプローブ12とが、プローブアレイを構成していると共に、本発明の「対向構造体」の一具体例を構成している。
第1電極13は、本発明の「対向側位置検出部」ないしは「位置検出用電極」の一具体例を構成しており、突出部14の表面に形成されている。特に、第1電極13は、ステージ22の移動に伴って、第2電極23と接触可能な位置に形成されている。また、第1電極13は、所定の抵抗を介して接地されており、且つ抵抗の端部には出力端子OUT1ないしはOUT2が設けられている。
突出部14は、本発明の「対向側位置検出部」の一具体例を構成しており、記録媒体40が移動可能な範囲の限界を示すと共に、物理的に記録媒体40の移動を妨げるストッパーとして作用する。突出部14は、ステージ22の移動に伴って、ステージ22ないしは記録媒体40の側面と、第1電極13及び第2電極23を介在させて接触可能な位置に、ステージ22ないしは記録媒体40の側面に接触可能な形状を有して配置されている。
下側部材21は、位置センサ22等を指示するための固定された支持部材である。
ステージ22は、本発明の「ステージ構造体」の一具体例を構成しており、その上面に記録媒体40が搭載されている。ステージ22は、アクチュエータ25の動作により、ステージ22の表面に沿って(即ち、記録媒体40の記録面に沿って)移動可能に構成されている。尚、説明の簡略化のため、以下の説明では、図面中の左右方向にステージ22が移動する例について説明するが、記録媒体40の記録面に沿った方向であれば任意の方向に移動してもよいことは言うまでもない。即ち、第1実施例におけるステージ22は、x方向及びy方向の2軸駆動が可能なステージに相当する。
第2電極23は、本発明の「ステージ側位置検出部」ないしは「位置検出用電極」の一具体例を構成しており、ステージ22の側面に(言い換えれば、記録媒体40の側面に)沿って形成されている。特に、第2電極23は、ステージ22の移動に伴って、第1電極13と接触可能な位置に形成されている。また、第2電極23には、“+5V”の電圧が印加されている。
尚、記録媒体40に電界を印加することでデータの記録や再生を行う場合には、第2電極23と記録媒体40(特に、その記録面)とは絶縁されていることが好ましい。但し、後に詳述するように、第2電極23と記録媒体40の一部とが電気的導通を有していてもよい。
位置センサ24は、本発明の「移動量検出部」の一具体例を構成しており、ステージ22の移動量を検出可能に構成されている。例えば、位置センサ24は、ステージ22のx方向の移動量やy方向の移動量を検出可能に構成されている。位置センサ24は、例えば静電容量方式の位置センサであってもよいし、或いは他の方式を利用した位置センサであってもよい。
アクチュエータ25は、ステージ22を、ステージ22の表面に沿って(即ち、記録媒体40の記録面に沿って)移動させる。アクチュエータ25は、図1に示すようなばね等を含む弾性部材を含んで構成されてもよい。或いは、アクチュエータ25は、電気的作用を利用してステージ22を移動させるように構成されていてもよいし、機械的作用を利用してステージ22を移動させるように構成されていてもよいし、磁気的作用を利用してステージ22を移動させるように構成されていてもよい。要は、ステージ22を移動させることができる構成であれば、その具体的構成は問わない。
尚、上述した第1電極13は、上側部材11と連続的に(言い換えれば、一つのまとまった構造物として)形成されるように構成してもよい。或いは、上述した第2電極14は、ステージ22と連続的に形成されるように構成してもよい。或いは、上述した突出部14は上側部材11と連続的に且つ同一部材で形成されるように構成してもよい。この場合、これらの構成要素を、マスキングやエッチング等のシリコンプロセスを用いることで比較的容易に形成することができる。もちろん、他のプロセスを用いて形成してもよいことは言うまでもない。
また、第1電極13や突出部14は、複数のプローブ12の夫々が形成される上側部材11上の領域よりも外側の領域に形成されることが好ましい。同様に、ステージ22の側面や第2電極23は、複数のプローブ12の夫々が形成される上側部材11上の領域よりも外側の領域に形成されることが好ましい。
続いて、図2および図3を参照して、第1実施例に係る駆動装置1の動作の態様について説明する。第1実施例に係る駆動装置1は、位置センサ24によってステージ22の移動量を検出する前に、移動量を検出する際の原点となる基準位置を検出し、設定する。
具体的には、図2や図3に示すように、アクチュエータ25の動作により、本発明の「基準面」の一具体例を構成するステージ22の側面が突出部14にぶつかるまでステージ22を移動させる。この突出部14とステージ22とがぶつかる位置を、位置センサ24がステージ22の(或いは、記録媒体40の)移動量を検出する際の基準位置として設定する。言い換えれば、ステージ22をx方向ないしはy方向に移動させ、ステージ22の側面と突出部14とがぶつかれば、駆動装置1は、そのときのステージ22の位置を、ステージ22の基準位置(即ち、位置センサ24がステージ22の移動量を検出する際の原点)として検出し、該位置を基準位置として設定する。
ステージ22の側面と突出部14とのぶつかりは、第1電極13に接続された出力端子OUT1ないしはOUT2をモニタリングすることで、比較的容易に検出することができる。
具体的には、図2に示すように、左側の突出部14と、ステージ22の左側の側面とがぶつかっている場合には、左側の突出部14の側面に形成されている第1電極13(以降、適宜“左側の第1電極13”と称する)と、ステージ22の左側の側面に形成されている第2電極23(以降、適宜“左側の第2電極23”と称する)とが接触する。従って、左側の第1電極13には、左側の第2電極23を介して“+5V”の電圧が印加され、その結果、出力端子OUT1の端子電圧は“+5V”となる。このとき、右側の突出部14と、ステージ22の右側の側面とはぶつかっていないため、右側の突出部14の側面に形成されている第1電極13(以降、適宜“右側の第1電極13”と称する)と、ステージ22の右側の側面に形成されている第2電極(以降、適宜“右側の第2電極23”と称する)とは接触していない。従って、右側の第1電極13に接続する出力端子OUT2の端子電圧は、“0V”となる。従って、出力端子OUT1の端子電圧が“+5V”であり、出力端子OUT2の端子電圧が“0V”である場合には、駆動装置1は、ステージ22が左側の突出部14にぶつかっていることを認識することができる。
或いは、図3に示すように、右側の突出部14と、ステージ22の右側の側面とがぶつかっている場合には、右側の第1電極13と、右側の第2電極23とが接触する。従って、右側の第1電極13には、右側の第2電極23を介して“+5V”の電圧が印加され、その結果、出力端子OUT2の端子電圧は“+5V”となる。このとき、左側の突出部14と、ステージ22の左側の側面とはぶつかっていないため、左側の第1電極13と、右側の第2電極とは接触していない。従って、左側の第1電極13に接続する出力端子OUT1の端子電圧は、“0V”となる。従って、出力端子OUT2の端子電圧が“+5V”であり、出力端子OUT1の端子電圧が“0V”である場合には、駆動装置1は、ステージ22が右側の突出部14にぶつかっていることを認識することができる。
また、ステージ22が左側の突出部14及び右側の突出部14の夫々にぶつかっていない場合には、右側の第1電極13と右側の第2電極23とは接触しておらず、更に左側の第1電極13と左側の第2電極23とは接触していない。このため、出力端子OUT1及びOUT2の夫々の端子電圧は、共に“0V”となる。従って、出力端子OUT1及びOUT2の夫々の端子電圧が共に“0V”である場合には、駆動装置1は、ステージ22がいずれの突出部14にもぶつかっていない(即ち、ステージ22が基準位置まで移動していない)ことを認識することができる。
このように、突出部14とステージ22の側面とがぶつかる位置を、ステージ22の移動量を検出する際の絶対的な基準位置(原点)として設定した後に、位置センサ24は、ステージ22が基準位置からどれだけ移動したかを検出する。これにより、駆動装置1は、複数のプローブ12の記録媒体40に対する正確な位置を好適に認識することが可能となる。
ここで、図4及び図5を参照して、第1実施例に係る駆動装置の比較例について説明する。ここに、図4は、第1比較例に係る駆動装置の構成を概略的に示す断面図であり、図5は、第2比較例に係る駆動装置の構成を概略的に示す断面図である。
図4に示すように、第1比較例に係る駆動装置1aは、上側部材110と、複数のプローブ120と、下側部材210と、ステージ220と、位置センサ240と、アクチュエータ250と、側壁300と、記録媒体40とを備える。このような構成を有する第1比較例に係る駆動装置1aは、位置センサ240によるステージ220の移動量を検出することができるに過ぎないため、基準位置を示す位置信号を記録媒体40上に予め記録しておく必要がある。仮に基準位置を示す位置信号が記録媒体40上に記録されない場合には、駆動装置1aを製造する際に、複数のプローブ120を備える上側部材110と、ステージ220等を備える下側部材210との夫々の位置を、極めて厳密に合わせる必要がある。
或いは、図5に示すような更にストッパー260を備える第2比較例に係る駆動装置1bであっても、ストッパー260が下側部材210上に配置されている以上、駆動装置1bを製造する際に、複数のプローブ120を備える上側部材110と、ステージ220等を備える下側部材210との夫々の位置を、極めて厳密に合わせる必要がある。
しかるに、第1実施例では、複数のプローブ12を備える上側部材11上に、基準位置を検出し設定するための突出部14が配置されている。このため、上側部材11と下側部材21との夫々の位置を、極めて厳密に合わせていなくとも(言い換えれば、上側部材11と下側部材21との間の位置ズレに係わらず)、突出部14は、複数のプローブ12と固定的な位置関係を有している。そして、ステージ22の移動量は、ステージ22の側面が突出部14とぶつかる位置が基準位置(原点)となる。このため、位置センサ24は、上側部材11と下側部21との位置ズレに大きな影響を受けることなく、上側部材11の突出部14の位置から記録媒体40をどれだけ移動させたかを検出することができる。言い換えれば、位置センサ24は、複数のプローブ12に対して記録媒体40をどれだけ移動させたかを高精度に検出することができる。従って、記録媒体40を高精度に移動させることができるため、記録媒体40上の所望の位置に複数のプローブ12から電界を印加させることができる。その結果、記録動作ないしは再生動作を好適に行なうことができる。
このように、第1実施例においては、上側部材11と下側部材21との極めて厳密な位置合わせを必要とせず、相対的に容易に駆動装置1を構成することができる。これは、駆動装置1の低コスト化にもつながる。そして、厳密な位置合わせを必要としない一方で、プローブ12の記録媒体40に対する位置を高精度に検出することができるという利点をも兼ね備えている。
加えて、突出部14は、ステージ22に対して、その移動の限界を規定する物理的なストッパーとしての機能をも兼ね備えている。従って、ステージ22が意図せず過度に移動してしまうという不都合を好適に防止することができる。このため、プローブ12が記録媒体40の記録面からずれてしまい、例えば記録媒体40の側面にぶつかることで、プローブ12が破壊されてしまったり或いは変形してしまうという不都合を好適に防止することができる。加えて、複数のプローブ12が配置されている範囲に対して、記録媒体40の記録面を不必要に大きくしておく必要もなくなるため、記録媒体40の記録容量を最大限に有効に利用することができる。
尚、突出部14の位置が、ステージ22の移動量を検出する際の基準位置となるため、複数のプローブ12の配置や配置間隔とステージ22の初期位置等を考慮して、上側部材11の好適な位置に突出部14を配置することが好ましい。その際、突出部14は、上側部材11と一体的に形成されてもよいし、或いは別々に形成されてもよい。突出部14を別々に形成する場合には、上側部材11に対して所定の形状を有するピンや部材等を取り付けるように構成してもよい。また、ステージ22の側面と突出部14とが好適にぶつかるように、ステージ22の側面及び突出部14の側面は、ステージ22の移動方向に対して略垂直であることが好ましい。
但し、ステージ22の移動に伴って、ステージ22とぶつかることが可能であって且つぶつかることにより基準位置を検出し設定することができるように構成されていれば、突出部14の形状や配置等の各種構成は任意の構成を採用することができることは言うまでもない。同様に、上側部材11上に配置された突出部14とぶつかるステージ22の構成部分も、必ずしもステージ22の側面である必要はなく、突出部14とぶつかることが可能であって且つぶつかることにより基準位置を検出し設定することができるように構成されていれば、突出部14とぶつかるステージ22の構成部分は任意の構成を採用することができることは言うまでもない。同様に、第1電極13や第2電極14についても、任意の構成を採用することができる。
また、第1電極13や第2電極23を備えないように構成してもよい。この場合、ステージ22の側面が突出部14にぶつかることで、アクチュエータ25はそれ以上ステージ22を移動させることができなくなる。このアクチュエータ25がステージ22を移動させることができなくなる位置を、例えばアクチュエータ25の動作等をモニタリングすることで検出すれば、上述した動作と同様の動作を行なうことができる。
また、上述の第1実施例では、複数のプローブ12の位置を固定し、ステージ22を複数のプローブ12に対して移動させる構成を採用しているが、ステージ22の位置を固定し、複数のプローブ12をステージ22に対して移動させる構成を採用してもよい。或いは、ステージ22を複数のプローブ12に対して移動させると共に、複数のプローブ12をステージ22に対して移動させる構成を採用してもよい。
また、上述の第1実施例では、複数のプローブ12の夫々から電界を印加することで、ステージ22上に搭載された記録媒体にデータを記録したり、或いは記録媒体40に記録されたデータを再生する情報記録再生装置に用いられる駆動装置について説明した。しかしながら、他の手法を用いて記録媒体にデータを記録したり或いは記録媒体に記録されたデータを再生する情報記録再生装置(例えば、プローブに対して相対的に移動可能なステージ上に記録媒体を搭載した各種情報記録再生装置等)であっても、上述した駆動装置1を用いてもよい。或いは、情報記録再生装置でなくとも、例えばステージ上に搭載された試料の表面構造や内部構造或いは各種特性等を測定する機器(例えば、観察手段に対して相対的に移動可能なステージ上に観察する試料を搭載する各種走査型顕微鏡等)に、上述した駆動装置1を用いてもよい。要は、上側部材11に対して相対的に移動可能なステージ22を備える機器であれば、上述した駆動装置1を用いることで、上述した各種利益を享受することができる。
(第2実施例)
続いて、図6を参照して、第2実施例に係る駆動装置について説明する。ここに、図6は、第2実施例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。尚、上述した第1実施例に係る駆動装置1と同様の構成については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。即ち、ここでは、第2実施例に係る駆動装置に特有の構成について詳しく説明を進める。
図6に示すように、第2実施例に係る駆動装置2は、第1実施例に係る駆動装置1と同様に、上側部材11と、複数のプローブ12と、第1電極13と、突出部(リブ)14と、下側部材21と、ステージ22と、第2電極23と、位置センサ24と、アクチュエータ25と、側壁30と、記録媒体40とを備える。
第2実施例に係る駆動装置2は特に、本発明の「静電容量検出手段」の一具体例を構成する発振器31及び発振器32を備える。発振器31は、左側の第1電極13と左側の第2電極23との間の静電容量に応じて発振周波数が変化し、発振器32は、右側の第1電極13と右側の第2電極23との間の静電容量に応じて発振周波数が変化する。
このような構成を有する第2実施例に係る駆動装置2の動作の態様について説明する。図6中、ステージ22が右側から左側に向かって移動している場合、左側の第1電極13と左側の第2電極23との間隔は狭くなり、右側の第1電極13と右側の第2電極23との間隔は広くなる。それに伴って、左側の第1電極13と左側の第2電極23との間の静電容量は大きくなり、その結果、発振器31の発振周波数は低くなる。また、右側の第1電極13と右側の第2電極23との間の静電容量は小さくなり、その結果、発振器32の発振周波数は高くなる。
一方、図6中、ステージ22が左側から右側に向かって移動している場合、左側の第1電極13と左側の第2電極23との間隔は広くなり、右側の第1電極13と右側の第2電極23との間隔は狭くなる。それに伴って、左側の第1電極13と左側の第2電極23との間の静電容量は小さくなり、その結果、発振器31の発振周波数は高くなる。また、右側の第1電極13と右側の第2電極23との間の静電容量は大きくなり、その結果、発振器32の発振周波数は低くなる。
他方、図6中、ステージ22が右側から左側に向かって移動することにより、左側の第1電極13と左側の第2電極23とが接触した場合(即ち、左側の突出部14とステージ22の左側の側面とがぶつかった場合)、発振器31の発振は停止する。従って、発振器31の発振が停止した位置を、位置センサ24がステージ22の移動量を検出する際の基準位置として設定することができる。
他方、図6中、ステージ22が左側から右側に向かって移動することにより、右側の第1電極13と右側の第2電極23とが接触した場合(即ち、右側の突出部14とステージ22の右側の側面とがぶつかった場合)、発振器32の発振は停止する。従って、発振器32の発振が停止した位置を、位置センサ24がステージ22の移動量を検出する際の基準位置として設定することもできる。
このように、発振器31ないしは発振器32の発振をモニタリングすることで、駆動装置2は、ステージ22の側面が突出部14にぶつかったことを認識することができ、その結果、基準位置を好適に設定することができる。従って、第2実施例に係る駆動装置2は、上述した各種利益を享受することができる。
更に、発振器31ないしは発振器32の発振周波数をモニタリングすることで、第1電極13と第2電極23とがどれだけ離れているか(即ち、突出部14とステージ22とがどれだけ離れているか)をも認識することができる。従って、位置センサ24に代えて、第1電極13及び第2電極23、並びに発振器31及び発振器32を用いて、ステージ22の移動量を検出することができる。この場合、位置センサ24を別個独立に備えていなくともよい。
尚、上述の第1実施例における各種構成を組み合わせてもよいことは言うまでもない。そして、このように組み合わせたとしても、上述した各種利益を享受することができるため、本発明の範囲に当然に含まれることは言うまでもない。
(第3実施例)
続いて、図7を参照して、第3実施例に係る駆動装置について説明する。ここに、図7は、第3実施例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。尚、上述した第1実施例に係る駆動装置1や第2実施例に係る駆動装置2と同様の構成については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。即ち、ここでは、第3実施例に係る駆動装置に特有の構成について詳しく説明を進める。
図7に示すように、第3実施例に係る駆動装置3は、第1実施例に係る駆動装置1と同様に、上側部材11と、複数のプローブ12と、第1電極13と、下側部材21と、ステージ22と、第2電極23と、位置センサ24と、アクチュエータ25と、側壁30と、記録媒体40とを備える。
第3実施例に係る駆動装置3は特に、ステージ22が突出部(リブ)26を備えている。即ち、第3実施例に係る駆動装置3においては、ステージ22側から上側部材11に向けて突き出ている突出部26を備えている。この場合、上側部材11は、突出部26の形状に合わせて、一部が窪んでおり、その窪みの側面が、本発明の「基準面」の一具体例を構成している。
このような構成を有する第3実施例に係る駆動装置3であっても、上述した各種利益を享受することができる。つまり、上側部材11とステージ22との何れが突出部14(26)を備えているかに係わらず、複数のプローブ12が配置される上側部材11と、記録媒体40を搭載するステージ22の双方に、ステージ22の移動量を検出する際の基準位置を検出・設定するための構成が形成されていれば、上述した各種利益を享受することができる。
尚、上述の第1実施例や第2実施例における各種構成を組み合わせてもよいことは言うまでもない。そして、このように組み合わせたとしても、上述した各種利益を享受することができるため、本発明の範囲に当然に含まれることは言うまでもない。
(駆動装置を利用した情報記録再生装置)
続いて、図8から図11を参照して、上述した本実施例に係る駆動装置を用いた情報記録再生装置について説明する。尚、ここでは、強誘電体を記録材料として用いる記録媒体40に対して記録動作或いは再生動作を行う強誘電体記録再生装置について説明を進める。
(i)基本構成
先ず、本実施例に係る誘電体記録再生装置の基本構成について、図8を参照して説明する。ここに、図8は、本実施例に係る誘電体記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。
誘電体記録再生装置400は、記録媒体40に近接もしくは接触するプローブ12と、記録媒体40とを備える駆動装置1を備える。また、駆動装置1は、プローブ12から印加された信号再生用の高周波信号が戻るリターン電極50を更に備える。また、誘電体記録再生装置400は、プローブ12とリターン電極50の間に設けられるインダクタLと、インダクタLとプローブ12の直下の誘電体材料41の表層ないしは内部に形成される、記録情報に対応して分極した部位の容量Csとで決まる共振周波数で発振する発振器413と、誘電体材料41に記録された分極状態を検出するための交番電界を印加するための交流信号発生器421と、誘電体材料41に分極状態を記録する記録信号発生器422と、交流信号発生器421及び記録信号発生器422の出力を切り替えるスイッチ423と、HPF(High Pass Filter)424と、プローブ12の直下の誘電体材料41が有する分極状態に対応した容量で変調されるFM信号を復調する復調器430と、復調された信号からデータを検出する信号検出部434と、復調された信号からトラッキングエラー信号を検出するトラッキングエラー検出部435等を備えて構成される。
プローブ12はHPF424を介して発振器413と接続され、またHPF424及びスイッチ423を介して交流信号発生器421及び記録信号発生器422と接続される。そして、誘電体材料41に電界を印加する電極として機能する。
リターン電極50は、プローブ12から誘電体材料50に印加される高周波電界(即ち、発信器413からの共振電界)が戻る電極であって、プローブ12を取り巻くように設けられている。尚、高周波電界が抵抗なくリターン電極50に戻るものであれば、その形状や配置は任意に設定が可能である。
尚、本実施例においては、説明の簡略化のために、図8においては、プローブ12は一つだけ示しているが、実際には複数のプローブ12を備える構成を有している。この場合には、交流信号発生器421は、夫々のプローブ12に対応して複数設けられる。また、信号検出部434において夫々の交流信号発生器421に対応する再生信号を弁別可能なように、信号検出部434を複数備え、且つ夫々の信号検出部434は、夫々の交流信号発生器421より参照信号を取得することで、対応する再生信号を出力するように構成される。
インダクタLは、プローブ12とリターン電極50との間に設けられていて、例えばマイクロストリップラインで形成される。インダクタLと容量Csとを含んで共振回路14が構成される。この共振周波数が例えば1GHz程度を中心とした値になるようにインダクタLのインダクタンスが決定される。
交流信号発生器421は、リターン電極50と電極42との間に交番電界を印加する。また、複数のプローブ12を用いる誘電体記録再生装置においては、この周波数を参照信号として同期を取り、プローブ12で検出する信号を弁別する。その周波数は100kHz程度を中心としたものであり、誘電体材料41の微小領域に交番電界を印加することになる。
発振器413は、インダクタLと容量Csとで決定される共振周波数で発振する発振器である。その発振周波数は容量Csの変化に対応して変化するものであり、従って記録されているデータに対応した分極領域によって決定される容量Csの交番電界による変化に対応してFM変調が行われる。このFM変調を復調することで、記録媒体40に記録されているデータを読み取ることができる。
尚、後に詳述するように、プローブ12、リターン電極50、発振器413、インダクタL、HPF424及び誘電体材料41中の容量Csから共振回路414が構成され、発信器413において増幅されたFM信号が復調器430へ出力される。
記録信号発生器422は、記録用の信号を発生し、記録時にプローブ12に供給される。この信号はデジタル信号に限らずアナログ信号であってもよい。これらの信号として、音声情報、映像情報、コンピュータ用デジタルデータ等、各種の信号が含まれる。また、記録信号に重畳された交流信号は信号再生時の参照信号として各探針の情報を弁別して再生するためである。
スイッチ423は、再生時、交流信号発生器421からの信号を、一方、記録時は記録信号発生器422からの信号をプローブ12に供給するようにその出力を選択する。この装置は機械式のリレーや半導体の回路が用いられるが、アナログ信号にはリレーが、デジタル信号には半導体回路で構成するのが好適である。
HPF424は、インダクタ及びコンデンサを含んでなり、交流信号発生器421や記録信号発生器422からの信号が発振器413の発振に干渉しないように信号系統を遮断するためのハイパスフィルタを構成するために用いられていて、その遮断周波数はf=1/2π√{LC}である。ここで、LはHPF424に含まれるインダクタのインダクタンス、CはHPF424に含まれるコンデンサのキャパシタンスとする。交流信号の周波数は100KHz程度であり、発振器413の発振周波数は1GHz程度であるので、1次のLCフィルタで分離は十分に行われる。さらに次数の高いフィルタを用いてもよいが素子数が多くなるので装置が大きくなる虞がある。
復調器430は、FM信号を復調し、プローブ12がトレースした部位の分極された状態に対応した波形を復元する。記録されているデータがデジタルの「0」と「1」のデータであれば、変調される周波数は2種類であり、その周波数を判別することで容易にデータの再生が行われる。
信号検出部434は、復調器430で復調された信号から記録されたデータを再生する。この信号検出器434として例えばロックインアンプを用い、交流信号発生器421の交番電界の周波数に基づいて同期検波を行うことでデータの再生を行う。尚、他の位相検波手段を用いてもよいことは当然である。
トラッキングエラー検出部435は、復調器430で復調された信号から、装置を制御するためのトラッキングエラー信号を検出する。検出したトラッキングエラー信号がトラッキング機構に入力されて制御がなされる。
続いて、図8に示す誘電体材料を用いた記録媒体40の一例について、図9を参照して説明する。ここに、図9は、本実施例において用いられる記録媒体40の一例を概念的に示す平面図及び断面図である。
図9(a)に示すように、記録媒体40は、例えば矩形の形状を有する。このような記録媒体40の記録面の上を、上述のプローブ12が相対的に移動することにより、記録媒体40にデータが記録され、或いは記録媒体40に記録されたデータが再生される。
また、図9(b)に示すように記録媒体40は、基板43の上に電極42が、また、電極42の上に誘電体材料41が積層されて形成されている。
基板43は例えばSi(シリコン)であり、その強固さと化学的安定性、加工性等において好適な材料である。電極42はプローブ12(或いは、リターン電極50)との間で電界を発生させるためのもので、誘電体材料41に抗電界以上の電界を印加することで分極方向を決定する。データに対応して分極方向を定めることにより記録が行われる。
誘電体材料41は、例えば強誘電体であるLiTaO等を電極42の上にスパッタリング等の公知の技術によって形成されている。そして、分極の+面と−面が180度のドメインの関係であるLiTaOのZ面に対して記録が行われる。他の誘電体材料を用いても良いことは当然である。この誘電体材料41は直流のバイアス電圧と同時に加わるデータ用の電圧によって、高速で微小な分極を形成する。
(ii)動作原理
続いて、図10及び図11を参照して、本実施例に係る誘電体記録再生装置400の動作原理について説明する。尚、以下の説明では、図8に示した誘電体記録再生装置400のうち一部の構成要素を抜き出して説明している。
(記録動作)
先ず、図10を参照して、本実施例に係る誘電体記録再生装置400の記録動作について説明する。ここに、図10は、データの記録動作を概念的に示す断面図である。
図10に示すように、プローブ12と電極42との間に誘電体材料41の抗電界以上の電界を印加することで、印加電界の方向に対応した方向を有して誘電体材料は分極する。そして、印加する電圧を制御し、この分極の方向を変えることで所定のデータを記録することができる。これは、誘電体(特に、強誘電体)にその抗電界を超える電界を印加すると分極方向が反転し、且つその分極方向が状態で維持されるという性質を利用したものである。
例えばプローブ12から電極42に向かう電界が印加されたとき、微小領域は下向きの分極Pとなり、電極42からプローブ12に向かう電界が印加されたときは上向きの分極Pとなるとする。これがデータを記録した状態に対応する。プローブ11が矢印で示す方向に操作されると、検出電圧は分極Pに対応して、上下に振れた矩形波として出力される。
(再生動作)
続いて、図11を参照して、本実施例に係る誘電体記録再生装置400の再生動作について説明する。ここに、図11は、データの再生動作を概念的に示す断面図である。
誘電体の非線形誘電率は、誘電体の分極方向に対応して変化する。そして、誘電体の非線形誘電率は、誘電体に電界を印加した時に、誘電体の容量の違いないし容量の変化の違いとして検出することができる。従って、誘電体材料に電界を印加し、そのときの誘電体材料の一定の微小領域における容量Csの違いないし容量Csの変化の違いを検出することにより、誘電体材料の分極の方向として記録されたデータを読み取り、再生することが可能となる。
具体的にはまず、図11に示すように、不図示の交流信号発生器421からの交番電界が電極42及びプローブ12の間に印加される。この交番電界は、誘電体材料41の抗電界を越えない程度の電界強度を有し、例えば100kHz程度の周波数を有する。交番電界は、主として、誘電体材料41の分極方向に対応する容量変化の違いの識別を可能にするために生成される。尚、交番電界に代えて、直流バイアス電圧を印加して、誘電体材料41内に電界を形成してもよい。係る交番電界が印加されると記録媒体40の誘電体材料41内に電界が生ずる。
次に、プローブ12の先端と記録面との距離がナノオーダの極めて小さい距離となるまで、プローブ12を記録面に接近させる。この状態で発振器413を駆動する。尚、プローブ12直下の誘電体材料41の容量Csを高精度に検出するためには、プローブ12を誘電体材料41の表面、即ち、記録面に接触させることが好ましい。但し、プローブ12の先端を記録面に接触させなくとも、例えば実質的には接触と同視できる程度にプローブ12の先端を記録面に接近させても、再生動作(更には、上述の記録動作)を行なうことは可能である。
そして、発振器413は、プローブ12直下の誘電体材料41に係る容量CsとインダクタLとを構成要因として含む共振回路の共振周波数で発振する。この共振周波数は、上述のとおりその中心周波数をおおよそ1GHz程度とする。
ここで、リターン電極50及びプローブ12は、発振器413による発振回路414の一部を構成している。プローブ12から誘電体材料41に印加された1GHz程度の高周波信号は、図11中点線の矢印にて示すように、誘電体材料41内を通過してリターン電極50に戻る。リターン電極50をプローブ12の近傍に設け、発振器413を含む発振回路の帰還経路を短くすることにより、発振回路内にノイズ(例えば、浮遊容量成分)が入り込むのを軽減することができる。
付言すると、誘電体材料41の非線形誘電率に対応する容量Csの変化は微小であり、これを検出するためには、高い検出精度を有する検出方法を採用する必要がある。FM変調を用いた検出方法は、一般に高い検出精度を得ることができるが、誘電体材料41の非線形誘電率に対応する微小な容量変化の検出を可能とするために、さらに検出精度を高める必要がある。そこで、本実施例に係る誘電体記録再生装置400(即ち、SNDM原理を用いた記録再生装置)は、リターン電極50をプローブ12の近傍に配置し、発振回路の帰還経路をできる限り短くしている。これにより、極めて高い検出精度を得ることができ、誘電体の非線形誘電率に対応する微小な容量変化を検出することが可能となる。
発振器413の駆動後、プローブ12を記録媒体40上において記録面と平行な方向に移動させる。プローブ12直下の誘電体材料41のドメインの分極状態は記録された信号に応じて変化しているので、プローブ12直下の誘電率の非線型成分が変化する。誘電率の非線形成分が変化すると、交番電界に対する共振周波数、即ち、発振器413の発振周波数変化の位相が変化する。この結果、発振器413は、分極の状態即ち記録されたデータに基づいてFM変調された信号を出力する。
このFM信号は、復調器430によって周波数−電圧変換される。この結果、容量Csの変化は、電圧の大きさに変換される。容量Csの変化は、誘電体材料41の非線形誘電率に対応し、この非線形誘電率は、誘電体材料41の分極方向に対応し、この分極方向は、誘電体材料41に記録されたデータに対応する。従って、復調器430から得られる信号は、記録媒体40に記録されたデータに対応して電圧が変化する信号となる。更に、復調器430から得られた信号は、信号検出部434に供給され、例えば同期検波されることで、記録媒体420に記録されたデータが抽出される。
このとき、信号検出部434では、交流信号発生器421により生成された交流信号が参照信号として用いられる。これにより、例えば復調器430から得られる信号がノイズを多く含んでおり、又は抽出すべきデータが微弱であっても、後述の如く参照信号と同期をとることで当該データを高精度に抽出することが可能となる。
本実施例に係る誘電体記録再生装置は特に、上述した駆動装置1等を備えているため、上述した駆動装置1等が備える各種利益を享受しつつ、誘電体材料を用いた記録媒体40にデータを記録し、また該記録媒体40に記録されたデータを再生することができる。
尚、誘電体記録再生装置400は、第1実施例に係る駆動装置1に代えて、第2実施例に係る駆動装置2や第3実施例に係る駆動装置3を備えていてもよい。この場合であっても、上述した駆動装置2や駆動装置3等が備える各種利益を享受しつつ、誘電体材料を用いた記録媒体40にデータを記録し、また該記録媒体40に記録されたデータを再生することができる。
(変形例)
続いて、誘電体記録再生装置400に上述した駆動装置1等を用いる際の、誘電体記録再生装置400の特性を考慮した該駆動装置1の変形例について説明を進める。
(1) 第1変形例
初めに、図12を参照して、第1変形例に係る駆動装置4について説明する。ここに、図12は、第1変形例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。
図12に示すように、第1変形例に係る駆動装置4は、第1実施例に係る駆動装置1と同様に、上側部材11と、複数のプローブ12と、第1電極13と、突出部14と、下側部材21と、ステージ22と、第2電極23と、位置センサ24と、アクチュエータ25と、側壁30と、記録媒体40とを備える。第1変形例に係る駆動装置4では特に、第2電極23は、記録媒体40の電極42と電気的に接続されている。加えて、第1電極13には、記録媒体40に記録されたデータを再生する際の電極42の電位とは異なる電位とを有する電圧が、所定の抵抗を介して印加される。ここでは、例えば“+5V”の電圧が、抵抗を介して印加されている。
このような構成を有する第1変形例に係る駆動装置4の動作の態様について説明する。ステージ22が移動することにより、第1電極13と第2電極23とが接触した場合(即ち、突出部14とステージ22の側面とがぶつかった場合)、第1電極13に印加されている電圧に起因して、記録媒体40の電極42の電位が変化する。つまり、各プローブ12から記録媒体40に対して印加されている電圧にオフセットが加わる。その結果、各プローブ12から得られる再生信号の周波数についても一様にオフセットが加わる(即ち、揃ってシフトする)。この、各プローブ12から得られる再生信号の周波数をモニタリングし、一様にオフセットが生じていることを検出することで、駆動装置4(言い換えれば、誘電体記録再生装置400)は、突出部14とステージ22の側面とがぶつかったことを認識することができる。従って、各プローブ12から得られる再生信号の周波数について一様にオフセットが生じた位置を、ステージ22の移動量を検出する際の基準位置として設定することができ、その結果、上述した各種利益を享受することができる。言い換えれば、プローブ12から得られる再生信号の特性の変化に基づいて、ステージ22の移動量を検出する際の基準位置を認識することができ、その結果、上述した各種利益を享受することができる。
加えて、上述した誘電体記録再生装置400が備える構成を用いれば、各プローブ12から得られる再生信号の周波数をモニタリングすることができる。このため、誘電体記録再生装置400は、新たに独立した構成要素を採用することなく、上述した各種利益を享受することができる。更には、ステージ22側においても新たな配線等を行う必要がないという利点を有する。
また、第1電極13には、抵抗を介して電圧を印加しているため、第1電極13と第2電極23との接触により、第1電極13から記録媒体40への電圧印加源(具体的には、交流信号発生器421)へ電流が流れ込んでしまうという不都合を好適に防止することができる。
尚、誘電体記録再生装置400においては、各プローブ12から交番電界を記録媒体40に印加しているため、第1電極13と第2電極23との接触により、各プローブ12から印加される交番電界の電圧にオフセットが加わる。印加される交番電界にオフセットが加われば、発振回路414の発振信号の電圧にも一様にオフセットが加わる。このオフセットの付加は、プローブ12毎になされるため、記録媒体40に記録されたデータの再生に影響を与えることはないことを注記しておく。
また、上述の第1変形例においては、データの再生時の動作について説明を進めたが、データの記録時の動作についても同様に、記録信号の電圧の変化等をモニタリングすることで、上述した各種利益を享受することができる。
また、上述の第1実施例から第3実施例における各種構成を組み合わせてもよいことは言うまでもない。そして、このように組み合わせたとしても、上述した各種利益を享受することができるため、本発明の範囲に当然に含まれることは言うまでもない。
(2) 第2変形例
続いて、図13を参照して、第2変形例に係る駆動装置5について説明する。ここに、図13は、第2変形例に係る駆動装置の基本構成を概略的に示す断面図である。
図13に示すように、第2変形例に係る駆動装置5は、第1変形例に係る駆動装置4と同様に、上側部材11と、複数のプローブ12と、下側部材21と、ステージ22と、第2電極23と、位置センサ24と、アクチュエータ25と、側壁30と、記録媒体40とを備える。第2変形例に係る駆動装置5では特に、複数のプローブ12のうち両端の二つのプローブ12が、上述の第1電極13及び突出部14として作用する。このように構成することで、誘電体記録再生装置400は、新たに独立した構成要素を採用することなく、上述した各種利益を享受することができる。
尚、上述の第1実施例から第3実施例における各種構成を組み合わせてもよいことは言うまでもない。そして、このように組み合わせたとしても、上述した各種利益を享受することができるため、本発明の範囲に当然に含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駆動装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
本発明に係る駆動装置は、例えば、媒体等を一軸方向や二軸方向に駆動しながら、プローブにより該媒体の表面等を走査する駆動装置に利用可能である。


Claims (14)

  1. 微小な記録領域を担持する媒体を搭載するステージ構造体と、
    前記媒体に対して所定の作用を行うための少なくとも一つの微小な作用構造体を前記媒体に対向するように備えると共に、前記媒体に対向し且つ前記ステージ構造体に対して所定の平面上で相対的に移動する対向構造体と
    を備え、
    前記対向構造体は、該対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出するための対向側位置検出部を備え、
    前記ステージ構造体は、前記対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出するためのステージ側位置検出部を備え
    前記対向構造体は、前記作用構造体として、前記媒体に対する情報の記録及び前記媒体に記録された前記情報の再生の少なくとも一方を行うプローブを備え、
    前記プローブは、前記媒体に対して電界を印加することで前記記録及び前記再生の少なくとも一方を行い、
    前記媒体は背面電極を備えており、
    前記対向側位置検出部は位置検出用電極を備えており、
    前記ステージ側位置検出部は、前記背面電極と電気的導通を有する位置検出用電極を備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記ステージ側位置検出部は、前記所定の平面に直交する基準面を含み、
    前記対向側位置検出部は、前記ステージ構造体に対する前記対向構造体の相対的な移動に伴って前記基準面と接触可能であって且つ前記ステージ構造体に対して突き出た突出部を含むことを特徴とする請求1に記載の駆動装置。
  3. 前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と同一の部材で構成され、
    前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と同一の部材で構成されることを特徴とする請求2に記載の駆動装置。
  4. 前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と一体に形成され、
    前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と一体に形成されることを特徴とする請求2に記載の駆動装置。
  5. 前記対向側位置検出部は、前記所定の平面に直交する基準面を含み、
    前記ステージ側位置検出部は、前記ステージ構造体に対する前記対向構造体の相対的な移動に伴って前記基準面と接触可能であって且つ前記対向構造体に対して突き出た突出部を含むことを特徴とする請求1に記載の駆動装置。
  6. 前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と同一の部材で構成され、
    前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と同一の部材で構成されることを特徴とする請求5に記載の駆動装置。
  7. 前記対向側位置検出部の少なくとも一部は、前記対向構造体と一体に形成され、
    前記ステージ側位置検出部の少なくとも一部は、前記ステージ構造体と一体に形成されることを特徴とする請求5に記載の駆動装置。
  8. 前記対向側位置検出部及び前記ステージ側位置検出部の夫々は、位置検出用電極を備え、
    前記対向側位置検出部が備える位置検出用電極と前記ステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間の電気的導通を検出する導通検出手段を更に備えることを特徴とする請求1に記載の駆動装置。
  9. 前記対向側位置検出部及び前記ステージ側位置検出部の夫々は、位置検出用電極を備え、
    前記対向側位置検出部が備える位置検出用電極と前記ステージ側位置検出部が備える位置検出用電極との間の静電容量を検出する静電容量検出手段を更に備えることを特徴とする請求1に記載の駆動装置。
  10. 前記プローブから得られるプローブ信号の変化に基づいて、該対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な基準位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  11. 前記対向構造体は、前記対向位置検出部が備える前記位置検出用電極を前記プローブとして備えることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  12. 前記対向構造体は、前記作用構造体として、前記媒体の表面及び内部の少なくとも一方の特性を測定する少なくとも1つのプローブを備えることを特徴とする請求1項に記載の駆動装置。
  13. 前記対向構造体の前記ステージ構造体に対する相対的な移動量を検出するための移動量検出部を更に備えることを特徴とする請求1に記載の駆動装置。
  14. 前記対向構造体は、前記作用構造体として、前記媒体に対する情報の記録及び前記媒体に記録された前記情報の再生の少なくとも一方を行う、又は前記媒体の表面及び内部の少なくとも一方の特性を測定する複数のプローブを含むプローブアレイを備え、
    前記ステージ側位置検出部及び前記対向側位置検出部の少なくとも一方は、前記プローブアレイが占める領域の外側に配置されることを特徴とする請求1に記載の駆動装置。
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