JP2868047B2 - プローブ装置および集積回路検査装置 - Google Patents

プローブ装置および集積回路検査装置

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JP2868047B2
JP2868047B2 JP4327011A JP32701192A JP2868047B2 JP 2868047 B2 JP2868047 B2 JP 2868047B2 JP 4327011 A JP4327011 A JP 4327011A JP 32701192 A JP32701192 A JP 32701192A JP 2868047 B2 JP2868047 B2 JP 2868047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気回路を動作状態で
検査する技術に係り、特に、LSI等の微細配線を含む
集積回路の動作診断や解析を行うのに好適な新規のプロ
ーブを用いて電圧測定を行い、集積回路の検査に適用す
るための装置構成に関する。半導体集積回路(LSI)
を開発および製造する上で、素子を試験して動作不良が
有る場合にその原因を調べる(つまり故障解析を行う)
ことが不可欠であるが、近年のLSIの高集積化、入出
力(I/O)ピンの多数化により、LSIテスタ等でI
/Oピンの信号を測定するだけでは正確な設計検証や故
障解析を行うことが困難になってきている。このため、
LSI内部の微細配線の電圧測定、動作波形測定等の内
部診断や解析が必要になる。例えば、先端を尖らせたプ
ローブを測定箇所に直接に接触させ、該プローブで検出
した信号を増幅してオシロスコープ等で測定する方法
は、最も簡便で且つ基本的な手法である。しかしなが
ら、プローブの大きさよりもはるかに微細な内部配線や
内部電極の電圧を測定することは極めて困難であり、ま
た測定精度も不十分であり、さらに配線間のショートと
いった2次障害の可能性もあるため、かかる手法には自
ずと限界がある。そこで、新たな測定方法を開発するこ
とが要望されている。
【0002】
【従来の技術】微細化パターンの配線電圧測定に適した
装置として、電子ビームや光ビームを利用する装置が知
られている。電子ビームを利用する装置は、半導体集積
回路内の微細配線(測定点)に電子ビームを照射し、そ
の測定点から放出される2次電子量を検出することで当
該配線電圧を測定するものであり、検出される2次電子
の量は測定点の電圧に相関するという事実を利用してい
る。
【0003】一方、光ビームを利用する装置の一例とし
ては、測定点の近傍に配置した所定の結晶体に光ビーム
を当てながらその結晶体を透過した光ビームまたは結晶
体から反射された光ビームの偏光量を検出することで当
該配線電圧を測定するようにしたものが知られている。
これは、結晶体に外部電界(すなわち配線電圧)を印加
するとその結晶体の屈折率が結晶構造で決まる異方性を
持って変化する現象、つまり電気光学効果(electro-op
tic effect)を利用している。この電気光学効果の原理
については、例えば文献:Valdmanis J.A., Electron.
Lett. 23, 1308-1310, 1987 に示されている。
【0004】また、これに関連して、電圧の短時間(例
えば1ns以下)の変化を測定する場合、電子ビームと
光ビームのいずれを用いる場合にも、連続したビームで
はなくパルス化したビームを用いて電圧測定を行う、い
わゆるサンプリング法が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電子ビームを利用する
装置では、微細な測定点のサイズに合わせて電子ビーム
を細く絞り込む必要があり、その場合にはビーム中の電
子数が減少し、それに応じて2次電子の数も減少するの
で、信号対雑音比(S/N比)が悪化するといった問題
がある。これを回避するためには、パルス化した電子ビ
ームの1測定点に対するショット数を多くすることが考
えられるが、この場合には測定に要する時間が長くなる
といった問題が生じる。また、測定の「時間分解能」を
高くするために電子ビームパルスの時間幅を短くする場
合にも同様の問題が提起される。ちなみに、2次電子の
走行時間効果(2次電子の遅い走行速度に起因して生じ
る測定タイミングのぼけ)も加味すると、現在では5p
s(ピコセカンド)程度が時間分解能の上限であり、こ
れよりも高い時間分解能の実現は、原理上、非常に困難
である。
【0006】一方、光ビームを利用する装置では、例え
ば0.5psを越える極めて高い時間分解能が実現され
ており、また、S/N比に相当する電圧分解能も上記電
子ビームを利用する装置に比べて優れているが、空間分
解能が光の波長で決まるために、超微細化パターンの配
線電圧測定が極めて困難であるといった問題がある。ち
なみに、現在では1μm(マイクロメートル)程度まで
の微細化パターンに対して電圧測定が可能であるが、そ
れ以下の微細化パターンに対しては電圧測定は非常に困
難である。
【0007】このように、電子ビームを利用する装置は
「空間分解能」が良いものの「測定時間」や「時間分解
能」の点で不十分であり、また光ビームを利用する装置
は逆に「測定時間」や「時間分解能」の点で優れている
ものの「空間分解能」の点で不十分であり、両者は互い
に相反する利点および欠点を備えるものであった。ま
た、特に電気光学効果を利用した光ビームによる電圧測
定装置では、光ビームの波長に比べて微細なサブミクロ
ンオーダーの配線をプロービングする場合、配線への電
気的な接触が不十分となる可能性があるといった問題が
あった。
【0008】本発明の主な目的は、かかる従来技術にお
ける課題に鑑み、空間分解能と時間分解能を共に高めた
電圧測定を実現することができるプローブ装置を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、微細配線への電気
的な負荷を増大させることなく該微細配線の電圧を安定
にプロービング可能とし、ひいては電圧測定の精度向上
に寄与することができるLSI検査装置を提供すること
にある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、LSI等の微
細配線を含む集積回路の動作診断や解析を行うのに好適
な装置の各種改良例を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の基本的な形態によれば、少なくとも先端部
を導電性材料で形成した微細な探針と、該探針を一端側
に取り付けると共に、試料との間でXYZの各方向に相
対的に移動可能な移動体に他端側を固定したカンチレバ
ーと、前記移動体を前記試料に対して相対的に移動させ
る手段と、電気光学効果を誘起する所定の結晶体と、該
結晶体と前記探針の先端部との間を低電気抵抗で接続す
る接続手段と、前記探針の前記試料に対する相対的な近
接により前記カンチレバーに生じる変位を検出する変位
検出手段と、該検出された変位に基づき決定された前記
試料上の測定点に前記探針を接触させた時に前記結晶体
に誘起される電気光学効果を利用して該測定点の電圧を
測定する電圧測定手段と、を具備することを特徴とする
プローブ装置が提供される。
【0011】また、本発明の他の形態によれば、上述し
たプローブ装置と、集積回路内部の被測定配線近傍を観
測するためのモニタ手段と、前記プローブ装置およびモ
ニタ手段を搭載すると共に、前記被測定配線との間で相
対的に移動可能に設けられたステージ手段とを具備し、
該ステージ手段は、前記モニタ手段による観測と前記プ
ローブ装置によるプロービングを可能にする開口部を有
すると共に、該モニタ手段を搭載するモニタ手段用ステ
ージと該プローブ装置を搭載するプローブ装置用ステー
ジの少なくとも一方を有することを特徴とする集積回路
検査装置が提供される。
【0012】
【作用】本発明の基本的な形態においては、微細な探針
を例えば集積回路内部の微細配線に近づけると、該探針
と微細配線の間に原子同士の原子間力が作用し、その力
の大きさに応じた量の変位(撓み)がカンチレバーに生
じる。従って、この撓み量を測定することにより、微細
配線の形状や位置を精密に且つ正確に検出することがで
きる。さらに、検出された微細配線に探針を接触させ、
この探針に生じた電圧(微細配線の電圧)を、接続手段
を通して所定の結晶体に印加することにより、当該結晶
体に電気光学効果を誘起することができる。以上によ
り、「空間分解能」と「時間分解能」が高い測定が可能
となる。
【0013】なお、本発明の他の構成上の特徴および作
用の詳細については、添付図面を参照しつつ以下に記述
される実施例を用いて説明する。
【0014】
【実施例】図1に本発明のプローブ装置の一実施例の構
成が示される。図中、1は電気光学効果を誘起する所定
の結晶体としての結晶、例えばBSO(Bi12Si
20)結晶、2は透明のプローブ基板を示す。BSO結
晶1は、上面側にITO(In2 3-SnO2 )電極等
の透明電極(第1の電極3)を接着すると共に、下面側
には光を反射させるための金属電極(第2の電極4)を
接着しており、該第2の電極はプローブ基板2の片面に
接着されている。
【0015】プローブ基板2の一方の端面2aには片持
ち梁(カンチレバー:cantilever)5の基端5aが固定
されており、カンチレバー5の自由端5bには微小な探
針6が取り付けられている。このカンチレバー5は、極
めて柔軟で且つ軽質量の材料(例えばバネ定数が1〜1
0N/m程度で、質量が10-7〜10-11 N程度のシリ
コン窒化物)から成り、しかも一方面が鏡面仕上げされ
ている。なお、探針6の高さは約3μm、カンチレバー
5の長さは約0.2mm、プローブ基板2の大きさは約
1mm×2mmである。
【0016】ここで、カンチレバー5および探針6は、
公知の走査型プローブ顕微鏡、例えば原子間力顕微鏡
(AFM:Atomic Force Microscope )に含まれる構成
部品と同等のもので構成されるが、係るAFMとの相違
点は、探針6の少なくとも先端部が例えば金属膜によ
って覆われ、導電性を有している点、カンチレバー5
の一方の面が、レーザ光の反射を良好にするために例え
ば金(Au)等の金属薄膜によって覆われ、これも導電
性を有している点、探針6の先端部とカンチレバー5
の間が電気的に接続されている点、の3点である。上記
AFMについては、例えば、文献:G. Binnig, C. F. Q
uate, C. Gerber: Phys. Rev. Lett. 56,930, 1986 を
参照することができる。
【0017】カンチレバー5の基端5aと第2の電極4
の間は配線7によって接続されており、該電極4は配線
7およびカンチレバー5と共に、BSO結晶1と探針6
の先端部との間を低電気抵抗で接続する接続手段を構成
する。このような構成において、カンチレバー5の先端
に取り付けた探針6を、例えば微細配線(金属材料から
なる)9に接近させると、この微細配線9を構成する原
子と探針6を構成する原子との間にいわゆる原子間力が
作用し、この作用力の大きさに応じた撓み量でカンチレ
バー5が変形する。例えば、探針6を微細配線9の表面
に対してnm(ナノメートル)オーダーまで接近させる
と、探針6には反発力が作用するため、カンチレバー5
は微細配線9から離れる方向に僅かに撓む。
【0018】カンチレバー5の撓み量は、カンチレバー
5の一方の面(探針と反対側の面)にレーザ光P1 を照
射し、その反射レーザ光P2 の反射角度(法線方向に対
してθ/2)を測定することによって検出できる。従っ
て、探針6と微細配線9の間の平面的な相対位置関係を
様々に変化(つまり走査)させながら、探針6の水平位
置に対する上記反射角度の変化をプロットすることによ
り、微細配線9の高さ(H)、幅(W)および長さ
(L)を測定でき、それぞれZ方向、X方向およびY方
向の3次元的な空間形状を観測することができる。ま
た、反射角度(θ/2)が一定になるように、微細配線
(試料)9に対する移動体(この場合にはプローブ基板
2)の相対的高さを調節しながら、探針6を微細配線9
に対して走査し、探針6の水平位置に対して移動体2の
高さをプロットすることによっても、試料表面の3次元
的な形状を観測できる。
【0019】しかも、その「空間分解能」は、原子の大
きさに対応した極めて微小なオーダーで与えることも可
能であり、従来の光ビームを利用する装置に比べて、は
るかに高い空間分解能を得ることができる。なお、通常
のAFMでは原理的に原子オーダーの空間分解能を得る
ことも可能であるが、最近の配線パターンがサブミクロ
ンオーダーの配線幅になってきていることを考慮する
と、本実施例のように数十nm程度の分解能でも充分な
測定精度を達成することができる。
【0020】一方、微細配線9の位置を検出した後に、
当該微細配線9の電圧を測定する場合は、まず、その微
細配線9の測定点の真上に探針6を位置合わせし、次い
で、BSO結晶1と共にプローブ基板2を下方移動させ
て行き(あるいは逆に、試料9側を上方移動させて行
き)、探針6と微細配線9を接触させる。微細配線9の
測定点の電圧は、探針6、カンチレバー5および配線7
を通して第2の電極4に与えられ、BSO結晶1の一方
面に印加される。BSO結晶1の他方面には、第1の電
極3の電位(例えばグランド電位、または所定のバイア
ス電位でもよい)が印加されており、これによって、B
SO結晶1は、両面の電位差に対応した大きさの電界の
影響を受けてその屈折率を変化させる(電気光学効
果)。従って、BSO結晶1に所定の偏光を与えたレー
ザ光P3 を照射し、その反射レーザ光P4 の偏光変化を
測定することにより、微細配線9の測定点における電圧
の大きさを検出することができる。例えば、図示するよ
うに短径DS3と長径DL3が等しい円偏光のレーザ光P3
を照射すると、測定電圧の大きさに応じて楕円に変化し
たレーザ光P4 が観測されるから、その楕円の短径DS4
と長径DL4の関係から測定電圧の大きさを知ることがで
きる。
【0021】図2には図1の装置を含む全体システム構
成が示される。同図において、基台10に固定された支
持台11の上部に図1の装置、すなわちBSO結晶1、
プローブ基板2、カンチレバー5および探針6からなる
プローブが取り付けられている。探針6の下方には、微
細配線を含む任意の試料(例えば半導体集積回路チッ
プ)12が配置され、この試料12を例えばピエゾ・ア
クチュエータを用いたXYZステージ13によって3次
元方向に微動可能に保持すると共に、さらにステージ1
3をXYZステージ14によって粗動可能に保持する。
この粗動用ステージ14は基台10に固定されている。
試料12は、原子間力によるカンチレバー5の撓み変形
方向(Z方向)を含むX,Y,Zの各方向に粗移動と微
移動が可能になっており、これらの移動は上記プローブ
との間の相対的な移動である。従って、プローブの構成
要素の一つであり、且つ、カンチレバー5の基端5aを
固定するプローブ基板2は、発明の要旨に記載の「移動
体」としての機能を有している。なお、移動の仕方はこ
の例に限らず、例えば試料12を固定して基板2側を移
動させてもよいし、あるいは両者共に相対的に移動可能
にしてもよい。
【0022】第1のレーザ光源15で発生したレーザ光
1 はカンチレバー5の一方面に照射され、該カンチレ
バーから反射されたレーザ光P2 は、その反射角度が位
置検出受光器(例えばPSD:Position Sensitive Det
ector )16によって測定された後、その測定結果に基
づいて配線検知/接触制御部17で試料12の表面の3
次元情報(ライン・プロファイル)が再現される。な
お、配線検知/接触制御部17は、LSI検査装置全体
を制御するシステム制御部18の制御を受けて作動す
る。
【0023】第2のレーザ光源19で発生したレーザ光
3 は、偏光子20と1/4波長板21を通して所定の
偏光が与えられ(図3(a)参照)、ビームスプリッタ
22を介してBSO結晶1に照射される(図3(b)参
照)。BSO結晶1から反射されたレーザ光P4 (図3
(c)参照)は、ビームスプリッタ22を通り、更に偏
光ビームスプリッタ23を通して2方向に分岐され、そ
れぞれ受光器24a,24bに導かれる。各受光器24
a,24bの出力は差動アンプ25を通して電圧測定制
御部26に入力される。電圧測定制御部26は、配線検
知/接触制御部17で検出された測定配線の位置に関す
る情報を、システム制御部18を介して受け取る。上記
偏光ビームスプリッタ23は偏光子20と協働してニコ
ルのプリズム(Nicol prism) を構成しており、所定の偏
向光を選択的に通す働きをする。図2の構成において
は、偏光ビームスプリッタ23で分岐されたレーザ光
は、一方が平行型ニコル、他方が透過型ニコルを透過し
た光に相当する。これらの関係は図3(d),(e)に
示される。なお、図4(a)〜(e)には、図3(a)
〜(e)に対応した他の偏光状態の例が示される。
【0024】受光器24a,24bで検出される光の量
は、BSO結晶1の電界の大きさ、すなわち、試料12
上の任意の測定点における電圧の大きさに応答し、平行
型ニコルの場合には減少、交差型ニコルの場合には増大
するから、各受光器24a,24bの出力あるいは該受
光器の出力と測定点の位置情報とを関連付けて電圧測定
制御部26から取り出すことにより、「時間分解能」を
高めた電圧測定結果を得ることができる。なお、電気光
学結晶1の材質や該結晶への電圧印加の形態、電圧測定
用のレーザ光P3,P4 の光路や偏光状態、偏光状態解析
のための光学素子/検出器の数や配置等に関しては、こ
の例に限定されないことはもちろんである。
【0025】なお、図2において、27は試料としての
LSIチップ12を作動させるための駆動信号を供給す
る試料駆動回路、28は電圧測定制御部26からの電圧
測定結果と試料駆動回路27から出力されるトリガ信号
に応答してレーザ光源19に対し光サンプリングのため
のタイミング信号を供給するタイミング回路、29はプ
ローブの透明電極3に所定の電気信号(0V、DCバイ
アス電圧、またはパルス信号)を印加するための可変電
源を示す。
【0026】図5に本発明のプローブ装置の他の実施例
の構成が示される。本実施例では、電圧測定手段(レー
ザ光P3,P4 を含む光サンプリング系)を図1の「反射
型」に代えて「透過型」とした点を特徴としており、こ
のために、金属電極4に代えて光透過性のある透明電極
4aを設けており、プローブ基板2も透明にしている。
他の構成とその作用については、図1の実施例と同様で
あるので、その説明は省略する。
【0027】次に、図2の装置を用いた電圧測定方法に
ついて図6のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップ30で試料12を微動用ステージ13に
装着し、次いで、ステップ31で粗動用ステージ14を
XYの水平方向に動かして試料12の位置を移動する。
この時の移動制御は、後述するように例えば光学顕微鏡
を用いて、測定対象部位(例えば微細配線)が存在する
であろう大まかな目標領域の上空にプローブの探針6が
位置するように行われる。
【0028】探針6が領域上空に到達すると、ステップ
32で試料12表面の凹凸像すなわちライン・プロファ
イルを観測する。この観測は、探針6を試料12の表面
ぎりぎりまで降下させ(実際には微動用ステージ13に
よって試料12をZ方向に上昇させ)、さらにステージ
13によって試料12を探針6に対してXYの水平方向
に走査しながら行われる。これによって、カンチレバー
5に生じた撓みの量から、あるいは、撓み量を一定にす
るプローブ基板2と試料12の間隔から、探針6と試料
12間に作用する原子間力の大きさを測定する。
【0029】次のステップ33では、観測視野内に測定
対象としての配線が見つかった(YES)か否(NO)
かの判定が行われる。もし判定結果がNOの場合にはス
テップ34に進み、ステージ13によって試料12を微
移動した後、ステップ32に戻る。ステップ33で測定
対象の配線が見つかった場合(YES)にはステップ3
5に進み、探針6と試料12の測定対象部位の位置が一
致するようにステージ13によって微移動させる。次の
ステップ36では、試料12を上昇させて測定対象部位
と探針6を接触させる。次に、ステップ37では、プロ
ーブのBSO結晶1から反射されたレーザ光P4 をビー
ムスプリッタ22,23を通して受光器24a,24b
に導き、その出力に基づいてBSO結晶1の屈折率変
化、すなわち測定対象部位の電圧を測定する。次いで、
ステップ38で測定対象が他に無い(YES)か否(N
O)かの判定を行い、判定結果がYES、すなわち測定
対象が他に無い場合にはこのフローは「エンド」とな
り、NOの場合、すなわち測定対象が他に有る場合には
ステップ31に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0030】以上説明したように本実施例のプローブ装
置によれば、探針6を測定対象の微細配線に近づける
と、探針6と微細配線の間に原子間力が作用し、その力
の大きさに応じた量の撓みがカンチレバー5に生じるの
で、この撓み量を測定することにより微細配線の位置を
精密且つ正確に検出でき、また探針6の微細な先端を検
出された微細配線に接触させて電圧測定を行うので、電
圧測定の「空間分解能」を高めることができる。また、
検出された微細配線に探針6を接触させ、この探針6に
生じた電圧を、接続手段(カンチレバー5、配線7およ
び電極4)を通して電気光学結晶1に印加することによ
り、当該結晶1に電気光学効果を誘起することができ、
電圧測定の「時間分解能」を高めることができる。
【0031】なお、微小探針6と微細配線の間に作用す
る力は、上記の原子間力に限定されない。例えば、静電
力や磁気力、あるいはファンデルワールス(van der Waa
ls)力であってもよい。図7〜図11は図1のプローブ
装置の変形例を示す。図7に示す変形例において、40
はカンチレバー5の一方面(変位計測用レーザ光の反射
面)側に所定の間隔をおいて配設された透明板を示し、
該透明板40はカンチレバー5の撓み量を所定量以下に
規制する規制手段として機能する。例えば、図7(a)
に示すようにカンチレバー5と透明板40が接触しない
配線探索時には、カンチレバー5の撓み変形をスムーズ
に許容し、また、図7(b)に示すようにカンチレバー
5と透明板40が接触する配線電圧測定時には、カンチ
レバー5の撓み変形を禁止する。
【0032】この構成によれば、配線電圧測定時におけ
る撓み変形を所定量以下に規制できるので、カンチレバ
ー5のバネ定数を極力小さくした場合の不都合、つま
り、探針6と測定配線の間の押圧力不足に伴う接触抵抗
の増大を防ぐことができ、特に微小電圧の測定精度を向
上できるという利点が得られる。なお、図7の構成では
透明板をプローブと別個に設けた場合について説明した
が、透明板の配設形態はこれに限定されない。例えば、
図8に示す変形例のように、透明板50をプローブ基板
2と一体的に形成してもよい。この場合、配線電圧測定
時には図8(b)に示すように、カンチレバー5と透明
板50とが接触するので、図7の場合と同様に、カンチ
レバー5のそれ以上の撓み変形を規制できる。図9はそ
の具体的な構成を示し、この例ではプローブ基板2の一
部を延長して透明板50を形成している。なお、別個に
製作した透明板をプローブ基板2に取り付けるようにし
ても構わない。
【0033】また、規制手段(透明板40,50)は、
カンチレバー5の撓み方向に沿って微小移動可能にプロ
ーブ基板2に弾性支持されたものであってもよい。図1
0に示す変形例において、60はカンチレバー5の一方
面(変位計測用レーザ光の反射面)側に所定の間隔をも
って設けられた別のカンチレバー(以下、このカンチレ
バーを副カンチレバーといい、この場合にカンチレバー
5の方を主カンチレバーという)を示す。副カンチレバ
ー60は、カンチレバー全体のバネ定数を変更する手段
として機能し、所定のバネ定数で且つ透明な材料で形成
されている。主カンチレバー5に所定量以上の撓み変形
が発生した場合に、両方のカンチレバー5,60が互い
に接触する(図7(b)参照)。
【0034】この構成によれば、配線電圧測定時におけ
る主カンチレバー5の撓み変形を主カンチレバー5およ
び副カンチレバー60の合計のバネ定数で弾性的に規制
することができる。また、副カンチレバー60のバネ定
数を調節することにより、規制のための弾性力を自在に
変更できる。従って、配線電圧測定時における探針6と
測定配線間の過大な接触力を回避でき、例えば測定配線
の損傷を防止できると共に、主カンチレバー5の損傷な
どプローブの障害を防止できる。図11はその具体的な
構成を示し、この例ではプローブ基板2の側面に主カン
チレバー5と副カンチレバー60を取り付けるようにし
ている。
【0035】なお、図10の例示では副カンチレバー6
0は1枚のみの構成としたが、測定条件に応じて適宜複
数枚設けてもよい。図12に本発明のLSI検査装置の
一実施例の構成が示される。
【0036】同図において、100はLSIの配線をプ
ロービングするための走査型プローブ(例えば図1にお
いて電圧測定用およびカンチレバー変位測定用の光学系
を除いた部分に相当する)、102は電圧測定用の光サ
ンプリング手段、104はプローブヘッド(走査型プロ
ーブ100と光サンプリング手段102)を搭載すると
共に、XYの水平方向に微動可能に配置されたプローブ
ヘッド用ステージ、106は試料(LSI)の表面を観
測するための光学顕微鏡、108は光学顕微鏡106で
観測された像を画像信号に変換するためのCCDカメ
ラ、110は光学顕微鏡106を搭載すると共に、X方
向に微動可能に配置された光学顕微鏡用ステージ、11
2はプローブヘッド用ステージ104と光学顕微鏡用ス
テージ110を搭載すると共に、XYの水平方向に粗動
可能に配置された第1のステージ、114は第1のステ
ージ112を搭載する除振台、そして、116は第1の
ステージ112と除振台114を貫通して設けられたL
SI観察用およびプロービング用の開口部を示す。
【0037】この構成において、開口部116を通して
光学顕微鏡106で測定対象の配線を観察し、走査型プ
ローブ100を被測定配線に近接させ、ライン・プロフ
ァイルを取得して該プローブ100を測定対象の配線に
位置決めする。配線電圧はプローブ100により電気光
学(EO)結晶に導かれ、電気光学効果を誘起する。こ
の場合、走査型プローブを200〜300μm以下の長
さにすることにより、微細配線に電気的な負荷を与えず
に電圧測定を行うことができる。
【0038】図13には配線へのプロービングの様子が
示される。図13(a)はLSIチップ120の周辺部
の配線パターンを示す。この例では、測定配線122が
隣合うボンディング・ワイヤ124の間に位置してい
る。従って、図13(b)に示すようにプローブ100
の接近方向によっては、該プローブとボンディング・ワ
イヤ124が互いに干渉し、不都合である。このような
測定パターンの場合には、図13(c)に示すように接
近方向を変えて、つまり干渉が生じないようにプロービ
ングを行う必要がある。
【0039】図14にこの様なプロービングが可能な構
成例を示す。この例では、除振台114に対してXYの
水平方向に移動可能な第1のステージ112の上に、Z
方向軸を中心とする回転が可能な第2のステージ(回転
ステージ)118を搭載し、この回転ステージ118の
上にプローブヘッド用ステージ104と光学顕微鏡用ス
テージ110を搭載している。これによって、上述した
ようにボンディング・ワイヤにより走査型プローブの配
置が制限されるLSIチップ周辺部の配線へのプロービ
ングが可能になる。
【0040】図15に上記プロービングが可能な他の構
成例を示す。この例では、除振台114aに、Z方向軸
を中心とする回転が可能な回転ステージ118aを搭載
すると共に、XYZの3軸方向に微動可能であって且つ
LSIチップ120を搭載するステージ130を搭載し
ている。これによって、上述したようにボンディング・
ワイヤにより走査型プローブの配置が制限されるLSI
チップ周辺部の配線へのプロービングが可能になると共
に、図14に示すような第1のステージ112が無い分
だけステージ全体を小型化できるという利点がある。
【0041】図16は、架台140を含めたLSI検査
装置200の全体構成を示したものである。検査装置2
00は振動を嫌うため、エアダンパ142等の振動遮断
手段を介して架台140に搭載することが必要である。
また、LSIチップの駆動はLSIテスタで行われるた
め、該LSIテスタのテストヘッド150を除振台11
4の下に配置できる構造にすることが必要である。
【0042】この際、テストヘッド150と検査装置2
00の結合は、ステージ112,118の傾斜の防止と
テストヘッド150の振動の除去のための対策がなされ
る必要がある。図17は、回転ステージ118の回転に
よる除振台114の傾きの様子を概略的に示したもので
ある。回転ステージ118の回転により装置全体の重心
位置が移動し、エアダンパ142による高さ補正作用が
追従しきれない場合、ステージ118の傾斜が発生す
る。この場合、光学顕微鏡106の光軸を回転の中心軸
に一致させて配置したとしても、視野の「逃げ」が発生
する。これを防止するためには、回転ステージ118上
の検査装置の重心位置を可能な限り回転軸に近づけるよ
うに配置することが必要である。例えば、回転ステージ
118の外側にカウンタバランス(図示せず)を配置す
れば、ステージ重量の抑制と共に、バランスの補正を行
うことが可能となる。
【0043】また、LSIチップ表面や内部の絶縁膜を
除去して被測定配線を露出させるためのレーザ加工装置
(図示せず)を有する検査装置では、レーザ加工装置の
重心位置がステージの回転軸に対してサンプリング光学
系の重心位置とほぼ対称の位置関係となり、且つ、レー
ザ加工装置とサンプリング光学系の重量がほぼ等しくな
るように、レーザ加工装置とサンプリング光学系を配置
することが効果的である。
【0044】テストヘッドと除振台の相対振動の主な原
因は、テストヘッド内部の冷却ファンの回転による。こ
の相対振動は数10μmの振幅を有し、また、床振動に
よりテストヘッドと架台を含む検査装置とが独立に振動
するため、堅固な床に固定した場合でも1μm以上の振
幅の振動を避けるのは容易ではない。LSIは一般にテ
ストヘッド上のDUT(Device Under Test)ボード(例
えば図18のDUTボード152)の中央に配置され、
テストヘッドと除振台が近接して配置されるため、も
し、テストヘッドの剛性が十分に高い場合は、テストヘ
ッドを何らかのクランプ手段で把握することにより、テ
ストヘッドと検査装置の相対振動を抑制することができ
る。
【0045】例えば図18に示すように、テストヘッド
150にガイドピン154を設け、当該ガイドピンを除
振台114に設けた対応するガイド孔156に嵌合させ
ることにより、テストヘッド150と除振台114の相
対位置を確定することができる。さらに、図19に示す
ように、アクチュエータ158によって駆動されるクラ
ンプ160によりテストヘッド150を把握して機械的
に一体の構造にすることにより、相対振動を除去するこ
とができる。
【0046】また、DUTボード152の固有振動が問
題になる場合には、図20(a),(b)に示すよう
に、アクチュエータ162によって駆動されるクランプ
164によりLSIパッケージ120を直接把握して、
該LSIパッケージ120が機械的に除振台114に設
置されるように構成することにより、上記相対振動をほ
ぼ完全に除去することができる。この例では、LSIパ
ッケージの側面を挟み込むように把握しているが、LS
Iパッケージの固定は、パッケージのフラットな面を除
振台に真空吸着することによっても可能である。
【0047】また、LSIに供給する信号の帯域の劣化
が許容される場合には、例えば図21に示すように、L
SIチップ120とそれを搭載するソケット166を例
えばねじ168等を用いて除振台114に固定し、DU
Tボード152との間でフレキシブルな配線170で結
合することにより、振動の影響を受けるのを防止するこ
とができる。
【0048】LSI検査装置を構成する場合、LSIを
観測しながら視野の粗移動を行うための光学顕微鏡とプ
ローブヘッド(走査型プローブと光サンプリング手段)
を互いに干渉しないように配置することが必要である。
また、走査型プローブの走査速度を確保するために、走
査型プローブ部分の重量の低減には特別な配慮が必要で
ある。
【0049】先ず干渉の防止に関しては、光学顕微鏡か
プローブヘッドのいずれかを選択的に使用する方式と、
本質的に干渉の無い構造とする方式が考えられる。図2
2に示す構成例では、光学顕微鏡106に取り付けた回
転ホルダ180を用いて光学顕微鏡の対物レンズ107
を退避可能にし、且つ、プローブヘッド用ステージ10
4の移動によりプローブヘッドを退避するようにしてい
る。光学顕微鏡106の焦点が短い場合には、光学顕微
鏡106を試料(LSIチップ120)に近接すること
が必要となるため、同図(a)に示すように、電圧測定
用レーザ光P3,P4 と変位測定用レーザ光P1,P2 が光
学顕微鏡106と干渉する。従って、光学顕微鏡106
によるLSI観測時以外、つまり電圧測定時に、同図
(b)に示すように、対物レンズ107をプローブヘッ
ドと干渉しない位置に退避させることにより、光学顕微
鏡とプローブヘッドの干渉を防止することができる。
【0050】また、図23に示すように、電圧測定時に
光学顕微鏡106をZ軸上方に機械的に移動可能に構成
することにより、同様に干渉を避けることができる。ま
た、図12に示したように、光学顕微鏡106とプロー
ブヘッド100,102を共に移動させることにより、
干渉を避けることも可能である。また、作動距離が長く
且つ高分解能の光学顕微鏡を使用することが可能な場合
は、走査型プローブ近傍のEOサンプリング光学系(電
圧測定系)を焦点距離に比較して薄くすることにより、
光学顕微鏡によるLSIの観察を行いながら、走査型プ
ローブの位置決めを行ういわゆる「その場観察」が可能
となる。
【0051】図24は、図12の装置におけるプローブ
走査系の構成(a)を通常のAFM走査系の構成(b)
と対比させて概略的に示したものである。同図におい
て、100は走査型プローブ、101はAFMのカンチ
レバー、120,120aは試料、184は除振台、1
86,186aは基台、188はXY方向に移動可能な
ステージ、190,190aはZ方向に移動可能なステ
ージ、192は変位測定用のレーザ光学系、194,1
94aは基台、196,196aは位置検出受光器(P
SD)を示す。(a)と(b)の違いは、試料120を
固定しておいてプローブ走査系の方を移動させるか、あ
るいは、AFM走査系の方を固定しておいて試料120
aの方を移動させるかの違いに起因するものである。通
常のAFM走査系では、観察試料120aが極めて小さ
いため、試料側を走査することが可能である。そのた
め、AFMのカンチレバー、レーザ光学系、PSD等か
ら構成されるAFM部分は高剛性のステージに固定して
おくことが可能である。一方、本実施例のような装置で
は、LSI(試料)120が除振台184に対して機械
的に設置された構成をとるため、プローブ走査系全体を
移動させることが必要となる。そのため、プローブ走査
系の部分の剛性の確保、走査速度確保のための軽量化に
配慮することが必要である。
【0052】図25にはプローブ走査系の部分の重量を
軽減するための幾つかの手段が示される。図中、ハッチ
ングで示される部分は走査が必要な部分である。EOサ
ンプリング結晶が走査型プローブ100と一体化あるい
は近接して配置されているため、走査型プローブ100
とサンプリング光学系102の相対位置関係は、ほぼ一
定に保たれる必要がある。この場合、EO結晶上のレー
ザ照射点変化による電圧測定特性のばらつきを抑えるた
め、位置誤差は10μm以下に保たれる必要がある。
【0053】図25(a)は、走査型プローブ100と
サンプリング光学系102をプローブヘッド用ステージ
104に搭載して、該ステージ全体をAFM走査する場
合の構成を示している。ステージ重量が重くなり走査速
度が低下するという問題点、ステージを数センチ単位で
移動させるための粗動機構と、AFM走査(数μmの範
囲を数10nmの分解能で走査)のための微動機構が必
要となり、非現実的である。
【0054】より現実的な配置としては、図25(b)
に示すように、プローブ用のAFMステージ104aと
サンプリング光学系用のステージ104bを別構成に
し、それぞれステージ112上に搭載し、互いに同期さ
せて移動する方法がある。10μm程度の誤差によるス
テージの同期移動は容易である。また、AFMステージ
104aが軽量化されるので、走査速度の向上が可能と
なる。
【0055】図25(c)は、プローブヘッド用ステー
ジ104にAFMステージ104aを搭載した構成を示
している。走査型プローブ100の走査範囲は数μmか
ら数十μmであるので、プローブヘッド用ステージ10
4の移動精度は2μm程度で十分である。例えば、図2
6,図27に示すAFMステージ210を図28に示す
ようにプローブヘッド用ステージ220で抱え込む構成
が考えられる。この場合、プローブヘッド用ステージ2
20が粗動調整を行い、図には示していないがAFMス
テージ210が例えばピエゾ・アクチュエータによる微
動調整を行うような構成が適当である。
【0056】なお、図26において、212はカンチレ
バー変位測定用のレーザ光源、214はレーザ光源21
2からのレーザ光を走査型プローブ100aのカンチレ
バーに指向させるためのミラー、216はカンチレバー
から反射されたレーザ光を受光系(レンズ217および
PSD218)に指向させるためのミラーを示す。ま
た、図27は図26のAFMステージ210の先端部に
設けられた走査型プローブ100aの構造を示すもの
で、該プローブは基本的には図1のプローブ装置と同等
の構成を有している。また、図29は図28のA−A’
線に沿った断面構造を概略的に示している。
【0057】AFMステージの部分の小型化、軽量化の
ためには、AFM光学系における変位検知手段の小型化
が有効である。例えば、図30に示すように走査型プロ
ーブ100bの探針6のZ方向の変位を走査型トンネル
顕微鏡(STM)探針230で測定する手段を設けた
り、図26,図29および図31に示すように、カンチ
レバー変位測定用レーザ光の光路を折り曲げることによ
り、AFMステージの高さや寸法を抑えることができ、
小型化に有効となる。なお、図30において、232は
STM探針230に対してZ方向の微小走査を可能にす
るためのピエゾ薄膜、234は絶縁膜、236はバイア
ス電極を示す。また、図31において、210a,21
0bはAFMステージ、212a,212bはレーザ光
源、213a,213b,217a,217bはレン
ズ、214a,214b,216a,216bはミラ
ー、218a,218bはPSDを示す。
【0058】なお、走査型プローブの特に配線に接触す
る部分の径は例えば0.1μmであり、機械的に非常に
弱いため、容易に取替え出来る構造であることが望まし
い。図32および図33にプローブの着脱機構の構成例
が示される。図32に例示する構成では、EO結晶24
2,246の上にそれぞれ透明電極244,248を接
着したものを重ね合わせ、透明電極244はスイッチ2
50を介して保持電圧V1 の電源252に切り換え接続
され、透明電極248はバイアス電圧V2 の電源254
に接続されている。この構成において、スイッチ250
をグランド(0V)側に切り換えた時、EO結晶246
の両端にバイアス電圧V2 が印加されるので、同図
(a)に示すようにプローブ100cはEO結晶242
から離脱された状態(リリース状態)となる。一方、ス
イッチ250を電源252側に切り換えた時、EO結晶
242の透明電極244には保持電圧V1 が印加される
ので、同図(b)に示すようにプローブ100cはEO
結晶242に静電吸着される(保持状態)。なお、この
構成においてプローブ100cの上面がサンプリング光
の反射面となる。保持電圧V1 の影響は、光路の往復で
キャンセルされるため、測定結果には影響しない。
【0059】図33に例示する構成では、ダイヤフラム
260でEO結晶262を保持し、ダイヤフラム260
に設けた圧電薄膜266で伸縮する上部リード部268
および下部リード部270により、走査型プローブ10
0cを保持する基体272を保持するようにしている。
なお、262はサンプリング用レーザ光を透過するため
の透明電極である。この構成によれば、EO結晶262
とプローブ100cの保持機構(基体272)が完全に
分離されるため、結晶が保護されるという利点がある。
【0060】図32,図33のプローブ着脱機構を含む
EO結晶は、例えば図27に示したようなレバーに搭載
して基台に取り付けることが可能である。レバーは、数
mmのオーダーの大きさを持つため、放電加工で作成す
る。レバーと基台は金ペーストといった接着剤で保持す
ればよい。また、EO結晶とレバーは、透明な接着剤で
接続すればよい。EO結晶のEO光学系に対する面の補
正は、レバー部分の圧電薄膜による撓みを利用して行
う。また、走査型プローブの走査は、基台をピエゾ素子
などに取り付けて3軸走査を行えばよい。
【0061】図34にスペアプローブの保持機構が概略
的に示される。この構成では、各スペアプローブ280
に対して1個ずつのプローブ静電吸着用電極282を備
えている。プローブの着脱は、レバー先端に現在取り付
けられている電極をリリースし、例えば真空ピンセット
等で取外し、次にプローブ保持用の電圧をかけたままで
スペアプローブの位置に移動し、スペアプローブをリリ
ースすることにより、スペアプローブがEO結晶に静電
吸着される。
【0062】以上説明したように交換によってプローブ
の破壊に対処する方式の他に、例えば、プローブ点の材
料に応じて積極的にプローブの接触圧力を制御し、プロ
ーブ圧力を測定に必要な最低値に設定することでプロー
ブの破壊を遅らせることも可能である。例えば、図35
に示すように、レイアウト情報(マスク図)といったL
SIの設計データベース302と、マスク図の座標系
(CAD座標)とCAD座標で指定された配線パターン
を顕微鏡像に表示するためのステージ座標を算定するた
めのアライメント情報を格納するメモリ手段304と、
測定箇所を外部から指定するための手段(例えばマウス
等)306と、マスク図を可視表示するための手段(例
えばCRT等)308と、302〜308の各構成要素
と動作可能に接続され、且つ、LSI検査装置310内
のステージ・コントローラ312を制御する制御装置3
00とを具備し、設計データベース上で指定の箇所への
ステージの移動と、顕微鏡像で表示されている部分のマ
スク図等の設計情報の表示を可能とすることにより、測
定点まで素早く粗移動が可能になると共に、設計データ
ベースから測定点の材料情報を読み出して走査型プロー
ブの接触圧力を決定することが可能となる。
【0063】また、図36に示すように、LSI検査装
置310a内の画像入力手段314を通して供給される
光学顕微鏡像のデータと制御装置300aを介して供給
されるマスク図のデータとの間のズレを補正するアライ
メント手段320を備えることにより、プローブ位置制
御手段316に供給されるべきプローブの位置座標を補
正し、接触圧力情報と併せて自動プロービングを行うこ
とができる。
【0064】図37には図36の装置が行うアライメン
ト補正処理のフローチャートが示される。まず、ステッ
プ330では入力手段306により測定箇所を指定し、
次のステップ331では、制御装置300aが設計デー
タベース302からマスク図の情報を読み出し、そのマ
スク図データをアライメント手段320に送る。ステッ
プ332では、制御装置300aがステージ・コントロ
ーラ312にステージ座標を通知する。次のステップ3
33では、画像入力手段314が光学顕微鏡像を入力
し、そのデータをアライメント手段320に転送する。
次いで、ステップ334ではアライメント手段320が
光学顕微鏡像のデータとマスク図のデータのパターンマ
ッチングを行い、次のステップ335では、プローブ座
標を算定して、そのプローブ座標データをプローブ位置
制御手段316に供給する。以上のステップは粗動に関
する処理である。
【0065】次に、ステップ336では画像入力手段3
14が数μm平方程度の所定領域のAFM像を入力し、
さらにステップ337では、制御装置300aが設計デ
ータベース302から対応領域のマスク図の情報を読み
出し、そのデータをアライメント手段320に送る。ス
テップ338ではAFM像のデータとマスク図のデータ
のパターンマッチングを行い、次のステップ339では
プローブ座標を算定してそのデータをプローブ位置制御
手段316に供給し、さらにステップ340では、その
プローブ座標データに基づいてプローブの移動が行われ
る。以上のステップは微動に関する処理である。
【0066】図38には図36の装置が行うプローブ接
触圧力決定処理のフローチャートが示される。まず、ス
テップ350では入力手段306により測定箇所を指定
し、次のステップ351では、制御装置300aが設計
データベース302から測定配線の材料に関する情報を
読み出す。ステップ352では、当該材料の接触圧力が
定義されている(YES)か否(NO)かの判定を行
い、判定結果がYESの場合にはステップ353に進
み、プローブ接触圧力を設定した後、本フローは「エン
ド」となる。
【0067】ステップ352において判定結果がNOの
場合には、ステップ354で接触圧力を所定量増加し、
さらにステップ355で測定電圧のDCドリフトの評価
を行う。次いで、ステップ356において上記DCドリ
フトが基準値以下(YES)であるか否(NO)かの判
定を行い、判定結果がNOの場合にはステップ354に
戻り、DCドリフトが発生しなくなるまで徐々に接触圧
力を増していく。ステップ356で判定結果がYESの
場合には、ステップ357に進み、新たにプローブ接触
圧力を登録し、この後、フローは「エンド」となる。
【0068】次に、本発明のLSI検査装置の具体的な
配置・構造について、図39〜図45を参照しながら説
明する。前述した光ビームを用いる検査装置では、微細
探針の押し付け力を高精度で制御して測定配線に接触さ
せることにより、配線を切断破壊することなく配線電圧
を光ビームによる電圧センサ部までひき出すことを可能
にし、光ビームだけでは配線幅0.3μm以下の将来の
超LSIの診断に不足していた「空間分解能」を向上さ
せるものであった。しかしながら、従来、数オングスト
ロームといった極めて高い空間分解能を追求してきたA
FMでは、観測試料としてはほとんど板状もしくは小さ
なものであり、半導体産業分野でもせいぜい板状のウエ
ハまでが比較的容易に観測できるものとなっており、L
SIテスタ等により駆動されるLSIを、しかもパッケ
ージ化されたLSIも試料としなければならないLSI
の動作診断、解析を行うプローブ装置には、従来のAF
Mの装置構造をそのまま使用することは困難である。ま
た、レーザ光による電圧測定手段として、電気光学効果
を利用した電圧測定系(EO系)を考える場合、従来の
配置・構造そのままでは、AFMプローブと組み合わせ
ることは、困難である。
【0069】すなわち、従来の配置・構造では、LSI
テスタなどの駆動装置に搭載されたLSIのAFM像を
求めるためには、試料を3次元ステージに搭載し、走査
・画像取得を行う従来のAFM構造では、試料部が大き
くなり過ぎて不可能である。また、AFMプローブおよ
び電圧センサ部の取り付け部の下面は、LSI駆動用の
配線基板、駆動回路等が有り、またこれらの移動のため
に、かなり大きな自由空間が必要であり、従来構成では
困難である。実用的にはせいぜい100μm以下と狭い
視野しか実現できないAFMだけでは、数十mm平方の
LSIチップ内の測定配線を探し出すことは困難であ
り、このために、少なくとも数100μm平方の視野を
得ることのできる光学顕微鏡が必要となるが、これをA
FM系およびEO系と干渉することなく配置することが
困難である。またこれに関連して、LSIテスタなどか
らの駆動信号の入力部およびLSIを搭載する配線基
板、あるいは駆動回路などから構成されるLSI搭載台
を載せ、数十mm平方のチップ内の測定配線を探索する
ために移動させる手段がない。さらに、パッケージに収
納されたLSIチップの場合、チップはパッケージ内で
0.数mm〜1mm奥まった部分に設けられているた
め、チップの周辺部は、パッケージの壁とAFMプロー
ブ基板が衝突し、測定することができない。
【0070】このような不都合を解消するために、図3
9〜図41に示す各実施例では、以下の手段を講じてい
る。 (a)走査型プローブ、電圧センサ部(EOサンプリン
グ系)およびカンチレバー変位測定部、電圧測定部を微
動ステージ上に全て搭載する構造とし、試料LSIおよ
び駆動回路等の大型部品の微動を不要とした。
【0071】(b)微動ステージは一枚の平板構造とす
ることにより、微動ステージ下方には、LSIおよびそ
の駆動に必要な配線基板、駆動回路と干渉し合う突出部
がないようにした。 (c)微動ステージを第1の粗動ステージに搭載し、こ
の第1の粗動ステージと同期して移動可能な大視野観測
用の光学顕微鏡を設け、光学顕微鏡と微動ステージ(走
査型プローブ)とを一体として移動させるようにして、
測定配線の概略位置探索を光学顕微鏡で行い、詳細位置
探索とプローブの配線上位置決めに関しては走査型プロ
ーブで行うようにした。
【0072】(d)3次元微動ステージ全体を回転ステ
ージに搭載することにより、走査型プローブの方向を任
意に変えることができるようにし、パッケージ化された
LSIの奥まった部分に固定配置されたチップ全体の表
面形状を観測可能にし、またプロービングを可能とし
た。 (e)微動ステージは、除振台に搭載された架台に、L
SI搭載台を載せた第1の粗動ステージと共に設置さ
れ、AFMプローブの概略位置決めをLSI搭載台の第
1の粗動ステージで行い、AFM像を求めるためのAF
Mプローブの移動を微動ステージで行うようにした。
【0073】(f)大視野観測用の光学顕微鏡を、上記
第1の粗動ステージおよび微動ステージとは機械的に分
離された架台に第2の粗動ステージを介して搭載し、測
定配線の概略位置探索を光学顕微鏡で行えるようにし
た。 以上の(a)〜(f)の手段を講じることにより、大型
の駆動装置に装着されたLSIを固定したままで、光学
顕微鏡観測、走査型プローブの微細探針とレーザ光によ
る電圧測定、LSIの診断、解析が可能となる。
【0074】以下、図39〜図41を参照しながら具体
的に説明する。図39には具体的な配置・構造の一例が
示される。LSIの駆動装置であるLSIテスタのステ
ーション部400にはパフォーマンスボード402が載
置され、該ボード上にはLSIソケット404を介し
て、診断および解析の対象となるLSIチップ406が
搭載されている。また、LSIテスタ・ステーション部
400上に固定されたプローブ架台420の上に、XY
Zの各方向にそれぞれ粗動可能なステージ430X,4
30Y,430Zが搭載されており、粗動用Zステージ
430Zには、モータ435によって回転駆動される回
転ステージ440が係合して設けられている。この回転
ステージ440には、ピエゾ・アクチュエータ442に
よって駆動される微動用Zステージ450Zが係合して
おり、さらに微動用Zステージ450Zには、ピエゾ・
アクチュエータ444によって駆動される微動用XYス
テージ450X,450Yが係合している。各ステージ
はパルスモータ等の駆動手段により制御される。微動用
XYステージ450X,450Yは、一枚の板から中央
部および板バネ形成部がくり抜かれた構造(図42参
照)をしており、中央部には走査型プローブ410およ
び電圧センサ部416を保持するための支持部(図42
において452で示される)が残されている。また、微
動用XYステージ450X,450Yの周辺部には、カ
ンチレバー変位測定用レーザ光のレーザ光源412およ
び位置センサ414と電圧測定部418が搭載されてい
る。
【0075】また、粗動用Zステージ430Zには、大
視野観測用の光学顕微鏡460が架台470を介して搭
載されている。光学顕微鏡460は、顕微鏡用架台47
0に直接固定されてもよいが、さらに取扱いを容易とす
るには(例えば、レーザによる絶縁膜の穴明け加工時に
はプローブを数mm退避するためや、プローブ先端部を
明瞭に観測するためにフォーカス調整するため等)、数
mm程度移動可能な3次元ステージ480X,480
Y,480Zを介して搭載することが望ましい。また、
光学顕微鏡460には、LSIのパッシベーション膜や
層間絶縁膜等の絶縁膜の窓明け用のレーザ光源490が
取り付けられ、光学顕微鏡460の光学系を共用して試
料面(LSI表面)に直径1〜2μmのレーザビームが
照射できるようになっている。なお、462はCCDカ
メラ、464は光学顕微鏡460の対物部を示す。
【0076】図40には具体的な配置・構造の他の例が
示される。ここでは、光学顕微鏡460は、LSIテス
タ・ステーション部400およびプローブ架台420と
は全く独立に構成され、床面に直接設置された顕微鏡専
用架台472上でX,Y,Zの各方向に粗動可能なステ
ージ482X,482Y,482Zを介して搭載されて
いる。この構成によれば、高さが比較的高いため、振動
の影響を受け易い光学顕微鏡460の揺れがAFM走査
系に直接影響するといった不都合を解消することがで
き、AFM画像を安定に求めることができるという利点
がある。
【0077】ただし、光学顕微鏡460による測定配線
の概略位置探索を行う場合、第2の粗動用ステージ
(顕微鏡用ステージ482X,482Y,482Z)を
第1の粗動用ステージ430X,430Y,430Zと
同期して制御すれば、走査型プローブ410を常に観測
視野の中に入れて探索することができるし、第1の粗
動用ステージを止めて、第2の粗動用ステージのみ移動
させれば、走査型プローブ410はLSIチップ406
との相対位置を変えずに、光学顕微鏡460の視野外に
出ることもあり得る。どちらの制御モードにしても、2
つの粗動用ステージ間の相対位置関係には、図40から
見て明らかなように制限がある。従って、不注意による
装置の破損を防止するためには、両者の相対座標データ
で制御し、更にその可動範囲に一定の制限(リミッタ)
を設けるのが望ましい。
【0078】図41には具体的な配置・構造のさらに他
の例が示される。本実施例では、プローブ架台422上
に第1の粗動用ステージ432X,432Y,432Z
およびLSI搭載台400aが搭載され、さらにLSI
搭載台400aの上にパフォーマンスボード402、L
SIソケット404およびLSIチップ406が順に搭
載されている。また、プローブ架台422には、モータ
435によって回転駆動される回転ステージ440が係
合して設けられている。その他の構成については、図4
0の実施例と同様である。なお、LSI搭載台400a
にはLSI駆動信号の入力のためのコネクタ401が設
けられており、該LSI駆動信号は、コネクタ401か
らパフォーマンスボード402およびLSIソケット4
04を介してLSIチップ406に供給される。
【0079】また、光学顕微鏡460は、床面に直接設
置された顕微鏡専用架台472上で第2の粗動用ステー
ジ(顕微鏡用ステージ482X,482Y,482Z)
を介して搭載されている。なお、495は除振機構を示
す。本実施例の構成において、光学顕微鏡460による
測定配線の概略位置探索を行う場合、第1の粗動用ス
テージ432X,432Y,432Zを用いてLSIチ
ップ406を移動することにより実施できるし、第2
の粗動用ステージ482X,482Y,482Zによ
り、光学顕微鏡460を移動することによっても実現で
きる。ただし、の方法では移動範囲に制限があり、不
注意による装置の破損を防止するためには、微動用ステ
ージ上の搭載物への衝突が起こらない範囲を予め求めて
おき、第2の粗動用ステージの座標値で一定の制限(リ
ミッタ)を設けるのがよい。
【0080】いずれの方法においても、光学顕微鏡46
0の視野内に測定配線を入れることができれば、その
後、走査型プローブ410と第1の粗動用ステージ間の
相対座標は10数μm精度以内で既知であるため、これ
は、同じ量だけ第1の粗動用ステージでLSIチップ4
06を移動させることにより、容易にAFM視野内(約
100μm平方)に目的とする配線を入れることができ
る。
【0081】なお、本実施例では、光学顕微鏡460を
第2の粗動用ステージ(顕微鏡用ステージ482X,4
82Y,482Z)に搭載したが、第2の粗動用ステー
ジが有れば、プローブ410自体の観測と試料LSIの
観測などの自由度は増すが、必ずしも第2の粗動用ステ
ージは必要としない。図42には微動ステージ(図39
〜図41の微動用XYステージ450X,450Y)上
の搭載物の構成が示される。ここでは、光ビームによる
電圧測定手段として、電気光学効果を利用した場合につ
いて示す。
【0082】電圧測定部418内で発生されたレーザ光
は、プローブ支持部452上をほぼ水平に通過し、電圧
センサ部416の電気光学結晶上に配置されたプリズム
等の反射手段により方向を変えられ、電気光学結晶に入
射する。電気光学結晶下面に付けられた反射膜で反射
し、再び同じ経路をたどり、電圧測定部418に戻り、
その後2つの偏光成分に分離され、電圧情報が抽出され
る。一方、カンチレバー変位測定用のレーザ光は、微動
ステージ側方の枠部に設けられたレーザ光源412から
発生され、照射角調整用のミラーを介して走査型プロー
ブ410のカンチレバーに照射される。カンチレバーか
らの反射光は、反対側の枠部に設けられた検出角調整用
のミラーを含む光学系を経て、位置センサ414で検出
される。
【0083】また、微動用XYステージの4つの角の部
分には、2方向からピエゾ・アクチュエータ444X,
444Yによる押し付け力により該ステージが2次元方
向に微動可能となるように、6個の板バネA〜Fが設け
られている。図43には板バネの作用に基づく微動用X
Yステージの動作形態が示される。図中、(a)はY方
向のピエゾ・アクチュエータ444Yのみを作動させた
場合のステージの形態、(b)は2方向のピエゾ・アク
チュエータ444X,444Yを共に作動させた場合の
ステージの形態を示している。
【0084】図44はパッケージ化されたLSIチップ
のプロービングのために回転ステージが必要な理由を示
す図である。図中、404はLSIソケット、406は
LSIチップ、406aはLSIパッケージ、410は
走査型プローブを示す。同図の(a)に示すようなプロ
ービング形態では、測定不可能な領域Rが存在している
が、同図(b)に示すように、回転ステージを180°
回転させてプローブ410の方向を変えることにより、
LSIチップ406の全面を観測することができ、ひい
てはプロービングが可能となる。
【0085】本実施例では、光学顕微鏡の視野内に常に
プローブが入っている場合について説明したが、例えば
図45に示すように、光学顕微鏡の対物部(対物レン
ズ)464によっては、AFMプローブのための作動距
離が十分確保できないものもある。その場合、同図に示
すように光学顕微鏡とプローブ410を一定の間隔(1
0〜50mm程度)だけ離し、選択的に両方の顕微鏡画
像の観測を行うようにしてもよい。
【0086】以上説明したように、図39〜図41に示
す各実施例の構成によれば、LSIテスタ等の駆動装置
上に搭載されたLSIの微細配線の電圧測定を、高い時
間分解能および空間分解能で且つ高速に行うことが可能
になり、将来の超LSIの内部の動作診断および解析が
容易になる。なお、上述した各実施例では、レーザ光に
よる電圧測定手段として電気光学効果を利用した場合に
ついて説明したが、電圧測定手段の形態はこれに限定さ
れない。
【0087】次に、装置規模の縮小化に寄与する低プロ
ファイルのためのレーザ光学系の配置・構造について、
図42および図46〜図49を参照しながら説明する。
前述した光ビームを用いる検査装置では、一般に、カン
チレバーや電圧センサ部の上面からレーザ光を入射し、
また反射光の光路も上面に設けられているためにレーザ
光学系の構成が比較的大規模になるといった不利があ
る。すなわち、LSIの内部診断、解析を行う場合、1
0〜20mm平方という大きなチップ内から、目的とす
る配線(測定配線)を見つけ出す必要がある。これを短
時間で行えることは、この種の解析装置では重要な要素
となっている。このためには、チップ全体を広い範囲
(低倍率)から比較的狭い範囲(中倍率)で観測できる
光学顕微鏡が、微細な探針によるAFM画像(高倍率)
と併用できることが不可欠となる。ところが一般的な検
査装置では、光学顕微鏡を上方に設けようとしても、こ
の場所にカンチレバー変位測定用レーザ光や電圧測定用
レーザ光などの光路があるため、互いの干渉なしに実現
することは極めて困難である。
【0088】そこで本実施例では、変位測定用レーザ光
と電圧測定用レーザ光の光路を出来る限り狭い高さ範囲
に収まるような構造とすることにより、低プロファイル
のレーザ光学系を実現している。具体的には、ほぼ水平
に近いレーザ光を用いることを原則にし、レーザ光照射
対象物のごく近傍にレーザ光反射手段を設け、所定の角
度で対象物(カンチレバー反射面や電圧センサ面)に入
射できるようにした。上記の構成とすることにより、レ
ーザ光路を数10mm以内の高さ範囲に収めることがで
き、光学顕微鏡の設置スペースを確保することが出来
る。
【0089】以下、図面を参照して具体的に説明する。
図42を再び参照すると、カンチレバー変位測定用のレ
ーザ光は、通常のAFM装置と異なり、カンチレバーの
長手方向と直交する方向から、ほぼ水平に近い形態で照
射され、反射光は反対側の方向で検出されるようになっ
ている(なお、通常の装置では、レーザ光はカンチレバ
ー面にほぼ垂直に入射するように構成されている)。ま
た、電圧測定用のレーザ光は、プローブ支持部452の
根元からほぼ水平に近い形態で、電圧センサ部416の
電気光学結晶上に設けられた反射手段(プリズム)によ
り、電気光学結晶にほぼ垂直に入射し、結晶の裏面の反
射面による反射光がほぼ同じ光路をたどるようになって
いる。変位測定用レーザ光の反射光は、位置センサ41
4でレーザ光スポット位置が計測され、該計測値からカ
ンチレバー変位量が算出される。また、電圧測定用レー
ザ光の反射光は、電圧測定部418内に設けられた偏光
成分解析部により、P偏光、S偏光の各成分の強度とし
て計測され、電圧測定値に変換される。
【0090】図46には図42のP−P’線およびQ−
Q’線に沿った断面構成が概略的に示される。これらの
図から、走査型プローブ410の上方に光学顕微鏡の対
物部を配置するだけのスペースを十分に確保できること
が分かる。図47には図42における2つのレーザ光の
光路が詳細に示される。ここで、変位測定用レーザ光の
照射光調整ミラー413aにより、該レーザ光をカンチ
レバー上で反射するようにすれば、カンチレバーのわず
かな変位(撓み)により、反射光の方向が特にY方向へ
大きく変わる。これが、2枚の反射ミラー413bおよ
び413cにより、プローブ支持部452の根元に設置
されたレーザ光位置センサ414により上下の変位とし
て観測されるようになっている。
【0091】また、調整用ミラー413aにより、変位
測定用レーザ光をカンチレバーより下方を通過するよう
にすると(試料面位置検出モード)、試料面とプローブ
部の相対高さに応じて、異なる場所で散乱される。従っ
て、試料面位置検出モード時のレーザ通過位置を予め決
めておけば、試料上の散乱点の位置を光学顕微鏡で観測
し、散乱点が所定の位置になるように高さ調整を行うよ
うにすれば、簡単にプローブ高さ調整を行うことができ
る。なお、図47において、410はカンチレバー、基
板および微細探針から成る走査型プローブ、416aは
電気光学結晶、416bは該結晶上に設けられた反射手
段(プリズム)を示す。
【0092】図48には低プロファイルのレーザ光学系
を実現するレーザ光の光路の他の例が示される。この場
合、電圧測定用レーザ光は上記実施例と同様である。変
位測定用レーザ光は、プローブ支持部452の根元に設
けられたレーザ光源(図示せず)からプローブ支持部4
52とほぼ平行な光路をたどり、ミラー415で反射さ
れた後、カンチレバーの反射面で反射され、その後、プ
ローブ410aの基板の端面で反射された後、ミラー4
15で再び反射され、プローブ支持部452の根元に設
置された位置センサ(図示せず)で計測される。本実施
例でも図47の場合と同様に、カンチレバー反射面に対
するレーザ光の入射角は、70〜80°(法線に対する
入射角)と、通常のAFMに比べて大きいことが特徴で
ある。
【0093】図49には低プロファイルのレーザ光学系
を実現するレーザ光の光路の更に他の例が示される。こ
の場合、電圧測定用レーザ光とカンチレバー変位測定用
レーザ光は共に、プローブ支持部452とほぼ平行な光
路をたどり、プローブ部410に設けられた2つの反射
手段(プリズム416c,416d)により、それぞれ
電気光学結晶416aおよびカンチレバー部に垂直に入
射し、反射光はそれぞれの光路を逆にたどるようになっ
ている。
【0094】電気光学効果を利用して電圧測定を行う場
合、検出信号(例えば図2において受光器24a,24
bの出力)と被測定電圧の対応関係を予め知っておく必
要がある。ところが、微細探針により配線電圧を電気光
学結晶まで導く場合、対応関係を求めるには、既知の電
圧が印加されている配線に微細探針を接触させて信号検
出を行わなければならない。また、例えば試料配線のイ
ンピーダンスを得るためには、電圧と電流の両方を測定
できなければならないが、前述した各装置では電圧測定
しか行えないという不利がある。さらに、試料形状や試
料電圧を測定するために、探針を試料近傍まで接近させ
る際、素早く移動させると、探針と試料が衝突するおそ
れがある。
【0095】このような不都合を解消するために、本実
施例では、カンチレバーの基板保持部に電極を設け、保
持部内部あるいはカンチレバー基板内部にスイッチを設
け、該スイッチによりプローブ電位を外部から制御可能
としている。図50にその構成例が示される。同図にお
いて、500は走査型プローブ、502は微細探針、5
04は導電性のカンチレバー、506は該カンチレバー
を支持する基板、508は電気光学結晶、510はEO
サンプリング用レーザ光を透過するための透明電極、5
12はカンチレバー504を介して探針502に接続さ
れるレーザ光反射用の電極、514はスイッチ用電極、
516はホルダ接続用電極、518は電極514に印加
される制御信号に基づいて探針側電極512とホルダ接
続用電極516の接続切り換えを行うスイッチを示す。
また、520はプローブ500を保持するためのホル
ダ、522は外部の可変電源(パルスジェネレータ等)
530からの電圧信号をホルダ接続用電極516に接続
するための電極、524はスイッチ制御信号をスイッチ
用電極514に接続するための電極を示す。この構成に
よれば、微細探針502からカンチレバー504、電極
512、スイッチ518、プローブホルダ520等を介
して外部に引き出された配線に可変電源530が接続さ
れ得るので、検出信号−被測定電圧の対応関係を求める
ことができる。
【0096】なお、結晶508の探針側電極512と反
対側の透明電極510も何らかの電位にしておかなけれ
ばならないため、図には示していないが該透明電極に接
続された電極を追加してもよい。また、図示の例ではス
イッチ518を基板506内に内蔵したが、ホルダ内部
またはホルダ外部に設けても構わない。ただし、特に高
速信号を測定する時には、探針を配線に接触させた時の
容量を出来るだけ小さくする必要があるため、図の例が
最も好ましい。また、基板内部にスイッチを内蔵させる
場合、集積化してもよい。
【0097】以下、検出信号と電圧の対応関係の取得方
法について図51を参照しながら説明する。検出信号S
と電圧Vの関係は、図51(a)から、以下のような1
次式で示される。 V=a+b×S ………………………………………(1) ただし、a,bは定数である。この式中の定数a,bを
予め知っておくことにより、探針を配線に接触させた時
に得られる検出信号から直ちに配線電圧を知ることがで
きる。(1)式の定数を求めるには、探針電極に既知の
電圧VL を印加して電気光学効果により電圧測定を行っ
た時の検出信号SL と、電圧VH を印加した時の検出信
号SH をそれぞれ(1)式に代入して計算すればよい。
【0098】また、印加する電圧点数は2点に限らず、
更に増やすことにより、得られる定数の精度を向上させ
ることができる。この時、探針電極に直流電圧を印加す
る方法の他に、パルス信号(矩形波)を印加して測定位
相を切り換えることによって2組の電圧と検出信号を得
る方法もある。パルス信号を印加する場合、電圧制御速
度よりも位相制御速度の方が高速なため、処理を高速に
行えるという利点がある。
【0099】次に、配線部の回路特性測定方法について
図52を参照しながら説明する。探針電極にパルス発生
源530から電圧信号を印加して、電気光学効果による
電圧測定を行うことにより、種々の回路特性を知ること
ができる。例えば、探針と配線9が接触している時とい
ない時の電圧測定値の変化(図52(b)参照)から、
試料配線9の探針接触点もしくはその点に接続されてい
る素子の入力インピーダンスや周波数特性等を知ること
ができる。
【0100】また当然にして、LSIテスタ等により被
検LSIの入出力信号の動作試験を行う際に、探針電極
に電気信号を供給する単なる給電プローブとして使用す
ることもできる。次に、探針高さの高速制御方法につい
て図53を参照しながら説明する。探針電極(プローブ
500)に容量測定手段540を接続し、探針高さ制御
手段542(具体的には前述したZ方向の移動ステー
ジ)を用いて探針が配線9に接近する際の容量変化を検
出することにより、探針の概略高さを知ることができ
る。容量測定手段540としては、例えば、所定の周波
数の信号を印加した時に特定の容量で共振する現象を利
用できる。この方法は、高精度の高さ検出は望めない
が、比較的広範囲に適用できるという利点がある。容量
(つまり探針高さ)を監視しながら探針を配線に接近さ
せ、或る容量の高さで接近を停止させるストップスイッ
チの役割をさせることにより、探針高さの粗制御を高速
に行うことができる。
【0101】次に、試料を損傷させないで表面形状を観
測するのに好適な実施例について、図54〜図58を参
照しながら説明する。微細探針とLSI配線を電気的に
接触させてLSIの信号を測定しようとする場合、十分
な電気的接触を得るためにカンチレバーを硬くする必要
がある。ところがカンチレバーが硬い場合には、従来の
方法で表面形状を観測すると、探針を水平方向に移動さ
せる際に試料表面が探針によって損傷するおそれがあ
る。特にLSI配線の測定箇所を決定するために数十μ
m平方程度の広範囲を観測する場合、探針の水平移動速
度が速いため、損傷の危険性が高くなる。また、LSI
の所定箇所の電圧を測定するためには、表面形状の観測
結果から測定位置を決定してその位置まで探針を水平移
動させた後、該探針を固定する機能を合わせ持つ必要が
あるため、離散的な探針移動による形状観測が好まし
い。
【0102】このような課題を解決するため、本実施例
では以下の手段を提供している。 (a)図54に示すように、走査型プローブ550の探
針552を試料560の上方から近接させていき(と
の走査に相当)、探針552が試料560と接触した
点をもって試料表面形状を知る。ただし、接触点につい
ては次のように定義する(図55参照)。
【0103】探針552を試料560に近づけていく
と、接触直前に探針が試料に引き寄せられ、更に或る限
界まで近づくと、斥力によりそれ以上は近づけないた
め、カンチレバー554が撓み始める。すなわち、カン
チレバーが十分に軟らかい場合には、厳密には探針は試
料に接触しない。しかしながら、カンチレバーが硬い場
合には、撓みによって生じる力が斥力に打ち勝ってしま
うため、探針と試料は接触し、試料を損傷させてしま
う。このため、探針が引力により試料に引かれ始めた点
0 を接触点とし、この点で近接を停止することによ
り、試料の損傷を防ぐことができる。
【0104】また、カンチレバーの硬度が更に大きく、
引力による逆方向への撓みを検出できない場合には、図
55でプラス方向に撓み始める点Z1 をもって接触点と
定義する。 (b)プローブ550すなわち探針552を水平移動す
る際に(図54において,,の走査に相当)、カ
ンチレバー554の撓み量が一定となるように探針高さ
をフィードバック制御する。この時、像取得時間を短縮
するためには、探針の水平移動時間を出来るだけ短くす
る必要がある。しかしこれに合わせてフィードバック応
答速度を上げると、電圧測定時のように探針の水平位置
を固定している時には、高さが不安定に振動するおそれ
がある。従って、フィードバック制御は探針の水平移動
時にのみ有効となるようにする。
【0105】以下、図面を用いて具体的に説明する。図
56には上記(a)の手段に対応したプローブ制御方法
を実現する構成例が示される。図中、570で示される
接触検出部が従来装置には無かった特徴的な部分であ
る。以下に各部の動作を説明する。
【0106】レーザ光源572から発せられた光はカン
チレバー554で反射し、角度検出用受光器574に入
射する。角度検出用受光器574は、カンチレバー55
4の撓みに応じて変化する反射角に比例した信号を出力
する。試料表面形状を観測する時は、水平移動機構(図
示せず)により探針552または試料560を観測点ま
で移動し、探針上下移動機構576により探針552の
下降を開始する。探針下降時には、受光器574からの
角度信号(=撓み量信号)を接触検出部570で監視
し、探針552が試料560に接触した時に直ちに探針
高さ制御部578に対し「接触点到達」を指示する接触
信号を送出する。探針高さ制御部578は接触信号に応
答し、探針上下移動機構576に探針下降停止を指示
し、この時の高さを出力した後、探針552を一定量ま
たは定位置まで上昇を指示する。以上の動作を繰り返し
て表面形状を測定する。
【0107】接触検出部570の動作を更に詳細に説明
する。探針552が試料560から十分離れている時、
カンチレバー554の撓み量は0であり、これを基準と
して登録(設定)しておく。受光器574からの出力は
ノイズを含んでいるため、撓み量0の時のノイズ量をし
きい値として、受光器出力(撓み量信号)が設定された
基準量からしきい値以上マイナスまたはプラスに変化し
た時に接触信号を出力する。よって、高さ分解能は受光
器574の出力信号のノイズで決定されるため、高さ分
解能を向上させたい場合には、受光器出力信号を加算平
均するか、高さ測定を複数回行えばよい。
【0108】図57には上記(b)の手段に対応したプ
ローブ制御方法を実現する構成例が示される。ここで
は、1方向(X方向)の移動のみの場合を図示してある
が、2次元の場合も同様である。以下に各部の動作を説
明する。水平位置Xは、計算機CPU(図示せず)や画
像走査用カウンタ580によってXレジスタ582に設
定され、このデータはD/Aコンバータ584でアナロ
グ信号に変換された後、ローパスフィルタ(LPF)5
86を経由してX位置制動部588に送られる。X位置
制動部588では、指定された電圧によりXステージ
(図示せず)を移動する。この時、X位置指定電圧はL
PF586を経由するため、図58のに示すように緩
慢に変化する。
【0109】一方、カンチレバー変位検出部590では
カンチレバーの撓み量を観測する。撓み量測定値と変位
指定部592に予め設定された値は差動アンプ594で
減算処理され、スイッチ596を通してZ位置制動部5
98に送られる。これによって、試料と探針の距離が一
定に保たれるように制御がなされる。また、LPF58
6の入出力端の電圧は比較器600に入力され、図58
のに示すように電圧の変化開始(t1の時点)および
完了(t2の時点)を検出する。この検出信号により、
Z位置(つまり高さ)制動部598へのフィードバック
がオン/オフされる。すなわち、X方向に移動中の間の
み、高さのフィードバック制御が有効となる。ここで、
フィードバックの応答速度に比べて、X方向の移動が十
分緩慢である必要がある。なお、602はZ位置制動部
598の出力信号をディジタル信号に変換するA/Dコ
ンバータ、604はディジタル化された画像信号を表示
する像表示部を示す。
【0110】また、図57の構成例ではLPF586を
用いたが、代わりにランプ波形発生回路を用いた構成
や、前段のD/Aコンバータ584の前にディジタルの
加算/減算器を用いた構成でもよい。要は、図58に示
すように指定電圧変化が高さフィードバックの応答速度
よりも十分緩慢になり、その変化開始および完了が検出
できればよい。
【0111】次に、電圧測定の際に微細探針と配線との
電気的接触を保証するのに好適な実施例について、図5
9〜図64を参照しながら説明する。AFMの機能を利
用して電圧測定を行う場合、まず配線を検出し、電圧測
定位置に探針を移動しなければならない。次に、探針を
配線に対して、電気的接触が取れるのに十分な力で押し
付ける必要がある。配線は一般に、周辺絶縁物よりも突
起した形状をなしていることが多いが、場合によって
は、配線が絶縁物に埋まっており配線と周辺部での高低
差が無い場合や、全体を絶縁膜が覆っており配線近傍の
絶縁物を電子ビームやレーザビームで除去しなければ電
圧測定を行えない(この場合にもやはり高低差が無い)
場合も考慮しなければならない。また、探針を配線に対
し電気的に接続する場合にも、配線表面を酸化膜で覆っ
ている場合などを考慮しなければならない。
【0112】このような状況に鑑み、本実施例では以下
の手段を提供している。 (1)配線の位置を探索する手段 AFMの機能により得られる配線表面の1次元また
は2次元の走査画像から配線位置を求める(図59参
照)。 試料の材質により硬度が異なる場合、探針を試料に
押し付けた時に探針が試料表面に食い込む量が異なる
(図60(a)参照)ことを利用し、探針高さ変化に対
するカンチレバー撓み量が小さければ軟らかく、大きけ
れば硬い材質と判断する。この操作を探針水平位置を変
えながら行うことにより得られる硬さ画像から配線位置
を求める(図60(b),(c)参照)。
【0113】 配線に何らかの信号が印加されている
場合、電圧測定を行いながら探針を水平走査した時の測
定結果から配線位置を求める(図61参照)。 探針側電極(例えば、図2における電極4)が電気
的に浮いている場合には、反対側の透明電極(図2の電
極3)への印加信号にかかわらず、電気光学結晶内部の
電界は殆ど0である。よって、探針が配線に接触して探
針側電極の電位が決定されると、配線電圧と透明電極間
の印加電圧の差が結晶内部に現れることを利用する。つ
まり、透明電極にパルス信号を印加して(例えば、図2
において可変電源29からパルス信号を供給する)電圧
測定を行いながら探針を水平走査した時の電圧振幅測定
結果から配線位置を求める。 (2)配線と探針の電気的接続を保証する手段 AFMの機能により得られる配線高さをもとに、一
定量押し付けることにより、電気的接続をとる(図62
参照)。
【0114】この時の一定量押し付けとは、(a)探針
高さを一定量試料に近接させる、あるいは、(b)カン
チレバー撓み量が一定量増加するように探針を試料に近
接させる、のいずれかである。 上述した(1)のと同様に、電圧測定を行いなが
ら微小探針を微小量ずつ試料に近接させていき、得られ
る測定結果から電気的接続を判断する(図63参照)。
【0115】 上述した(1)のと同様に、透明電
極にパルス信号を印加して電圧測定を行いながら探針を
微小量ずつ試料に近接させていき、電圧振幅測定結果か
ら電気的接続を判断する。 図64のフローチャートは、例えば図2の装置構成によ
り透明電極に試料と非同期のパルス信号を印加して電圧
測定(結晶内電界測定)を行うことにより、配線位置探
索と電気的接続を保証する高さ決定を行い、電圧測定を
行うまでの測定手順を示している。
【0116】まず、ステップ650では透明電極にパル
ス信号を印加する。次に、水平方向の走査を行いながら
各水平位置で電気的接触を確かめる(ステップ651,
652,658)。図では、X方向のみを記述したが、
2次元走査を行いたい場合には、X,Yの2重ループに
なるだけで基本的な手順は同様である。Xの走査開始位
置Xaから走査終了位置Xbまで刻みΔX毎にXを動か
しながら、電気的な高さ探索を行う(ステップ653〜
656)。探索は、探針高さを刻みΔZ毎に少しずつ下
げながら(ステップ656)、電圧振幅を測定し(ステ
ップ654)、カンチレバーの撓みが限界に達するか、
あるいは、測定振幅が0でなく変化しなくなったら(つ
まり十分電気的に接触したら)終了する(ステップ65
5)。
【0117】水平方向の探索が完了すると、水平位置に
対する測定振幅の1次元プロファイルが得られるため、
これを基に、例えば重心検出等により、測定を行う水平
位置を決定する(ステップ659)。決定された水平位
置において高さ検出を行い、十分電気的に接触するよう
に探針を配線に押し付けたら(ステップ660)、透明
電極へのパルス印加を停止し(ステップ661)、電圧
測定を行う(ステップ662)。
【0118】なお、これらの操作中で、撓み量の限界ま
で押し付けても電気的な接触が得られない場合には、試
料上のその点は絶縁物であるか、断線し電気的に浮いて
いる配線であるものと判断できる。電気光学効果を利用
して電圧測定を行う方式では、フォトダイオード等の受
光器で検出した2つの偏光分離光検出信号の差は電気光
学結晶内の電界強度(つまり測定点の電圧)に比例して
いるので、この検出信号(例えば図2において受光器2
4a,24bの出力)の差信号を求めることで結晶印加
電圧を測定することができる。しかしこの場合、差信号
と電圧の比例係数が分からなければ、検出信号から直接
電圧値を知ることができないという不都合がある。
【0119】この不都合に対処するため、本実施例で
は、検出信号の差信号と電圧の比例係数を予め決定する
ようにしている。図65にはその比例係数を決定し、そ
の比例係数を用いて電圧測定を行うための構成が示され
る。図示の構成は、例えば図2において配線検知/接触
制御部17、システム制御部18および電圧測定制御部
26の中に含まれる部分である。図中、670は検出信
号すなわち差信号S(t)を電圧V(t)に変換するた
めの電圧値変換部、672は電極膜電圧または既知電圧
のデータと検出信号に基づいて変換係数(つまり比例係
数C0,C1)を決定する変換係数決定部を示す。この変換
係数決定部672により比例係数を決定する方法として
は、以下の3つの手法が考えられる。 (1)零点法を利用する方法(図66参照) まず、探針を動作配線位置に移動し(ステップ70
1)、接触させる(ステップ702)。次に、測定位相
tを走査しながら零点法により電圧測定を行い、電圧波
形を求める(ステップ703〜710)。零点法による
電圧測定とは、検出信号の差信号が0となるように、具
体的にはステップ705〜710に示されるような2分
探索法を用いて、透明電極膜電圧を制御し、該透明電極
膜の印加電圧を配線電圧とする手法である。
【0120】次に、透明電極膜の電圧を0Vに設定する
(ステップ711)。さらに、測定位相tを走査しなが
ら差信号を測定し、差信号波形を求める(ステップ71
2〜715)。次いで、電圧波形と差信号波形から、対
応関係を決める比例係数C0,C1 を決定する(ステップ
716)。以降、測定を行いたい配線に探針を移動・接
触して差信号を測定し、この差信号と上記決定された比
例係数を用いて電圧値変換部670で直ちに電圧値に変
換し、出力する。 (2)電源ライン、GNDラインを利用する方法(図6
7参照) まず、探針をGNDラインに移動し(ステップ73
1)、接触させて(ステップ732)、差信号を測定す
る(ステップ733)。次に、探針を電源ラインに移動
し(ステップ734)、接触させて(ステップ73
5)、差信号を測定する(ステップ736)。次いで、
電源電圧値とGND電圧値に対応する差信号検出結果
(S1,S2)から、対応関係を決める比例係数C0,C1
決定する(ステップ737)。
【0121】以降、(1)の方法と同様にして、測定を
行いたい配線に探針を移動・接触して差信号を測定し、
この差信号と上記決定された比例係数を用いて電圧値に
変換し、出力する。 (3)入力パッドを利用する方法(図68参照) まず、サンプリングオシロスコープやLSIテスタ等を
用いて、被測定デバイスの信号入力ピンの電圧測定を行
い、電圧波形V(t)を求める(ステップ751)。次
に、上記電圧測定を行ったピンに直接接続されたパッド
上に探針を移動し(ステップ752)、接触させる(ス
テップ753)。次いで、測定位相を走査しながら差信
号を測定し、差信号波形S(t)を求める(ステップ7
54)。次に、電圧波形と差信号波形から、対応関係を
決める比例係数C0,C1 を決定する(ステップ75
5)。
【0122】以降、(1),(2)の方法と同様にし
て、測定を行いたい配線に探針を移動・接触して差信号
を測定し、この差信号と上記決定された比例係数を用い
て電圧値に変換する。次に、パッケージ化されたLSI
のチップ表面を電圧測定の際に支障なく観察するのに好
適な実施例について、図69〜図73を参照しながら説
明する。
【0123】図1,図5に示したようなプローブ基板上
に電気光学結晶が設置されるタイプのプローブをホルダ
で保持して使用すると、例えば図69に示されるよう
に、パッケージ(LSIパッケージ800)化されたL
SIチップ802の表面を観察する場合に不都合が生じ
る。すなわち、チップ802はパッケージ800の表面
よりも奥まった位置(例えば1mm)に配置されている
ので、パッケージの奥まっている部分の周縁部分にホル
ダ812の一部(場合によってはプローブ810の一
部)が当たってしまい、そのためにLSIチップ802
の表面にプローブ810の探針の先端を接触させること
ができず、観察領域が限定されるといった不都合があ
る。図示の例では、Rで示される部分が測定不可能な領
域となる。これに対処するためには、例えば試料表面に
対するプローブの傾きを大きくすることが考えられる
が、この場合、プローブの傾斜角度に応じて探針も試料
表面に対して傾くため、ライン・プロファイルの測定時
に、試料表面の配線等の凸部の壁面に探針壁面が接触し
てしまい、そのために観察画像が歪み、空間分解能が低
下するといった別の不都合が生じる。
【0124】このような不都合を解消するため、本実施
例では以下の2つの形態を提供している。 (a)第1の形態(図70〜図72参照) 図70に例示する構成では、先端に微細探針を備えたカ
ンチレバー820を支持する第1基板822を電気光学
結晶にし、更にこの結晶上に第2基板830を形成し、
該第2基板を保持することによってプローブ全体を保持
するようにしたことが特徴である。探針を備えたカンチ
レバー820は第1基板822の下部に接着されてお
り、この電気光学結晶の下部には電圧測定用のレーザ光
3 を反射させるために金(Au)膜824が接着さ
れ、上部には該レーザ光を透過させるために透明導電膜
826が接着されている。第2基板830は、保持を容
易にするために上部へ長く延びた縦長の構造、例えば1
mm角の断面で5mm程度の長さを有しており、また、
電圧測定用のレーザ光を透過させるために例えばガラス
等で形成されている。さらに、電気光学結晶(第1基板
822)上部の透明導電膜826をグランド(GND)
に接地できるように、配線パターン828が第2基板8
30の側面に沿って形成されている。本実施例では、電
圧測定用のレーザ光P3 とカンチレバー変位測定用のレ
ーザ光P1 は、プローブに対して垂直方向から照射され
る方式である。
【0125】このように本実施例の構成によれば、上部
へ長く延びた縦長のプローブ構造であるため、保持の際
に位置決めなどが容易になると共に、パッケージ化され
たLSIチップ表面のほぼ全領域を観察することが可能
となる。図71は上記実施例の一変形例を示すもので、
電圧測定用レーザ光P3 をプローブに対して水平方向か
ら照射できるように、第2基板830a上部に光路を変
更するための手段、例えばプリズム832やミラー等を
配置した例である。この構成例は、前述した低プロファ
イルのレーザ光学系の実現に寄与する。なお、第2基板
830aを図示のようにX,Y,Zの各方向に長く延び
た構造とすることにより、本プローブをプローブホルダ
部834によって位置精度良く保持することが容易とな
る。
【0126】図72は他の変形例を示すもので、カンチ
レバー変位計測用レーザ光P1 をカンチレバー820の
長手方向(図71においてY方向)とほぼ直交する方向
(図71においてX方向)から該カンチレバーに照射し
た場合の例である。 (b)第2の形態(図73参照) 図73に例示する構成では、試料840の表面に対して
凸状形態となるようにカンチレバー850の一部分を折
り曲げ、該カンチレバーの一端は、絶縁性のプローブホ
ルダ852で保持されるプローブ基板854に固定し、
カンチレバー850の他端に形成された探針856は試
料840の表面にほぼ垂直に当接するように、カンチレ
バー850、プローブ基板854の底面およびプローブ
ホルダ852の底面が試料840の表面に対して大きく
傾斜していることが特徴である。具体的には、折れ曲が
ったカンチレバー850の凸方向に探針856を取り付
け、側断面が三角形のプローブ基板854を用いてい
る。プローブは全体として、底面を大きく傾斜して配置
されたプローブホルダ852に、探針856が試料84
0の表面に垂直になるように取り付けられている。な
お、858は電気光学結晶を示す。
【0127】このように本実施例の構成によれば、探針
856が試料840の表面に垂直であるので、空間分解
能の劣化が無く、また、試料840の表面に対してプロ
ーブ装置全体の底面角度を大きくしているので、LSI
チップの端とパッケージの奥まった部分の壁が非常に近
接しているという特殊な場合を除き、LSIチップ表面
のほぼ全領域を観察することができる。これは、LSI
検査の精度と効率の向上に寄与するものである。
【0128】図73の実施例では、カンチレバー変位計
測用のレーザ光をカンチレバーの傾いた部分に照射して
いるが、カンチレバー水平部に照射することも可能であ
り、レーザ光照射方法がこの例に限定されないことはも
ちろんである。また、電気光学結晶の取り付け位置もこ
の例に限らないし、レーザ光による電圧測定方式もこの
例に限らない。
【0129】なお、本実施例のプローブ製作方法として
は、カンチレバーを機械的に折り曲げる方法でもよい
が、より好適な製作方法として、例えば以下の方法が考
えられる。まず、(100)Si基板に、異方性エッチ
ングによりピラミッド状の穴を形成する。穴の壁面は
(111)面であり、55°の傾きを持つ。次いで、ピ
ラミッド状の穴の1側面を切り出し、金属(例えばA
u)膜を形成する。これはカンチレバーを構成する。次
いで、カンチレバーにプローブ基板を接着し、さらにマ
スクを介した金属蒸着により導電性の微細探針を形成す
る。次いで、プローブホルダに、探針の電圧を電気光学
結晶に印加するための金属膜を形成し、この後、Siを
エッチングしてカンチレバーを形成する。
【0130】あるいは、以下の方法を用いて製作するこ
とも可能である。Si基板上に金属(例えばCr)膜を
形成し、パターニングして導電性の微細探針を形成す
る。次いで、カンチレバーにプローブ基板を接着し、さ
らに電気光学結晶を取り付ける面に金属膜を形成した
後、Siをエッチングし、カンチレバーを形成する。次
いで、カンチレバーの探針と反対側の面に、カンチレバ
ーの材料よりも応力の大きい金属(例えばAu)膜を付
着させ、これによってカンチレバーを凸状形態に反らせ
る。なお、反りの角度は膜厚等により制御することがで
きる。
【0131】次に、試料観察と配線探索を容易に行うの
に好適な実施例について、図74〜図77を参照しなが
ら説明する。一般に、LSIの内部診断、解析において
測定時間を短くするためには、測定したい配線を短時間
に探し出す必要がある。この場合、LSIチップ表面を
観察できる手段(例えば光学顕微鏡)が用いられるが、
探索の過程において、プローブに設けられたカンチレバ
ーの部分が影となり、目的とするLSIチップ表面上の
領域を探し出すのが困難であるという不都合が生じる。
【0132】この不都合を解消するため、本実施例では
以下の2つの形態を提供する。 (a)第1の形態(図74,図75参照) 図74に例示する構成では、LSIチップ表面を観察す
るための光学顕微鏡870を備えると共に、微細な探針
6と電気的に接続され、且つ、該探針が受ける極めて小
さな力により撓む(変位する)ことができる導電性のカ
ンチレバーの表面に波長フィルタ5Aを形成したことが
特徴である。
【0133】図75は光の波長に対するカンチレバーの
反射率の関係を示したもので、同図に示すように、上記
波長フィルタ5Aは、被測定LSI表面を観察するため
の光学顕微鏡870の観察光の波長λ1 以下の波長を持
つ光に対しては透過させ、変位計測用レーザ光の波長λ
2 近傍の波長を持つ光に対しては反射させる特性を有し
ている。従って、波長フィルタ付カンチレバー5Aを通
して、顕微鏡870でLSIチップ表面を観察できると
共に、変位計測用レーザ光P1,P2 によりカンチレバー
5Aの変位も計測できる。なお、光学顕微鏡870の下
側に挿入した波長フィルタ872は、波長λ1 以下の顕
微鏡観察光を生成するための波長フィルタであるが、上
述したようにカンチレバー5A自身がフィルタの機能を
有しているので、この波長フィルタ872については必
ずしも配置する必要はない。
【0134】(b)第2の形態(図76,図77参照) 図76に例示する構成では、図74の構成と比べて、導
電性のカンチレバー5Bを透明にしたことが特徴であ
る。図77は、レーザ光の入射角に対するカンチレバー
の反射率の関係を示したもので、例えばSi3 4 でカ
ンチレバー5Bと微細探針6を製作し、カンチレバー5
B部分の厚さを1μmにし、導電性を持たせるためにI
TO電極を700オングストローム膜付けした場合の特
性を示している。
【0135】従来のAFMのように、カンチレバーの上
面(ほぼ垂直方向)から変位計測用のレーザ光を入射さ
せると、図77に示すように、レーザ光がカンチレバー
によって殆ど反射されず、透過してしまうため、変位を
計測することが困難である。そのため、変位計測用レー
ザ光P1,P2 のカンチレバー5Bへの入射角を大きく
(例えば60度程度に)する必要がある。特にS偏光の
みのレーザ光を入射させると、反射率が高いので有効で
ある。なお、カンチレバー5Bの膜の構成方法、材料を
変えることによって、例えば40度の入射角で必要な反
射率を得ることも可能である。また、カンチレバー5B
の長手方向に変位計測用レーザ光の入射角を大きくする
と、プローブ基板2や電気光学結晶1が変位計測ビーム
の妨げとなるため、図示のように、変位計測用レーザ光
1,P2 はカンチレバー5Bの長手方向とほぼ垂直な方
向から入射させる構成とする。この構成により、プロー
ブ上方で光学顕微鏡870に作動距離の小さい対物レン
ズを設置し易くなる。
【0136】このように本実施例の構成によれば、LS
Iの内部診断、解析において、カンチレバーを通してL
SIチップ表面を光学顕微鏡で観察可能となり、目的と
するLSIチップ表面の領域を探し出すことが容易にな
るので、目的の配線も容易に探し出すことができ、操作
性および測定時間が向上する。前述した各実施例のよう
に導電性の微細探針を利用して電気光学結晶に配線電圧
を導く形態のLSI検査装置では、電圧測定時に被測定
配線へ探針を押し付けて電気的導通を得るようにしてい
る。そのため、測定を繰り返すと探針の磨耗や変形とい
った問題が生じる。探針が磨耗すると、機械的走査で得
られる顕微鏡画像に誤差が生じるため、一定量以上磨耗
した場合には探針を交換することが望ましい。しかしな
がら、何時どのような状態になったら探針を交換するか
という、探針の交換基準が必ずしも明確ではない。
【0137】そこで本実施例では、探針の交換が必要で
あるか否かを判断する手段を備えることにより、上記の
不都合を解消している。この場合、以下の2つの形態が
推奨される。 (a)探針−試料間に作用する原子間力に対する微動機
構に加える制御電圧のグラフ(以下、フォース・カーブ
〔図78参照〕と称する)を利用する。原子間力は、探
針−試料間の距離に敏感に応答し、例えば距離が10n
m程度になると引力領域になり、更に探針を近接させて
試料表面に接触させると斥力が働く。探針が磨耗すれ
ば、初期状態のフォース・カーブにオフセットが生じ
る。従って、このオフセット量を検知することで探針の
磨耗を判断することができる。
【0138】(b)探針の磨耗が生じると、フォース・
カーブにオフセットが生じるため、AFMで得られる画
像にも全体的にオフセットが生じる。従って、この画像
全体の平均オフセット量を算出することで探針の磨耗を
判断することができる。 以下、上記(a),(b)の形態に対応した具体例につ
いて説明する。図79は、(a)の形態に基づいた動作
シーケンスを示している。
【0139】まず、ステップ901で被検LSI(デバ
イス)をセットした後、次のステップ902で磨耗を判
断するためにフォース・カーブを取得する地点を決定す
る。この地点は、デバイス内の任意の地点で構わない
が、探針の先端部分よりも十分大きな領域とし、例えば
チップ内のパッド程度の大きさを持つ領域上であること
が望ましく、また、実際に電圧を測定する地点とは異な
る場所にする。次のステップ903では、決定した取得
地点の座標を保存(記憶)する。この座標に関するデー
タは、粗動機構のX,Y,Z座標に関するデータと、微
動機構に加えられるX,Y,Zの制御電圧のデータとを
含む。
【0140】次いで、ステップ904では近傍のAFM
画像を取得し、それを座標に対応させて保存しておく。
次に、ステップ905でフォース・カーブを取得し、こ
のデータを保存しておく。次のステップ906で被検L
SIの一連の電圧測定を行った後、ステップ907で、
保存した座標(つまりフォース・カーブ取得地点)まで
プローブを移動させる。しかしこの時、粗動ステージの
バックラッシュや精度に依存して必ずしも元の地点へ復
帰しているとは限らない(図80参照)。
【0141】そこで、次のステップ908でAFM画像
を取得し、さらにステップ909では、上記保存してあ
るデータ(AFM画像データ)と比較し、さらに次のス
テップ910で、この比較に基づいて誤差(すなわち位
置ずれ)を算出し、それによって正確に元の地点へ復帰
させることができる。元の地点に戻ったところで、再
度、フォース・カーブを取得する(ステップ911参
照)。最後に、ステップ912で、上記保存してあるフ
ォース・カーブとステップ911で取得したフォース・
カーブを比較すると、探針の磨耗量に相当する分だけフ
ォース・カーブがオフセットする(図81参照)。
【0142】オフセット量の測定は、図81に示すよう
に斥力領域にしきい値を設定し、この値の時の制御電圧
の差で検出する。なお、オフセット量の測定の際には、
微動機構に使用する圧電素子のドリフトによって起こる
オフセットと区別できるように、移動量が小さく且つ歪
みゲージ等を用いてヒステリシスを無くした圧電素子を
用いて、ドリフト量を非常に小さくしておく必要があ
る。
【0143】また、上記(b)の形態に基づく具体例と
して、AFM取得画像のオフセット量を測定する方法も
ある。この場合、動作シーケンスは上記実施例の場合と
ほぼ同じであるが、フォース・カーブの代わりに取得画
像を用いている点が異なっている。保存したデータと使
用後のデータは、フォース・カーブを利用した場合と同
様、探針の磨耗分だけオフセットする。従って、画像全
体の平均オフセット量を算出することにより、磨耗分を
決定することができる。
【0144】この磨耗量の測定は、被検LSI(デバイ
ス)を交換するたびに必ず測定し、保存しておく。ま
た、同一デバイスであっても、電圧測定回数が多数であ
る場合には、測定回数に応じて磨耗量の測定を行う。こ
の場合、測定した磨耗量のデータを加算して総磨耗量を
算定し、この値が所定の許容磨耗量を越えた時に、探針
の寿命がきたこと(つまり探針の交換時期)を指示する
信号を発生するようにしてもよい。
【0145】このように本実施例の構成によれば、探針
の寿命を判定することができ、プローブ交換の必要性の
有無を知ることが可能となる。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、空
間分解能と時間分解能を共に高めた電圧測定を実現する
ことができる。また、微細配線への電気的な負荷を増大
させることなく、該微細配線への電気的な接触を十分な
ものにし、安定したプロービングを行うことができる。
これは電圧測定の精度向上に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブ装置の一実施例の構成を示す
斜視図である。
【図2】図1の装置を含む全体システム構成を示す図で
ある。
【図3】サンプリング光学系の偏光状態の一例を示す図
である。
【図4】サンプリング光学系の偏光状態の他の例を示す
図である。
【図5】本発明のプローブ装置の他の実施例の構成を示
す斜視図である。
【図6】図2の装置による電圧測定のための処理を表す
フローチャートである。
【図7】図1のプローブ装置の第1の変形例を示す図で
ある。
【図8】図1のプローブ装置の第2の変形例を示す図で
ある。
【図9】図8のプローブ装置の構成を示す斜視図であ
る。
【図10】図1のプローブ装置の第3の変形例を示す図
である。
【図11】図10のプローブ装置の構成を示す斜視図で
ある。
【図12】本発明のLSI検査装置の一実施例の構成を
示す斜視図である。
【図13】図12の装置によるボンディング・ワイヤ近
傍の配線へのプロービングの様子を示す図である。
【図14】図13に示すプロービングを可能にする一構
成例を示す図である。
【図15】図13に示すプロービングを可能にする他の
構成例を示す図である。
【図16】架台を含めたLSI検査装置の全体構成を示
す斜視図である。
【図17】回転による重心移動に伴う除振台の傾斜の様
子を示す図である。
【図18】除振台に対する被検LSIの相対位置関係を
固定化するための第1の構成例を示す図である。
【図19】除振台に対する被検LSIの相対位置関係を
固定化するための第2の構成例を示す図である。
【図20】除振台に対する被検LSIの相対位置関係を
固定化するための第3の構成例を示す図である。
【図21】除振台に対する被検LSIの相対位置関係を
固定化するための第4の構成例を示す図である。
【図22】光学顕微鏡とプローブの干渉防止のための一
構成例を示す図である。
【図23】光学顕微鏡とプローブの干渉防止のための他
の構成例を示す図である。
【図24】図12の実施例におけるプローブ走査系の構
成を通常のAFM走査系と対比させて概略的に示した図
である。
【図25】プローブ走査系の重量を軽減するためのステ
ージの配置例を示す図である。
【図26】軽量化と小型化に適したAFMステージの実
装例を示す斜視図である。
【図27】図26のAFMステージの先端部の構造を示
す斜視図である。
【図28】図26のAFMステージをプローブヘッド用
ステージと組み合わせた一構成例を示す斜視図である。
【図29】図28のA−A’線に沿った概略的な断面図
である。
【図30】小型化に適した探針変位検出手段の構成例を
示す図である。
【図31】軽量化と小型化に適したAFM光学系の構成
例を示す平面図である。
【図32】プローブの着脱機構の一例を示す図である。
【図33】プローブの着脱機構の他の例を示す図であ
る。
【図34】スペアプローブの保持機構を示す図である。
【図35】電圧測定箇所の位置決めの容易化に適したL
SI検査装置の構成を示すブロック図である。
【図36】パターンマッチングによるアライメント補正
を可能にしたLSI検査装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図37】図36の装置によるアライメント補正のため
の処理を表すフローチャートである。
【図38】図36の装置によるプローブ接触圧力決定の
ための処理を表すフローチャートである。
【図39】本発明のLSI検査装置の具体的な配置・構
造の一例を一部断面的に示した図である。
【図40】本発明のLSI検査装置の具体的な配置・構
造の他の例を一部断面的に示した図である。
【図41】本発明のLSI検査装置の具体的な配置・構
造のさらに他の例を一部断面的に示した図である。
【図42】微動ステージとその搭載物の構成を概略的に
示した斜視図である。
【図43】図42の微動ステージの動作を説明するため
の図である。
【図44】回転ステージの必要性を説明するための図で
ある。
【図45】光学顕微鏡とAFMプローブを選択的に使用
する場合の構成図である。
【図46】図42のP−P’線およびQ−Q’線に沿っ
た概略的な断面図である。
【図47】図42におけるレーザ光の光路を詳細に示し
た図である。
【図48】低プロファイルのレーザ光学系を実現するレ
ーザ光の光路の他の実施例を示す図である。
【図49】低プロファイルのレーザ光学系を実現するレ
ーザ光の光路のさらに他の実施例を示す図である。
【図50】本発明のLSI検査装置の他の実施例におけ
るプローブ装置の構成を示す図である。
【図51】図50の装置による検出信号と電圧の対応関
係の取得方法を説明するための図である。
【図52】図50の装置による回路特性の測定方法を説
明するための図である。
【図53】図50の装置による探針高さの制御方法を説
明するための図である。
【図54】試料の損傷防止に適したプローブ制御方法の
概念を示す図である。
【図55】探針高さとカンチレバーの撓み量の関係を示
す図である。
【図56】図54のプローブ制御方法を実現する一実施
例の構成を示す図である。
【図57】図54のプローブ制御方法を実現する他の実
施例の構成を示す図である。
【図58】図57の構成における各部の動作タイミング
図である。
【図59】配線位置探索を実現する手段の一例を説明す
るための図である。
【図60】配線位置探索を実現する手段の他の例を説明
するための図である。
【図61】配線位置探索を実現する手段のさらに他の例
を説明するための図である。
【図62】配線と探針の間の電気的な接続を保証する手
段の一例を説明するための図である。
【図63】配線と探針の間の電気的な接続を保証する手
段の他の例を説明するための図である。
【図64】配線位置探索と電気的接続の保証に基づいた
電圧測定の処理を表すフローチャートである。
【図65】電気光学効果を利用した電圧測定の高速化に
適したLSI検査装置の要部の構成を示すブロック図で
ある。
【図66】図65の変換係数決定部が行う処理の一例を
表すフローチャートである。
【図67】図65の変換係数決定部が行う処理の他の例
を表すフローチャートである。
【図68】図65の変換係数決定部が行う処理のさらに
他の例を表すフローチャートである。
【図69】従来形のプローブ装置の問題点を説明するた
めの図である。
【図70】図69の問題点を解決したプローブ装置の一
構成例を示す図である。
【図71】図70のプローブ装置の一変形例を示す図で
ある。
【図72】図70のプローブ装置の他の変形例を示す図
である。
【図73】図69の問題点を解決したプローブ装置の他
の構成例を示す図である。
【図74】試料観察および配線探索の容易化に適したプ
ローブ装置の一構成例を示す図である。
【図75】図74のカンチレバーの反射率と波長の関係
を示す図である。
【図76】試料観察および配線探索の容易化に適したプ
ローブ装置の他の構成例を示す図である。
【図77】図76のカンチレバーの反射率とレーザ光入
射角の関係を示す図である。
【図78】フォース・カーブの説明図である。
【図79】探針の交換時期を決定するのに好適なLSI
検査装置の動作フローチャートである。
【図80】元の地点へプローブを移動させた時の位置ず
れの様子を示す図である。
【図81】探針の磨耗量を決定するためのフォース・カ
ーブの説明図である。
【符号の説明】
1…電気光学結晶(所定の結晶体) 2…プローブ基板(移動体) 3…透明電極 4…電極(接続手段) 5…カンチレバー 6…微細な探針 7…配線(接続手段) 9…測定対象の微細配線(試料) 12…試料(半導体集積回路チップ) 17…位置検出受光器(変位検出手段) 106,460,870…光学顕微鏡(モニタ手段) 112…第1のステージ 116…開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 昭夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 尾崎 一幸 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 若菜 伸一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 後藤 善朗 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−251523(JP,A) 特開 平5−223855(JP,A) 特開 平4−12547(JP,A) 特開 平4−72505(JP,A) 特開 平4−137644(JP,A) 特開 平4−330752(JP,A) 特開 平4−343009(JP,A) 特開 平5−52506(JP,A) 特開 平5−120742(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/66 G01R 1/073 G01R 31/26

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも先端部を導電性材料で形成し
    た微細な探針と、 該探針を一端側に取り付けると共に、試料との間でXY
    Zの各方向に相対的に移動可能な移動体に他端側を固定
    したカンチレバーと、 前記移動体を前記試料に対して相対的に移動させる手段
    と、 電気光学効果を誘起する所定の結晶体と、 該結晶体と前記探針の先端部との間を低電気抵抗で接続
    する接続手段と、 前記探針の前記試料に対する相対的な近接により前記カ
    ンチレバーに生じる変位を検出する変位検出手段と、 該検出された変位に基づき決定された前記試料上の測定
    点に前記探針を接触させた時に前記結晶体に誘起される
    電気光学効果を利用して該測定点の電圧を測定する電圧
    測定手段と、 を具備することを特徴とするプローブ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプローブ装置と、 集積回路内部の被測定配線近傍を観測するためのモニタ
    手段と、 前記プローブ装置およびモニタ手段を搭載すると共に、
    前記被測定配線との間で相対的に移動可能に設けられた
    ステージ手段とを具備し、 該ステージ手段は、前記モニタ手段による観測と前記プ
    ローブ装置によるプロービングを可能にする開口部を有
    すると共に、該モニタ手段を搭載するモニタ手段用ステ
    ージと該プローブ装置を搭載するプローブ装置用ステー
    ジの少なくとも一方を有することを特徴とする集積回路
    検査装置。
  3. 【請求項3】 前記ステージ手段を搭載する除振台をさ
    らに具備し、該ステージ手段は、該除振台に対して少な
    くともXYの水平方向に移動可能であると共に、Z方向
    軸を中心とする回転可能なテーブルを含むことを特徴と
    する請求項2に記載の集積回路検査装置。
  4. 【請求項4】 前記除振台に対する前記被測定集積回路
    の相対位置関係を固定化する手段をさらに具備すること
    を特徴とする請求項3に記載の集積回路検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のプローブ装置と、 集積回路のマスク図に関する情報が格納された設計デー
    タベースと、 ステージを任意の位置に移動可能なステージ制御装置を
    備えた制御用の計算機と、 前記マスク図の座標系と前記計算機上においてマスク図
    の座標で指定された配線パターンを顕微鏡像に表示する
    ためのステージ座標を算定するためのアライメント情報
    を格納する手段と、 前記設計データベースから被測定配線の材料に関する情
    報を取得し、該材料の種類に応じて前記プローブ装置の
    探針の配線への接触圧力を決定する手段とを具備するこ
    とを特徴とする集積回路検査装置。
  6. 【請求項6】 LSI等の集積回路の駆動および外部試
    験を行うテスタ装置のステーション部に固定された架台
    に、試験対象となるLSIを取り囲むように設けられた
    第1の粗動手段としてのステージ手段と、 該ステージ手段の移動テーブル中央部に設けられた回転
    ステージと、 該回転ステージに設けられ、微動用のステージ手段を備
    えた請求項1に記載のプローブ装置と、 第2の粗動手段を持つLSI観測用のモニタ手段と、 を具備することを特徴とする集積回路検査装置。
  7. 【請求項7】 前記モニタ手段のモニタ画像を画像メモ
    リにディジタルデータとして取り込み表示する手段と、 前記プローブ装置のカンチレバーの変位量を画像信号デ
    ータとして取り込み、少なくとも1次元の画像として表
    示する手段と、 前記プローブ装置の探針を前記画像を用いて決定された
    場所に位置決めし、前記微動用ステージ手段を用いて配
    線を切断破壊することなく電気的な接触を取るための制
    御手段と、 を具備することを特徴とする請求項6に記載の集積回路
    検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のプローブ装置におい
    て、 前記カンチレバーの変位計測用のレーザ光と電圧計測用
    のレーザ光の光路が共に、該カンチレバー先端の微細探
    針の高さから、前記試料と反対側の所定の高さ範囲に収
    まるように配置されたことを特徴とするプローブ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のプローブ装置におい
    て、 前記探針に接続された電極を前記カンチレバー基板に備
    え、スイッチ手段を介して該電極を外部の電圧制御手段
    に接続したことを特徴とするプローブ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のプローブ装置と、 前記探針の水平移動時に前記試料に対する該探針の高さ
    を一定に保つよう制御する手段と、 を具備することを特徴とする集積回路検査装置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のプローブ装置と、 前記試料上の詳細な位置を探索する手段と、 該試料上の測定点と前記探針との電気的な接続を保証す
    る手段と、 を具備することを特徴とする集積回路検査装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のプローブ装置と、 前記結晶体の両端間に既知の電圧を印加する手段と、 該結晶体から反射された光の偏光状態の変化を検出して
    該検出信号と電圧の対応関係を算定する手段と、 該対応関係を用いて検出信号を電圧値に変換する手段
    と、 を具備することを特徴とする集積回路検査装置。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のプローブ装置におい
    て、 前記結晶体からなる第1基板の上部に光透過用の第2基
    板を設け、該第2基板を保持することにより当該プロー
    ブ全体を保持することを特徴とするプローブ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載のプローブ装置と、 被測定集積回路表面を観察するためのモニタ手段とを具
    備し、 前記プローブ装置のカンチレバーが、前記モニタ手段に
    よる観察光の大部分もしくは全部を透過させると共に、
    変位計測用レーザ光の一部もしくは全部を反射させるよ
    うな特性を有していることを特徴とする集積回路検査装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のプローブ装置と、 該プローブ装置のカンチレバーの部分に一定量の微小変
    位を与えるのに必要な微動機構の制御電圧の変化を利用
    して該プローブ装置の微細探針の磨耗量を決定する手段
    と、 を具備することを特徴とする集積回路検査装置。
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