JP4695484B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
従来、例えば図8(A),(B)に示すように、複数の櫛形ゲートトランジスタ20[複数のゲートフィンガ25を有する櫛形ゲート電極(ゲート端子)21を備え、ゲートフィンガ25を挟んで両側にそれぞれソース電極(ソース端子)23及びドレイン電極(ドレイン端子)22を有するもの]を含む高出力半導体回路を備える半導体チップ12を、放熱板として機能しうるパッケージベース材11上にフェイスアップ実装し、外部の整合回路基板16とワイヤ24によって接続することで、半導体チップ12の裏面からパッケージベース材11へ放熱させるようにしている。
特許文献1は、半導体チップ上の発熱部上に、パッシベーション膜を介して、信号電流の通らないバンプを熱伝導膜として形成し、半導体チップの上方に配置された放熱用ヒートシンクに接続することで、トランジスタなどの発熱部からの発熱を大気中へ効率良く放熱できるようにしたものが開示されている。
特許文献3は、半導体素子の熱発生部に局所的に接触し、半導体素子が発生する熱を放熱する放熱機構を設けることが開示されている。
しかしながら、上述の特許文献1〜3のいずれの場合も、複数のトランジスタを備える半導体チップ(トランジスタ集合体)の中央部は周辺部よりも高温になってしまい、半導体チップ内に温度分布が生じてしまうことになる。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、半導体チップ内の温度分布が均一になるようにして、各トランジスタの出力のアンバランス動作による性能劣化を抑制し、半導体回路の高性能化を実現できるようにした、半導体装置を提供することを目的とする。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態にかかる半導体装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる半導体装置は、例えば図1に示すように、複数のトランジスタを有する高出力半導体回路を備える半導体装置であって、パッケージベース材11と、表面に電極(端子)21,22,23を有する複数のトランジスタを備える半導体チップ12と、放熱板13,14とを備える。
ここで、櫛形ゲートトランジスタ20は、半導体上面に、複数のゲートフィンガ25を有する櫛形ゲート電極(ゲート端子)21を備え、ゲートフィンガ25を挟んで両側にそれぞれソース電極(ソース端子)23及びドレイン電極(ドレイン端子)22を有するものとして構成される。
なお、パッケージベース材11の熱膨張係数は、半導体チップ12の熱膨張係数と同じか又は近くなるようにしている。また、パッケージベース材11としてSiC基板を用いても良い。
このように、本実施形態では、バンプ15がメッキバンプであるため、バンプ15の形状やバンプ15の面積(配置密度)を各トランジスタからの放熱量に応じて変える場合の自由度が大きく、複数のトランジスタにおける温度分布を高精度に制御することができる。
ところで、本実施形態では、半導体チップ12は、SiC基板又はSiC基板上に形成されたエピタキシャル成長層を含む半導体基板上に作製されている。
このように、放熱板13としてSiC基板を用いることにより、半導体チップ12との熱膨張係数差を低減できるため、半導体チップ12と放熱板13との接続を、より信頼性の高いものとすることができる。これにより、例えば半導体チップ12をON/OFF動作させる場合に温度差が大きくなる高性能高出力増幅器においても、安定したバンプ接続を確保でき、また、ソース端子23からの効率的な放熱効果によって長期信頼性を確保できるようになり、より高出力な半導体回路を実現できることになる。
また、放熱板13は、半導体チップ12上にフリップチップ実装されている。フリップチップ実装は、例えば温度350℃、加重63Kg/mm2の条件で、例えば熱圧着工法で行なえば良い。
さらに、放熱板(第1放熱板)13は、図1に示すように、例えばアルミによって構成される外部の放熱板(第2放熱板)14と例えばはんだ接続されている。
なお、ここでは、半導体チップ12と外部基板(図示せず)とをワイヤ24で接続しているが、これに限られるものではなく、例えば、ゲート電極21やドレイン電極22にバンプを形成し、放熱板13上の配線と接続することで外部基板と接続しても良い。
ここでは、放熱しにくく、高温になりやすいチップ中央部に設けられるバンプ15の面積が、放熱しやすいチップ周辺部に設けられるバンプ15の面積よりも大きくなるように、各バンプ15相互間の面積を調節している。つまり、チップ中央部に設けられるトランジスタが発生する熱は放熱させにくく、チップ周辺部に設けられるトランジスタが発生する熱は放熱しやすいため、チップ中央部に設けられるトランジスタのソース電極23上のバンプ15の面積が、チップ周辺部に設けられるトランジスタのソース電極23上のバンプ15の面積よりも大きくなるように、各バンプ15相互間の面積を調節している。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置によれば、各バンプ15,15D間の面積を調節することによって、半導体チップ12内の温度分布(半導体チップ12内の複数のトランジスタ相互間の温度)を均一にすることができるため、チップ内温度分布に起因する各トランジスタの出力のアンバランス動作による性能劣化を抑制することができるという利点がある。この結果、より高出力な半導体回路を実現できるなど、半導体回路の高性能化を実現できるようになる。また、単一温度のデバイスモデルによって、より高出力の半導体回路を高精度な設計が可能となり、回路設計も容易になる。さらに、高出力半導体回路の開発期間を大幅に短縮することができることになる。
まず、図3(A)に示すように、パッケージベース材11に半導体チップ12をフェイスアップ実装した従来構造の半導体装置(図8参照)では、チップ内温度分布(チップ内熱分布)は70℃程度である。
一方、図3(C)に示すように、本発明を適用した半導体装置では、チップ中央部のバンプ15の面積をチップ周辺部のバンプ15の面積よりも大きくすることで、チップ内温度分布が15℃以下になっており、チップ内温度分布を小さくできることがわかる。
なお、図4の横軸は周波数であり、縦軸はMSG(最大安定電力利得)/MAG(最大有能電力利得)である。また、実線Aは本発明を適用した半導体装置(高出力半導体回路)の利得シミュレーション結果を示しており、実線Bは、図8に示す従来構造の半導体装置(高出力半導体回路)の利得シミュレーション結果を示しており、実線Cは、図9に示す従来構造の半導体装置(高出力半導体回路)の利得シミュレーション結果を示している。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかる半導体装置について、図5を参照しながら説明する。
つまり、本半導体装置では、上述の第1実施形態のものと同様に、半導体チップ12上におけるソース電極23の位置(チップ横方向位置)に応じて異なる面積を有するものとし、さらに、図5に示すように、個々のバンプ(放熱用突起電極;放熱用バンプ;例えば金バンプ)15Aの形状を、ゲートフィンガ25に平行な方向(ゲートフィンガ長手方向;チップ縦方向)で半導体チップ12内の温度分布が均一になるように、ゲートフィンガ25に平行な方向で面積(バンプ密度)が異なるようにしている。つまり、各バンプ15Aは、半導体チップ12上の位置(チップ縦方向位置及びチップ横方向位置)に応じて異なる面積を有するものとして構成されている。なお、図5では、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
なお、その他の構成及び動作は、上述の第1実施形態のものと同じであるため、ここでは説明を省略する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかる半導体装置について、図6を参照しながら説明する。
この場合、放熱板13は、ドレイン電極22から信号をとることができるように、半導体又は誘電体(絶縁体)からなり、配線パターンを形成したものとする必要がある。放熱板13としては、絶縁体で放熱性の良いものを用いるのが好ましい。例えば、窒化アルミ基板、SiC基板(シリコンカーバイト基板)を用いれば良い。なお、金属導体(メタル)からなる基板上に絶縁膜によって配線パターンを形成したものを用いることも考えられる。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置によれば、上述の第1実施形態の半導体装置による効果に加え、ドレイン電極22上にバンプ15Bを配置するため、より発熱源(ゲート電極21とドレイン電極22との間の部分)に近い場所にバンプ15Bが配置されることになり、より効率的に放熱させることができるようになる。この結果、より高性能な高出力半導体回路を実現できることになる。また、上述の第1実施形態の半導体装置による効果と同様の効果も奏する。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態にかかる半導体装置について、図7を参照しながら説明する。
つまり、本半導体装置では、図7に示すように、バンプとして、円筒形状のバンプ(スタッドバンプ;放熱用突起電極;放熱用バンプ)15Cを用いている。なお、図7では、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
また、ここでは、各トランジスタのソース電極23上に設けられるスタッドバンプ15Cの大きさを同じにし、チップ中央部に設けられるトランジスタのソース電極23上のスタッドバンプ15Cの数が、チップ周辺部に設けられるトランジスタのソース電極23上のスタッドバンプ15Cの数よりも多くなるように、各バンプ15Cの数を調節することで、各ソース電極23上に設けられるバンプ15Cの面積を調節している。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置によれば、バンプとしてスタッドバンプ15Cを用いているため、例えばメッキバンプを用いる場合のようにウエハプロセス工程が増加せず、容易にバンプ15Cを形成することができるという利点がある。また、ウエハプロセス工程の後で、バンプ面積に対する特性調査が可能であるため、開発期間の短縮が期待できる。さらに、上述の第1実施形態の半導体装置による効果と同様の効果も奏する。
[その他]
なお、上述の各実施形態のものを任意に組み合わせても良い。
また、例えば、上述の第2実施形態のものと上述の第3実施形態のものとを組み合わせても良い。
また、例えば、上述の第3実施形態のものと上述の第4実施形態のものとを組み合わせても良い。つまり、スタッドバンプ15Cを半導体チップ12内の各トランジスタのドレイン電極22上に形成しても良いし、ソース電極23上及びドレイン電極22上に形成しても良い。
(付記1)
ベース材と、
ベース材上にフェイスアップ実装され、表面に電極を有する複数のトランジスタを備える半導体チップと、
放熱板と、
前記複数のトランジスタのそれぞれの電極と前記放熱板とを接続する複数のバンプとを備え、
前記複数のバンプが、前記半導体チップ内の温度分布が均一になるように、前記半導体チップ上の位置に応じて異なる面積を有することを特徴とする、半導体装置。
前記複数のトランジスタを有するものとして、複数のゲートフィンガを有する櫛形ゲート電極を備え、前記ゲートフィンガを挟んで両側にそれぞれソース電極及びドレイン電極を有する櫛形ゲートトランジスタを備えることを特徴とする、付記1記載の半導体装置。
(付記3)
前記バンプが、前記ゲートフィンガに平行な方向で前記半導体チップ内の温度分布が均一になるように、前記ゲートフィンガに平行な方向で面積が異なるように構成されることを特徴とする、付記2記載の半導体装置。
前記バンプが、ドレイン電極上に形成されていることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記5)
前記バンプが、ソース電極上に形成されていることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
前記バンプが、メッキバンプであることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記7)
前記半導体チップが、SiC基板上、又は、SiC基板上に形成されたエピタキシャル成長層を含む半導体基板上に作製されており、
前記放熱板が、SiC基板であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
前記複数のバンプは、前記半導体チップの中央部における面積が前記半導体チップの周辺部における面積よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
12 半導体チップ
13,14 放熱板
15,15A,15B,15C,15D バンプ
20 櫛形ゲートトランジスタ
21 ゲート電極(ゲート端子)
22 ドレイン電極(ドレイン端子)
23 ソース電極(ソース端子)
24 ワイヤ
25 ゲートフィンガ
Claims (5)
- ベース材と、
ベース材上にフェイスアップ実装され、表面に電極を有する複数のトランジスタを備える半導体チップと、
放熱板と、
前記複数のトランジスタのそれぞれの電極と前記放熱板とを接続する複数のバンプとを備え、
前記半導体チップの中央部に位置するトランジスタの電極と前記放熱板とを接続するバンプの面積が、前記半導体チップの周辺部に位置するトランジスタの電極と前記放熱板とを接続するバンプの面積よりも大きいことを特徴とする、半導体装置。 - 前記複数のトランジスタを有するものとして、複数のゲートフィンガを有する櫛形ゲート電極を備え、前記ゲートフィンガを挟んで両側にそれぞれソース電極及びドレイン電極を有する櫛形ゲートトランジスタを備えることを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
- 前記バンプが、前記ゲートフィンガに平行な方向で前記半導体チップ内の温度分布が均一になるように、前記ゲートフィンガに平行な方向で面積が異なるように構成されることを特徴とする、請求項2記載の半導体装置。
- 前記バンプが、ドレイン電極上に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記半導体チップが、SiC基板上、又は、SiC基板上に形成されたエピタキシャル成長層を含む半導体基板上に作製されており、
前記放熱板が、SiC基板であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
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