発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
(半導体装置)
第1の実施の形態における半導体装置及び冷却装置について図1に基づき説明する。図1(a)は、本実施の形態における半導体装置の内部を示す構造図であり、図1(b)は、図1(a)における一点鎖線1A−1Bにおいて切断した断面図である。
本実施の形態における半導体装置は、半導体チップ10がパッケージ21とリッド22に覆われており、半導体チップ10の一方の面が、パッケージ21と接するように設置されている。パッケージ21は、Cu/Mo/Cuの3層構造からなる金属材料により形成されており、半導体チップ10において発生した熱の一部は、矢印Aに示すようにパッケージ21を介して放熱させることができる。尚、半導体チップ10には不図示の電子回路が形成されており、電子回路が動作することにより発熱する。即ち、半導体チップ10が、例えば、無線基地局用高出力増幅器等に用いられるものである場合、動作することにより高温に発熱する。このような半導体チップ10としては、出力が数W以上のもの、または10W以上のもの、更には、50W以上のものであり、出力が高くなるに従い、発熱量も高くなり高温となる。また、本実施の形態では、リッド22は、Cu等の金属材料により形成されている。尚、パッケージ21及びリッド22は、これらの金属材料以外にも、アルミナ等のセラミックス材料、熱伝導の高い樹脂材料を用いることも可能である。
また、半導体チップ10の他方の面には、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30が設置されている。このマイクロチャネルヒートシンク30は内部において、水等の流動性を有する冷却媒体を矢印Bに示す方向に流すことができるように2本のチャネル31a及び31bからなる流路が形成されている。2本のチャネル31a及び31b内を流れる冷却媒体は、リッド22の外側の供給口33aより供給され、マイクロチャネルヒートシンク30におけるチャネル31a及び31b内を流れ、リッド22の外側の排出口33bより排出される。また、マイクロチャネルヒートシンク30において、半導体チップ10と接する面には、後述するように半導体チップ10のソース電極に対応する位置に、複数の凸部32が設けられている。また、凸部32の形成されている面には、不図示の金メッキ層が形成されており、この金メッキ層はパッケージ21に設けられた接地端子25と接触している。
尚、本実施の形態における半導体装置では、パッケージ21には整合回路23が設置されており、半導体チップ10の他方の面に設けられた不図示の電極端子と、整合回路23に設けられた不図示の電極端子とが、ボンディングワイヤ24により接続されている。
(冷却装置)
次に、本実施の形態における冷却装置について説明する。図2に示すように、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30は、シリコンにより形成されており、前述したように、半導体チップ10と接触する面には、複数の突起状の凸部32が設けられている。この凸部32は半導体チップ10のソース電極11に対応する位置に設けられており、半導体チップ10のソース電極11と位置合せした後、マイクロチャネルヒートシンク30の凸部32と半導体チップ10のソース電極11とが接続される。これにより、半導体チップ10において発生した熱は、ソース電極11からマイクロチャネルヒートシンク30の凸部32を介し、マイクロチャネルヒートシンク30の内部に伝導され、更には、チャネル31a及び31b内を流れる冷却媒体に伝導される。冷却媒体は、排出口33bより排出されるが、この際、同時に冷却媒体に伝導された熱も一緒に排出されるため、半導体チップ10を効率よく冷却することができる。本実施の形態では、マイクロチャネルヒートシンク30の凸部32は、マイクロチャネルヒートシンク30の一部として形成されているため、マイクロチャネルヒートシンク30と凸部32との間において、熱伝導における障壁は存在していない。従って、半導体チップ10を効果的に効率よく冷却することができる。
尚、本実施の形態においては、マイクロチャネルヒートシンク30をシリコンにより形成したものについて説明したが、チャネル31a及び31bを形成することができるものであれば、SiC等の半導体材料、Cu、Al等の金属材料を用いることも可能である。また、本実施の形態では、冷却媒体として水を用いているが、冷却媒体としては、流動性を有する流動体であればよく、水を含む液体、メタノール、エタノール、IPA(isopropyl alcohol:イソプロピルアルコール)、フロリナート等を用いることも可能である。
また、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30では、凸部32が形成されている面に前述した不図示の金属メッキ層である金メッキ層が形成されている。凸部32の先端部分の金メッキ層が形成されている部分は、半導体チップ10のソース電極11と接触しており、ソース電極11と電気的に接続されている。また、この金メッキ層は、前述したように、パッケージ21に設けられた接地端子25とは接触しており、電気的に接続されている。これにより、金メッキ層を介し、半導体チップ10のソース電極11とパッケージ21における接地端子25とが電気的に接続される。即ち、本実施の形態における冷却装置では、半導体チップ10を冷却することができるとともに、半導体チップ10のソース電極11とパッケージ21における接地端子25とを電気的に接続することができる。このように、金属メッキ層は金属材料により形成されているため、高い導電性のみならず、高い熱伝導性を有しており、より一層半導体チップ10から発生した熱をマイクロチャネルヒートシンク30の凸部32の形成されている面に伝導させることができる。即ち、金属材料は高い導電性と高い熱伝導性とを有する材料であることから、半導体チップ10より発生した熱を半導体チップ10のソース電極11から、金メッキ層の形成されたマイクロチャネルヒートシンク30の凸部32へと素早く伝導させることができる。更に、高い熱伝導性を有する金メッキ層が、凸部32の形成されている面に形成されているため、マイクロチャネルヒートシンク30の凸部32の形成されている面に熱を均一に素早く伝導させることができる。金属メッキ層に用いられる金属材料としては、金を含む材料以外にも、Cu、Ag、Al等及びこれらの合金、これらと金との合金または積層膜が挙げられる。
図3に基づき、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30について、より詳細に説明する。このマイクロチャネルヒートシンク30は、上述したようにシリコンを加工することにより形成されており、内部に2本のチャネル31a及び31bが形成されている。このように2本の流路となるチャネル31a及び31bを設けることにより、マイクロチャネルヒートシンク30の機械的強度を維持しつつ、冷却媒体の流れる部分の断面積を大きくすることができ、冷却媒体を一定以上の流量で流すことができる。
また、マイクロチャネルヒートシンク30のチャネル31a及び31bの両端には、流路入口34a及び流路出口34bが設けられている。これにより、マイクロチャネルヒートシンク30では、リッド22の外側の供給口33aより供給された冷却媒体は、マイクロチャネルヒートシンク30の流路入口34aよりチャネル31a及び31b内に供給され、チャネル31a及び31b内を流れる。チャネル31a及び31b内では半導体チップ10において発熱した熱を冷却媒体が吸収し、そして流路出口34bよりリッド22の外側の排出口33bより排出される。これにより、冷却媒体により半導体チップ10において発熱された熱を吸収し排出することができ、半導体チップ10を冷却することができる。
次に、本実施の形態における冷却装置において、チャネル31a及び31bに流れる冷却媒体の流量(Flow rate)と、熱抵抗TR(Thermal Resistance)との関係について説明する。熱抵抗TRは、冷却媒体の温度をTaとし、マイクロチャネルヒートシンク30の凸部32における温度をTbとし、半導体チップ10からの発熱量をPとした場合、(1)に示す式で表わされる。
TR=(Tb−Ta)/P(℃/W)・・・・・・(1)
図4には、1本のチャネルに流れる冷却媒体の流量と、熱抵抗TRとの関係を示す。図に示されるように、冷却媒体の流量を増やすことにより熱抵抗TRを低くすることができる。
次に、本実施の形態における半導体装置においてシミュレーションを行なった結果について説明する。尚、このシミュレーションは、半導体チップ10の外形が幅420μm×長さ7650μm×高さ880μmであり、半導体チップ10の発熱量を50Wとしたものである。また、マイクロチャネルヒートシンク30内における2本のチャネル31a及び31bの幅は60μm、高さは350μmであり、マイクロチャネルヒートシンク30の外側には、高さが20μmの凸部32が61個設けられている。これらの凸部32は半導体チップ10のソース電極11と接触しており、冷却媒体となる水は流量が150ml/minとなるように流されている。この結果、マイクロチャネルヒートシンク30の凸部32のうち、最も温度の低いところは44℃、最も温度の高いところは99℃であり、その差は55℃であった。
(製造方法)
次に、本実施の形態における冷却装置の製造方法について説明する。本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30は、シリコン(Si)基板等を加工することにより形成することができる。このマイクロチャネルヒートシンク30は、下部50と上部70とを別個に形成した後、下部50と上部70とを接合することにより形成する。
最初に、マイクロチャネルヒートシンク30の下部50を形成する。具体的には、図5に示すように、四角柱状にシリコン基板等を加工し、シリコン基材51を形成する。シリコン基材51には、不純物元素がドープされたものであってもよく、例えば、不純物元素として、B(ボロン)等のp型不純物、P(リン)またはSb(アンチモン)等のn型不純物がドープされているものでもよい。本実施の形態では、シリコン基材51は、厚さが200〜525μmのシリコン基板を四角柱状に加工することにより形成している。尚、図5(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図5(b)は、図5(a)における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した断面図である。
次に、図6に示すように、シリコン基材51においてチャネルを形成するために加工される一方の面51a及び一方の面51aの反対側の他方の面51bに熱酸化、または、SiO2膜を成膜することにより、酸化膜52及び53を形成する。尚、図6(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図6(b)は、図6(a)における一点鎖線6A−6Bにおいて切断した断面図である。
次に、図7に示すように、シリコン基材51の一方の面51aに形成されている酸化膜52上にレジストパターン54を形成し、シリコン基材51の他方の面51bに形成されている酸化膜53上にレジストパターン55を形成する。具体的には、酸化膜52上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、チャネル31a及び31bが形成される領域に開口部を有するレジストパターン54を形成する。同様に、酸化膜53上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、凸部32が形成される領域にレジストパターン55を形成する。尚、図7(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図7(b)は、図7(a)における一点鎖線7A−7Bにおいて切断した断面図である。
次に、図8に示すように、レジストパターン54の開口部における酸化膜52及びレジストパターン55の開口部における酸化膜53をRIE(Reactive Ion Etching)等により除去する。これにより、レジストパターン54及び55の開口領域においてはシリコン基材51が露出し、レジストパターン54及び55の形成されている領域には、酸化膜パターン52a及び53aが形成される。尚、図8(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図8(b)は、図8(a)における一点鎖線8A−8Bにおいて切断した断面図である。
次に、図9に示すように、レジストパターン54及び55を有機溶剤等により除去する。これにより、シリコン基材51の一方の面51a上に形成された酸化膜パターン52a及びシリコン基材51の他方の面51b上に形成された酸化膜パターン53aが露出する。尚、図9(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図9(b)は、図9(a)における一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図である。
次に、図10に示すように、シリコン基材51の一方の面51aにおいて、酸化膜パターン52aをマスクとして、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)を行なうことにより、チャネル31a及び31bとなる開口領域56を形成する。このDRIEは、SF6ガスを導入してシリコン基材51をエッチングするプロセスと、C4F8ガスを導入してエッチングされた領域の壁面を保護するプロセスとを交互に行なうものであり、異方性の高いエッチングを行なうことができる。尚、このDRIEは、ボッシュプロセスとも呼ばれている。これにより、酸化膜パターン52aが形成されていない領域におけるシリコン基材51をシリコン基材51の一方の面51aに対し略垂直に除去し、開口領域56を形成する。本実施の形態では、開口領域56における深さCが350μmとなるように形成されている。尚、図10(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図10(b)は、図10(a)における一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図である。
次に、図11に示すように、シリコン基材51において開口領域56が形成されている側の酸化膜パターン52a上に、熱剥離シート57を貼り付ける。これにより、チャネル31a及び31bとなる開口領域56が形成されている領域を保護することができる。尚、図11(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図11(b)は、図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図である。
次に、図12に示すように、シリコン基材51の他方の面51bにおいて、酸化膜パターン53aをマスクとしてDRIEを行なうことにより、凸部32を形成する。具体的には、シリコン基材51の他方の面51bにおいて、酸化膜パターン53aが形成されていない領域におけるシリコン基材51を除去することにより凸部32を形成する。この際、除去されるシリコン基材51の厚さは、約20μmであり、これにより高さDが約20μmの凸部32が形成される。尚、図12(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図12(b)は、図12(a)における一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図である。
次に、図13に示すように、加熱することにより熱剥離シート57を除去する。尚、図13(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図13(b)は、図13(a)における一点鎖線13A−13Bにおいて切断した断面図である。
次に、図14に示すように、酸化膜パターン52a及び53aを除去する。これによりマイクロチャネルヒートシンク30の下部50を形成することができる。尚、図14(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図14(b)は、図14(a)における一点鎖線14A−14Bにおいて切断した断面図である。
次に、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30の上部70を形成する。具体的には、図15に示すように、シリコン基材71においてチャネル31a及び31bの壁面を形成する面71aに、熱酸化またはSiO2膜を成膜することにより酸化膜72を形成する。尚、図15(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図15(b)は、図15(a)における一点鎖線15A−15Bにおいて切断した断面図である。
次に、図16に示すように、酸化膜72上にレジストパターン73を形成する。具体的には、酸化膜72上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、流路入口34a及び流路出口34bが形成される領域に開口部を有するレジストパターン73を形成する。尚、図16(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図16(b)は、図16(a)における一点鎖線16A−16Bにおいて切断した断面図であり、図16(c)は、一点鎖線16C−16Dにおいて切断した断面図である。
次に、図17に示すように、レジストパターン73の開口部における酸化膜72をRIE等により除去することによりシリコン基材71を露出させ、レジストパターン73の形成されていた領域に酸化膜パターン72aを形成する。尚、図17(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図17(b)は、図17(a)における一点鎖線17A−17Bにおいて切断した断面図であり、図17(c)は、一点鎖線17C−17Dにおいて切断した断面図である。
次に、図18に示すように、有機溶剤等によりレジストパターン73を除去する。これにより、シリコン基材71の面71a上に形成された酸化膜パターン72aが露出する。尚、図18(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図18(b)は、図18(a)における一点鎖線18A−18Bにおいて切断した断面図であり、図18(c)は、一点鎖線18C−18Dにおいて切断した断面図である。
次に、図19に示すように、酸化膜パターン72aが形成されている面71aとは反対側の面71bに、熱剥離シート74を貼り付ける。尚、図19(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図19(b)は、図19(a)における一点鎖線19A−19Bにおいて切断した断面図であり、図19(c)は、一点鎖線19C−19Dにおいて切断した断面図である。
次に、図20に示すように、シリコン基材71の酸化膜パターン72aが形成されている面71aにおいて、酸化膜パターン72aをマスクとして、DRIEを行なうことにより、開口領域75を形成する。開口領域75は、DRIE等により酸化膜パターン72aの形成されていない領域のシリコン基材71を貫通するまで除去することにより形成する。尚、図20(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図20(b)は、図20(a)における一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図であり、図20(c)は、一点鎖線20C−20Dにおいて切断した断面図である。
次に、図21に示すように、加熱することにより熱剥離シート74を除去し、更に、酸化膜パターン72aを除去する。これによりマイクロチャネルヒートシンク30の上部70を形成することができる。尚、図21(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図21(b)は、図21(a)における一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図であり、図21(c)は、一点鎖線21C−21Dにおいて切断した断面図である。
次に、図22に示すように、マイクロチャネルヒートシンク30の下部50と上部70とを接合する。この接合はダイレクトボンディングにより接合され、例えば、下部50と上部70を約1000℃以上に加熱して接合する方法、または、下部50及び上部70における接合面をプラズマ処理した後に接合する方法により接合する。これにより、下部に形成された開口領域56は、下部50と上部70に覆われ、流路となるチャネル31a及び31bが形成される。尚、図22(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図22(b)は、図22(a)における一点鎖線22A−22Bにおいて切断した断面図であり、図22(c)は、一点鎖線22C−22Dにおいて切断した断面図である。
次に、図23に示すように、凸部32が形成されている面に金属メッキ層である金メッキ層81を形成する。金メッキ層81を形成することにより、凸部32の形成されている面は導電性を有するものとなる。これにより、前述したように、マイクロチャネルヒートシンク30の凸部32の先端を半導体チップ10のソース電極11と接触させることにより、金メッキ層81を介して、パッケージ21に設けられた接地端子25と電気的に接続することができる。具体的に、金メッキ層81は、最初に凸部32の形成されている面にスパッタリングにより金を成膜した後、金の無電解メッキを行なうことにより形成する。形成される金メッキ層81の厚さは、2〜2.5μmである。尚、図23(a)は、形成されるチャネルに沿った方向における断面図であり、図23(b)は、図23(a)における一点鎖線23A−23Bにおいて切断した断面図であり、図23(c)は、一点鎖線23C−23Dにおいて切断した断面図である。
以上により、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30を作製することができる。この後、図2に示すように、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク30の凸部32と、半導体チップ10のソース電極11との位置合せを行なった後、マイクロチャネルヒートシンク30を半導体チップ10にフリップチップ実装する。このようにフリップチップ実装されたマイクロチャネルヒートシンク30及び半導体チップ10は、図1に示すように、パッケージ21の所定の位置に固定され、更に、リッド22を被せて覆うことにより、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。図24に示されるように、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク130は、2つのチャネル131a及び131bを有している。一方のチャネル131aの両端には、流路入口134a及び流路出口134bが設けられており、水等の冷却媒体は、流路入口134aより供給され、チャネル131a内を流れ、流路出口134bより排出される。また、他方のチャネル131bの両端には、流路入口135b及び流路出口135aが設けられており、水等の冷却媒体は、流路入口135bより供給され、チャネル131b内を流れ、流路出口135aより排出される。
流路入口134aと流路出口135aは、チャネル131a及び131bの同じ端部の側である一方の側に設けられており、流路出口134bと流路入口135bは、チャネル131a及び131bの同じ端部の側である他方の側に設けられている。よって、マイクロチャネルヒートシンク130の内部を流れる冷却媒体は、チャネル131a内において冷却媒体が流れる方向と、チャネル131b内において冷却媒体が流れる方向とは、破線の矢印で示されるように逆向きとなる。
次に、本実施の形態における半導体装置においてシミュレーションを行なった結果について説明する。尚、このシミュレーションは、半導体チップ10の外形が幅420μm×長さ7650μm×高さ880μmであり、半導体チップ10の発熱量を50Wとしたものである。また、マイクロチャネルヒートシンク30内における2本のチャネル31a及び31bの幅は60μm、高さは350μmであり、マイクロチャネルヒートシンク30の外側には、高さが20μmの凸部32が61個設けられている。これらの凸部32は半導体チップ10のソース電極11と接触しており、冷却媒体となる水は流量が150ml/minとなるように流されている。この結果、マイクロチャネルヒートシンク30の凸部32のうち、最も温度の低いところは88℃、最も温度の高いところは110℃であり、その差は24℃であった。
また、半導体チップ10の発熱量が100Wであり、冷却媒体となる水が227ml/minとなるように流されている場合では、凸部32における最も温度の低いところは98℃であり、最も温度の高いところは112℃であり、その差は14℃であった。
本実施の形態における冷却装置では、より均一な温度で半導体チップを冷却することができ、50W〜100W程度の発熱量を有する半導体チップにおいても、100℃前後に冷却することが可能である。尚、冷却媒体の流量を増やすことにより、図4に示されるように、より一層の冷却効果を得ることができる。また、本実施の形態における冷却装置を第1の実施の形態と同様の半導体チップ10にフリップチップ実装し、パッケージ21及びリッド22を用いて組み立てることにより、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。図25に示されるように、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク230は、1つのチャネル231を有している。チャネル231の両端には、流路入口234a及び流路出口234bが設けられており、水等の冷却媒体は、流路入口234aより供給され、チャネル231内を流れ、流路出口234bより排出される。強度を確保することができるのであれば、チャネル231は1本であってもよく、この場合においても同様に半導体チップ10を冷却することが可能である。
また、図26に示されるように、本実施の形態における他のマイクロチャネルヒートシンク330は、2つのチャネル331a及び331bと、この2つのチャネル331a及び331bを接続するサブマイクロチャネル336が設けられている。チャネル331a及び331bの両端には、流路入口334a及び流路出口334bが設けられており、水等の冷却媒体は、流路入口334aより供給され、チャネル331a及び331b内を流れ、流路出口334bより排出される。このような構造とすることにより、破線の矢印で示すように、チャネル331aとチャネル331bとの間に設けられたサブマイクロチャネル336に冷却媒体を流すことができる。これにより、より一層半導体チップを均一な温度で冷却することができ、温度分布の差を緩和することができる。
本実施の形態における冷却装置を第1の実施の形態と同様の半導体チップ10にフリップチップ実装し、パッケージ21及びリッド22を用いて組み立てることにより、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。また、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。
(半導体装置)
本実施の形態における半導体装置及び冷却装置について図27及び図28に基づき説明する。図27(a)は、本実施の形態における半導体装置の内部を示す側面図であり、図27(b)は、図27(a)における一点鎖線27A−27Bにおいて切断した断面図である。また、図28は、本実施の形態における半導体装置の内部を示す上面図である。
本実施の形態における半導体装置は、半導体チップ10がパッケージ521とリッド522に覆われており、半導体チップ10の一方の面が、パッケージ521の底面に接するように設置されている。パッケージ521は、Cu/Mo/Cuの3層構造からなる金属材料により形成されており、半導体チップ10において発生した熱の一部は、矢印Aに示すようにパッケージ521を介して放熱させることができる。尚、半導体チップ10には不図示の電子回路が形成されており、電子回路が動作することにより発熱する。また、パッケージ521及び522等は、第1の実施の形態におけるパッケージ21及び22と同様のものであって、形状が異なるものである。
半導体チップ10の他方の面には、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク530が設置されている。このマイクロチャネルヒートシンク530は内部において、水等の流動性を有する冷却媒体を矢印Bに示す方向に流すことができるように、2本のチャネル531a及び531bからなる流路が形成されている。2本のチャネル531a及び531b内を流れる冷却媒体は、パッケージ521の外側の供給口533aより供給され、マイクロチャネルヒートシンク530におけるチャネル531a及び531b内を流れ、パッケージ521の外側の排出口533bより排出される。また、マイクロチャネルヒートシンク530において、半導体チップ10と接する面には、後述するように半導体チップ10のソース電極に対応する位置に、複数の凸部532が設けられている。更に、凸部532の形成されている面には、不図示の金メッキ層が形成されており、この金メッキ層はパッケージ521に設けられた接地端子525と接触している。
尚、本実施の形態における半導体装置では、パッケージ521には整合回路23が設置されており、半導体チップ10の他方の面に設けられた不図示の電極端子と、整合回路23に設けられた不図示の電極端子とが、ボンディングワイヤ24により接続されている。
本実施の形態における半導体装置においては、マイクロチャネルヒートシンク530は、加圧固定治具540により矢印C1及びC2に示す方向より加圧され固定されている。
(冷却装置)
次に、本実施の形態における冷却装置について説明する。図29に示すように、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク530は、シリコン基板を加工することにより形成されており、前述したように、半導体チップ10と接触する面には、複数の突起状の凸部532が設けられている。この凸部532は半導体チップ10のソース電極11に対応する位置に設けられており、半導体チップ10のソース電極11と位置合せした後、マイクロチャネルヒートシンク530の凸部532と半導体チップ10のソース電極11とが接続される。これにより、半導体チップ10において発生した熱は、矢印B1に示されるように、ソース電極11からマイクロチャネルヒートシンク30の凸部532を介し、マイクロチャネルヒートシンク530の内部に伝導される。この後伝導された熱は、チャネル531a及び531b内を流れる冷却媒体に伝導される。冷却媒体は、排出口533bより排出されるが、この際、同時に冷却媒体に伝導された熱も一緒に排出されるため、半導体チップ10を効率よく冷却することができる。図29では、チャネル531aを流れる冷却媒体は矢印D1に示す方向に、531bを流れる冷却媒体は矢印D1とは反対方向となる矢印D2に示す方向となるように形成されている。本実施の形態では、マイクロチャネルヒートシンク530の凸部532は、マイクロチャネルヒートシンク530の一部として形成されているため、マイクロチャネルヒートシンク530と凸部532との間において、熱伝導における障壁は存在していない。従って、半導体チップ10を効果的に効率よく冷却することができる。
図30に基づき、本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク530について、より詳細に説明する。このマイクロチャネルヒートシンク530は、前述したように、シリコン基板を加工することにより作製されるものである。具体的な製造工程の概略について、以下に説明する。
最初に、図30(a)に示すように、シリコン基板550の一方の面の所定の領域をDRIE等によるエッチングにより除去することにより、凹部551を形成する。
次に、図30(b)に示すように、シリコン基板550の一方の面とは反対側の他方の面の所定の領域をDRIE等によるエッチングにより除去することにより、凹部552を形成する。このように両面に各々凹部551及び552が形成されたシリコン基板550を中央基板560と称する。
次に、図30(c)に示すように、中央基板560に形成された凹部551を覆うように他のシリコン基板等からなる側面基板561を接合し、凹部552を覆うように他のシリコン基板等からなる側面基板562を接合する。これにより、凹部551と側面基板561とによりチャネル531aが形成され、凹部552と側面基板562とによりチャネル531bが形成される。このようにして、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク530を作製することができる。また、図30には図示しないが、凸部532はシリコン基板550の側面に相当する部分を加工することにより形成される。よって、半導体チップ10と接する面は、シリコン基板550の側面を加工した面となる。
このように作製されるマイクロチャネルヒートシンク530は、大きなシリコン基板550を用いることにより、冷却媒体の流れる断面積を広くすることができるため、より多くの冷却媒体をチャネル531a及び531bに流すことができる。これにより、より一層冷却効率を高めることができる。
(製造方法)
次に、本実施の形態における冷却装置の製造方法について説明する。本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク530は、シリコン基板等を面方向に加工することにより形成される。
最初に、図31に示すように、シリコン基板550の両面に酸化膜571及び572を形成する。具体的には、CVD(Chemical Vapor Deposition)、熱酸化によりシリコン基板550の表面及び裏面に酸化膜571及び572を形成する。シリコン基板は不純物元素をドープすることにより導電性を有しているシリコン基板であってもよい。不純物元素としては、シリコンにドープすることによりp型となるB等の不純物元素、または、n型となるP、Sb等の不純物元素が挙げられる。シリコン基板550の厚さは、例えば、一般的には、200〜525μmが多く用いられるが、半導体チップ10の幅や大きさ等に応じた厚さのシリコン基板550を用いることが好ましい。また、マイクロチャネルヒートシンク530は、シリコン基板550の基板面において、パターン形成やエッチング等を行なうことにより形成されるものであるため、シリコン基板550の表面は平坦であることが好ましい。よって、シリコン基板550は両面が鏡面処理されているものが好ましい。本実施の形態では、シリコン基板550は厚さが約200μmのものを用いており、酸化膜571及び572は、プラズマCVDにより膜厚が1〜2μmとなるように形成されている。尚、図31(a)は、この工程を示す上面図であり、図31(b)は、図31(a)における一点鎖線31A−31Bにおいて切断した断面図であり、図31(c)は、図31(a)における一点鎖線31C−31Dにおいて切断した断面図である。
次に、図32に示すように、酸化膜571及び572の表面にレジストパターン573及び574を形成する。具体的には、酸化膜571の表面にフォトレジストを塗布し、プリベークした後、露光装置による露光、現像を行なうことにより、酸化膜571が除去される領域に開口部を有するレジストパターン573を形成する。同様に、酸化膜572の表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、酸化膜572が除去される領域に開口部を有するレジストパターン574を形成する。尚、図32(a)は、この工程を示す上面図であり、図32(b)は、図32(a)における一点鎖線32A−32Bにおいて切断した断面図であり、図32(c)は、図32(a)における一点鎖線32C−32Dにおいて切断した断面図であり、図32(d)は、図32(a)における一点鎖線32E−32Fにおいて切断した断面図である。
次に、図33に示すように、RIEまたはウエットエッチング等を行なうことにより、レジストパターン573の形成されていない領域の酸化膜571を除去し、レジストパターン574の形成されていない領域の酸化膜572を除去する。具体的には、バッファドフッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングを所定の時間行なうことにより、レジストパターン573及び574が形成されていない領域における酸化膜571及び572を除去する。この後、レジストパターン573及び574を有機溶剤等により除去する。図33では、露出している酸化膜571及び572を一度に除去する場合を示すものであるが、片面ごと順に行ってもよい。例えば、酸化膜571の形成されている面にレジストパターン573を形成し、酸化膜572の形成されている面に、全面を覆う不図示のレジストパターンを形成する。この後、ウエットエッチング等によりレジストパターン573が形成されていない領域の酸化膜571を除去する。次に、レジストパターン573等を有機溶剤等により除去した後、酸化膜572の形成されている面にレジストパターン574を形成し、酸化膜571の形成されている面に、全面を覆う不図示のレジストパターンを形成する。この後、ウエットエッチング等によりレジストパターン574が形成されていない領域における酸化膜572を除去し、レジストパターン574等を有機溶剤等により除去する。これにより酸化膜571からなるマスクと酸化膜572からなるマスクが形成される。尚、図33(a)は、この工程を示す上面図であり、図33(b)は、図33(a)における一点鎖線33A−33Bにおいて切断した断面図であり、図33(c)は、図32(a)における一点鎖線33C−33Dにおいて切断した断面図であり、図33(d)は、図33(a)における一点鎖線33E−33Fにおいて切断した断面図である。
次に、図34に示すように、酸化膜571が形成されている面に、酸化膜571が除去された領域であって、後に凹部551が形成される領域を覆うようにレジストパターン575を形成する。具体的には、一部が除去された酸化膜571が形成されている面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、レジストパターン575を形成する。尚、図34(a)は、この工程を示す上面図であり、図34(b)は、図34(a)における一点鎖線34A−34Bにおいて切断した断面図であり、図34(c)は、図34(a)における一点鎖線34C−34Dにおいて切断した断面図であり、図34(d)は、図34(a)における一点鎖線34E−34Fにおいて切断した断面図である。
次に、図35に示すように、レジストパターン575の形成されている面において、DRIEによるシリコンの選択エッチングを行なう。これにより溝部576を形成する。溝部576は酸化膜571及びレジストパターン575が形成されていない領域におけるシリコンを所定の深さまで除去することにより形成する。具体的には、本実施の形態において行なわれるDRIEは、SF6を用いてエッチングを行なう工程と、C4F8を用いてエッチングされた領域の側面を保護する工程を繰り返す、いわゆるボッシュ(Bosch)プロセスと呼ばれるものである。このようなDRIEを行なうことによりシリコン基板550の表面に対し略垂直方向に壁面を有する溝部576を形成することができる。本実施の形態では、DRIEにより深さが約20μmの溝部576が形成される。尚、図35(a)は、この工程を示す上面図であり、図35(b)は、図35(a)における一点鎖線35A−35Bにおいて切断した断面図であり、図35(c)は、図35(a)における一点鎖線35C−35Dにおいて切断した断面図であり、図35(d)は、図35(a)における一点鎖線35E−35Fにおいて切断した断面図である。
次に、図36に示すように、シリコン基板550において、酸化膜572が形成されている面に、酸化膜572が除去されている領域であって、後に凹部552が形成される領域を覆うようにレジストパターン577を形成する。具体的には、酸化膜572が形成されている面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、レジストパターン577を形成する。尚、図36(a)は、この工程を示す上面図であり、図36(b)は、図36(a)における一点鎖線36A−36Bにおいて切断した断面図であり、図36(c)は、図36(a)における一点鎖線36C−36Dにおいて切断した断面図であり、図36(d)は、図36(a)における一点鎖線36E−36Fにおいて切断した断面図である。
次に、図37に示すように、レジストパターン577の形成されている面において、DRIEによるシリコンの選択エッチングを行なうことにより溝部578を形成する。溝部578は酸化膜572及びレジストパターン577が形成されていない領域におけるシリコンを所定の深さまで除去することにより形成する。この際、レジストパターン577が形成されている面と反対側の面には、既に、溝部576が形成されているため、溝部576を保護するため、この面に熱剥離シートを介して不図示のサポート基板とを張り合わせた状態で行ってもよい。尚、張り合わされたサポート基板は、後の工程において必要に応じて熱を加えることによって剥がすことができ、また、必要に応じて熱剥離シート等を用いて再び張り合わせることができる。本実施の形態では、DRIEにより深さが約20μmの溝部578が形成される。尚、図37(a)は、この工程を示す上面図であり、図37(b)は、図37(a)における一点鎖線37A−37Bにおいて切断した断面図であり、図37(c)は、図37(a)における一点鎖線37C−37Dにおいて切断した断面図であり、図37(d)は、図37(a)における一点鎖線37E−37Fにおいて切断した断面図である。
次に、図38に示すように、レジストパターン575及び577を除去する。具体的には、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターン575及び577を除去する。尚、図38(a)は、この工程を示す上面図であり、図38(b)は、図38(a)における一点鎖線38A−38Bにおいて切断した断面図であり、図38(c)は、図38(a)における一点鎖線38C−38Dにおいて切断した断面図であり、図38(d)は、図38(a)における一点鎖線38E−38Fにおいて切断した断面図である。
次に、図39に示すように、酸化膜571が形成されている面に凹部551を形成する。具体的には、酸化膜571が形成されている面において、DRIEによるシリコンの選択エッチングを行なうことにより凹部551を形成する。凹部551は酸化膜571が形成されていない領域において露出しているシリコンを所定の深さまで除去することにより形成する。この際、同時に溝部576もより深くエッチングされ、溝部576の深さは基板550の厚さの約半分程度となる。本実施の形態では、所定の時間DRIEを行なうことによりシリコンが約80μmエッチングにより除去される。即ち、深さが約80μmの凹部551が形成されるとともに、約20μmの深さであった溝部576が、更に約80μmエッチングされる。よって、溝部576の深さは約100μmとなる。尚、図39(a)は、この工程を示す上面図であり、図39(b)は、図39(a)における一点鎖線39A−39Bにおいて切断した断面図であり、図39(c)は、図39(a)における一点鎖線39C−39Dにおいて切断した断面図であり、図39(d)は、図39(a)における一点鎖線39E−39Fにおいて切断した断面図である。
次に、図40に示すように、酸化膜572が形成されている面に凹部552を形成する。具体的には、酸化膜572が形成されている面において、DRIEによるシリコンの選択エッチングを行なうことにより凹部552を形成する。凹部552は酸化膜572が形成されていない領域において露出しているシリコンを所定の深さまで除去することにより形成する。この際、同時に溝部578もより深くエッチングされ、溝部576と貫通する。これにより、シリコン基板550は各々マイクロチャネルヒートシンク530となる領域ごとに分離される。また、凸部532の周囲におけるシリコンは、溝部576及び578を形成する際に同時に除去されるため、これにより凸部532を形成することができる。本実施の形態では、所定の時間DRIEを行なうことによりシリコンが約80μmエッチングにより除去される。即ち、深さが約80μmの凹部552が形成されるとともに、約20μmの深さであった溝部578が、更に約80μmエッチングされるため、溝部578の深さは約100μmとなる。これにより、溝部578は溝部576と貫通した状態となり、各々のマイクロチャネルヒートシンク530ごとに分離することができる。尚、図40(a)は、この工程を示す上面図であり、図40(b)は、図40(a)における一点鎖線40A−40Bにおいて切断した断面図であり、図40(c)は、図40(a)における一点鎖線40C−40Dにおいて切断した断面図であり、図40(d)は、図40(a)における一点鎖線40E−40Fにおいて切断した断面図である。
次に、図41に示すように、酸化膜571及び572を除去する。具体的には、バッファドフッ酸等を用いたウエットエッチングにより、酸化膜571及び572を除去する。このようにして、シリコン基板550を加工することにより中央基板560が形成される。尚、図41(a)は、この工程を示す上面図であり、図41(b)は、図41(a)における一点鎖線41A−41Bにおいて切断した断面図であり、図41(c)は、図41(a)における一点鎖線41C−41Dにおいて切断した断面図であり、図41(d)は、図41(a)における一点鎖線41E−41Fにおいて切断した断面図である。
次に、中央基板560における凹部551及552が形成されている面に接合される側面基板561及び562を形成する。具体的には、図42に示すように、側面基板561となるシリコン基板555上にレジストパターン591を形成する。具体的には、シリコン基板555上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことによりレジストパターン591を形成する。形成されるレジストパターン591は、後述する側面基板561に形成される穴部となる領域に開口部を有するものである。また、側面基板562についても同様の工程を行なう。本実施の形態では、シリコン基板555は、厚さ約100μmのシリコン基板が用いられている。尚、図42(a)は、この工程を示す上面図であり、図42(b)は、図42(a)における一点鎖線42A−42Bにおいて切断した断面図であり、図42(c)は、図42(a)における一点鎖線42C−42Dにおいて切断した断面図である。
次に、図43に示すように、シリコン基板555においてレジストパターン591の形成されていない領域のシリコンをDRIEにより除去することにより貫通させる。これにより、2つの穴部592及び593を形成する。穴部592及び593は冷却媒体をチャネル531a及び531bに導入するための入口及び排出するための出口となるものであり、側面基板561の長手方向の両端部分近傍に各々形成される。この後、レジストパターン591を有機溶剤等により除去する。このようにして、シリコン基板555を加工することにより側面基板561を形成することができる。また、側面基板562についても同様に形成することができる。尚、図43(a)は、この工程を示す上面図であり、図43(b)は、図43(a)における一点鎖線43A−43Bにおいて切断した断面図であり、図43(c)は、図43(a)における一点鎖線43C−43Dにおいて切断した断面図である。
次に、図44に示すように、中央基板560の凹部551が形成されている側に側面基板561を接合することにより、凹部551が側面基板561に囲まれチャネル531aが形成される。また、中央基板560の凹部552が形成されている側に側面基板562を接合することにより、凹部552が側面基板562に囲まれチャネル531bが形成される。本実施の形態では、中央基板560と側面基板561及び562の接合方法は、シリコン同士の直接接合、接合される部分に金属膜を形成し、この金属膜を用いた共晶接合、または、接合材料を用いた接合等が挙げられる。尚、図44(a)は、この工程を示す上面図であり、図44(b)は、図44(a)における一点鎖線44A−44Bにおいて切断した断面図であり、図44(c)は、図44(a)における一点鎖線44C−44Dにおいて切断した断面図である。
次に、図45に示すように、凸部532の形成されている面に金メッキ層581を形成する。この金メッキ層581は凸部532の形成されている面の全面に形成される。具体的には、凸部532が形成されている面に、Ti/Au膜(Ti:50nm/Au:200nm)をスパッタリングにより成膜した後、無電解メッキを施すことにより、2〜2.5μmの金メッキ層581を凸部532が形成されている面の全面に形成する。このようにして、マイクロチャネルヒートシンク530を作製することができる。尚、図45(a)は、この工程を示す上面図であり、図45(b)は、図45(a)における一点鎖線45A−45Bにおいて切断した断面図であり、図45(c)は、図45(a)における一点鎖線45C−45Dにおいて切断した断面図である。
次に、図46に示すように、側面基板561及び562の各々に形成された冷却媒体の入口及び出口となる穴部592及び593に、冷却媒体を導入するためのチューブ594及び595を加圧固定治具540により固定する。本実施の形態では、加圧固定治具540とチューブ594とが一体となっているもの及び加圧固定治具540とチューブ595とが一体となっているものを用いている。これにより、マイクロチャネルヒートシンク530を各々の加圧固定治具540により挟み込むことにより、穴部592とチューブ594とを接続し、穴部593とチューブ595とを接続することができる。加圧固定治具540は、樹脂材料により形成されているものを用いたが、金属材料により形成されているものであってもよい。尚、図46(a)は、この工程を示す側面図であり、図46(b)は、図46(a)における一点鎖線46A−46Bにおいて切断した断面図である。
次に、図47に示すように、パッケージ521に搭載されている半導体チップ10上にマイクロチャネルヒートシンク530をボンディングにより接続する。具体的には、半導体チップ10の露出している面にマイクロチャネルヒートシンク530の凸部532が金メッキ層581を介し接するように設置し、ボンディングにより接合する。この際、半導体チップ10の表面に設けられた図47では図示しないソース電極11とマイクロチャネルヒートシンク530の凸部532とが、凸部532の表面に設けられた金メッキ層581を介し接するように設置しボンディングする。この半導体チップ10は、高出力トランジスタを有するものであって、これらの高出力トランジスタが動作すると発熱が生じる。尚、図47(a)は、この工程を示す側面図であり、図47(b)は、図47(a)における一点鎖線47A−47Bにおいて切断した断面図である。
次に、図48に示すように、パッケージ521の上部にリッド522を装着し、半導体チップ10及びマイクロチャネルヒートシンク530をパッケージ521及びリッド522により覆う。リッド522では、チューブ594及び595を内側より外側に取り出すことができるような構造となっており、パッケージ521及びリッド522により内部が気密状態となるように封止される。この際、冷却媒体の挙球及び排出を行なうためのチューブ594及び595は、外部に露出しているが、半導体チップ10及びマイクロチャネルヒートシンク530が設置されているパッケージ521及びリッド522に覆われた内部は気密封止されている。これにより、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。
〔第5の実施の形態〕
(冷却装置)
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第4の実施の形態と同様にシリコン基板を加工することにより形成されるものであって、第4の実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク530とはチャネルの形状等が異なるものである。
図49に基づき本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク630について説明する。本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク630は、シリコン基板を加工することにより形成された中央基板560の両面に側面基板661及び662を接合した構造のものである。側面基板661及び662には、中央基板560の凹部に対応した凹部が各々設けられている。これにより、中央基板560の一方の面に設けられた凹部と側面基板661に設けられた凹部によりチャネル631aが形成され、中央基板560の他方の面に設けられた凹部と側面基板662に設けられた凹部により、チャネル631bが形成される。このため、チャネル631a及び631bにおいて冷却媒体が流れる方向に垂直な面の面積を広くすることができ、より多くの冷却媒体を流すことができ、冷却効率を高めることができる。
(製造方法)
次に、本実施の形態における冷却装置の製造方法について説明する。本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク630は、第4の実施の形態と同様にシリコン基板等を面方向に加工することにより形成される。尚、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク630の中央基板560は、第4の実施の形態と同様の方法により作製されるものであり、具体的には、図31から図41に示す工程により作製される。
以下に、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク630の側面基板661及び662の作製方法について、側面基板661を例に説明する。尚、側面基板662は、側面基板661の製造工程と同様の工程により作製することができる。
最初に、図50に示すように、シリコン基板650の両面に酸化膜671及び672を形成する。具体的には、CVD、熱酸化によりシリコン基板650の表面及び裏面に酸化膜671及び672を形成する。シリコン基板は不純物元素をドープすることにより導電性を有しているシリコン基板であってもよい。不純物元素としては、シリコンにドープすることによりp型となるB等の不純物元素、または、n型となるP、Sb等の不純物元素が挙げられる。また、マイクロチャネルヒートシンク630は、シリコン基板の表面等におけるパターン形成やエッチング等による加工を行なうことにより形成されるものであるため、シリコン基板630の表面は平坦であることが好ましい。よって、シリコン基板630は両面が鏡面処理されているものが好ましい。また、本実施の形態では、酸化膜671及び672は、プラズマCVDにより膜厚が1〜2μmとなるように形成されている。尚、図50(a)は、この工程を示す上面図(凹部が形成される面、即ち、酸化膜671の形成されている面の図)であり、図50(b)は、図50(a)における一点鎖線50A−50Bにおいて切断した断面図であり、図50(c)は、図50(a)における一点鎖線50C−50Dにおいて切断した断面図である。
次に、図51に示すように、酸化膜671の表面にレジストパターン673を形成する。具体的には、酸化膜671の表面にフォトレジストを塗布し、プリベークした後、露光装置による露光、現像を行なうことにより、酸化膜671が除去される領域に開口部を有するレジストパターン673を形成する。この際、必要に応じて酸化膜672の形成されている面には、全面にレジストが塗布されている。尚、図51(a)は、この工程を示す上面図であり、図51(b)は、図51(a)における一点鎖線51A−51Bにおいて切断した断面図であり、図51(c)は、図51(a)における一点鎖線51C−51Dにおいて切断した断面図である。
次に、図52に示すように、RIEまたはウエットエッチング等を行なうことにより、レジストパターン673の形成されていない領域の酸化膜671を除去する。具体的には、バッファドフッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングを所定の時間行なうことにより、レジストパターン673が形成されていない領域における酸化膜671を除去する。この後、レジストパターン673を有機溶剤等により除去する。これにより酸化膜671からなるマスクが形成される。尚、図52(a)は、この工程を示す上面図であり、図52(b)は、図52(a)における一点鎖線52A−52Bにおいて切断した断面図であり、図52(c)は、図52(a)における一点鎖線52C−52Dにおいて切断した断面図である。
次に、図53に示すように、酸化膜672の表面にレジストパターン674を形成する。具体的には、酸化膜672の表面にフォトレジストを塗布し、プリベークした後、露光装置による露光、現像を行なうことにより、酸化膜672が除去される領域に開口部を有するレジストパターン674を形成する。尚、図53(a)は、この工程を示す底面図(凹部が形成される面と反対側の面、即ち酸化膜672の形成されている面の図)であり、図53(b)は、図53(a)における一点鎖線53A−53Bにおいて切断した断面図であり、図53(c)は、図53(a)における一点鎖線53C−53Dにおいて切断した断面図である。
次に、図54に示すように、RIEまたはウエットエッチング等を行なうことにより、レジストパターン674の形成されていない領域の酸化膜672を除去する。具体的には、バッファドフッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングを所定の時間行なうことにより、レジストパターン674が形成されていない領域における酸化膜672を除去する。この後、レジストパターン674を有機溶剤等により除去する。これにより酸化膜672からなるマスクが形成される。尚、図54(a)は、この工程を示す底面図であり、図54(b)は、図54(a)における一点鎖線54A−54Bにおいて切断した断面図であり、図54(c)は、図54(a)における一点鎖線54C−54Dにおいて切断した断面図である。
次に、図55に示すように、酸化膜671が形成されている面に凹部651を形成する。具体的には、酸化膜671が形成されている面において、DRIEによるシリコンの選択エッチングを行なうことにより凹部651を形成する。凹部651は酸化膜671が形成されていない領域におけるシリコンを所定の深さまで除去することにより形成する。この際、同時に溝部676も形成される。尚、図55(a)は、この工程を示す上面図であり、図55(b)は、図55(a)における一点鎖線55A−55Bにおいて切断した断面図であり、図55(c)は、図55(a)における一点鎖線55C−55Dにおいて切断した断面図である。
次に、図56に示すように、酸化膜672が形成されている面よりDRIEによるエッチングを行なうことにより穴部692及び693を形成する。具体的には、酸化膜672が形成されている面において、酸化膜672の形成されていない領域のシリコンをDRIEにより除去することにより貫通させる。これにより2つの穴部692及び693を形成する。穴部692及び693は冷却媒体をチャネル631a及び631bに導入するための入口及び排出するための出口となるものであり、側面基板661の長手方向の両端部分近傍に各々形成される。この際、同時に溝部676の底面のシリコンも、溝部676に対応する反対側の面から行なわれるDRIEによるエッチングにより除去され、溝部676が貫通する。これにより、シリコン基板650は各々マイクロチャネルヒートシンク630の側面基板661となる領域ごとに分離することができる。尚、図56(a)は、この工程を示す上面図であり、図56(b)は、図56(a)における一点鎖線56A−56Bにおいて切断した断面図であり、図56(c)は、図56(a)における一点鎖線56C−56Dにおいて切断した断面図であり、図56(d)は、図56(a)における一点鎖線56E−56Fにおいて切断した断面図である。
次に、図57に示すように、酸化膜671及び672を除去する。具体的には、バッファドフッ酸等を用いたウエットエッチングにより、酸化膜671及び672を除去する。このようにして、シリコン基板650を加工することにより側面基板661が形成される。尚、側面基板662についても、同様の工程を行なうことにより形成することができる。図57(a)は、この工程を示す底面図であり、図57(b)は、図57(a)における一点鎖線57A−57Bにおいて切断した断面図であり、図57(c)は、図57(a)における一点鎖線57C−57Dにおいて切断した断面図であり、図57(d)は、図57(a)における一点鎖線57E−57Fにおいて切断した断面図である。
次に、図58に示すように、中央基板560の凹部551が形成されている面と側面基板661の凹部651が形成されている面を対向させて接合することにより、中央基板560の凹部551と側面基板661の凹部561とによりチャネル631aが形成される。また、中央基板560の凹部552が形成されている面と側面基板662の凹部652が形成されている面を対向させて接合することにより、中央基板560の凹部552と側面基板662の凹部562とによりチャネル631bが形成される。本実施の形態では、中央基板560と側面基板661及び662の接合方法は、シリコン同士の直接接合、接合される部分に金属膜を形成し、この金属膜を用いた共晶接合、または、接合材料を用いた接合等が挙げられる。尚、図58(a)は、この工程を示す上面図であり、図58(b)は、図58(a)における一点鎖線58A−58Bにおいて切断した断面図であり、図58(c)は、図58(a)における一点鎖線58C−58Dにおいて切断した断面図である。
次に、図59に示すように、凸部532の形成されている面に金メッキ層581を形成する。この金メッキ層581は凸部532の形成されている面の全面に形成する。具体的には、凸部532が形成されている面に、Ti/Au膜(Ti:50nm/Au:200nm)をスパッタリングにより成膜した後、無電解メッキを施すことにより、2〜2.5μmの金メッキ層581を凸部532が形成されている面の全面に形成する。このようにして、マイクロチャネルヒートシンク630を作製することができる。尚、図59(a)は、この工程を示す上面図であり、図59(b)は、図59(a)における一点鎖線59A−59Bにおいて切断した断面図であり、図59(c)は、図59(a)における一点鎖線59C−59Dにおいて切断した断面図である。
以上により、本実施の形態における本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク630を作製することができる。
上記説明では、側面基板には凸部が設けられていない構造のものについて説明したが、側面基板にも凸部を形成したものであってもよい。具体的には、図60に示されるように、中央基板560に形成される凸部532と同様の凸部を側面基板663及び664にも形成してもよい。即ち、中央基板560に形成される凸部532に対応して、側面基板663に凸部632aを形成し、側面基板664に凸部632bを形成して、中央基板560に側面基板663及び664を接合する。この後、凸部532、632a及び632bの形成されている面に金メッキ層681を形成したものであってもよい。
尚、上記以外の内容については、第4の実施の形態と同様である。また、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク630は、第4の実施の形態における半導体装置と同様の半導体装置に組み込むことができ、これにより本実施の形態における冷却装置を有する半導体装置を得ることができる。
〔第6の実施の形態〕
(冷却装置)
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第4の実施の形態と同様にシリコン基板を加工することにより形成されるものであって、第4の実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク530とはチャネルの形状等が異なるものである。
図61に基づき本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク730について説明する。本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク730は、シリコン基板を加工することにより形成された中央基板760の両面に側面基板661及び662を接合した構造のものである。側面基板661及び662には、各々凹部が各々設けられており、各々凹部が形成されている面が、中央基板760と接合されて形成されている。これにより、側面基板661に設けられた凹部によりチャネル731aが形成され、側面基板662に設けられた凹部により、チャネル731bが形成される。尚、中央基板760の端部における面には、凸部732が形成されており、凸部732が形成されている面には全面に金メッキ層781が形成されている。
(製造方法)
次に、本実施の形態における冷却装置の製造方法について説明する。本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク730は、第4の実施の形態と同様にシリコン基板等の基板面において加工を行なうことにより形成される。尚、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク730の側面基板661及び662は、第5の実施の形態と同様の方法により作製されるものであり、具体的には、図50から図57に示す工程により作製される。
以下に、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク730の中央基板760の作製方法を主に説明する。
最初に、図62に示すように、シリコン基板750の一方の面に酸化膜771を形成する。具体的には、CVD、熱酸化によりシリコン基板750の一方の面の表面に酸化膜771を形成する。シリコン基板750は不純物元素をドープすることにより導電性を有しているシリコン基板であってもよい。不純物元素としては、シリコンにドープすることによりp型となるB等の不純物元素、または、n型となるP、Sb等の不純物元素が挙げられる。シリコン基板750の厚さは、例えば、一般的には、200〜525μmが多く用いられるが、半導体チップ10の幅や大きさ等に応じた厚さのシリコン基板750を用いることがこのましい。本実施の形態では、シリコン基板750は厚さが約200μmのものを用いている。また、マイクロチャネルヒートシンク730は、シリコン基板550の面上でパターン形成やエッチング等による加工を行なうことにより形成されるものであるため、シリコン基板750の表面は平坦であることが好ましい。よって、シリコン基板750は両面が鏡面処理されているものが好ましい。また、本実施の形態では、酸化膜771は、プラズマCVDにより膜厚が1〜2μmとなるように形成されている。尚、図62(a)は、この工程を示す上面図であり、図62(b)は、短手方向からみた側面図であり、図62(c)は、長手方向から見た側面図である。
次に、図63に示すように、酸化膜771の表面にレジストパターン773を形成する。具体的には、酸化膜771の表面にフォトレジストを塗布し、プリベークした後、露光装置による露光、現像を行なうことにより、酸化膜771が除去される領域に開口部を有するレジストパターン773を形成する。尚、図63(a)は、この工程を示す上面図であり、図63(b)は、短手方向からみた側面図であり、図63(c)は、長手方向から見た側面図である。
次に、図64に示すように、RIEまたはウエットエッチング等を行なうことにより、レジストパターン773の形成されていない領域の酸化膜771を除去する。具体的には、バッファドフッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングを所定の時間行なうことにより、レジストパターン773が形成されていない領域における酸化膜771を除去する。この後、レジストパターン773等を有機溶剤等により除去する。尚、図64(a)は、この工程を示す上面図であり、図64(b)は、短手方向からみた側面図であり、図64(c)は、長手方向から見た側面図である。
次に、図65に示すように、酸化膜771が形成されている面において、酸化膜771が形成されていない領域のシリコンをDRIEにより除去する。これにより凸部732の周囲におけるシリコンが除去され凸部732が形成される。尚、図65(a)は、この工程を示す上面図であり、図65(b)は、短手方向からみた側面図であり、図65(c)は、長手方向から見た側面図である。
次に、図66に示すように、酸化膜771を除去する。具体的には、バッファドフッ酸等を用いたウエットエッチングにより、酸化膜771を除去する。このようにして、シリコン基板750を加工することにより中央基板760が形成される。尚、図66(a)は、この工程を示す上面図であり、図66(b)は、短手方向からみた側面図であり、図66(c)は、長手方向から見た側面図である。
次に、図67に示すように、中央基板760の側面の両側に各々側面基板661及び662を接合する。側面基板661及び662は、図57に示される構造のものであり、側面基板661を中央基板760の一方の面に接合し、側面基板662を中央基板760の他方の面に接合することにより、チャネル731a及び731bを形成する。具体的には、中央基板760の一方の面に側面基板661の凹部651が形成されている面を接合することにより、側面基板661と中央基板760に囲まれた凹部651によりチャネル731aが形成される。中央基板760の他方の面に側面基板662の凹部652が形成されている面を接合することにより、側面基板662と中央基板760に囲まれた凹部652によりチャネル731bが形成される。本実施の形態では、中央基板760と側面基板761及び762の接合方法は、シリコン同士の直接接合、接合される部分に金属膜を形成し、この金属膜を用いた共晶接合、または、接合材料を用いた接合等が挙げられる。尚、図67(a)は、この工程を示す上面図であり、図67(b)は、図67(a)における一点鎖線67A−67Bにおいて切断した断面図であり、図67(c)は、図67(a)における一点鎖線67C−67Dにおいて切断した断面図である。
次に、図68に示すように、凸部732の形成されている面に金メッキ層781を形成する。この金メッキ層781は凸部732の形成されている面の全面に形成される。具体的には、凸部732が形成されている面に、Ti/Au膜をスパッタリングにより成膜した後、無電解メッキを施すことにより、2〜2.5μmの金メッキ層781を凸部732が形成されている面の全面に形成する。このようにして、マイクロチャネルヒートシンク730を作製することができる。尚、図68(a)は、この工程を示す上面図であり、図68(b)は、図68(a)における一点鎖線68A−68Bにおいて切断した断面図であり、図68(c)は、図68(a)における一点鎖線68C−68Dにおいて切断した断面図である。
以上により、本実施の形態における本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク730を作製することができる。
上記説明では、側面基板には凸部が設けられていない構造のものについて説明したが、側面基板にも凸部を形成したものであってもよい。具体的には、図69に示されるように、中央基板760に形成される凸部732と同様の凸部が側面基板663及び664にも形成されているものであってもよい。即ち、中央基板760に形成される凸部732と同様に、側面基板663に凸部632aを形成し、側面基板664に凸部632bを形成し、凸部732、632a及び632bの形成されている面に金メッキ層781を形成したものであってもよい。
尚、上記以外の内容については、第4または第5の実施の形態と同様である。また、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク730は、第4の実施の形態における半導体装置と同様の半導体装置に組み込むことができ、これにより本実施の形態における冷却装置を有する半導体装置を得ることができる。
〔第7の実施の形態〕
(冷却装置)
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第4の実施の形態等と同様にシリコン基板を加工することにより形成されるものであって、1のチャネルが形成されるものである。
図70に基づき本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク830について説明する。本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク830は、シリコン基板を加工することにより形成された中央基板860の両面に側面基板661及び662を接合した構造のものである。側面基板661及び662には、各々凹部が各々設けられており、各々凹部が形成されている面が、中央基板860と接合されて形成されている。これにより、側面基板661及び662に設けられた凹部と中央基板860により、チャネル831が形成される。尚、中央基板860の端部における面には、凸部832が形成されており、凸部832が形成されている面には全面に金メッキ層881が形成されている。
(製造方法)
次に、本実施の形態における冷却装置の製造方法について説明する。本実施の形態における冷却装置であるマイクロチャネルヒートシンク830は、第4の実施の形態等と同様にシリコン基板等の基板面上において加工を行なうことにより形成される。尚、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク830の側面基板661及び662は、第5の実施の形態と同様の方法により作製されものであり、具体的には、図50から図57に示す工程により作製される。
以下に、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク830の中央基板860の作製方法を主に説明する。
最初に、図71に示すように、シリコン基板850の一方の面に酸化膜871を形成する。具体的には、CVD、熱酸化によりシリコン基板850の一方の面の表面に酸化膜871を形成する。シリコン基板850は不純物元素をドープすることにより導電性を有しているシリコン基板であってもよい。不純物元素としては、シリコンにドープすることによりp型となるB等の不純物元素、または、n型となるP、Sb等の不純物元素が挙げられる。シリコン基板850の厚さは、例えば、一般的には、200〜525μmが多く用いられるが、半導体チップ10の幅や大きさ等に応じた厚さのシリコン基板850を用いることがこのましい。本実施の形態では、シリコン基板850は厚さが約200μmのものを用いている。また、マイクロチャネルヒートシンク830は、シリコン基板850の面上でパターン形成やエッチング等による加工を行なうことにより形成されるものであるため、シリコン基板850の表面は平坦であることが好ましい。よって、シリコン基板850は両面が鏡面処理されているものが好ましい。また、本実施の形態では、酸化膜871は、プラズマCVDにより膜厚が1〜2μmとなるように形成されている。尚、図71(a)は、この工程を示す上面図であり、図71(b)は、図71(a)における一点鎖線71A−71Bにおいて切断した断面図であり、図71(c)は、図71(a)における一点鎖線71C−71Dにおいて切断した断面図である。
次に、図72に示すように、酸化膜871の表面にレジストパターン873を形成する。具体的には、酸化膜871の表面にフォトレジストを塗布し、プリベークした後、露光装置による露光、現像を行なうことにより、酸化膜871が除去される領域に開口部を有するレジストパターン873を形成する。尚、図72(a)は、この工程を示す上面図であり、図72(b)は、図72(a)における一点鎖線72A−72Bにおいて切断した断面図であり、図72(c)は、図72(a)における一点鎖線72C−72Dにおいて切断した断面図である。
次に、図73に示すように、酸化膜871が形成されている面において、酸化膜871が形成されていない領域のシリコンをDRIEにより貫通するまで除去する。これにより、シリコン基板850の内部には空洞部851が形成され、同時に、凸部832の周囲におけるシリコンは、除去され凸部832が形成される。尚、図73(a)は、この工程を示す上面図であり、図73(b)は、図73(a)における一点鎖線73A−73Bにおいて切断した断面図であり、図73(c)は、図73(a)における一点鎖線73C−73Dにおいて切断した断面図である。
次に、図74に示すように、酸化膜871を除去する。具体的には、バッファドフッ酸等を用いたウエットエッチングにより、酸化膜871を除去する。このようにして、シリコン基板850を加工することにより中央基板860を形成することができる。尚、図74(a)は、この工程を示す上面図であり、図74(b)は、図74(a)における一点鎖線74A−74Bにおいて切断した断面図であり、図74(c)は、図74(a)における一点鎖線74C−74Dにおいて切断した断面図である。
次に、図75に示すように、中央基板860の側面の両側に各々側面基板661及び662を接合する。側面基板661及び662は、図57に示される構造のものであり、側面基板661は中央基板860の一方の面に接合され、側面基板662は中央基板860の他方の面に接合され、チャネル831が形成される。具体的には、側面基板661の凹部651が形成されている面と中央基板860の一方の面とを接合し、側面基板662の凹部が形成されている面と中央基板860の他方の面とを接合する。これにより、側面基板661及び662における凹部と中央基板860空洞部851によりチャネル831が形成される。本実施の形態では、中央基板860と側面基板661及び662の接合方法は、シリコン同士の直接接合、接合される部分に金属膜を形成し、この金属膜を用いた共晶接合、または、接合材料を用いた接合等が挙げられる。尚、図75(a)は、この工程を示す上面図であり、図75(b)は、図75(a)における一点鎖線75A−75Bにおいて切断した断面図であり、図75(c)は、図75(a)における一点鎖線75C−75Dにおいて切断した断面図である。
次に、図76に示すように、凸部832の形成されている面に金メッキ層881を形成する。この金メッキ層881は凸部832の形成されている面の全面に形成される。具体的には、凸部832が形成されている面に、Ti/Au膜をスパッタリングにより成膜した後、無電解メッキを施すことにより、2〜2.5μmの金メッキ層881を凸部832が形成されている面の全面に形成する。このようにして、マイクロチャネルヒートシンク830を作製することができる。尚、図76(a)は、この工程を示す上面図であり、図76(b)は、図76(a)における一点鎖線76A−76Bにおいて切断した断面図であり、図76(c)は、図76(a)における一点鎖線76C−76Dにおいて切断した断面図である。
以上により、本実施の形態における本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク830を作製することができる。
また、本実施の形態では、図77に示すように、上述した中央基板860の両側に、図43に示される側面基板561及び562を接合した構造のものであってもよい。このような構造とすることにより、形成されるチャネル831aは冷却媒体が流れる断面積は狭くなるものの、側面基板の製造方法が簡単であるため、より低コストでマイクロチャネルヒートシンクを作製することができる。尚、図77(a)は、上面図であり、図77(b)は、図77(a)における一点鎖線77A−77Bにおいて切断した断面図であり、図77(c)は、図77(a)における一点鎖線77C−77Dにおいて切断した断面図である。
更に、上記説明では、側面基板には凸部が設けられていない構造のものについて説明したが、図78に示されるように、側面基板にも凸部を形成したものであってもよい。具体的には、図78(a)に示されるように、中央基板860に形成される凸部832と同様の凸部を側面基板663及び664に形成したものであってもよい。即ち、中央基板860に形成される凸部832に対応して、凸部632aを形成した側面基板663と、凸部632bを形成した側面基板664を作製し、中央基板860の両側に、各々側面基板663及び664を接合する。この後、凸部832、632a及び632bの形成されている面に金メッキ層881を形成する。このように形成したものであってもよい。
また、図78(b)に示されるように、中央基板860に形成される凸部832と同様の凸部を側面基板563及び564に形成したものであってもよい。即ち、中央基板860に形成される凸部832に対応して、凸部532aを形成した側面基板563と、凸部532bを形成した側面基板564を作製し、中央基板860の両側に、各々側面基板563及び564を接合する。この後、凸部832、532a及び532bの形成されている面に金メッキ層881を形成する。このように形成したものであってもよい。
また、上記においては、1枚の中央基板と2枚の側面基板とを用いて1つのチャネルを形成する場合について説明したが、図79に示すように、片側のみ凹部を有する中央基板950を用いたものであってもよい。具体的には、図79(a)に示すように中央基板950の凹部の形成された面に側面基板562を接合したチャネル931を形成した構造のものであってもよい。また、図79(b)に示すように、中央基板950の凹部の形成された面に側面基板662の凹部の形成された面を対向させて接合しチャネル931aを形成した構造のものであってもよい。尚、中央基板950には凸部932が形成されており、凸部932が形成されている面には金メッキ層981が形成されている。
更に、この場合には、側面基板として、図80(a)に示すように、凸部632aが形成された側面基板664を用いてもよく、また、図80(b)に示すように、凸部532aが形成された側面基板564を用いてもよい。尚、同様に、中央基板950には凸部932が形成されており、凸部932が形成されている面には金メッキ層981が形成されている。
また、図81に示されるように、凹部が形成された2枚の側面基板663及び664を用い、各々に形成された凹部が対向するように、側面基板663と側面基板664を接合したものであってもよい。この場合、側面基板663における凹部と側面基板664における凹部とによりチャネル931bを形成することができる。また、側面基板663には凸部632aが設けられており、側面基板664には凸部632bが設けられているため、同様のマイクロチャネルヒートシンクを作製することができる。尚、側面基板663及び664を接合した後、632a及び632bの形成されている面に金メッキ層982が形成される。
尚、上記以外の内容については、第4から第6の実施の形態と同様である。また、本実施の形態におけるマイクロチャネルヒートシンク830等は、第4の実施の形態における半導体装置と同様の半導体装置に組み込むことができ、これにより本実施の形態における冷却装置を有する半導体装置を得ることができる。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
電子回路の形成された半導体チップと、
内部に設けられた流動性を有する冷却媒体の流路となるチャネルと、外部の一面に設けられた複数の凸部と、複数の前記凸部の設けられている面に形成された金属メッキ層と、を有する冷却装置と、
を有し、複数の前記凸部は前記半導体チップの一方の面と接触しており、前記チャネル内に前記冷却媒体を流すことにより、前記半導体チップを冷却することを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記チャネルは複数設けられており、複数の前記チャネルは相互に略平行であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
複数の前記チャネルの両端には、前記冷却媒体を供給及び排出するための共通の流路入口及び流路出口が設けられていることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記4)
複数の前記チャネルの両端には、前記チャネルごとに前記冷却媒体を供給及び排出するための流路入口及び流路出口が設けられており、
複数の前記チャネルのうち一方のチャネルにおいて前記冷却媒体が流れる方向と、前記チャネルのうち他方のチャネルにおいて前記冷却媒体が流れる方向とは、逆方向であることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記5)
複数の前記チャネルは、複数の前記チャネル間に設けられたサブチャネルにより接続されていることを特徴とする付記2または3に記載の半導体装置。
(付記6)
前記冷却装置は、複数の基板を基板面方向に積層し接合することにより形成されているものであって、
前記基板の一部または全部において、前記基板の基板面には凹部が形成されており、
前記チャネルは、前記基板同士を接合することにより、前記凹部が覆われて形成されることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7)
前記チャネルの両端の近傍には、前記チャネルに前記冷却媒体を供給及び排出するための流路入口及び流路出口が設けられており、前記流路入口及び前記流路出口は、前記基板の基板面に対し略垂直方向に形成された穴部により形成されていることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記8)
前記半導体チップの他方の面は金属により形成されたパッケージと接触していることを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の半導体装置。
(付記9)
前記凸部は、前記半導体チップの一方の面に設けられている電極に対応する位置に形成されているものであることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の半導体装置。
(付記10)
前記電極はソース電極であって、
前記ソース電極は前記凸部における前記金属メッキ層と電気的に接続されており、
前記金属メッキ層は接地されていることを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
(付記11)
内部に設けられた流動性を有する冷却媒体の流路となるチャネルと、
外部の一面に設けられた複数の凸部と、
複数の前記凸部の設けられている面に形成された金属メッキ層と、
を有し、前記冷却媒体を前記チャネル内に流すことにより、前記凸部に接触しているものを冷却するものであることを特徴とする冷却装置。
(付記12)
複数の基板を積層し接合することにより形成されているものであって、
前記基板の一部または全部において、前記基板の基板面には凹部が形成されており、
前記チャネルは、前記基板同士を接合することにより、前記凹部が覆われて形成されることを特徴とする付記11に記載の冷却装置。
(付記13)
略四角柱状の基材の長手方向に沿った一方の面にチャネルとなる開口領域を形成し、前記一方の面の反対側の他方の面に凸部を形成することによりマイクロチャネルヒートシンクの下部を形成する工程と、
前記チャネルに冷却媒体が供給及び排出される流路入口及び流路出口となる開口領域を形成しマイクロチャネルヒートシンクの上部を形成する工程と、
前記マイクロチャネルヒートシンクの下部と前記マイクロチャネルヒートシンクの上部とを接合する工程と、
前記凸部の形成されている面に金属メッキ層を形成する工程と、
を有することを特徴とする冷却装置の製造方法。
(付記14)
中央基板と側面基板とを接合することにより形成される冷却装置の製造方法において、
前記中央基板の前記側面基板と接合される面、または、前記側面基板の前記中央基板と接合される面における基板面を加工することによりチャネルとなる凹部を形成する工程と、
前記中央基板における基板側面に凸部を形成する工程と、
前記側面基板の基板面を加工することにより前記チャネルに冷却媒体を供給及び排出するための穴部を形成する工程と、
前記中央基板と前記側面基板とを接合することにより、前記中央基板及び前記側面基板により囲まれた前記凹部により前記チャネルを形成する工程と、
前記凸部の形成されている面に金属メッキ層を形成する工程と、
を有することを特徴とする冷却装置の製造方法。
(付記15)
前記凹部を形成する工程において、前記凹部は前記中央基板及び前記側面基板の双方に形成されるものであることを特徴とする付記14に記載の冷却装置の製造方法。
(付記16)
前記側面基板を2枚有しており、前記2枚の側面基板は、前記中央基板の一方の面に接合される側面基板と他方の面に接合される側面基板であって、
凹部を形成する工程において、前記凹部は前記中央基板の両面に各々形成されるものであって、
前記中央基板の両面の各々に形成された前記凹部を前記側面基板により各々覆うことにより、2つのチャネルを形成するものであることを特徴とする付記14に記載の冷却装置の製造方法。
(付記17)
前記側面基板を2枚有しており、前記2枚の側面基板は、前記中央基板の一方の面に接合される側面基板と他方の面に接合される側面基板であって、
凹部を形成する工程において、前記凹部は前記側面基板に形成され、
前記側面基板の各々に形成された前記凹部を前記中央基板により各々覆うことにより、2つのチャネルを形成するものであることを特徴とする付記14に記載の冷却装置の製造方法。
(付記18)
凹部を形成する工程において、更に、前記側面基板において前記中央基板と接合される面にも凹部が形成されるものであることを特徴とする付記16に記載の冷却装置の製造方法。
(付記19)
前記側面基板を2枚有しており、前記2枚の側面基板は、前記中央基板の一方の面に接合される側面基板と他方の面に接合される側面基板であって、
凹部を形成する工程において、前記凹部は前記側面基板に形成され、前記中央基板には前記凹部に対応した領域を貫通する空洞部を形成するものであって、
前記側面基板の各々に形成された前記凹部と前記中央基板に形成された空洞部により、1つのチャネルを形成するものであることを特徴とする付記14に記載の冷却装置の製造方法。
(付記20)
前記凹部を形成する工程または、前記中央基板における基板側面に凸部を形成する工程は、DRIEにより行なわれるものであることを特徴とする付記14から19のいずれかに記載の冷却装置の製造方法。