JP2009064932A - レーザアレイ用冷却装置、レーザモジュール及びレーザ光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザアレイの熱を均一に排熱する従来のモジュール構造では、レーザアレイの発光点の温度が均一にならなかった。
【解決手段】本発明のレーザモジュールは、複数のレーザ素子を配列してなるレーザアレイ2と、このレーザアレイ2を実装する冷却体3とを備える。冷却体3は、冷媒を流すための冷媒流路を内部に有し、この冷媒流路は、レーザアレイ2の実装領域におけるレーザ素子の配列方向で、レーザアレイの中央部から両端部に向けて冷媒の流れを分岐させる分岐流路27を含んでいる。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザアレイ用冷却装置、レーザモジュール及びレーザ光源装置に関する。
高出力の半導体レーザは、高出力、高密度、波長が非常に鋭いピークを持つ事、小型といった特徴から、高効率な固体レーザの励起用光源などの産業用途として使用されている。また、更なる高出力、高集積化を実現するために、レーザダイオード等の半導体レーザ素子を1つのチップにアレイ状に並べた形態のレーザアレイも一般化している。しかし、レーザアレイは、例えば10mm×1〜2mmのチップサイズに対して出力と同程度の数十Wを排熱する。このため、レーザアレイは、マイクロチャネルに代表される高排熱の冷却体の上にレーザアレイを実装したレーザモジュールの形態で用いられている。
図12は下記特許文献1に開示された従来のレーザモジュールの側断面図である。図示したレーザモジュール51は、大きくは、レーザアレイ52と、当該レーザアレイ52を冷却する冷却体53とによって構成されている。
レーザアレイ52は、細長いバー状に形成されたチップ部材である。レーザアレイ52は、複数の高出力半導体レーザ素子(レーザダイオード等)を有するもので、レーザ出力時に発熱体となる。
冷却体53は、第1受熱体54、中受熱体55及び第2受熱体56によって構成されている。第1受熱体54と第2受熱体56は、冷却体53の中間層となる中受熱体55を介して積層接合されている。第1受熱体54の上面にはレーザアレイ52が実装されている。また、第2受熱体56の下面には、冷却液の入口開口部57と出口開口部58が設けられている。
図13は図12に示す冷却体の分解図である。中受熱体55は、第1中受熱体551、第2中受熱体552及び第3中受熱体553からなる3層構造になっている。第1中受熱体551、第2中受熱体552及び第3中受熱体553には、それぞれ同じ位置に導入路59が形成されている。また、第1中受熱体551及び第3中受熱体553には、それぞれ同じ位置に放熱フィン60が形成され、第2中受熱体552にはスリット61が形成されている。さらに、第3中受熱体553には導出路62が形成されている。
上記構成からなる中受熱体55は、第1中受熱体551と第3中受熱体553の間に第2中受熱体552を挟み込んだ状態で、それらを互いに重ね合わせることにより一体化される。また、第1中受熱体551の外側に第1受熱体54を積層するとともに、第3中受熱体553の外側に第2受熱体56を積層することにより、冷却体53が一体化される。
このように冷却体53を一体化することにより、冷却体53の内部には、上記3層構造の中受熱体55によって冷却液の流路63,64が形成される。この流路63,64は、冷却体53の内部に冷却液を循環的に流すためのものである。
上記構成からなるレーザモジュール51を駆動する場合は、冷却体53の中受熱体55に設けられた入口開口部57及び出口開口部58のうち、入口開口部57に冷却液供給管66を接続するとともに、出口開口部58に冷却液排出管67を接続する。冷却液供給管66及び冷却液排出管67は、図示しない冷熱源に接続されるものである。
冷熱源では、冷却液供給管66を通して冷却体53に供給した冷却液を、冷却液排出管67を通して回収するとともに、当該回収した冷却液の温度を所定温度に調整し、この温調済みの冷却液を再び冷却液供給管66を通して冷却体53に供給することにより、冷却液を循環させる。
上記の接続状態で冷却体53に冷却液供給管66を通して冷却液を供給すると、冷却液は、第2受熱体56の入口開口部57から中受熱体55の導入路59を通して第1受熱体54の下面(レーザアレイ52が取り付けられている面と反対側の面)に導かれる。
その後、冷却液は、第1受熱体54の下面に沿って流路63内をレーザアレイ52の実装位置側に流れる。さらに、冷却液は、レーザアレイ52の実装位置の下で、中受熱体55に形成された放熱フィン60とスリット61を通して第2受熱体56側に流れ込む。第2受熱体56側に流れ込んだ冷却液は、第2受熱体56の上面に沿って流路64内を流れるとともに、その途中で導入路59の周りを迂回して導出路62に達し、そこから出口開口部58を通して冷却液排出管67に排出される。
こうした冷却液の循環的な流れのなかで、レーザアレイ52の駆動によって発生する熱は、第1受熱体54に沿って流れる冷却液との熱交換により、第1受熱体54や中受熱体55の放熱フィン60などを介して冷却液へと受け渡され、かつ当該冷却液と一緒に冷却液排出管67へと排出される。
冷却液の流路63は、レーザアレイ52の幅(長手寸法)と同等の幅まで広がっている。このため、スリット61を通過した冷却液は、レーザアレイ52の裏面から均一に熱を受け取る仕組みになっている。また、冷却体53を構成する第1受熱体54、中受熱体55及び第2受熱体56は、いずれも熱伝導の高い銅などの薄板を用いて構成される。このため、冷却体53の熱抵抗は非常に小さく、しかも放熱フィン60がエッチングやプレスなどで精密かつ狭ピッチで加工形成されているため、熱交換率が非常に高いものとなる。
特開2004−335653号公報
しかしながら、上記従来のレーザモジュール51においては、レーザアレイ52の全幅に対して冷却液を均一に供給するように、冷却体53内の流路63,64を形成しているため、レーザアレイ52の長手方向に温度勾配が生じやすいという欠点があった。さらに詳述すると、レーザアレイ52の長手方向には複数の半導体レーザ素子が一定の間隔で並んでいるため、レーザアレイ52を駆動した場合は、特に発光点の隣接によって放熱が抑制されるレーザアレイ52の中央部に熱が集中しやすくなる。したがって、冷却体53に供給される冷却液との熱交換によってレーザアレイ52の熱を均一に吸い取っても、レーザアレイ52の中央部が両端部よりも高温になる。その結果、レーザアレイ52の長手方向に温度勾配が生じてしまう。特に、最近はレーザアレイ52の高出力化の要求から、個々の発光点の高出力化と狭ピッチ化が盛んに検討され、これに伴ってレーザアレイ52の部位ごとの温度格差が顕著になりつつある。
これに対して、レーザアレイ52を構成する個々の半導体レーザ素子の発振周波数(波長)は、温度に依存して変化する。すなわち、温度が高くなると、半導体レーザ素子の発振周波数は低くなり、反対に温度が低くなると、半導体レーザ素子の発振周波数は高くなる。このため、発光点が隣接し熱が集中して高温になるレーザアレイ52の中央部の発光点からは相対的に長い波長のレーザ光が出射され、両端部(中央部よりも低温)の発光点からは相対的に短い波長のレーザ光が出射される。その結果、例えば、レーザアレイ52からのレーザ光の照射によって固体レーザを励起する場合は、レーザアレイ52から出射されるレーザ光の一部が固体レーザの吸収波長を逸脱し、励起効率が低下してしまうことになる。
本発明に係るレーザアレイ用冷却装置は、複数のレーザ素子を配列してなるレーザアレイを実装する冷却体を備え、前記冷却体は、冷媒を流すための冷媒流路を内部に有し、前記冷媒流路は、前記レーザアレイの実装領域における前記レーザ素子の配列方向で、前記レーザアレイの中央部から両端部に向けて前記冷媒の流れを分岐させる分岐流路を含むものである。
本発明に係るレーザモジュールは、複数のレーザ素子を配列してなるレーザアレイと、
前記レーザアレイを実装する冷却体とを備え、前記冷却体は、冷媒を流すための冷媒流路を内部に有し、前記冷媒流路は、前記レーザアレイの実装領域における前記レーザ素子の配列方向で、前記レーザアレイの中央部から両端部に向けて前記冷媒の流れを分岐させる分岐流路を含むものである。
本発明に係るレーザ光源装置は、複数のレーザ素子を配列してなるレーザアレイと、前記レーザアレイを駆動する駆動手段と、前記レーザアレイを実装する冷却体とを備え、前記冷却体は、冷媒を流すための冷媒流路を内部に有し、前記冷媒流路は、前記レーザアレイの実装領域における前記レーザ素子の配列方向で、前記レーザアレイの中央部から両端部に向けて前記冷媒の流れを分岐させる分岐流路を含むものである。
本発明に係るレーザアレイ用冷却装置、レーザモジュール及びレーザ光源装置においては、冷却体の内部に冷媒流路の一部として分岐流路を形成し、この分岐流路によって冷媒をレーザアレイの中央部から両端部に向けて流すことにより、発光による熱が集中しやすいレーザアレイの中央部では相対的に温度が低い冷媒で熱交換が行なわれ、発光による熱が集中しにくいレーザアレイの両端部では相対的に温度が高い冷媒で熱交換が行なわれるようになる。このため、
本発明によれば、従来よりもレーザアレイの発光点の温度を均一化して、レーザ出力波長の狭スペクトル化を実現することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係るレーザ光源装置の概略構成を示すもので、図中(A)は当該レーザ光源装置の上面図、(B)は当該レーザ光源装置の側面図、(C)は当該レーザ光源装置の下面図である。
レーザ光源装置1は、レーザアレイ2と、このレーザアレイ2を冷却する冷却体3と、レーザアレイ2を駆動する駆動回路を搭載した駆動基板4と、レーザアレイ2を駆動するための電流を供給する電源5とを備えた構成となっている。このうち、レーザアレイ2と冷却体3は、本発明におけるレーザモジュールを構成するものである。
レーザアレイ2は、複数の半導体レーザ素子(不図示)を一定の間隔で一方向に並べた細長いバー状(略直方体状)のチップ部材である。複数の半導体レーザ素子は、レーザアレイ2の長手方向に並んでいる。このため、半導体レーザ素子の配列方向(並び方向)には、複数の半導体レーザ素子と同じ間隔で複数の発光点(レーザ光の出射部)が並んだ構造となる。各々の発光点は、レーザアレイ2の長辺側の一端面に横一列に並んで配列される。レーザアレイ2は、レーザモジュールやこれを含むレーザ光源装置の用途により、例えば複数の高出力半導体レーザ素子(レーザダイオード等)を用いて構成される。また、レーザアレイ2は、駆動基板4とともに冷却体3に実装されている。
冷却体3は、本発明におけるレーザアレイ用冷却装置を構成するものである。レーザアレイ用冷却装置は、冷却体3だけで構成してもよいし、この冷却体3に配管等を介して接続される冷熱源(不図示)との組み合わせで構成してもよい。冷却体3は、熱的には高い熱伝導性を有し、電気的には高い導電性を有するものである。
冷却体3の一方の面は受熱面6となっており、この受熱面6にレーザアレイ2と駆動基板4が実装されている。冷却体3の受熱面6は、レーザアレイ2で発生した熱を直接受け取る面である。また、冷却体3の他方の面には入口開口部7と出口開口部8設けられている。入口開口部7は、図示しない冷熱源で生成された冷媒を冷却体3の内部に取り込むための開口(孔)である。出口開口部8は、入口開口部7から冷却体3の内部に取り込まれた冷媒を、図示しない冷熱源に戻すために冷却体3の外部に排出するための開口(孔)である。
本発明の実施形態においては、冷媒の一例として、冷却液(例えば、冷却水)を用いることとする。
図2は図1に示す冷却体を構成する各層の受熱体の構造を示す平面図であって、図中(A)は第1受熱体11の構造、(B)は第2受熱体12及び第3受熱体13の構造、(C)は第4受熱体14の構造をそれぞれ示している。各々の受熱体11〜14の短手方向の中心線Kは、それらを積層して一体化したときに、互いに重なり合って同一線上に位置するものとなる。
冷却体3は、第1受熱体11、第2受熱体12、第3受熱体13及び第4受熱体14からなる4層の積層体で構成されている。各々の受熱体11〜14の平面的な外形は、いずれも長手寸法と短手寸法が共通の矩形状となっている。各々の受熱体11〜14は、例えば厚さ0.5mmの薄板状の部材であって、熱伝導率の高い金属材料、例えば無酸素銅を用いて構成されている。このうち、第2受熱体12、第3受熱体13及び第4受熱体14は、例えば、薄い銅板をウェットエッチングによって所望の形状(パターン)に加工することにより、1回のエッチング工程で多数個取りが可能であるため、大量生産に好適である。
第1受熱体11は、平面視矩形状の平らな薄板であって、一方の面を上記受熱面6としている。第1受熱体11の受熱面6にはレーザアレイ2を実装するための実装領域9が設定されている。したがって、レーザアレイ2は、受熱面6の実装領域9に合わせて冷却体3に実装される。より具体的には、レーザアレイ2の実装領域9は第1受熱体11の一方の短辺側の端縁部に沿って設定され、この実装領域9に導電性ペーストを用いてレーザアレイ2が実装されている。そして、この実装状態の下で、レーザアレイ2のp(+)面は、第1受熱体11の受熱面6に熱的かつ電気的に接続されている。
レーザアレイ2の実装に用いる導電性ペーストとしては、例えば、高融点で信頼性の高い金−スズ系又はスズ系のはんだペーストを用いることが好ましい。また、冷却体3の表面には、当該冷却体3を一体化した後、レーザアレイ2のはんだ実装性を向上させるため、ニッケル−金メッキを施すことが好ましい。
こうして冷却体3に実装されたレーザアレイ2と駆動基板4の間には複数本の金属ワイヤ(例えば、金ワイヤ)15が架け渡されている。金属ワイヤ15は、レーザアレイ2と駆動基板4とを電気的に接続するものである。金属ワイヤ15は、レーザアレイ2に設けられた複数の半導体レーザ素子に対して、駆動電流を供給するためのものである。金属ワイヤ15の一端はレーザアレイ2のn(−)面に形成された金製のn電極に接続され、金属ワイヤ15の他端は駆動基板4上に形成された電流供給用のマイナス電極に接続されている。金属ワイヤ15が接続される駆動基板4の表面には、予めTi(チタン)−Pt(白金)−Au(金)が蒸着されている。
一方、第4受熱体14には、上述した入口開口部7と出口開口部8が設けられている。入口開口部7は、円形に形成されている。出口開口部8は、仕切り部10で仕切られた半月型の孔を2つ組み合わせることで、全体として円形に形成されている。各々の開口部7,8は、いずれも第4受熱体14を貫通する状態に形成されている。また、入口開口部7の中心は、第4受熱体14の短手方向の中心線K上に位置し、出口開口部8の中心となる仕切り部10も、入口開口部7と同じ中心線K上に位置している。
第2受熱体12及び第3受熱体13は、互いに全く同じ形状に形成されている。したがって、ここでは第2受熱体12の構造を代表として説明する。第2受熱体12は、例えば一様な厚さを有する薄い金属製の板(本形態例では銅板)をウェットエッチングによって所定の形状(パターン)に加工することにより得られるものである。
第2受熱体12は、当該第2受熱体12の外形に沿う外枠部21と、この外枠部21に囲まれた領域内に設けられた中子部22と、外枠部21と中子部22をつなぐ支持部23とを一体に有している。外枠部21、中子部22及び支持部23は、互いに同じ厚みで形成されている。外枠部21で囲まれた領域内は、中子部22及び支持部23を除いて、すべてウェットエッチング等でくり抜かれている。冷却体3の内部では、このくり抜き部分が、冷媒(本形態例では冷却液)を流すための冷媒流路となる。
中子部22には中心軸Kに沿ってU字形の切り欠き溝24が形成され、この切り欠き溝24の両側が二股状の流路形成部25となっている。第2受熱体12の短手方向において、各々の流路形成部25は、それぞれに対応する長辺側の外枠部21との間に、後述する迂回流路の流路幅相当の間隔を隔てて対向する状態に配置されている。また、第2受熱体12の長手方向において、各々の流路形成部25の端部は、短辺側の外枠部21との間に、後述する分岐流路の流路幅相当の間隔を隔てて対向する状態に配置されている。分岐流路の流路幅は、レーザアレイ2の実装領域9の短手寸法と同等の寸法に設定されるものである。
支持部23は、細長いバー状(リード状)に形成されている。支持部23は、外枠部21の内側に配置された中子部22を支持するものである。支持部23は、第2受熱体12の中心軸K上に形成されている。支持部23の一端部は外枠部21に接続され、支持部23の他端部は中子部22に接続されている。支持部23の外径(太さ)は、上記仕切り部10の外径と同一寸法に設定されている。
このような構造の第2受熱体12を、当該第2受熱体12と同一形状の第3受熱体13に重ね合わせ、さらに第2受熱体12側に第1受熱体11を、第3受熱体13側に第4受熱体14を重ね合わせて、それらの積層体に高い圧力を印加しつつ、高温下で拡散接合することにより、冷却体3が一体化される。
こうして冷却体3(受熱体11〜14)を一体化した状態では、第4受熱体14の入口開口部7が、第2受熱体12の切り欠き溝24の奥側(底部)に配置されるとともに、第4受熱体14の出口開口部8を構成する2つ(一対)の半月孔が、第2受熱体12の支持部23を挟む位置関係で当該支持部23の両側に配置される。
また、第3受熱体13の内部には、第1受熱体11と第4受熱体14の間(対向部分)に、第2受熱体12と第3受熱体13の形状にしたがって冷媒流路が形成される。この冷媒流路は、図3に示すように、主として、導入流路26、分岐流路27及び迂回流路28によって構成されている。導入流路26は、入口開口部7を通して取り込まれる冷媒の流れをレーザアレイ2の実装領域9側に導くものである。
分岐流路27は、導入流路26によって導かれた冷媒の流れをレーザアレイ2の中心部から両端部に向けて分岐させるものである。導入流路26の終端部は分岐流路27の入口部分に接続され、この入口部分で冷媒の流れが一方と他方に分岐するようになっている。分岐流路27による冷媒の分岐位置(すなわち、分岐流路27の入口部分)は、レーザアレイ2の実装領域9における半導体レーザ素子の配列方向で、レーザアレイ2の中心部に設定されている。このため、分岐流路27は、レーザアレイ2の実装領域9において、半導体レーザ素子の配列方向の中心位置となる中心線Kを基準に左右対称(線対称)に形成されている。
分岐流路27は、冷却体3を第1受熱体11側から見たときに、図4に示すように、レーザアレイ2の実装領域9のほぼ真下に配置される。この場合、導入流路26の流路幅で規定される分岐流路27の入口部分(分岐部分)の幅W1は、実装領域9に実装されるレーザアレイ2の長手寸法L1の43%以下に設定するのが好ましい。また、レーザ発振方向における分岐流路27の幅W2は、実装領域9に実装されるレーザアレイ2の短手寸法L2の155%以下設定することが好ましい。
迂回流路28は、分岐流路27によって分岐させた冷媒の流れを迂回させて出口開口部8へと導くものである。冷却体3の内部には、独立した2本の迂回流路28が形成されている。各々の迂回流路28の入口部分は、それぞれに対応する分岐流路27の終端部に接続されている。また、各々の迂回流路28の終端部は支持部23で閉じられている。
なお、冷却体3の構成として、第1受熱体11と第4受熱体14との間に、まったく同じ形状の受熱体12,13を介在させて、全体的に4層の構造とした理由は、銅等の金属板をエッチングで加工できる板厚に限界があり、真ん中が1層だけの構造では所望の流路高さを確保できないためである。したがって、冷却体3の積層構造としては、上述した4層の構造に限らず、5層以上の多層構造であってもよい。
駆動基板4は、第1受熱体11の受熱面6内で、レーザアレイ2の実装領域9から所定の距離を隔てた位置に実装されている。駆動基板4は、レーザアレイ2の長手寸法と同等の長手寸法を有する平面視矩形状の回路基板であって、レーザアレイ2と平行な向きで実装されている。駆動基板4は、例えば、表裏面の絶縁のためにセラミック基板を用いて構成され、第1受熱体11の受熱面6に対しては、例えばエポキシ系の接着剤を用いて接着固定されている。駆動基板4は、電源5から供給される電流を、レーザアレイ2の各々の半導体レーザ素子に分配して供給するものである。
電源5は、レーザアレイ2の駆動に必要な電流を供給するものである。電源5のマイナス端子は、マイナス配線29を介して駆動基板4に電気的に接続されている。また、電源5のプラス端子は、プラス配線30を介して冷却体3の表面(第4受熱体14の外側面)に電気的に接続されている。この電源5は、上述した駆動基板4とともに、本発明における駆動手段を構成するものである。
上記構成からなるレーザ光源装置においては、電源5から駆動基板4を通してレーザアレイ2の各々の各半導体レーザ素子に駆動電流を供給することにより、レーザアレイ2の各々の発光点からレーザ光が同時に出射される。このとき、発熱体となるレーザアレイ2を冷却するために、冷却体3の入口開口部7には図示しない冷媒供給管を接続し、冷却体3の出口開口部8には図示しない冷媒排出管を接続する。
冷媒供給管及び冷媒排出管は、図示しない冷熱源に接続されるものである。冷熱源では、冷媒供給管を通して冷却体3に供給した冷媒(本形態例では冷却液)を、冷媒排出管を通して回収するとともに、当該回収した冷媒の温度を所定温度に調整し、この温調済みの冷媒を再び冷媒供給管を通して冷却体3に供給することにより、冷媒を循環させる。
上記の接続状態で冷却体3に冷媒供給管を通して冷却液を供給すると、冷却液は、第4受熱体14の入口開口部7から冷却体3内に取り込まれて冷媒流路(26,27,28)を流れた後、第4受熱体14の出口開口部8から冷媒排出管へと排出される。このとき、冷却体3内での冷却液の流れを矢印で示すと上記図3のようになる。
まず、第4受熱体14の入口開口部7から取り込まれた冷却液は、導入流路26に沿って流れた後、分岐流路27の分岐位置に到達する。分岐流路27の分岐位置では、冷却液の流れが左右二手に分岐する。このため、分岐流路27の分岐位置で分岐した冷却液は、分岐流路27に沿ってレーザアレイ2の中心部から両端部に向けて流れる。
ここで、冷却体3内の分岐流路27は、冷却体3の受熱面6に実装されているレーザアレイ2の下方(ほぼ真下)に位置している。また、レーザアレイ2の熱は、第1受熱体11に素早く伝わる。このため、レーザアレイ2の駆動によって発生する熱は、図5に示すように、レーザアレイ2の下(分岐流路27)を流れる冷却液との熱交換により、冷却液へと受け渡される。したがって、分岐流路27の途中では、第1受熱体11を介して伝えられるレーザアレイ2の熱を受け取りながら、冷却液がレーザアレイ2の中心部から両端部に向かって流れる。このため、レーザアレイ2から第1受熱体11に伝わった熱は、冷却液(冷媒)の流れにしたがってレーザアレイ2の中央部から両端部に向けて排熱される。なお、図5は、図1のD−D位置での断面構造を模式的に示している。
その後、冷却液は、分岐流路27の終端部から迂回流路28へと流れ込む。こうして迂回流路28に流れ込んだ冷却液は、中子部22を迂回するように迂回流路28に沿って流れた後、迂回流路28の終端部で第4受熱体14の出口開口部8から冷媒排出管へと排出される。
こうした冷却液の循環的な流れのなかで、レーザアレイ2の駆動によって発生する熱は、主として分岐流路27を流れる冷却液との熱交換により、冷却液へと受け渡され、かつ当該冷却液と一緒に冷媒排出管へと排出される。
本発明の第1実施形態においては、入口開口部7から冷却体3内に取り込まれた冷却液が、分岐流路27に案内されてレーザアレイ2の中心部から両端部に向けて流れる。このとき、冷却液はレーザアレイ2からの熱を順次受け取りながら流れる。このため、分岐流路27の終端部に到達した冷却液の温度は、分岐流路27の入口部分に到達した冷却液の温度よりも高くなる。したがって、レーザアレイ2の中央部では相対的に温度が低い冷却液で熱交換を行ない、レーザアレイ2の両端部では相対的に温度が高い冷却液で熱交換を行なうことになる。
これに対して、レーザアレイ2の駆動によって発生する熱は、半導体レーザ素子の配列方向で、レーザアレイ2の両端部よりも中心部に集中しやすくなる。このため、発光による熱が集中しやすいレーザアレイ2の中央部では相対的に温度が低い冷却液で熱交換を行ない、発光による熱が集中しにくいレーザアレイ2の両端部では相対的に温度が高い冷却液で熱交換を行なうことにより、レーザアレイ2の長手方向で各発光点の温度を均一化することができる。したがって、レーザアレイ2を駆動した場合に、各発光点の温度差による発振周波数のずれを小さく抑えることができる。その結果、レーザアレイ2の各々の半導体レーザ素子から均一な波長でレーザ光を出射させることが可能となり、レーザアレイ2全体でレーザ出力波長の狭スペクトル化が図られる。
図6は分岐流路27を流れる冷却水の温度とレーザアレイ2の発光点の温度の関係を示す図である。図において、エミッタ番号は、レーザアレイ2の長手方向における発光点の位置を示している。そして、エミッタ番号で10番の位置が、レーザアレイ2の長手方向の中心位置となっている。この図からも分かるように、分岐流路27を流れる冷却水の温度(冷媒温度)は、レーザアレイ2の中央部から両端部に向かって20℃から25℃の範囲で徐々に上昇しているが、レーザアレイ2の各発光点の温度は、当該レーザアレイ2の長手方向全域にわたってほぼ一定の温度(32度付近)に維持されている。
<第2実施形態>
図7は本発明の第2実施形態に係るレーザ光源装置の概略構成を示すもので、図中(A)は当該レーザ光源装置の上面図、(B)は当該レーザ光源装置の側面図、(C)は当該レーザ光源装置の下面図である。この第2実施形態においては、上記第1実施形態と同様の構成部分に同じ符号を付して説明する。
この第2実施形態においては、上記第1実施形態と比較して、特に、冷却体3の構成が異なっている。すなわち、上記第1実施形態においては、冷却体3が4層の構造となっているが、本第2実施形態においては、冷却体3が第1受熱体31と第2受熱体32からなる2層の構造となっている。
冷却体3の一方の面は受熱面33となっており、この受熱面33にレーザアレイ2と駆動基板4が実装されている。冷却体3の受熱面33は、レーザアレイ2で発生した熱を直接受け取る面である。また、冷却体3の他方の面には入口開口部34と出口開口部35が設けられている。入口開口部34は、図示しない冷熱源で生成された冷媒を冷却体3の内部に取り込むための開口(孔)である。出口開口部35は、入口開口部34から冷却体3の内部に取り込まれた冷媒を、図示しない冷熱源に戻すために冷却体3の外部に排出するための開口(孔)である。
図8は図7に示す冷却体を構成する各層の受熱体の構造を示す平面図であって、図中(A)は第1受熱体31の構造、(B)は第2受熱体32の構造をそれぞれ示している。各々の受熱体31,32の短手方向の中心線Kは、それらを積層して一体化したときに、互いに重なり合って同一線上に位置するものとなる。
各々の受熱体31,32の平面的な外形は、いずれも長手寸法と短手寸法が共通の矩形状となっている。また、各々の受熱体31,32は、例えばセラミックス又は炭素を用いて構成されている。各々の受熱体31,32の材料として、セラミックス又は炭素を用いた場合は、冷却体3の腐食耐性が向上し、信頼性を高めることができる。また、機械加工(切削加工等)で冷却体3を作製することができるため、エッチング等で作製する場合に比較して、冷却体3の内部構造を精密に形成することができる。このため、冷却性能のばらつきが小さく、製品歩留まりが高くなる。また、冷却体3の積層数が最少の2層となっているため、部品点数が少なく、低コスト化に好適である。
第1受熱体31は、平面視矩形状の平らな薄板であって、一方の面を上記受熱面33としている。第1受熱体31の受熱面33にはレーザアレイ2を実装するための実装領域36が設定されている。また、この実装領域36を含めて、第1受熱体31の受熱面33には、当該受熱面33に導電性を持たせるために、例えばニッケル−金メッキが施されている。これに対して、レーザアレイ2は、受熱面33の実装領域36に合わせて冷却体3に実装される。より具体的には、レーザアレイ2の実装領域36は第1受熱体31の一方の短辺側の端縁部に沿って設定され、この実装領域36に導電性ペーストを用いてレーザアレイ2が実装されている。そして、この実装状態の下で、レーザアレイ2のp(+)面は、第1受熱体31の受熱面33に熱的かつ電気的に接続されている。また、電源5のマイナス端子は、マイナス配線29を介して駆動基板4に電気的に接続され、電源5のプラス端子は、プラス配線30を介して冷却体3の受熱面33(メッキ処理面)に電気的に接続されている。
一方、第2受熱体32には、上述した入口開口部34と出口開口部35が設けられている。入口開口部34及び出口開口部35は、それぞれ円形に形成されている。各々の開口部34,35は、いずれも第2受熱体32を貫通する状態に形成されている。また、入口開口部34の中心は、第2受熱体32の短手方向の中心線K上に位置し、出口開口部35の中心も、入口開口部34と同じ中心線K上に位置している。
第2受熱体32は、当該第2受熱体32の外径に沿う外枠部37と、この外枠部37に囲まれた領域内に設けられた中子部38と、一対の分岐フィン39とを一体に有している。外枠部37、中子部38及び分岐フィン39は、互いに同じ厚みで形成され、入口開口部34及び出口開口部35を除く他の部分は、外枠部37、中子部38及び分岐フィン39よりも一段凹んだ状態で形成されている。冷却体3の内部では、この凹み部分が、冷媒(本形態例では冷却液)を流すための冷媒流路となる。
外枠部37の一部は、出口開口部35に向かって傾斜する傾斜部37Aを形成している。これに対して、中子部38の一部も、出口開口部35に向かって傾斜する傾斜部38Aを形成している。これらの傾斜部37A,38Aは、後述する迂回流路の一部を形成するもので、互いに平行な向きで形成されている。
また、中子部38には中心軸Kに沿ってU字形の切り欠き溝40が形成され、この切り欠き溝40の両側が二股状の流路形成部41となっている。切り欠き溝40の奥側(底部)には上述した入口開口部34が配置されている。第2受熱体32の短手方向において、各々の流路形成部41は、それぞれに対応する長辺側の外枠部37との間に、後述する迂回流路の流路幅相当の間隔を隔てて対向する状態に配置されている。また、第2受熱体32の長手方向において、各々の流路形成部41の端部は、短辺側の外枠部37との間に、後述する分岐流路の流路幅相当の間隔を隔てて対向する状態に配置されている。分岐流路の流路幅は、レーザアレイ2の実装領域36の短手寸法と同等の寸法に設定されるものである。
一対の分岐フィン39は、分岐流路を流路幅方向で2分割するように略L字形に形成されている。各々の分岐フィン39は、分岐流路の入口部分から終端部にわたって冷媒の流れに沿うように形成されている。また、一対の分岐フィン39は、レーザアレイ2の実装領域36において、半導体レーザ素子の配列方向の中心位置となる中心線Kを基準に左右対称(線対称)に形成されている。分岐フィン39の一端と他端は、それぞれ角部を面取りした状態の、いわゆる面取り形状に形成されている。
このような構造の第2受熱体32に対して、例えば銀−銅ロウを用いて第1受熱体31を接合することにより、冷却体3が一体化される。こうして冷却体3(受熱体31,32)を一体化した状態では、第2受熱体32の形状にしたがって冷却体3の内部に冷媒流路が形成される。この冷媒流路は、図9に示すように、導入流路42、分岐流路43及び迂回流路44によって構成されている。導入流路42は、入口開口部34を通して取り込まれる冷媒の流れをレーザアレイ2の実装領域36側に導くものである。
分岐流路43は、導入流路42によって導かれた冷媒の流れをレーザアレイ2の中心部から両端部に向けて分岐させるものである。導入流路42の終端部は分岐流路43の入口部分に接続され、この入口部分で冷媒の流れが一方と他方に分岐するようになっている。分岐流路43による冷媒の分岐位置(すなわち、分岐流路43の入口部分)は、レーザアレイ2の実装領域36における半導体レーザ素子の配列方向で、レーザアレイ2の中心部に設定されている。このため、分岐流路43は、レーザアレイ2の実装領域36において、半導体レーザ素子の配列方向の中心位置となる中心線Kを基準に左右対称(線対称)に形成されている。
分岐流路43は、冷却体3を第1受熱体31側から見たときに、レーザアレイ2の実装領域36のほぼ真下に配置される。分岐流路43の幅については、上記第1実施形態の条件と同様に設定することが望ましい。
迂回流路44は、分岐流路43によって分岐させた冷媒の流れを迂回させて出口開口部35へと導くものである。冷却体3の内部には、独立した2本の迂回流路44が形成されている。各々の迂回流路44の入口部分はそれぞれに対応する分岐流路43の終端部に接続されている。また、各々の迂回流路44の終端部には、上述した出口開口部35が配置されている。
上記構成からなるレーザ光源装置においては、電源5から駆動基板4を通してレーザアレイ2の各々の各半導体レーザ素子に駆動電流を供給することにより、レーザアレイ2の各々の発光点からレーザ光が同時に出射される。このとき、発熱体となるレーザアレイ2を冷却するために、冷却体3の入口開口部34には図示しない冷媒供給管を接続し、冷却体3の出口開口部35には図示しない冷媒排出管を接続する。
上記の接続状態で冷却体3に冷媒供給管を通して冷却液を供給すると、冷却液は、第2受熱体32の入口開口部34から冷却体3内に取り込まれて冷媒流路(42,43,44)を流れた後、第2受熱体32の出口開口部35から冷媒排出管へと排出される。このとき、冷却体3内での冷却液の流れを矢印で示すと上記図9のようになる。
まず、第2受熱体32の入口開口部34から取り込まれた冷却液は、導入流路42に沿って流れた後、分岐流路43の分岐位置に到達する。分岐流路43の分岐位置では、冷却液の流れが、一対の分岐フィン39により、左右2系統ずつの計4系統に分岐するとともに、当該分岐した冷却液が、分岐流路27に沿ってレーザアレイ2の中心部から両端部に向けて流れる。
ここで、冷却体3内の分岐流路43は、冷却体3の受熱面33に実装されているレーザアレイ2の下方(ほぼ真下)に位置している。また、レーザアレイ2の熱は、第1受熱体31に素早く伝わる。このため、レーザアレイ2の駆動によって発生する熱は、レーザアレイ2の実装領域36の下(分岐流路43)を流れる冷却液との熱交換により、冷却液へと受け渡される。したがって、分岐流路43の途中では、第1受熱体31を介して伝えられるレーザアレイ2の熱を受け取りながら、冷却液がレーザアレイ2の中心部から両端部に向かって流れる。このため、レーザアレイ2から第1受熱体31に伝わった熱は、冷却液(冷媒)の流れにしたがってレーザアレイ2の中央部から両端部に向けて排熱される。
その後、上述のように左右2系統ずつに分岐した冷却液は、分岐流路43の終端部で合流し、迂回流路44へと流れ込む。こうして迂回流路44に流れ込んだ冷却液は、中子部38を迂回するように迂回流路44に沿って流れた後、迂回流路44の終端部で第2受熱体32の出口開口部35から冷媒排出管へと排出される。
こうした冷却液の循環的な流れのなかで、レーザアレイ2の駆動によって発生する熱は、主として分岐流路43を流れる冷却液との熱交換により、冷却液へと受け渡され、かつ当該冷却液と一緒に冷媒排出管へと排出される。
本発明の第2実施形態においては、入口開口部34から冷却体3内に取り込まれた冷却液が、分岐流路43に案内されてレーザアレイ2の中心部から両端部に向けて流れる。このため、上記第1実施形態と同様の理由により、レーザアレイ2の長手方向で各発光点の温度を均一化し、発振周波数のずれを小さく抑えることができる。また、導入流路42によって分岐流路43に導かれる冷却液の流れを、一対の分岐フィン39で4系統に分岐させることにより、上記第1実施形態よりも高い熱交換率でレーザアレイ2の熱を排出することができる。
すなわち、一対の分岐フィン39を設けた場合は、分岐流路43の入口部分や終端部で冷却液の乱流が発生する。また、導入流路42から分岐流路43への導かれた冷却液が、一対の分岐フィン39に接触しつつ分岐流路43内を流れるため、分岐流路43において、第1受熱体31と冷却液との接触面積が広く確保される。この結果、レーザアレイ2からの熱を受け取る第1受熱体31と分岐流路43を流れる冷却液との間の熱交換率を向上させることができる。
また、各々の分岐フィン39の端部を面取り形状又はラウンド形状に形成すれば、分岐流路43で冷却液の乱流が発生しやすくなる。さらに、分岐フィン39の近傍に配置される流路形成部41の端部コーナー部についても、面取り形状又はラウンド形状に形成することで、より乱流が発生しやすいものとなる。
図10は温度計で測定した各発光点の温度分布の測定結果を示す図である。この測定においては、従来例、第1実施形態及び第2実施形態の各構成につき、同一ロットのウエハから切り出した均一な波長をもつ高出力で、発光点間隔が狭ピッチのレーザアレイを使用してレーザモジュールを作製した。図において、エミッタ番号は、レーザアレイ2の長手方向における発光点の位置を示している。そして、エミッタ番号で10番の位置が、レーザアレイ2の長手方向の中心位置となっている。また、エミッタ温度は、各々のエミッタ番号に対応する発光点の温度を示している。
この図から分かるように、従来例(図12、図13参照)の構成を採用した場合は、発光点の温度が、レーザアレイの中央部で約34.5℃、レーザアレイの両端部で約32℃で、その差は2.5℃となっている。これは、隣接する発光点の温度上昇が大きく影響し、発光点温度に分布ができたためである。
これに対して、上記第1実施形態の構成を採用した場合は、発光点の温度が、レーザアレイの中央部で約34.2℃、レーザアレイの両端部でも低い方で約34.1℃、高い方で約34.2℃で、その差は最大で約0.1℃となっている。これは、分岐流路でレーザアレイ2の中央部から両端部に向けて冷媒を流すことで、各発光点の温度を実質的に均一にした結果である。
第2実施形態の構成を採用した場合は、レーザアレイの中央部と両端部で、いずれも約32.1℃で、上記第1実施形態よりも2℃ほど低温となっている。これは、分岐フィン39の存在によって熱交換率が向上した結果である。また、第1実施形態と比較すると、発光点温度のばらつきが小さくなっているが、これは機械加工によって精密に分岐フィン39と分岐流路43を形成できたためと思われる。
図11はレーザアレイの発振波長の比較図であり、図中(A)は従来例、(B)は第1実施形態、(C)は第2実施形態に対応している。図11(A)〜(C)においては、それぞれ縦軸にレーザ出力強度、横路にレーザ発振波長をとっている。
まず、従来例の構成を採用した場合は、図11(A)に示すように、レーザアレイの発振波長の半値全幅が3.6nmで、双山に分かれている。これは高出力化に伴い、隣接した発光点の熱の相互作業が増大したことに起因している。
一方、第1実施形態の構成を採用した場合は、図11(B)に示すように、レーザアレイの半値全幅が2.2nmで、従来例よりも狭くなっている。また、第2実施形態の構成を採用した場合は、図11(C)に示すように、レーザアレイの半値全幅が1.6nmで、第1実施形態よりも狭くなっており、ピーク波長が短波長化している。
なお、上記第2実施形態においては、一対の分岐フィン39を形成することにより、分岐流路で冷媒の流れを計4系統に分岐させるものとしたが、これに限らず、分岐フィンの数を増やすことで、冷媒の流れを6系統又はそれ以上に分岐させることも可能である。
また、本発明は、レーザアレイ2を構成する各々のレーザ素子の発振波長(色調)に関係なく、例えば青色レーザなどを含めて、様々な発振波長をもつレーザアレイ2の排熱を行なうものに広く適用可能である。また、本発明に係るレーザ光源装置は、例えば固体レーザの励起用光源やレーザ加工機用の光源として適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るレーザ光源装置の概略構成を示す図である。 図1に示す冷却体を構成する各層の受熱体の構造を示す平面図である。 冷却体の内部に形成される媒体流路を示す平面図である。 レーザアレイと分岐流路の位置関係を示す図である。 図1のD−D位置での断面構造を模式的に示す図である。 分岐流路を流れる冷却水の温度とレーザアレイの発光点の温度の関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレーザ光源装置の概略構成を示す図である。 図7に示す冷却体を構成する各層の受熱体の構造を示す平面図である。 冷却体の内部に形成される冷媒流路を示す平面図である。 各発光点の温度分布の測定結果を示す図である。 レーザアレイの発振波長の比較図である。 従来のレーザモジュールの側断面図である。 図12に示す冷却体の分解図である。
符号の説明
1…レーザ光源装置、2…レーザアレイ、3…冷却体、4…駆動基板、5…電源、9,36…実装領域、26,42…導入流路、27,43…分岐流路、28,44…迂回流路、39…分岐フィン

Claims (7)

  1. 複数のレーザ素子を配列してなるレーザアレイを実装する冷却体を備え、
    前記冷却体は、冷媒を流すための冷媒流路を内部に有し、
    前記冷媒流路は、前記レーザアレイの実装領域における前記レーザ素子の配列方向で、前記レーザアレイの中央部から両端部に向けて前記冷媒の流れを分岐させる分岐流路を含む
    ことを特徴とするレーザアレイ用冷却装置。
  2. 前記冷却体は、前記分岐流路の入口部分で前記冷媒の流れを2系統以上に分岐させる分岐フィンを有する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザアレイ用冷却装置。
  3. 前記分岐流路は、前記レーザアレイの実装領域において、前記レーザ素子の配列方向の中心位置を基準に対称に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザアレイ用冷却装置。
  4. 前記分岐フィンの端部を面取り形状又はラウンド形状に形成してなる
    ことを特徴とする請求項2記載のレーザアレイ用冷却装置。
  5. 前記冷却体を金属、セラミックス又は炭素で構成してなる
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザアレイ用冷却装置。
  6. 複数のレーザ素子を配列してなるレーザアレイと、
    前記レーザアレイを実装する冷却体とを備え、
    前記冷却体は、冷媒を流すための冷媒流路を内部に有し、
    前記冷媒流路は、前記レーザアレイの実装領域における前記レーザ素子の配列方向で、前記レーザアレイの中央部から両端部に向けて前記冷媒の流れを分岐させる分岐流路を含む
    ことを特徴とするレーザモジュール。
  7. 複数のレーザ素子を配列してなるレーザアレイと、
    前記レーザアレイを駆動する駆動手段と、
    前記レーザアレイを実装する冷却体とを備え、
    前記冷却体は、冷媒を流すための冷媒流路を内部に有し、
    前記冷媒流路は、前記レーザアレイの実装領域における前記レーザ素子の配列方向で、前記レーザアレイの中央部から両端部に向けて前記冷媒の流れを分岐させる分岐流路を含む
    ことを特徴とするレーザ光源装置。
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