JP4695372B2 - 紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法 - Google Patents

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本発明は、透過光のうちの紫外線を遮断する紫外線遮断用の障子紙の製造法に関する。
なお、本願明細書でいう「障子紙」とは、障子の枠に貼り付ける古典的な障子紙のほか、窓ガラスに貼り付ける紙材、電灯フ−ド用の紙材、ペ−パ−スクリ−ン用の紙材等、視界を遮り採光を求めるために事務所、店舗および住宅用として使用される紙材を総称するものとする。
従来から、種々の用途のシ−ト材に紫外線遮断機能を付与したものが多く提案されており、とくに、紫外線遮断機能を有する布繊維材、紙質材については下記の特許文献に記載されている。
例えば、特許文献1には、感熱記録紙として、感熱発色層中に、ベンゾ−ル系、サリチル酸系、シアノアクリレ−ト系の紫外線吸収剤を含有したものが、また、特許文献2には、壁紙としてのアクリル樹脂フィルムにベンゾトリアゾ−ル系の紫外線吸収剤を含有したものが、さらに、特許文献3には、印刷物の保護フィルムとして基材フィルムの片面に紫外線吸収剤を含有した耐候層を設け、他の面に粘着層を設けたものが開示されている。
また、特許文献4には、芯部に酸化チタンを、鞘部に酸化チタンとベンゾオキサザ−ル系蛍光増白剤を含有せしめた同心円状の芯鞘型ポリエステル複合糸を用いてなる不透明性ポリエステル布帛が提案されている。
さらに、特許文献5には、第1紫外線吸収剤及び染料を含む部分および第2紫外線吸収剤を含む部分を含むヒトの皮膚に直接装着される繊維製品が提案されている。
またさらに、特許文献6には、紫外線吸収剤(UVA)および蛍光増白剤(UWA)として有用な新規化合物によって、紡織繊維材料の日光防御率(SPF=sun protection factor)を向上させることが開示されている。
特開平10−235996 特開2000−226779 特開2000−319609 特開平8−144151 特開2003−147617 特開平10−87638
従来から、紙自体が本来的に紫外線を遮断する素材であるとされ、紙自体が有する透光能を利用する障子紙においては、透過光から紫外線を積極的に除外する必要がないとされ、そのための格別の処置は施されていなかった。
ところが、近年、地球の温暖化、オゾンホ−ルの破壊などによって太陽光に含まれる紫外線の量が増大し、人体そのものも紫外線に対し過敏になったため、直接の太陽光が入らない屋内でも紫外線を防ぐ必要が生じるようになった。
本発明は、日本式居間や事務所、店舗に自然光を柔らかく透過させて室内に独特の生活環境を作り出す障子紙の本来の特性と機能を失うことなく積極的に紫外線を遮断する機能を付加して係る生活環境の劣化に対抗するものである。
具体的には、米坪量が30〜100g/mの障子紙において、紙材自体が持つ可視光線の独特の透過能、40%〜75%程度の不透明度、70%以上の白色度の特性を有する障子紙の紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法を提供することにある。
本発明は、紫外線防護率(UPF)を20以上とした米坪量が30〜100g/m である紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法であって、紫外線A波(UV−A)を吸収する蛍光増白剤染料を紙漉の段階で紙材に混合し、金属酸化物粉末からなる紫外線反射剤を溶融紡糸段階または紙漉の段階で紙材に混合するか、または、シート状紙材に塗布するか、または、フィルムとして貼付することによって、白色度が70%以上であって、不透明度が40%〜75%の障子紙としたことを特徴とする。
すなわち、本発明において、紫外線の遮断機能を高めるとは、皮膚に日焼けなどの短期的なダメ−ジを与える波長が290nm〜320nmの紫外線B波(UV−B)と、皮膚に長期的なダメ−ジを与える320nm〜400nmの紫外線A波(UV−A)の透過率を低下させることを意味し、数値で表すと紫外線防護率(UPF)を20以上、好ましくは25以上、さらに好ましくは30以上とすることを意味する。
紫外線防護率(UPF)は、例えば、「Happi・July 2003・www.Happi.com (UV Absorbers For Fabrics)」で報告されているように、皮膚に対するダメ−ジから決定される日光防御率(SPF)とほぼ1:1の関係にあり、米国の皮膚ガン財団(The Skin Cancer Foundation)によれば、皮膚に対する紫外線による影響を低減するため最低で日光防御率(SPF)=15が推奨されている。したがって、紫外線防護率(UPF)を20以上とすることで、皮膚に対する紫外線による短期的及び長期的なダメ−ジを問題にならない程度とすることができる。なお、市販の障子紙のUPFは最高でも15程度である。
ここで、紫外線防護率(UPF)の意味を、例えば、窓のある部屋に新調の畳が敷いてある場合の畳の変色との関係で説明すると、窓に障子を入れない、すなわち遮蔽物がないとき(UPF値は1)は、畳が10日間で変色する部屋において、UPF値が10の市販の障子紙を貼った障子を窓に入れたときは、畳は100日間で変色することになり、UPF値が20以上の障子紙を窓に入れたときは、畳が200日以上経たないと変色しないことになる。したがって、UPF値が20以上の障子紙を使用すると、UPF値が10の市販の障子紙を使用した場合に比べて、その部屋に住む人も2倍以上紫外線から守られていることになる。
また、本願発明でいう紫外線防護率(UPF)は、単純に紫外線透過量(%)から換算したものではなく、紫外線の波長ごとの太陽光の地上に到達する紫外線量と皮膚に対するダメ−ジの強さを考慮して加重計算したもので、本明細書では、上記の米国の皮膚ガン財団が採用しているLabsphereの測定方法に準じて測定したものを示しており、従来、この紫外線防護率(UPF)で障子紙の紫外線の遮断機能を評価すること自体が初めてである。
米国の皮膚ガン財団が採用しているLabsphereの測定方法は、AS/NZS 4399:1996(Australian/New Zealand Standard "Sun protective clothing−Evaluation and classification") に準じたもので、下記の計算式を採用している。
Figure 0004695372
したがって、例えば何も遮蔽物が無かったら、Tλ=1となるため、上記の計算式において分子と分母が同じ値となり、UPF=1となる。
また、皮膚ガン財団の資料によると、紫外線防護率(UPF)と紫外線カット率%は、以下のように定義されている。
UPF=100/(紫外線透過率%)
紫外線カット率%=100−100/UPF
これらの紫外線透過率・カット率は、上記のUPFの算出式からわかるように、単純に波長ごとの紫外線透過率・カット率を積算したものに、波長ごとに地上に届く紫外線量の係数と皮膚に対するダメ−ジを与える強さの係数を乗じたものである。上記の定義より、例えば、UPF=20の場合、紫外線透過率%は、100/UPF=100/20=5%となり、紫外線カット率%は、100−5=95%となる。
ちなみに、日本国内で一般的に使われている紫外線透過率・カット率は、単純に波長ごとの透過率を積算したものである。例えば、日本化学繊維協会・染色加工技術専門委員会が纏めた、紫外線カット素材の加工効果の統一評価方法(ガイドライン)(平成4年5月12日)によると以下のとおりである。
「分光光度計を用い、波長280〜400nmの透過率を測定し、これの積分値か、または遮蔽率[遮蔽率=(1−Ta(透過率)×100)]の積分値のいずれかにより、紫外線カットの効果を判定する。」
また、この日本化学繊維協会のガイドラインには、評価基準の中の表示用語に関して、以下の記載がある。
(1)紫外線の人体に与える影響を意味する表記は適切ではない。
(2)繊維製品を透過し、皮膚に当る紫外線量を減少させることを意味する言葉として適切な用語を使用することが適当。その解説の中に、以下の記載がある。
適当な例 :紫外線遮へい加工 A級(紫外線遮へい率90%以上)
不適当な例:紫外線反射加工(紫外線反射率90%)
このように、日本化学繊維協会の紫外線カット(遮へい)率は、紫外線の人体に与える影響を意味するものではない。これに対して、本発明で使用するUPF(紫外線防護率)と、それに伴う「紫外線透過率」、「紫外線カット率」は、上述のように紫外線の人体に与える影響を数値化したものであって、使用者の素材の選択には「UPF」や「紫外線カット率」の数値が大きい方を選べばよいという利点があり、これを障子紙に適用すること自体新規である。
本発明の障子紙において、紙材としては、例えば、こうぞ、三ツ又、がん皮、麻等の天然の靭皮繊維、木材パルプ、コットンリンタ−パルプ、レ−ヨン等のセルロ−ス系繊維の単体又は複合材を原料とした紙材が使用できる。
紙材の主原料であるパルプなどのセルロ−ス繊維は、本来、紫外線吸収剤として機能する。とくに、セルロ−ス繊維中に不純物として存在するリグニンのベンゼン環が紫外線を吸収して熱に変換することが知られている。したがって、不純物の多い未晒しのもの、すなわち、白くないものの方が紫外線吸収能力が高い。
また、紙材の原料には、ガラス繊維、マイクロガラス、ロックウ−ル、鉱さい綿、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト繊維、ホウ酸繊維、石英繊維、珪酸ガラス繊維、溶融シリカ繊維、チタン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、硝酸カルシウム繊維、フォスフェ−トファイバ−、ポロシリケ−ト繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等の無機質繊維が配合されたものでもよい。さらに、ビニロン繊維が配合されたものでもよい。
さらに、紙材シ−ト本体の湿度変化、温度変化に対する寸法安定性向上のため、疎水性感熱収縮繊維を5〜100%含有することが好ましい。
疎水性感熱収縮繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリクラ−ル、アクリル、酢酸ビニル及びそれらの誘導体等の単体又は複合の繊維が適当である。
さらに、本発明に沿って、製紙用原材料であるセルロ−ス繊維のうち、レ−ヨンなどの半合成繊維、上記の疎水性感熱収縮繊維(合成繊維)やビニロン繊維において、紫外線の遮断機能を高めるために、金属酸化物等の紫外線反射剤粉末を溶融樹脂中に混合し、ノズルから押出し繊維状に形成し、この繊維材を紙材の原料とすることもできる。この場合、繊維に練り込む金属酸化物等の紫外線反射剤粉末の配合量は、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%未満では効果が薄いし、10重量%を超えると製造困難となり不適である。
本発明では、この紫外線反射剤粉末を配合した繊維材と、上述のこうぞ、三ツ又、がん皮、麻等の天然の靭皮繊維、木材パルプ、コットンリンタ−パルプ、レ−ヨン等のセルロ−ス系繊維の単体又は複合材を原料とした紙材を使用することもできる。すなわち、本発明では、上記の繊維原料を単数又は複数選定して抄紙して障子紙としての要求物性値を満たすものならどのような配合でもかまわない。なお、紙材の繊維原料自体に紫外線遮断剤を適用する場合、それが紙を構成する主体繊維となるため、前提として、白色度が70%以上、不透明度が40%〜75%となるように、紫外線遮断剤を選択して合計で100重量%となるように配合する。
本発明において、紫外線反射剤としては、TiO2,ZnO2,Al2O3,SeO2,SiO2,CaCO3等の金属酸化物粉末を填料として配合する。
この紫外線反射剤を繊維に練り込まないで、抄紙段階や含浸加工やコ−ティング加工で紙材へを適用する場合、その配合量は、紙材に対して外掛けで1〜20重量%が好ましい。1重量%未満では歩留その他で、紫外線反射機能が期待できない。20%重量を超えると紙材自体が持つ可視光線の独特の透過能、40%〜75%程度の不透明度の確保が困難となる。
また、紫外線吸収剤としては、蛍光増白剤染料を使用する。
蛍光増白剤染料としては、例えばベンゾオキサゾ−ル系染料、スチルベン系染料、ピラゾリン系染料、クマリン系染料、ナフタルイミド系染料などが挙げられる。この蛍光増白剤染料の配合量は、紙材に対して外掛けで1重量%以下が好ましい。1重量%を超えると、褪色が激しくなり不適である。紙材への適用方法としては、抄紙段階における内添法または後加工による方法がある。内添法では、後加工法より効果が減少するが、後加工法では、加工設備投資や乾燥工程などコストが多くなる。したがって、適用方法は状況に応じて選択する。
これらの蛍光増白機能剤と紫外線反射剤は併用することが必要である。とくに、蛍光増白機能と紫外線防護機能を両立させた紫外線遮断剤としてスチルベンジスルフォン酸トリアジン誘導体を、その配合量が紙材に対して外掛けで0.2〜3重量%用いてもよい。0.2重量%未満ではその効果が期待できず、3重量%を超えるとその効果が飽和しコストも高くなる。蛍光増白剤染料は、紫外線A波(UV−A)を吸収して波長変換して100nm長波長とし、増白するものである。
ここで注意すべきことは、蛍光増白剤染料は、紫外線A波(UV−A)を吸収して波長変換して100nm長波長とし、増白するものである。それに併用する紫外線吸収剤は主に紫外線B波(UV−B)を吸収するものが適している。
そして、紫外線反射剤の紙材への適用に際しては、上述のように紙漉の段階で紙材に混合する、紙シ−ト材にコ−トする、そのまま、接着剤と混合または共重合してそのエマルジョンを塗布する。さらにアクリル酸エステルなどの粘着剤に混合または共重合して紙材へ塗布し剥離紙を設けて窓用障子紙として仕上げる。その時粘着剤の紙材への浸透を防ぐためにポリエチレン系、ポリプロピレン系、アクリル系、ポリエステル系、などの熱可塑性樹脂の遮断層を設ける場合もある。またポリエチレン系、ポリプロピレン系、アクリル系、ポリエステル系、などの熱可塑性樹脂にこれらの紫外線遮断材を混合または共重合してフィルムとして形成し、紙材へ貼付する等の手段が採用できる。紙材、接着剤、フィルム等複合層で障子紙が形成される場合は、ト−タルでUPF≧20であれば良い。その時、複合層の障子紙が米坪量=30〜100g/m、不透明度=40%〜75%、白色度=70%以上の特性を有することは勿論である。
本発明の障子紙は、障子紙の本来の特性と機能を失うことなく積極的に紫外線の遮断機能を高めたものであるため、これを事務所、店舗および住宅などの家屋に配することにより、人体に紫外線障害のない安全で、快適な生活を送ることができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
まず、比較例として従来の障子紙の紙材の原料と得られた障子紙の特性値を表1に示す。障子紙の製造は、紙材の原料を配合して機械漉きを行う通常製紙方法によって行った。なお、表1では、上述したLabsphereの測定方法に準じて測定した紫外線防護率(UPF)に加え、参考として、従来日本国内で一般的に行われているように単純に波長ごとの紫外線透過率・カット率を積算して得られた紫外線透過率・カット率を基に計算したものを単純UPFとして示している。
Figure 0004695372
表1に示すように、従来の障子紙の紫外線防護率(UPF)は最高で15である。
以下、表1に示す種類B又は種類Cの紙材に紫外線A波(UV−A)を吸収する蛍光増白剤染料を繊維の紙漉段階で紙材に混合し、さらに、金属酸化物粉末からなる紫外線反射剤を溶融紡糸段階または紙漉の段階で紙材に混合するか、または、シート状紙材に塗布するか、または、フィルムとして貼付する紫外線遮断剤を適用した本発明の実施例を示す。各実施例において、障子紙の製造は、上述した通常の製紙方法によって行った。また、各実施例において得られた障子紙の不透明度は40%〜75%であり、白色度は70%以上であった。
(実施例1)
本実施例は、表1の種類Cの紙材に蛍光増白剤染料(実施例では「蛍光染料」と称する)を原料配合の段階で添加したものである。蛍光染料としては、スチルベン系染料を用いた。得られた障子紙の特性値を表2に示す。
Figure 0004695372
表2に示すように、種類Cの紙材{ポリエステル繊維(TiO2粉末3重量%含有)85重量%配合}においてスチルベン系の蛍光染料を紙材に対して外掛けで0.1重量%以上添加することにより、紫外線防護率(UPF)が20以上の障子紙が得られた。
(実施例2)
本実施例は、表1の種類Bの紙材にスチルベン系の蛍光染料を原料配合の段階で添加したものである。得られた障子紙の特性値を表3に示す。
Figure 0004695372
表3に示すように、種類Bの紙材においてスチルベン系の蛍光染料を紙材に対して外掛けで0.4重量%以上添加することにより、紫外線防護率(UPF)が20以上の障子紙が得られた。
(実施例3)
本実施例は、表1の種類Bの紙材に上記特許文献6に開示されているスチルベンジスルフォン酸トリアジン誘導体(以下「T誘導体」という)を原料配合の段階で添加したものである。得られた障子紙の特性値を表4に示す。
Figure 0004695372
表4に示すように、種類Bの紙材においてT誘導体を紙材に対して外掛けで0.2重量%以上添加することにより、紫外線防護率(UPF)が20以上の障子紙が得られた。
(比較例1)
本比較例は、表1の種類Bの紙材にスチルベン系の蛍光染料を紙材に対して外掛けで0.2重量%添加し、抄紙・乾燥後、紫外線吸収機能を有するアクリル系高分子化合物とベンゾトリアゾ−ル系の共重合物(ULS−1700=一方社製)で含浸加工したものである。得られた障子紙の特性値を表5に示す。
Figure 0004695372
表5に示すように、紫外線吸収機能を有するULS−1700を2重量%併用配合しても紫外線防護率(UPF)は11にとどまった。これは、蛍光染料の紫外線A波(UV−A)波長域の吸収効果と、ULS−1700の紫外線A波(UV−A)波長域の吸収効果が相殺し合った分、紫外線の遮断機能が低くなったためと考えられる。
このように、紫外線遮断剤を併用する場合は注意が必要で、紫外線A波(UV−A)を吸収する紫外線遮断剤(主に、蛍光増白剤)を使用する場合、併用する紫外線遮断剤としては主に紫外線B波(UV−B)を吸収するものが適している。
本発明の障子紙は、視界を遮り採光を求めるために使用される各種の紙材として利用可能である。

Claims (5)

  1. 紫外線防護率(UPF)を20以上とした米坪量が30〜100g/mである紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法であって、
    紫外線A波(UV−A)を吸収する蛍光増白剤染料を紙漉の段階で紙材に混合し、金属酸化物粉末からなる紫外線反射剤を溶融紡糸段階または紙漉の段階で紙材に混合するか、または、シート状紙材に塗布するか、または、フィルムとして貼付することによって、白色度が70%以上であって、不透明度が40%〜75%の障子紙とする紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法。
  2. 障子紙が、こうぞ、三ツ又、がん皮、麻等の天然の靭皮繊維、木材パルプ、コットンリンターパルプ、レーヨン等のセルロース系繊維、無機質繊維、合成繊維の単体または複合材を原料とした紙材からなる請求項1に記載の紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法。
  3. 紫外線反射剤が、TiO2,ZnO2,Al2O3,SeO2,SiO2,CaCO3の中の何れかの金属酸化物の中の1種または2種以上であり、この紫外線反射剤の配合量が、溶融樹脂中に混合した合成繊維材とする場合は0.1〜10重量%、それ以外の紙材に対して外掛けで1〜20重量%である請求項1に記載の紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法。
  4. 蛍光増白剤染料が、ベンゾオキサゾール系染料、スチルベン系染料、ピラゾリン系染料、クマリン系染料およびナフタルイミド系染料の中の何れか1種または2種以上であり、この蛍光増白剤染料の配合量が紙材に対して外掛けで1重量%以下である請求項1に記載の紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法。
  5. 蛍光増白剤染料が、蛍光増白機能を有するスチルベンジスルフォン酸トリアジン誘導体である場合には、その配合量が、紙材に対して外掛けで0.2〜3重量%である請求項1に記載の紫外線の遮断機能を高めた障子紙の製造法。
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