JP4695308B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタ等に用いられる照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルのような矩形状の被投射体を均一に照明するための照明光学系としては、従来より、2組のフライアイレンズアレイを組合せたインテグレータ光学系が例えば特開平3−111806号公報により知られている。
【0003】
同公報等に示されるインテグレータ光学系は、放物面反射器、楕円面反射器、双曲面反射器等のリフレクタを備えた光源からの光束を、第1のフライアイレンズアレイを構成している複数の矩形状の集光レンズにより分割して2次光源像を形成し、これらの2次光源像を第1のフライアイレンズアレイの複数の矩形状の集光レンズに対応させた複数の集光レンズを備えた第2のフライアイレンズアレイを介して同一の被投射体上に重畳結像させるようにしたものである。このようなインテグレータ光学系によれば、光源光の利用効率が向上するとともに、被投射体面上の光の強度分布をほぼ一様にすることができるとされている。特に、第1,2のフライアイレンズアレイにおける各集光レンズの形状を矩形状の被投射体のアスペクト比率に対応させて、例えば、4:3なる比率の矩形状に形成することにより光の利用効率及び強度分布の均一化を図ることができる。
【0004】
即ち、特開平3−111806号公報においては、インテグレータ光学系として、第1レンズ板に各長方形状のレンズを持つマクロレンズアレイ(通称、フライアイレンズ板)、第1レンズ板に対応したレンズを持つ第2のマクロレンズアレイを使用し、被照射体に合ったアスペクト比の照射を行なえるようにしている。そして、さらにインテグレータ光学系の外形を小さくするための光源側の構成例として、同公報中のFig.23によれば、回転楕円面鏡の第1焦点に光源を置き、第2焦点の後にコリメータレンズを置いてからインテグレータ光学系に導くようにしている。
【0005】
図12は、特開平3−111806号公報中でFig.23に示される構成例を示す。図12において、基本的には、インテグレータ光学系100の第1レンズ板に各々長方形状のレンズを持つマクロレンズアレイ(第1のフライアイレンズ)101と第1レンズに対応したレンズを持つ第2のマクロレンズアレイ(第2のフライアイレンズ)102とを使用し、被照射体である液晶パネル103に合ったアスペクト比の照射を行なうようにしている。そして、光源側としては、リフレクタである回転楕円面鏡104の第1焦点F1に配設した光源105から出射され回転楕円面鏡104により反射された光を第2焦点F2に焦点を結び、コリメータレンズ106によりインテグレータ光学系100に入射させるように構成されている。なお、図12において、107はP偏光成分とS偏光成分とが混在した光源光に関してP偏光成分のみ又はS偏光成分のみに揃える偏光整列プリズムアレイ、108,109はレンズである。
【0006】
さらに、特開平5−264904号公報によれば、図13に示すように、前述の特開平3−111806号公報方式の場合と同様に回転楕円面鏡104の第1焦点F1に光源105を置き、第2焦点F2の後にコリメータレンズ106を置いてからインテグレータ光学系に導く方式で、回転楕円面鏡104に入らない光束を球心を第1焦点F1に持つ凹面鏡110で光源105に戻し、光源105から発する光束の殆どを利用できるようにした提案がなされている。
【0007】
また、特開2001−66697公報によれば、図14に示すように、リフレクタ111に取り付けられたランプ112の管球部113の一部に反射膜114を形成して概ね球面鏡構造の光源部とすることで、光源からの光束をリフレクタ111側に返して有効に利用するようにした提案がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述の特開平3−111806号公報に示される思想は、光源105が発する光束を一旦集光し、コリメータレンズ106で平行光にすることによりインテグレータ全体のサイズを小さくし、大局的な目的を満たそうとするものである。しかしながら、この構成は光源105が発散する光束が再度集光された焦点部での光源像の大きさは元の光源像の何倍にも拡大されてしまい、コリメータレンズ106で平行光にしようとしても限界があり、インテグレータ光学系100での光利用効率を落とすことになる。
【0009】
さらに、リフレクタ(回転楕円面鏡104)の包括角θを大きくするとコリメータレンズ106への最大入射角ψも大きくなってしまい、コリメータレンズ106での効率が落ちたり、レンズの枚数を多くことが必要になる等複雑になってしまう。
【0010】
また、特開平5−264904号公報の場合には、第1焦点F1位置に球心を一致させた凹面鏡110を配置することにより、リフレクタ(回転楕円面鏡104)に取り込めない光を再帰させて利用することで光源105の発する光束の利用効率を向上させている。しかしながら、光束を一旦集光し、コリメータレンズ106で平行光にすることによりインテグレータ光学系全体のサイズを小さくし、大局的な目的を満たそうとする考え方は図12で示した従来例と同じものである。ということで、この構成は光源105が発散する光束が再度集光された焦点部での光源像の大きさは元の光源像の何倍にも拡大されてしまい、コリメータレンズ106で平行光にしようとしても限界があり、インテグレータ光学系での光利用効率を落とすことになることには変わりが無い。
【0011】
さらに、リフレクタ(回転楕円面鏡104)の包括角θを大きくするとコリメータレンズ106への最大入射角ψも大きくなってしまい、コリメータレンズ106での効率が落ちたり、レンズの枚数を多くことが必要になる等複雑になってしまう点も特開平3−111806号公報の場合と同様である。
【0012】
また、特開2001−66697公報例の場合、球面鏡による反射光は光源のアーク像を拡大(あたかも球心からの距離と同じほど外側の位置にアーク像群があるように振舞う:図14中に破線で示す部分を参照)してしまう。言い換えると、そのアーク像はリフレクタ111の焦点位置からかけ離れた位置に存在しているので、アークからの直接光に比べると、この球面反射鏡を介して得られるリフレクタ111からの光束の平行度は極端に低下してしまい、逆効果になってしまう。さらには、1000℃近くになる管壁では反射特性が短時間で劣化してしまい、図15に示すように管壁から若干浮かせた状態にしても劣化時間が少し延びる程度で実用レベルでは頻繁にランプ交換を強いられてしまう。
【0013】
そこで、本発明は、実質的に包括角を大きく取ることができ、光源光の光束の利用効率を向上させることを目的とし、具体的には、インテグレータ光学系等の出力光利用光学系に入射する光束の平行度をより一層向上させることで、例えば、インテグレータ光学系の第2フライアイレンズ面にできる光源像の大きさを点光源状に小さくすることができる照明装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、実質的に包括角を大きく取ることができ、平行化手段への入射角を小さくすることができ、効率よく平行光を得ることができる照明装置を提供することを目的とする。
【0015】
さらには、本発明は、質のよい均質な照射光を照射面に照射できる照明装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、リフレクタの少なくとも一部に楕円面鏡を用い、前記楕円面鏡の第1焦点付近に光源を配設し、この光源から出射された光束を前記楕円面鏡で反射させて第2焦点付近に向かうようにした照明装置において、前記第1焦点と前記第2焦点とを結ぶ光軸付近の一部に非鏡面の窓が形成されて前記第1焦点と前記第2焦点との間に配設され、前記光源から出射された光束のうち少なくとも前記楕円面鏡での反射光の一部を前記第2焦点より手前で反射させて前記楕円面鏡ないしは前記第1焦点付近に戻す前面鏡を備え、前記前面鏡は、平面鏡であって、前記光軸に対して直交させて前記楕円面鏡の短軸上に配置されており、前記前面鏡は、少なくとも、前記リフレクタに形成された光源保持孔の縁から前記第1焦点を通過して伸びる円錐面で切られる範囲が前記窓とされている。
【0017】
従って、基本的にリフレクタを構成する楕円面鏡により反射された光束は前面鏡の窓を通して第2焦点側に向かう一方、光源から発せられて前面鏡で反射される光束や光源から発せられて楕円面鏡で反射されさらに前面鏡で反射される光束は第1焦点を経て楕円面鏡で反射させ前面鏡の窓を通して第2焦点側に向かわせることができ、前面鏡の窓の大きさを規定するだけで実質的に包括角を大きく取ることができ、光源光の光束の殆ど全部を効率よく利用することができる。又、前面鏡が平面鏡であり基本的に作りやすい上に、リフレクタの出口を覆う前面ガラスと一体に前面鏡を設けることができる等、構成を単純にでき、精度も向上する。又、光源を実装するための光源保持孔を考慮しても、リフレクタに形成された光源保持孔による弊害を受けない範囲で極力包括角を大きく取り、光源から放出される光束を殆ど全部利用することができ、高効率の照明装置を提供できる。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明装置において、前記前面鏡は、前記第2焦点を球心とする球面鏡である。
【0023】
従って、光源から発せられて楕円面鏡で反射され球面鏡に向かう光束を再び楕円面鏡に向けて反射させ光源が位置する第1焦点を通って再び楕円面鏡で反射させるような経路を取らせることができ、光源からの光束を効率よく第2焦点側に向かわせることができる。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記前面鏡は、少なくとも、前記第1焦点位置での前記光軸に垂直な面と前記楕円面鏡との交線から前記第2焦点へ向かう円錐面で切られる範囲が前記窓とされている。
【0025】
従って、光源光の利用効率を損なうことなく極力包括角を大きく取ることができる。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の照明装置において、前記第2焦点より光軸上後段位置に平行光とするための平行化手段の最初の光学部材を配置した。
【0027】
従って、コリメータレンズ等の平行化手段に対する入射角を小さくすることができ、効率よく平行光を得ることができる。
【0028】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の照明装置において、前記前面鏡と前記第2焦点との間に平行光とするための平行化手段の最初の光学部材を配置した。
【0029】
従って、第2焦点に向かう光束をコリメータレンズ等の平行化手段により平行化することができ、後段の出力光利用光学系を詰めて配設させることができる。
【0030】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の照明装置において、前記窓は、出力光利用光学系の入力部の光学要素の入射口と相似形をなす。
【0031】
従って、前面鏡の窓が出力光利用光学系の入力部の光学要素の入射口と相似形をなすように形成されているので、この窓の大きさを規制することで、出力光利用光学系のサイズを小さく抑えることができる。
【0032】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の照明装置において、前記出力光利用光学系の入力部の光学要素が、インテグレータである。
【0033】
従って、基本的に光源から出射される光束の密度が不均一であることから、複数の光束に分割して各々の分割光束を被照射体上で再度インテグレートするインテグレータ光学系を備える構成下に、請求項8記載の発明の場合と同様な作用効果を得ることができる。即ち、インテグレータ光学系に入る光束の平行度を向上させることができ、インテグレータ光学系の第2フライアイ面に形成される光源像の大きさを小さくすることができ、よって、液晶プロジェクタにおける液晶パネル等を照明する上で質のよい均質な照明光を照射させることができる。
【0034】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の照明装置において、出力光利用光学系の入力部の光学要素が、偏光変換器である。
【0035】
従って、出力光利用光学系が光利用効率を向上させるために偏光変換器を用いた構成下にあっても、請求項6記載の発明と同様な作用効果を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。まず、図1を参照して本実施の形態の照明装置の原理を説明する。本実施の形態の照明装置は、リフレクタ1に第1焦点F1、第2焦点F2を有する楕円面鏡を用いることを基本とする。ここに、第1焦点F1と第2焦点F2とを結ぶ線を光軸と称し、Z軸として表し、第1焦点F1の位置でZ軸に直交する紙面上の軸をY軸、紙面に鉛直な軸をX軸とする(従って、第1焦点F1が原点となる)。また、楕円面の長軸の半分の線分をa、短軸の半分の線分をb、第1焦点F1・第2焦点F2間距離の半分の線分をcとすると、リフレクタ1を構成する楕円面鏡は、
y2=−(b2/a2)(z−c)2+b2
で表される楕円をZ軸回りに回転させた曲線の一部(長軸方向の半分)を用いて形成されている。このようなリフレクタ1の一部には、アーク灯による光源2を支持するための直径dの光源保持孔3が形成されており、リフレクタ1は光源保持孔3部分により楕円面鏡とはならない部分を含んでいる。
【0037】
このようなリフレクタ1に対して、その楕円面鏡の短軸上(x′,y′平面上)にはZ軸に対して直交させて前面鏡としての平面鏡4が配設されている。この平面鏡4は第1焦点F1側の面がミラー面とされたもので、そのZ軸付近なる中心付近にはコリメータレンズへの入射角を制御する幅(直径)wの窓5が開口形成されている。即ち、窓5部分は非鏡面とされている。
【0038】
さらに、リフレクタ1の楕円面鏡における第1焦点F1付近には光源2が配設されている。この光源2はZ軸方向の長さがTとされている。
【0039】
このように構成された平面鏡4付きのリフレクタ1を用いて第1焦点F1付近に配設した光源2からの光束を効率よく第2焦点F2側に向かわせる原理を説明する。まず、光束の開き角αは光源2の大きさ(Z軸上の長さ:T)とリフレクタ1への入射角θ′と距離tとで決まる。即ち、α=tan−1{(T/t)sinθ′}で表される。これは、楕円面鏡においてY軸上の点py付近で反射される光束が最大となる。
【0040】
楕円面鏡上の点p0(点pyより左側)で反射した光束に注目すると、これはリフレクタ1からの直接反射光による光束の開き角αとなる。
【0041】
楕円面鏡上の点p1(点pyより右側)で反射した場合は第2焦点F2へ向かうが平面鏡4で反射され再び第1焦点F1へと向かう。これは、恰も光源が第2焦点F2に置かれ点p′1で反射されて第1焦点F1へ向かうように振舞う。この光束は第1焦点F1付近を通過し、再度、リフレクタ1で反射される。ここでの鏡面は楕円面鏡による凹面状態となっているので、開いてきた光束が逆に収束する(絞る)ように反射される。勿論、中心線は第2焦点F2へと向かうので、その絞られる角度はリフレクタ1からの直接反射光の光束の開き角と同じように見ることができる。ここで、この光束の開き角をβと称する。即ち、点p1で反射される光束は開き角α′で第2焦点F2に向かうが、その後、平面鏡4とリフレクタ1とで各々反射され、最終的には第2焦点F2へは開き角β′で向かう。
【0042】
ここで、包括角θを大きくとるよう平面鏡4に形成された窓5の大きさwを小さくしていくと、リフレクタ1→平面鏡4→リフレクタ1のルートをとった光束は光源2用の直径dの光源保持孔3内に入ってしまう。この光束は、平面鏡4→リフレクタ1→リフレクタ1のルートをとる光束より強いので、そうならないようにする必要がある。即ち、窓5の大きさwはこの光源保持孔3の縁の点pdから第1焦点F1を通る線と短軸との交点qdにより規定される円錐面以上となるような大きさに設定する必要がある。
【0043】
さらに、点p′2へ向かう光束に注目すると、先に平面鏡4で反射されてからリフレクタ1上の点p2で反射されて第1焦点F1へと向かう。これは、恰も光源2が第2焦点F2に置かれ点p2で反射されて第1焦点F1へ向かうように振舞う(この場合の第1焦点F1上でのアーク像は光源2のアークよりも小さくなると見ることができる)。この光束は第1焦点F1付近を通過した後、再度、リフレクタ1で反射される。やはり、ここでの鏡面は凹面状態となっているので、開いてきた光束が逆に収束(絞る)方向に反射される。勿論、中心線は第2焦点F2へと向かうので、その絞られる角度はリフレクタ1からの直接反射光の光束の開き角と同じように見ることができる。ここで、この光束の開き角をγと称する。即ち、平面鏡4で反射されてからリフレクタ1の点p2で反射される光束は開き角α″で第1焦点F1に向かうが、その後、再度、リフレクタ1で反射されて第2焦点F2へは開き角γ″で向かう。
【0044】
図2はこのような原理の下、平行化手段の少なくとも一部を構成するコリメータレンズ6も含めて構成した、より実際的な照明装置A1の構成例を示す。このコリメータレンズ6はZ軸上で第2焦点F2よりも後段位置に配設されている。ここに、コリメータレンズ6は、第2焦点F2の位置が焦点となるように凸レンズ系(色収差の軽減をするために凹レンズを含めて複数のレンズで構成するのが通常であるが、非球面レンズを用いて1枚で済ませてもよい)により構成されるが、具体的な配設位置は、さらに後段に配設されるインテグレータ光学系の大きさ等に応じて、L,L′等で示す最適な位置に設定される。
【0045】
なお、図2において、リフレクタ1を構成する楕円面鏡のY軸上とそのリフレクタ1との交点と楕円面鏡の第2焦点F2とを結ぶ線をl,l′で示している。また、その線l,l′とY′軸との交点を各々m,m′として示している。また、図示する光線は、線1の場合であれば楕円面鏡で線2として反射された後、平面鏡4で線3として反射され、さらに第1焦点F1を通って楕円面鏡で線4として反射されて第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示しており、線1を反対方向に向かう光線は楕円面鏡で反射されて線5としてそのまま第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示しており、線6の場合であれば最初に平面鏡4により線7として反射され、さらに楕円面鏡により線8として反射され、さらに第1焦点F1を通って楕円面鏡で線9として反射されて第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示しており、逆に、線8の場合であれば楕円面鏡により線7として反射された後、平面鏡4で線6として反射され、さらに第1焦点F1を通って楕円面鏡で線10として反射されて第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示している。
【0046】
もちろん、光源2から発する光線が上述の線6、線8の説明とは反対方向に向かう方の光線の各々は楕円面鏡で反射され、各々線10、線9として直接第2焦点は2に向かう。
【0047】
ここで、注意が必要なのは、平面鏡4の窓5を小さくしていき、線l、線l′を交差する点m,m′未満に小さくすると、第1焦点F1から発した光線のうち、その点m,m′未満の範囲に光源2から平面鏡4へ入った光線は平面鏡4→リフレクタ1→リフレクタ1→平面鏡4→リフレクタ1と辿ってから、ようやく第2焦点F2へ到達する経路となり、反射回数が2回増えて減衰量が増加するので効果が殆どない。
【0048】
本実施の形態によれば、楕円面鏡により形成されたリフレクタ1に対して、窓5のサイズwが所定サイズに規定された平面鏡4を短軸上に配設させているので、実質的にリフレクタ1の包括角θを大きく取ることができ、光源2から発せられる光束を効率よく第2焦点F2に集光させて、入射角ψを小さくしてコリメータレンズ6に入射させることができる。よって、効率よく平行光を得ることができる。
【0049】
本発明の第二の実施の形態を図3に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し説明も省略する(以降の実施の形態でも順次同様とする)。
【0050】
図3は平行化手段の少なくとも一部を構成するコリメータレンズ7も含めて構成した、より実際的な照明装置A2の構成例を示す。このコリメータレンズ7はZ軸上で平面鏡4・第2焦点F2間の位置に配設されている。ここに、コリメータレンズ7は、第2焦点F2の位置が焦点となるように凹レンズ系(色収差の軽減をするために凸レンズを含めて複数のレンズで構成するのが通常であるが、非球面レンズを用いて1枚で済ませてもよい)により構成されるが、具体的な配設位置は、さらに後段に配設されるインテグレータ光学系の大きさ等に応じて、L,L′等で示す最適な位置に設定される。
【0051】
本実施の形態による場合も、第一の実施の形態の場合と同様な効果が得られる。
【0052】
本発明の第三の実施の形態を図4及び図5に基づいて説明する。まず、図4を参照して本実施の形態の照明装置の原理を説明する。本実施の形態の照明装置も、リフレクタ1に第1焦点F1、第2焦点F2を有する楕円面鏡を用いることを基本とし、その第1焦点F1にアーク灯による光源2が配設されている。さらに、本実施の形態では、平面鏡4に代えて、前面鏡としての球面鏡11が設けられている。この球面鏡11は第2焦点F2を球心として第1焦点F1側が凸面ミラー面となるように半径rで形成されて第1焦点F1と第2焦点は2との間に配設されている。このような球面鏡11のZ軸付近なる中心付近にはコリメータレンズへの入射角を制御するサイズの窓12が開口形成されている。
【0053】
このように構成された球面鏡11付きのリフレクタ1を用いて第1焦点F1付近に配設した光源2からの光束を効率よく第2焦点F2側に向かわせる原理を説明する。まず、光束の開き角αは、第一の実施の形態で前述したうに、光源2の大きさ(Z軸上の長さ:T)とリフレクタ1への入射角θ′と距離tとで決まる。即ち、α=tan−1{(T/t)sinθ′}で表される。これは、楕円面鏡においてY軸上の点py付近で反射される光束が最大となる。
【0054】
楕円面鏡上の点p0(点pyより左側)で反射した光束に注目すると、これはリフレクタ1からの直接反射光による光束の開き角αとなる。
【0055】
楕円面鏡上の点p1(点pyより右側)で反射した場合は第2焦点F2へ向かう(このときの光束の開き角はα′)が球面鏡11で反射される。ここでは、光束がさらに広がって反射される。この光束のうち、第1焦点F1から発した中心の光線は、丁度、第2焦点F2に置かれた点光源からの光線が点p1で反射されて第1焦点F1へ向かう場合と同じとなる。しかしながら、光束全体では球面鏡11で発散するように反射するので、再度、リフレクタ1上の点p1で反射されるときは更に光束の開き角はα′よりも広がっている。
【0056】
しかし、この点p1の鏡面は凹面状態となっているので、開いてきた光束が逆に収束する(絞る)ように反射される(その角度の絶対値は反射前の発散角よりは小さい角度となっている)。この光束の中心は前述の通り、第1焦点F1を通過し、再再度、リフレクタ1で反射される。ここでの鏡面も凹面状態なので更に収束するように反射される。勿論、中心線は第2焦点F2へと向かうので、その光束の持つ角度はリフレクタ1からの直接反射光の光束の開き角と同じように見ることができる。ここで、この開き角をδと称する。即ち、点p1で反射される光束は開き角α′で第2焦点F2に向かうが、球面鏡11とリフレクタ1とで反射され、最終的に第2焦点F2へは開き角δ′で向かう。
【0057】
球面鏡11の位置は、原理的には第1焦点F1と第2焦点F2との間にあれば前述の内容は崩れないが、球面鏡11と楕円面鏡(リフレクタ1)との交点pmへ第1焦点F1から引いた直線nが球面鏡11の接線となる位置(図4中ではM″で表示してある)に置くと、包括角θの光束を有効に利用することができ、それよりも第2焦点F2に近づけると球面で蹴られる光束が生じる。勿論、他の制約でその条件を無視しても良いし、図中のM′のような位置(短軸よりも第1焦点F1側位置)をとることは包括角θを犠牲にしているが本発明の思想を崩すものではない。
【0058】
図5はこのような原理の下、平行化手段の少なくとも一部を構成するコリメータレンズ6も含めて構成した、より実際的な照明装置A3の構成例を示す。このコリメータレンズ6はZ軸上で第2焦点F2よりも後段位置に配設されている。ここに、コリメータレンズ6は、第2焦点F2の位置が焦点となるように凸レンズ系(色収差の軽減をするために凹レンズを含めて複数のレンズで構成するのが通常であるが、非球面レンズを用いて1枚で済ませてもよい)により構成されるが、具体的な配設位置は、さらに後段に配設されるインテグレータ光学系の大きさ等に応じて、L,L′等で示す最適な位置に設定される。
【0059】
なお、図5において、リフレクタ1を構成する楕円面鏡のY軸上とそのリフレクタ1との交点と楕円面鏡の第2焦点F2とを結ぶ線をl,l′で示している。また、その線l,l′とY′軸との交点を各々m,m′として示している。また、図示する光線は、線1の場合であれば楕円面鏡で線2として反射された後、球面鏡11で線2として折り返し反射され、さらに第1焦点F1を通って楕円面鏡で線3として反射されて第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示しており、線4の場合であれば楕円面鏡で線5として反射された後、球面鏡11で線5として折り返し反射され、さらに第1焦点F1を通って楕円面鏡で線6として反射されて第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示しており、さらに、線7の場合には楕円面鏡でそのまま線7として折り返し反射され、さらに第1焦点F1を通って楕円面鏡で線8として反射されて第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示しており、線9の場合には楕円面鏡で線10として反射されて第2焦点F2に向かい、コリメータレンズ6に入射する様子を示している。
【0060】
ここで、注意が必要なのは、球面鏡11の窓12を小さくしていき、線l、線l′を交差する点m,m′以下に小さくすると、第1焦点F1から発した光線のうち、その点m,m′以下の範囲にリフレクタ1で反射してから球面鏡11へ入った光線はリフレクタ1→球面鏡11→リフレクタ1→球面鏡11と反射を何回も繰返すだけで第2焦点F2へ到達する経路がなくなり、球面鏡11を置く意味がなくなる。
【0061】
本実施の形態によれば、楕円面鏡により形成されたリフレクタ1に対して、窓12のサイズが所定サイズに規定された球面鏡11を第1焦点F1、第2焦点F2間の光軸上に配設させているので、実質的にリフレクタ1の包括角θを大きく取ることができ、光源2から発せられる光束を効率よく第2焦点F2に集光させて、入射角ψを小さくしてコリメータレンズ6に入射させることができる。よって、効率よく平行光を得ることができる。
【0062】
本発明の第四の実施の形態を図6に基づいて説明する。第三の実施の形態と同様であるが、図6は平行化手段の少なくとも一部を構成するコリメータレンズ7も含めて構成した、より実際的な照明装置A4の構成例を示す。このコリメータレンズ7はZ軸上で球面鏡11・第2焦点F2間の位置に配設されている。ここに、コリメータレンズ7は、第2焦点F2の位置が焦点となるように凹レンズ系(色収差の軽減をするために凸レンズを含めて複数のレンズで構成するのが通常であるが、非球面レンズを用いて1枚で済ませてもよい)により構成されるが、具体的な配設位置は、さらに後段に配設されるインテグレータ光学系の大きさ等に応じて、L,L′等で示す最適な位置に設定される。
【0063】
本実施の形態による場合も、第三の実施の形態の場合と同様な効果が得られる。
【0064】
本発明の第五の実施の形態を図7に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の照明装置A4を例えば縦横のアスペクト比が4:3なる矩形状の液晶パネル(LCD)21の照明用に用いた適用例を示す。
【0065】
即ち、照明装置としては、球面鏡11を用いるとともに、楕円面鏡(リフレクタ1)の第2焦点F2よりも手前で平行化手段としてのコリメータレンズ7によりコリメートする構成のものであり、照明装置A2であってもよい。本実施の形態の場合には、コリメータレンズ7として1枚の非球面凹レンズが用いられている。また、22はリフレクタ1の開口部(短軸)部分に取り付けられた前面ガラスである。
【0066】
また、照明装置A4・液晶パネル21間に配設される出力光利用光学系は、本実施の形態の場合、偏光変換器付きインテグレータ光学系23とされている。インテグレータ光学系23としては、種々の構成をとり得るが、本実施の形態では、一般的な第1のフライアイレンズに代えて、直交シリンドリカルレンズアレイ24a,24bを用いた例を示している。また、第2のフライアイレンズに相当する直交シリンドリカルレンズ25a,25b間に配設された偏光整列プリズム26の前段には、遮光板アレイ27が配設されている。28はUV/IRカットフィルタである。また、シリンドリカルレンズ25bと照射面とのほぼ中間の位置に凸レンズ29(焦点距離はこの凸レンズ29から液晶パネル21までの距離に一致させる)を置き、第2のフライアイレンズ(直交シリンドリカルレンズ25a,25b)で分割された光束を照射面である液晶パネル21上に重ね合わせている。
【0067】
このような構成をとることにより、凸レンズ29から被照射面となる液晶パネル21までは、フライアイレンズの各構成レンズが作る光束は各々平行光となっているので、特に反射型液晶パネル21を用いるプロジェクタの場合でも色むらが発生しにくく、都合がよい。
【0068】
なお、本実施の形態において、インテグレータ光学系23を構成する上で、各々の直交シリンドリカルレンズアレイに代えて、第1,2フライアイレンズ板を用いても何ら本発明の本質を変えるものではない。この場合、偏光整列プリズム26に相当する偏光変換器は第2フライアイレンズ板の直後に配設するのがよい。
【0069】
また、図8に示すように、直交シリンドリカルレンズ25a,25b間中の偏光整列プリズム26に代えて、偏光変換器31(ここでは、名称を偏光変換器としたが、目的及び機能は、前述の偏光整列プリズムアレイと同じである。ただし、インテグレータ光学系23との相対位置の違いで若干形状が異なるので、別の名称を用いている)を照明装置A4の直後(即ち、出力光利用光学系の入力部の光学要素に相当する)に設けるようにしてもよい。この偏光変換器31は第1フライアイレンズ35と一体に設けられたもので、図9に示すように、45°の二等辺三角形形状の6個のプリズム32a〜32fを中心対称に台形状に組合せ、各斜面にPBS(偏光ビームスプリッタ)膜33a〜33dを形成してなる。PBS膜33a〜33dはS偏光を反射しP偏光を透過するように形成されているので、照明装置A4側から入射される平行光は、中央部に位置する最初のPBS膜33b,33cによりS偏光とP偏光とに分離され、P偏光はそのまま透過してインテグレータ光学系23へ導かれる。一方、S偏光は反射され、外側のPBS膜33a,33d(これらは全反射ミラーでもよい)により再度反射され、そのプリズム32a,32fの出口に配設された1/2波長板34a,34bでP偏光に変換されてインテグレータ光学系23側に導かれる。
【0070】
このような偏光変換器31の機能は3個のプリズムの組合せでも実現できるが、図9に示すように、6個のプリズム32a〜32fを用い、3個組を2組対称に組合せて構成することにより、偏光変換器31の受光側(リフレクタ1側)に対して出射側(インテグレータ光学系23側)の面積が2倍となる小型構成を採ることができる。即ち、インテグレータ光学系23の入力部の外形を図7に示した場合と同じとすると、偏光変換器31の受光側の面積は半分にできるため、球面鏡11の窓12の開口形状もプリズム32b,32eを合わせた大きさ形状に小さくできる。
【0071】
本発明の第六の実施の形態を図10及び図11に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の照明装置A1を液晶パネル(LCD)21の照明用に用いた適用例を示す。
【0072】
即ち、照明装置としては、楕円面鏡(リフレクタ1)の短軸上に平面鏡4を配設し、第2焦点F2よりも後段位置で平行化手段としてのコリメータレンズ6によりコリメートする構成のものであり、照明装置A3であってもよい。本実施の形態の場合には、コリメータレンズ6としては、色収差を軽減するために凸レンズと凹レンズとを4枚組み合わせて、全体を1枚の凸レンズに相当するように構成のものが用いられている。また、本実施の形態では、楕円面鏡(リフレクタ1)の開口部に取り付けられた前面ガラス22がそのまま平面鏡4として利用されている。
【0073】
また、照明装置A1・液晶パネル21間に配設される出力光利用光学系は、本実施の形態の場合、偏光変換器付きインテグレータ光学系41とされている。インテグレータ光学系41としては、種々の構成をとり得るが、本実施の形態では、図7の場合と同様に、直交シリンドリカルレンズアレイ24a,24b、25a,25bを利用した構成とされ、最終のシリンドリカルレンズアレイ25bの直後に凸レンズ42(焦点距離は液晶パネル21までの距離に一致させる)が配設されている。これにより、直交シリンドリカルレンズアレイ25a,25bで分割された光束を照射面である液晶パネル21上に重ね合わせている。43は液晶プロジェクタにおける投射レンズ(図示せず)に最小径の光束で通過させるためのコンデンサレンズである。
【0074】
このように、一旦焦点を持たせてその後で平行光にする方式はフィールドシーケンシャル方式のプロジェクタの照明装置に有効である。即ち、焦点位置にカラーホイールを置くことにより、ちらつきが目立たなくなる。
【0075】
ところで、前面鏡としての平面鏡4が有する窓5(球面鏡11の窓12も同様)の形状について図11を用いて説明する。なお、ここでは、説明を簡単にするためにインテグレータ光学系41の入力部の光学要素としての直交シリンドリカルレンズアレイ24a,24bを1枚のフライアイレンズに置き換えて説明する。そこで、ここではそのフライアイレンズを構成する要素レンズのサイズを横H=4mm、縦V=3mmとし、7×9個を並べて構成されている場合を想定している。
【0076】
このような条件下では、基本の窓形状は横4mm×7個=28mm、縦3mm×9個=27mmの矩形形状となる。もし、この形状のままで全ての要素レンズを利用しようとすれば、28:27の横縦比で平面鏡4の窓5を作ればよい。
【0077】
しかしながら、反射型LCDを用いるプロジェクタ用としては液晶パネル21面に入る入射角が小さいほどコントラストや色むらに対する性能が向上する。そのため、入射角が比較的大きくなる対角の要素レンズを通過する光束は使わなくてよい。しかも、本実施の形態の方式ではその部分に来る光束を反射させ、再利用し、中心付近の良質な光束とすることができるので全体としての効率が向上する。
【0078】
図11(a)は対角上の要素レンズを各1個分ずつの範囲を反射面(楕円面鏡の一部)とした例であり、図11(b)はその両隣までの各3個分ずつの範囲を反射面(楕円面鏡の一部)とした例を示す。なお、図11中の括弧内の数値は、(x,y,l)、即ち、その点のx座標、y座標及び原点に点対称となる対角の長さlを示している。
【0079】
さらに、光軸を精度よく作成し、維持することができれば、図11(c)又は図11(d)に示すように必ずしも要素レンズの単位で窓を構成する必要性はない。図11(c)は外形である矩形に内接する楕円形状或いは円形状の窓5に形成した例であり、図11(d)は図11(b)で示した四隅の3個分の要素レンズを対角線で区切り、全体を八角形形状の窓5に形成した例である。これらの図11(c)又は図11(d)の例は要素レンズの一部分のみを光束が通過するので、一つの要素レンズだけに注目すると照度むらの出るおそれがあるが、全部を重畳した後の照度は互いに補い合っているのでほとんど照度むらにつながらない。特に、図11(d)に示す例は、四隅の2個ずつの要素レンズは互いの対角の要素レンズと完全に補完関係にあるので理論的にも全く照度むらにつながることはない。
【0080】
以上、説明を簡単にするためにインテグレータ光学系41の入力部の光学要素としての直交シリンドリカルレンズアレイ24a,24bを1枚のフライアイレンズに置き換えて説明したが、直交シリンドリカルレンズアレイも横シリンダ、縦シリンダの交差する単位で同様の考え方を採用すれば、同様の効果が得られることは容易に理解し得るので、詳細は省略する。
【0081】
このように、インテグレータ光学系41に入射させる光束を円形或いは円形に近い形にすることにより、その周囲に来る光束を反射させ、再利用し、中心付近の良質な光束とすることができるので、全体としての効率が向上する。
【0082】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、リフレクタの少なくとも一部に楕円面鏡を用い、前記楕円面鏡の第1焦点付近に光源を配設し、この光源から出射された光束を前記楕円面鏡で反射させて第2焦点付近に向かうようにした照明装置において、前記第1焦点と前記第2焦点とを結ぶ光軸付近の一部に非鏡面の窓が形成されて前記第1焦点と前記第2焦点との間に配設され、前記光源から出射された光束のうち少なくとも前記楕円面鏡での反射光の一部を前記第2焦点より手前で反射させて前記楕円面鏡ないしは前記第1焦点付近に戻す前面鏡を備えることで、基本的にリフレクタを構成する楕円面鏡により反射された光束は前面鏡の窓を通して第2焦点側に向かう一方、光源から発せられて前面鏡で反射される光束や光源から発せられて楕円面鏡で反射されさらに前面鏡で反射される光束は第1焦点を経て楕円面鏡で反射させ前面鏡の窓を通して第2焦点側に向かわせることができ、前面鏡の窓の大きさを規定するだけで実質的に包括角を大きく取ることができ、光源光の光束の殆ど全部を効率よく利用することができる。又、前記前面鏡は、平面鏡であって、前記光軸に対して直交させて前記楕円面鏡の短軸上に配置されているので、基本的に作りやすい上に、リフレクタの出口を覆う前面ガラスと一体に前面鏡を設けることができる等、構成を単純にでき、精度も向上させることができる。又、前記前面鏡は、少なくとも、前記リフレクタに形成された光源保持孔の縁から前記第1焦点を通過して伸びる円錐面で切られる範囲が前記窓とされており、光源を実装するための光源保持孔を考慮しても、リフレクタに形成された光源保持孔による弊害を受けない範囲で極力包括角を大きく取り、光源から放出される光束を殆ど全部利用することができ、高効率の照明装置を提供することができる。
【0085】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の照明装置において、前記前面鏡は、前記第2焦点を球心とする球面鏡であるので、光源から発せられて楕円面鏡で反射され球面鏡に向かう光束を再び楕円面鏡に向けて反射させ光源が位置する第1焦点を通って再び楕円面鏡で反射させるような経路を取らせることができ、光源からの光束を効率よく第2焦点側に向かわせることができる。
【0086】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の照明装置において、前記前面鏡は、少なくとも、前記第1焦点位置での前記光軸に垂直な面と前記楕円面鏡との交線から前記第2焦点へ向かう円錐面で切られる範囲が前記窓とされているので、光源光の利用効率を損なうことなく極力包括角を大きく取ることができる。
【0087】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3の何れか一記載の照明装置において、前記第2焦点より光軸上後段位置に平行光とするための平行化手段の最初の光学部材を配置したので、コリメータレンズ等の平行化手段に対する入射角を小さくすることができ、効率よく平行光を得ることができる。
【0088】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし3の何れか一記載の照明装置において、前記前面鏡と前記第2焦点との間に平行光とするための平行化手段の最初の光学部材を配置したので、第2焦点に向かう光束をコリメータレンズ等の平行化手段により平行化することができ、後段の出力光利用光学系を詰めて配設させることができる。
【0089】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一記載の照明装置において、前記窓は、出力光利用光学系の入力部の光学要素の入射口と相似形をなすように形成されているので、この窓の大きさを規制することで、出力光利用光学系のサイズを小さく抑えることができる。
【0090】
請求項7記載の発明によれば、基本的に光源から出射される光束の密度が不均一であることから、複数の光束に分割して各々の分割光束を被照射体上で再度インテグレートするインテグレータ光学系を備える構成下に、請求項6記載の発明の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0091】
請求項8記載の発明によれば、出力光利用光学系が光利用効率を向上させるために偏光変換器を用いた構成下にあっても、請求項6記載の発明と同様な作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のリフレクタ構成を示す原理図である。
【図2】コリメータレンズを組合せた、より具体的な原理構成図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態のコリメータレンズを組合せたリフレクタのより具体的な原理構成図である。
【図4】本発明の第三の実施の形態のリフレクタ構成を示す原理図である。
【図5】コリメータレンズを組合せた、より具体的な原理構成図である。
【図6】本発明の第四の実施の形態のコリメータレンズを組合せたリフレクタのより具体的な原理構成図である。
【図7】本発明の第五の実施の形態の照明装置の要部を示す光学系構成図である。
【図8】その変形例を示す光学系構成図である。
【図9】その偏光変換器の平面図である。
【図10】本発明の第六の実施の形態の照明装置の要部を示す光学系構成図である。
【図11】窓形状を示す正面図である。
【図12】第1の従来例の照明装置を示す光学系構成図である。
【図13】第2の従来例のリフレクタ付近を示す光学系構成図である。
【図14】第3の従来例のリフレクタ付近を示す光学系構成図である。
【図15】その光学系構成図である。
【符号の説明】
1 楕円面鏡によるリフレクタ
2 光源
3 光源保持孔
4 平面鏡、前面鏡
5 窓
6 平行化手段
7 平行化手段
11 球面鏡、前面鏡
12 窓
23 インテグレータ光学系、出力光利用光学系
24a インテグレータ
31 偏光変換器
Claims (8)
- リフレクタの少なくとも一部に楕円面鏡を用い、前記楕円面鏡の第1焦点付近に光源を配設し、この光源から出射された光束を前記楕円面鏡で反射させて第2焦点付近に向かうようにした照明装置において、前記第1焦点と前記第2焦点とを結ぶ光軸付近の一部に非鏡面の窓が形成されて前記第1焦点と前記第2焦点との間に配設され、前記光源から出射された光束のうち少なくとも前記楕円面鏡での反射光の一部を前記第2焦点より手前で反射させて前記楕円面鏡ないしは前記第1焦点付近に戻す前面鏡を備え、
前記前面鏡は、平面鏡であって、前記光軸に対して直交させて前記楕円面鏡の短軸上に配置されており、
前記前面鏡は、少なくとも、前記リフレクタに形成された光源保持孔の縁から前記第1焦点を通過して伸びる円錐面で切られる範囲が前記窓とされていることを特徴とする照明装置。 - 前記前面鏡は、前記第2焦点を球心とする球面鏡であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
- 前記前面鏡は、少なくとも、前記第1焦点位置での前記光軸に垂直な面と前記楕円面鏡との交線から前記第2焦点へ向かう円錐面で切られる範囲が前記窓とされていることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
- 前記第2焦点より光軸上後段位置に平行光とするための平行化手段の最初の光学部材を配置したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の照明装置。
- 前記前面鏡と前記第2焦点との間に平行光とするための平行化手段の最初の光学部材を配置したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の照明装置。
- 前記窓は、出力光利用光学系の入力部の光学要素の入射口と相似形をなすことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一記載の照明装置。
- 前記出力光利用光学系の入力部の光学要素が、インテグレータであることを特徴とする請求項6記載の照明装置。
- 出力光利用光学系の入力部の光学要素が、偏光変換器であることを特徴とする請求項6記載の照明装置。
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