JP4695281B2 - 繊維製品用液体仕上げ剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣料等の繊維製品に使用する繊維製品用液体仕上げ剤組成物に関する。特に本発明は、仕上がりに柔軟性や自然なハリが要求されるシャツ類、パンツ類、ブラウス類などの各種の繊維品に使用するのに好適な繊維製品用液体仕上げ剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、洗濯後の繊維製品に柔軟性を付与することを目的として、様々な4級アンモニウム塩を主成分として含む繊維製品用仕上げ剤が用いられている。4級アンモニウム塩としてはジ長鎖型の4級アンモニウム塩が一般的に使用されている。しかしながらジ長鎖型の4級アンモニウム塩を主成分とする繊維製品用仕上げ剤は、良好な柔軟性付与効果が得られるものの、繊維や衣類の種類によってはハリやコシを失い好ましくない場合がある。また、洗濯によるシワ低減効果も小さい。
一方、繊維製品用仕上げ剤の各種特性を向上させることを目的としてシリコーン系化合物を4級アンモニウム塩と併用することが試みられている。例えば、特開平1−162878号公報には、水分散性陽イオン性柔軟剤と特定のシロキサンからなる非イオン性柔軟剤を含む、水性基材織物用コンディショニング処方物が開示されている。また、特開平2−191774号公報には4級アンモニウム塩と特定のシリコーン誘導体を含有することを特徴とする、濃縮型の衣料用柔軟仕上げ剤が開示されている。しかしながら、繊維製品に好ましい柔軟性を付与すると同時に、繊維製品のハリ、コシを維持し、且つ洗濯によるシワを低減することが可能な繊維製品用仕上げ剤は得られていないのが現状であった。
【0003】
柔軟仕上げ剤は、その商品価値を高めるために、一般に色素を配合し着色されている。しかしながら、ポリエーテル変性シリコーンを柔軟仕上げ剤に配合すると、その合成に用いられるPt系触媒等の重金属が微量含まれるために、色素が酸化され、保存中に退色を生じるなどの問題が発生している。一方、カチオン界面活性剤中にエステル基、アミド基が含まれる場合には、それらの加水分解を抑制するために、組成物のpHを酸性に維持する必要がある。また、アミン化合物の繊維への吸着量を向上させるためには組成物のpHは酸性にすることが好ましい。しかし、組成物のpHが酸性であると、仕上げ処理中に繊維に色素が沈着したり、保存中、特に高温で保存中に色調が劣化することがある。このため、pHが酸性下でも安定な色素を用いる必要がある。特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報には酸性条件下での色調安定性向上のため、スルホニル基とアミノ基を含む色素を用いているが、ポリエーテル変性シリコーン共存下においては、未だその色調安定性は不充分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は繊維や衣料等の繊維製品に好ましい柔軟性を付与し、かつ繊維製品のハリ、コシを維持するとともに、洗濯によるシワを低減させる効果を有し、且つ、高温で保存しても色調の劣化が抑制された繊維製品用液体仕上げ剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエーテル変性シリコーンとアミン化合物またはその中和物または4級化物あるいはこれらの混合物を特定の比率で併用し、さらに特定の構造を有する色素、キレート剤及び/または酸化防止剤を併用することにより、上記課題を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、(A)少なくとも1種の、一般式(I)で示される変性シリコーン;
【化2】
Figure 0004695281
(式中、Rは同一でも異なっていてもよく、いずれも炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を表し、R1は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を表し、Xはポリオキシアルキレン基を表し、L、M、Nはそれぞれ繰り返し単位数の平均値を示し、Lは0〜5の数を表し、Mは1〜100の数を表し、Nは10〜1000の数を表す。ただし、ポリオキシアルキレン基X中のポリオキシエチレン鎖の部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10%以上50%未満である);
(B)分子内に少なくとも1個の炭素数6〜26の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を有するアミン化合物またはその中和物または4級化物あるいはこれらの混合物;及び
(C)下記(C−1)〜(C−3)群から選ばれる1群以上の色素;及び
(C−1)群:スルホン酸基を有し、且つトリフェニルメタン構造、インジゴ構造、ジフェニル構造、又はアントラキノン構造を有する青色、紫色又は緑色色素;またはスルホン酸基を有し、且つフタロシアニン構造を有する青色色素;
(C−2)群:スルホン酸基を有し、且つピアゾロンアゾ構造を有する黄色色素;スルホン酸基を有し、且つアゾ基を2つ以上有する黄色色素;またはスルホン酸基を有し、且つトリアジン構造を有する黄色色素;
(C−3)群:スルホン酸基を有し、且つアミド基及び1つのアゾ基を有する赤色色素;またはスルホン酸基を有し、且つ2つ以上のアゾ基を有する赤色色素;
(D):金属キレート剤及び/または酸化防止剤
を含有し、
(A)成分:(B)成分の質量比が5:95〜50:50であることを特徴とする、繊維製品用液体仕上げ剤組成物を提供する。
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(A)成分は、一般式(I)で表される、変性シリコーンである。
【0006】
【化3】
Figure 0004695281
【0007】
一般式(I)において、Rで表される置換基は、互いに同一でも異なっていてもよく、いずれも炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和の炭化水素基である。置換基Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和炭化水素基が好ましく、中でもメチル基が好ましい。
1で表される置換基は、炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基である。置換基R1としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの飽和炭化水素基が好ましく、中でもプロピレン基が好ましい。
2で表される置換基は、水素原子または炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基である。置換基R2が炭化水素基である場合には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和炭化水素基が好ましい。置換基R2が水素原子であるのが特に好ましい。
【0008】
Xは、ポリオキシアルキレン基を表す。ポリオキシアルキレン基Xは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン基等であってもよく、あるいはオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、またはオキシブチレン単位などが、ブロック状あるいはランダムに配列してなる基であってもよい。ただし、ポリオキシアルキレン基X中のポリオキシエチレン鎖の部分の質量割合が、繊維製品に好ましい柔軟性を付与し、かつ洗濯シワを低減するという観点から、分子全体の質量を基準として10%以上であり、50%未満であることを要する。ポリオキシアルキレン基X中のポリオキシエチレン鎖の部分の質量割合は、好ましくは、分子全体の質量を基準として15%〜45%であり、さらに好ましくは20%〜35%である。また、ポリオキシアルキレン基Xの質量を基準とするポリオキシエチレン鎖の部分の質量割合は、50%〜100%であるのが好ましく、65〜100%であるのがより好ましい。
L、MおよびNは、いずれも各繰返し単位の数の平均値を表し、Lは0〜5、好ましくは0〜1であり、Mは1〜100、好ましくは1〜50であり、Nは10〜1000、好ましくは20〜500である。なお、一般式(I)で表される変性シリコーンは、各繰返し単位がブロック状に配列しているブロックコポリマーの構造を有するものであってもよく、あるいは、各繰返し単位がランダムに配列しているランダムコポリマーの構造を有するものであってもよい。
【0009】
(A)成分としては、一般式(I)で表される単一の変性シリコーンを使用してもよく、複数の異なる変性シリコーンを使用してもよい。
一般式(I)で表される変性シリコーンの製造方法は、特に限定されるものではないが、一般に、Si−H基を有するシリコーンオイルと炭素−炭素二重結合を末端に有するポリエーテルとの付加反応により、製造することができる。
本発明で用いる(A)成分の変性シリコーンの分子量は、3,000〜200,000の範囲であるのが好ましく、5,000〜100,000の範囲であるのがさらに好ましい。
(A)成分の変性シリコーンは、十分な仕上げ効果を得るという観点および仕上げ剤の粘度を適度なものとするという観点から、本発明の仕上げ剤組成物中に0.5〜30質量%配合するのが好適であり、さらに好ましくは1〜20質量%配合される。なお、本明細書において、各成分の配合量は、水又は水性溶媒でバランスをとった場合の値を意味する。
【0010】
本発明で用いる(B)成分は、分子内に少なくとも1個の炭素数6〜26の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を有するアミン化合物またはその中和物または4級化物あるいはこれらの混合物である。(B)成分は、分子内に少なくとも1個、好ましくは1〜3個、最も好ましくは2個の炭素数6〜26、好ましくは14〜22の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を有する。該炭化水素基は、鎖中にエステル基、逆エステル基、アミド基、逆アミド基、エーテル基等を有していてもよい。なお、これらの炭化水素基は、通常工業的に使用される牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、パーム核油、オリーブ油などの天然油脂由来の脂肪酸やメタノール、エタノールなどとの脂肪酸アルキルエステル、また部分水添または完全水添して得られるそれらの脂肪酸や脂肪酸アルキルエステル、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和高級脂肪酸またはそれらのアルキルエステルあるいはそれらの混合物などを使用することにより導入することができる。
(B)成分としては、例えば以下の一般式(II)〜(IV)で表すことができる。
【0011】
【化4】
Figure 0004695281
【0012】
式中、R3はエステル基などの分断基を含まない炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基であって、不飽和の炭化水素基である場合にはそのシス/トランス比は40/60以上であるのが好ましく、
4は、R3またはR5であり、
5は炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基あるいは−(CH2−CH(Y)−O)n−H(式中、Yは水素又はCH3であり、nは2〜10の数である)で表される基であり、
6はエステル基、逆エステル基、アミド基、逆アミド基またはエーテル基で分断された炭素数6〜26の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基であって、不飽和の炭化水素基である場合にはそのシス/トランス比は40/60以上であるのが好ましく、
7およびR8は、R6またはR4である。
【0013】
アミン化合物の中和は、通常の酸を用いて行う。酸としては、具体的には塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸等の有機酸を挙げることができる。
アミン化合物の4級化物は、過アルキル化法により長鎖アルキル基を有する3級アミンに更にアルキル基を結合することにより得ることができる。過アルキル化剤としてはジメチル硫酸又は塩化ベンジルを使用することができる。また、これらの過アルキル化剤の代わりに、沃化メチル、塩化メチル、塩化エチル、臭化ブチル等の低級ハロゲン化アルキル、ジエチル硫酸、又はエピクロロヒドリン等を使用してもよい。
アミン化合物の4級化物はまた、低級3級アミンに長鎖ハロゲン化アルキルを作用させることにより得てもよい。長鎖ハロゲン化アルキルは、鎖中にエーテル結合を有するものであってもよい。長鎖ハロゲン化アルキルの代わりに、脂肪酸のクロロメチルエステル、クロロエチルエステル、又はクロロプロピルエステル等のクロロアルキルエステル、あるいはクロロメチル化酸アミド等を使用してもよい。
上記のアミン化合物またはその中和物あるいは4級化物を、単独で、又は2種以上の混合物として使用することができる。混合物とする場合、これらの割合は任意とすることができ、特に限定されない。
【0014】
(B)成分のアミン化合物またはその中和物または4級化物は、十分な仕上げ効果を得るという観点および仕上げ剤の粘度を適度なものとするという観点から、本発明の仕上げ剤組成物中に3〜50質量%配合するのが好適であり、さらに好ましくは5〜30質量%配合される。
本発明の繊維製品用仕上げ剤組成物中の(A)成分:(B)成分の質量比は、繊維製品に好ましい柔軟性を付与すると同時に繊維製品のハリやコシを維持し、洗濯によるシワを低減するという観点から、5:95〜50:50の範囲内であり、10:90〜40:60の範囲内であるのが好ましい。
【0015】
本発明で用いる(C)成分は(C−1)〜(C−3)群からなり、その1群以上が用いられ、各群の1種以上を用いることができる。
本発明で用いる(C−1)群は、スルホン酸基を有し、且つトリフェニルメタン構造、またはインジゴ構造、またはジフェニル構造、アントラキノン構造を有する青色、紫色、緑色色素、またはフタロシアニン構造を有する青色色素である。このうち、トリフェニルメタン構造、フタロシアニン構造、アントラキノン構造が好ましく、トリフェニルメタン構造、フタロシアニン構造がより好ましい。
トリフェニルメタン構造およびインジゴ構造、ジフェニル構造、アントラキノン構造は以下の構造を表わす。
【0016】
【化5】
Figure 0004695281
【0017】
(C−1)成分の具体例を以下に示す。
青色色素
C.I.Acid Blue 1 C.I.Acid Blue 7
C.I.Acid Blue 9 C.I.Acid Blue 15
C.I.Acid Blue 22 C.I.Acid Blue 23
C.I.Acid Blue 25
C.I.Acid Blue 27 C.I.Acid Blue 40
C.I.Acid Blue 41 C.I.Acid Blue 43
C.I.Acid Blue 45 C.I.Acid Blue 62
C.I.Acid Blue 74 C.I.Acid Blue 78
C.I.Acid Blue 80 C.I.Acid Blue 82
C.I.Acid Blue 83 C.I.Acid Blue 90
C.I.Acid Blue 93 C.I.Acid Blue 100
C.I.Acid Blue 103 C.I.Acid Blue 104
C.I.Acid Blue 112 C.I.Acid Blue 127
C.I.Acid Blue 138
C.I.Direct Blue1 C.I.Direct Blue2
C.I.Direct Blue6 C.I.Direct Blue15
C.I.Direct Blue22 C.I.Direct Blue25
C.I.Direct Blue41 C.I.Direct Blue76
C.I.Direct Blue86 C.I.Direct Blue90
C.I.Direct Blue98 C.I.Direct Blue120
C.I.Direct Blue158 C.I.Direct Blue165
C.I.Direct Blue168 C.I.Direct Blue226
C.I.Reactive Blue2 C.I.Reactive Blue4
C.I.Reactive Blue5 C.I.Reactive Blue19
C.I.Food Blue1 C.I.Food Blue 2
C.I.Mordant Blue29 C.I.Mordant Blue47
【0018】
緑色色素
C.I.Acid Green 3 C.I.Acid Green 9
C.I.Acid Green 16 C.I.Acid Green 25
C.I.Acid Green 27 C.I.Acid Green 36
C.I.Acid Green 41 C.I.Acid Green 44
C.I.Direct Green 1 C.I.Direct Green 6
C.I.Direct Green 8 C.I. Food Green 2
紫色色素
C.I.Acid Violet 15 C.I.Acid Violet 43
C.I.Acid Violet 34 C.I.Acid Violet 41
C.I.Acid Violet 49
C.I.Direct Violet 1 C.I.Direct Violet 12
C.I.Direct Violet 22 C.I.Food Violet 2
このうち、C.I.Acid Blue 9、C.I.Direct Blue86、C.I.Acid Green 25、C.I.Acid Violet 43、C.I.Acid Blue 7、C.I.Acid Blue 1、C.I.Acid Green 16、C.I.Acid Green 3、C.I.Acid Green 9、C.I.Acid Violet 15が好ましく、C.I.Acid Blue 9、C.I.Direct Blue86、C.I.Acid Green 25、C.I.Acid Violet 15がより好ましい。
【0019】
本発明で用いる(C−2)群はスルホン酸基を有し、且つピアゾロンアゾ構造を有する黄色色素、またはスルホン酸基を有し、且つアゾ基を2つ以上有する黄色色素、またはスルホン酸基を有し、且つトリアジン構造を有する黄色色素である。このうち、ピアゾロンアゾ構造、トリアジン構造が好ましい。
ピアゾロンアゾ構造、トリアジン構造とは以下の構造を表わす。
【0020】
【化6】
Figure 0004695281
【0021】
(C−2)成分の具体例を以下に示す。
C.I.Acid Yellow 11 C.I.Acid Yellow 17
C.I.Acid Yellow 23 C.I.Acid Yellow 25
C.I.Acid Yellow 29 C.I.Acid Yellow 38
C.I.Acid Yellow 40 C.I.Acid Yellow 42
C.I.Acid Yellow 44 C.I.Acid Yellow 76
C.I.Acid Yellow 141
C.I.Reactive Yellow 2 C.I.Reactive Yellow 3
C.I.Reactive Yellow 17 C.I.Reactive Yellow 39
C.I.Reactive Yellow 95
C.I.Direct Yellow 11 C.I.Direct Yellow 12
C.I.Direct Yellow 24
C.I.Direct Yellow 33 C.I.Direct Yellow 44
C.I.Direct Yellow 50
C.I.Mordant Yellow 26 C.I.Mordant Yellow 30
このうち、C.I.Acid Yellow 141、C.I.Reactive Yellow 39、C.I.Reactive Yellow 95、C.I.Reactive Yellow 2、C.I.Acid Yellow 23が好ましく、C.I.Acid Yellow 141、C.I.Reactive Yellow 39、C.I.Reactive Yellow 95がより好ましい。
【0022】
本発明で用いる(C−3)成分はスルホン酸基とアミド基を有し、且つアゾ基を1つ有する赤色色素、またはスルホン酸基を有し、且つアゾ基を2つ以上有する赤色色素である。
(C−3)成分の具体例を以下に示す。
C.I.Acid Red 1 C.I.Acid Red 6
C.I.Acid Red 32
C.I.Acid Red 35 C.I.Acid Red 37
C.I.Acid Red 89
C.I.Acid Red 97
C.I.Acid Red 111 C.I.Acid Red 114
C.I.Acid Red 115 C.I.Acid Red 133
C.I.Acid Red 134 C.I.Acid Red 138
C.I.Acid Red 145 C.I.Acid Red 154
C.I.Acid Red 158
C.I.Direct Red 1 C.I.Direct Red 2
C.I.Direct Red 4 C.I.Direct Red 13
C.I.Direct Red 17 C.I.Direct Red 23
C.I.Direct Red 24
C.I.Direct Red 28 C.I.Direct Red 31
C.I.Direct Red 33 C.I.Direct Red 37
C.I.Direct Red 39 C.I.Direct Red 44
C.I.Direct Red 46 C.I.Direct Red 62
C.I.Direct Red 63 C.I.Direct Red 75
C.I.Direct Red 79 C.I.Direct Red 80
C.I.Direct Red 81 C.I.Direct Red 83
C.I.Direct Red 84 C.I.Direct Red 113
C.I.Direct Red 229
C.I.Mordant Red 21
このうち、C.I.Acid Red 138、C.I.Acid Red 1、C.I.Acid Red 6、C.I.Acid Red 35、C.I.Acid Red 37、C.I.Direct Red 23、C.I.Direct Red 24が好ましく、C.I.Acid Red 138、C.I.Acid Red 1、C.I.Direct Red 23、C.I.Direct Red 24がより好ましい。
【0023】
(C)群は組成物中に0.1〜100ppm、好ましくは1〜50ppm配合することが好ましい。この配合量がこの範囲内にあると、組成物に良好に色合いを付与できることができ、しかも繊維や衣料に対する染色の原因とならないので好ましい。
本発明に用いる(D)成分は、金属キレート剤及び/または酸化防止剤である。
金属キレート剤の具体例は、クエン酸、プロトカテキュ酸、エチレンジアミン4酢酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、グリシンなどである。ヒドロキシエタンジホスホン酸、グリシンが特に好ましい。これらの金属キレート剤を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
酸化防止剤の具体例は、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ステアリル−β―(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、クエン酸イソプロピル、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネートである。特に好ましくはジブチルヒドロキシトルエンである。これらの酸化防止剤を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(D)成分の配合量は1〜1000ppmであり、好ましくは5〜500ppmである。(D)成分の配合量がこの範囲内にあると、その効果が有効に発揮され、製造原価を低く抑えることができるので好ましい。
【0024】
本発明の仕上げ剤組成物は、(B)成分化合物の炭化水素中にエステル基、アミド基が含まれる場合の加水分解を抑制し、(B)成分化合物の繊維への吸着量を向上させるために、組成物のpHを1〜6の範囲にするのが好ましく、pHを2〜5の範囲にするのがより好ましい。
本発明の仕上げ剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の家庭用仕上げ剤に使用されている添加剤などを使用することができる。そのような添加剤として、具体的には、ノニオン界面活性剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール、食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム等の水溶性塩、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等の溶剤、尿素、殺菌剤、顔料、炭化水素、セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、香料等が挙げられる。
本発明の繊維製品用仕上げ剤組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分並びに必要に応じて任意成分を、水または水性溶媒中に溶解あるいは分散させることにより調製することができる。この場合、使用可能な溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキシレングリコール等の多価アルコールなどが挙げられる。
また、本発明の繊維製品用仕上げ剤組成物は、実際に繊維製品の仕上げを行う際の全使用水量に対し、(B)成分の濃度が20ppm〜300ppmとなるような量で使用するのが望ましく、45ppm〜200ppmとなるような量で使用するのがさらに望ましい。
【発明の効果】
本発明によれば、特定の変性シリコーンとアミン化合物またはその中和物または4級化物を特定の比率で併用することにより、繊維製品に好ましい柔軟性を付与すると同時にハリやコシを維持し、洗濯によるシワを低減するという効果を得ることができ、更に高温で保存した場合にも色調の変化が抑制された効果を得ることができる。
【0025】
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(a)成分
変性シリコーンとして、次の表1に示す構造を有する本発明の変性シリコーンA−1〜A−5及び比較のための変性シリコーンA−6を使用した。
【0026】
【表1】
Figure 0004695281
(B)成分
アミン化合物またはその中和物又は4級化物として、以下の表2に示す構造を有する本発明のアミン化合物の中和物又は4級化物B−1〜B−14を使用した。
【0027】
【表2】
Figure 0004695281
【0028】
【表3】
Figure 0004695281
上記B−1、B−2、およびB−9、B−13記載の長鎖炭化水素基は、炭素数18の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和基を1個有する不飽和脂肪酸とを混合したものから合成され、最終的に、飽和炭化水素基/不飽和炭化水素基の割合が、質量比で80/20であり、また、不飽和炭化水素基の立体異性体のシス/トランス比は45/55であった。また、上記のアシルオキシエチル基、アシルアミノエチル基(B−3〜B−7、B−10、B−11、B−13、B−14)は、炭素数18の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和基を1個有する不飽和脂肪酸とを混合したものを原料とし、最終的に、飽和アシル/不飽和アシルの割合が、質量比で60/40であり、また、不飽和アシルの立体異性体のシス/トランス比は45/55であった。また、上記のアシルオキシエチル基、アシルアミノプロピル基(B−8、B−12)は、炭素数18の飽和脂肪酸と炭素数16の飽和脂肪酸とを混合したものを原料とし、最終的に、18/16の割合が、質量比で70/30であった。
(C)成分
色素として、以下の表3に示すC−1−1〜C−3−2を使用した。
【0029】
【表4】
Figure 0004695281
【0030】
(D)成分
金属キレート剤および/又は酸化防止剤として、以下の表4に示すD−1〜D−3を使用した。
表4
D−1:ヒドロキシエタンジホスホン酸
D−2:ヒドロキシエタンジホスホン酸/ジブチルヒドロキシトルエン=10/90(質量比)
D−3:ヒドロキシエタンジホスホン酸/ジブチルヒドロキシトルエン=25/75(質量比)
【0031】
仕上げ剤組成物の調製
以下の表5及び6に示す組成により、(A)〜(D)成分に、任意成分としてイソトリデシルアルコールエチレンオキシド付加物(平均40モル付加)を1質量%、塩化カルシウム0.3質量%、エチレングリコール3質量%、香料0.6質量%、ステアリン酸0.1質量%、オレイン酸メチル0.1質量%、ブルシン変性エタノール3質量%、ポリエチレングリコール(平均分子量1500)0.2質量%、ケーソンCG(ローム&ハース(株)製)0.01質量%、及びpH調整剤(塩酸、水酸化ナトリウム)をバランス量の精製水に乳化分散させて仕上げ剤組成物を調製した。配合した香料の組成は表7に示す。
【0032】
【表5】
Figure 0004695281
【0033】
【表6】
Figure 0004695281
【0034】
【表7】
Figure 0004695281
【0035】
【表8】
Figure 0004695281
【0036】
【表9】
Figure 0004695281
【0037】
仕上げ剤組成物の評価方法
(1)仕上げ剤による仕上げ処理
市販ダンガリーシャツ(綿100%)を市販洗剤「スーパートップ」(ライオン(株)社製)により電気洗濯機を用いて洗浄した。ついですすぎ3回目に表5に示す仕上げ剤組成物を水量30Lに対して20g加えて衣料の仕上げ処理を行った。その後、衣料をハンガーに掛け、20℃、40%RHの条件で自然乾燥し、以下の評価を行った。
(2)表5中の比較例1の組成物を使用して仕上げ処理したダンガリーシャツを対照として、専門パネラー5人での官能による一対比較を行ない、以下の表8に示す基準で評価を行った。
【0038】
【表10】
Figure 0004695281
【0039】
(3)表5及び6に示した組成物をガラス瓶に入れ、50℃で1ヵ月放置し、5℃保管品と色調を比較し、熱に対する安定性を以下の基準で評価した。
○:変色、退色がほとんど認められない。
△:変色、退色がやや認められる。
×:変色、退色がはっきりと認められる。
結果を表9に示す。
【0040】
【表11】
Figure 0004695281
【0041】
また、表6に示した実施例1〜8の組成物600mLを、図1に示す多層フィルム構造の自立性収納袋に収納して50℃で1ヶ月間保存し、5℃保存品と色調の劣化度合いを調べたが、色調はほとんど劣化していなかった。なお、図1において、L=130mm、H=260mm、W=65mmであり、外層が厚さ20μmの延伸ナイロン、内層が厚さ160μmの線状低密度ポリエチレンであり、外層には組成物と同系色のインキの顔料をグラビア印刷したものを用いた。
ここで、図1の自立性収納袋1は、プラスチックフィルムをヒートシールして形成されたシール部2に、収納袋本体3と切除部4とを分画する切断誘導線5を有すると共に収納袋本体の液剤収容部6から前記切断誘導線5を越える位置まで延びる管状の閉路7を有している。この閉路7は、切断誘導線5に沿って切除部4を切断したとき切断誘導線5の位置を注出口9とする液剤の注出路8を形成する。注出路8は、外側に膨出した筒状になっており、移液が容易に行えるようになっている。また、注出路近傍には、リブ11が存在し、移液時に詰め替え用容器が折れ曲がって注出路が閉塞するのを防ぐ役割を果たしている。
また、注出路8の少なくとも注出口9近傍が、その上下に形成されているシール部2a、2aを伴って収納袋本体3から突出するように形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自立性収納袋の斜視図及び横断面図
【符号の説明】
1 パウチ
2 シール部
2a シール部
3 収納袋本体
4 切除部
5 切断誘導線
6 液剤収容部
7 閉路
8 注出路
9 注出口
10 注ぎ口
11 リブ
D 注出口の外径
A 軸心
Q 水平線
M 注ぎ口の上側と下側とを結ぶ直線
P 繊維製品用液体仕上げ剤組成物
L 横幅
W 奥行き
H 高さ

Claims (3)

  1. (A)少なくとも1種の、一般式(I)で示される変性シリコーン;
    Figure 0004695281
    (式中、Rは同一でも異なっていてもよく、いずれも炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を表し、R1は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を表し、Xはポリオキシアルキレン基を表し、L、M、Nはそれぞれ繰り返し単位数の平均値を示し、Lは0〜5の数を表し、Mは1〜100の数を表し、Nは10〜1000の数を表す。ただし、ポリオキシアルキレン基X中のポリオキシエチレン鎖の部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10%以上50%未満である);
    (B)分子内に少なくとも1個の炭素数6〜26の飽和あるいは不飽和の炭化水素基を有するアミン化合物またはその中和物または4級化物あるいはこれらの混合物;及び
    (C)下記(C−1)〜(C−3)群から選ばれる1群以上の色素;及び
    (C−1)群:スルホン酸基を有し、且つトリフェニルメタン構造、インジゴ構造、ジフェニル構造、又はアントラキノン構造を有する青色、紫色又は緑色色素;またはスルホン酸基を有し、且つフタロシアニン構造を有する青色色素;
    (C−2)群:スルホン酸基を有し、且つピアゾロンアゾ構造を有する黄色色素;スルホン酸基を有し、且つアゾ基を2つ以上有する黄色色素;またはスルホン酸基を有し、且つトリアジン構造を有する黄色色素;
    (C−3)群:スルホン酸基を有し、且つアミド基及び1つのアゾ基を有する赤色色素;またはスルホン酸基を有し、且つ2つ以上のアゾ基を有する赤色色素;
    (D):金属キレート剤及び/または酸化防止剤
    を含有し、
    (A)成分:(B)成分の質量比が5:95〜50:50であることを特徴とする、繊維製品用液体仕上げ剤組成物。
  2. (A)成分:(B)成分=10:90〜40:60(質量比)である請求項1記載の繊維製品用液体仕上げ剤組成物
  3. 組成物中の(A)成分の量が1.5〜20質量%である、請求項1又は2記載の繊維製品用液体仕上げ剤組成物
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