JP4693833B2 - 荷受台昇降装置用のパワーユニット及び荷受台昇降装置 - Google Patents

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Description

この発明は、荷受台昇降装置用のパワーユニット及び荷受台昇降装置に関する。
貨物自動車に搭載される荷受台昇降装置は、車体フレームに固定される本体フレームと、荷物を載せる荷受台と、この荷受台を車体フレームに昇降可能として取り付けているアームと、荷受台を昇降させるために伸縮する油圧シリンダと、この油圧シリンダを伸縮動作させるパワーユニットとを備えている。このパワーユニットは、油圧シリンダを伸縮させる油圧駆動装置と、この油圧駆動装置を制御する制御装置(マイコン)とを有している(例えば、特許文献1参照)。
制御装置は、本体フレーム等に設けられ荷受台の位置を検出するセンサ及び本体フレームや運転席等に設けられたコントロールボックスのスイッチと、ケーブルを介して繋がっている。これらセンサ及びスイッチからの信号に応じて、制御装置は油圧駆動装置を制御している。
特開2006−248263号公報
前記のようなパワーユニットにおいて、制御装置を水から守るためにパワーユニットの箱体内に当該制御装置は格納されている。したがって、箱体内の制御装置と外部の前記センサ等との間をケーブルによって繋ぐために、箱体の壁部に孔をあけ、制御装置に接続したケーブルをこの孔から外部へ繰り出している。
また、孔とケーブルとの間から水が浸入するのを防止するために、孔とケーブルとの間に止水部材を取り付けたり、孔径を小さくしたりしている。
制御装置からセンサ等に接続させるケーブルは、複数本存在しているため、箱体に複数の孔を設ける必要があり、また、各孔に一本ずつケーブルを通して配線を行なう必要がある。特に、前記止水部材を孔とケーブルとの間に一つずつ取り付けたり、孔が小さかったりすると、パワーユニットと外部のセンサ等との配線作業が繁雑となったり困難となったりするため、作業時間を多く要する。
この発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、制御装置に接続された複数本のケーブルを外部へ配線する作業が容易となり、かつ、外部からの水の浸入を防止することのできる荷受台昇降装置用のパワーユニット及び荷受台昇降装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明の荷受台昇降装置用のパワーユニットは、荷受台の昇降を制御する制御装置と、電気ケーブルが接続される前記制御装置を内部に有しているユニットボックスとを備え、前記ユニットボックスは、前記制御装置を外部に露出することなく内部に格納している箱本体部と、前記箱本体部の底壁部の下面側に設けられ内側に前記電気ケーブル用の収容空間を有している収容部と、前記箱本体部の前記底壁部に形成され前記制御装置に接続された複数本の前記電気ケーブルを纏めて前記収容空間へと挿通させる第1挿通孔と、前記収容部の壁部に形成され前記第1挿通孔を挿通した前記電気ケーブルを纏めて外部へと挿通させる第2挿通孔とを有しているものである。
このパワーユニットによれば、箱本体部の内部にある制御装置に接続された複数本のケーブルを纏めて第1挿通孔を挿通させ、当該ケーブルを纏めて第2挿通孔を介して外部に繰り出すことができる。したがって、複数本のケーブルを一本ずつ外部へ繰り出して設ける必要がなく、ケーブルをパワーユニット内から外部へ配線する作業が容易となる。また、外部から浸入しようとする水(雨水や洗浄水)は、第2挿通孔及び第1挿通孔の両者を通過しないと、制御装置が存在する箱本体部内へ浸入することができず、防水性の高いものとすることができる。
また、前記収容部は、前記底壁部から下方へ延びて形成された補強用の縦桁部を、壁部として有しているのが好ましい。
この構成によれば、底壁部に第1挿通孔が形成されているが、底壁部は縦桁部によって補強されているため強度を確保することができる。そして、この縦桁部を、収容部の壁部と兼用しているため、構成の簡素化が図れる。
また、前記パワーユニットにおいて、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とは、前記ユニットボックスの幅方向又は奥行き方向に離れて設けられているのが好ましい。
この構成によれば、第1挿通孔と第2挿通孔と間の距離を長くすることができるため、仮に第2挿通孔から水が浸入しても、その水は第1挿通孔まで到達しにくい。これにより、箱本体部内への水(雨水や洗浄水)の浸入をより効果的に防ぐことができる。
また、前記ユニットボックスは、荷受台昇降装置が有する本体フレームの左右方向の一方側に取り付けられ、前記第2挿通孔は、左右方向の他方側に向かって開口しているのが好ましい。この構成によれば、第2挿通孔に向かって飛来してくる水が、当該第2挿通孔内へ浸入しようとしても、荷受台昇降装置の左右方向の中央にある構成部材がこれを邪魔することができる。
また、この発明の荷受台昇降装置は、車体フレームに取り付けられる本体フレームと、前記本体フレームに対して昇降可能に設けられかつ荷物を載せる荷受台と、前記荷受台を昇降させる昇降機構と、前記本体フレームに取り付けられ前記昇降機構を動作させる前記パワーユニットとを備えているものである。
この発明によれば、パワーユニットの前記構成により、パワーユニットと外部との間のケーブル配線作業が容易であることから、荷受台昇降装置の組み立てが簡単となる。また、前記のとおりパワーユニットは内部への水の浸入を防ぐことができることから、水の浸入による不具合が生じにくい荷受台昇降装置とすることができる。
この発明によれば、制御装置に接続された複数本のケーブルを纏めて第1挿通孔及び第2挿通孔を介して外部に繰り出すことができ、パワーユニット内から外部へ配線する作業が容易となる。さらに、外部から浸入しようとする水は、第2挿通孔及び第1挿通孔を経ないと、制御装置が存在する箱本体部内へ浸入することができず、防水性の高いものとすることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は荷受台昇降装置1の実施の一形態を示す側面図である。荷受台昇降装置1は、車両(貨物自動車)の車体フレーム2の後部に取り付けられており、荷受台30を昇降させることにより車体フレーム2上の荷箱35と地面との間で荷物の積み降ろしを行なう。
このために、荷受台昇降装置1は、車体フレーム2に取り付けられる本体フレーム5と、荷物を載せる荷受台30と、この荷受台30を本体フレーム5に昇降自在として取り付けているアーム22,24と、荷受台30を昇降させるアクチュエータ(後述のリフトシリンダ23)と、このアクチュエータを動作させるパワーユニットとを備えている。
さらに、この荷受台昇降装置1は、荷受台30を荷箱35の床下の格納位置に格納することができる。図2は、荷受台30を格納位置に格納した状態の側面図である。そして、この図2の状態は車両の走行可能状態である。
図1において、荷受台30は、基部荷受台31と、これに対して折り返し(折り畳み)又は展開可能に連結された先部荷受台32とを備えている。積荷作業時では、先部荷受台32は車両後方へ展開され、荷受台30の上面には、基部荷受台31から先部荷受台32へ略真っ直ぐに連続した荷受面が構成される。一方、荷受台30を、荷箱35の床下に格納する格納動作の際及び荷受台30が格納された状態では、先部荷受台32は基部荷受台31に対して前方へ折り返された状態にある。
図3は荷受台昇降装置1の平面図である。荷受台昇降装置1の本体フレーム5は、車体フレーム2に固定される固定フレーム3と、この固定フレーム3に対して車両前後方向に移動可能である可動フレーム4とを有している。固定フレーム3は、車幅方向の左右に一対設けられ車両前後方向に水平に延びるレール26と、これらレール26を車体フレーム2に取り付けるための複数(図例では左右合計6個)のブラケット27とを有している。
図1と図2において、可動フレーム4は、左右一対の支持部材11と、これら支持部材11を車幅方向に連結している連結部材12とを有している。支持部材11及び連結部材12が前記レール26に前後移動可能として取り付けられている。なお、支持部材11は、複数の部材によって組み立てられ構成されている。
支持部材11の上下位置のそれぞれに、上アーム22の基端部及びリフトシリンダ23の基端部が回動可能として取り付けられている。リフトシリンダ23は上アーム22の長手方向に沿って設けられており、その先端部は上アーム22の先端側の所定位置に回動可能として取り付けられている。このリフトシリンダ23の伸縮動作により、上アーム22にその基端部回りのトルクを付与することができる。また、支持部材11には下アーム24の基端部が回動可能として取り付けられている。
上アーム22及び下アーム24により、これらの基端部側の支点及び先端部側の作用点を結ぶ四角形が平行四辺形を構成し、上アーム22及び下アーム24とリフトシリンダ23とによって荷受台30の昇降機構である平行リンク機構が構成されている。この平行リンク機構の平行リンクL(上アーム22及び下アーム24)の先端側に、荷受台30が取り付けられている。リフトシリンダ23の伸縮動作により、平行リンクLの先端側を昇降動作させることができる。つまり、荷箱35の後方において、荷受台30を荷箱35の床に対応させる(つまり、荷箱35の床面と同じ高さとする)上昇位置と、荷受台30を地面に接地させた接地位置との間を昇降させることができる。
図3において、荷受台昇降装置1は、荷受台30を車両前後方向に移動させるためのスライドシリンダ37を有している。スライドシリンダ37は、左右一対のレール26の間に設けられており、車両前後方向に伸縮する。スライドシリンダ37が伸縮することによって、固定フレーム3に対して可動フレーム4(支持部材11)をレール26に沿って前後方向に移動させることができる。このスライドシリンダ37により、先部荷受台32が折り返し状態とされた荷受台30を、前後移動させることができ、荷受台30を車両前方側へ移動させることで当該荷受台30を格納位置とすることができる。
このように、荷受台昇降装置1は、荷受台30を動作させるアクチュエータとして前記リフトシリンダ23及び前記スライドシリンダ37を備えている。これらリフトシリンダ23及びスライドシリンダ37は油圧シリンダからなる。さらに、荷受台昇降装置1は、これらアクチュエータを動作させるためのパワーユニット39、並びに、これらアクチュエータを操作するためのコントロールボックス40を備えている。図3において、パワーユニット39は可動フレーム4の左右方向の一方側(図例では右側)に取り付けられており、コントロールボックス40は可動フレーム4の左右方向の他方側(図例では左側)に取り付けられている。
図4は、パワーユニット39及びコントロールボックス40を含む荷受台昇降装置1の電気回路を説明する概略図である。図5はパワーユニット39及び前記アクチュエータの油圧回路図である。
パワーユニット39は、油圧駆動装置(油圧回路部)10と、この油圧駆動装置10の動作を制御する制御装置7とを内部に有している。
コントロールボックス40は、制御装置7とケーブルC1を介して接続されている。コントロールボックス40は、作業者が荷受台30を昇降動作等させるために操作するコントロールスイッチ40aを有している。
図4において、荷受台昇降装置1は、荷受台30が所定位置にあることを検知する複数のセンサ16a,16b,16c,16dをさらに備えている。このセンサは、例えば、荷受台30が後端位置にある状態、前端位置にある状態、格納位置にある状態(格納完了状態)等、荷受台30の位置を検知するものである。これらセンサはそれぞれ、固定フレーム3、可動フレーム4及び平行リンク機構等に適宜取り付けられており、荷受台30が所定位置まで移動した際、センサがこれを検出し、検出信号をパワーユニット39の制御装置7へ送信するように構成されている。つまり、これらセンサと前記制御装置7とは、ケーブルC2を介して接続されている。
図5において、スライドシリンダ37は油圧駆動装置10と接続されている。リフトシリンダ23は、電磁弁(切換弁)126を介して油圧駆動装置10と接続されている。なお、この電磁弁126はパワーユニット39の外部に存在しており、リフトシリンダ23の近傍に設けられている。
パワーユニット39内の油圧駆動装置10は、タンク141、モータ142aによって駆動するポンプ142、電磁弁143,144,145,146、逆止弁147、絞り弁148、及び、圧力制御弁149を有しており、図示しているように接続して構成されている。電磁弁126,143,144,145,146はそれぞれ逆止弁及びソレノイドを有している。
前記制御装置7は、制御基板(図示せず)に実装されたCPU及びメモリ等を有するマイコンよりなる電気機器である。制御装置7は、電磁弁(ソレノイド)126,143,144,145,146及びポンプ142(モータ142a)の動作を制御するものであり、これにより、スライドシリンダ37及びリフトシリンダ23の伸縮動作を制御することができる。具体的には、制御装置7は、荷受台30を、荷箱35の下の格納位置と、荷物の積み降ろし作業のための荷箱35の後方の作業位置(荷箱の後ろの位置)との間を移動させる制御、及び、作業位置で荷受台30を昇降させる制御を行うことができる。なお、油圧駆動装置10によるスライドシリンダ37及びリフトシリンダ23の具体的な伸縮動作は、後に説明する。
以上の構成により、作業者がコントロールスイッチ40a(図4参照)を操作するとこのコントロールボックス40からの操作信号に基づいて、又は、前記センサ16a,16b,16c,16dの検出信号に基づいて、制御装置7は油圧駆動装置10を制御する。すなわち、コントロールボックス40からの信号を受けた制御装置7が、その信号に基づいて油圧駆動装置10を動作させ、油圧駆動装置10がリフトシリンダ23及びスライドシリンダ37を伸縮させることにより荷受台30に所定の動作を行なわせたり、センサからの信号を受けた制御装置7が、その信号に基づいて油圧駆動装置10の動作を制御し、油圧駆動装置10がリフトシリンダ23及びスライドシリンダ37の伸縮を停止させて荷受台30を所定位置に停止させたりすることができる。
パワーユニット39の構成についてさらに説明する。図6はパワーユニット39の斜視図であり、図7は正面図であり、図8は底面図であり、図9は断面図である。なお、図6と図7では、後述するカバー部材を外した状態としている。
パワーユニット39は、前記油圧駆動装置10と、荷受台30を昇降させる制御用の前記制御装置7と、油圧駆動装置10及び制御装置7を内部に有しているユニットボックス6とを備えている。
ユニットボックス6は、油圧駆動装置10及び制御装置7を内部に格納している箱本体部8を有している。箱本体部8は、底壁部8a、左右の側壁部8b,8c、前後の壁部8d,8e、上壁部8fを有する直方体からなる。図9において、側壁部8cと上壁部8fとによって鋼板製のカバー部材が構成されており、カバー部材は保守管理を容易とするために、ネジ部材によって取り外し可能となっている。壁部8d(以下、前壁部8dという)を車両前方側とし、壁部8e(以下、後壁部8eという)を車両後方側として、ユニットボックス6は、可動フレーム4(又は固定フレーム3)に取り付けられる。
前壁部8dは油圧駆動装置10のオイルタンク141によって構成されている。後壁部8e及び側壁部8bは鋼板製であり、底壁部8aは金属製であり具体的にはアルミダイカスト製である。これら壁部が組み立てられて箱本体部8を構成しており、これら壁部によって囲まれて形成された空間に、制御装置7及び油圧駆動装置10が収容されている。
制御装置7はケース7a内部に格納されており、このケース7aが後壁部8eの内面に取り付けられている。制御装置7には複数本のケーブルC(図4のケーブルC1,C2)が接続されている。これらケーブルCは、パワーユニット39の外部にある前記センサ16a〜16d、コントロールボックス40及び電磁弁126と接続される。図6から図9では、説明を容易とするためにケーブルCを二本としているが、実際は例えばケーブルCの本数は6本である。
また、このユニットボックス6の箱本体部8内に、油圧駆動装置10のモータ142a、ポンプ142、電磁弁等を含むバルブボックス150が取り付けられている。なお、箱本体部8の側壁部8bにバルブボックス150のポート部が設けられており、この側壁部8bが車両内側となる。
図7において、箱本体部8の後壁部8eの外面に補助箱部18が取り付けられており、この補助箱部18内に端子部(端子台)18aが設けられている。この端子部18aは箱本体部8内部の制御装置7と電気的に接続されているが、補助箱部18と制御装置7が設けられている箱本体部8内部とは、水が浸入できないように密閉されている。端子部18aは車体側電気配線用であり、この端子部18aには、パワーユニット39の外部にある、車両のバッテリ46(図4参照)、コンタクタボックス43及びキャブ内スイッチ44用のケーブルが接続される。
ユニットボックス6は、さらに、その下部であって車両前後方向の一方側(図例では車両後方側)に、箱本体部8と一体である収容部9を有している。収容部9は、箱本体部8の底壁部8aの下面側に設けられ内側にケーブル用の収容空間9aを有している。収容部9は、図8に示しているように前後左右の側壁部19a,19b,19c,19dと、底壁部19e(図9参照)とを有している。前後左右の側壁部19a,19b,19c,19dは、底壁部8aから下方へ延びて形成されており、しかも、底壁部8aと一体成型(アルミダイカスト成型)されている。なお、底壁部19eは別体の板部材からなり、前後左右の壁部19a,19b,19c,19dに対してネジによって取り外し可能となっている。また、図8は、底壁部19eを取り外した状態を示している。
これら側壁部19a,19b,19c,19d、底壁部19e及び箱本体部8の底壁部8aによって囲まれた空間が前記収容空間9aとなる。
そして、箱本体部8の底壁部8aに、箱本体部8の内部から収容部9の収容空間9aへと貫通している第1挿通孔41が形成されている。
また、収容部9の側壁部19cに、収容空間9aから外部へと貫通している第2挿通孔42が形成されている。
前後左右の側壁部19a,19b,19c,19dは、底壁部8aと一体品であることから、これらは底壁部8aを補強する縦桁部となっている。特に、図8に示しているように、底壁部8aにおいて、第1挿通孔41が形成されている部分は他の部分よりも強度が低下するが、側壁部19a,19b,19dが、第1挿通孔41を三方向から囲む配置となっていることから、第1挿通孔41が形成されている部分を補強することができる。このように、底壁部8aを補強している縦桁部17を、収容部9の側壁部として活用することができ、構成の簡素化が図れる。また、底壁部8aの下面側には、補強桁としての側壁部19a,19b,19c,19d以外に、これらよりも背の低いリブ部19fが、補強材として格子状に形成されている。
そして、図9に示しているように、制御装置7の端子部に接続された複数本のケーブルCを、箱本体部9の内部から、纏めた状態として(束ねた状態として)第1挿通孔41を通じて、収容部9の収容空間9aへと挿通させている。そして、この第1挿通孔41を挿通した複数本のケーブルCを、収容空間9aから、纏めた状態として(束ねた状態として)第2挿通孔42を通じて、外部へと挿通させている。
第1挿通孔41の開口面積及び第2挿通孔42の開口面積は、外部へと繰り出す複数本のケーブルCの合計断面積よりも大きく設定されている。これにより、第1挿通孔41及び第2挿通孔42に、ケーブルCを纏めて通す作業が容易に行える。
特に、箱本体部8の底壁部8aにおいて第1挿通孔41が形成されている部分は、収容部9の側壁部19a,19b,19dによって補強されているため、第1挿通孔41の開口面積を大きくすることができる。
なお、第1挿通孔41には、ケーブルCの損傷を防止するためにグロメットが設けられている。また、図示しないが、第2挿通孔42にもグロメットを設けてもよい。
第1挿通孔41は、底壁部8aを上下方向に貫通した孔であり、第2挿通孔42は側壁部19cを水平方向(左右方向)に貫通した孔である。つまり、第1挿通孔41と第2挿通孔42とは貫通方向が異なっている。
水(例えば雨水や洗浄水)がパワーユニット39の下方から飛来しても、その水は第2挿通孔42から浸入することはできない。また、水がパワーユニット39の側方から飛来し、収容部9の収容空間9a内へ浸入したとしても、その水は第1挿通孔41から浸入することができない。これにより、第1挿通孔41及び第2挿通孔42の開口面積が、ケーブルCの断面積に比べて大きいことにより、孔41,42とケーブルCとの間に隙間があっても、箱本体部8内へ水が浸入することは困難である。
また、第1挿通孔41は、底壁部8aのうち、車両外側(左側)の部分に形成されているのに対して、第2挿通孔42は、底壁部8aの車両内側(右側)の部分から立設された側壁部19cに形成されている。つまり、第1挿通孔41と第2挿通孔42とは、ユニットボックス6の幅方向(左右方向)に離れて設けられている。これにより、第1挿通孔41と第2挿通孔42と間の距離を長くすることができるため、仮に第2挿通孔42から水が浸入しても、その水は第1挿通孔41まで到達しにくい。これにより、箱本体部8内への水(雨水や洗浄水)の浸入をより効果的に防ぐことができる。なお、図示しないが、第1挿通孔41と第2挿通孔42と間の距離を長くするために、第1挿通孔41と第2挿通孔42とを、ユニットボックス6の奥行き方向(車両前後方向)に離して設けてもよい。
制御装置7は箱本体部8の後壁部8eに取り付けられており、この制御装置7に接続されているケーブルCを先ず通過させる第1挿通孔41は、この後壁部8e寄りの位置に形成されている。このため、ケーブルCを制御装置7から第1挿通孔41まで短い距離で配設することができる。この結果、ケーブルCが他の機器(油圧駆動装置10等)に干渉することを防止することができる。
また、図3において、このパワーユニット39のユニットボックス6は、荷受台昇降装置1の本体フレーム5の左右方向の一方側(右側)に取り付けられている。そして、第2挿通孔42は、荷受台昇降装置1の中央にある部材側となる左右方向の他方側(左側)に開口している。すなわち、ユニットボックス6は、第2挿通孔42が車両内側に向くように当該ユニットボックス6を本体フレーム5に取り付ける取付部45(図8参照)を有している。なお、この取付部45は、箱本体部8の底壁部8aの下面側部分であり、本体フレーム5の一部に載置状態となり、また、本体フレーム3の一部にボルト(図示せず)によって取り付けられる部分である。
前記荷受台昇降装置1の中央にある部材としては、荷受台昇降蔵1が備えているレール26、支持部材11及びリフトシリンダ23等や、車体フレーム2がある。このように、第2挿通孔42は車両内側に向けられていることから、この第2挿通孔42に向かって飛来してくる水は、当該第2挿通孔42内へ浸入しようとしても、荷受台昇降装置1の中央にある前記構成部材、又は、車体フレーム2がこれを邪魔することができる。
以上の構成のパワーユニット39によれば、制御装置7に接続された複数本のケーブルCを纏めて第1挿通孔41を挿通させ、さらにこれらケーブルCを纏めて第2挿通孔42を介して外部に繰り出すことができる。したがって、複数本のケーブルCを一本ずつ外部へ繰り出して設ける必要がなく、ケーブルCをパワーユニット39内から外部へ配線する作業が容易となる。このように、荷受台昇降装置1の本体フレーム5に取り付けたパワーユニット39と、本体フレーム5等に設けられたセンサ16a〜16d、コントロールボックス40及び電磁弁126との間のケーブル配線作業が容易であることから、荷受台昇降装置1の組み立てが簡単となる。さらに、ケーブル配線作業を終え組み立てが完了した荷受台昇降装置1を、車体フレーム2に取り付ける作業も容易となる。
また、前記第1挿通孔41及び第2挿通孔42によれば、外部から浸入しようとする水は、第2挿通孔42及び第1挿通孔41を経ないと、制御装置7が存在する箱本体部8内へ浸入することができず、防水性の高いものとすることができる。
また、第1挿通孔41において、ケーブルCの挿通方向が鉛直方向であるため、第1挿通孔41から箱本体部8内へ水は浸入しにくい。さらに、パワーユニット39の外側においてケーブルCに水が付着し、その水がケーブルCをつたって第2挿通孔42を通り収容部9内に到達しても、第1挿通孔41においてそのケーブルCは鉛直方向に立ち上がっているため、その立ち上がっている部分で前記水は自重によって水滴として収容部9内へ落ちることができ、箱本体部8内へ浸入することができない。
また、収容部9内において、ケーブルCを90°湾曲させて配置することができるため、この湾曲した部分に外部の異物が載り異物が溜まることを防止することができる。
また、水平方向の指向性を有して飛来する水が第2挿通孔42を通過できたとしても、その水は、収容部9の奥部にある側壁部19dに当るため、第1挿通孔41から箱本体部8内へ浸入しない。さらに、例えば地面から跳ね返って下方から飛来する水は、箱本体部8の底壁部8a及び収容部9の底壁部19eによって、浸入することができない。同様に、車両前後方向から及び左右方向外側から飛来する水も、箱本体部8の壁部、収容部9の壁部によって浸入することができない。このように、第1挿通孔41及び第2挿通孔42によって、水の浸入を防止することができるため、パワーユニットの壁に形成した孔とケーブルとの間に従来のような止水部材を設けなくてもよい。
以上のように、パワーユニット39は箱本体部8内部への水の浸入を防ぐことができることから、制御装置7等が水に濡れることがなく、不具合が生じにくい荷受台昇降装置1とすることができる。
図5において、パワーユニット39が備えている油圧駆動装置10による、スライドシリンダ37及びリフトシリンダ23の伸縮動作について説明する。
スライドシリンダ37を伸長させ荷受台30を後方へ移動させるときは、ポンプ142が運転され、電磁弁144が励磁される。他の電磁弁143,145,146,126は非励磁状態である。ポンプ142から圧送された作動油は、逆止弁147及び絞り弁148を経てスライドシリンダ37の収縮側ポート37bに供給される。また、作動油は、励磁された電磁弁144を通ってスライドシリンダ37の伸長側ポート37aにも供給される。この結果、ピストンヘッドの受圧面積差により、スライドシリンダ37は伸長動作する。
スライドシリンダ37を収縮させ荷受台30を前方へ移動させるときは、ポンプ142が運転され、電磁弁145が励磁される。他の電磁弁143,144,146,126は非励磁状態である。ポンプ142から圧送される作動油は、逆止弁147及び絞り弁148を経てスライドシリンダ37の収縮側ポート37bに供給される。また、伸長側ポート37aは、励磁された電磁弁145からタンク141に連通し、作動油の戻しが可能となる。これにより、スライドシリンダ37は収縮動作する。
リフトシリンダ23を伸長させ荷受台30を上昇させるときは、ポンプ142が運転され、電磁弁143,144が励磁される。他の電磁弁145,146,126は非励磁状態である。ポンプ142から圧送される作動油は、逆止弁147、励磁された電磁弁143、非励磁状態の電磁弁126を経て、リフトシリンダ23に供給され、リフトシリンダ23は伸長(上昇)動作する。このとき作動油は、逆止弁147、絞り弁148及び励磁された電磁弁144を介してスライドシリンダ37の伸長側ポート37aにも供給される。これにより、上昇動作中の負荷によってスライドシリンダ37が収縮方向に戻されることを防止する。
リフトシリンダ23を短縮させ荷受台30を下降させるときは、ポンプ142が停止となり、電磁弁144,146,126が励磁される。他の電磁弁143,145は非励磁状態である。これにより、リフトシリンダ23内の作動油は、励磁された電磁弁126、非励磁状態の電磁弁143、励磁された電磁弁146を経て、タンク141に戻される。これにより、リフトシリンダ23は収縮動作する。電磁弁126が非励磁状態のとき、リフトシリンダ23内の作動油は、電磁弁126内の逆止弁によって封止され、リフトシリンダ23のピストンはその位置に保持される。
また、本発明のパワーユニット39及び荷受台昇降装置1は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、前記実施形態では、荷受台昇降装置1を、荷受台30を荷箱35の下方に格納する床下格納型として説明したが、これ以外のものであってもよく、例えば、起立格納型や、垂直昇降型であってもよい。
また、前記実施形態では、第2挿通孔42が収容部9の側壁部19cに形成されている場合を説明したが、これ以外に、第2挿通孔42は収容部9の他の壁部に形成されていてもよい。例えば、第2挿通孔42は、収容空間9aから外部へと貫通するようにして側壁部19eに形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、収容部9内の収容空間9aを一つとして説明したが、この収容空間9aは二以上に区切られたものあってもよい。すなわち、図示しないが、収容部9は、内部を二以上の収容空間に区画する内壁部を有している。この場合、前記内壁部に、挿通孔が形成されており、この挿通孔にケーブルCを挿通させればよい。
荷受台昇降装置の実施の一形態を示す側面図である。 荷受台を格納位置に格納した状態の側面図である。 荷受台昇降装置の平面図である。 パワーユニット及びコントロールボックスを含む荷受台昇降装置の電気回路を説明する概略図である。 パワーユニット及びアクチュエータの油圧回路図である。 パワーユニットの斜視図である。 パワーユニットの正面図である。 パワーユニットの底面図である。 パワーユニットの断面図である。
符号の説明
1 荷受台昇降装置
2 車体フレーム
5 本体フレーム
6 ユニットボックス
7 制御装置
8 箱本体部
8a 底壁部
9 収容部
9a 収容空間
23 リフトシリンダ
30 荷受台
37 スライドシリンダ
39 パワーユニット
41 第1挿通孔
42 第2挿通孔

Claims (5)

  1. 荷受台の昇降を制御する制御装置と、電気ケーブルが接続される前記制御装置を内部に有しているユニットボックスとを備えている荷受台昇降装置用のパワーユニットにおいて、
    前記ユニットボックスは、
    前記制御装置を外部に露出することなく内部に格納している箱本体部と、
    前記箱本体部の底壁部の下面側に設けられ内側に前記電気ケーブル用の収容空間を有している収容部と、
    前記箱本体部の前記底壁部に形成され前記制御装置に接続された複数本の前記電気ケーブルを纏めて前記収容空間へと挿通させる第1挿通孔と、
    前記収容部の壁部に形成され前記第1挿通孔を挿通した前記電気ケーブルを纏めて外部へと挿通させる第2挿通孔と、を有していることを特徴とする荷受台昇降装置用のパワーユニット。
  2. 前記収容部は、前記底壁部から下方へ延びて形成された補強用の縦桁部を、壁部として有している請求項1に記載の荷受台昇降装置用のパワーユニット。
  3. 前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とは、前記ユニットボックスの幅方向又は奥行き方向に離れて設けられている請求項1又は2に記載の荷受台昇降装置用のパワーユニット。
  4. 前記ユニットボックスは、荷受台昇降装置が有する本体フレームの左右方向の一方側に取り付けられ、前記第2挿通孔は、左右方向の他方側に向かって開口している請求項1〜3のいずれか一項に記載の荷受台昇降装置用のパワーユニット。
  5. 車体フレームに取り付けられる本体フレームと、前記本体フレームに対して昇降可能に設けられかつ荷物を載せる荷受台と、前記荷受台を昇降させる昇降機構と、前記本体フレームに取り付けられ前記昇降機構を動作させる請求項1〜4のいずれか一項に記載のパワーユニットと、を備えていることを特徴とする荷受台昇降装置。
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