JP4693572B2 - ガラス成形体の製造方法、ガラス円柱体の製造方法、ディスク状ガラスの製造方法、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体の製造方法、ガラス円柱体の製造方法、ディスク状ガラスの製造方法、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融ガラスから棒状のガラス成形体を製造する方法、該ガラス成形体を加工してガラス円柱体を製造する方法、該ガラス円柱体をスライスしてディスク状ガラスを製造する方法、該ディスク状ガラスを用いて情報記録媒体用基板を製造する方法および該情報記録媒体用基板を用いて情報記録媒体を製造する方法に関する。
大容量の記録が可能で、高速のデータ読み取り、書き込みが可能な情報記録媒体として、磁気ディスクが普及している。磁気ディスク用の基板には高い平坦性、表面平滑性、高速回転時の安定性などが求められており、これらの諸要求を満たす基板材料としてガラスがある。
磁気ディスク基板のような大量生産するガラス物品を製造する場合、ガラス原料を加熱、溶融して作ったガラスを使用するのが生産性、コストの面から有利である。溶融ガラスから磁気ディスク基板のような情報記録媒体用基板を作製するには溶融ガラスから所要量の溶融ガラスゴブを分離してプレスし、肉薄円盤状に成形し(以下、ダイレクトプレス法と呼ぶ)、肉薄円盤状のガラスに研削、研磨加工を施して基板に仕上げる特許文献1に開示されている方法、溶融ガラスをフロート法により板状に成形し、この板状ガラスから円盤状のガラスをくり抜き、研削、研磨加工を施して基板に仕上げる方法などがある。
特開平7−133121号公報
上記方法はいずれも高い信頼性を備え、量産実績を誇る優れた方法ではあるが、小径の情報記録媒体用基板の製造に適用するには、次のような問題がある。
すなわち、ダイレクトプレス法では、基板の径が小さくなるに伴って基板1枚あたりのガラスの体積が減少し、対応する各溶融ガラスゴブの体積も減少するが、各溶融ガラスゴブが有する熱量も減少するため、プレスでガラスを肉薄板状に延ばす前にガラスが固化してしまうという問題がおきる。
そのため、十分な体積の溶融ガラスゴブをプレスして肉薄板状に成形し、1枚の肉薄板状ガラスから複数枚の基板を切り抜くという方法を取らざるを得ない。しかしながら、この方法は、上記フロート法を用いた製法と同様に、板状ガラスから基板をくり抜いているため、成形したガラスのうち一定の割合しか利用できないという問題があった。
この問題を解決するために、溶融ガラスから棒状のガラスを成形する工程を経て、ガラス円柱体を作製し、このガラス円柱体をスライスすることが考えられ、これによれば、多数枚の情報記録媒体用基板のブランクをガラスの利用率を高めながら作製することができる。
ところで、情報記録媒体用基板のガラス材料としては、低コストで供給することができ、優れた化学的耐久性を有するガラスが求められており、このような要求を満たすガラスとしては、SiOを主要成分とするガラスが最適である。SiOを主要成分とするガラス、すなわち、ガラス成分を質量比で見たときに含有量が最も多い成分がSiOであるガラスは、液相温度における粘度が高いという性質を有する。溶融ガラスを成形する際、溶融容器やガラス流出パイプの侵蝕、型が受ける熱的なダメージを低減する上から、ガラスの流出温度をガラスの失透が生じない範囲でできるだけ低くすることが望まれるが、その場合、SiOを主要成分とするガラスのように、液相温度における粘度が高いガラスでは、流出時のガラスの粘度も高くなる。
このような液相温度における粘度が高いガラスから高品質な棒状のガラス成形体を製造する方法があれば、情報記録媒体用基板の製造に用いられるディスク状ガラスを効率よく生産したり、上記性質を有するガラスから光学的な用途などに使用する高品質なガラス成形体を得たりすることが可能になる。
本発明は、このような事情のもとで、成形時に高い粘度を有するガラスを用いた場合であっても、高品質な棒状のガラス成形体を製造することができるガラス成形体の製造方法、該ガラス成形体を機械加工するガラス円柱体の製造方法、該ガラス円柱体をスライスするディスク状ガラスの製造方法、該ディスク状ガラスを用いる情報記録媒体用基板の製造方法および該情報記録媒体用基板を用いる情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討した結果、以下の知見を得るに至った。
すなわち、液相温度を有するとともに、液相温度において1dPa・s以上の粘度を有するガラスを溶融して得た溶融ガラスを、鋳型に設けられた樋状の凹部に流し込み、該凹部に沿って移動させることにより、凹部内のガラス上面は鋳型に接触して冷却されることがないため、ガラスの粘度上昇スピードを遅くすることができ、溶融ガラスを鋳型凹部に沿って移動させながら均一に満たして、凹部の形状に対応した形状を有する棒状のガラス成形物を形成できることが判明した。
しかし、この状態においては、得られるガラス成形物の長手方向に対する垂直断面がほぼ一定形状になっているものの、鋳型凹部の形状に対応した形状になっているだけであるので、これを所望の形状に成形する必要がある。そこで、上記ガラスが固化する前に上記ガラス成形物の側面を間歇的に押圧して、または上記ガラス成形物を連続的にガラスの移動方向に引っ張って所望の形状に成形することによって、目的とするガラス成形体を得ることができることが判明した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)溶融ガラスを鋳型に流し込んで成形する円柱状のガラス成形体の製造方法であって、
液相温度を有するとともに、液相温度において1dPa・s以上の粘度を示すガラスを溶融して得た溶融ガラスを前記鋳型に設けられた樋状の凹部に流し込み、該凹部に沿って移動させながら凹部の形状に対応した形状を有するガラス成形物を形成し、
前記ガラス成形物の側面を間歇的に押圧して、または前記ガラス成形物を連続的にガラスの移動方向に引っ張って円柱状に成形して、円柱状のガラス成形体を得ることを特徴とするガラス成形体の製造方法、
(2)前記ガラスがアルミノシリケートガラスまたはボロアルミノシリケートガラスである上記(1)に記載のガラス成形体の製造方法、
)前記凹部がガラスの移動方向に水平になるように鋳型を配置し、前記ガラス成形物を水平方向に移動させる上記(1)または(2)に記載のガラス成形体の製造方法、
)上記(1)〜()のいずれか1項に記載の方法により作製したガラス成形体の側面を機械加工して、長さL[mm]、真直度5×10−5×L[mm]以下、外径公差±0.2mm以下の円柱体を得ることを特徴とするガラス円柱体の製造方法、
)前記側面の機械加工がセンターレス加工である上記()に記載のガラス円柱体の製造方法、
)上記()または()に記載の方法により作製したガラス円柱体を、該円柱体の中心軸に対して垂直にスライスすることを特徴とするディスク状ガラスの製造方法、
)外径が等しい複数のガラス円柱体を、各円柱体の中心軸が互いに平行になるように密着して、スライスする上記()に記載のディスク状ガラスの製造方法、
)上記()または()に記載の方法で作製したディスク状ガラスの主表面を機械加工することを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法、および
)上記()に記載の方法で作製した情報記録媒体用基板の主表面上に情報記録層を含む膜を形成することを特徴とする情報記録媒体の製造方法
を提供するものである。


本発明によれば、成形時に高い粘度を有するガラスを用いた場合であっても、高品質な棒状のガラス成形体を製造することができるガラス成形体の製造方法、該ガラス成形体を機械加工するガラス円柱体の製造方法、該ガラス円柱体をスライスするディスク状ガラスの製造方法、該ディスク状ガラスを用いる情報記録媒体用基板の製造方法および該情報記録媒体用基板を用いる情報記録媒体の製造方法を提供することができる。
[ガラス成形体の製造方法]
本発明のガラス成形体の製造方法は、
溶融ガラスを鋳型に流し込んで成形する棒状のガラス成形体の製造方法であって、
液相温度を有するとともに、液相温度において1dPa・s以上の粘度を示すガラスを溶融して得た溶融ガラスを前記鋳型に設けられた樋状の凹部に流し込み、該凹部に沿って移動させながら凹部の形状に対応した形状を有するガラス成形物を形成し、
前記ガラス成形物の側面を間歇的に押圧して、または前記ガラス成形物を連続的にガラスの移動方向に引っ張って棒状に成形して、棒状のガラス成形体を得ることを特徴とする。
先ず、本発明のガラス成形体の製造方法において用いられるガラスについて説明する。
本発明のガラス成形体の製造方法においては、ガラスとして液相温度を有するとともに、液相温度において1dPa・s以上の粘度を示すガラス、好ましくは、液相温度を有するとともに、液相温度において30dPa・s以上の粘度を示すガラスが用いられる。本発明で用いるガラスは、化学的耐久性が高く、低コストなガラスであり、SiOを主要成分とするガラス(ガラス成分を質量比で見たとき、含有量が最も多い成分がSiOであるガラス)が最適である。
このようなガラスとして、アルミノシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラスを例示することができる。
具体的な組成としては、
ガラス成分としてSiO、Al、アルカリ金属酸化物を含むガラス1、
ガラス成分としてSiO、Al、B、アルカリ金属酸化物を含むガラス2、
ガラス1またはガラス2であって、さらにアルカリ金属酸化物としてLiOを含むガラス3、
ガラス1〜3のいずれかのガラスであって、さらにアルカリ金属酸化物としてNaOを含むガラス4、
ガラス1〜4のいずれかのガラスであって、さらにZrOを含むガラス5、
ガラス1〜5のいずれかのガラスであって、さらに希土類金属酸化物を含むガラス6、
などを例示することができる。
なお、ガラス3から得られたガラス成形体を用いて、後述のガラス基板を作製する場合は、基板をナトリウム溶融塩、カリウム溶融塩、ナトリウム溶融塩とカリウム溶融塩の混合溶融塩のいずかの溶融塩に浸漬してイオン交換により化学強化を施すことができる。
以下、図1〜図3を参照しながら、本発明のガラス成形体の製造方法における実施形態を詳説する。
図1は、ガラス成形体の製造装置の一例を示すものである。
まず、ガラス原料を調合し、図示しない溶融容器に投入、加熱し、公知の方法を用いて溶融ガラスを作製し、溶融容器内に蓄積する。溶融容器にはパイプ1の上部が接続されており、溶融ガラスはパイプ中を通ってパイプ1の下部に設けられた流出口1−1から連続して流出する。
通電加熱されたパイプ1は図示しない保温材で包まれており、内部を流れるガラスが失透せず、適正な流量に保たれるように温度制御されている。
パイプ1の下方には鋳型2を配置する。鋳型には樋状凹部2−1が設けられており、樋状凹部2−1の長手方向に対する垂直断面(以下、「凹部断面」と呼ぶ)形状が、長手方向に沿って同一になるように凹部を形成している。
図2(a)は、溶融ガラス鋳込み前の、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面形状の一例を示すものであり、図2(b)は、溶融ガラスが鋳込まれた状態での、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面形状を示すものであり、図2(c)は、円柱形状のガラス成形体を成形する場合の押圧型の一例を、ガラス成形物の移動方向に対する垂直断面で示した図であり、図2(d)は、押圧解除した後の押圧型の垂直断面を示すものである。
図2(a)に示すように、凹部断面形状は、底部が一定の直径を有する半円弧状となっており、該半円弧状底部の両端が垂直上方向に伸びて、断面略U字状となっている。
樋状凹部2−1の長手方向の一端(溶融ガラスが流入する側の端部)はガラスが流れ出さないように閉塞しており、他端は開口している。以下、上記閉塞した凹部端部を閉塞端、開口した凹部端部を開口端と呼ぶこととする。
図1に示す態様においては、凹部が水平になるように、すなわち、凹部底部がガラスの移動方向に水平になるように鋳型を配置し、パイプ1のガラス流出口1−1の垂直下方に樋状凹部2−1を平面視したときの中心線が位置するように、かつ、ガラス流出口1−1が凹部閉塞端に近い部分に位置するよう固定することが好ましい。この状態で、ガラス流出口1−1の垂直下方の位置を鋳型の鋳込み位置と呼ぶことにする。
ガラス流出口1−1から一定の流量で連続流出する溶融ガラスを樋状凹部2−1に連続して流し込み、凹部内に満たす。このとき、溶融ガラスの粘度は概ね400〜600dPa・sである。
この方法では、溶融ガラスの粘性、鋳型の形状が相まって、鋳型に流し込まれた溶融ガラス流のうち、凹部開口端に向かって凹部内を広がりながら流れる溶融ガラス流、鋳型側壁方向に向かって流れた後、開口端に向かって流れを変える溶融ガラス流、閉塞端に向かって流れた後、開口端に向かって流れを変える溶融ガラス流のそれぞれの流れが均一に混じり合うので、均質なガラス成形体を作製することができる。
鋳込まれたガラスは、凹部の形状に対応した形状に成形され、図1の装置においては、図2(b)に示すように、長手方向に対する垂直断面が略U字状であるガラス成形物が形成される。
図1において、鋳型2の長手方向に沿った側壁部には、鋳型の鋳込み位置から開口端に向かう間に切欠き2−2が設けられている。切欠き2−2は鋳型2の長手方向に沿った両側壁の対向する位置に各々同形状で設けられている。切欠き2−2には一対の押圧型3、3がはめ込まれており、一対の押圧型3、3間を通過するガラス成形物の側面を押圧する。押圧はガラスの移動を妨げないよう間歇的に行われる。
ここで留意すべき点は、高温下におけるガラス成形体の製造において、鋳型2および押圧型3が熱膨張により形状変化および寸法変化し得ることであり、この点を考慮して、樋状凹部2−1、切欠き2−2、押圧型3の室温状態における形状および寸法を定めることである。上記設計にあたっては、樋状凹部2−1、切欠き2−2、押圧型3を構成する材料の熱膨張特性、操業温度、冷却過程におけるガラスの体積収縮量などの諸要素を考慮すべきである。また、押圧型で押圧する位置におけるガラスの粘度にも留意するべきであり、上記位置におけるガラスの粘度が10〜10dPa・sの範囲になるようにすることが好ましい。低粘度で押圧すると、得られるガラス成形体の側面が自重により垂れてしまい、所要形状、寸法を有するガラス成形体を得ることが難しくなる。
図2(c)に示すように、それぞれ半円弧状の押圧面を有する一対の押圧型3、3を、鋳型2により形成されたガラス成形物の側面に押圧して、長手方向に対する垂直断面が円形のガラス成形体を成形する。
図2(c)に示すように、一対の押圧型3、3は、樋状凹部2−1の中心軸を含む垂直平面に対し、対称に動かして押圧することが好ましく、押圧後は、図2(d)に示すように、押圧方向と逆方向に押圧解除を行うことが好ましい。また、一対の押圧型の押圧方向が同一直線上になるようにすることが望ましい。
ガラス成形物の長手方向に沿った側面を、上記一対の押圧型3、3で間歇的に押圧することにより、真直性の高い、一定外径の円柱状ガラス成形体を成形することができる。
押圧時に円形に形成される押圧型3、3の垂直断面の直径は、得られる円柱状のガラス成形体の断面直径に概ね等しくするが、得られる円柱状のガラス成形体の断面直径に上記ガラスの体積収縮、押圧型の熱膨張による変化分の補正を加えて、設計することが好ましい。
また、押圧型の下端部と鋳型との間にはクリアランス(隙間)を設け、押圧型の動きがスムーズになるようにすることが好ましい。
図3(a)は、図2(a)に示す鋳型とは別の鋳型における、溶融ガラス鋳込み前の、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面形状を示すものである。図3(a)に示す断面形状は、底部は図2(a)と同形状であるが、ガラスの流れ方向に沿う側壁の断面形状が曲面になっており、凹部上部が狭くなっている。また、図3(b)は、溶融ガラスが鋳込まれた状態での、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面形状を示すものである。
図3に示す鋳型は、冷却時に体積収縮(ヒケと呼ぶ)の大きいガラスを成形する場合、ガラス上面を盛り上げておき、ヒケによって所要の形に近づける場合に有効である。
また、ガラス成形物の長手方向に沿った側面を押圧するかわりに、ガラス成形体を連続してガラスの移動方向(樋状凹部の長手方向)に引っ張ることにより、棒状のガラス成形体に成形してもよい。その場合は、ガラス成形体の側面を一対または複数対のローラで挟んで、ローラを回転してガラス成形体を引っ張ることが好ましい。引っ張って成形したガラスはそのまま、連続移送式徐冷炉内へと送り込むことが好ましい。
ガラスは鋳型底部により支持され、移動方向が水平に維持されているので、ガラスが自重により変形することを防止することができ、真直性の高いガラス成形体を得ることができる。
また、樋状凹部の断面形状および/または一対の押圧型の押圧面の断面形状を目的とするガラス成形体の断面形状に対応した形状にすることにより、円柱状の他、四角柱状などの角柱状、楕円柱状など様々な形状を有する棒状のガラス成形体を成形することができる。
ガラスはその温度がガラス転移温度付近にまで低下してから鋳型開口部から取り出され、鋳型の横に配置した連続移送式の徐冷炉(レア)内へとベルトコンベアーで移送され、徐冷炉内でアニールされ、徐冷炉から取り出される。徐冷は公知の方法により行えばよい。
このようにして連続的に成形、徐冷されるガラス成形体から所望の長さのガラス成形体を切断して切り離す。徐冷炉内の温度設定の領域区分は徐冷炉に送り込まれるガラス成形体の移動スピードなどを考慮して決めればよい。
上記したように、鋳型凹部がガラスの移動方向に水平になるように鋳型を配置し、ガラス成形物を水平方向に移動させる方法は、ガラス成形体を曲げずに連続移送式の徐冷炉内へと送ることができるという特長を有する。
本発明のガラス成形体の製造方法は、特に液相温度において30dPa・s以上の粘度を示すガラスの成形に好適である。本発明のガラス成形体の製造方法では、1dPa・s以上30dPa・s未満のガラスも成形できるが、上述したように、凹部がガラスの移動方向に水平になるように鋳型を配置する方法では、垂直に流下したガラス流を鋳型に流し込むことにより流れの方向を90°変えることになるため、成形したガラス中に脈理が発生することがある。脈理は光学的な用途に使用する場合、ガラス中を透過する光の波面に悪影響を及ぼすことがある。その他、脈理があるガラスを化学強化すると脈理部分でイオン交換が均等に進まず、圧縮応力層が不均一になってガラス中の応力バランスが崩れ、平坦性の高いガラス物品でも化学強化によって反りが生じるという問題が引き起こされる。このような点を考慮すると、凹部底部を水平にして成形する方法は、30dPa・s以上の粘度を示すガラスの成形に適用することが好ましい。
液相温度において1dPa・s以上30dPa・s未満の粘度を示すガラスを成形する場合は、凹部底部が水平に対して傾斜するように鋳型を配置して成形することが、脈理を低減、防止する上から望ましい。しかし、この方法においては連続移送式の徐冷炉にガラス成形体を連続して送り込むためにはガラス成形体を曲げる必要がある。あるいは、ガラス成形体を適当な長さで切断し、徐冷炉に送り込む必要がある。したがって、作業性からは凹部底部を水平にして成形する方法のほうが優れていることになる。
本発明のガラス成形体の製造方法において、得られる棒状のガラス成形体の長さをL[mm]とすると、真直度が2×10−3×L[mm]以下、外径公差±0.25mm以内のガラス成形体を得ることができる。例えば、棒状のガラス成形体の長さが1000mmのとき、前記真直度は2mm以下となる。本発明のガラス成形体の製造方法は、ガラス成形体が円柱状である場合、外径(円柱の断面直径)が16〜70mmのものの成形に好適であり、外径が16〜50mmのものの成形により好適であり、外径が20〜50mmのものの成形にさらに好適である。
本発明において、真直度とは、JIS B0621−1984に規定される「幾何偏差の定義及び表示」で、方向を定めない場合の真直度として定義されたものを意味する。
また、外径公差とは長さL[mm]の範囲における外径の最大値と最小値から求められる公差のことである。
[ガラス円柱体の製造方法]
本発明のガラス円柱体の製造方法は、上記方法により作製したガラス成形体の側面を機械加工して、長さL[mm]、真直度が5×10−5×L[mm]以下、外径公差±0.2mm以内の円柱体を得ることを特徴とする。
前述のように本発明のガラス成形体の製造方法により、真直性に優れ、外径公差の小さい円柱形状のガラス成形体を得ることができるが、ガラス成形体をスライスしてより精密なガラス物品を作製するためには、ガラス成形体の側面を機械加工して真直度を向上させ、外径公差をゼロに近づけることが望まれる。
例えば、図4に示されるように、外径の等しいガラス円柱体を、各円柱体の長手方向を揃えて複数本積み重ね、これらを同時にスライスしようとする場合、真直性が悪く、外径公差が大きい円柱体では各円柱体の中心軸を互いに平行にして積み重ねることができない。このような状態でスライス加工すると、ディスク状物品の厚みが不揃いになったり、真円度が低くなってしまう。
そこで、本発明のガラス円柱体の製造方法においては、ガラス成形体の側面を研削、あるいは研磨して、複数のガラス円柱体を、長手方向を揃えて積み重ねたときに各ガラス円柱体の中心軸が所要の平行度になるようにする。
ガラス成形体側面の機械加工法としては、公知のセンターレス加工が好ましい。センターレス加工によって上記ガラス円柱体を効率よく生産することができる。
ガラス成形体側面を機械加工して得られるガラス円柱体の真直度は、4.0×10−5×L[mm]以下が好ましく、3.0×10−5×L[mm]以下がより好ましく、2.8×10−5×L[mm]以下がさらに好ましい。
例えば、円柱体の長さL[mm]が180mmである場合、真直度は0.0072mm以下が好ましく、0.0054mm以下がより好ましく、0.0050mm以下がさらに好ましい。
またガラス円柱体の外径公差は±0.1mm以内が好ましく、±0.08mm以内がより好ましく、±0.05mm以内がさらに好ましい。
ガラス円柱体の外径は、16〜70mmが好ましく、16〜50mmがより好ましく、16〜30mmがさらに好ましく、20〜30mmが特に好ましい。
また生産性を高め、一度のスライスで多数枚のディスク状ガラスを作る上から、ガラス円柱体の長さL[mm]は、100mm以上であることが好ましい。ただし、スライス装置のスペース、取り扱いの容易さを考慮すると、上記長さを1000mm以下にすることがより好ましく、100〜500mmとすることがさらに好ましい。
[ディスク状ガラスの製造方法]
本発明のディスク状ガラスの製造方法は、上記方法により作製したガラス円柱体を、該円柱体の中心軸に対して垂直にスライスすることを特徴とする。
スライスはワイヤーソーやブレード切断機などを用いて行うことができる。切断条件は公知の方法をもとに適宜、決めればよい。スライスの間隔は適宜、設定することができるが、同形状のディスク状ガラスを得る上からは、等間隔でスライスすることが望ましい。
本発明のディスク状ガラスの製造方法においては、上記本発明の方法により作製した、外径が等しい複数のガラス円柱体を、各円柱体の中心軸が互いに平行になるように密着して、スライスする態様が好ましい。すなわち、外径が等しい複数のガラス円柱体の側面を互いに密着させ、各円柱体の中心軸が互いに平行な状態に固定し、このガラス円柱体束を同時にスライスする方法である。特に、マルチワイヤーソーと呼ばれる、一度に複数枚のディスクをスライスするワイヤーソーを用い、一定間隔で複数のディスクを同時にスライスする方法を用いることによって、多量のディスク状ガラスを高い生産性のもとに製造することができる。スライスはワークであるガラス成形体をスラリー中に浸漬して行ってもよいし、ドライな状態で行ってもよい。マルチワイヤーソーとしては、市販されているマルチワイヤーソー加工機を挙げることができる。
上記ガラス円柱体束として、具体的には、複数のガラス円柱体を、長手方向を揃えて積み重ね、ガラス円柱体の中心軸方向から見たときに、各円柱体の中心軸が正方形の格子を形成する積層構造物や、ガラス円柱体の中心軸方向から見たときに、各円柱体の中心軸が三角形の格子を形成する積層構造物を挙げることができる。積層構造物を形成するガラス円柱体の本数が多い場合は、積層するにつれて各層を構成するガラス円柱体の本数を減少させることが好ましい。一般に、積層構造物を形成するガラス円柱体の本数が多くなると加工の安定性が低下するが、上記のように結晶化ガラス円柱体の本数を漸次減少させて積層することにより、積層構造物の重心を低くすることができ、安定な積層構造体を得ることができる。この場合、積層構造物としては、ガラス円柱体の中心軸方向から見たときに、各ガラス円柱体の中心軸が正三角形の格子を形成する積層構造物であることが好ましい。なお、この構造は同方向から見たときにガラス円柱体の最密充填構造になっている。積層構造物を準備するにあたっては、エポキシ系接着剤を用いてガラス円柱体を相互に密着するとともに、ワークである積層構造物を台の上に固定する。スライス加工後、スライスされたワークを有機系溶剤中に浸漬して接着剤を溶かし、洗浄して接着剤を除去する。このようにしてディスク状ガラス多数枚を得ることができる。
[情報記録媒体用基板の製造方法〕
本発明の情報記録媒体用基板の製造方法は、上記本発明の方法で作製したディスク状ガラスの主表面を機械加工することを特徴とする。
本発明の情報記録媒体用基板の製造方法において、主表面とは、ディスク状ガラスの面積が最も大きい面、すなわち、円形状の対向する平面を意味する。
上記ディスク状ガラスの機械加工は、公知の研削、精密研磨加工、内外径加工によって行うことができるが、ディスク状ガラス主表面の機械加工法としては、上記加工法のうち、精密研磨加工が好ましく、研磨は、例えば、合成ダイヤモンド、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化ホウ素などの合成砥粒や、天然ダイヤモンド、酸化セリウムなどの天然砥粒を用いて、公知の方法により行うことができる。
基板表面は、原子間力顕微鏡(AFM)で測定した平均粗さRa(JIS B0601)で1nm以下の表面平滑性に仕上げることが好ましい。表面の平均粗さRa(JIS B0601)は、情報記録媒体の記録密度に大きく影響する。例えば、情報記録媒体用基板が磁気ディスク用の基板である場合、基板表面平均粗さが1nmを超えると、磁気ディスクの高記録密度化を達成しにくくなる。情報記録媒体の高記録密度化を考慮すると、上記Raを0.7nm以下にすることがより好ましく、0.5nm以下にすることがさらに好ましく、0.3nm以下にすることが特に好ましい。
なお、本発明の情報記録媒体用基板を磁気ディスク用の基板として用いる場合等においては、基板の清浄状態が厳しく求められるので、最終工程、あるいは中間工程において、適宜、基板の洗浄を行うことが好ましい。その際、基板を効率よく洗浄する上から超音波洗浄を行うことが好ましい。
情報記録媒体用基板の厚みは0.4mm以下が好ましく、0.3mm以下がより好ましい。厚みの下限に特に制限はないが、0.2mm以上を目安にすればよい。情報記録媒体用基板の外径は16〜70mmが好ましく、16〜50mmがより好ましく、16〜30mmがさらに好ましく、20〜30mmが特に好ましい。
〔情報記録媒体の製造方法]
本発明の情報記録媒体の製造方法は、上記本発明の情報記録媒体の製造方法で作製した情報記録媒体用基板の主表面上に情報記録層を含む膜を形成することを特徴とする。
本発明の情報記録媒体用の製造方法において、主表面とは、情報記録媒体用基板の面積が最も大きい面、すなわち、円形状の対向する平面を意味する。
情報記録層としては、例えば磁気記録層(磁性層とも呼ばれる)が挙げられる。主表面に形成される情報記録層以外の層としては、機能面から、下地層、保護層、潤滑層などが挙げられ、これらの層が必要に応じて形成される。情報記録層を含む上記各層は、スパッタ等の各種薄膜形成技術により膜状に形成される。
磁性層の材料としては、特に制限されないが、例えば、Co系の他、フェライト系、鉄−希土類系などが挙げられる。具体的には、Coを主成分とするCoPt系合金、CoCr系合金、CoCrTa系合金、CoPtCr系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtSiO系合金などが挙げられる。また、磁性層を非磁性層で分割してノイズ低減を図った多層構成としてもよく、磁性層は、水平磁気記録方式、垂直磁気記録方式のいずれの磁気記録方式に用いられる磁性層であってもよい。
下地層の材料は、磁性層の材料に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも1種、またはそれらの金属の酸化物、窒化物、炭化物等を挙げることができる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上の観点から下地層はCr合金であることが好ましく、例えば、CrW系合金、CrMo系合金、CrV系合金を挙げることができる。下地層は単層とは限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造とすることもできる。また、基板と磁性層の間または磁性層の上部に、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着すること(ヘッドスティクション)を防止するための凹凸制御層を設けてもよい。この凹凸制御層を設けることによって、磁気ディスクの表面粗さは適度に調整されるので、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することがなくなり、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
保護層としては、例えば、炭素保護層が挙げられる。
潤滑層の材料としては、多種多様な提案がなされているが、一般的には、液体潤滑剤であるパーフルオロポリエーテルを挙げることができ、潤滑層の形成方法としては、上記材料をフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体表面にディッピング法、スピンコート法、スプレイ法などによって塗布し、必要に応じて加熱処理を行って形成する方法を挙げることができる。
情報記録媒体の表面粗さは、上記ヘッドスティクション等を考慮すると、最大表面粗さRmax=2〜30nmが好ましく、Rmax=3〜10nmがより好ましい。情報記録媒体が磁気ディスクである場合、Rmaxが2nm未満であると、磁気ディスク表面が平坦に近いことから、磁気ヘッドや磁気ディスクが傷ついてしまったり、ヘッドクラッシュを起こすので好ましくない。また、Rmaxが30nmを超える場合、グライド高さ(グライドハイト)が大きくなり記録密度の低下を招くので好ましくない。尚、基板表面にテクスチャリング処理を施してもよい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1(ガラス成形体およびガラス円柱体の製造例)
ガラス成分としてSiO、Al、LiO、NaO、ZrOを含む母材ガラスが得られるように、出発原料として、酸化物原料などを用いて秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを溶融容器に入れ、加熱、溶融し、成長、攪拌して均質かつ泡を含まない溶融ガラス(液相温度における粘度が7.3×10dPa・s)を作製した。
図1に示すように、溶融容器内の溶融ガラスを溶融容器に接続したパイプ1から、ガラス流出口1−1を通じて連続して一定の流量で流出させ、パイプ1の垂直下方に配置した鋳型2の樋状凹部2−1に連続して流し込んだ。鋳型2は樋状凹部2−1がガラスの移動方向に水平になるように配置、固定されている。なお、樋状凹部2−1底部の曲率半径は15mm、ガラスの移動方向に沿って対向する側壁の間隔は30mmとした。凹部断面形状は図2(a)に示したものと同様である。
鋳型2には側壁の対向する位置に切欠き2−2があり、そこに一対の押圧型3、3が配置され、ガラス成形物の側面を毎分30回の割合で周期的に押圧している。
このような押圧を行って得られた円柱状のガラス成形体を連続して鋳型から取り出すとともに、鋳型の横に置いた連続移送式徐冷炉内に移送してアニールし、その後、上記アニールしたガラス成形体を上記徐冷炉から取り出した。上記ガラス成形体は、外径30mm、外径公差±0.25mmで、長さ1mあたりの真直度0.3mmであり、このガラス成形体を長さがそれぞれ300mmになるように所定の位置で周期的に切断した。
一方、樋状凹部2−1がガラスの移動方向に対して傾斜(水平方向に対しての傾斜角30°)するように、すなわち鋳型凹部開口部が下方になるように傾斜をつけて鋳型2を配置、固定して、液相温度における粘度が7.3×10dPa・sの溶融ガラスを上記鋳型の樋状凹部2−1に流し込み、ガラス成形体を作製した。鋳型2から取り出した円柱状のガラス成形体をアニールした後、300mmの長さで切断し、該切断したガラス成形体を連続移送式徐冷炉内に移送してアニールした。
上記各例においてはいずれもガラス成形物の側面を一対の押圧型で押圧してガラス成形体を作製したが、ガラス成形物の側面を押圧するかわりに、ガラス成形物を連続してガラス成形物の移動方向(樋状凹部2−1の長手方向)に引っ張ることにより、棒状のガラス成形体に成形してもよい。その場合は、ガラス成形体の側面を一対または複数対のローラで挟んで、ローラを回転してガラス成形体を引っ張る。引っ張って成形したガラスはそのまま、連続移送式徐冷炉内へと送り込まれる。
以上のようにして作製したガラス成形体をセンターレス加工して外径28.8mm、外径公差±0.05mm以内、長さ180mm、真直度0.005mmのガラス円柱体に仕上げた。
実施例2(ディスク状ガラス、磁気ディスク基板および磁気ディスクの製造例)
次に、実施例1で得たガラス円柱体を25本用意し、図4に示すように、ガラス円柱体の長手方向を揃えつつ、各ガラス円柱体の中心軸方向から見た場合に、各中心軸が正方形の格子を形成するように1層あたり5本づつ円柱体を積み上げて積層構造物を得た。積層構造物を構成する各ガラス円柱体は、エポキシ系接着剤を用いてマルチワイヤーソーのワークの固定台上で側面同士が密着した状態で固着した。
そして、移動するワイヤーソーに上記積層構造物の側面を押し当て、一定のスピードでスライスした。スライスはスラリー中で行い、ワイヤーの間隔は0.5mmとした。
切断後のワークを温水中に入れて接着剤を溶解し、その後、超音波洗浄を行って同径、同厚の5400枚余りのディスク状ガラスを得た。これらディスク状ガラスを基板ブランクとし、両主表面を表面平均粗さRa(JIS B0601)が0.4nm、最大表面粗さRmaxが4nmとなるように精密研磨加工するとともに、内外径加工を施してガラス製の磁気ディスク基板を得た。磁気ディスク基板の外径は28.70mm、中心穴径は7mm、厚さは0.381mmである。
このようにして得た磁気ディスク基板上に、順次、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層を形成した。各層について具体的に説明すると、下地層は、厚さ25nmのCrVの薄膜で、組成比はCr:80at%、V:20at%である。磁性層は、厚さ約15nmのCoCrPtBの薄膜で、組成比はCo:60at%、Cr:20at%、Pt:14at%、B:6at%である。保護層は厚さ6nmの水素化カーボン薄膜である。潤滑層は、パーフルオロポリエーテルからなる。
以上のようにして、高い生産性のもとに磁気ディスク基板、磁気ディスクを生産することができた。
本発明によれば、成形時に高い粘度を示すガラスを用いた場合であっても、高品質な棒状のガラス成形体を製造することができ、該ガラス成形体から、ガラス円柱体、ディスク状ガラス、情報記録媒体用基板および情報記録媒体を好適に作製することができる。
ガラス成形体の製造装置の一例を示す図である。 溶融ガラスの鋳込み前の、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面図(図2(a))、溶融ガラスが鋳込まれた状態での、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面図(図2(b))、円柱形状のガラス成形体を成形する場合の押圧型の一例を示す図(図2(c))および押圧解除した後の押圧型を示す図(図2(d))である。 溶融ガラス鋳込み前の、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面図(図3(a))および溶融ガラスが鋳込まれた状態での、樋状凹部の長手方向に対する鋳型の垂直断面図(図3(b))である。 長手方向を揃えてガラス円柱体を複数本積み重ね、スライスする方法の一例を示す図である。
符号の説明
1 パイプ
1−1 ガラス流出口
2 鋳型
2−1 樋状凹部
2−2 切欠き
3 押圧型

Claims (9)

  1. 溶融ガラスを鋳型に流し込んで成形する円柱状のガラス成形体の製造方法であって、
    液相温度を有するとともに、液相温度において1dPa・s以上の粘度を示すガラスを溶融して得た溶融ガラスを前記鋳型に設けられた樋状の凹部に流し込み、該凹部に沿って移動させながら凹部の形状に対応した形状を有するガラス成形物を形成し、
    前記ガラス成形物の側面を間歇的に押圧して、または前記ガラス成形物を連続的にガラスの移動方向に引っ張って円柱状に成形して、円柱状のガラス成形体を得ることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 前記ガラスがアルミノシリケートガラスまたはボロアルミノシリケートガラスである請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 前記凹部がガラスの移動方向に水平になるように鋳型を配置し、前記ガラス成形物を水平方向に移動させる請求項1または請求項2に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法により作製したガラス成形体の側面を機械加工して、長さL[mm]、真直度5×10−5×L[mm]以下、外径公差±0.2mm以下の円柱体を得ることを特徴とするガラス円柱体の製造方法。
  5. 前記側面の機械加工がセンターレス加工である請求項に記載のガラス円柱体の製造方法。
  6. 請求項または請求項に記載の方法により作製したガラス円柱体を、該円柱体の中心軸に対して垂直にスライスすることを特徴とするディスク状ガラスの製造方法。
  7. 外径が等しい複数のガラス円柱体を、各円柱体の中心軸が互いに平行になるように密着して、スライスする請求項に記載のディスク状ガラスの製造方法。
  8. 請求項または請求項に記載の方法で作製したディスク状ガラスの主表面を機械加工することを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法。
  9. 請求項に記載の方法で作製した情報記録媒体用基板の主表面上に情報記録層を含む膜を形成することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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