JP4693397B2 - 薄膜バルク音響波共振子およびフィルタならびに通信装置 - Google Patents

薄膜バルク音響波共振子およびフィルタならびに通信装置 Download PDF

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Description

本発明は圧電共振子の一種である薄膜バルク音響波共振子およびそれを用いたフィルタならびに通信装置に関し、特に、基板と、この基板の表面に薄膜プロセスにより形成された圧電体薄膜からなる共振素子とを具備する薄膜バルク音響波共振子およびそれを用いたフィルタ、ならびにそのフィルタを備えた通信装置に関するものである。
無線通信や電気回路に用いられる周波数の高周波化に伴い、これらの電気信号に対して用いられるフィルタも高周波数に対応したものが開発されている。特に、無線通信においては2GHz近傍のマイクロ波が主流になりつつあり、また既に数GHz以上の規格策定の動きもあることから、それらの周波数に対応した、安価で高性能なフィルタが求められている。そのようなフィルタの中で最近注目されているのは、固体の表面を伝わる音響波を利用する共振子である弾性表面波共振子(SAWR:Surface Acoustic Wave Resonator)を用いたSAWフィルタである。このSAWフィルタは、固体表面上に形成した櫛型電極間に印加される高周波電界と弾性表面波との共振を利用しており、周波数の選択性が高く、優れたバンドパスフィルタとして広く用いられている。
また、近年、圧電性を示す薄膜の厚み縦振動モードを用いた共振子が提案されている。これは、入力される高周波電気信号に対して、圧電薄膜が厚み縦振動を起こし、その振動が、薄膜の厚さ方向において共振を起こすことを用いた共振子であり、薄膜バルク音響波共振子(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)と呼ばれている。FBARは、基板上に薄膜プロセスにより下部電極,圧電体薄膜,上部電極を順次積層した共振部を形成した構造をしており、この共振部を基板から音響的にアイソレートする方法によって次の3方式に分類される。
1)異方性エッチング等で基板の裏面側から貫通孔を開け、共振部を基板から空間的に離す。
2)基板と共振部との間に犠牲層を設け、その犠牲層をエッチングして除去することによって共振部を基板から空間的に離す。
3)基板と共振部との間に多層膜からなる音響反射器(下部アイソレート層)を設け、共振部を基板から音響的にアイソレートする。
上記3)の方式のFBARはSolidly Mounted Resonator(SMR)とも呼ばれ、一般的に、厚さλ/4(λは音響波の波長)の高い音響インピーダンスを持つ層(例えば、W,Mo等の金属材料、またはZnO,AlN等の誘電材料)と厚さλ/4の低い音響インピーダンスを持つ層(例えばAl等の金属層、またはSiO等の誘電体材料)とを交互に積層した多層膜が音響反射器(下部アイソレート層)として使用されている。音響反射器の反射率が低い場合には、共振部で振動している音響波が音響反射器を通して基板へ漏洩するため、共振器に損失が発生してQ値が低下する。このため、音響反射器の反射率は高いほうが望ましい。高い反射率を得るためには、多層膜を構成する2つの材料の音響インピーダンスの比(コントラスト)を大きくするか、多層膜の層数を増やす等の手法がとられる。一般的に、多層膜の層数は6層から10層程度である。
また、FBARはその特性上、共振部の表面を基板側と同様にアイソレート層(上部アイソレート層)によって保護する必要がある。これは、FBARの素子表面は音響的に振動しているが、素子表面に異物が付着したり水分が吸着したりすると、それによって共振周波数が変化してしまうためである。これに対し、素子表面に保護膜を形成した場合には、保護膜によって素子内部に水分が浸入して信号電流のリークや素子破壊の原因となることは防ぐことができるが、その保護膜の表面に物質が付着した場合の周波数変動は避けられない。
そこで、一般的に、FBARでは、上部アイソレート層として空気層が用いられる。すなわち、素子とパッケージとの間に空隙を設けることによって、共振部の振動が外部からアイソレートされると同時に、パッケージにより外部からの異物付着を防ぎ、機械的強度を保っている。このため、FBARでは、例えば特許文献1に示されているようなセラミックパッケージや、非特許文献1に示されているように、ウエハー上にマイクロキャップと呼ばれるシリコンのカバーを取り付けて素子の振動空間を確保する、いわゆるウェハーレベルパッケージングにより封止することが一般的である。
図6にセラミックパッケージを用いたFBARの一例を示す。このFBARは基板11上に下部電極12、圧電体14および上部電極13からなる共振部が形成されている。また、基板11の裏面から、下部電極12と上部電極13とで圧電体14を挟んで構成されている共振部における下部電極12にかけて貫通孔19が開けられ、共振部を基板11からアイソレートしている。図6に示す例では、2つのFBARが同一の基板11上に形成されて直列に接続されている例を示している。これらのFBARからの入出力は、ワイヤボンド15を用いて、外部端子(図示せず)と接続されることによって行なわれる。これらの構成要素は、パッケージ16に収容されている。
特開2002−232253号公報 デイビッド・フェルド(David Feld)他,"ア・ウエハー・レベル・エンキャプスレーテッド・エフバー・チップ・モールデッド・イントゥ・ア・2.0ミリメータ・エックス・1.6ミリメータ・プラスチック・パッケージ・フォー・ユース・アズ・ア・ピーシーエス・フル・バンド・ティーエックス・フィルタ"("A Wafer Level Encapsulated FBAR Chip Molded into a 2.0 mm x 1.6 mm Plastic Package for Use as a PCS Full Band Tx Filter"),2003アイイーイーイー・ウルトラソニックス・シンポジウム(2002 IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM),2003年,p.1798−1801
しかしながら、前記のような下部アイソレート層として空気層等の空隙を設けるタイプのFBARでは、空隙の作製プロセスが複雑かつ高コストであり、またSMR型のFBARでは、多数の層を交互に積層する必要があるため、製造に長時間を要していた。また、積層される多数の層について剥離や欠陥等のプロセス上の問題も多く発生しており、コストが高くなっていた。
さらに、図6に示したようなパッケージング方法を採用したFBARは、保護膜による封止が可能な半導体素子や薄膜キャパシタ等のデバイスと比較して、サイズやコストの面から著しく劣っていた。例えば、パッケージ16にセラミックパッケージを用いて封入する場合は、FBAR素子そのもののサイズは1mm角程度であっても、パッケージ16のサイズは数mm角以上にならざるを得ず、共振子やフィルタの小型化を阻害する要因となっていた。また、FBAR素子を個々にパッケージングする必要があるため生産性が悪く、さらなるコストダウンを阻害していた。これに対し、いわゆるウェハーレベルパッケージングによる封止ではこのような課題は解決されているが、封止性能が劣るため、新たに複雑なウエハー張り合わせ工程や、空隙形成工程が必要になる等の理由から、必ずしもコストダウンにはつながっていないという問題があった。
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、小型で信頼性が高く、しかも低損失な薄膜バルク音響波共振子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、小型で信頼性が高く、特性のよいフィルタ、および感度が良く、小型で信頼性が高い通信装置を提供することにある。
本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子は、基板と、この基板上に配置され、圧電体薄膜およびこの圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、前記基板および前記共振部間に配置され、両者を音響的にアイソレートするための、発泡金属材料または多孔質金属材料からなる下部アイソレート層とを具備し、前記下部アイソレート層は、前記発泡金属材料または前記多孔質金属材料よりも高強度の材料からなり、当該下部アイソレート層の下面から上面にかけて形成される支持部を有し、この支持部は、前記共振部の外部に形成されているものである。

また、本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子は、基板と、この基板上に配置され、圧電体薄膜およびこの圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、この共振部上に配置され、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層とを具備し、前記上部アイソレート層は、前記発泡金属材料または前記多孔質金属材料よりも高強度の材料からなり、当該上部アイソレート層の下面から上面にかけて形成される支持部を有し、この支持部は、前記共振部の外部に形成されているものである。

また、本発明の第の薄膜バルク音響波共振子は、基板と、この基板の上に配置される、発泡金属材料または多孔質金属材料からなる下部アイソレート層と、前記下部アイソレート層の上に一部が重なって配置され、且つ一部が前記下部アイソレート層の上を介さずに前記基板の上に配置される下部電極と、前記下部アイソレート層および前記下部電極が重なっている部位の上に、少なくとも一部が重なって配置される圧電体薄膜と、前記下部アイソレート層、前記下部電極、および前記圧電体薄膜が重なっている部位の上に、一部が重なって配置され、且つ一部が前記下部アイソレート層の上を介さずに前記基板の上に配置される上部電極と、を具備し、前記圧電体薄膜と、該圧電体薄膜に上下から電圧を印加する上部電極および下部電極とが共振部として機能し、前記下部アイソレート層が前記基板と前記共振部とを音響的にアイソレートするものである。

また、本発明のフィルタは、上記各構成のいずれかの本発明の薄膜バルク音響波共振子をフィルタを構成する共振子として用いたことを特徴とするものである。

さらに、本発明の通信装置は、上記構成の本発明のフィルタを有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子によれば、基板と、この基板上に配置され、圧電体薄膜およびこの圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、前記基板および前記共振部間に配置され、両者を音響的にアイソレートするための、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる下部アイソレート層とを具備することから、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料は緻密な金属や絶縁体膜に比して音響インピーダンスが著しく小さいため、下部アイソレート層により構成される音響反射器の層数を削減することができ、多層膜に起因する様々な問題点、例えば、製造プロセスが複雑で時間がかかることや、膜剥がれの発生等のトラブルを克服することができる。また、アイソレート層に空隙を利用することに起因する様々な問題点、例えば、製造プロセスが複雑で時間がかかることや、異方性エッチングのマージンによる素子エリアの大型化や、薄い共振部が空中に支持されることによる脆弱性等も克服することができる。これによって、小型で信頼性が高く、しかも短時間で製造できる、低コストで製造可能な薄膜バルク音響波共振子を提供することができる。
また、本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子によれば、基板と、この基板上に配置され、圧電体薄膜およびこの圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、この共振部上に配置され、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層とを具備することから、共振部の上に空気層のような空隙を設けることなく、上部アイソレート層によって共振部と外部との間に良好で安定した音響的なアイソレーションを取ることができるようになる。また、この上部アイソレート層は、外部からの機械的衝撃や水分等の浸入を防ぐこともできるので、いわゆる薄膜プロセスのみで薄膜バルク音響波共振子を封止して保護することができるため、小型で信頼性が高く、しかも低コストで製造可能な薄膜バルク音響波共振子を提供することができる。
また、本発明のフィルタによれば、上記各構成のいずれかの本発明の薄膜バルク音響波共振子をフィルタを構成する共振子として用いたことにより、小型で信頼性が高く、しかも低損失な共振子を用いてフィルタを構成できるので、従来のFBARやSMRを使用したフィルタに比べて、より小型で信頼性が高く、挿入損失や減衰特性のよい、しかも低コストで製造可能なフィルタを提供することができる。
さらに、本発明の通信装置によれば、上記構成の本発明のフィルタを有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えたことにより、回路中での損失が小さくなり、不要波の除去性能が上がる効果が得られるものとなる。また、小型で高信頼性のフィルタを用いて回路を構成できるので、より感度が良く、小型で信頼性が高い通信装置を提供することができる。
以下、本発明の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子は、基板と、この基板上に配置され、圧電体薄膜およびこの圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、前記基板および前記共振部間に配置され、両者を音響的にアイソレートするための、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる下部アイソレート層とを具備するものである。このような本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の一例について、図1(a)に断面図を、図1(b)に平面図を示す。なお、図面においては以下も同様であるが、薄膜バルク音響波共振子の構造が分かりやすいように各部の寸法は適宜拡大している。また、層構成が見やすいように、平面図では上側に位置する層の一部を省略して示している。
図1(a)および(b)において、11は基板、12は下部電極、13は上部電極、14は圧電体薄膜である。圧電体薄膜14に上下から電圧を印加するための上部電極13および下部電極12が形成されて共振部が構成されており、この共振部が基板11上に配置されている。17は発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる下部アイソレート層であり、下部アイソレート層17は、基板11および共振部間に配置され、両者を音響的にアイソレートするためのものである。以上のような共振部の基本構造は従来の薄膜バルク音響波共振子における共振部と同様であるが、本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子では、基板11および共振部間に、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる下部アイソレート層17が形成されている。これにより、共振部での振動が基板11に漏れ出さず、振動を効果的に共振部に閉じ込めることができるので、損失が小さく、Q値の高い共振器を構成することができる。
基板11は、薄膜バルク音響波共振子を支持する機能を有し、通常は厚みが0.05〜1mm、直径が75〜200mm程度の鏡面研磨されたSiウエハーが用いられる。Siウエハーは扱いやすく、また対応する薄膜プロセス装置も多いため、製造が容易となることから、特に好適に用いられる。基板11は、Siウエハーの他にも、薄膜プロセスと相性の良い、Si,Al,SiO,ガラス等のウエハーまたは平板を使用することができる。
下部電極12は、圧電体薄膜14に高周波電圧を印加する機能を有する部材であり、W,Mo,Au,Al,Cu等の金属材料で形成される。下部電極12はスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで基板11上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。また、下部電極12は、電極としての機能と同時に、共振部を構成する機能も有するため、薄膜バルク音響波共振子が必要な共振特性を発揮するために、その厚みは、材料の固有音響インピーダンスや密度,音速,波長等を考慮して、精密に設計する必要がある。最適な電極厚みは、使用周波数,共振子の設計,圧電体薄膜14の材料,電極材料等によって異なるが、通常、0.01〜0.5μm程度である。また、平面形状は、図1に示す例では矩形状になっているが、不要振動(スプリアス)を防ぐため、円形状や不定形状,台形状とされる場合もある。
上部電極13は、下部電極12とともに、圧電体薄膜14に高周波電圧を印加する機能を有する部材であり、W,Mo,Au,Al,Cu等の金属材料で形成される。上部電極13はスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで圧電体薄膜14上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。また、上部電極13は、電極としての機能と同時に、共振部を構成する機能も有するため、薄膜バルク音響波共振子が必要な共振特性を発揮するために、その厚みは、材料の固有音響インピーダンスや密度,音速,波長等を考慮して、精密に設計する必要がある。最適な電極厚みは、使用周波数,共振子の設計,圧電体薄膜14の材料,電極材料等によって異なるが、通常、0.01〜0.5μm程度である。また、平面形状は、図1に示す例では矩形状になっているが、不要振動(スプリアス)を防ぐため、円形状や不定形状,台形状とされる場合もある。
圧電体薄膜14は、例えばZnOやAlN,PZT等の圧電体材料からなり、下部電極12および上部電極13によって印加された高周波電圧に応じて伸縮し、電気的な信号を機械的な振動に変換する機能を持つ。圧電体薄膜14はスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで下部電極12上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。薄膜バルク音響波共振子が必要な共振特性を発揮するために、圧電体薄膜14の厚みは、材料の固有音響インピーダンスや密度,音速,波長等を考慮して、精密に設計する必要がある。最適な厚みは、使用周波数,共振子の設計,圧電体薄膜14の材料,下部電極12および上部電極13の材料等によって異なるが、通常、0.3〜1.5μm程度である。また、平面形状は、図1に示す例では矩形状になっているが、不要振動(スプリアス)を防ぐため、円形状や不定形状,台形状とされる場合もある。
また、圧電体薄膜14が上下から下部電極12および上部電極13により挟まれて構成される共振部は、前述のように、その内部で音響波が厚み縦振動による共振を起こすものであり、使用周波数、共振子の設計,圧電体薄膜14の材料,下部電極12および上部電極13の材料等を考慮して精密に設計する必要がある。共振部は、下部電極12,圧電体薄膜14,上部電極13が重なった部分であり、下部電極12,圧電体薄膜14,上部電極13のそれぞれは、共振部よりも広く形成されていてもよい。通常、全体の厚みが、おおむねλ/2(λは使用周波数での音響波の波長)となるように設計される。また、平面形状は、図1に示す例では矩形状になっているが、不要振動(スプリアス)を防ぐため、円形状や不定形状,台形状とされる場合もある。さらに、その面積は、共振子のインピーダンスを決定する要素となるため、厚みと同様に精密に設計する必要がある。50Ωインピーダンス系で使用する場合は、通常、上部電極13,圧電体薄膜14,下部電極12で構成される電気的なキャパシタンスが、使用周波数でおおむね50Ωのリアクタンスを持つように設計される。共振部の面積は、例えば2GHzの振動子の場合であれば、200×200μm程度となる。
そして、下部アイソレート層17は、前述の共振部を基板11からアイソレートするための部材であり、本発明の薄膜バルク音響波共振子では、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料から成る層が用いられる。発泡金属材料もしくは多孔質金属材料は、Ni等の金属の骨格中に気泡もしくは気孔が分散した材料であり、平均密度が非常に小さいと同時に、導電性を持つ材料である。なお、図1に示す例では下部アイソレート層17として、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる層のみが示されているが、複数の層を使用して下部アイソレート層17を構成してもよい。発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる下部アイソレート層17の厚みは特に限定しないが、良好な反射率を得るという目的から、おおむねλ/4の奇数倍の厚みが好適である。発泡金属材料もしくは多孔質金属材料を構成する金属材料の種類は特に限定しないが、導電性の観点からは、Ni,Au,Al,Cu等の金属材料が好適に使用される。また、図1に示す例では、共振部の直下のみに下部アイソレート層17が形成されているが、この下部アイソレート層17は他の部分、例えば下部電極12全体の下に延びていてもよい。その場合、下部電極12の実効厚みが増すために電気抵抗が減少し、共振子のQ値を向上させる効果が大きくなる。
本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子における下部アイソレート層17では、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料の材料元素や作製プロセスは特に限定されるものではないが、例えばNi等の金属微粒子に発泡剤を添加したものを基板11に塗布し、その後に熱処理を加えることにより発泡金属材料からなる下部アイソレート層17を形成することができる。また、金属微粒子とポリマー等との材料を混合し、基板11に塗布後、熱処理をしてポリマー材料を蒸発させて形成することもできる。さらに、多孔質金属材料からなる下部アイソレート層17を形成する場合であれば、例えば、金属粒子を基板11に塗布し、熱処理により、ゆるく結合させて多孔質膜としたものを使用することもできる。いずれにせよ、平均密度が非常に小さいと同時に、導電性を持つ材料を用いて、下部アイソレート層17を形成することにより、本発明の薄膜バルク音響波共振子を作製することができる。
なお、本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子における共振部,基板,その他材料や構造,プロセス等については以上の例に特に限定されるものではなく、さらに、共振部と外部接続のための端子部(図示せず)とを接続する配線および電極の取り回しや、複数の共振部を接続してフィルタとする構成や構造についても特に限定されるものではない。これは以下に説明する本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子についても同様である。
次に、本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子は、基板と、この基板上に配置され、圧電体薄膜およびこの圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、この共振部上に配置され、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層とを具備するものである。このような本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の一例について、図2(a)に断面図を、図2(b)に平面図を示す。
図2(a)および(b)において、図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、11は基板、12は下部電極、13は上部電極、14は圧電体薄膜である。圧電体薄膜14に上下から電圧を印加するための上部電極13および下部電極12が形成されて共振部が構成されており、この共振部が基板11上に配置されている。18は発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層であり、上部アイソレート層18は、共振部上に配置され、共振部と外部とを音響的にアイソレートするためのものである。以上のような共振部の基本構造は従来の薄膜バルク音響波共振子における共振部と同様であるが、本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子では、共振部上に、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層18が形成されている。これにより、共振部の振動が外部に漏れ出さないと同時に、外部の環境、例えば、表面に付着した異物や水分等が共振部に影響を与えて特性、特に周波数およびQ値に影響を与えなくなるので、図6に示したような従来のパッケージ16が不要となる、もしくは気密封止をしない簡単なもの、例えば樹脂モールド等に省略することができる。また、この例においては、共振部の直下の基板11には、下部アイソレート層として機能する貫通孔19が形成されている。これにより、基板11と共振部とが音響的にアイソレートされるので、良好なQ値を持つ共振子を実現することができる。
上部アイソレート層18は、前述の共振部を外部環境からアイソレートするための部材であり、本発明の薄膜バルク音響波共振子では、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料が用いられる。発泡金属材料もしくは多孔質金属材料は、Ni等の金属の骨格中に気泡もしくは気孔が分散した材料であり、平均密度が非常に小さいと同時に、導電性を持つ材料である。なお、図2に示す例では上部アイソレート層18として、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる層のみが示されているが、複数の層を使用して上部アイソレート層18を構成してもよい。発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層18の厚みは特に限定しないが、良好な反射率を得るという目的からは、おおむねλ/4の奇数倍の厚みが好適である。発泡金属材料もしくは多孔質金属材料を構成する金属材料の種類は特に限定しないが、導電性の観点からは、Ni,Au,Al,Cu等の金属材料が好適に使用される。また、図2に示す例では、共振部の直上のみに上部アイソレート層18が形成されているが、この上部アイソレート層18は他の部分、例えば上部電極13全体の上に延びていてもよい。その場合には、上部電極13の実効厚みが増すこととなるために電気抵抗が減少し、共振子のQ値を向上させる効果が大きくなる。
また、共振部の直下の基板11に形成された貫通孔19は、基板11と共振部とを音響的にアイソレートする機能を有しており、本発明の薄膜バルク音響波共振子における下部アイソレート層17と同様の機能を持つ。貫通孔19は、通常は、基板11の裏側からDeep−RIE(Reactive Ion Etching)もしくは異方性ウエットエッチングによって基板11をエッチングし、共振部の下面に空隙が位置するように形成される。図2に示したのは、Deep−RIEにて形成した貫通孔19であり、異方性エッチングにて形成した貫通孔19は、基板11の主面(この例では下面)との角度が概略45°となる下広がりの孔となる。
なお、この例では、下部アイソレート層として空気を用いるタイプ(異方性エッチング等で基板11の裏面側から貫通孔19を開けて、共振部を基板11から空間的に分離する。)のものを示したが、下部アイソレート層としてはこのような貫通孔19の他にも、本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子における下部アイソレート層17を用いてもよく、通常のSMR型でも、あるいは犠牲層による空隙を用いるタイプでもよい。これは、以下の貫通孔19を用いた例についても同様である。
前述のように、薄膜バルク音響波共振子では、共振部を基板からアイソレートする必要がある。また、共振部の表面への異物,水分,ガス等の付着により、共振周波数が変動したり、損失が大きくなったりするといった不具合が発生するため、共振部の表面の保護が必要である。特に問題となるのは、共振子のQ値の劣化である。共振部は音響的に振動しているため、それに接触して基板やパッケージ等の部材があると、その部材への音響波の漏洩が生じる。この音響波の漏洩は、エネルギーの損失となり、共振子のQ値の劣化として観測される。このような音響波の漏洩を防ぐ方法として、それら部材等と共振部との間にアイソレート層を配置し、このアイソレート層と共振部との界面で音響波を反射させることによって、共振部外への音響波の漏洩を防ぐという方法が考えられる。
2つの材料の界面における音響波の反射率は、その2つの材料の音響インピーダンスのコントラストによって決定される。このコントラストが大きいほど、界面での反射係数は大きくなる。ここで、図5に、薄膜バルク音響波共振子の共振部に接触させて、ある音響インピーダンスのアイソレート層を付加したときの、アイソレート層の音響インピーダンスと共振子のQ値との関係のシミュレーション結果の一例を線図で示す。この例では、共振子としては圧電材料としてZnOを、電極材料としてWを使用した場合を示している。図5に示す結果から分かるように、良好な共振子のQ値(通常は500以上が良好とされる。)を得るためには、アイソレート層の音響インピーダンスは0.1MRayl以下である必要があることが分かる。
これに対して、実際の材料の音響インピーダンスは、SiOが13MRayl、Siが20MRayl、Alが17MRayl、各種樹脂材料が2〜10MRayl程度であり、上記の0.1MRayl以下という値は、これら通常の材料では達成不可能である。このため、薄膜バルク音響波共振子の上部および下部アイソレート層には、空気層や音響多層膜が使用される。これは、空気の音響インピーダンスがほぼ0であること(音響多層膜も、共振部側から見た音響インピーダンスがほぼ0となる。)を利用したものであるが、前述のように、空隙の作製プロセスは複雑かつ高コストであり、SMR型のFBARでは、多数の層を交互に積層する必要があるため、作製プロセスが煩雑なため製造に時間がかかってしまう。これら作製プロセス上の困難性が、薄膜バルク音響波共振子のコストを高いものにしている一因である。
本発明の薄膜バルク音響波共振子では、このような問題点を、前述のような発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる下部または上部アイソレート層17,18を採用することによって解決したものである。この発泡金属材料もしくは多孔質金属材料から成るアイソレート層17,18は、その材料の組織に無数の微小な空間を含んでいることから、その音響インピーダンスはほぼ0である。このアイソレート層17,18も固体組織の部分では音響波の伝播が起こるが、アイソレート層17,18の固体組織が共振部の下部電極12または上部電極13に接触している面積はわずかなものであるため、この接触部分からの音響波の漏洩は無視できる程度である。このため、本発明の薄膜バルク音響波共振子によれば、アイソレート層17,18によって共振部外への音響波の漏洩を確実に防止することができ、高Qの共振子を得ることができる。
発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる下部アイソレート層17は、図1に示したように、1層のみで十分なアイソレート特性を持ち得るため、下部アイソレート層17を形成する工程が大幅に短縮されるので、信頼性の高い薄膜バルク音響波共振子を低コストで実現できるものとなる。また、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層18は、通常のウエハープロセスで形成できるものであり、高価なパッケージや空隙を形成するための複雑なプロセスが不要となるので、薄膜バルク音響波共振子を低コストで実現できるようになる。
さらに、SMR型の薄膜バルク音響波共振子もしくは本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子の下部アイソレート層17を用いた構造に、本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子の上部アイソレート層18を適用すると、空隙形成工程が全く無い、標準的なウエハープロセスのみで作製できる、下部および上部アイソレート層17,18を備えた薄膜バルク音響波共振子を提供することができる。
なお、本発明の薄膜バルク音響波共振子における下部および上部アイソレート層17,18は、音響波を反射するという目的を主眼にするものであるため、他の保護層との組み合わせ、例えば下部または上部アイソレート層17,18と共振部との間に保護層や、音響波の乱反射を防ぐための平滑層等の他の層があってもよいし、下部アイソレート層17と基板11との間に、また上部アイソレート層18の上に保護層等の他の層があってももちろん構わない。
ところで、本発明におけるアイソレート層17,18と同様の効果を持つアイソレート層の材料として、樹脂もしくは無機材料を基本とするものが考えられるが、これらの材料は、強度が低い、透水性が高い、吸湿性がある、気密性が悪い等の欠点を持っている。これに対して、本発明の薄膜バルク音響波共振子における下部および上部アイソレート層17,18のように、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなるものを用いることにより、金属材料が持つ、高強度性,気密性,耐湿性を有していることから、より信頼性の高い薄膜バルク音響波共振子が実現できる。なお、本発明の薄膜バルク音響波共振子に用いる発泡金属材料もしくは多孔質金属材料は、このような高強度性,気密性,耐湿性の観点からは、材料中の気孔が相互に接続されていない、いわゆる閉気孔性の材料を使用することが望ましい。
本発明の薄膜バルク音響波共振子においては、下部アイソレート層17または上部アイソレート層18を、電極としても機能するものとするとよい。一般に薄膜バルク音響波共振子では、電極の厚みもその共振特性を決定する要素となるため、下部電極12および上部電極13の厚みを自由に設定することができない。例えば、ZnOを圧電体薄膜14に、Moを下部および上部電極12,13に使用し、2GHz帯で良好な共振特性を持つように共振子を設計すると、その電極厚みは実質上0.01〜0.5μm程度に限定されてしまうこととなる。このため、下部および上部電極12,13の厚みを大きくして電気抵抗を減少させることが、共振特性からの要請で不可能になる。
これに対し、本発明の薄膜バルク音響波共振子において、下部アイソレート層12または上部アイソレート層13に電極としての機能を付加することによって、実質上の電極厚みを厚くすることができ、下部電極12または上部電極13とともに電極全体の実質的な電気抵抗を低減させることができる。このため、低損失な薄膜バルク音響波共振子を提供することができる。
本発明の薄膜バルク音響波共振子は、空隙を不要とできる構成のため、共振子を硬質の筐体で封止しないパッケージング(例えば、薄膜プロセスを用いたウエハーレベルパッケージング等)が好適に利用できる。アイソレート層17,18として発泡金属材料もしくは多孔質金属材料を用いた場合は、そのアイソレート層17,18の強度は、一般に、空隙よりも大きいが、緻密質の金属材料に比べて小さくなる。このため、そのようなパッケージングを採用した場合に、共振子に強度上の問題(機械的な衝撃や圧力に対する耐性の不足)が発生する可能性がある。
これに対しては、本発明の薄膜バルク音響波共振子において、下部アイソレート層17または上部アイソレート層18は、その下面から上面にかけて、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料よりも高強度の材料からなる支持部が形成されているのとするとよい。このような構成の本発明の第2薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の他の例を、図3(a)〜(c)にそれぞれ断面図、平面図および平面図で示す。
この例では、上部アイソレート層18中に、その下面から上面にかけて、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料よりも高強度の材料からなる支持部20が形成されている。この支持部20により、上部からの衝撃や圧力により上部アイソレート層18が押し潰されたり破壊されたりするのを防ぐことができる。支持部20の材料は特に限定されないが、作製プロセス上の容易さからは、各種金属や無機物の緻密材が好適である。また、高強度の樹脂材料も使用できる。特に金属は、それ自身が導電体であるため、上部電極13の実質的な電気抵抗を低減することができるため好適である。この図3に示す例では、支持部20の平面視した形状は「田の字」型であるが、強度の向上につながるならば他の形状でも構わない。支持部20が絶縁体である場合には、上部電極13の実質的な抵抗値を下げるという目的からは、図3の構成における「田の字」型の形状に代えて、例えば、図3(c)に示すような「Eの字」型の形状が好適である。
支持部20の平面形状は、上記のものにかかわらず、例えば共振部の周りを取り囲むような「ロ字型」でもよいし、柱状のものを並べたものでもよい。ただし、共振部の直上および直下にこの支持部20を形成する場合は、その部分の共振周波数は変化して共振器として働かなくなるため、支持部20を設けた部分の面積を共振部の実質面積から引いて設計する必要がある。なお、この場合には、支持部20に接する共振部は、共振にかかわりの無い容量、いわゆる寄生容量となるため、共振子の設計の際に注意が必要となる。共振部の設計が容易になるという観点からは、支持部20は、共振部(下部電極12,圧電体薄膜14,上部電極13が重なった部分)の外部に形成されることが望ましい。
いずれにせよ、このように支持部20を形成することにより、上部アイソレート層18の機械的強度を飛躍的に向上させることができ、ひいては機械的強度が高い、つまり信頼性の高い薄膜バルク音響波共振子を提供することができるようになる。なお、下部アイソレート層17についても、同様の支持部20を形成することができ、その場合にも機械的強度が高い、つまり信頼性の高い薄膜バルク音響波共振子を提供することができるようになる。
本発明の薄膜バルク音響波共振子では、下部アイソレート層17または上部アイソレート層18は、共振部と反対側の表面に共振部で発生する音響波の波長よりも大きい凹凸を有していることが好ましい。本発明におけるアイソレート層17,18は、その共振部との界面で音響波を十分に反射させるものであるが、音響波の一部はやはりアイソレート層17,18中に侵入することとなる。この音響波は、アイソレート層17,18の共振部と反対側の表面で反射し、再び共振部へ向かって伝播していく。この音響波が共振部へ再侵入すると、共振部において新たな共振が発生し、主たる共振の波形に、その新たな共振が小さな凸凹となって現れることとなる。これが不要共振(スプリアス)といわれるものである。これに対して、アイソレート層17,18が共振部と反対側の表面に共振部で発生する音響波の波長よりも大きい凹凸を有していることにより、その反対側の表面で音響波を散乱・乱反射させることができ、共振部への再侵入を低減させて不要共振の発生を抑えることができる。このため、不要共振の少ない、高性能の薄膜バルク音響波共振子を提供できるようになる。
また、本発明の薄膜バルク音響波共振子は、上部アイソレート層18上に、絶縁体材料からなる保護層が形成されていることが好ましい。前述のように、本発明における上部アイソレート層18は、機械的な衝撃や圧力に対する耐性は、空隙よりも大きいが、緻密質の材料に比べて低いものとなる。また、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料の気孔率が高い場合には、内部への水分等の浸入も起こり得る。さらに、外部との電気的絶縁性を確保することも必要となる。これに対しては、図4に本発明の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の例を断面図で示すように、上部アイソレート層18の上に、絶縁体材料からなる保護層21を形成することが有効である。この絶縁体材料としては、特に限定はされないが、SiOやAl,SiN等の無機材料や、厚膜レジスト等の樹脂材料を使用できる。保護層21は、薄膜バルク音響波共振子全体を覆うように形成してもよいし、図4に示す例のように、上部アイソレート層18,支持部20および共振部のみを覆うように形成してもよい。前者の場合は、外部との接続は保護層21に形成した孔を介して行ない、後者の場合は、露出した上部電極13,下部電極12に直接ワイヤボンディングを行なったり、ハンダボールを形成したりする。保護層21の厚みは特に限定しないが、気密性や製造プロセスの容易さという観点からは、無機材料の薄膜を用いた場合は1〜10μm程度が、厚膜レジスト等の樹脂材料を用いた場合は5〜100μm程度が好適である。さらに、前記の無機材料や樹脂材料を積層したものを用いることもできる。また、実際のデバイスでは、この保護層21の上に、さらに樹脂モールド等を行なうことができる。
このような保護層21を形成することにより、外部環境の変化に対し、共振部の内部の電気的特性を一定に保つことができるようになり、信頼性の高い薄膜バルク音響波共振子を提供することができる。
なお、図4に示した例は、下部および上部アイソレート層17,18に発泡金属材料を用い、上部アイソレート層18には支持部20を設けた上、上部アイソレート層18上から共振部全体を保護層21で封止したものである。この薄膜バルク音響波共振子によれば、図4に示す状態で共振部が外部から音響的にアイソレートされていると同時に、物理的,機械的にもアイソレートされており、この他にパッケージ等を必要とせずに実環境で使用することができる。
本発明の薄膜バルク音響波共振子は、同一の基板11に形成された他の共振子の電極、もしくは端子部、もしくは他の電子回路との間に電気的な導通をとることにより、所望の電子回路を構成することができる。そのような電子回路の代表的な例としては、共振子を複数接続した帯域通過フィルタが挙げられるが、その他、薄膜コンデンサやトランジスタ,インダクタ等と組み合わせて種々の電子回路を構成することができる。また、共振子と外部との接続を取るため、下部電極12および上部電極13の接続先にバンプ等の端子部を形成することもできる。
また、本発明のフィルタは、フィルタを構成する共振子として、以上のような本発明の薄膜バルク音響波共振子を用いたものである。本発明の薄膜バルク音響波共振子によれば、従来品よりも低コストで特性の良い共振子を提供することができるため、これを用いてフィルタを構成することにより、従来よりも低コストで高性能のフィルタを提供することができるようになる。本発明の薄膜バルク音響波共振子を用いて本発明のフィルタを構成したものとしては、共振子を電気的に結合させたラダー型フィルタやラティス型フィルタの他に、共振子を音響的に結合させたスタックト・クリスタル(Stacked Crystal)型フィルタやカップルド・レゾネータ(Coupled Resonator)フィルタ等が挙げられる。
さらに、本発明の通信装置は、本発明のフィルタを有する受信回路および本発明のフィルタを有する送信回路の少なくとも一方を備えたものである。このような構成とすることにより、回路中での損失が小さくなり、不要波の除去性能が高くなるので、より感度が良く、小型で信頼性が高い通信装置を低価格で提供することができる。
(実施例1)
本発明の薄膜バルク音響波共振子の具体例について以下に説明する。ここでは、2GHzで共振する薄膜バルク音響波共振子を作製した。
まず、高抵抗のSi基板11上に、Niおよび発泡剤からなるスラリーを塗布し、熱処理を行なって発泡金属材料からなる厚さ50μmの膜を形成した。さらに、この発泡金属材料からなる膜の表面の凹凸を平坦化する目的で、表面にポリイミド樹脂をスピンコートした後、硬化処理を行なった。
この膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによってフォトレジストパターンを形成した後、RIE(Reactive Ion Etching)装置によるドライエッチングと希硝酸によるウエットエッチングとを組み合わせて、下部アイソレート層17のパターニングを行なった。
その後、0.15μmのMoからなる下部電極12を、スパッタリング法により形成した金属膜にフォトリソグラフィおよびフッ硝酸によるウエットエッチングを行なって、下部電極12のパターンを形成した。その後、スパッタリング法により0.67μmのZnO膜から成る圧電体薄膜14を成膜した。ZnO膜のパターンニングは、フォトリソグラフィおよび希塩酸によるウエットエッチングによって行なった。
そして、上部電極13は、厚み0.15μmのAuをスパッタリング法により形成し、同様にフォトリソグラフィおよびウエットエッチングによりパターン形成を行なった。
このようにして作製した図1に示すような本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子について、その共振特性をインピーダンスアナライザにて行なったところ、共振周波数が1.98GHzであり、Q値が800の良好な特性を得た。
(実施例2)
実施例1で作製した薄膜バルク音響波共振子の上部電極13上に、上部アイソレート層18および保護層21の形成を行なった。まず、実施例1の薄膜バルク音響波共振子を形成した基板11上に、共振部の上部電極13上を覆うようにNiおよび発泡剤からなるスラリーを塗布し、熱処理を行なって発泡金属材料からなる厚さ50μmの膜を形成した。その後、この膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによってフォトレジストパターンを形成した後、希硝酸によるウエットエッチングにより上部アイソレート層18のパターニングを行なった。この際、発泡金属材料からなる膜の上部電極13上の一部を同時にエッチング処理し、上部アイソレート層18に図3に示すような形状の支持部20を形成するための溝部を作製した。
その後、全体に厚膜レジストをスピンコートし、フォトリソグラフィおよび硬化処理により保護層21を形成した。保護層21の厚みは100μmである。この例の場合、厚膜レジストをスピンコートした時点で、上部アイソレート層18に形成した支持部20を形成するための溝部に厚膜レジストが入り込み、これを硬化させることによって支持部20とした。
このようにして作製した図4に示すような本発明の薄膜バルク音響波共振子について、その共振特性をインピーダンスアナライザにて行なったところ、共振周波数が1.99GHzであり、Q値が700の良好な特性を得た。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、圧電体薄膜の材料として、AlNやPZT等を使用してもよいし、成膜方法としてCVD法やゾルゲル法(材料の溶液を基板にスピンコートし、焼成して圧電体薄膜とする方法)等も使用できる。特に、PZT等の電気機械結合係数が大きい強誘電体材料を使用した場合は、周波数差(共振周波数と反共振周波数との差)が大きい薄膜バルク音響波共振子を実現することができる。また、それを用いたフィルタは、通過帯域幅が広く、広帯域のスペクトルを使用する無線通信装置に好適に使用することができる。
上部および下部電極の材料としては、Moの他に、W,Al,Au,Cu等を使用することもできるし、それらの材料を組み合わせて使用することもできる。例えば、本発明の実施例で使用したMo電極は、固有音響インピーダンスが大きいため、良好な共振特性を得ることができるが、導電率が比較的小さいという欠点を持っている。このため、例えば、下部電極をMoとAuとを積層したものとすることにより、良好な共振特性と良好な電気特性とを併せ持つ電極とすることができる。
上部および下部アイソレート層としては、本発明の実施例で示した、Niおよび発泡材から形成するものの他に、例えば、NiやAu,Zn等の微粒子を分散させたスラリーを塗布した後、400℃程度の温度で熱処理を加え、溶媒を蒸発させるとともに金属材料をわずかに焼結させた多孔質金属膜を使用することもできる。この場合、アイソレート層の密度や導電率をより細かく制御することができるため、歩留りよく製品を製造することができる。また、アイソレート層として、他の基板上に形成した発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる膜を、下部アイソレート層の場合は、薄膜バルク音響波共振子を形成する基板上に、上部アイソレート層の場合は、形成した上部電極上に貼り付けて使用することもできる。この場合、貼り付けは、熱圧着等によって行なう。このようなプロセスとすることにより、上部電極,下部電極や圧電体薄膜等の材料的な制約(例えば、耐熱性や耐薬品性,化学的反応性等)にとらわれずにアイソレート層を形成することができるため、より高特性の材料(例えば、導電率の高い発泡性のAu等)を使用することができる。従って、より高性能の薄膜バルク音響波共振子を提供することができる。
(a)および(b)は、それぞれ本発明の第1の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の一例を示す断面図および平面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の一例を示す断面図および平面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明の第2の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の他の例を示す断面図、平面図および平面図である。 本発明の薄膜バルク音響波共振子の実施の形態の例を示す断面図である。 薄膜バルク音響波共振子の共振部に接触させて、ある音響インピーダンスのアイソレート層を付加したときの、アイソレート層の音響インピーダンスと共振子のQ値との関係のシミュレーション結果の一例を示す線図である。 従来の薄膜バルク音響波共振子およびそれを収容したパッケージを示す断面図である。
符号の説明
11・・・基板
12・・・下部電極
13・・・上部電極
14・・・圧電体薄膜
15・・・ワイヤボンド
16・・・パッケージ
17・・・下部アイソレート層
18・・・上部アイソレート層
19・・・貫通孔
20・・・支持部
21・・・保護層

Claims (8)

  1. 基板と、
    該基板上に配置され、圧電体薄膜および該圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、
    前記基板および前記共振部間に配置され、両者を音響的にアイソレートするための、発泡金属材料または多孔質金属材料からなる下部アイソレート層とを具備し、
    前記下部アイソレート層は、前記発泡金属材料または前記多孔質金属材料よりも高強度の材料からなり、当該下部アイソレート層の下面から上面にかけて形成される支持部を有し、
    該支持部は、前記共振部の外部に形成されている、薄膜バルク音響波共振子。
  2. 基板と、
    該基板上に配置され、圧電体薄膜および該圧電体薄膜に上下から電圧を印加するための上部電極および下部電極からなる共振部と、
    該共振部上に配置され、発泡金属材料もしくは多孔質金属材料からなる上部アイソレート層とを具備し、
    前記上部アイソレート層は、前記発泡金属材料または前記多孔質金属材料よりも高強度の材料からなり、当該上部アイソレート層の下面から上面にかけて形成される支持部を有し、
    該支持部は、前記共振部の外部に形成されている、薄膜バルク音響波共振子。
  3. 基板と、
    該基板の上に配置される、発泡金属材料または多孔質金属材料からなる下部アイソレート層と、
    前記下部アイソレート層の上に一部が重なって配置され、且つ一部が前記下部アイソレート層の上を介さずに前記基板の上に配置される下部電極と、
    前記下部アイソレート層および前記下部電極が重なっている部位の上に、少なくとも一部が重なって配置される圧電体薄膜と、
    前記下部アイソレート層、前記下部電極、および前記圧電体薄膜が重なっている部位の上に、一部が重なって配置され、且つ一部が前記下部アイソレート層の上を介さずに前記基板の上に配置される上部電極と、を具備し、
    前記圧電体薄膜と、該圧電体薄膜に上下から電圧を印加する上部電極および下部電極とが共振部として機能し、前記下部アイソレート層が前記基板と前記共振部とを音響的にアイソレートする、薄膜バルク音響波共振子。
  4. 前記下部アイソレート層は、前記発泡金属材料または前記多孔質金属材料よりも高強度の材料からなり、当該下部アイソレート層の下面から上面にかけて形成される支持部を有し、
    前記支持部は、前記共振部の外部に形成されている、請求項3に記載の薄膜バルク音響波共振子。
  5. 前記下部アイソレート層または前記上部アイソレート層は、電極として機能する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の薄膜バルク音響波共振子。
  6. 前記下部アイソレート層または前記上部アイソレート層は、前記共振部と反対側の表面に前記共振部で発生する音響波の波長よりも大きい凹凸を有している請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の薄膜バルク音響波共振子。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の薄膜バルク音響波共振子をフィルタを構成する共振子として用いる、フィルタ。
  8. 請求項7記載のフィルタを有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備える、通信装置。
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