JP4854501B2 - バルク音響波共振子及びフィルタ並びに通信装置 - Google Patents

バルク音響波共振子及びフィルタ並びに通信装置 Download PDF

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Description

本発明は圧電共振子の一種であるバルク音響波共振子及びそれを用いたフィルタ並びに通信装置に関するものである。
無線通信や電気回路に用いられる周波数の高周波化に伴い、これらの電気信号に対して用いられるフィルタも高周波数に対応したものが開発されている。特に、無線通信においては2GHz近傍のマイクロ波が主流になりつつあり、また既に数GHz以上の規格策定の動きもあることから、それらの周波数に対応した、安価で高性能なフィルタが求められている。そのようなフィルタの中で最近注目されているのは、圧電性を示す薄膜の厚み縦振動モードを用いた共振子である。これは、入力される高周波電気信号に対して、圧電薄膜が厚み縦振動を起こし、その振動が、薄膜の厚さ方向において共振を起こすことを用いた共振子であり、薄膜バルク音響波共振子(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)と呼ばれている。FBARは、基板上に薄膜プロセスにより第1電極(下部電極層),圧電体薄膜,第2電極(上部電極層)を順次積層した共振部を形成した構造をしており、例えば、基板と共振部との間に音響多層膜反射器からなる音響アイソレート層を設け、共振部を基板から音響的にアイソレートする構成が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
図9(a),(b)に、上記の薄膜バルク音響波共振子の一例の平面図および(a)のA−A’線の矢視断面図を示す。
図9において、11は基板,12は音響アイソレート層,13は第1電極,14は圧電体薄膜,15は第2電極、20は共振部である。音響アイソレート層12は、低固有音響インピーダンス層12aと高固有音響インピーダンス層12bとを交互に積層してなる。
ダブリュー・イー・ニューウェル(W.E.Newell),"フェース・マウンテッド・ピエゾエレクトリック・レゾネーター(Face−Mounted Piezoelectric Resonators)"、プロシーディング・オブ・ザ・アイイーイーイー(Proceeding of the IEEE),1965年6月、p.575−581
しかしながら、図9に示す薄膜バルク音響波共振子においては、音響アイソレート層12を設けていても、共振部20で発生した音響波の一部が基板11側に漏れ、基板11の裏面で反射し、共振部20に戻ってきてしまい、これにより不要振動が生じる。この不要振動は、薄膜バルク音響波共振子の共振周波数と僅かに異なっており、このため、メインとなる共振ピークの近傍に、不要な共振ピーク(スプリアス)が生じる、という問題があった。
このスプリアスは、音響多層膜反射器の反射率を向上させ、基板11への音響波の漏れを低減することにより抑制することができるが、その場合には、音響多層膜反射器を構成する層数を、大幅に増やす必要がある。しかしながら、音響多層膜反射器の層数を増やすと、生産性が低くなるとともに信頼性を低下させてしまうという新たな問題が生じる。
本発明は、上述の諸事情に鑑みて案出されたものであり、その目的は、生産性が高く、スプリアスの発生を抑制したバルク音響波共振子を提供することにある。
本発明のバルク音響波共振子は、第1主面と、第2主面と、を有する基板と、圧電体膜と、前記圧電体膜の厚み方向の一表面上に積層される第1電極と、前記圧電体膜の厚み方向の他表面上に少なくとも一部が積層される第2電極と、で形成される共振部と、前記共振部の前記第1電極と前記基板の前記第1主面との間に設けられ、前記共振部を前記基板から音響的に絶縁する音響アイソレート層と、前記基板の前記第2主面に、前記共振部と対向するように設けられた音響波吸収部と、を含むものである。
また、本発明のバルク音響波共振子は、上記構成において、前記音響波吸収部は、前記基板に形成された膜からなるものである。
また、本発明のバルク音響波共振子は、上記構成において、前記膜は、前記基板と同一組成であり、前記基板よりも低い結晶性を有するものである。
また、本発明のバルク音響波共振子は、上記構成において、前記膜は、前記基板よりも固有音響インピーダンスが小さい材料からなり、その厚みが、前記膜中における、前記共振部から漏洩した音響波の波長の略1/4の奇数倍であるものである。
また、本発明のバルク音響波共振子は、上記構成において、前記膜は、前記基板よりも固有音響インピーダンスが大きい材料からなり、その厚みが、前記膜中における、前記共振部から漏洩した音響波の波長の略1/4の偶数倍であるものである。
また、本発明のバルク音響波共振子は、上記構成において、前記基板の第2主面は、第1主面に比べ算術平均粗さが大きく、前記音響波吸収部は、前記基板の前記第2主面により構成されているものである。
また、本発明のフィルタは、入力端子と出力端子と基準電位端子とを有し、前記入力端子と前記出力端子とをつなぐ入出力ライン上、または前記入出力ラインと基準電位端子との間に、上記のいずれかに記載のバルク音響波共振子を設けたものである。
また、本発明の通信装置は、受信回路もしくは送信回路の少なくとも1つを有し、上記のフィルタが前記受信回路もしくは前記送信回路に用いられているものである。
また、本発明の通信装置は、上記のフィルタと、受信回路もしくは送信回路の少なくとも1つとを有するものである。
本発明のバルク音響波共振子によれば、第1主面と、第2主面と、を有する基板と、圧電体膜と、圧電体膜の厚み方向の一表面上に積層される第1電極と、圧電体膜の厚み方向の他表面上に少なくとも一部が積層される第2電極と、で形成される共振部と、共振部の第1電極と基板の第1主面との間に設けられ、共振部を基板から音響的に絶縁する音響アイソレート層と、基板の第2主面に、共振部と対向するように設けられた音響波吸収部と、を含むことから、音響波吸収部が、基板に漏洩した音響波(以下、単に漏れ波ということもある)を吸収し、共振部側への反射を抑制することができる。このため、音響アイソレート層を構成する層数が少なくても、スプリアスが小さいものとなり、生産性が高く、かつスプリアスの少ない、優れた特性を有するバルク音響波素子を提供できるようになる。
また、本発明のバルク音響波共振子によれば、上記構成において、音響波吸収部は、基板に形成された膜からなるときには、音響波吸収部を含めたバルク音響波共振子の厚みを厚くすることなく、スプリアスの少ない、優れた特性を有するバルク音響波素子を提供できるようになる。また、基板の第2主面(音響アイソレート層が配設されていない側の面であり、以下、下面ということもある)に、漏れ出た(漏洩した)音響波を散乱させて吸収するような、微細な加工を施す必要がなく、生産性が高く、かつスプリアスが小さいバルク音響波共振子を提供できるようになる。
また、本発明のバルク音響波共振子によれば、上記構成において、膜は、基板と同一組成であり、基板よりも低い結晶性を有するときには、基板と音響波吸収部との界面での反射がなくなり、漏れ波を効率的に音響波吸収部に導入できる。すなわち、膜からなる音響波吸収部と基板とが同一組成であることから、その界面での音響インピーダンスのミスマッチがなくなり、共振部側から伝播してきた漏れ波が、両者の界面で反射無しに音響波吸収部に進入する。また、音響波吸収部が基板よりも低い結晶性である場合には、音響波吸収部内部での音響波の伝播損失が大きくなるため、前記音響波吸収部に進入した漏れ波が大きく減衰し、エネルギーが吸収される。
なお、ここで同一組成とは、実質的に固有音響インピーダンスが同一(±10%以内)であることをいい、固有音響インピーダンスが変化しない程度の不純物・ドーパント等の差、複数成分からなる場合の組成の差は、同一組成とみなすものとする。
また、本発明のバルク音響波共振子によれば、上記構成において、膜は、基板よりも固有音響インピーダンスが小さい材料からなり、その厚みが、膜中における、共振部から漏洩した音響波の波長の略1/4の奇数倍であるときには、膜からなる音響波吸収部が、共振部と同じ共振周波数を持つλ/4共振子のように振る舞うため、共振部から漏れた基板中の音響波(漏れ波)と、音響波吸収部中の音響波との共振モードが結合し、漏れ波を効率的に音響波吸収部に導入できる。このため、スプリアスの発生を抑制した、優れた特性のバルク音響波共振子を提供することができる。また、音響波吸収部中に導入された漏れ波は、音響波吸収部の材料損失によって吸収され、基板側にはほとんど戻らない。
また、本発明のバルク音響波共振子によれば、上記構成において、膜は、基板よりも固有音響インピーダンスが大きい材料からなり、その厚みが、膜中における、共振部から漏洩した音響波の波長の略1/4の偶数倍であるときには、膜からなる音響波吸収部が、共振部と同じ共振周波数を持つλ/2共振子のように振る舞うため、共振部から漏れた基板中の音響波(漏れ波)と、音響波吸収部中の音響波との共振モードが結合し、漏れ波を効率的に音響波吸収部に導入できる。このため、スプリアスの発生を抑制した、優れた特性のバルク音響波共振子を提供することができる。また、音響波吸収部中に導入された漏れ波は、音響波吸収部の材料損失によって吸収され、基板側にはほとんど戻らない。
また、本発明のバルク音響波共振子によれば、上記構成において、基板の第2主面は、第1主面(音響アイソレート層が配設された面であり、以下上面ということもある)に比べ算術平均粗さが大きく、音響波吸収部は、基板の第2主面により構成されているときには、基板中を伝搬してきた漏れ波が基板の第2主面で散乱される。このため、漏れ波が共振部へ戻ることなく、スプリアスの少ない、優れた特性のバルク音響波共振子を提供することができる。このように、音響波吸収部としての基板の下面部で漏れ波を散乱させて吸収することもできる。なお、基板の上面は、その上に形成する音響アイソレート層,共振部の結晶性等を考慮すると、算術平均粗さを小さくする必要がある。中でも、音響アイソレート層の機能を発揮させ、漏れ波を少なくするためには、基板の上面の算術平均粗さを小さくする。一方で、そのようにしても発生する漏れ波に対して、基板の上面で散乱・吸収できない分については、上面に比べ算術平均粗さを大きくした下面で散乱・吸収することができる。このように、漏れ波によるスプリアスを抑制するために、基板の上面と下面とが連係して作用する。
また、本発明のフィルタによれば、入力端子と出力端子と基準電位端子とを有し、入力端子と出力端子とをつなぐ入出力ライン上、または入出力ラインと基準電位端子との間に、上記のいずれかに記載のバルク音響波共振子を設けたものであることから、生産性が高く、スプリアスの少ない共振子を用いることで、高性能で信頼性が高く、生産性の高いものとすることができる。
また、本発明の通信装置によれば、受信回路もしくは送信回路の少なくとも1つを有し、上記のフィルタが受信回路もしくは送信回路に用いられていることから、雑音が少なく、高性能で信頼性が高く、生産性の高いものとすることができる。
また、本発明の通信装置によれば、上記のフィルタと、受信回路もしくは送信回路の少なくとも1つとを有するものであることから、雑音が少なく、高性能で信頼性が高く、生産性の高いものとすることができる。
以下、本発明のバルク音響波共振子の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明のバルク音響波共振子の実施の形態の一例を示す断面図である。なお、以下の図面でも同様であるが、同様の箇所には同一の符合を付し、重複する説明を省略する。さらに、図面においては各部位の構成が分かり易いように各部位の寸法を適宜拡大している。
図1において、11は基板、12は音響アイソレート層(音響多層膜反射器)、13は第1電極(下部電極層)、14は圧電体膜、15は第2電極(上部電極層)、16基板11の下面に配設された音響波吸収部、20は共振部である。基板11は第1主面(上面)11a,これに対向する第2主面(下面)11bを有している。圧電体膜14に上下から電圧を印加するための第1電極13および第2電極15が形成されて共振部20が構成されており、共振部20は、共振部20の第1電極13と基板11の第1主面11aとの間に配設された音響アイソレート層12によって基板11から音響的に分離されている。なお、共振部20は、図中に破線で示すように、第1電極13と圧電体膜14と第2電極15とが重複する領域であって、この領域と音響アイソレート層12とが厚み方向で重なる領域をいうものとする。また、この共振部20と基板11を挟んで対向するように、基板11の第2主面11bに音響波吸収部16が配置されている。
図1に示すバルク音響波共振子によれば、圧電体膜14の厚み方向の一方に積層された第1電極13と圧電体膜14の厚み方向の他方に積層された第2電極15とに高周波信号を印加すると、共振部20が厚み縦方向に振動する。このようにして発生した音響波は基板11側,第2電極15側にも伝搬するが、通常基板11側に向かう成分は、音響アイソレート層12により遮断され、音響波は共振部20内に閉じ込められるため損失の少ないものとなる。
しかしながら、音響アイソレート層12は共振部20と基板11とに接しているため、ごく一部の音響波が、基板11にも漏れる。これを漏れ波という。この漏れ波が基板11の下面に到達すると、図9に示す薄膜バルク音響波共振子では、共振部20側に反射して不要振動を生じ、スプリアスの原因となっていた。
これに対して、図1に示す本発明のバルク音響波共振子は、基板11の下面11bに音響波吸収部16が配設されているので、基板11の下面11bに到達した漏れ波を音響波吸収部16で吸収し、共振部20側への反射を防ぐことができる。
次に各部位について、説明する。
基板11は、バルク音響波共振子を支持する機能を有し、通常は厚みが0.05〜1mm、直径が75〜200mm程度の鏡面研磨されたSiウエハーが用いられる。Siウエハーは扱いやすく、また対応する薄膜プロセス装置も多いため、製造が容易となることから、特に好適に用いられる。基板11は、Siウエハーの他にも、薄膜プロセスと相性の良い、Si,Al,SiO,ガラス等のウエハーまたは平板を使用することができる。
第1電極13は、第2電極15とともに、圧電体膜14に高周波電圧を印加する機能を有する部材であり、W、Mo、Au、Al、Cu等の金属材料で形成される。第1電極13はスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで後述の音響アイソレート層12上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される
圧電体膜14は、例えばZnOやAlN,PZT等の圧電体材料からなり、第1電極層13および第2電極15によって印加された高周波電圧に応じて伸縮し、電気的な信号を機械的な振動に変換する機能を持つ。圧電体膜14はスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで第1電極13上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。
第2電極15は圧電体膜14に高周波電圧を印加する機能を有する部材であり、第1電極13と同様の材料から成り、スパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで圧電体膜14上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。
また、共振部20は、圧電体膜14が上下から第1電極13および第2電極15により挟まれて構成されており、第1電極13,圧電体膜14,第2電極15,音響アイソレート層12が重なった部分である。第1電極13,圧電体膜14,第2電極15,音響アイソレート層12のそれぞれは、共振部20よりも広く形成されていてもよい。
共振部20は、その内部で音響波が厚み縦振動による共振を起こすものであり、使用周波数、共振子の設計,圧電体膜14の材料,第1電極13および第2電極15の材料,材料の固有音響インピーダンスや密度,音速,波長等を考慮して、精密に設計する必要がある。
共振部20を構成する各層の厚みは、以下の通りである。
第1電極13,第2電極15は、電極としての機能と同時に、共振部20を構成する機能も有するため、その厚みは、材料や共振部を構成する様々な条件によっても異なり精密に設計する必要があるが、共振周波数が2GHzの場合、0.01〜0.5μm程度である。
圧電体膜14の厚みは、第1電極13,第2電極15と同様に精密に設計する必要があるが、共振周波数が2GHzの場合、0.3〜1.5μm程度である。
また、通常、共振部20の全体の厚みが、おおむねλ/2(λは使用周波数での音響波の波長)となるように設計される。
また、共振部20の平面形状は、図1に示す例では矩形状になっているが、平面視で横方向への不要振動(スプリアス)を防ぐため、円形状や不定形状,台形状とされる場合もある。さらに、その面積は、共振子のインピーダンスを決定する要素となるため、厚みと同様に精密に設計する必要がある。50Ωインピーダンス系で使用する場合は、通常、共振部20の電気的なキャパシタンスが、使用周波数でおおむね50Ωのリアクタンスを持つように設計される。共振部20の面積は、例えば2GHzの振動子の場合であれば、200×200μm程度となる。
音響アイソレート層12は、低固有音響インピーダンス層12aと高固有音響インピーダンス層12bとを交互に積層した、所謂音響多層膜反射器が使用される。各層の厚みは、材料の固有音響インピーダンスや密度,音速,波長等を考慮して、精密に設計する必要があるが、通常は、反射率が最大になるλ/4の奇数倍(λはその材料内での音響波の波長)が用いられる。高固有音響インピーダンス層12bの材料としては、W、Moなどの金属材料のほかに、AlやTa、AlN、ZnOなどの誘電体材料が使用される。また、低固有音響インピーダンス層12aの材料としては、Alなどの金属材料のほかに、SiOなどの誘電体材料、ポリイミド、BCB(Benzocyclobutene)、MSQ(Methylsises Quioxane)などの樹脂材料が使用される。バルク音響波共振子の音響アイソレート層12を構成する材料として金属材料を用いた場合には、寄生容量を防ぐために、通常は平面視で共振部20の領域以外の部分をエッチングにより除去する必要がある。
音響多層膜反射器の反射率は、音響多層膜反射器を構成する層の固有音響インピーダンスのコントラストが高いほど、また、層数が多いほど大きくなる。音響多層膜反射器の反射率が大きくなると、共振部20への音響波の閉じ込めが向上し、共振子のQ値、実効電気機械結合係数(Keff )が大きくなる。実用十分な音響多層膜反射器の構成は、例えばSiO/Wの組み合わせなら4層、SiO/Taの組み合わせなら8層程度となる。
上記は、2種類の膜を交互に積層した音響多層膜反射器について記述したが、この形態だけでなく、固有音響インピーダンスの高い層と低い層とを交互に積層することにより同様の機能が発現できる。例えば、SiO/W/BCBという構成なら、3層で実用十分な反射率を得ることができる。
音響多層膜反射器では、各層の界面での音響波の反射を集積させて、全体としての音響波の反射を実現しているため、どうしても一部の音響波は基板11側に漏れ出すことになる。この漏れが十分に小さければ、共振子特性(Q値、Keff )として良好な値を得ることができる。しかしながら、この基板11側に漏洩した一部の音響波は、基板11の下面(裏面)11bで反射することにより基板11内で共振して、共振子特性に影響を与える。
例えば、図2に、基板11として厚み500μmのSi基板を用い、音響多層膜反射器として、基板11側から、BCB/Mo/Alという構成の音響アイソレート層12を配設し、共振部20の構成を、第1電極13/圧電体膜14/第2電極15の順に、Au/ZnO/Auとしたバルク音響波共振子の共振子特性のシミュレーション値を示す。なお、反共振周波数は2GHzとし、各層に適当な損失を仮定している。図2において、横軸は周波数(単位:GHz),縦軸は、左側がインピーダンス(単位:Ω),右側が位相(単位:度)である。また、実線がインピーダンス特性を,破線が位相特性を示している。この共振子の場合、共振子のQ値は約2300となっており、実用十分な特性を示しているが、図2からわかるように、インピーダンス特性,位相特性共に、約10MHz間隔で細かいスプリアスピークが現れている。このスプリアスピークは、音響多層膜反射器の層数を増やして、基板11への音響波の漏洩を減らすことによって抑制することができるが、その場合、必要以上の層数の音響多層膜反射器となり、工数が増加する、信頼性が低下するなどの課題が発生する。
これに対して、本発明のバルク音響波共振子では、基板11の下面11bに、共振部20と対向するように、音響波吸収部16を設けている。これにより、基板11裏面で反射する音響波を吸収することで、共振部20側への反射を抑制し、基板11内での共振を防ぐことができる。
音響波吸収部16としては、音響波を吸収するポリイミド、エポキシ、シリコーンなどの樹脂材料が望ましい。また、Si,SiOなどの無機材料、Al,Mo,Wなどの金属材料も使用できるが、この場合には、音響波を良好に吸収するように、故意に結晶性を低く形成することが望ましい。また、多孔質にすることによっても同様の効果を得られる。
図1において、音響波吸収部12が、基板11に形成された膜からなっている。このため、通常の薄膜形成方法により、簡易に音響波吸収部12を形成することができるので好ましい
次に、このような膜からなる音響波吸収部12の具体例について説明する。
(具体例1)
音響波吸収部16が、基板11と同一組成を持ち、基板11よりも低い結晶性を有する場合について説明する。
このような構成としたときには、基板11と音響波吸収部16とでは、同一組成であるために、音響インピーダンスはほぼ同じになる。このため、基板11の下面11bと音響波吸収部16との界面での反射が少なくなり、漏れ波を効率的に音響波吸収部12に導入できる。また、結晶性が低いので音響波吸収部16内部での音響波の伝播損失が大きくなるため、前記音響波吸収部16に進入した漏れ波が大きく減衰し、エネルギーが吸収される。これにより、漏れ波が共振部20に戻るのを抑制することができるので、スプリアスの少ない共振子とすることができる。
また、このような音響波吸収部12では、基板11と音響波吸収部16とが同一組成からなるため、密着性、熱膨張差による剥離が起こらず、機械的耐久性が強いものとなる。例えば、基板11がSi基板である場合には、音響波吸収部16はCVDで成膜したアモルファスシリコンやポリシリコンなどが使用できる。また、Si基板を陽極酸化することにより、基板11の下面をポーラスにすることによっても同様の効果が期待できる。
図3に、本発明のバルク音響波共振子の共振子特性をシミュレーションした結果を示す。なお、基板11,共振部20,音響アイソレート層12の材料等の条件は、図2に示すシミュレーションのときと同様の条件とした。また、音響波吸収部16を、厚み5μmのSi薄膜として、このSi薄膜は膜質の悪いものを仮定して、音響波損失としては9000dB/cmとした。なお、通常のSi単結晶基板であれば、その音響波損失は、10dB/cm程度である。
図3において、横軸は周波数(単位:GHz),縦軸は、左側がインピーダンス(単位:Ω),右側が位相(単位:度)である。また、実線がインピーダンス特性を,破線が位相特性を示している。図3から判るように、スプリアスピークが消失し、良好な共振子特性が得られている。
(具体例2)
音響波吸収部16の材料として、基板11よりも固有音響インピーダンスが小さい材料を使用し、音響波吸収部16の厚みが、音響波吸収部16中における、漏れ波の波長の略1/4の奇数倍である場合について説明する。
基板11よりも固有音響インピーダンスが小さい材料としては、例えば基板11としてSiを使用した場合、SiOなどの無機材料、ポリイミド、シリコーン、エポキシなどの樹脂材料が使用できる。それぞれの材料の固有音響インピーダンスの値は、Siが19.65MRaylであるのに対して、SiO、ポリイミド、エポキシは、順に13.1,1.9,2.68(いずれも単位はMRayl)である。
ここで、音響波吸収部16の厚みが、音響波吸収部16中の漏れ波の波長の略1/4の奇数倍である場合には、漏れ波の吸収効果が最も大きくなる。すなわち、スプリアスの抑制効果が最も大きくなる。これは、音響波吸収部16が基板11よりも低い固有音響インピーダンスを有することから、基板11と音響波吸収部16との界面を固定端とする共振が音響波吸収部16内に生じ、この共振と基板11内の漏れ波が結合しやすくなるので、漏れ波を効率的に音響波吸収部16に導入できるようになるからである。さらに、音響波吸収部16中に導入された漏れ波は、音響波吸収部16の材料損失によって吸収され、基板11側にはほとんど戻らないからである。逆に、音響波吸収部16の厚みが波長の略1/4の偶数倍の場合は、音響波吸収部16内での共振が起こらず、スプリアス抑制効果は低くなる。
図4(a)に、音響波吸収部16の材料としてBCB樹脂(固有音響インピーダンス:2.7MRayl)を用い、その厚みを、漏れ波の波長の略1/4の奇数倍とした場合の例として、音響波波長の1/4とした場合の、図4(b)に、漏れ波の波長の略1/4の偶数倍の場合の例として、音響波波長の1/2とした場合の共振特性のシミュレーション結果を示す。なお、基板11,共振部20,音響アイソレート層12の材料等の条件は、図2に示すシミュレーションのときと同様の条件とした。この場合の音響波波長の1/4の大きさは、約0.2μmである。図4において、横軸は周波数(単位:GHz),縦軸は、左側がインピーダンス(単位:Ω),右側が位相(単位:度)である。また、実線がインピーダンス特性を,破線が位相特性を示している。図4から判るように、音響波吸収部16の厚さが音響波波長の1/4の場合には、スプリアスピークが消失し、良好な共振子特性が得られている。これに対して、音響波吸収部16の厚さが音響波波長の1/2の場合には、小さなスプリアスピークが周期的に確認されることが分かる。
(具体例3)
音響波吸収部16の材料として、基板11よりも固有音響インピーダンスが大きい材料を使用し、音響波吸収部16の厚みが、音響波吸収部16中の漏れ波の波長の略1/4の偶数倍である場合について説明する。
基板11よりも固有音響インピーダンスが大きい材料としては、例えば基板11としてSiを使用した場合、Mo、Wなどの金属材料、Alなどの無機材料が使用できる。それぞれの材料の固有音響インピーダンスの値は、Siが19.65MRaylであるのに対して、Mo、W、Alは、順に63.8、103.9、44.6(いずれも単位はMRayl)である。
ここで、音響波吸収部16の厚みが、音響波吸収部16中の漏れ波の波長の略1/4の偶数倍である場合には、音響波の吸収効果が最も大きくなる。すなわち、スプリアスの抑制効果が最も大きくなる。これは、音響波吸収部16が基板11よりも高い固有音響インピーダンスを有することから、基板11の下面11bと音響波吸収部16との界面を自由端とする共振が音響波吸収部16内に生じ、漏れ波を効率的に音響波吸収部16に導入できるようになるからである。さらに、音響波吸収部16中に導入された漏れ波は、音響波吸収部16の材料損失によって吸収され、基板11側にはほとんど戻らないからである。逆に、音響波吸収部16の厚みが波長の略1/4の奇数倍の場合は、音響波吸収部16内での共振が起こらず、スプリアス抑制効果は低くなる。
図5(a)に、音響波吸収部16の材料としてMo(固有音響インピーダンス:63.8MRayl)を用い、その厚みを、漏れ波の波長の略1/4の奇数倍とした場合の例として、音響波波長の1/4とした場合の、図5(b)に、漏れ波の波長の略1/4の偶数倍とした場合の例として、音響波波長の1/2とした場合の共振特性のシミュレーション結果を示す。なお、基板11,共振部20,音響アイソレート層12の材料等の条件は、図2に示すシミュレーションのときと同様の条件とした。この場合の、音響波波長の1/4の大きさは、約0.7μmである。
図5において、横軸は周波数(単位:GHz),縦軸は、左側がインピーダンス(単位:Ω),右側が位相(単位:度)である。また、実線がインピーダンス特性を,破線が位相特性を示している。図5から判るように、音響波吸収部16の厚さが音響波波長(漏れ波の波長)の1/2の場合には、スプリアスピークが消失し、良好な共振子特性が得られている。これに対して、音響波吸収部16の厚さが音響波波長の1/4の場合には、小さなスプリアスピークが周期的に確認されることが分かる。
次に、本発明のバルク音響波共振子の実施の形態の他の例を説明する。図6(a)は、本発明のバルク音響波共振子の実施の形態の他の例を示す断面図である。
図6(a)は、音響波吸収部16が膜ではない点で、図1と異なる。図6(a)において、音響波吸収部16は、ゴム・樹脂などの弾性体、グリースなどの流動体が望ましい。
ゴム・樹脂などの弾性体、グリースなどの流動体は音響波を効率的に吸収するため、漏れ波の吸収が大きくなり、反射波が小さくなる。また、これらの材料は、厚く形成することにより、基板11を外部の機械的衝撃から保護する機能も付与することができる。図6(a)は、このような効果を考慮して、厚く形成された音響波吸収部16の場合を示している。
ゴム・樹脂などの弾性体は、基板11の裏面に、スピンコートやディップコート、モールディングにより形成することができる。また、グリースなどの流動体は、基板11の下面に塗布したり、スプレーコートしたりすることにより形成できる。この場合は基板11の下面11bを保護するために、バルク音響波共振子をパッケージに封入する必要がある。
また、ゴム・樹脂などの弾性体,グリースなどの流動体は、一般に音響インピーダンスが小さいため、基板11を伝播してきた漏れ波の一部は、基板11の下面11bと音響波吸収部16との界面で基板11側に反射され共振部20へ戻る。通常は、この反射は小さいが、さらにスプリアスを抑制する必要がある場合は、基板11と音響波吸収部16との間に、マッチング層を挿入することが望ましい。マッチング層は基板11と音響波吸収部16の中間の音響インピーダンスを持つことが望ましい。
このように、音響波吸収部16を弾性体等で形成す場合には、基板11の表裏面に薄膜プロセスで成膜する必要がなくなるので、製造工程中での取り扱いが容易となる。
次に、本発明のバルク音響波共振子の実施の形態のさらに他の例について説明する。図6(b)は、本発明のバルク音響波共振子の実施の形態のさらに他の例を示す断面図である。
図6(b)は、音響波吸収部16が膜ではない点で、図1と異なる。図6(b)において、基板11の下面11bの算術平均粗さを、基板11の上面11aに比べて大きくし、この下面部11bにより音響波吸収部16を構成している。このように、基板11の下面11bに凹凸を形成して、音響波吸収部16とすることもできる。この場合には、音響波吸収部16は、基板11の上面11aと平行な断面でみたときに、基板11のうち、最も共振部20側に凹んだ位置から、共振部20側から離れる方向に最も凸となっている位置までの間の領域を指すものとする。
凹凸の大きさは、使用する波長と同程度、あるいはそれよりも大きいものが有効であり、一般に、数ミクロンのサイズと、同程度の深さを持つことが望ましい。例えば、基板11としてSi基板を用いた場合には、4μm程度となる。凹凸の形成方法としては、機械的なグラインド、ウェットエッチングなどが使用できる。
このように、音響波吸収部16を基板11の下面11bに凹凸を形成して作る場合には、基板11の表裏面に薄膜プロセスで成膜する必要がなくなるので、製造工程中での取り扱いが容易となる。
なお、本発明のバルク音響波共振子における共振部20,基板11,その他材料や構造,プロセス等については上述の例に特に限定されるものではない。また、保護膜やパッケージ、共振部20と外部接続のための端子部とを接続する配線および電極の取り回しや、複数の共振部20を接続してフィルタとする構成や構造についても特に限定されるものではない。
例えば、具体例1に示す音響波吸収部16,図6(a)に示す音響波吸収部16の、基板11と接していない側(図面の下側)において、音響波吸収部16中の波長と同程度の凹凸を形成してもよい。
次に、本発明のフィルタについて説明する。
図7は、本発明のフィルタの一実施形態を示す等価回路図である。
本発明のフィルタは、図7に示すように、入力端子Inと出力端子Outとをつなぐ入出力ラインと基準電位端子との間および入出力ライン上に、本発明のバルク音響波共振子100を接続すればよい。なお、この例では、基準電位端子は接地されている。
また、入力端子Inと出力端子Outとをつなぐ入出力ラインと基準電位端子との間のみに、本発明のバルク音響波共振子100aを接続したり、入出力ライン上のみに、バルク音響波共振子100bを接続したりしてもよい。
このようにしてラダー型のフィルタを形成してもよいし、非平衡入力―平衡出力等のバランス型のフィルタを形成してもよい。
このような構成の本発明のフィルタによれば、本発明のバルク音響波共振子100をフィルタを構成する共振子として用いたことにより、音響多層膜反射器の層数が少なくても、スプリアスが小さい、すなわち、高性能で、信頼性の高い、安価なデバイスを提供できるようになる。本発明のバルク音響波共振子を用いて本発明のフィルタを構成したものとしては、共振子を電気的に結合させたラダー型フィルタやラティス型フィルタの他に、共振子を音響的に結合させたスタックト・クリスタル(Stacked Crystal)型フィルタやカップルド・レゾネータ(Coupled Resonator)フィルタ等が挙げられる。
次に、本発明のフィルタを用いて通信装置を形成した例について説明する。
図8は、本発明の通信装置の一実施形態の通信装置を示すブロック図である。
図8において、アンテナ140に送信回路Txと受信回路Rxが分波器150を介して接続されている。送信される高周波信号は、フィルタ210によりその不要信号が除去され、パワーアンプ220で増幅された後、アイソレータ230と分波器150を通り、アンテナ140から放射される。また、アンテナ140で受信された高周波信号は、分波器150を通りローノイズアンプ160で増幅されフィルタ170でその不要信号を除去された後、アンプ180で再増幅されミキサ190で低周波信号に変換される。
図8において、分波器150,フィルタ170,フィルタ210のいずれかに、本発明のフィルタを用いれば、小型でQ値の高いものとすることができる。
なお、図8では送信回路Txと受信回路Rxとを有する通信装置について説明したが、送信回路Txまたは受信回路Rxのいずれか一方を有する通信装置としてもよい。
このような構成の本発明の通信装置によれば、本発明のフィルタを有することにより、雑音が少なく、より信頼性が高く、安価な通信装置を提供することができる。
本発明のバルク音響波共振子の一例を示す、断面図である。 従来の薄膜バルク音響波共振子の共振特性を示す線図である。 本発明のバルク音響波共振子の共振特性を示す線図である。 基板に比べて固有音響インピーダンスの小さい材料を用いた音響波吸収部を用いたバルク音響波共振子において、音響波吸収部の厚みを変化させた場合の共振特性を示す線図であり、(a)は音響波吸収部の厚みが音響波波長の1/4の場合、(b)は音響波吸収部の厚みが音響波波長の1/2の場合の例である。 基板に比べて固有音響インピーダンスの大きい材料を用いた音響波吸収部を用いたバルク音響波共振子において、音響波吸収部の厚みを変化させた場合の共振特性を示す線図であり、(a)は音響波吸収部の厚みが音響波波長の1/4の場合、(b)は音響波吸収部の厚みが音響波波長の1/2の場合の例である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明のバルク音響波共振子の他の例を示す断面図である。 本発明のフィルタの一例を示す等価回路図である。 本発明の通信装置の一例を示すブロック図である。 従来の薄膜バルク音響波共振子を示す(a)は平面図,(b)は(a)のA−A’部分の線断面図である。
符号の説明
11・・・基板
11a・・第1主面
11b・・第2主面
12・・・音響アイソレート層
13・・・第1電極
14・・・圧電体膜
15・・・第2電極
16・・・音響波吸収部
20・・・共振部

Claims (9)

  1. 第1主面と、第2主面と、を有する基板と、
    圧電体膜と、前記圧電体膜の厚み方向の一表面上に積層される第1電極と、前記圧電体膜の厚み方向の他表面上に少なくとも一部が積層される第2電極と、で形成される共振部と、
    前記共振部の前記第1電極と前記基板の前記第1主面との間に設けられ、前記共振部を前記基板から音響的に絶縁する音響アイソレート層と、
    前記基板の前記第2主面に、前記共振部と対向するように設けられた音響波吸収部と、を含み、
    前記音響波吸収部は、前記基板に形成された膜からなり、前記膜は、前記基板よりも固有音響インピーダンスが大きい材料からなり、その厚みが、前記膜中における前記共振部から漏洩した音響波の波長の略1/4の偶数倍であるバルク音響波共振子。
  2. 前記基板がSiからなる請求項1に記載のバルク音響波共振子。
  3. 前記膜は、前記基板と同一組成であり、前記基板よりも低い結晶性を有する請求項2に記載のバルク音響波共振子。
  4. 前記膜は、Mo、W又はAl のいずれかからなる請求項2に記載のバルク音響波共振子。
  5. 前記第1電極および前記第2電極が、W、Mo、Au、Al又はCuのいずれかからなり、前記圧電体膜が、ZnO、AlN又はPZTのいずれかからなる請求項1に記載のバルク音響波共振子。
  6. 前記基板の第2主面は、第1主面に比べ算術平均粗さが大きく、
    前記音響波吸収部は、前記基板の前記第2主面により構成されている請求項1に記載のバルク音響波共振子。
  7. 入力端子と出力端子と基準電位端子とを有し、前記入力端子と前記出力端子とをつなぐ入出力ライン上、または前記入出力ラインと基準電位端子との間に、請求項1乃至6のいずれかに記載のバルク音響波共振子を設けたフィルタ。
  8. 受信回路もしくは送信回路の少なくとも1つを有し、請求項7に記載のフィルタが前記
    受信回路もしくは前記送信回路に用いられている通信装置。
  9. 請求項7に記載のフィルタと、受信回路もしくは送信回路の少なくとも1つとを有する通信装置。
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