JP4693316B2 - ラッチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引出しやロッカーの扉その他に適用が可能なラッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のラッチ装置として、例えば、引出しの鏡板に設けた取手用凹陥部内に操作レバーを設け、この操作レバーの支軸を前記鏡板の内面側に設けた軸支持部に回転可能に支持させるとともに、この支軸の一端から駆動アームを概略下方に突出させておき、前記操作レバーに加えられる操作力により前記駆動アームを回転させてラッチ爪を直接又は間接的に駆動し得るようにしたものが開発されている。即ち、この種のラッチ装置におけるラッチ爪は、例えば、スプリングにより一定の回転方向に弾性力を加えられた状態で鏡板の内面側に回転可能に取り付けられており、前記引出しを収納位置まで没入させた段階で、このラッチ爪の先端部が家具本体の側壁内面に設けた係留部に自動的に係わり合うようになっている。そして、前記操作レバーを手前に牽引操作することによって前記駆動アームを前方に回転させ、その駆動アームの先端部分で前記ラッチ爪を直接又は間接的に駆動することによって、このラッチ爪によるロック状態を解除することができるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、家具等の製造、販売を行う際には、ユーザのニーズに応えるべく、そのサイズや意匠デザイン等に多様なバリエーションを用意しておくことが望まれる。一方で、製品のバリエーションを豊富に揃えようとすると、部品の種類の数も増大して、結果的に製造コストの高騰につながるという問題も存在する。
【0004】
上述の例でいえば、ラッチ装置が適用される引出しの寸法に複数のバリエーションを用意しようとするとき、ラッチ装置を構成する構成部品等もまた複数の寸法のものを製造する必要に迫られる。言い換えれば、引出しの上下寸法等が異なることで、操作レバーの配置位置とラッチ機構の配置位置との間の距離も異なるため、引出しの寸法に合わせてラッチ装置の構成部品の寸法を変える必要があった。
【0005】
このような問題に鑑み、本発明は、複数の異なる寸法の製品を製造する場合においても同一の構成部品を使用することができるようなラッチ装置を実現することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく、本発明に係るラッチ装置は、操作レバーが設けられ基体に回転可能に支持された支軸と、前記支軸の回転軸に対して概略垂直な軸を中心に回転可能に支持されたラッチ爪とを具備するラッチ装置であって、前記支軸から駆動アームを概略径方向に延伸させるとともに、前記ラッチ爪とともに回転し当該ラッチ爪の回転軸に対して概略平行方向に所定の寸法を有する従動プレートをラッチ爪の基端部から内側方に突き出して設けておき、前記駆動アームを前記所定の寸法の範囲の任意の位置で前記従動プレートの突出端側に当て、前記操作レバーに加えられる操作力により前記駆動アームを所要の操作位置まで回転させて前記ラッチ爪を駆動し得るように構成するものとした。このようなものであるならば、駆動アーム並びに従動プレートの寸法を適当に設定することにより、これらの部品の寸法を変えずとも、操作レバーの支軸とラッチ爪との間の(上記ラッチ爪の回転軸方向の)距離を柔軟に変更することができる。即ち、当該ラッチ装置が適用される家具等の製品の寸法を、操作レバーの配置位置あるいはラッチ機構の配置位置について特段の配慮をすることなく、より自由に設計することが可能となり、さらには、異なる寸法の製品に同一の構成部品を用いてラッチ装置を実装することもできる。
【0007】
なお、上記の構成において、従動プレートの替わりに、ラッチ爪の回転軸に対し概略平行方向に所定の寸法を有する当たり部と概略垂直方向に伸びるアーム部とを備える従動部材をラッチ爪とともに回転するようにラッチ爪の基端部に設けて、前記従動部材の当たり部に駆動アームが当たるようにすることもできる。
【0008】
そして、前記駆動アームが、前記支軸に対し概略平行方向に突出した突出部を具備して、当該突出部によって前記従動プレート又は前記従動部材の当たり部に接するようなものであれば、操作レバーの支軸とラッチ爪との間の距離を変化させることによる当該ラッチ装置の機能への物理的な影響は少なく、部品の汎用性がより高まる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すものは、本発明に係るラッチ装置を引出し2、3、4に適用したワゴン1である。
【0010】
引出し3は、図2に示すように、収納空間を形成する板金製の胴部7と、この胴部7の前端に溶接等により接合した板金製の裏板8と、この裏板8の前面側に着脱可能に取り付けた合成樹脂製の基体たる鏡板9とを具備してなるものである。引出し2、4も、後述する例外部分を除き、引出し3に準じた構成をなしている。裏板8は、図2及び図3に示すように、上縁に前方に延伸する基端側水平片11と、この基端側水平片11の前縁から上方に起立する起立片12と、この起立片12の上縁から前方に延伸する先端側水平片13とを備えているとともに、下縁に前方に延伸する下片14を有し、さらに、側縁に前方に延伸する基端側前出片15と、この基端側前出片15の前縁から外側方に延伸する側片16と、この側片16の外縁から前方に延伸する先端側前出片17とを設けている。
【0011】
鏡板9は、図4に示すように、取手用の凹陥部20を有した面板部21と、この面板部21の上縁から後方に延伸させた上壁部22と、面板部21の下縁から後方に延伸させた下壁部23と、面板部21の側縁から後方に延伸させた側壁部24とを有してなる偏平筐形のもので、合成樹脂によって一体に成形されている。凹陥部20内には、ラッチ爪操作用の操作レバー25が設けてあり、この操作レバー25の支軸26を、鏡板9の内面に突き出して設けた軸支持部27、28、29、30、31、32により回転可能に支持している。また、鏡板9の一端部内面側に設けたラッチ爪支持部33にラッチ爪34の基端部35を回転可能に支持させるとともに、このラッチ爪34の先端部36を前記裏板8の側片16に設けた透窓37を通して外部に突き出させ、引出し3を収納位置まで没入させた際に前記ラッチ爪34が袖部本体6の側壁内面に設けた係留部38に係わり合うように構成するとともに、前記操作レバー25の操作により前記ラッチ爪34が係留部38と係わり合う状態を解除し得るように構成している。
【0012】
具体的に説明すれば、操作レバー25は、図5に示すように、下方に垂下する湾曲した板状のもので、先端の厚みを増大させて図1に示す前面251を形成している。そして、取手用凹陥部20内に挿入した指をその背面25a側に掛けることができるようになっている。また、操作レバー25の支軸26の一端26aには、ラッチ爪34を駆動するための駆動アーム39を当該支軸26の軸心と直交させて一体に設けている。駆動アーム39の先端には、操作レバー25の支軸26に対して概略平行方向に突出した突出部391が設けられている。支軸26の一端26a側を回転可能に支持する軸支持部27は、図5から図8に示すように、後方に向けて開放された軸保持溝27aを有したもので、その軸保持溝27aは、奥に形成された部分円弧状をなす軸保持部分27bと、下側である開口端部一側に形成され奥側に第1停止段部27fを設けた第1膨らみ部分27cと、開口端部他側に形成され奥側に第2停止段部27eを設けた第2膨らみ部分27dとを具備したものである。また、この軸支持部27に回転可能に支持される支軸26の対応部位26bは、前記軸保持部分27bに回転可能に係わり合う円柱状をなすもので、所要箇所に、第1切欠部分26gおよび第2切欠部分26cを形成している。第1切欠部分26gは、支軸26を図5の点線で示す組付用回転姿勢Bにした状態での支軸26の下面側に設けたもので、その奥側一端には、後述する非操作位置Dにおいて第1停止段部27fに係わり合って支軸26が軸支持部27から外れるのを防止するための第1抜止段部26hを形成している。停止機構7はこの第1停止段部27fと第1抜止段部26hとから構成されている。また、第2切欠部分26cは、支軸26を軸保持溝27aに挿入可能とするためのものであり、その第2切欠部分26cの奥側一端には、前記第2停止段部27eに係わり合って後述する非操作位置Dにおいて支軸26が軸支持部27から外れるのを防止するための第2抜止段部26dを形成している。つまり、第2停止機構8は、第2停止段部27eと第2抜止段部26dとから構成されている。第2の軸支持部28は、後方に開放されたU字形の軸保持溝28aを有した板状のものである。中間の軸支持部29、30、31は、それぞれ支軸26の外周1/4円弧部分を摺接支持可能な形状をなす板状のものである。支軸26の他端26eを支持する軸支持部32は、支軸26の全周を支持可能な円筒部分32aを備えている。なお、この支軸26の左右方向中央部には、対をなす突起26fが所定の間隔をあけて突き出して設けてあり、この突起26fを中央の軸支持部30の両側面に接触させることによって、操作レバー25の左右方向の遊動を防止している。
【0013】
この支軸26を鏡板9に装着するには、まず、この支軸26を図5の想像線及び図6の実線で示す組付用回転姿勢Bに保持した上で、その他端26eを軸支持部32の円筒部分32aに挿入し、しかる後に、支軸26の一端26a側を前方に移動させて前記対応部分26bを軸支持部27の軸保持溝27aに押し入れる。この組付用回転姿勢Bにおいては、前記第2切欠部分26cが第2膨らみ部分27dに対応することになるため、部材の微少な弾性変形により当該支軸26の対応部分26bを軸保持溝27aの軸保持部分27bに係わり合うようにすることができる。この状態で、支軸26を図7に示す非操作位置Dである状態と図8の実線に示す操作位置Cである状態との間の使用回転領域Aにおいて回転させることができるようになる。非操作位置Dとは、操作レバー25に操作力が与えられていない状態で、ラッチ爪34に駆動アーム39の突出部391が当たる位置であり、操作位置Cとは、操作レバー25を前方へ牽引操作してそれ以上牽引できなくなった位置である。しかして、非操作位置Dにおいては、図7に示すように支軸26の第1抜止段部26hが軸支持部27の第1停止段部27fに当接もしくは近接することになり、使用回転領域A外への支軸26の回転が禁止されるとともに、支軸26が軸支持部27から脱落し得なくなる。また操作位置Cにおいては、図8に示すように支軸26の第2抜止段部26dが軸支持部27の第2停止段部27eに接触もしくは近接することになり、該支軸26が軸支持部27から脱落し得なくなる。本実施形態では、この非操作位置Dにおいて、操作レバー25の前面251と、鏡板9の前面9aを面一となるように設定している。
【0014】
一方、ラッチ爪34は、図5に示すように、両端に小径な軸部41、42を有する杆状の基端部35と、この基端部35から後方に突き出して設けられた孔44を有する先端部36と、前記基端部35から内側方に突き出して設けられた従動プレート46とを具備してなるもので、合成樹脂により一体に成形されている。そして、このラッチ爪34の基端部35を前記ラッチ爪支持部33に引出し3の進退方向と略直交する方向から装着している。すなわち、前記ラッチ爪支持部33は、図5に示すように、鏡板9の内面から後方に向けて突き出して設けられラッチ爪34の基端部35を回転可能に支持する上下対をなす支持壁47、48と、これら支持壁47、48の後端間に設けられラッチ爪34の先端部36の通過を許容するための切欠49を有した後壁50と、これら後壁50及び支持壁47、48の外側縁側に設けた外側壁51とを備えた箱形のもので、内側方に開放されている。上下の支持壁47、48には、それぞれ凹陥部分47a、48aと、この凹陥部分47a、48aにラッチ爪34の軸部41、42を案内するための案内面47b、48bとが設けてあり、上支持壁47の案内面47bは凹陥部分47aに向かって漸次低くなるように傾斜させてある。ラッチ爪34の基端部35をこのラッチ爪支持部33に装着するには、先ず、ラッチ爪34をラッチ爪支持部33の内側方に位置させた上で、基端部35の下側の軸部42を下支持壁48の案内面48bに案内させつつ凹陥部分48aに挿入し、しかる後に、前記基端部35の上軸部41を上支持壁47の案内面47bに擦るように接させつつ凹陥部分47aに挿入する。すなわち、前記案内面47bは前述のように傾斜させてあるため、ラッチ爪34を回転させつつその軸部41を強く押しつけることによって、支持壁47等が一時的に弾性変形して該軸部41が該支持壁47の凹陥部分47aに係わり合うことになる。図2から図4は両軸部41、42が上下支持壁47、48の凹陥部分47a、48aとそれぞれ係わり合った状態を示している。52は、このラッチ爪34をその先端部36が係合方向、つまり外側方に回転する方向に弾性付勢するスプリングである。このようにして、ラッチ爪支持部33に装着されたラッチ爪34の従動プレート46の後側に、当該従動プレート46の突出端側を当たり部として、前記操作レバー25の支軸26から突き出して設けた駆動アーム39の突出部391を接触させてある。
【0015】
前記操作レバー25及びラッチ爪34を組付けた状態で、前記裏板8を覆うように鏡板9を装着するようにしている。具体的には、鏡板9の上壁部22を掛止手段55を介して前後回転可能に掛け止めるとともに、前記鏡板9の下壁部23を裏板8の下片14に該鏡板9の裏板8に対する接近回転動作を利用して係わり合う弾性係合手段56を介して留めている。掛止手段55は、図2に示すように、裏板8における起立片12の上縁近傍部分から先端側水平片13の後縁近傍部分に亘って連続形成した屈曲孔57と、鏡板9の上壁部22から下方に突き出して設けられ前記屈曲孔57に挿入される板状の掛止爪58とを具備してなるものであり、前記掛止爪58の厚み寸法を、鏡板9を後傾させた組立準備姿勢においては前記屈曲孔57に後上方から斜めにはめることが可能であり、起立させた組立完了姿勢においてはその前面基端部が前記屈曲孔57の前端縁に密着するとともに背面先端部が前記起立片12の前面に密着し得るように設定している。
【0016】
弾性係合手段56は、図2及び図4に示すように、鏡板9の下壁部23に設けた窓孔59と、この窓孔59の後縁から該窓孔59内に設けられ上下方向に弾性変形可能な舌片状の係合爪61と、前記裏板8の下片14に設けた係合凹所62とを具備してなるもので、前記係合爪61を部材の一時的な弾性変形を利用して前記裏板8の係合凹所62に係わり合うようにしている。
【0017】
このようにして鏡板9を裏板8に装着した状態においては、図3に示すように、ラッチ爪34の先端部36が裏板8の側片16に穿たれた透窓37を貫通して裏板8の後方に突出することになるとともに、この透窓37がラッチ爪支持部33の後壁50によって閉塞されるようになっている。このような構成のものであれば、引出し3を収納位置まで没入させると、その途上においてラッチ爪34の先端部36が袖部本体6の内側面に設けた係留部38に擦るように接して内側方に案内されることになる。その結果、このラッチ爪34は、スプリング52の弾性力に抗して一時的に内側方に回転した後に元の位置に自己復帰することになり、その先端部36に設けた孔44が前記係留部38と係わり合う。よって、この状態では、引出し3が没入位置に保持され不用意に前方へ開くことがない。この位置から取手用凹陥部20内に指を挿入して操作レバー25を手前に牽引すると、該操作レバー25の支軸26に設けた駆動アーム39が前方に回転して、突出部391がラッチ爪34の従動プレート46を前方に押すことになる。その結果、ラッチ爪34の先端部36がスプリング52の弾性力に抗して内側方に回転することになり、このラッチ爪34と袖部本体6の係留部38との係わり合いによるロック状態が解除される。そのため、引出し3を前方に引き出すことが可能となる。
【0018】
以上のように操作することが可能であるが、このラッチ装置の操作レバー25を支持する支軸26の一端26a側は、前述した図6から図8に示す構成により軸支持部27に支持させてあるので、例えば運搬者がワゴン1を持ち上げるために、引出取手用凹陥部内に手を深く入れる等して、操作レバー25が牽引操作と反対方向に回転させつつ後方に押し込むように強く操作されても、支軸26の第1抜止段部26hが軸支持部27の第1停止段部27fに当接して、支軸26の軸支持部27から脱落を抑止する。また、本実施形態では、操作レバー25を強く牽引操作しても、その支軸26が軸支持部27から外れることがない。すなわち、ラッチ爪34の先端部34が最も内方にまで回転して駆動アーム39をそれ以上前方に回転させ得ない状態である操作位置C(図8の実線参照)から、さらに、操作レバー25を強く前方に牽引操作すると、その反作用によりこの支軸26の一端26a側が、他端26及び駆動アーム39の先端を支点にして後方へ回転しようとするが、その後方移動は、第2抜止段部26dが軸支持部27の第2停止段部27eに当たることにより阻止される。したがって、支軸26が軸支持部27から離脱するのを確実に防止することができることになる。
【0019】
また、操作レバー25に操作力を与えていない状態では、駆動アーム39は、ラッチ爪34の従動プレート46によって前方への回転を抑止されているとともに、第1抜止段部26hと第1停止段部27fとの接触若しくは近接により、後方への回転も抑止されているため、引出し3を傾けたり振動させたりしても、操作レバー25がぶらつくことなく外観を良好にできる。また、操作レバーを牽引操作状態から突然手を離す等の操作をしても、第1抜止段部26hと第1停止段部27fとの当接により後方への回転が抑止されるので、駆動アーム39の先端が引出し3の上板にあたるなどして大きな金属音が発生するといった不具合を防止できる。
【0020】
そして、本実施形態では、基体たる鏡板9の上下方向寸法の異なる引出し2、4に適用されるラッチ装置についても、支軸26に支持された操作レバー25、ラッチ爪34並びに従動プレート46は、引出し3に適用されたものと同じものを使用して部品の共通化を図ることが可能である。従動プレート46がラッチ爪34の回転軸に対して平行方向、即ち上下方向に所定の寸法を有しているため、支軸26の配置位置を上下方向に連続的に変位させることが可能である。図9(a)は上下寸法の大きい引出し4にラッチ装置を設けた様子を表し、駆動アーム39の突出部391を従動プレート46の上端側に当てている。図9(b)は上下寸法の小さい引出し2にラッチ装置を設けた様子を表し、駆動アーム39の突出部391を従動プレート46の下端側に当てている。突出部391と従動プレート46とが当たる位置の相違は、引出し3の上下寸法の違いに対応するものである。加えて、従動プレート46を駆動アーム39で押すことによってラッチ爪34を駆動することから、図10に示すように、力の作用箇所である支軸26と突出部391との距離は一定であり、操作レバー25の支軸26とラッチ爪34との間の(上下方向の)距離に依存しない。非操作位置D、操作位置Cもまた、操作レバー25の支軸26とラッチ爪34との間の(上下方向の)距離には依存せず、結論として、寸法の異なる引出し2、4に引出し3に用いたものと同じ構成部品を使用してラッチ装置を実装したとしても、駆動アーム39に設けられた突出部391と従動プレート46とが適当に係わり合う限りにおいて、ラッチ装置としての機能に支障は生じない。
【0021】
従って本実施形態によれば、鏡板9に操作レバー25を設け、操作レバー25の支軸26を鏡板9の内面側に設けた軸支持部27、28、29、30、31、32に回転可能に支持させ、この支軸26から駆動アーム39を概略径方向に延伸させるとともに、鏡板9のラッチ爪支持部33に回転可能に支持されたラッチ爪34の基端部35に、前記ラッチ爪34とともに回転し当該ラッチ爪34の回転軸に対して概略平行方向に所定の寸法を有する従動プレート46を突き出して設けておき、前記駆動アーム39を前記所定の寸法の範囲の任意の位置で前記従動プレート46に当て、前記操作レバー25に加えられる操作力により前記駆動アーム39を所要の操作位置Dまで押圧回転させて前記ラッチ爪34を駆動し得るように構成したラッチ装置は、駆動アーム39並びに従動プレート46の寸法を適当に設定することにより、操作レバー25の支軸26とラッチ爪34との間の(ラッチ爪34の回転軸方向の)距離を柔軟にかつ連続的に変更し得るものとなる。よって、引き手となる操作レバー25の位置とラッチ機構の配置位置との間の距離を自由に設定することができる。即ち、当該ラッチ装置を適用する家具等の製品の寸法をより自由に設計することが可能となり、さらには、異なる寸法の製品に同一の構成部品を用いてラッチ装置を実装することもできる。もちろん、駆動アーム39の形状ひいては支軸26の形状を複雑なものにする必要がないという効果をも奏するものである。
【0022】
そして、前記駆動アーム39の延伸端には、前記支軸26に対し概略平行方向に突出した突出部391が設けられ、当該突出部391が前記従動プレート46に当たることで前記ラッチ爪34を駆動し得るように構成されることにより、操作レバー25の支軸26とラッチ爪34との間の距離を変化させることによるラッチ装置の機能への物理的な影響は小さいものとなり、部品の汎用性がより高まる。
【0023】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、駆動アーム39と係わり合う従動プレート46は、必ずしも板形状のものでなくともよい。図11(a)及び図11(b)に示すように、ラッチ爪34の回転軸に対し概略平行方向に所定の寸法を有する当たり部46A1と概略垂直方向に伸びるアーム部46A2とを具備する従動部材46Aをラッチ爪34の基端部35に設けて、前記従動部材46Aの当たり部46A1に駆動アーム39の突出部391が当たるように構成しても、先述の効果を奏するラッチ装置を実現することができる。図11に示したものに限らず、L字型、T字型等の形状を有する従動部材46Aを前記従動プレート46の替わりに設けてもよい。あるいは、線条体をL字型、コの字型、ロの字型等に折り曲げることにより従動部材46Aを構成してもよい。
【0024】
従動プレート46、従動部材46A並びに駆動アーム39の形状、寸法は、必要に応じ適宜変更してもよい。上記実施形態では、駆動アーム39に設けられた突出部391によってラッチ爪34を駆動していたが、突出部391は必ずしも設けられる必要はない。突出部391を省き駆動アーム39本体でラッチ爪34を駆動するものとすれば、支軸26の形状をより単純なものにできる。
【0025】
また、本発明に係るラッチ装置は、ワゴン1の引出し2、3、4以外に、机の袖部に設けられた引出しやロッカ−の扉等にも同様に適用することができることは言うまでもない。その他、各部の具体的構成は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成であるから、異なる寸法の構成部品を用いることなく操作レバーの配置位置とラッチ機構の配置位置との間の距離を自由に設定することができるラッチ装置を実現したものであるといえる。そして、異なる寸法の製品に対して同一の構成部品を用いて当該ラッチ装置を実装することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態における鏡板及び裏板の内面側を示す斜視図。
【図3】同実施形態における裏板の外面側を示す斜視図。
【図4】同実施形態における鏡板の内面側を示す斜視図。
【図5】同実施形態における鏡板の内面側を示す分解斜視図。
【図6】同実施形態の組立を示す説明図。
【図7】同実施形態の組立を示す説明図。
【図8】同実施形態の動作を示す説明図。
【図9】同実施形態における他の引出し内を示す斜視図。
【図10】同実施形態の動作を示す説明図。
【図11】従動部材の構成を例示する斜視図。
【符号の説明】
9…基体(鏡板)
9a…基体前面(鏡板前面)
25…操作レバー
251…操作レバー前面
26…支軸
27、28、29、30、31、32…軸支持部
34…ラッチ爪
39…駆動アーム
391…突出部
46…従動プレート
46A…従動部材
46A1…当たり部
46A2…アーム部
Claims (3)
- 操作レバーが設けられ基体に回転可能に支持された支軸と、前記支軸の回転軸に対して概略垂直な軸を中心に回転可能に支持されたラッチ爪とを具備するラッチ装置であって、
前記支軸から駆動アームを概略径方向に延伸させるとともに、前記ラッチ爪とともに回転し当該ラッチ爪の回転軸に対して概略平行方向に所定の寸法を有する従動プレートをラッチ爪の基端部から内側方に突き出して設けておき、
前記駆動アームを前記所定の寸法の範囲の任意の位置で前記従動プレートの突出端側に当て、前記操作レバーに加えられる操作力により前記駆動アームを所要の操作位置まで回転させて前記ラッチ爪を駆動し得るように構成したラッチ装置。 - 操作レバーが設けられ基体に回転可能に支持された支軸と、前記支軸の回転軸に対して概略垂直な軸を中心に回転可能に支持されたラッチ爪とを具備するラッチ装置であって、
前記支軸から駆動アームを概略径方向に延伸させるとともに、前記ラッチ爪とともに回転し当該ラッチ爪の回転軸に対し概略平行方向に所定の寸法を有する当たり部と概略垂直方向に伸びるアーム部とを備える従動部材をラッチ爪の基端部に突き出して設けておき、
前記駆動アームを前記所定の寸法の範囲の任意の位置で前記当たり部に当て、前記操作レバーに加えられる操作力により前記駆動アームを所要の操作位置まで回転させて前記ラッチ爪を駆動し得るように構成したラッチ装置。 - 前記駆動アームが、前記支軸に対し概略平行方向に突出した突出部を具備しており、当該突出部によって前記従動プレート又は前記従動部材の当たり部と当たることで前記ラッチ爪を駆動し得るように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のラッチ装置。
Priority Applications (1)
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