JP4692900B2 - フランジ付き軸の製造方法及び軸挿入装置 - Google Patents

フランジ付き軸の製造方法及び軸挿入装置 Download PDF

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本発明は、軸を、対象物の穴に焼きばめで挿入・固定したフランジ付き軸の製造方法及びその製造のための軸挿入装置、具体的には、スピンドルモータの固定軸(回転子)と、この固定軸(回転子)がその穴に焼きばめで挿入・固定されたフランジ付き軸の製造方法及びその製造のための軸挿入装置に関するものである。
HDD(ハードディスクドライブ装置)の記録密度は、ここ数年で2倍になり、1インチあたりのトラック数(TPI)は現状のノートパソコンで25000TPIとなっている。そして、今後さらに高密度化が求められる中で、限られた大きさのディスク上で更に記録密度を高めることが必要となる。ところで、この記録密度を高める指標となるのがTPIであり、現在主流の玉軸受では、転動体と、内輪又は外輪とが点接触しながら回転するため、軸受を介したモータの回転には相対的に真円からの振れ「NRRO」(非同期振れ、以下NRROと記す)が発生し、TPIの限界が見え始めている。
このNRROが大きいと、ディスクのトラック幅からズレが発生し(オフトラック)、信号にノイズの発生やデータが読み取れないといった現象が起きるものである。
ところで、NRROは、トラック幅の1/10以下に抑えなければならない。例えば、30000TPIのトラック幅では、0.8μmであり、従って、NRROは0.08μm以下にする必要がある。流体軸受を使用すればNRROを0.04μm以下に抑えることが可能であるが、玉軸受では0.08μm程度で使用できなくなる。そこで、玉軸受に代わり流体軸受が注目を浴びてきており、この流体軸受を用いたHDDモータの開発競争に拍車がかかっている。
一方、機器の小型化に伴って、情報を記録する手段としてのHDD(ハードディスクドライブ装置)の更なる小型化、薄型化が進んでいる。そして、この種の装置の心臓部である回転駆動部は、駆動ハブの中に軸受とモータ部の両方を内臓し、かつ駆動ハブの外周に複数枚の記録再生用のディスクを取付けることにより、装置の小型化と記憶容量の増大化を図っている。また、記録の高密度化を図るためには、回転主軸部の精度を飛躍的に高める必要がある。
ここで、流体軸受構造を有するこの種のスピンドルモータについて、図11を参照して説明する。
図11に示す如く、円盤状のベース2上には固定軸1が固定され、かつ上面には巻線3を巻回したコア4が固定されている。固定軸1の外周面には、軸方向に所定の間隔を保ったラジアル方向動圧発生用溝(ヘリングボーン溝)1a,1bが夫々形成されている。5は、アルミニウム製からなるディスク固定部であるハブ6と、その内部に焼ばめ等により圧入された青銅製のスリーブ7とからなるハブ組立体であり、スリーブ7が固定軸1に嵌挿されることにより、このハブ組立体5は固定軸1を中心として回転自在とされる。
スリーブ7は、前記両ラジアル方向動圧発生用溝1a,1bの間隔と対応する面に、凹部となるオイル溜まり7aが形成されている。前記ラジアル方向動圧発生用溝1a,1bは、固定軸1またはスリーブ7の少なくともいずれか一方に形成されていれば良いものである。なお、8は、ベース2上に配置された駆動回路部品等が搭載されたプリント基板9を固定するねじである。
前記ハブ6の外周には、アルミニウム製の複数のディスク10,10がスペーサ11を介して取付けられ、これらディスク10,10は、ハブ6に固定板12を介してねじ13にて固定される。また、ハブ6の下部に固着されたヨーク14は、ベース2に形成された環状の凹部2aに囲繞される如く所定の間隔を保って配置される一方、ヨーク14の内面には、前記コア4と所定の間隔を保ったマグネット15が固定されることにより磁気回路を形成するものである。
また、前記固定軸1の上端部には、軸径より膨出した円盤状のフランジ16がねじまたは圧入などの手段で固定されることにより、このフランジ16の外周面とハブ6に形成した切欠き6aとの間に、上部オイル溜まり空間17が形成される(図12にa部を拡大して示す)。
そして、フランジ16上に取付体となるスラスト板18を配置し、このスラスト板18をハブ6にねじ19にて固定することにより軸部が封止される。このように構成される軸受部は、スラスト板18の下面に形成したポンピング溝またはヘリングボーン溝のようなスラスト方向動圧発生用溝18a、上部オイル溜まり空間17及び前記各ラジアル方向動圧発生用溝1a,1bなどに、オイルまたはグリースなどの潤滑剤20を充填・塗布することにより軸受部の潤滑が図られる。
図12に示すように、前記上部オイル溜まり空間17の間隙が小さいと、充填された潤滑剤20は、毛細管現象によってスラスト板18上まで上って外部に飛散してしまい、潤滑剤の減少を招く。また逆に、上部オイル溜まり空間17の間隙が図13に示すように広すぎると、潤滑剤20と空気との接触面積が大となり、潤滑剤の蒸発によって前記と同様に潤滑剤が減少する。
この組立て状態にあっては、前記マグネット15とヨーク14は磁性体であるコア4の磁気中心に対して上側に位置するため、ハブ組立体5には、吸引力(Pz)が作用することにより、常時ベース2側に引き寄せられる。
以上のように構成されたスピンドルモータは、巻線3に通電することにより磁界が発生し、マグネット15と共にハブ組立体5が所定方向に回転駆動する。この駆動時、ラジアル方向動圧発生用溝1a,1bのポンピング力によりスリーブ7は固定軸1に対してセンタリングされ、また軸線方向に対しては、スラスト板18のスラスト方向動圧発生用溝18aにより軸と一体のフランジ16に対してスラスト板18及びハブ組立体5が数μm 浮上し、ハブ組立体5は、固定軸1及びフランジ16に対して潤滑剤20を介して無接触で回転する。そして、図示せぬ磁気ヘッドがディスク10上を半径方向に相対的に走査して、情報の読み書きを行うものである。
ところで、特にHDD(ハードディスクドライブ装置)等の情報機器に使用されるスピンドルモータには、高精度・高信頼性への要求が益々強くなつてきているのが現状である。前記したように、回転駆動部を支持する動圧を発生させるためのフランジ16(例えば厚みが1.2mm)の固定軸1に対する取付けにあっては、図14に示すように、ねじ21にて軸端側で固定する場合は、軸端部とフランジ16の下面との間に異物22が挟まったり、軸端部のバリ等によって固定軸1とフランジ16との垂直度が保てなくなって、動圧軸受の機能が低下する原因となっている。
また、図15に示すように、フランジ16を固定軸1に圧入によって固定する場合は、端部が面取りまたはR加工されている固定軸1にフランジ16を圧入した時におけるフランジ16の圧入面に作用する応力は、面取り等が施されて圧入面が減少した軸端部に向かうほど小さく不均一であるため、フランジ16はF方向に湾曲してしまってスラスト軸受部の平面度が悪化し、これまた動圧軸受部の信頼性が低下する原因となっている。
そこで、本出願人は、固定軸及びコイルを巻回したコアを備えたベースと、前記固定軸と潤滑剤を介して嵌合する回転自在なハブと、前記固定軸または前記ハブのいずれか一方に形成した動圧発生用溝部と、前記固定軸の端部に圧入される円盤状のフランジと、前記フランジ及びこのフランジを封止するスラスト板のいずれか一方に形成した動圧発生用溝部とよりなり、前記固定軸またはこれに圧入される円盤状のフランジのいずれか一方の圧入面に、前記フランジの厚みに対応した上下位置に環状の凹部を形成して、かかる問題点を解決したスピンドルモータを出願している(特許文献1:特開平8−322193号公報参照)。
以下に、その内容に係るスピンドルモータにつき図16乃至図18を参照して説明する。図16は、改良された従来のスピンドルモータの半断面図であり、従来と同一の構成部分には同一の符号を付して重複する部分の詳細な説明は省略し、以下変更部分についてのみ説明する。
図16に示す如く、固定軸1はステンレス材(SUS303)を採用し、かつスリーブ7は青銅を採用している。なお、両者の熱膨張率は略同一(17×10-6/°C)である。スリーブ7の固定軸1側の内面と反対側の、例えば、アルミニウム製のハブ6と対応する外周面には、スリーブ7の肉厚(W1)と同等もしくは十分に大なる肉厚(W2 )を備えた補強用スリーブ71 が固定されている。
この補強用スリーブ71 は、固定軸1及びスリーブ7の熱膨張率より小な、例えば熱膨脹率が10×10-6/°Cであるステンレス材(SUS430)等が用いられ、ハブ6の切欠凹部6b内に、例えば、圧入等の固定手段にて固定されている。
さらに、スリーブ7は補強用スリーブ71 内に、例えば、焼きばめによって固定されているものであり、このスリーブ7と補強用スリーブ71 とによりスリーブ部が構成されることにより、固定軸1の熱膨張率に対してスリーブ部の実質的な熱膨張率が低く設定される。このため動圧発生部の熱による隙間の変化の影響を小としている。
例えば、軸径3mmの固定軸1に対する厚さ1.2mmのフランジ16の固定方法としては、圧入による方法を採用している。即ち、図17に示すようにフランジ16の圧入面である内周部16aには、上下面位置に環状の凹部23a,23bがそれぞれ形成してある。環状の凹部23a,23bの深さtは均一で、本実施例では0.1mmであり、直径は内周部16aの直径に対して約0.03mm大としてある。
従って、固定軸1にフランジ16を圧入するとフランジ16の幾何学的な中心lに対して内周部16aに生じる応力(面圧)は対称(中心lに対して上下対称の位置L1=L2 )でかつ均一となり、フランジ16の固定軸1に対する垂直度及び平面度が良好に保てる。
また、図18に示すものは図17の態様とは逆の態様を示すもので、固定軸1側にフランジ16の圧入面となる内周部16aと対応するよう、その幾何学的な中心lに対して上下の位置に環状の凹部24a,24bがそれぞれ形成してある。そのため前記実施例と同様に圧入面に生じる応力(面圧)は対称でかつ均一となり、フランジ16の固定軸1に対する垂直度及び平面度が良好となる。従って、両実施例にあっては動圧軸受の信頼性が向上し、振れの少ない小型でかつ高精度の信頼性の高いモータが得られるものである。
ところで、かかる特開平8−322193号公報記載の技術によれば、フランジ16に対する軸1の組付けが、例えば、圧入によって行なわれている。この圧入によって両者の組付けが行なわれる場合には、その組付けが円滑に行なわれるように、前記した図15及び後述するように、フランジ16の内周部16a及び軸端1dには、挿入の際のガイドとして面取りが必要となるものである。
なお、フランジ16に対する固定軸1の取付けにあって、このように圧入により行なう方法によれば、フランジ16を加熱する必要がないので装置は簡単に構成できるが、フランジ16の穴部の塑性変形を伴うため精度・強度を維持することが困難である。また、接着により両者を取付ける方法もあるが、これによれば、接着剤の塗布・乾燥等の工程が必要となり、装置の複雑化は避けられない。
そこで、本出願人は、取付け方法、面取り等について考察を進めていった結果、前者は、焼きばめにて固定する方法が最も効果的であること、後者にあっては単に面取りがあるだけでは駄目なのであり、後述するように軸43の先端部43dとフランジ51の内周部(穴)52aにおける面取りの大きさと、組付け後の両者の位置関係及び単に両者が組付けられているのみではなく、所定の組付け力で組付けられている必要があり、それぞれが重要であることが判明したものである。
すなわち、焼きばめは、円板を加熱し、この間に軸を挿入し冷却に伴なう穴径の収縮による締め付け力で固定する方法であり、圧入のような穴部の塑性変形を伴なわないので、所望の組付け力が得やすいものだからである。本発明は、かかる知見に基づきなされたものであり、軸43をフランジ51の内周部52a内に挿入する際、焼きばめにて行なうと共に、それが、前記した所定の振れ精度、平面度、組付け力として得られるよう各構成部材を配置した軸挿入装置を提供しようとするものであり、以下その点につき、従来のこの種軸挿入装置と対比しながら説明する。
ここで、軸挿入装置の具体的説明に入る前に、焼きばめ時における軸と穴との一般的な関係(締め代(しろ)と組付け力の関係)について、図19、図20を用いて説明しておく。なお、締め代とは、軸1の径(D)と、フランジ16の穴(内周)部16aの穴径(d)との差(D−d)をいい、組付け力とは、両者を組付けた後にフランジ16を抜き去る力をいうものとする。また、当然の如く、焼きばめによる組付けであるので、フランジ16の内周部16aの穴径(d)を加熱することにより、その穴径(d)を膨張させ、軸1を挿入後、冷却することにより両者を結合するものが、その前提となるものである。また、この図19、図20の説明においては、便宜上面取り部については、省略してある。
図19(A)は焼きばめ前の両者の状態を示すもので、締め代が小さい、すなわち、両者の差(D−d)が小さい場合の説明図であり、この場合は、当然の如く、フランジ16の内周部16aの穴径(d)を加熱により膨張させる範囲は少なくなる。従って、冷却時、その収縮する範囲が少なくなるので、同図(B)の如く、焼きばめ(組付け)後の組付け力G1は小である。なお、この図19(A)は、加熱により穴径(d)を膨張させる範囲が少なくなることより、フランジ16を反らせようとする力H1は小となるので、このフランジ16は反りにくい。すなわち、後述する如く所要の組付け力は得られないものの、フランジ16の平面度は得やすいという相反する結果が出る。
一方、図20(A)は焼きばめ前の両者の状態を示すもので、締め代が大きい、すなわち、両者の差(D−d)が大きい場合の説明図であり、この場合は、当然の如く、フランジ16の内周部16aの穴径(d)を加熱により膨張させる範囲は大きくなる。従って、冷却時、その収縮する範囲が大きくなるので、同図(B)の如く、焼きばめ(組付け)後の組付け力G2は大である。なお、この図20(A)は、加熱により前記した穴径(d)を膨張させる範囲が大きくなることより、同図(B)の如く、フランジ16を反らせようとする力H2は大となるので、このフランジ16は反り易い。すなわち、これまた後述する所要の組付け力は得られるものの、フランジ16の平面度は得にくい、というこれまた相反する結果が出る。
特開平8−322193号公報 特開平8−197341号公報(後述) 特開平8−184977号公報(後述)
ここで、この種の従来の軸挿入装置について、概略説明する。
焼きばめにより穴を有する部材と軸とを安定的に組み立てる方法として、特開平8−197341号公報(特許文献2)記載の技術がある。この方法は、ドラム軸と上ドラムの同軸度を得るための発明であって、軸保持手段と、前記軸が挿入される穴を有すると共にこの穴を加熱する加熱手段を有する上ドラム等の対象物保持手段と、前記軸保持手段と前記対象物保持手段を相対的に移動して、前記軸を前記対象物の穴に挿入するための挿入手段と、前記軸保持手段に保持された前記軸と、前記対象物保持手段に保持された前記対象物の同軸度を調整するための調心手段とを備えた構成である。
かかる従来の軸挿入装置は、前記した如く、あくまでもドラム軸と上ドラムの同軸度を得るための発明であるので、上ドラムの平面度、表面粗さは、どちらかというとあまり重要視されてはいない。すなわち、この特開平8−197341号公報(特許文献2)記載の技術を、以下詳述する如くの本発明になる軸挿入装置にそのまま適用することはできない。
また、これ以外の方法として、特開平8−184977号公報(円筒体の製造装置)(特許文献3)記載の技術がある。この方法は、焼きばめしようとする部材と部材を、芯出し(同軸度)調整と角度調整を行いながら焼きばめする方法であって、その部材の加工仕上がり精度を劣化させずに焼きばめしようとするものである。ただし、その構造上、本発明が意図するサブミクロン精度の部品の組み付けには向いていない。
かかる従来の円筒体の製造装置における焼きばめ方法によれば、スリーブW2の端部を加熱して拡径した後、そのスリーブW2の端部の内径加工穴130内に、ロボットハンドの先端に把持したフランジW1を調芯させつつすきまばめの状態にしてから、フランジW1を押圧して、スリーブW2の端面132にフランジW1の外周部133を当接させるものである。しかるに、この特開平8−184977号公報(特許文献3)記載の技術にあっては、フランジW1の平面度は得られるものの、表面粗さ、溝深さ等に関しては、何等考慮されていないものであるから、これまた、前記した特開平8−197341号公報(特許文献2)記載の技術と同様、以下詳述する如くの本発明になる軸挿入装置にそのまま適用することはできない。
前記した如く、HDD用のスピンドルモータにあっては、NRROの関係上、流体軸受を用いることが主流になってきつつあるが、このNRROの低減化のために、スピンドルモータとして精密な回転精度が求められている。そのため、スラスト軸受を構成するスラストプレートとしては、平面度、表面粗さ、溝深さ等を、より高精度に仕上げることが必要とされてきている。
従って、このスラストプレートと当接するフランジ16としても所定の平面度に仕上げられている必要があり、一般的には、1μm以下に仕上げられていることが望まれているものである。なお、軸1が固定子ではなく回転子として用いられる場合には、軸1に対する振れ精度も前記した理由により、前記した平面度と同様、1μm以下に仕上げられている必要がある。
また、組付け力としても、各種実験結果及び現在市場に供給されているこの種のHDD用スピンドルモータのデータより、1000N以上必要であるとされている。その理由としては、これ以下の場合は、経時変化等によりスタート、ストップ時にズレが発生してしまうからである。
更に、締め代は、前記した如く大きすぎても、小さすぎてもフランジを反らせようとする力と、組付け力との関係上相反する結果が出てくるものである。そこで、この締め代としても、各種実験結果及び現在市場に供給されているこの種のHDD用スピンドルモータのデータと、前記した組付け力の関係を検討した結果、0.03mm程度必要であるということが分かった。
すなわち、この種のHDD用スピンドルモータの組付け力は、1000N以上、締め代は、0.03mm程度必要であり、更にフランジの平面度、軸1に対する振れ精度としては、それぞれ1μm以下に仕上げられている必要があるものである。
本発明は、かかる点に鑑みなされたものであり、例えば、モータの回転子に求められるサブミクロンの直角度、フランジの平面度を得るための具体的構成になる軸挿入装置及びフランジ付き軸の製造方法を提供することにより、前記した問題点を解決したものである。
請求項1になる発明は、面取りが施された穴を有するフランジの前記穴に軸が焼きばめで挿入固定され、前記フランジの一面が前記軸と直交して成るフランジ付き軸を製造する、フランジ付き軸の製造方法であって、
軸保持手段により、前記軸を鉛直方向に保持する保持ステップと、
フランジ保持手段により、前記フランジを、該フランジの前記軸保持手段に対向する対向面が水平となるように保持して前記穴を加熱する加熱ステップと、
前記フランジ保持手段を水平方向に移動させる移動ステップと、
前記フランジ保持手段の傾動を禁止すると共に、前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを、少なくとも前記軸が前記面取りの分だけ入り込むまで第1の挿入速度で接近させる第1の軸挿入ステップと、
該第1の軸挿入ステップの後に、前記軸保持手段が前記対向面に当接するまで前記軸を前記第1の挿入速度よりも速い第2の挿入速度で前記穴に挿入する第の軸挿入ステップと、
前記軸保持手段が前記対向面に当接し押圧力を付与することで前記フランジ保持手段の傾動を許容する傾動許容ステップと、を有することを特徴とするフランジ付き軸の製造方法である。
請求項2になる発明は、面取りが施された穴を有するフランジの前記穴に軸を焼きばめで挿入固定し、前記フランジの一面が前記軸と直交するフランジ付き軸を組み立てる軸挿入装置であって、
前記軸を鉛直方向に保持する軸保持手段と、
前記フランジを、該フランジの前記軸保持手段と対向する対向面が水平となるように保持する保持部と、前記穴を加熱する加熱部と、を有するフランジ保持手段と、
前記フランジ保持手段を水平方向に移動させて前記軸と前記穴との調芯を可能とする調芯手段と、
前記フランジ保持手段を傾動させて前記軸と前記対向面とがなす角度の調整を可能とする角度調整手段と、
前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを接近させて前記軸を前記穴に挿入する軸挿入手段と、
該軸挿入手段による挿入動作に応じて前記角度調整手段の傾動の禁止と許容とを選択的に制御する傾動制御手段と、
を備え、
前記軸挿入手段は、前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを、少なくとも前記軸が前記穴に前記面取りの分だけ入り込むまで第1の挿入速度で接近させ、その後、前記軸保持手段が前記対向面に当接するまで前記第1の挿入速度より速い第2の挿入速度で前記軸を前記穴に挿入し、
前記傾動制御手段は、前記対向面に対し前記軸保持手段当接して押圧力を付与することにより前記角度調整手段の傾動を許容するよう構成されて成ることを特徴とする軸挿入装置である。
請求項3になる発明は、面取りが施された穴を有するフランジの前記穴に軸を焼きばめで挿入固定し、前記フランジの一面が前記軸と直交するフランジ付き軸を組み立てる軸挿入装置であって、
前記軸を鉛直方向に保持する軸保持手段と、
前記フランジを、該フランジの前記軸保持手段と対向する対向面が水平となるように保持する保持部と、前記穴を加熱する加熱部と、を有するフランジ保持手段と、
前記フランジ保持手段を水平方向に移動させて前記軸と前記穴との調芯を可能とする調芯手段と、
前記フランジ保持手段を傾動させて前記軸と前記対向面とがなす角度の調整を可能とする角度調整手段と、
前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを接近させて前記軸を前記穴に挿入する軸挿入手段と、
該軸挿入手段による挿入動作に応じて前記角度調整手段の傾動の禁止と許容とを選択的に制御する傾動制御手段と、
を備え、
前記傾動制御手段は、
前記軸挿入手段による前記軸の前記穴への挿入の際に、前記傾動を禁止して前記調芯を行い、前記対向面に対し前記軸保持手段当接して押圧力を付与することにより前記傾動を許容して前記角度の調整を行うよう構成して成ることを特徴とする軸挿入装置である。
本発明によれば、軸とフランジを高精度・高強度に焼きばめすることが出来る。
また、軸とフランジの振れおよびフランジの平面度を1μm以下にでき、耐引き抜き力(組付け力)も1000N以上を実現することができる。
以下、本発明の好適な一実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施例は本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本実施例に係る軸挿入装置の全体を示す側面図、図2は、本実施例になる軸挿入装置の要部概略図で、第1の状態を示す説明図、図3は、同、軸挿入装置の要部概略図で、第2の状態を示す説明図、図4は、同、軸挿入装置の要部概略図で、第3の状態を示す説明図、図5は、同、軸挿入装置の要部概略図で、第4の状態を示す説明図、図6は、同、軸挿入装置の要部概略図で、軸とフランジとの組付け状態を示す説明図、図7は、同、軸とフランジとの組付け状態を示す工程図である。
図1は、本発明になる軸挿入装置30の好ましい一実施例であり、スピンドルモータの回転子(円板付き軸)をスラストプレートの穴に挿入するための装置の全体を示す側面図、図2は、本実施例になる軸挿入装置の要部概略図で前記した第1の状態(静止状態)を示すものである。以下、図1、図2を参照して本実施例の具体的構成について説明する。軸挿入装置30は、軸保持手段40、対象物保持手段50、調芯手段60、角度調整手段70、挿入手段80とより大略構成されている。
前記した如く、スピンドルモータの高速化に伴い、その回転部分を司る回転子(フランジ付き軸)及びこの回転子が挿入されるスラストプレート等はより高精度に組み立てられている必要がある。特に、軸に対するフランジの面振れ(直角度)、フランジの平面度、軸とフランジの組付け力が高いことが、前記したNRROの関係から重要になってきている。
従って、回転子の軸となる後述する軸43等を有する軸保持手段40は、かなりの高精度で組み立てられている必要がある。ところで、図2に明示する如く、この軸保持手段40は、後述する挿入手段80に接続されているスライド部材41、このスライド部材41に取付けられているフローティングジョイント48、このフローティングジョイント48と接続されているベースプレート49、このベースプレート49と接続されている軸ホルダ42、この軸ホルダ42の中心孔46内に挿通されている軸43等より大略構成されている。
そして、軸ホルダ42の下面44は、前記した理由により、平面度として、0.3μm以下に、また、軸43と下面44との直角度は、1μm以下に仕上げられているものである。なお、ベースプレート49には、図示しない吸引用の穴が設けられてあり、この穴は、これまた図示しない真空ポンプ等へと接続されている。
軸ホルダ42の中心孔46上で、かつ、軸ホルダ42の上面45には、前記した軸43を前記した真空ポンプにより吸引して落下を防止するための落下防止機構47が取りつけられている。なお、軸43は、軸ホルダ42の下面44より若干飛び出した形で落下防止機構47に吸引されている。
また、軸ホルダ42には、図示しない温度調整機構を付加する場合もある。これは、焼きばめ終了時の冷却を、加熱された後述する対象物であるスラストプレート51から軸ホルダ42へ逃がすことにより行なっているので、高温条件下で長時間使用した場合、軸ホルダ42の温度が上がってしまい、放熱効果が薄れてしまう可能性があるからである。
対象物保持手段50は、対象物である中央部に、予め、軸43の軸径より締め代分だけ小さい貫通孔52を有するフランジ51、このフランジ51を支持する支持台(加熱ブロック)53、この支持台53の中心孔54内及び前記したフランジ51の中央部の貫通孔52内を上下動する、例えば、セラミック材よりなるコマ部材55、同じく前記した支持台53の中心孔54内で、前記したコマ部材55を常時上方向(前記した軸43方向)に押圧しているバネ部材56、前記した支持台53の外周部に所定間隔を持って設けられ、前記したフランジ51を加熱することにより、このフランジ51の貫通孔52を膨張させる加熱手段57等より大略構成されている。なお、58は、前記した加熱手段57を支持するブラケット、59は、このブラケット58を支持する支柱である。
前記した支持台53も、その上面53aの平面度を0.3μm以下に仕上げてある必要がある。その理由は、前記した如く、この支持台53の上面53aには、対象物である中央部に貫通孔52を有し、所定の平面度(0.3μm以下)を有するフランジ51が載置され、軸43との組付け後の直角度が1μm以下に仕上げられる必要があるからである。
対象物保持手段50の一部を構成する加熱手段57としては、加熱対象物であるフランジ51が、前記した支持台53より突出しているコア部材55内に挿通されて前記した支持台53の上面53a上に載置され、前記したフランジ51が加熱される際、このフランジ51が載置されている支持台53の動きが拘束されないように、このフランジ51を非接触で加熱できる高周波誘導加熱ユニットを使用している。
このように、フランジ51を直接的に高周波誘導加熱により加熱せず、支持台(加熱ブロック)53が加熱されることにより、フランジ51が間接的に加熱されるという形を取っているのは、フランジ51の材質によっては、高周波誘導加熱では加熱されにくいものがあるためである。逆に、加熱されやすい材質であれば、昇温時間が短縮されるので便利である。
また、フランジ51が常に同じ位置にセットできるようにするため、前記した如く、支持台53の中央部に、この支持台53の上面53aより突出する如くセットされたコマ部材55に、フランジ51の貫通孔52が上方より挿入されるように構成する。そして、このコマ部材55は、組付け時に軸43に押圧されバネ部材56の押圧力に抗して下動するように構成されている。
調芯手段60は、前記した支持台53を載置したテーブル61と、このテーブル61の下面に設けられた受け台(角度調整ベース)63と、この受け台63と前記したテーブル61との間に配置される複数の鋼球(又はセラミック球)62と、前記したテーブル61が水平方向にスライドするのを防止する一対の水平方向クランプ機構64、64とで大略構成されている。
なお、この水平方向クランプ機構64は、例えば、精密マイクロメータを用いており、65は、この水平方向クランプ機構64の先端側に固定した鋼球である。また、66は、取付けベース、67は、この取付けベース66上に取付けられた前記精密マイクロメータ64のスライドユニットである。
前記した一対の水平方向クランプ機構64、64の先端側に固定した鋼球65,65は、第1の状態(静止時)及び組付け終了時には、テーブル61と当接して初期位置に支持台(加熱ブロック)53を戻し、軸43とフランジ51との組付け時には、水平及びチルトが自由になるように構成してある。
また、この調芯手段60を構成している複数の鋼球(又はセラミック球)62a〜62nは、この鋼球が等間隔になるように図示しない保持具により保持されている。このように構成することにより、テーブル61は、水平方向に微小な力が付与された場合でも、自由にスムースに移動することが出来る。従って、調芯手段60としては、常に安定した調芯機能を発揮することが出来るものである。
角度調整手段70は、前記した受け台(角度調整ベース)63をその略中央部で一点にて支持する鋼球71、この鋼球71を受ける受け台(ジョイント)72、この受け台72を支持する加圧ユニットとしてのエアシリンダ73より大略構成されている。なお、74は、前記した取付けベース66を支持するための支柱、75は、支持部材である。
この角度調整手段70の鋼球71は、静止時及び組付け完了時には、前記した受け台63に当接しており、また、この受け台63は、前記した取付けベース66に当接していて、角度調整は行なわれない状態になっている。そして、軸43とフランジ51とが当接する組付け時には、前記した水平方向クランプ機構64のクランプが解除されていることより、この当接によるX2方向への押圧力は、支持台53、テーブル61、鋼球62、受け台63へと伝達され、この受け台63と取付けベース66との当接が外れる。
そして、水平方向クランプ機構64のクランプ解除及び受け台63と取付けベース66との当接が外れることにより、この角度調整手段70はスムーズに角度調整ができ、軸43を保持する軸ホルダー42の下面44に完全に平行に倣うことが出来るものである。さらに、前記した如く、受け台72の下部には、組付け時の押付け力を調整する機構として、エアシリンダー73が取付けられているので、これの供給圧力で押付け力を調整することができる。このエアシリンダー73は、加熱ブロック53が加熱の初期状態のときに、数μmに水平を保つように水平基準面にこの加熱ブロック53のユニットを押し付ける機能も有している。
挿入手段80は、前記した軸保持手段40の一部を構成するスライド部材41を保持し、サーボモータ82により上下方向(矢印X1〜X2方向)にスライドするスライダ81と、このスライダ81の上下動をガイドするガイド部材83と、このガイド部材83を保持するブラケット84等より大略構成される。なお、85は、前記したスライダ81とスライド部材41との間に配置される補強部材としてのブラケットである。
また、90は、前記したガイド部材83、ブラケット84及び前記した角度調整手段70のベース部を構成する支持部材75、この支持部材75を保持するボトムプレート93等のベースとなるベース部材である。なお、91は、トッププレート、92は、前記したボトムプレート93とトッププレート91との間に設けられたガイドシャフトである。
次に、前記した軸挿入装置30の動作について、図1〜図7を参照して説明する。まず、本実施例になる軸挿入装置30の動作説明に入る前に、軸43と、フランジ51との組付けの概略について、図6、図7を用いて説明する。
前記した如く、組付け後の、この種のスピンドルモータの回転子としては、軸43に対するフランジ51の振れ精度は、1μm以下、またフランジ51の平面度も、1μm以下と設定されている(図6a参照)。また、両者を組付けた後の組付け力としては、1000N以上とされている(図6b参照)。
次に、組付け方法について図7を用いて説明する。なお、この組付け方法の説明においては、便宜上、面取り部は省略してある。まず、その平面度を1μm以下に仕上げると共に、その穴径52を軸43の軸径に対して締りばめの径に仕上げたフランジ51を用意する(図7a)。次に、このフランジ51を加熱し、前記したフランジ51の穴径52を軸径に対して隙間ばめの径52aに広げる(図7b)。これにより、軸43がフランジ51の穴内に挿入可能となる。
次に、軸43をフランジ51の穴内に挿入し、しかる後、フランジ51への加熱を止める。このフランジ51への加熱を止めることにより、隙間ばめの径52aに広げられていた穴径が、収縮して締りばめの径に戻る。これにより、軸43に対するフランジ51の振れ精度、組付け力としては、所定のものが得られた状態で、両者はしっかりと固定される(図7c、図7d)。
ここで、前記した組付け方法を前提にして、本実施例になる軸挿入装置30の動作について、図1〜図5必要に応じて図8、図9を参照して説明する。
図1、図2の静止状態(第1の状態)において、前記した如く、上、下面51a,51bの平面度を、それぞれ所定の1μm以下に仕上げられ、中央部に締りばめの径に仕上げられた貫通孔52を有するフランジ51を、手動若しくは然るべき移送手段により支持台(加熱ブロック)53の中心孔54内をバネ部材56により上方に押し上げられ、この支持台53の上面53aより若干突出しているコマ部材55に上方より挿入する。
この挿入に際しては、フランジ51を所定位置に配置した支持台(加熱ブロック)53を上部に載置したテーブル61は、前記した如く、前方側に鋼球65を固定した水平方向のクランプ機構(精密マイクロメータ)64により、水平方向の動きが微調整(所定位置へのイニシャル調整)されて、所定位置に固定されているので、両者の結合は、容易に行なわれることになる。また、このようにテーブル61が所定位置に固定されていることにより、後述する加熱手段57による支持台(加熱ブロック)53上に載置されたフランジ51への加熱が、確実に行なわれるものである。
このように、フランジ51を所定位置に配置した支持台(加熱ブロック)53を上部に載置したテーブル61が所定位置に固定されると、加熱手段57により、支持台(加熱ブロック)53への所定の加熱が行なわれ、フランジ51の貫通孔52を軸径に対して隙間ばめの径に広げる。これにより、軸43がフランジ51の貫通孔52内に挿入可能となる。
なお、この第1の状態では、前記した軸保持手段40によるX2方向への押圧力の付与はなされていないものであるから、受け台63と取付けベース66とは当接したままの状態であり、従って、角度調整手段70は、非作動状態におかれる。すなわち、角度調整は行なわれないものである。
次に、図3を用いて、第2の状態について説明する。前記した如く、第1の状態で、フランジ51の貫通孔52が、軸径に対して隙間ばめの径に広げられると、このフランジ51は、軸43との組付けの際、軸43がこのフランジ51の貫通孔52内にスムースに挿入されるよう、水平方向のクランプ機構64が、精密マイクロスライドユニット67により移動して、そのクランプを解除する。前記した如く、テーブル61は、受け台63との間に複数の鋼球62a〜62nが配置されているので、このテーブル61は、容易に水平方向に移動可能なものである。
なお、この第2の状態でも、前記した軸保持手段40によるX2方向への押圧
力の付与はなされていないものであるから、受け台63と取付けベース66とは
当接したままの状態であり、従って、角度調整手段70は、非作動状態におかれ
る。すなわち、これまた角度調整は行なわれないものである。
次に、図1及び図4を用いて、第3の状態すなわち、軸43とフランジ51との組付けについて説明する。前記した如く、軸ホルダー42内の軸43とフランジ51との組付け準備が整うと、挿入手段80のサーボモータ82が作動する。サーボモータ82が作動すると、前記した如く、軸保持手段40の一部を構成するスライド部材41を保持し、このサーボモータ82により上下方向(矢印X1〜X2方向)にスライドするスライダ81が、このスライダ81の上下動をガイドするガイド部材83に沿って、例えば、X2方向に移動する。
このように、軸保持手段40をスライド部材41で連結した挿入手段80がX2方向に移動することにより、前記したスライド部材41に取付けられているフローティングジョイント48、このフローティングジョイント48と接続されているベースプレート49、このベースプレート49と接続されている軸ホルダー42も共にX2方向に移動する。
そして、この軸ホルダー42内の軸43が軸径に対して隙間ばめの径に広げられているフランジ51の貫通孔52内に挿入される前の図3の状態から、軸43を、コマ部材55をバネ部材56の押圧力に抗してX2方向へ押圧して、図4の如く、フランジ51の上面51aと軸ホルダー42の下面44とを密着させる。この軸挿入の際、軸43及びフランジ51の貫通孔52には、図示しない所定の面取りが施されているので、それはスムースに行なわれる。
なお、挿入動作は、サーボモータ82を制御することにより、まず、軸43を有する軸ホルダー42をフランジ51に所定のスピードで接近させる。次に、調芯が不充分な場合を考慮して、面取り分だけゆっくりと入り込み、調芯させる。そして、面取り分入り込んだ後に、前記した如く、フランジ51と軸ホルダー42とが密着されていることにより熱伝導によりフランジ51が冷却され、このフランジ51の貫通孔52の孔径が収縮する前に、軸43を一気に高速で、所定の位置まで押し込む。
具体的には、軸ホルダー42等と接続されているスライダ81がフランジ51に接近するまでのスピードとして1800mm/minに設定する。そして、面取り分だけゆっくりと入り込み、調芯させる際のスピードを50mm/minに減速して、仮に、調芯が不充分な場合の不都合を避ける。そして、両者が組付けられる際のスピードを9000mm/minと一気に高速にして、所定の位置まで押し込むことにより、組付けを完了する。
また、軸43によってコマ部材55をバネ部材56の押圧力に抗してX2方向へ押圧することにより、フランジ51の上面51aと軸ホルダー42の下面44とが密着されると共に、この押圧力は、テーブル61、鋼球62、受け台63へと伝達されるので、受け台63と取付けベース66とは当接状態が解かれる。従って、角度調整手段70も、同時に非作動状態が解かれ、角度調整が行なわれる状態に移行する。すなわち、鋼球71、受け台63、テーブル61等を介して加熱ブロック53に対する角度調整が行なわれることになる。なお、この際、加熱手段57による加熱は、解除される。
従って、仮に、軸43と、フランジ51の貫通孔52との直角度(軸43に対する振れ)が所定以上の場合には、この状態で角度調整が行なわれ、所定の角度に修正されるものである。すなわち、軸43を保持する軸ホルダ42の下面44に完全に平行に倣うことが出来、所定の振れ精度が得られるものである。なお、この組付けの際、エアシリンダ73による押圧力が所定のものより大の場合には、このエアシリンダ73により、これの供給圧力で押圧力を調整する。
次に、図5を用いて、第4の状態すなわち、軸43とフランジ51との組付け後の状態について説明する。前記したように、焼きばめによる所定の組付けが終了すると、隙間ばめの径に広げられていたフランジ51穴径(貫通孔52)が収縮して締りばめの径に戻る。従って、軸43内に挿通されていたフランジ51は、そのままの状態で、前記した挿入手段80がX1方向に移動する。この挿入手段80の移動に呼応して受け台63が元位置に復帰し、再び受け台63と取付けベース66とが当接する。また、水平方向のクランプ機構64も元位置に復帰することにより、この水平方向のクランプ機構64は、再びテーブル61をクランプし、初期位置である図5の状態に戻る。
ここで、スピンドルモータの固定軸とフランジとの組付けの具体例について、図8〜図10を参照して説明する。
図8は、本実施例に係るスピンドルモータの固定軸とフランジとの組立て状態を示す部分図、図9は、本実施例に係るスピンドルモータの固定軸とフランジとの組立て状態の寸法例を示す部分図、図10は、スピンドルモータの固定軸とフランジとの悪い組立て状態を示す部分図である。なお、前記した従来例と同一部分は同一符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図8は、スピンドルモータの固定軸とフランジとの全体の組立て状態を示す部分図であり、例えば、フランジ51の外径を7.2mm、フランジ51の厚みを1.5mm、軸径43を4mmに設定した際、前記した組付け力を1000N以上、フランジの平面度1μm以下を得る目的でスピンドルモータを作製したものである。
(実施例1)
具体的には、締め代を前記した0.03mm、フランジ穴52のエッジ部52bの面取り量を0.12mm、軸43の先端部43d側に形成された面取り部43cの面取り量を0.08mm、フランジ51の上面部51aと軸43の上面部43dとの段差を0.03mmに設定した。
前記した如く軸43及びフランジ51を具体的に構成し、本実施例になる軸挿入装置で焼きばめにより両者を組付けたところ、組付け力1100N、フランジの平面度0.062μmという結果が得られた。
(比較例1)
前記した実施例1と同じ条件において、軸43の先端部43d側に形成された面取り部43cの面取り量のみを0.2mmに設定した。その結果、フランジの平面度が1.524μmと悪化してしまった。図10は、この比較例1の結果を図面化したものである。この図10より明らかな如く、軸43の先端部43d側に形成された面取り部43cの面取り量を0.2mmと大きく取ってしまった結果、フランジ51側から見て軸43に当接していない部分(三角地帯Δ)が発生してしまい、その結果、軸43が高速回転した際、フランジ51の上面51aには、上方に反りたがる力が発生し、バランスが崩れてしまったことによる。すなわち、フランジ51が変形してしまった例である。
図9は、フランジ穴52のエッジ部52b面取り後の高さをT1、フランジ51の上面部51aと軸43の先端部43d側に形成された面取り部43cの面取り後の高さをT2とした場合、T1―T2≧0.01mmの不等式を満足するよう前記した高さ関係を設定し、本実施例になる軸挿入装置で焼きばめにより両者を組付けたところ、前記したフランジ51の平面度を1μm以下にすることができたものである。
本発明に係る軸挿入装置の一実施例を示す全体図である。 本発明に係る軸挿入装置の要部概略図で、第1の状態を示す説明図である。 本発明に係る軸挿入装置の要部概略図で、第2の状態を示す説明図である。 本発明に係る軸挿入装置の要部概略図で、第3の状態を示す説明図である。 本発明に係る軸挿入装置の要部概略図で、第4の状態を示す説明図である。 本発明に係る軸挿入装置の要部概略図で、軸とフランジとの組付け状態を示す説明図である。 本発明に係る軸挿入装置の要部概略図で、軸とフランジとの組付け状態を示す工程図である。 スピンドルモータの固定軸とフランジとの組立て状態の一例を示す部分図である。 スピンドルモータの固定軸とフランジとの組立て状態の他の例を示す部分図である。 スピンドルモータの固定軸とフランジとの悪い組立て状態を示す部分図である。 従来のスピンドルモータの一例を示す半断面図である。 図11のスピンドルモータのオイル溜まり空間を示す半断面図である。 図11のスピンドルモータの他のオイル溜まり空間を示す半断面図である。 図11のスピンドルモータにおける固定軸とフランジとの関係を示す一部拡大図である。 図11のスピンドルモータにおける固定軸とフランジとの他の関係を示す一部拡大図である。 改良された従来のスピンドルモータの一例を示す半断面図である。 図16のスピンドルモータにおける固定軸とフランジとの関係を示す一部拡大図である。 図16のスピンドルモータにおける固定軸とフランジとの他の関係を示す一部拡大図である。 スピンドルモータの固定軸とフランジとの組立て過程及び組立て状態の一例を示す部分図である。 スピンドルモータの固定軸とフランジとの他の組立て過程及び組立て状態の一例を示す部分図である。
符号の説明
30 軸挿入装置
40 軸保持手段
41 スライド部材
42 軸ホルダ
43 軸
44 下面
45 上面
46 中心孔
47 落下防止機構
50 対象物保持手段
51 スラストプレート
52 貫通孔
53 支持台(加熱ブロック)
54 中心孔
55 コマ部材
56 バネ部材
57 加熱手段
58 ブラケット
59 支柱
60 調芯手段
61 テーブル
62 鋼球
63 受け台
64 クランプ機構
65 緩衝体
66,67 ブラケット
70 角度調整手段
71 鋼球
72 受け台
73 エアシリンダ
80 挿入手段
81 スライダ
82 モータ
83 ガイド部材
84 ブラケット
85 補強部材
90 ベース部材
91 トッププレート
92 ガイドシャフト
93 ボトムプレート

Claims (3)

  1. 面取りが施された穴を有するフランジの前記穴に軸が焼きばめで挿入固定され、前記フランジの一面が前記軸と直交して成るフランジ付き軸を製造する、フランジ付き軸の製造方法であって、
    軸保持手段により、前記軸を鉛直方向に保持する保持ステップと、
    フランジ保持手段により、前記フランジを、該フランジの前記軸保持手段に対向する対向面が水平となるように保持して前記穴を加熱する加熱ステップと、
    前記フランジ保持手段を水平方向に移動させる移動ステップと、
    前記フランジ保持手段の傾動を禁止すると共に、前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを、少なくとも前記軸が前記面取りの分だけ入り込むまで第1の挿入速度で接近させる第1の軸挿入ステップと、
    該第1の軸挿入ステップの後に、前記軸保持手段が前記対向面に当接するまで前記軸を前記第1の挿入速度よりも速い第2の挿入速度で前記穴に挿入する第の軸挿入ステップと、
    前記軸保持手段が前記対向面に当接して押圧力を付与することで前記フランジ保持手段の傾動を許容する傾動許容ステップと、を有することを特徴とするフランジ付き軸の製造方法。
  2. 面取りが施された穴を有するフランジの前記穴に軸を焼きばめで挿入固定し、前記フランジの一面が前記軸と直交するフランジ付き軸を組み立てる軸挿入装置であって、
    前記軸を鉛直方向に保持する軸保持手段と、
    前記フランジを、該フランジの前記軸保持手段と対向する対向面が水平となるように保持する保持部と、前記穴を加熱する加熱部と、を有するフランジ保持手段と、
    前記フランジ保持手段を水平方向に移動させて前記軸と前記穴との調芯を可能とする調芯手段と、
    前記フランジ保持手段を傾動させて前記軸と前記対向面とがなす角度の調整を可能とする角度調整手段と、
    前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを接近させて前記軸を前記穴に挿入する軸挿入手段と、
    該軸挿入手段による挿入動作に応じて前記角度調整手段の傾動の禁止と許容とを選択的に制御する傾動制御手段と、
    を備え、
    前記軸挿入手段は、前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを、少なくとも前記軸が前記穴に前記面取りの分だけ入り込むまで第1の挿入速度で接近させ、その後、前記軸保持手段が前記対向面に当接するまで前記第1の挿入速度より速い第2の挿入速度で前記軸を前記穴に挿入し、
    前記傾動制御手段は、前記対向面に対し前記軸保持手段当接して押圧力を付与することにより前記角度調整手段の傾動を許容するよう構成されて成ることを特徴とする軸挿入装置。
  3. 面取りが施された穴を有するフランジの前記穴に軸を焼きばめで挿入固定し、前記フランジの一面が前記軸と直交するフランジ付き軸を組み立てる軸挿入装置であって、
    前記軸を鉛直方向に保持する軸保持手段と、
    前記フランジを、該フランジの前記軸保持手段と対向する対向面が水平となるように保持する保持部と、前記穴を加熱する加熱部と、を有するフランジ保持手段と、
    前記フランジ保持手段を水平方向に移動させて前記軸と前記穴との調芯を可能とする調芯手段と、
    前記フランジ保持手段を傾動させて前記軸と前記対向面とがなす角度の調整を可能とする角度調整手段と、
    前記軸保持手段と前記フランジ保持手段とを接近させて前記軸を前記穴に挿入する軸挿入手段と、
    該軸挿入手段による挿入動作に応じて前記角度調整手段の傾動の禁止と許容とを選択的に制御する傾動制御手段と、
    を備え、
    前記傾動制御手段は、
    前記軸挿入手段による前記軸の前記穴への挿入の際に、前記傾動を禁止して前記調芯を行い、前記対向面に対し前記軸保持手段当接して押圧力を付与することにより前記傾動を許容して前記角度の調整を行うよう構成して成ることを特徴とする軸挿入装置。
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