JP4692514B2 - 電子制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイコンと該マイコンの動作を監視する監視ICとを備えると共に、マイコンに異常が生じると、そのマイコンがリセットされるようになっている電子制御装置に関する。
従来より、車両用の電子制御装置(以下、ECUと記載する)では、マイコンに異常が生じると、そのマイコンがリセットされるようになっている。そして特に、特許文献1のECUでは、マイコンに異常が生じると、例えば異常の解析に必要な情報をメモリに退避させる処理(以下、退避処理と記載する)をマイコンが実行した後、そのマイコンがリセットされるようになっている。
より具体的に、特許文献1のECUでは、マイコンが、そのマイコンの動作を監視するウォッチドッグタイマを備えている。そして、ウォッチドッグタイマにより異常が検出されると、そのウォッチドッグタイマから割り込みが生じる。マイコンは、この割り込み時の処理で、前述のような退避処理を実行する。
特開平6−221218号公報
しかしながら、上記の特許文献1のECUでは、マイコンのウォッチドッグタイマにそもそも異常が生じていると、そのマイコンの異常を検出できなくなってしまう。つまり、マイコンの異常の種類によっては、異常が検出されず、この場合、マイコンが退避処理を実行するための割り込みも発生しなくなってしまう。
ところで、マイコンの異常を検出する方法として、例えばマイコンの動作を監視する監視ICを設け、その監視ICによりマイコンの異常を検出する方法がよく知られている。この方法によれば、監視ICに異常が生じないかぎり、マイコンの異常の種類に関係なく、そのマイコンの異常をより確実に検出できるようになる。本願出願人はこの点に着目し、マイコンの異常をより確実に検出することで、マイコンが、異常時に実施すべき処理をより確実に実施できるようにすることを考えた。
本発明は、マイコンの動作を監視する監視ICを備えた電子制御装置において、マイコンに異常が生じた際、そのマイコンが、異常時に実施すべき処理をより確実に実行できるようにすることを目的としている。
上記目的を達成するためになされた本発明の電子制御装置は、制御対象を制御するための処理を行うマイコンと、該マイコンの動作を監視する監視ICとを備え、監視ICがマイコンの異常を検出すると、その異常が検出されたマイコンがリセットされるように構成されている。そして、この電子制御装置は、マイコンが備える出力ポートからの信号により、リセット信号をマイコンが備えるリセット端子に出力するリセット信号出力回路を備えている。
そして、監視ICは、マイコンの異常を検出すると、その異常を検出したマイコンに、異常を通知するための異常通知信号を出力するようになっている。また、マイコンに異常通知信号を出力してから予め定められた時間が経過した際、そのマイコンが異常であるか否かを、異常通知信号を出力中であるか否かに基づき再判定し、異常通知信号を出力中であることに基づきマイコンが異常であると判定すると、リセット信号をリセット端子に出力するようになっている。そして、予め定められた時間は、マイコンが退避処理を完了するのに必要な時間よりも大きい時間である。
また、マイコンは、前記出力ポート及び前記リセット端子を備え、契機信号が入力されるとマスク不可能な割り込み(以下、マスク不可割込と言う)を発生させる割込発生回路を備えると共に、そのマスク不可割込で、異常の解析に必要な情報を所定のメモリに記憶させる退避処理を行うようになっている。
マイコンにおいて、異常通知信号は、マスク不可割込を発生させる契機信号として割込発生回路に入力されるように構成され、マイコンは、退避処理が完了すると、出力ポートからリセット信号出力回路に信号を出力して、そのリセット信号出力回路にリセット信号を出力させるようになっている。
さらに、監視ICは、リセット信号出力回路からリセット信号が出力されたか否かを判定し、出力されたと判定すると、異常通知信号の出力を停止するようになっている。
ところで、マイコンが自身の異常を検出する構成の場合、その異常を検出する機能にそもそも異常が生じていると、異常が検出されない。
この点、本発明の電子制御装置では、監視ICがマイコンの異常を検出するため、マイコンの異常の種類にかかわらず、より確実にマイコンの異常を検出できる。
そして、マイコンの異常が検出されると、異常を通知するための異常通知信号が、監視ICからマイコンの割込発生回路に入力され、マイコンにマスク不可割り込みが発生するため、マイコンはより確実に退避処理を実行できるようになり、その後マイコンがリセットされるようになっているため、マイコンは確実に復帰できるようになる。このため、例えば外部の診断装置等を介してマイコンの異常を解析する際に、異常の原因を解明するための情報がより確実に得られるため有利である。
具体的には、本発明の電子制御装置では、マイコンは、退避処理が完了すると、出力ポートからリセット信号出力回路に信号を出力し、そのリセット信号出力回路にリセット信号を出力させるようになっている。つまり、マイコンは、退避処理が完了すると、マイコン自ら、自身をリセットするようになっている。
これによれば、退避処理が完了した後、速やかにマイコンがリセットされるようになる。言い換えれば、マイコンが速やかに正常状態に復帰するようになり、有利である。
ところで、何らかの原因により、マイコンが自身をリセットできないことも考えられる。
この点、本発明の電子制御装置では、監視ICは、マイコンに異常通知信号を出力してから予め定められた時間が経過した際、そのマイコンが異常であるか否かを、異常通知信号を出力中であるか否かに基づき再判定し、異常通知信号を出力中であることに基づきマイコンが異常であると判定すると、リセット信号をリセット端子に出力するようになっている。そして、予め定められた時間は、マイコンが退避処理を完了するのに必要な時間よりも大きい時間である。
このような電子制御装置によれば、マイコンが自身をリセットできなかったりしたような場合でも、監視ICが異常通知信号を出力してから予め定められた時間が経過すれば、マイコンはリセットされる。つまり、確実にマイコンがリセットされるようになる。また、その予め定められた時間は、マイコンが退避処理を完了するのに必要な時間よりも大きいため、マイコンにおいて退避処理が完了した後、そのマイコンがリセットされるようにすることができる。
また、本発明の電子制御装置では、割込発生回路は、入力される信号をマスク不可割込を発生させるための契機信号として受け付けるNMI(Non Maskable Interrupt)端子を備えている。
そして、異常通知信号は、マスク不可割込を発生させるための契機信号としてNMI端子に入力されるようになっている。
NMI端子は、マイコンが標準的に備える端子である。本発明のように、そのNMI端子を利用するようにすれば、退避処理を実行するためのトリガとなる専用端子を追加しなくてもよくなり有利である。
また、本発明の電子制御装置では、マイコンは、自身の動作が正常ならば、パルスが一定時間以内毎に発生する信号(以下、正常通知信号と言う)を出力するようになっている。
そして、監視ICは、正常通知信号を監視して、パルスが一定時間以内に出力されていないと判断すると、マイコンの異常と判断するようになっている。
このような本発明の構成によれば、簡単な構成で確実に、監視ICがマイコンの異常を検出できるようになる。尚、より具体的に、正常通知信号としては、所謂ウォッチドッグパルス信号が考えられる。そして、監視ICに、ウォッチドッグパルス信号を監視するウォッチドッグタイマを備えるようにすれば、マイコンや監視ICに新たな構成を追加しなくても良くなり有利である。
また、本発明の電子制御装置では、監視ICは、正常通知信号の出力レベルが所定の期間反転しない場合、マイコンの異常と判断するようになっている。つまり、監視ICは、正常通知信号の出力レベルが所定期間以上ハイ或いはローの場合、マイコンの異常と判断する。
そして、電子制御装置は、監視ICが判断に用いる所定期間の値を書き換え自在に記憶している。これによれば、マイコンの仕様に応じて、所定期間の値を所望の値にすることができる。尚、所定期間の値は、例えばマイコンが記憶していても良いし、監視ICが記憶していても良い。
また、本発明の電子制御装置では、監視ICは、パルスの周波数を算出して、該算出した周波数が所定の周波数と一致しない場合、マイコンの異常と判断するようになっている。例えば、パルスが一定時間間隔で出力されるように設定されている場合、パルスの周波数を算出することで、パルスが一定時間間隔で出力されているか否か、言い換えればマイコンが異常か否かが判断できる。そして、電子制御装置は、監視ICが判断に用いる所定周波数の値を書き換え自在に記憶している。これによれば、マイコンの仕様やパルス出力の設定に応じて、所定周波数の値を所望の値にすることができる。尚、所定周波数の値は、例えばマイコンが記憶していても良いし、監視ICが記憶していても良い。
また、本発明の電子制御装置では、マイコンは、リセット端子を備えており、監視ICは、異常通知信号を出力してから、予め定められた時間が経過した後に、リセット信号をリセット端子に出力するようになっている。
このような本発明の電子制御装置によれば、マイコンの異常の種類に関係なく、確実に、マイコンがリセットされるようになり、マイコンが暴走し続けることを防止し、電子制御装置の信頼性が向上する。また、監視ICが異常通知信号を出力してから即座にマイコンがリセットされるわけではないため、マイコンにおいて退避処理が実行されるようにすることができる。
また、本発明の電子制御装置では、マイコンは、リセット端子を備えており、異常通知信号を受信することで退避処理を実行してその退避処理が完了すると、完了した旨を表すパルス(以下、退避完了パルスと言う)を監視ICに出力するようになっている。
そして、監視ICは、退避完了パルスを受信したか否かを判定する受信判定処理を実行し、該受信判定処理で退避完了パルスを受信したと判定すると、リセット信号をリセット端子に出力するようになっている。
これによれば、マイコンにおいて退避処理が完了した後に、そのマイコンがリセットされるようになる。言い換えれば、マイコンは、リセットされる前に確実に、退避処理を完了できるようになる。このため、例えば外部の診断装置等を介してマイコンの異常を解析する際に、より確実に異常の原因を解明することができるようになる。
また、本発明の電子制御装置では、マイコンは、退避完了パルスを、正常通知信号を出力するポートと同じポートから出力するようになっており、監視ICは、退避完了パルスと、正常通知信号のパルスとの別を区別できるように構成されている。
これによれば、退避完了パルスを出力するための構成をマイコンに新たに追加したり、退避完了パルスが入力されるようにするための構成を監視ICに新たに追加したりしなくてもよくなり、コスト面や構成の簡素化の観点から有利である。
また、本発明の電子制御装置では、監視ICは、マイコンが異常である間、異常通知信号を出力し、マイコンが正常である間、異常通知信号を出力しないようになっている。
そして、監視ICは、異常通知信号を出力しているときにマイコンから受信したパルスを退避完了パルスと判断し、異常通知信号を出力していないときにマイコンから受信したパルスを正常通知信号のパルスと判断するようになっている。
マイコンが異常であれば、異常通知信号が監視ICからマイコンに出力され、マイコンにおいてマスク不可割込が発生して退避処理が実行される。また、異常通知信号が出力されている間は、マイコンは異常なのであるから、マイコンから正常通知信号は出力されない。このため、監視ICは、異常通知信号を出力しているときにマイコンから受信したパルスを、退避完了パルスであると判別することができる。
一方、マイコンが正常であれば、監視ICから異常通知信号は出力されないため、マイコンにおいてマスク不可割込は発生せず、退避処理も実行されない。このため、監視ICは、異常通知信号を出力していないときにマイコンから受信したパルスを、正常通知信号のパルスであると判別することができる。
このような本発明の電子制御装置では、退避完了パルスと正常通知信号とで、ポートを兼用することができ、マイコン及び監視ICの資源を節約することができる。
また、本発明の電子制御装置では、リセット信号はローレベルの信号であり、リセット信号出力回路は、リセット端子とローレベルの電位との間に設けられたスイッチを備えている。マイコンは、退避処理が完了すると、出力ポートからスイッチに信号を出力してそのスイッチをオンする。そして、そのスイッチがオンすることでリセット端子にリセット信号が入力されるようになっている。
つまり、言い換えると、スイッチがオンすることでリセット端子はローレベルの電位に接続する。これにより、リセットが有効となり、マイコンはリセットされる。
ところで、本発明の電子制御装置では、マイコンが誤ってリセットされないようにするために、のように構成すると良い。
具体的には、本発明の電子制御装置では、出力ポートから信号を出力するためにマイコンが実行する処理は、複数の処理ステップからなることを特徴としている。
例えば、1つの処理ステップを踏むことによってマイコンの出力ポートからリセット信号出力回路に信号が出力されるようにすると、マイコンが誤ってその1つの処理ステップを実行してしまった場合、すぐにマイコンがリセットされてしまい好ましくない。
これに対し、また、本発明の電子制御装置では、複数の処理ステップを踏まないとマイコンの出力ポートからリセット信号出力回路に信号が出力されないため、マイコンが誤ってリセットされてしまう確率を抑えることができる。
また、本発明の電子制御装置では、マイコンは、リセット端子にリセット信号が入力されて自身がリセットされると、出力ポートの信号の出力状態をハイインピーダンスにするようになっている。
この構成を利用することで、リセット信号出力回路のスイッチを自動的にオフにすることができるため、リセット信号出力回路を容易に構成することができる。
ところで、何らかの原因により、退避完了パルスが出力されない場合が考えられる。また、前述のように、何らかの原因により、マイコンが自身をリセットできないことも考えられる。
本発明の電子制御装置では、前述のように、監視ICは、マイコンに異常通知信号を出力してから予め定められた時間が経過した際、そのマイコンが異常であるか否かを、異常通知信号を出力中であるか否かに基づき再判定し、異常通知信号を出力中であることに基づきマイコンが異常であると判定すると、リセット信号をリセット端子に出力するようになっている。
このような本発明の電子制御装置によれば、退避完了パルスが出力されなかったり、マイコンが自身をリセットできなかったりしたような場合でも、監視ICが異常通知信号を出力してから予め定められた時間が経過すれば、マイコンはリセットされる。つまり、確実にマイコンがリセットされるようになる。また、その予め定められた時間は、マイコンが退避処理を完了するのに必要な時間よりも大きいため、マイコンにおいて退避処理が完了した後、そのマイコンがリセットされるようにすることができる。
また、本発明の電子制御装置では、所定のメモリは、常時給電されるバックアップRAMであることを特徴としている。
これによれば、給電を故意に停止しない限り、異常の解析に必要な情報が保持されるため安心である。
また、本発明の電子制御装置では、所定のメモリは、不揮発性のメモリであっても良い。
これによれば、給電が停止しても、異常の解析に必要な情報が保持されるため、より安心である。
また、本発明の電子制御装置では、所定のメモリは、マイコンの外部に設けられていることを特徴としている。
異常の解析に必要な情報を記憶させるためのメモリをマイコンの外部に設けることで、情報保持の安定性を高めることができる。
また、本発明の電子制御装置では、異常の解析に必要な情報は、マイコンが備えるROM及びRAMの両方又は一方の情報であることを特徴としている。
これによれば、マイコンのCPUが実行するプログラムの異常や、CPUの演算結果の異常等を解析することができる。
また、本発明の電子制御装置では、異常の解析に必要な情報は、マイコンが備えるレジスタに格納された情報であることを特徴としている。
より具体的に、例えば、エラーフラグの情報等が考えられる。これによれば、異常が生じた機能や箇所を特定し易くなる。
また、本発明の電子制御装置では、異常の解析に必要な情報は、マイコンのスタック領域及びスタックポインタレジスタの情報であることを特徴としている。
これによれば、プログラムの実行対象アドレスの変化の状況が分かるようになり、例えばどのルーチンで異常が生じたか、ということが特定し易くなる。
また、本発明において、電子制御装置は車両の各部を制御する電子制御装置であり、異常の解析に必要な情報は、車両の状態を表す情報であることを特徴としている。
これによれば、異常が発生した際の車両の状況が分かるようになるため、異常の原因を推測或いは特定し易くなる。また、その記憶した車両の状況を元に、異常発生時の車両の状況を再現することができるようになり、デバッグがし易くなる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用された第1実施形態の車両用の電子制御装置(以下、ECUと記載する)1の構成図である。
図1に示すように、ECU1は、制御対象を制御するための処理を行うマイコン20と、そのマイコン20の動作を監視する監視IC10とを備えている。
監視IC10は、監視制御回路12と、ウォッチドッグタイマ14と、通信回路16と、出力ポート18とを備えている。
監視制御回路12は、当該監視IC10の動作全般を制御する。
ウォッチドッグタイマ14は、マイコン20の動作を監視するためのものである。具体的に、ウォッチドッグタイマ14をクリアするためのウォッチドッグタイマクリアパルス(以下、WDCパルスと記載する)が、マイコン20からウォッチドッグタイマ14に一定時間以内毎に入力されるようになっている。
そして、ウォッチドッグタイマ14が一定時間以上クリアされない場合、つまり、マイコン20からWDCパルスが出力されない状態が一定時間以上続くと、マイコン20の異常と判断され、ウォッチドッグタイマ14は、フェールセーフ信号(以下、FSINITと記載する)をマイコン20に出力する。尚、FSINITは、マイコン20のNMI(マスク不可割り込み)端子32に入力される。また、以下、FSINITを出力するとは、アクティブレベルとしてのローレベルの信号を出力することを言うものとし、FSINITの出力を停止するとは、アクティブレベルの信号を非アクティブレベル(ハイレベル)にすることを言うものとする。
通信回路16は、マイコン20と通信を行うための回路である。
出力ポート18は、マイコン20をリセットするための初期化信号(以下、INITと記載する)を、そのマイコン20に出力するためのポートである。尚、INITは、マイコン20のRESET端子40に入力される。また、以下、INITを出力するとは、アクティブレベルとしてのローレベルの信号を1パルス分だけ出力することを言うものとする。
マイコン20は、車両のエンジンへの燃料噴射制御を行う噴射制御回路22と、点火制御を行う点火制御回路24と、電子スロットルを制御するスロットル制御回路26と、それらの制御回路を監視する監視制御回路28と、割込制御回路30と、監視IC10と通信を行うための通信回路36と、システム制御回路38と、当該マイコン20の機能を司るCPU42と、常時給電されるバックアップRAM44と、CPU42が実行するプログラムを記憶するROM46と、CPU42の演算結果等を記憶するRAM48と、信号の入出力を行うI/Oポート50と、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するADC52と、前述のWDCパルスを出力するための出力ポート54とを備えている。
割込制御回路30は、NMI端子32と、INT端子34とを備えている。この割込制御回路30は、NMI端子32にアクティブレベルの信号が入力されると、マスク不可能な割り込み(以下、マスク不可割込と記載する)を発生させる。マスク不可割込は、言い換えれば、禁止することができない割り込みである。
本実施形態では、マスク不可割込が発生すると、CPU42が実行するプログラムの実行対象アドレスが、退避処理プログラムの先頭アドレスにとぶようになっている。退避処理とは、マイコン20の状態を表す情報を、バックアップRAM44に退避させる処理である。また、マイコン20の状態を表す情報とは、ROM46やRAM48の情報、或いは図示しないレジスタ、スタック領域、スタックポインタレジスタの情報である。
また、割込制御回路30は、INT端子34にアクティブレベルの信号が入力されると、マスク可能(禁止可能)な通常の割り込みを発生させる。
次に、システム制御回路38は、RESET端子40を備えている。
このRESET端子40にアクティブレベルの信号が入力されると、マイコン20がリセットされる。具体的に、プログラムの実行対象アドレスが、CPU42がイニシャルスタート時に実行するイニシャルプログラムの先頭アドレスにとぶようになっている。
次に、監視IC10、マイコン20において実行される処理について説明する。
まず、図2は、マイコン20が実行する処理を表すフローチャートである。この図2の処理は、定期的に実行される。
この処理では、まず、S110で、WDCパルスを出力する。
次に、S120に進み、NMI端子32にFSINITが入力されたか否かを判定し、入力されたと判定すると(S120:YES)、S130に移行し、退避処理を実行する。尚、この際、マスク不可割込が発生している。退避処理については、前述した通りである。
次に、S140に進み、退避処理が完了したか否かを判定し、完了したと判定すると(S140:YES)、S150に移行する。
S150では、RESET端子40にINITが入力されたか否かを判定し、入力されていないと判定すると(S150:NO)、再びS150の処理を繰り返す。一方、S150でRESET端子40にINITが入力されたと判定すると(S150:YES)、S180に移行し、マイコン20をリセットする。そしてその後、当該処理を終了する。
またここで、S120でNMI端子32にFSINITが入力されていないと判定すると(S120:NO)、S170に移行し、RESET端子40にINITが入力されたか否かを判定する。
S170で、INITが入力されていないと判定すると(S170:NO)、S120に戻り、一方、INITが入力されたと判定すると(S170:YES)、S180に移行する。
また、S140で退避処理が完了していないと判定すると(S140:NO)、S160に移行し、RESET端子40にINITが入力されたか否かを判定する。
S160で、INITが入力されていないと判定すると(S160:NO)、S130に戻り、一方、S160でINITが入力されたと判定すると(S160:YES)、S180に移行する。
次に、図3は、監視IC10において実行される処理を表すフローチャートである。この図3の処理は、定期的に実行される。
監視IC10は、まず、S210で、WDCパルスが停止したか否か(言い換えると、WDCパルスを検出できたか否か)を判定し、停止していないと判定すると(S210:NO)、再びS210に戻る。一方、S210で、WDCパルスが停止したと判定すると(S210:YES)、マイコン20の異常と判断してS220に移行し、FSINITを出力する。
続いて、S230に進み、ループ処理に入る。具体的に、S240で、図示しないタイマによりカウントを開始する共に、S250で、そのタイマのカウント値が予め定めた所定値より大きいか否かを判定する。そして、タイマのカウント値が所定値以下の場合、再びS240に戻る。一方、タイマのカウント値が所定値より大きい場合、ループ処理を抜けて、S260に進む。
S260では、INITを出力する。
次に、S270に進み、FSINITの出力を停止する。そしてその後、当該処理を終了する。
次に、図4は、本実施形態の作用を表すタイムチャートである。
図4において、1段目はWDCパルスを表し、2段目はFSINITを表し、3段目はNMI処理(退避処理)の実行態様を模式的に表し、4段目はINITを表している。
マイコン20が通常動作(正常動作)している場合、WDCパルスが定期的に出力される(図4の(1)、S110、S210:NO)。
そして、マイコン20に何らかの異常が生じ、WDCパルスが出力されなくなると(図4の(2))、監視IC10のウォッチドッグタイマ14によりその旨が検出され(S210:YES)、監視IC10はFSINITを出力する(S220)。マイコン20では、FSINITが入力されると(S120:YES)、マスク不可割込が発生し、退避処理が実行される(S130)。
さらに、監視IC10は、FSINITを出力してから所定時間経過すると、S230〜S250のループ処理を抜け、INITを出力する(図4の(3)、S260)。尚、この所定時間は、マイコン20が退避処理を完了するのに必要な時間よりも大きくなっている。
マイコン20では、RESET端子40にINITが入力されると、そのマイコン20がリセットされる(図4の(4)、S150:YES→S180)。これにより、マイコン20が復帰し、再び、WDCパルスが定期的に出力されるようになる(図4の(5))。
尚、また、監視IC10は、INITの反転(非アクティブレベルになること)に伴い、FSINITの出力を停止する(S270)。
以上のように、本実施形態においては、監視IC10がマイコン20からのWDCパルスを監視してそのマイコン20の異常を検出するため、監視IC10に異常が生じない限り、マイコン20の異常の種類にかかわらず、そのマイコン20の異常がより確実に検出されるようになる。そして、マイコン20の異常が検出されると、FSINITがマイコン20のNMI端子32に入力されるため、マイコン20において確実にマスク不可割込が発生する。一方、マイコン20は、このマスク不可割込で、マイコン20の状態を表す情報をバックアップRAM44に記憶する退避処理を実行(開始)するようになっており、マスク不可割込がより確実に発生することからすれば、退避処理がより確実に実行(開始)されるようになると言える。
さらに、退避処理が完了するのに充分な時間が経過した後、監視IC10がマイコン20をリセットするため、マイコン20は、そのマイコン20の状態を表す情報を確実にバックアップRAM44に記憶することができる(つまり、確実に退避処理を完了できる)。これによれば、例えば外部の診断装置等を介した異常の解析に際し、異常の解明がし易くなって有利である。
また、監視IC10がマイコン20をリセットすることから、マイコン20が自身をリセットする場合と比較して、マイコン20のリセットが確実になされるようになる。
尚、本実施形態において、割込制御回路30及びNMI端子32が割込発生回路に相当し、WDC信号(WDCパルスを含む信号)が正常通知信号に相当している。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。尚、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5は、第2実施形態のECU1の構成図である。
まず、第2実施形態のECU1では、第1実施形態と比較して、マイコン20が、出力ポート56を備えている点が異なっている。また、当該ECU1が、プルアップ抵抗Rと、トランジスタTrとを備えている点が異なっている。プルアップ抵抗Rは、一端がRESET端子40に接続され、他端が電源電圧に接続されている。また、トランジスタTrは、バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子がRESET端子40に接続され、ベース端子がマイコン20の出力ポート56に接続され、エミッタ端子がローレベルの電位に接続されている。このような構成のため、トランジスタTrがオフの状態では、プルアップ抵抗Rが有効となり、RESET端子40に入力される初期化信号の出力レベルはハイレベル(非アクティブレベル)となる。一方、トランジスタTrがオンすると、初期化信号の出力レベルはローレベル(アクティブレベル)になる。
そして、本第2実施形態では、マイコン20が、マスク不可割込が発生して退避処理を実行した後、後述するような専用手順で、出力ポート56からハイ信号を出力する点が異なっている。以下、専用手順の例を挙げる。
〈1〉まず、出力ポート56用のレジスタ(以下、POUTとする)に設定するためのデータを、そのPOUTとは別の汎用レジスタに用意する。この場合、例えばムーブ命令(MOV)を使用する。
〈2〉次に、例えばPCMDレジスタに、POUTと同じ値を設定する。例えばストア命令(ST)を使用する。
〈3〉続いて、POUTを設定する。
〈4〉次に、NOP命令を挿入する。例えば、5つ挿入する。
〈1〉〜〈4〉のプログラム例は以下の通りである。
MOV 0x01,r10
ST.B r10,PCMD :PCMD書込み
ST.B r10,POUT :POUT設定
NOP :ダミー命令
NOP :ダミー命令
NOP :ダミー命令
NOP :ダミー命令
NOP :ダミー命令
(next instruction):
このようなプログラムにより定められたシーケンスによってのみ、出力ポート56用のレジスタ値が書き換えられ、出力ポート56からハイ信号が出力されるようになる。
次に、本第2実施形態では、監視IC10が、図3の処理に代えて図6の処理を実行する点が異なっている。図6の処理は定期的に実行される。尚、図6の処理において、図3の処理と同じステップについては、同じ符号を付している。
図6の処理で、監視IC10は、FSINITを出力して(S220)ループ処理に入ると(S230)、S310で、出力ポート56からハイ信号が出力されたか否かを判定する。尚、監視IC10は、通信回路16を介してマイコン20と通信を行なってそのマイコン20の状態を取得することにより、出力ポート56からハイ信号が出力されたか否かを判定できるようになっている。
S310で、ハイ信号が出力されたと判定すると(S310:YES)、S320に移行し、FSINITの出力を停止する。続いて、S330→S340→S350と進む。
S330では、図示しないタイマによりカウントを開始する共に、続くS340で、そのタイマのカウント値が予め定めた所定値より大きいか否かを判定する。そして、タイマのカウント値が所定値以下の場合、再びS310に戻る。一方、タイマのカウント値が所定値より大きい場合、ループ処理を抜けて、S350に進む。
S350では、FSINITを出力しているか否かを判定する。言い換えれば、マイコン20が未だ異常であるか否かを再判定する。S310:YESから進んだS350では、マイコン20は既にリセットされており、監視IC10はFSINITを出力していないため、否定判定し(S350:NO)、そのまま当該処理を終了する。
一方、S310でハイ信号が出力されていないと判定すると(S310:NO)、その後、S330→S340→S350と進む。
S310:NOから進んだS350では、マイコン20はまだリセットされておらず、監視IC10はFSINITをまだ出力しているため、肯定判定し(S350:YES)、S260に移行する。
S260では、INITを出力すると共に、続くS270で、FSINITの出力を停止する。そしてその後、当該処理を終了する。
次に、図7〜9は、本第2実施形態の作用を表すタイムチャートである。図7は、マイコン20の出力ポート56からハイ信号が出力される例であり、一方、図9は、何らかの原因で、マイコン20の出力ポート56からハイ信号が出力されない例である。図8は、出力ポート56の信号とINITとの関係を表す図である。
図7,9において、1〜3段目は図4の1〜3段目と同じであり、4段目は、出力ポート56から出力される信号を表し、5段目は図4の4段目と同じINITを表す。
まず、図7について説明する。図7で、退避処理が実行されるまでは、図4と同じである。
一方、本第2実施形態では、マイコン20は、退避処理が完了すると、4段目に示すように、出力ポート56からハイ信号を出力する。この際、マイコン20は、上述したような専用手順で、ハイ信号を出力する。
出力ポート56からハイ信号が出力されると、トランジスタTr(図5参照)がオンし、初期化信号のレベルがローレベルになる(INITがローレベルになる)。このため、マイコン20がリセットされる。すると、その後、出力ポート56からの信号の出力状態がハイインピーダンスになり、これによりトランジスタTrがオフし、プルアップ抵抗Rが有効となって、初期化信号のレベルがハイレベルになる(INITがハイレベルになる)。
また、監視IC10は、マイコン20の出力ポート56からハイ信号が出力されると(S310:YES)、FSINITの出力を停止する(S320)。
ここで、出力ポート56の信号とINITとの関係について、図8を用いて詳述する。
図8に示すように、出力ポート56からハイ信号が出力されると、トランジスタTr(図5参照)がオンし、RESET端子40への初期化信号のレベルがローレベルになる。つまり、INITがローレベルになる。この際、出力ポート56からハイ信号が出力されてからINITがローレベルになるまでは、若干の遅延が生じる(遅延時間t1)。
INITがローレベルになると、リセットが有効になる(リセット有効期間T)。
そして、マイコン20がリセットされると、出力ポート56の出力状態がハイインピーダンスになり、トランジスタTrのベース電圧がローレベルになりトランジスタTrがオフする。これに伴って、プルアップ抵抗R(図5参照)が有効となり、RESET端子40への初期化信号のレベルがハイレベルになる。つまり、INITがハイレベルになり、リセットが解除される。尚、出力ポート56の出力状態がハイインピーダンスになってからリセットが解除されるまで、若干の遅延が生じる(遅延時間t2)。
次に、図9について説明する。図9において、1段目〜5段目は、図7の1段目〜5段目と同じである。
また、図9において、マイコン20において退避処理が実行されるまでは、図7と同じである。
そして、監視IC10は、マイコン20において退避処理が実行された後、そのマイコン20の出力ポート56からハイ信号が出力されないと(図9の(3)、S310:NO)、タイマのカウント値が所定値を超えた(S340)タイミングで、FSINITを出力しているか否かを判定する(S350)。
この場合、監視IC10は、FSINITを出力したままであるため(S350:YES)、INITを出力する(図9の(4)、S260)。これにより、マイコン20がリセットされる。また、監視IC10は、INITを出力すると、FSINITの出力を停止する(S270)。
以上のように、本第2実施形態のECU1では、マイコン20が、退避処理が完了したタイミングで自らをリセットするようにしているため、マイコン20が速やかにリセットされるようになる。つまり、マイコン20の異常が検出されてからそのマイコン20が復帰するまでの時間をより短くすることができる。
また、監視IC10からマイコン20にFSINITが出力されてから所定時間経過後に、監視IC10がマイコン20をリセットするため、マイコン20が何らかの原因で自身をリセットできない場合でも、そのマイコン20は確実にリセットされるようになる。このため、マイコン20が暴走し続けることを防止することができる。
また、本第2実施形態では、マイコン20は、上述したような専用手順を踏むことで、出力ポート56からハイ信号を出力するため、例えば外乱等の影響で出力ポート56用のレジスタに誤った値を書き込み、これによりマイコン20が誤ってリセットされてしまうことを防止することができる。
尚、本第2実施形態において、プルアップ抵抗R及びトランジスタTrからなる回路がリセット信号出力回路に相当し、トランジスタTrがスイッチに相当し、S310の処理が受信判定処理に相当している。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本第3実施形態のECU1は、第1実施形態のECU1と同じ構成を備えている。
一方、第3実施形態のECU1は、第1実施形態のECU1と比較して、マイコン20が、図2の処理に代えて、図10の処理を実行する点が異なっている。また、監視IC10が、図3の処理に代えて、図11の処理を実行する点が異なっている。尚、図10において、図2と同じステップについては同じ符号を付している。また、図11において、図3,6と同じステップについては同じ符号を付している。
具体的に、図10の処理は、図2の処理と比較して、S410の処理をさらに実行する点が異なっている。
つまり、図10の処理では、S140で退避処理が完了したと判定すると(S140:YES)、S410に移行し、退避処理が完了したことを表す退避完了パルスを監視IC10に出力する。
ここで、マイコン20は、WDCパルスを出力する出力ポート54から、退避完了パルスを出力する。そして、監視IC10において、マイコン20から受信したパルスが退避完了パルスであるか或いはWDCパルスであるかを判断するようになっている。
具体的に、監視IC10は、FSINITを出力している間にマイコン20から受信したパルスを退避完了パルスと判断し、FSINITを出力していない間にマイコン20から受信したパルスをWDCパルスと判断する。
例えばS410では、マイコン20はまだリセットされていない(INITを受信していない)。そうすると、監視IC10からFSINITは出力されている。このため、S410で監視IC10に出力したパルスは、監視IC10において退避完了パルスと認識される。
次に、図11の処理を、図6の処理と比較すると、図11では、S310の処理を実行しない点と、S510及びS520の処理を実行する点とが異なっている。
つまり、図11の処理では、FSINITを出力して(S220)ループ処理に入ると(S230)、S510で、退避完了パルスを受信したか否かを判定する。
S510で退避完了パルスを受信したと判定すると(S510:YES)、退避処理が完了したと判断してS520に移行し、INITを出力する。そしてその後、S320に移行する。S320〜S350、S260及びS270の処理は、図6の処理と同様である。
一方、S510で退避完了パルスを受信していないと判定すると(S510:NO)、S330に移行する。
次に、図12,13は、本第3実施形態の作用を表すタイムチャートである。図12は、マイコン20から退避完了パルスが出力された例であり、図13は、何らかの原因でマイコン20から退避完了信パルスが出力されない例である。
図12,図13において、1段目〜4段目は、図1の1段目〜4段目と同じである。
図12に示すように、マイコン20は、退避処理が完了すると(S140:YES)、退避完了パルスを出力する(S410)。
監視IC10は、マイコン20からの退避完了信パルスを受信すると(S510:YES)、マイコン20にINITを出力する(S520)。その後は、図7と同じである。
次に、図13について説明する。
図13において、退避処理が完了した後、何らかの原因で退避完了パルスが出力されないと(図13の(3)、S510:NO)、タイマのカウント値が所定値を超えた(S340)タイミングで、FSINITを出力しているか否かを判定する(S350)。
この場合、監視IC10は、FSINITを出力したままであるため(S350:YES)、INITを出力する(図13の(4)、S260)。これにより、マイコン20がリセットされる。また、監視IC10は、INITを出力すると、FSINITの出力を停止する(S270)。
つまり、マイコン20から退避完了パルスが出力されない場合でも、FSINITが出力されてから所定時間が経過すれば、マイコン20がリセットされるようになる。
以上のように、本第3実施形態では、マイコン20は、退避処理が完了したタイミングで退避完了パルスを監視IC10に出力し、監視IC10は、退避完了パルスを受信するとマイコン10をリセットするため、マイコン10が速やかかつ確実にリセットされるようになる。また、マイコン20から、なんらかの原因で退避完了パルスが出力されない場合でも、監視IC10は、FSINITを出力してから所定時間経過後にマイコン20をリセットするため、マイコン20が暴走し続けてしまうことを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態において、WDCパルスの出力に際し、マイコン20が備える汎用ポート及びその汎用ポート用のレジスタを用い、そのレジスタに値を設定することで汎用ポートからWDCパルスが出力されるような構成でも良いし、通信回路を利用してWDCパルスが出力されるように構成しても良い。
また上記実施形態において、監視IC10は、WDCパルスの周期を算出し、その周期が所定の周期と一致しない場合マイコン20が異常であると判断しても良いし、WDCパルス(或いはそのWDCパルスを含む信号)が所定期間反転しない場合、マイコン20が異常であると判断しても良い。この場合、その判断に用いる所定周期の値や所定期間の値は、ECU1が書き換え自在に記憶しておくように構成すると良い。
また、上記実施形態において、監視IC10に代えて、マイコン20の動作を監視するサブマイコンを設けても良い。
また、上記実施形態において、バックアップRAM44は、マイコン20の外部に設けられていても良い。
また、上記実施形態において、マイコン20の状態を表す情報を、図示しない不揮発性のメモリに記憶させるようにしても良い。そして、この不揮発性のメモリは、マイコン内部に設けられていても良いし、マイコン外部に設けられていても良い。
また、上記実施形態において、車両のエンジン回転数や車速など、その車両の状態を表す情報をバックアップRAM44に退避させるようにしても良い。
また、上記第2実施形態において、第3実施形態を適用しても良い。つまり、マイコン20は、退避処理が完了すると自らをリセットすると共に、退避完了パルスを監視IC10に出力するようにしても良い。これによれば、マイコン20は、自身によるリセット及び監視IC10からのリセットの少なくとも何れかによりリセットされることを期待でき、マイコン20が暴走し続けることをより確実に防止できる。
第1実施形態のECU1の構成図である。 第1実施形態のマイコン20のCPU42が実行する処理のフローチャートである。 第1実施形態の監視IC10が実行する処理のフローチャートである。 第1実施形態の作用を表すタイムチャートである。 第2実施形態のECU1の構成図である。 第2実施形態の監視IC10が実行する処理のフローチャートである。 第2実施形態の作用を表すタイムチャートである(その1)。 ポート出力とINITの関係を表す詳細図である。 第2実施形態の作用を表すタイムチャートである(その2)。 第3実施形態のマイコン20のCPU42が実行する処理のフローチャートである。 第3実施形態の監視IC10が実行する処理のフローチャートである。 第3実施形態の作用を表すタイムチャートである(その1)。 第3実施形態の作用を表すタイムチャートである(その2)。
1…ECU、10…監視IC、12…監視制御回路、14…ウォッチドッグタイマ、16…通信回路、18…出力ポート、20…マイコン、22…噴射制御回路、24…点火制御回路、26…スロットル制御回路、28…監視制御回路、30…割込制御回路、32…NMI端子、34…INT端子、36…通信回路、38…システム制御回路、40…RESET端子、42…CPU、44…バックアップRAM、46…ROM、48…RAM、50…I/Oポート、54,56…出力ポート

Claims (20)

  1. 制御対象を制御するための処理を行うマイコンと、該マイコンの動作を監視する監視ICとを備え、前記監視ICが前記マイコンの異常を検出すると、その異常が検出されたマイコンがリセットされるように構成された電子制御装置において、
    前記マイコンが備える出力ポートからの信号により、リセット信号を前記マイコンが備えるリセット端子に出力するリセット信号出力回路を備えており、
    前記監視ICは、
    前記マイコンの異常を検出すると、その異常を検出したマイコンに、異常を通知するための異常通知信号を出力するようになっており、
    前記マイコンに前記異常通知信号を出力してから予め定められた時間が経過した際、そのマイコンが異常であるか否かを、前記異常通知信号を出力中であるか否かに基づき再判定し、前記異常通知信号を出力中であることに基づき前記マイコンが異常であると判定すると、リセット信号を前記リセット端子に出力するようになっていると共に、前記予め定められた時間は、前記マイコンが前記退避処理を完了するのに必要な時間よりも大きい時間であり、
    前記マイコンは、
    前記出力ポート及び前記リセット端子を備え、
    契機信号が入力されるとマスク不可能な割り込み(以下、マスク不可割込と言う)を発生させる割込発生回路を備えると共に、そのマスク不可割込で、異常の解析に必要な情報を所定のメモリに記憶させる退避処理を行うようになっており、
    前記異常通知信号は、前記マスク不可割込を発生させる契機信号として前記割込発生回路に入力されるように構成され
    前記退避処理が完了すると、前記出力ポートから前記リセット信号出力回路に信号を出力して、そのリセット信号出力回路に前記リセット信号を出力させるようになっており、
    さらに、前記監視ICは、前記リセット信号出力回路から前記リセット信号が出力されたか否かを判定し、出力されたと判定すると、前記異常通知信号の出力を停止するようになっている
    ことを特徴とする電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記割込発生回路は、入力される信号を前記マスク不可割込を発生させるための契機信号として受け付けるNMI(Non Maskable Interrupt)端子を備えた回路であり、前記異常通知信号は、前記マスク不可割込を発生させるための契機信号として前記NMI端子に入力されるようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子制御装置において、
    前記マイコンは、自身の動作が正常ならば、パルスが一定時間以内毎に発生する信号(以下、正常通知信号と言う)を出力するようになっており、
    前記監視ICは、前記正常通知信号を監視して、前記パルスが前記一定時間以内に出力されていないと判断すると、前記マイコンの異常と判断するようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  4. 請求項3に記載の電子制御装置において、
    前記監視ICは、前記正常通知信号の出力レベルが所定の期間反転しない場合、前記マイコンの異常と判断するようになっており、
    当該電子制御装置は、前記監視ICが前記判断に用いる前記所定期間の値を書き換え自在に記憶していることを特徴とする電子制御装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の電子制御装置において、
    前記監視ICは、前記パルスの周波数を算出して、該算出した周波数が所定の周波数と一致しない場合、前記マイコンの異常と判断するようになっており、
    当該電子制御装置は、前記監視ICが前記判断に用いる前記所定周波数の値を書き換え自在に記憶していることを特徴とする電子制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記マイコンは、リセット端子を備えており、
    前記監視ICは、前記異常通知信号を出力してから、予め定められた時間が経過した後に、リセット信号を前記リセット端子に出力するようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の電子制御装置において、
    前記マイコンは、
    リセット端子を備えており、
    前記異常通知信号を受信することで前記退避処理を実行してその退避処理が完了すると、完了した旨を表すパルス(以下、退避完了パルスと言う)を前記監視ICに出力するようになっており、
    前記監視ICは、前記退避完了パルスを受信したか否かを判定する受信判定処理を実行し、該受信判定処理で前記退避完了パルスを受信したと判定すると、リセット信号を前記リセット端子に出力するようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  8. 請求項3ないし請求項5の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記マイコンは、
    リセット端子を備えており、
    前記異常通知信号を受信することで前記退避処理を実行してその退避処理が完了すると、完了した旨を表すパルス(以下、退避完了パルスと言う)を前記監視ICに出力するようになっており、
    前記監視ICは、前記退避完了パルスを受信したか否かを判定する受信判定処理を実行し、該受信判定処理で前記退避完了パルスを受信したと判定すると、リセット信号を前記リセット端子に出力するようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  9. 請求項8に記載の電子制御装置において、
    前記マイコンは、前記退避完了パルスを、前記正常通知信号を出力するポートと同じポートから出力するようになっており、
    前記監視ICは、前記退避完了パルスと、前記正常通知信号のパルスとの別を区別できるように構成されていることを特徴とする電子制御装置。
  10. 請求項9に記載の電子制御装置において、
    前記監視ICは、前記マイコンが異常である間、前記異常通知信号を出力し、前記マイコンが正常である間、前記異常通知信号を出力しないようになっており、
    前記監視ICは、前記異常通知信号を出力しているときに前記マイコンから受信したパルスを前記退避完了パルスと判断し、前記異常通知信号を出力していないときに前記マイコンから受信したパルスを前記正常通知信号のパルスと判断するようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  11. 請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記リセット信号はローレベルの信号であり、
    前記リセット信号出力回路は、前記リセット端子とローレベルの電位との間に設けられたスイッチを備え、
    前記マイコンは、前記退避処理が完了すると、前記出力ポートから前記スイッチに信号を出力してそのスイッチをオンし、
    そのスイッチがオンすることで前記リセット端子に前記リセット信号が入力されるようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  12. 請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記出力ポートから信号を出力するために前記マイコンが実行する処理は、複数の処理ステップからなることを特徴とする電子制御装置。
  13. 請求項1ないし請求項12の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記マイコンは、前記リセット端子に前記リセット信号が入力されて自身がリセットされると、前記出力ポートの信号の出力状態をハイインピーダンスにするようになっていることを特徴とする電子制御装置。
  14. 請求項ないし請求項13の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記所定のメモリは、常時給電されるバックアップRAMであることを特徴とする電子制御装置。
  15. 請求項ないし請求項1の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記所定のメモリは、不揮発性のメモリであることを特徴とする電子制御装置。
  16. 請求項1ないし請求項15の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記所定のメモリは、前記マイコンの外部に設けられていることを特徴とする電子制御装置。
  17. 請求項1ないし請求項1の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記異常の解析に必要な情報は、前記マイコンが備えるROM及びRAMの両方又は一方の情報であることを特徴とする電子制御装置。
  18. 請求項1ないし請求項17の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記異常の解析に必要な情報は、前記マイコンが備えるレジスタに格納された情報であることを特徴とする電子制御装置。
  19. 請求項1ないし請求項18の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    前記異常の解析に必要な情報は、前記マイコンのスタック領域及びスタックポインタレジスタの情報であることを特徴とする電子制御装置。
  20. 請求項1ないし請求項19の何れか1項に記載の電子制御装置において、
    当該電子制御装置は車両の各部を制御する電子制御装置であり、
    前記異常の解析に必要な情報は、前記車両の状態を表す情報であることを特徴とする電子制御装置。
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