JP4692363B2 - 配線基板のめっき形成方法、及びめっき装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法、及びめっき装置で用いる配線基板の断面図であり、(a)は無電解すずめっき層を形成する前の配線板の断面図を示し、(b)は図1(a)のA−A’線から見た配線板の断面図を示す。図2は、本発明の一実施形態にかかるめっき形成方法の説明図であり、めっき処理の時間と、無電解すずめっき層の厚さとの関係を示すグラフ図である。また、図3は、本発明の一実施形態にかかる無電解すずめっき装置の断面図である。
まず、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法の説明に先立ち、めっき対象物として用いられる配線基板PWDの構造について、図1を用いて説明する。
図1(a)は、無電解すずめっき層6を形成する前の配線基板PWDの断面図である。
図1(a)に示すとおり、配線基板PWDは、ポリイミドフィルム等から成る絶縁基材1と、絶縁基材1上に形成される銅層から成る配線パターン2と、配線パターン2上を部分的に覆うソルダーレジスト等から成る保護層5と、から構成される。
ただし、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法は、配線パターン2が、ニッケル合金層3を介さず、銅層4のみから成る場合であっても適応可能である。
続いて、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法について、図2を用いて説明する。図2は、めっきの処理時間(横軸)と、無電解すずめっき層の厚さ(縦軸)との関係を示している。図2において、時刻t0、t2、t4とは、配線基板PWDの一部が無電解めっき液に最初に接触した時刻、すなわち浸漬処理の開始時刻をいう。また、時刻t1、t3、t5とは、配線基板PWDの全体が無電解めっき液から完全に引き上げられた時刻、すなわち中断処理の開始時刻をいう。
そして、そのまま浸漬処理を継続すると、局部電池の効果が増大してすずの針状結晶が析出・成長し、また、銅層4やニッケル合金層3がえぐれるという問題が発生する。
例えば、初期めっき層の厚さh1は、0.32μm以下であることが好ましく、0.30μm以下とすることがより望ましい。また、初期めっき層を析出させるまでの浸漬時間T1は60秒以下とすることが好ましい。ただし、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法は、必ずしも上記の条件に制限されない。
時刻t1から時刻t2までの中断時間S1は、局部電池の効果を低減する所要時間を目安に定めることが好ましく、例えば、中断時間S1は15秒から180秒程度確保することが好ましい。ただし、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法は、必ずしも上記の条件に制限されない。
また、時刻t3から時刻t4までの中断時間S2も、局部電池の効果を低減する所要時間を目安に定める。中断時間S1、S2も、それぞれ同じであっても、異なっていても構わない。
続いて、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき装置10について、図3を用いて説明する。
本発明の一実施形態にかかるめっき装置10は、テープ状の配線基板PWDをリールツーリール法(reel−to−reel process)で製造するものである。なお、リールツーリール法とは、リール(図示しない)に巻き取られたテープ状の配線基板PWDを引き出して、所定の速度で移動させながら無電解めっき液に浸漬し、めっき処理を行うものである。
続いて、めっき装置10の各構成部品の動作について、図2、及び図3を用いて説明する。
続いて、上述した液中ローラ、及び引き上げローラの各位置を説明する。
例えば、無電解すずめっき層6の初期めっき層の厚さh1は、0.32μm以下であることが好ましく、0.30μm以下とすることがより望ましい。また、初期めっき層を析出させるまでの浸漬時間T1は60秒以下とすることが好ましい。ただし、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法は、必ずしも上記の条件に制限されない。
例えば、配線パターンのリード間の間隔が十分に広くとも、すずの針状結晶が析出していると、配線基板を用いて製造した半導体装置を動作させている間に、マイグレーション、すなわち、針状結晶が成長して、配線パターンの短絡が発生することがある。
これに対し、本発明の一実施形態にかかる配線基板のめっき形成方法、及びめっき装置10によれば、すずの針状結晶の析出、及び成長が抑制されているので、マイグレーションによる配線パターンの短絡を防ぐことができる。
実施例1〜5では、初期めっき層の厚さh1を0.32μm以下として、配線パターン2の露出面に無電解すずめっき層6を形成した。具体的には、実施例1から実施例5の初期めっき層の厚さh1を、それぞれ0.1μm、0.15μm、0.22μm、0.27μm、0.32μmとした。
一方、比較例1〜6では、初期めっき層の厚さh1を、0.33μm以上、0.43μm以下として無電解すずめっき層6を形成した。具体的には、比較例1から比較例6の初期めっき層の厚さh1を、それぞれ0.33μm、0.35μm、0.38μm、0.41μm、0.42μm、0.42μmとした。
特に、初期めっき層の厚さh1が0.35μm以上、0.43μm以下の比較例(比較例2〜6)において、すずの針状結晶が多く発生することが確認できた。
2 配線パターン
3 ニッケル合金層
4 銅層
5 保護層
6 無電解すずめっき層
10 めっき装置
11 めっき槽
12 搬入ローラ
13 搬出ローラ
14a 液中ローラ
14b 液中ローラ
14c 液中ローラ
15a 引き上げローラ
15b 引き上げローラ
16 無電解めっき液
PWD 配線基板
Claims (6)
- 絶縁基材上に銅層から成る配線パターンが形成され、前記配線パターン上に該配線パターンを部分的に覆う絶縁体から成る保護層が形成された配線基板を、めっき液に浸漬して、前記配線パターンの露出面を覆うすずめっき層を形成する配線基板のめっき形成方法であって、
前記配線基板を前記めっき液に浸漬する浸漬処理の途中で、前記配線基板を前記めっき液から引き上げて前記浸漬処理を中断する中断処理を一つのめっき槽内で1回以上行う
ことを特徴とする配線基板のめっき形成方法。 - 前記銅層が、前記絶縁基材上に形成されたニッケル合金層を下地として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板のめっき形成方法。
- 前記配線基板を前記めっき液に最初に浸漬してから、最初に引き上げるまでの1回目の浸漬処理で形成する前記無電解めっき層の厚さを0.32μm以下にする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板のめっき形成方法。 - 前記配線基板を前記めっき液に最初に浸漬してから、最初に引き上げるまでの1回目の浸漬処理の処理時間を60秒以下にする
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の配線基板のめっき形成方法。 - 前記配線基板を前記めっき液から引き上げた後、再び浸漬するまでの1回の中断時間を15秒以上180秒以下にする
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の配線基板のめっき形成方法。 - 絶縁基材上に銅層から成る配線パターンが形成され、前記配線パターン上に該配線パターンを部分的に覆う絶縁体から成る保護層が形成された配線基板に、前記配線パターンの露出面を覆う無電解めっき層を形成するための配線基板のめっき装置であって、
めっき液を蓄える一つのめっき槽と、
前記配線基板を前記めっき槽に搬入するための搬入ローラと、
前記配線基板を前記めっき槽から搬出させるための搬出ローラと、
前記搬入ローラから搬入される前記配線基板をめっき液中に搬送させ、めっき液中から前記搬出ローラへ搬出するための複数個の液中ローラと、
前記液中ローラ間に設けられ、前記配線基板をめっき液から引き上げるための引き上げローラと、
を備えることを特徴とする配線基板のめっき装置。
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