JP4692267B2 - 電流検出装置および電流制御装置 - Google Patents
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Description
(1)ノイズに強く安定かつ高精度に電流検出を行うことが可能で低消費電力な電流検出装置を低コストに提供する。
(2)上記(1)の電流検出装置を用いることにより、負荷の駆動電流を安定かつ高精度に制御可能で低消費電力な電流制御装置を低コストに提供する。
(3)上記(1)の電流検出装置を用いることにより、蓄電池の充電電流を安定かつ高精度に制御可能で低消費電力な電流制御装置を低コストに提供する。
電源(11)から負荷(F)に供給される駆動電流を制御する第1電流駆動素子(13)と、
その第1電流駆動素子の駆動電流に比例した検出電流が流れる第2電流駆動素子(15)と、
その第2電流駆動素子の検出電流が流れる検出抵抗(19)と、
その検出抵抗の両端間に発生する電圧をアナログ信号とし、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路(20)と
を備えた電流検出装置(CDa,CDb)であって、
前記第1電流駆動素子は電源と負荷の間に接続されたハイサイド構成をとり、
前記各電流駆動素子に流れる電流の比を設定する電流設定回路(CA)を備え、
前記AD変換回路(20)が出力したデジタル信号に合わせて前記検出抵抗(19)の抵抗値を調整することを技術的特徴とする。
請求項1に記載の電流検出装置において、
前記AD変換回路は、アナログ信号がコンデンサに直接入力される形式であることを技術的特徴とする。
請求項1または請求項2に記載の電流検出装置において、
前記各電流駆動素子と前記検出抵抗と前記AD変換回路とが1個の半導体チップ上に集積化されていることを技術的特徴とする。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流検出装置における前記AD変換回路が出力したデジタル信号に基づいて、前記第1電流駆動素子を駆動制御する駆動制御手段(21〜24)を備えた電流制御装置(12)を技術的特徴とする。
請求項4に記載の電流制御装置において、
前記電源はオルタネータ(11)であると共に、前記負荷は前記オルタネータの界磁巻線(F)であり、その界磁巻線の駆動電流を制御することにより、前記電源に接続された蓄電池(BATT)の充電電流を制御することを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、検出抵抗(19)によって第2電流駆動素子(15)の検出電流が電圧に変換され、その検出抵抗が変換した電圧(検出抵抗の両端間電圧)がAD変換回路(20)によってデジタル信号に変換される。
そして、電流設定回路(CA)によって各電流駆動素子に流れる電流の比が設定され、各電流駆動素子の電流は比例するため、第2電流駆動素子(15)の検出電流を検出抵抗(19)およびAD変換回路(20)を用いて検出すれば、第1電流駆動素子(13)の駆動電流を間接的に検出することができる。
しかし、請求項1の電流検出装置(CDa)では、電圧脈動により電源電圧が不安定で、且つ、検出抵抗(19)に抵抗値のバラツキがある場合でも、各電流駆動素子の電流の比が変化せず、検出抵抗の両端間電圧も変化しないため、AD変換回路(20)の生成するデジタル信号に誤差が発生しないことから、安定した電流検出を行うことが可能になり、電流検出の精度を高めることができる。
そして、請求項1の発明では、AD変換回路(20)が出力したデジタル信号に合わせて検出抵抗(19)の抵抗値を調整するため、第1電流駆動素子(13)の駆動電流を最適に設定可能になり、前記作用・効果を更に高めることができる。
AD変換回路(20)として、アナログ信号がコンデンサに直接入力される形式のAD変換回路を使用すれば、そのAD変換回路(20)のコンデンサと検出抵抗(19)とでパッシブ型の一次ローパスフィルタが構成されるため、検出抵抗(19)の両端間電圧に含まれるノイズ成分を吸収除去することができる。
尚、そのノイズ成分には、例えば、電源としてのオルタネータ(11)が発生した転流ノイズや、各電流駆動素子(13,15)が発生したスイッチングノイズなどがある。
ちなみに、アナログ信号がコンデンサに直接入力される形式のAD変換回路には、例えば、重み付けされたコンデンサアレイを用いる逐次比較方式の電荷比較方式、電荷平衡形、二分割形逐次比較方式などがある。
請求項3の発明によれば、電流検出装置は1個の半導体チップ(ワンチップ)上に集積化されたモノリシックICによって構成されているため、小型化できると共に低コストに提供できる。
そして、検出抵抗(19)およびAD変換回路(20)は1個の半導体チップ上に集積化されているため、前記パッシブ型一次ローパスフィルタのフィルタ定数を安定的に保証できる。
(A)レーザートリミング可能な薄膜抵抗によって検出抵抗(19)を形成しておき、当該薄膜抵抗にレーザーを照射してカットすることで抵抗値を調整する方法。
(B)直列接続されたツェナーダイオードと抵抗から成る素子を複数個設けて各素子を並列接続しておき、ツェナーダイオードのPN接合間に対して逆方向に過大な電力を印加すると破壊される性質を利用したツェナーザッピング技術により、前記各素子のうち適宜な素子のツェナーダイオードを破壊断線させることで並列接続された各素子全体の抵抗値を調整する方法。
(C)複数個の抵抗を並列接続しておき、各抵抗のうちの適宜な抵抗に過大電流を流して破壊断線させることで並列接続された各抵抗全体の抵抗値を調整する方法。
請求項4の発明では、AD変換回路(20)が生成したデジタル信号(検出抵抗が変換した電圧)は、第1電流駆動素子(13)の駆動電流(負荷の駆動電流)に対応しているため、電流制御装置(12)は第1電流駆動素子(13)の駆動電流に基づいて当該駆動電流を制御していることになる。
つまり、電流検出装置(CDa,CDb)が間接的に検出した第1電流駆動素子(13)の駆動電流に基づいて、電源(11)から負荷(F)に供給される駆動電流が設定値になるように駆動制御手段(21〜24)がフィードバック制御を行っているわけである。
従って、請求項4の発明によれば、請求項1〜3の電流検出装置(CDa,CDb)を用いることにより、負荷の駆動電流を安定かつ高精度に制御可能で低消費電力な電流制御装置(12)を低コストに提供できる。
請求項5の発明において、負荷としての界磁巻線(F)の駆動電流(オルタネータ11の励磁電流)は、電源としてのオルタネータ(11)による蓄電池(BATT)の充電電流に対応しているため、界磁巻線(F)の駆動電流を電流検出装置(CDa,CDb)を用いて検出すれば、蓄電池の充電電流を間接的に検出することができる。
そして、界磁巻線(F)の駆動電流を電流制御装置(CDa,CDb)を用いて制御すれば、オルタネータ(11)による蓄電池(BATT)の充電電流を間接的に制御することができる。
従って、請求項5の発明によれば、請求項1〜3の電流検出装置(CDa,CDb)を用いることにより、蓄電池(BATT)の充電電流を安定かつ高精度に制御可能で低消費電力な電流制御装置(12)を低コストに提供できる。
尚、上術した[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した( )内の符号等は、上述した[背景技術]と後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号に対応したものである。
そして、[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した構成部材・構成要素と、[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素との対応関係は以下のようになっている。
「第2電流駆動素子」は、第1実施形態ではトランジスタ15に該当し、第2実施形態ではトランジスタ33に該当する。
「電流検出装置」は、電流検出回路CDa,CDbに該当する。
「駆動制御手段」は、電流制御信号生成回路21、電圧制御信号生成回路22、AND回路23、駆動回路24に該当する。
図1は、第1実施形態の制御システム10の概略構成を示す回路図である。
自動車に搭載された制御システム10は、車載バッテリBATT、スイッチSW、負荷LOAD、オルタネータ11、電流制御装置12から構成されている。
負荷LOADは、車両に搭載された各種電装品(例えば、ECU(Electronic Control Unit)、カーナビゲーション装置、カーエアコンなど)から成る。
Y結線された3相リアクトルは、6個のダイオードから成る界磁整流器Sに接続されている。界磁整流器Sは、バッテリBATTのプラス端子とマイナス端子の間に接続されている。
尚、電流制御装置12は、1個の半導体チップ(ワンチップ)上に集積化されたモノリシックICによって構成されている。
トランジスタ15のドレインはバッテリBATTのプラス端子およびオルタネータ11の界磁整流器Sに接続され、トランジスタ15のソースはオペアンプ16の非反転入力端子に接続されている。
各トランジスタ13,15のゲートには、駆動回路24の生成した駆動制御信号Paが入力されている。
トランジスタ14のゲートには、駆動回路24の生成した駆動制御信号Paの反転制御信号バーPaが入力されている。
各トランジスタ13〜15のソース・ドレイン間には、それぞれ寄生ダイオードDa〜DcがMOSトランジスタの構造上存在している。
電流設定回路CAは、オペアンプ16によってNPNトランジスタ17を駆動制御することにより、各トランジスタ13,15のドレイン電流の比が、各トランジスタ13,15のトランジスタサイズによって決定されるミラー比と等しくなるように、各トランジスタ13,15のドレイン電流を設定する。
また、トランジスタ13のオフ動作とトランジスタ14のオン動作の間では、トランジスタ14の寄生ダイオードDcが還流ダイオードとして機能し、還流電流が寄生ダイオードDcを介して還流される。
尚、トランジスタ14を還流ダイオードに置き換えてもよい。
AD変換回路20は、検出抵抗19の両端間電圧をアナログ信号とし、そのアナログ信号をデジタル信号に変換して、そのデジタル信号を電流制御信号生成回路21へ出力する。
電流制御信号生成回路21は、検出抵抗19の両端間電圧に応じたデジタル信号に基づいて、界磁巻線Fの駆動電流を設定値に制御するための電流制御信号Pbを生成し、その電流制御信号PbをAND回路23へ出力する。
駆動回路24は、各制御信号Pb,Pcの論理積に基づいて、各トランジスタ13〜15を駆動制御するための駆動制御信号Pa,バーPaを生成し、トランジスタ13から界磁巻線Fへ流れる駆動電流を制御する。
また、オルタネータ11の発電電圧が電流制御装置12の電源電圧として供給される。
第1実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
そのため、界磁巻線Fの駆動電流となるトランジスタ13のドレイン電流に比例したドレイン電流がトランジスタ15に流される。
その検出抵抗19が変換した電圧(検出抵抗19の両端間電圧)がAD変換回路20により、デジタル信号に変換されて取り出される。
尚、そのノイズ成分には、例えば、オルタネータ11が発生した転流ノイズや、各トランジスタ13,15が発生したスイッチングノイズなどがある。
尚、前記ノイズの発生時間は例えば数μ〜数百μsecであるが、検出抵抗19の抵抗値は例えば数k〜数百kΩであり、AD変換回路20の前記コンデンサの容量値は例えば数p〜数千pFであるため、前記パッシブ型一次ローパスフィルタで前記ノイズを確実に吸収除去できる。
尚、AD変換回路の前記方式については、各種文献(例えば、「図解A/Dコンバータ入門」著者:米山寿一,出版社:オーム社,昭和58年9月25日発行,p.99〜113など)に詳述されており公知であるため説明を省略する。
また、AD変換回路20が生成したデジタル信号に合わせて検出抵抗19の抵抗値を適宜調整すれば、前記[1−3]で説明したAD変換回路20の前記コンデンサと検出抵抗19とから構成されるパッシブ型一次ローパスフィルタのフィルタ定数(カットオフ周波数)を最適に設定可能になるため、前記[1−3]の作用・効果を更に高めることができる。
(A)レーザートリミング可能な薄膜抵抗によって検出抵抗19を形成しておき、当該薄膜抵抗にレーザーを照射してカットすることで抵抗値を調整する方法。
(B)直列接続されたツェナーダイオードと抵抗から成る素子を複数個設けて各素子を並列接続しておき、ツェナーダイオードのPN接合間に対して逆方向に過大な電力を印加すると破壊される性質を利用したツェナーザッピング技術により、前記各素子のうち適宜な素子のツェナーダイオードを破壊断線させることで並列接続された各素子全体の抵抗値を調整する方法。
(C)複数個の抵抗を並列接続しておき、各抵抗のうちの適宜な抵抗に過大電流を流して破壊断線させることで並列接続された各抵抗全体の抵抗値を調整する方法。
そして、電流制御装置12はモノリシックICによって構成されているため、小型化できると共に低コストに提供できる。
そして、AND回路23により、電圧制御信号生成回路22が生成した電圧制御信号Pcと、電流制御信号Pbとの論理積がとられる。
また、駆動回路24により、各制御信号Pb,Pcの論理積に基づいた駆動制御信号Paが生成される。
その駆動制御信号Paによって各トランジスタ13,15のオンオフ動作が駆動制御されることにより、界磁巻線Fの駆動電流が制御される。
つまり、制御システム10では、電流検出回路CDaが間接的に検出したトランジスタ13のドレイン電流(界磁巻線Fの駆動電流)に基づいて、界磁巻線Fの駆動電流が設定値になるように各回路20〜24がフィードバック制御を行っているわけである。
従って、第1実施形態によれば、電流検出回路CDaを用いることにより、負荷としての界磁巻線Fの駆動電流を安定かつ高精度に制御可能で低消費電力な電流制御装置12を低コストに提供できる。
そして、界磁巻線Fの駆動電流を制御システム10(電流制御装置12)を用いて制御すれば、オルタネータ11によるバッテリBATTの充電電流を間接的に制御することができる。
従って、第1実施形態によれば、電流検出回路CDaを用いることにより、バッテリBATTの充電電流を安定かつ高精度に制御可能で低消費電力な電流制御装置12を低コストに提供できる。
図2は、第2実施形態の制御システム30の概略構成を示す回路図である。
制御システム30において、第1実施形態の制御システム10と異なるのは以下の点だけである。
各トランジスタ32,33のゲートには、駆動回路24の生成した駆動制御信号Paが入力されている。
各トランジスタ32,33のソース・ドレイン間には、それぞれ寄生ダイオードDd,DeがMOSトランジスタの構造上存在している。
そして、各トランジスタ32,33のオフ動作時には、各トランジスタ32,33の寄生ダイオードDd,Deが還流ダイオードとして機能し、界磁巻線Fに発生した還流電流が寄生ダイオードDd,Deを介して還流される。
検出抵抗19にはトランジスタ33のドレイン電流が流れ、検出抵抗19の両端間に発生する電圧は当該ドレイン電流に応じた電圧値になる。
第2実施形態によれば、第2実施形態の前記[1−3][1−4][1−6]と同様の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
ここで、界磁巻線Fの駆動電流は各トランジスタ32,33のドレイン電流の合計値である。
その検出抵抗19が変換した電圧(検出抵抗19の両端間電圧)がAD変換回路20により、デジタル信号に変換されて取り出される。
そのため、当該電源電圧に電圧脈動(リップル)が存在して電源電圧が不安定な場合でも、界磁巻線Fのインダクタンスにより、各トランジスタ32,33のゲート・ソース間電圧は変動し難くなり、各トランジスタ32,33のドレイン電流も変動し難くなる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
また、第2において、PチャネルMOSトランジスタ32,33をPNPトランジスタに置き換えてもよい。
また、各トランジスタ13〜15,32,33は、MOSトランジスタやバイポーラトランジスタに限らず、どのような電流駆動素子(例えば、IGBT、SIT、サイリスタなど)に置き換えてもよい。
しかし、本発明は、界磁巻線Fに限らず、どのような電気負荷に流れる電流を検出する電流検出回路(電流検出装置)に適用してもよい。
また、本発明は、界磁巻線Fに限らず、どのような電気負荷の駆動電流を制御する制御システム(制御装置)に適用してもよい。
しかし、電流制御装置12,31をハイブリッドICによって構成してもよい。
BATT…車載バッテリ
SW…スイッチ
LOAD…負荷
11…オルタネータ
RT…3相リアクトル
S…界磁整流器
F…界磁巻線
12,31…電流制御装置
13,14…Nチャネル・パワーMOSトランジスタ
15…NチャネルMOSトランジスタ
16…オペアンプ
17…NPNトランジスタ
18…保護抵抗
19…検出抵抗
20…AD変換回路
21…電流制御信号生成回路
22…電圧制御信号生成回路
23…AND回路
24…駆動回路
CA…電流設定回路
CDa,CDb…電流検出回路(電流検出装置)
Claims (5)
- 電源から負荷に供給される駆動電流を制御する第1電流駆動素子と、
その第1電流駆動素子の駆動電流に比例した検出電流が流れる第2電流駆動素子と、
その第2電流駆動素子の検出電流が流れる検出抵抗と、
その検出抵抗の両端間に発生する電圧をアナログ信号とし、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路と
を備えた電流検出装置であって、
前記第1電流駆動素子は電源と負荷の間に接続されたハイサイド構成をとり、
前記各電流駆動素子に流れる電流の比を設定する電流設定回路を備え、
前記AD変換回路が出力したデジタル信号に合わせて前記検出抵抗の抵抗値を調整することを特徴とする電流検出装置。 - 請求項1に記載の電流検出装置において、
前記AD変換回路は、アナログ信号がコンデンサに直接入力される形式であることを特徴とする電流検出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電流検出装置において、
前記各電流駆動素子と前記検出抵抗と前記AD変換回路とが1個の半導体チップ上に集積化されていることを特徴とする電流検出装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流検出装置における前記AD変換回路が出力したデジタル信号に基づいて、前記第1電流駆動素子を駆動制御する駆動制御手段を備えたことを特徴とする電流制御装置。
- 請求項4に記載の電流制御装置において、
前記電源はオルタネータであると共に、前記負荷は前記オルタネータの界磁巻線であり、その界磁巻線の駆動電流を制御することにより、前記電源に接続された蓄電池の充電電流を制御することを特徴とする電流制御装置。
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