JP4691776B2 - インクジェットヘッド駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電素子を用いたオンデマンド型インクジェットヘッドの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧電型のインクジェットヘッドでは、ノズル孔に付設されたピエゾ素子(圧電素子)に対して急峻に変化する駆動電圧を印加することにより、ピエゾ素子に体積変動を発生させ、それによるインク室の体積変化でノズル孔からインク滴を用紙上に吐出させ、各種の記録を行う構造となっている。
【0003】
また、ピエゾ素子は、電気的特性がキャパシタンスであることから、一度ある電位まで充電してしまうと、基本的にはその電位を保持し、その電圧による変位量を保つことになる。
【0004】
以下に、従来のインクジェットヘッド駆動装置について説明する。
【0005】
図9は、従来のインクジェットヘッド駆動装置のブロック図であり、急峻な吐出電圧波形を生成する吐出電圧波形生成装置201、ピエゾ素子P1,P2,P3から構成されるインクジェットヘッド202、印字データ発生装置204からの印字データに応じて吐出電圧波形生成装置201からの出力電圧波形Vampをインクジェットヘッド202の各ピエゾ素子P1,P2,P3へ供給するヘッドドライバ203を有している。そして、ヘッドドライバ203は、各ピエゾ素子P1,P2,P3に対応した個数分のSW(スイッチ)203−1,SW203−2,SW203−3で構成されている。
【0006】
また、印字周期毎に印字データをヘッドドライバ203へ発生する印字データ発生装置204は、ここでは、図10(従来のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャート)に示すように、ENB203−1,ENB203−2,ENB2−3が各印字周期毎にON−OFFしてヘッドドライバ203の各SW203−1,SW203−2,SW203−3をON−OFFし、各ピエゾ素子P1,P2,P3への吐出電圧波形生成装置201からの出力電圧波形Vamp印加を制御している。
【0007】
インク滴吐出を行うには、印字データ発生装置204からのENB信号によりヘッドドライバ203のSW203−1,SW203−2,SW203−3がONされて吐出電圧波形生成装置201からの出力電圧波形Vampがピエゾ素子P1,P2,P3に印加され、出力電圧波形VampがGNDレベルからMAX電圧に上昇する期間でインクが吐出されることになる。
【0008】
図示するように、出力電圧波形Vamp波形では、GNDレベルからMAX電圧に上昇する期間が1周期内に2回あり、よってインク滴吐出も2回続けて行われる。そして、各インク滴は空中で合体し、1個の液滴となって吐出することになる。
【0009】
また、吐出電圧波形生成装置201からの出力電圧波形Vampが中間電位Vbaiを基本に構成されているのは、ピエゾ素子P1,P2,P3をあるバイアス電位に固定して所定の方向に変位させた状態を初期変位位置として、その時点から出力電圧波形Vampを印加することにより最適な変位量を常に確保し、インク吐出量を最適にするためであり、ピエゾ素子インクジェットヘッドを制御する方法として一般的に行われているものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図10から分かるように、従来のインクジェットヘッド駆動装置において、印字データ発生装置204からの印字データが長い期間ない場合、つまり、印字データ発生装置204からのENB信号がENB203−3のような場合、ピエゾ素子P3へ蓄えられていた電荷は、ピエゾ素子自体の自己放電で放電してしまう。したがって、PTM10の時点では、バイアス電圧Vbaiに比較してVloも低下することになる。
【0011】
すると、ピエゾ素子P3は初期変位を保持していないことになり、PTM10の信号に対して印字データ発生装置204から印字データが来て吐出電圧波形生成装置201からの出力電圧波形Vampが印加されても、最適な位置からの変位量を確保することができない。
【0012】
そして、これにより最適なインク滴吐出ができず、インク滴吐出が乱れるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、圧電素子のバイアス電位を一定に保つことのできるインクジェットヘッド駆動装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のインクジェットヘッド駆動装置は、印加電圧による圧電素子の歪み力によりインク滴をノズル孔より吐出させるインクジェットヘッド駆動装置であって、インク滴の吐出動作を停止している圧電素子のバイアス電位を一定に保持する電圧を当該圧電素子に印加する非吐出用電圧印加装置が設けられているものである。
【0015】
これにより、圧電素子のバイアス電位を一定に保つことができるので、長時間にわたってインク滴吐出が行われない圧電素子におけるバイアス電位の変動を防止することが可能になって圧電素子の初期変位位置を一定に保つことができ、インク滴の吐出量の安定化を図ることができる。
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明は、印字周期毎に印字データを生成する印字データ発生装置と、印加電圧による歪み力によりインク滴をノズル孔から吐出させる圧電素子を備えたインクジェットヘッドと、印字データ発生装置で生成された印字データに対応して圧電素子に印加される吐出電圧波形を生成する吐出用電圧印加装置と、インク滴非吐出時においてバイアス電圧を一定に保持するために圧電素子に印加される非吐出電圧波形を生成する非吐出用電圧印加装置と、圧電素子に対応した個数分のスイッチで構成され、印字データ発生装置から印字データが送信されているときには吐出用電圧印加装置からの吐出電圧波形を、送信されていないときには非吐出用電圧印加装置からの非吐出電圧波形を、スイッチの切り換えにより圧電素子へ供給するヘッドドライバとを有するインクジェットヘッド駆動装置であり、圧電素子のバイアス電位を一定に保つことができるので、長時間にわたってインク滴吐出が行われない圧電素子におけるバイアス電位の変動を防止することが可能になって圧電素子の初期変位位置を一定に保つことができ、インク滴の吐出量の安定化を図ることができるという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、印字データ発生装置と吐出用電圧印加装置および非吐出用電圧印加装置との間には、吐出用電圧印加装置と非吐出用電圧印加装置の切り換え時電圧を同一にする切り換え電圧制御装置が設けられているインクジェットヘッド駆動装置であり、吐出用電圧印加装置と非吐出用電圧印加装置との切り換え前後で圧電素子への印加電圧の変動が防止されるので、電圧切り換えによる圧電素子への突入電流を抑制することが可能になって変位量を高精度に制御することができるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、非吐出用電圧印加装置とスイッチとの間には抵抗が設けられているインクジェットヘッド駆動装置であり、インク吐出後の圧電素子の電位が徐々にバイアス電位になるので、電圧切り換えによる突入電流を抑制することが可能になるという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、非吐出用電圧印加装置は、吐出用電圧印加装置から出力に応じてON・OFFするダイオードであるインクジェットヘッド駆動装置であり、吐出用電圧印加装置からの出力を利用しているので、非吐出専用の電圧印加装置を独立して設けることなく非吐出ピエゾ素子に対し初期電圧を印加することが可能になるという作用を有する。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図、図2は図1のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャートである。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態のインクジェットヘッド駆動装置は、印字周期毎に印字データを生成する印字データ発生装置4、印加電圧による歪み力によりインク滴をノズル孔から吐出させるピエゾ素子(圧電素子)P1,P2,P3から構成されたインクジェットヘッド5、印字データ発生装置4で生成された印字データに対応してピエゾ素子P1,P2,P3に印加される急峻な吐出電圧波形Vampを生成する吐出用電圧印加装置である電圧波形生成装置1、インク滴非吐出時においてバイアス電圧を一定に保持するためにピエゾ素子P1,P2,P3に印加される非吐出電圧波形Vdcを生成する非吐出用電圧印加装置である電圧波形生成装置2、ピエゾ素子P1,P2,P3に対応した個数分のスイッチSW1,SW2,SW3で構成され、印字データ発生装置4から印字データが送信されているときには電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampを、送信されていないときには電圧波形生成装置2からの非吐出電圧波形Vdcを、スイッチSW1,SW2,SW3の切り換えによりインクジェットヘッド5の各ピエゾ素子P1,P2,P3へ供給するヘッドドライバ3とを有している。
【0024】
印字データ発生装置4は、本実施の形態においては、図2に示すように、ENB1、ENB2、ENB3が各印字周期毎にON−OFFしてヘッドドライバ3の各SWをON−OFFし、電圧波形生成装置1からの出力電圧波形Vampまたは電圧波形生成装置2からの出力電圧波形Vdcの各ピエゾ素子P1,P2,P3に対する印加を制御している。
【0025】
このように構成された本実施の形態のインクジェットヘッド駆動装置について、以下にその動作を説明する。
【0026】
最初に、図2のPTM1時点でのインク滴吐出について説明する。
【0027】
図2において、PTM1時点では、全てのピエゾ素子P1〜P3からインクが吐出されている。
【0028】
ここでは、印字データ発生装置4は、ヘッドドライバ3への各ENB信号ENB1,ENB2,ENB3をLからHにすることにより、各ENB信号のH期間にわたってヘッドドライバ3の各スイッチSW1,SW2,SW3をONにする。
【0029】
これにより、各ピエゾ素子P1〜P3には電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampが印加されることになる。
【0030】
よって、各ピエゾ素子P1〜P3には吐出電圧波形Vampに応答した歪みが発生してインク室の伸縮が起こり、その圧力変化により、インク滴がノズル孔から吐出されることとなる。
【0031】
そして次に、印字データ発生装置4は、各ENB信号をHからLにすることにより電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampの印加を終了させ、吐出モードが完了することとなる。
【0032】
また、ヘッドドライバ3は、各ENB信号がHからLになるに伴い、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampのピエゾ素子P1〜P3に対する印加を停止すると同時に、各スイッチSW1,SW2,SW3を切り換えて、非吐出時用の電圧波形生成装置2からの出力電圧波形Vdcをピエゾ素子P1〜P3に印加する。
【0033】
これにより、ヘッドドライバ3からの出力電圧波形は、吐出電圧波形Vampから非吐出電圧波形Vdcへと切り換わり、各ENB信号のL期間では、常にインク非吐出時用の電圧波形生成装置2からの非吐出電圧波形Vdcがピエゾ素子P1〜P3に対して出力されることとなる。
【0034】
よって、PTM1時点での吐出モードが完了しても、各ピエゾ素子P1,P2,P3にはある一定の歪みを発生させるバイアス電圧Vbaiが印加されることとなり、各ピエゾ素子P1,P2,P3には電圧印加による初期変位量が一定に維持されることとなる。
【0035】
次に、PTM10時点でのインク滴吐出について説明する。
【0036】
図2において、ピエゾ素子P1は、PTM1時点以降、印字周期に同期して連続吐出、その他のピエゾ素子P2,P3は間欠吐出、特に、ピエゾ素子P3は、PTM1時点で吐出を行った以降は長期間インク滴吐出が行われていない状態を示している。
【0037】
PTM1時点と同様、PTM10時点でも、ヘッドドライバ3は、印字データ発生装置4の各ENB信号に応じて各スイッチSW1,SW2,SW3をONにして、各ピエゾ素子P1〜P3からインクを吐出させることとなる。
【0038】
ところが、図2に示すように、長期間インク滴吐出を行わなかったピエゾ素子P3および連続的にインク滴吐出を行っていたピエゾ素子P1を含め、各ピエゾ素子には、PTM1時点と同様、インク非吐出時用の電圧波形生成装置2からの出力電圧波形Vdcが印加されており、したがって、バイアス電位が一定に保たれて正規な初期変位量が維持されていることとなる。
【0039】
よって、各ピエゾ素子P1〜P3は、正規な初期変位位置から吐出電圧波形Vampによる変位を行うこととなり、安定した正確なインク吐出量制御が行え、所望のインク滴が吐出されて高画質な画像が形成されることとなる。
【0040】
また、図2に示すように、非吐出ピエゾ素子に対しては常にインク非吐出用の電圧波形生成装置2からの非出力電圧波形Vdcが印加されているため、非吐出ピエゾ素子に接続されているパターンインピーダンスは低くなっている。
【0041】
よって、非吐出ピエゾ素子に発生する吐出電圧波形Vampからのクロストーク電圧が小さくなり、クロストーク電圧による非吐出ピエゾ素子からの誤吐出も抑制することが可能になる。
【0042】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図、図4は図3のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャートである。
【0043】
本実施の形態のインクジェットヘッド駆動装置は、印字データ発生装置4と電圧波形生成装置1および電圧波形生成装置2との間に、電圧波形生成装置1と電圧波形生成装置2の切り換え時電圧を同一にする切り換え電圧制御装置6が設けられたものである。その他の箇所については、実施の形態1で示すインクジェットヘッド駆動装置と同様になっている。
【0044】
以下に、本実施の形態のインクジェットヘッド駆動装置のインク滴吐出動作について図4を用いて説明する。
【0045】
図示する場合においては、PTM1時点での印字データには階調情報が含まれており、実施の形態1とは異なって、ピエゾ素子P1は中ドット液滴、ピエゾ素子P2は大ドット液滴、ピエゾ素子P3は液滴非吐出の階調吐出の例が示されている。
【0046】
図4において、先ず、印字データ発生装置4からヘッドドライバ3へENB信号ENB1,ENB2,ENB3が出力される。
【0047】
ENB1は中ドット液滴を吐出させるため、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vamp中の2パルスの吐出波形がピエゾ素子P1に印加されるように、ヘッドドライバ3に図示する期間にわたってHレベルを維持するように出力される。
【0048】
ENB2は大ドット液滴を吐出させるため、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vamp中の全パルスの吐出波形がピエゾ素子P2に印加されるように、ヘッドドライバ3に図示する期間に渡ってHレベルを維持するように出力される。
【0049】
ENB3はピエゾ素子P3を非吐出とするため、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampが印加されないように、ヘッドドライバ3にL出力を行う。
【0050】
また、切り換え電圧制御装置6は、各ENB信号のH→Lレベル変化時において、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampが、一定期間、電圧波形生成装置2からの非吐出電圧波形Vdcと同一の電位Vbaiとなるよう、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vamp電圧レベルを制御する。
【0051】
これにより、各ENB信号によるヘッドドライバ3のON−OFF切り換え時における電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampと電圧波形生成装置2からの非吐出電圧波形Vdcとはバイアス電位Vbaiで一致する。
【0052】
つまり、吐出電圧波形Vampの印加を途中で終了して非吐出電圧波形Vdcに切り換わっても、ピエゾ素子に印加される電圧は変化しないため、電圧切り換えによるピエゾ素子への突入電流は抑制されることになり、変位量を高精度に制御することが可能になる。
【0053】
これにより、非吐出電圧波形Vdcを生成する電圧波形生成装置2の電流容量は軽減されると共に、ヘッドドライバ3を構成する非吐出用の各スイッチSW1,SW2,SW3の出力電流能力が軽減されるため、ヘッドドライバ3を構成するトランジスタの小型化が行え、ヘッドドライバ3のチップサイズ自体を小さくすることが可能になってヘッドドライバ3の低価格化が可能になる。
【0054】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図、図6は図5のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャートである。
【0055】
本実施の形態におけるインクジェットヘッド駆動装置は、ヘッドドライバ7において、電圧波形生成装置2とスイッチSW1,SW2,SW3との間に、SWのON抵抗として抵抗R1,R2,R3が設けられている。また、吐出電圧波形Vampが出力される電圧波形生成装置1とスイッチSW1,SW2,SW3のON抵抗は、吐出電圧波形Vampが忠実にピエゾ素子P1,P2,P3へ印加されるように、ほぼ0に等しい状態となっている。
【0056】
そして、その他の箇所については、実施の形態1で示すインクジェットヘッド駆動装置と同様になっている。
【0057】
次に、本実施の形態のインクジェットヘッド駆動装置のインク滴吐出動作について図6を用いて説明する。
【0058】
図示する場合においては、PTM1時点での印字データは、実施の形態2と同様、ピエゾ素子P1は中ドット液滴、ピエゾ素子P2は大ドット液滴、ピエゾ素子P3は非吐出の階調吐出の例が示されている。
【0059】
先ず、印字データ発生装置4からヘッドドライバ7へ、ENB信号ENB1,ENB2,ENB3が出力される。
【0060】
ENB1は、中ドット液滴を吐出させるため、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vamp中の2パルスの吐出波形がピエゾ素子P1に印加されるように、ヘッドドライバ7に図6のような期間、Hレベルを維持して出力される。
【0061】
ここで、ピエゾ素子P1の中ドット液滴の吐出動作について、さらに詳細に説明する。
【0062】
図6に示すように、ENB1のHレベルからLレベルに変化する直前では、吐出電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampの電位レベルはVmaxである。つまり、ピエゾ素子P1の電位は、ENB1による切り換え直前では、Vmaxということになる。
【0063】
次に、ENB1がHレベルからLレベルに変化し、吐出電圧波形Vamp中の2パルスの吐出波形が印加され、中ドット液滴の吐出が終了するとき、ENB1がHレベルからLレベルに変化することにより、ヘッドドライバ7のSW1は、非吐出電圧波形Vdcを出力する電圧波形生成装置2側に切り換わる。
【0064】
これにより、ピエゾ素子P1には、ヘットドライバ7のSW1には、抵抗R1を介して非吐出電圧波形Vdcの電位レベルVbaiが印加されることになる。
【0065】
よって、ピエゾ素子P1の電位は、スイッチSW1がもつ抵抗R1があるため、Vmax電位からVbai電位へとは急激に変化することなく、ピエゾ素子P1のもつ容量成分CとSW1の抵抗R1の時定数tcrに沿って徐々にVbai電位に近づいていき、次の印字信号PTM2時点前までには、印加電圧Vbaiによる所定の初期変位量を保持していることとなる。
【0066】
つまり、インク液滴吐出時には、吐出用の吐出電圧波形Vampがヘッドドライバ7の各スイッチSW1,SW2,SW3がそのまま印加され、吐出性能が維持されることになる。
【0067】
一方、非吐出への切り換え時には、非吐出用の電圧波形生成装置2からの非吐出電圧波形Vdcが、ヘッドドライバ7の抵抗R1、R2、R3を介して各ピエゾ素子P1,P2,P3へ印加されるため、非吐出時のピエゾ素子電位Vbaiへの電位が固定されるとともに、各スイッチSW1,SW2,SW3の抵抗R1,R2,R3により、電圧切り換えによる突入電流を抑制することが可能になる。
【0068】
(実施の形態4)
図7は本発明の実施の形態4によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図、図8は図7のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャートである。
【0069】
本実施の形態におけるインクジェットヘッド駆動装置は、実施の形態1の電圧波形生成装置2に代えて、非吐出用ピエゾ素子への電圧供給を行う非吐出用電圧印加装置であるダイオード8が電圧波形生成装置1と各スイッチSW1,SW2,SW3との間に設けられている。
【0070】
そして、本実施の形態では、各ピエゾ素子P1,P2,P3の初期位置、つまりインク液滴を吐出しないときの位置は最大電圧が印加されているときとなっている。したがって、各ピエゾ素子P1,P2,P3へVmax電圧が印加されているときが初期位置となり、インク液滴を吐出しないときは常に電圧Vmaxが印加されてなければならない。
【0071】
その他の箇所については、実施の形態1で示すインクジェットヘッド駆動装置と同様になっている。
【0072】
以下に、本実施の形態のインクジェットヘッド駆動装置のインク滴吐出動作について図8を用いて説明する。
【0073】
図示する場合においては、PTM1時点での印字データは、実施の形態2と同様、ピエゾ素子P1は中ドット液滴、ピエゾ素子P2は大ドット液滴、ピエゾ素子P3は非吐出の階調吐出の例が示されている。
【0074】
図8において、先ず、印字データ発生装置4からヘッドドライバ3へ、各ENB信号ENB1,ENB2,ENB3が出力される。
【0075】
ENB1は中ドット液滴を吐出させるため、電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vamp中の2パルスの吐出波形がピエゾ素子P1に印加されるように、ヘッドドライバ3に図8のような期間、Hレベルを維持し出力される。
【0076】
ここで、ピエゾ素子P1の中ドット液滴の吐出動作について、さらに詳細に説明する。
【0077】
図8に示すように、ENB1のHレベルからLレベルに変化する直前では、吐出用の電圧波形生成装置1からの吐出電圧波形Vampの電位レベルはVmaxである。つまり、ピエゾ素子P1の電位は、ENB1による切り換え直前では、Vmaxということになる。
【0078】
次に、ENB1がHレベルからLレベルに変化し、吐出電圧波形Vamp中の2パルスの吐出波形が印加され、中ドット液滴の吐出が終了するとき、ENB1がHレベルからLレベルに変化することにより、ヘッドドライバ3のSW1は、ダイオード8のカソード端子と接続されることとなる。ここで、ダイオード8のアノード端子には吐出用の電圧波形生成装置1が接続されているので、中ドット液滴の吐出を終了しても、ピエゾ素子P1にはダイオード8を介して吐出電圧波形Vampが印加されていることとなる。
【0079】
つまり、ピエゾ素子P1には常に吐出用の電圧波形生成装置1からの出力である吐出電圧波形Vampが印加されていることとなるが、インク液滴非吐出時には、ピエゾ素子P1の電位は吐出電圧波形Vampのようにはならない。
【0080】
それは、吐出電圧波形VampがVmax電位のときのみダイオード8がONしてピエゾ素子P1へVmax電圧を供給するが、それ以外のとき、つまり吐出電圧波形Vamp電位がVmax電位より低いときは、ダイオード8がOFFとなり、Vmax電位より低い吐出電圧波形Vampの電圧印加を停止するからである。
【0081】
これにより、吐出用の電圧波形生成装置1からの出力である吐出電圧波形Vampが、ENB信号の切り換えにより、インク液滴吐出時には直接、非吐出時にはダイオード8を介して供給されることになり、非吐出ピエゾ素子に対してもVmax電圧を供給することが可能になる。
【0082】
したがって、非吐出専用の電圧印加装置を設けずに、吐出用の電圧波形生成装置1からの出力である吐出電圧波形Vampにより、非吐出ピエゾ素子に対し初期電圧を印加することが可能になる。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、圧電素子のバイアス電位を一定に保つことができるので、長時間にわたってインク滴吐出が行われない圧電素子におけるバイアス電位の変動を防止することが可能になって圧電素子の初期変位位置を一定に保つことができ、インク滴の吐出量の安定化を図ることができるという有効な効果が得られる。
【0084】
印字データ発生装置と吐出用電圧印加装置および非吐出用電圧印加装置との間に切り換え電圧制御装置を設ければ、吐出用電圧印加装置と非吐出用電圧印加装置との切り換え前後で圧電素子への印加電圧の変動が防止されるので、電圧切り換えによる圧電素子への突入電流を抑制することが可能になって変位量を高精度に制御することができるという有効な効果が得られる。
【0085】
非吐出用電圧印加装置とスイッチとの間に抵抗を設ければ、インク吐出後の圧電素子の電位が徐々にバイアス電位になるので、電圧切り換えによる突入電流を抑制することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0086】
さらに、スイッチ自体の持つON抵抗を流用することにより、別途に非吐出用電圧印加装置とスイッチの間に抵抗を設けなくても、圧電素子の電位を徐々にバイアス電位にすることができるので、スイッチ自体を構成するトランジスタのチップサイズをさらに小さくすることができ、インクジェット駆動装置のより一層の小型化を実現することができるという有効な効果が得られる。
【0087】
非吐出用電圧印加装置として、吐出用電圧印加装置から出力に応じてON・OFFするダイオードを用いれば、吐出用電圧印加装置からの出力を利用しているので、非吐出専用の電圧印加装置を独立して設けることなく非吐出ピエゾ素子に対し初期電圧を印加することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図
【図2】図1のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャート
【図3】本発明の実施の形態2によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図
【図4】図3のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャート
【図5】本発明の実施の形態3によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図
【図6】図5のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャート
【図7】本発明の実施の形態4によるインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図
【図8】図7のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャート
【図9】従来のインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図
【図10】従来のインクジェットヘッド駆動装置のタイミングチャート
【符号の説明】
1 電圧波形生成装置(吐出用電圧印加装置)
2 電圧波形生成装置(非吐出用電圧印加装置)
3 ヘッドドライバ
4 印字データ発生装置
5 インクジェットヘッド
8 ダイオード(非吐出用電圧印加装置)
P1,P2,P3 ピエゾ素子(圧電素子)
SW1,SW2,SW3 スイッチ
Claims (4)
- 印字周期毎に印字データを生成する印字データ発生装置と、
印加電圧による歪み力によりインク滴をノズル孔から吐出させる圧電素子を備えたインクジェットヘッドと、
前記印字データ発生装置で生成された前記印字データに対応して前記圧電素子に印加される吐出電圧波形を生成する吐出用電圧印加装置と、
インク滴非吐出時においてバイアス電圧を一定に保持するために圧電素子に印加される非吐出電圧波形を生成する非吐出用電圧印加装置と、
前記圧電素子に対応した個数分のスイッチで構成され、前記印字データ発生装置から前記印字データが送信されているときには前記吐出用電圧印加装置からの吐出電圧波形を、送信されていないときには前記非吐出用電圧印加装置からの非吐出電圧波形を、前記スイッチの切り換えにより前記圧電素子へ供給するヘッドドライバとを有することを特徴とするインクジェットヘッド駆動装置。 - 前記印字データ発生装置と前記吐出用電圧印加装置および前記非吐出用電圧印加装置との間には、前記吐出用電圧印加装置と前記非吐出用電圧印加装置の切り換え時電圧を同一にする切り換え電圧制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド駆動装置。
- 前記非吐出用電圧印加装置と前記スイッチとの間には抵抗が設けられていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド駆動装置。
- 前記非吐出用電圧印加装置は、前記吐出用電圧印加装置から出力に応じてON・OFFするダイオードであることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド駆動装置。
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