しかしながら、図14に示す保護回路1002は、FETには寄生ダイオードが有るために、電流の流れる方向が異なる放電電流と充電電流とを一つのFETで遮断することができず、放電電流を遮断するFET1006と、充電電流を遮断するFET1007とを備える必要があった。また、過充電を検出するために基準電圧源1008とコンパレータ1010とを必要とし、過電流を検出するために基準電圧源1009とコンパレータ1011と抵抗1012とを必要とし、コンパレータ1010,1011の出力信号に基づき2つのFET1006,1007をオン・オフさせる論理回路1013を必要とするため、保護回路1002の回路規模が増大するという不都合があった。
更に、図15や図16に示すように、バイメタルスイッチやPTC素子の温度によって動作する温度スイッチを二次電池と直列に接続することで二次電池を過充電から保護する構成では、過充電を検出する精度が低いため、例えば充電電圧の制御精度の低い粗悪な充電装置によって電池パックの充電が行われた場合のように、温度が急激に上昇しない程度の充電電流で二次電池の充電が継続されると、温度スイッチが動作しないまま二次電池が過充電され、二次電池の特性が劣化したり、電池の膨張や変形等を招いたりするおそれがあるという不都合があった。
本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、簡素な回路で二次電池を過充電や過電流から保護することができる保護回路を提供することを目的とする。
本発明により保護回路は、二次電池を充電する充電装置及び/又は前記二次電池からの放電電流により駆動される負荷機器を接続するための第1及び第2の接続端子と、二次電池の両極に接続される第3及び第4の接続端子と、前記第1及び第3の接続端子間に接続され、流れる電流によって自己発熱して所定の動作温度を超えた場合にオフする共に、外部加熱されることにより前記動作温度を超えた場合にオフする感熱スイッチと、前記感熱スイッチを加熱するヒータと、前記ヒータの通電制御を行うスイッチング手段と、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が所定の過充電保護電圧を超える場合に前記スイッチング手段にヒータを通電させる第1の過充電保護手段と、前記第1及び第2の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超える場合に前記スイッチング手段に前記ヒータを通電させる第2の過充電保護手段とを備えることを特徴とする。
また、上記構成において、前記第1の過充電保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超えるか否かを検知する第1のコンパレータを備え、前記第2の過充電保護手段は、前記第1及び第2の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超えた場合にハイレベルの信号を出力する第2のコンパレータを備え、前記スイッチング手段は、前記第1及び第2のコンパレータのうち少なくともいずれか一方のコンパレータがハイレベルの信号を出力した場合、前記ヒータを通電させることが好ましい(請求項2)。
また、上記構成において、前記スイッチング手段は、入力端子に前記第1及び第2のコンパレータの出力端子が接続されたORゲートと、ゲートが前記ORゲートの出力端子に接続され、ドレインが前記ヒータに接続され、ソースが前記第2及び第4の接続端子に接続されたnチャネル電界効果型トランジスタとを備えることが好ましい(請求項3)。
また、上記構成において、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記第1及び第2の接続端子間の電圧に所定の短絡保護電圧を加えた電圧を超える場合に、前記スイッチング手段に前記ヒータを通電させる短絡保護手段を更に備えることが好ましい(請求項4)。
また、上記構成において、前記第1の過充電保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超えるか否かを検知する第1のコンパレータを備え、前記第2の過充電保護手段は、前記第1及び第2の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超えた場合にハイレベルの信号を出力する第2のコンパレータを備え、前記短絡保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記第1及び第2の接続端子間の電圧に前記短絡保護電圧を加えた電圧を超える場合に、ハイレベルの信号を出力する第3のコンパレータを備え、前記スイッチング手段は、前記第1〜第3のコンパレータのうち少なくともいずれか一つのコンパレータがハイレベルの信号を出力した場合、前記ヒータを通電させることが好ましい(請求項5)。
また、上記構成において、前記スイッチング手段は、入力端子に前記第1〜3のコンパレータの出力端子が接続されたORゲートと、ゲートが前記ORゲートの出力端子に接続され、ドレインが前記ヒータに接続され、ソースが前記第2及び第4の接続端子に接続されたnチャネル電界効果型トランジスタとを備えることが好ましい(請求項6)。
また、上記構成において、前記ヒータの温度が前記感熱スイッチの動作温度よりも高い所定の上限温度になった場合、前記スイッチング手段に前記ヒータへの通電を停止させる温度制御手段を更に備えることが好ましい(請求項7)。
また、上記構成において、前記第1の過充電保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超える場合ハイレベルの信号を出力する第1のコンパレータを備え、前記第2の過充電保護手段は、前記第1及び第2の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超えた場合にハイレベルの信号を出力する第2のコンパレータを備え、前記短絡保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記第1及び第2の接続端子間の電圧に前記短絡保護電圧を加えた電圧を超える場合に、ハイレベルの信号を出力する第3のコンパレータを備え、前記温度制御手段は、前記ヒータの温度を検知する温度センサと、前記温度センサにより検知された温度が前記上限温度となった場合、ローレベルの信号を出力する第4のコンパレータを備え、前記スイッチング手段は、入力端子に前記第1〜3のコンパレータの出力端子が接続されたORゲートと、入力端子に前記ORゲートの出力端子と前記第4のコンパレータの出力端子とが接続されたANDゲートと、ゲートが前記ANDゲートの出力端子に接続され、ドレインが前記ヒータに接続され、ソースが前記第2及び第4の接続端子に接続されたnチャネル電界効果型トランジスタとを備えることが好ましい(請求項8)。
本発明による保護回路は、二次電池を充電する充電装置及び/又は前記二次電池からの放電電流により駆動される負荷機器を接続するための第1及び第2の接続端子と、二次電池の両極に接続される第3及び第4の接続端子と、前記第1及び第3の接続端子間に接続され、流れる電流によって自己発熱して所定の動作温度を超えた場合にオフする共に、外部加熱されることにより前記動作温度を超えた場合にオフする感熱スイッチと、前記感熱スイッチを加熱するヒータと、前記ヒータの通電制御を行うスイッチング手段と、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が所定の過充電保護電圧を超える場合に前記スイッチング手段にヒータを通電させる第1の過充電保護手段と、前記ヒータの温度が前記感熱スイッチの動作温度よりも高い所定の上限温度になった場合、前記スイッチング手段に前記ヒータへの通電を停止させる温度制御手段とを備えることを特徴とする。
また、上記構成において、前記第1の過充電保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超える場合、ハイレベルの信号を出力する第1のコンパレータを備え、前記温度制御手段は、前記ヒータの温度を検知する温度センサと、前記温度センサにより検知された温度が前記上限温度となった場合、ローレベルの信号を出力する第4のコンパレータを備え、前記スイッチング手段は、前記第1及び第4のコンパレータの両コンパレータがハイレベルの信号を出力した場合、前記ヒータを通電させ、両コンパレータのうち少なくともいずれか一方のコンパレータがローレベルの信号を出力した場合、前記スイッチング手段に前記ヒータへの通電を停止させることが好ましい(請求項10)。
また、上記構成において、前記スイッチング手段は、入力端子に前記第1及び第4のコンパレータの出力端子が接続されたANDゲートと、ゲートが前記ANDゲートの出力端子に接続され、ドレインが前記ヒータに接続され、ソースが前記第2及び第4の接続端子に接続されたnチャネル電界効果型トランジスタとを備えることが好ましい(請求項11)。
また、上記構成において、前記感熱スイッチと前記第3の接続端子との間に接続された温度ヒューズを更に備え、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧よりも高い第2の過充電保護電圧を超えた場合、前記上限温度を前記温度ヒューズの溶断温度よりも高い温度に変更する上限温度変更手段を更に備えることが好ましい(請求項12)。
本発明による保護回路は、二次電池を充電する充電装置及び/又は前記二次電池からの放電電流により駆動される負荷機器を接続するための第1及び第2の接続端子と、二次電池の両極に接続される第3及び第4の接続端子と、前記第1及び第3の接続端子間に接続され、流れる電流によって自己発熱して所定の動作温度を超えた場合にオフする共に、外部加熱されることにより前記動作温度を超えた場合にオフする感熱スイッチと、前記感熱スイッチを加熱するヒータと、前記ヒータの通電制御を行うスイッチング手段と、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が所定の過充電保護電圧を超える場合に、前記スイッチング手段に前記ヒータを通電させる第1の過充電保護手段と、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が、前記第1及び第2の接続端子間の電圧に所定の短絡保護電圧を加えた電圧を超える場合に、前記スイッチング手段に前記ヒータを通電させる短絡保護手段とを備えることを特徴とする。
また、上記構成において、前記第1の過充電保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記過充電保護電圧を超えるか否かを検知する第1のコンパレータを備え、前記短絡保護手段は、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が前記第1及び第2の接続端子間の電圧に所定の短絡保護電圧を加えた電圧を超える場合に、ハイレベルの信号を出力する第3のコンパレータを備え、前記スイッチング手段は、前記第1及び第3のコンパレータのうち少なくともいずれか一方のコンパレータがハイレベルの信号を出力した場合、前記ヒータを通電させることが好ましい(請求項14)。
また、上記構成において、前記スイッチング手段は、入力端子に前記第1及び第3のコンパレータの出力端子が接続されたORゲートと、ゲートが前記ORゲートの出力端子に接続され、ドレインが前記ヒータに接続され、ソースが前記第2及び第4の接続端子に接続されたnチャネル電界効果型トランジスタとを備えることが好ましい(請求項15)。
また、上記構成において、前記感熱スイッチに抵抗を並列接続したことが好ましい(請求項16)。
また、上記構成において、前記第3及び第4の接続端子間の電圧が所定の過放電電圧以下となった場合、前記二次電池からの保護回路への電力供給を停止する電源制御手段を更に備えることが好ましい(請求項17)。
請求項1記載の発明によれば、第1の過充電保護手段は、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が予め設定された過充電保護電圧を超えると、スイッチング手段にヒータを通電させ、感熱スイッチはヒータにより加熱されてオフし、充電電流の通電を遮断するため、二次電池を過充電から保護することができる。
また、感熱スイッチは、二次電池からの放電電流が所定の電流値を超えた場合、自己発熱によりオフして放電電流を遮断するので、二次電池を過電流から保護することができる。そのため、図14示すような過電流防止用のFET1006、基準電圧源1009、及び過電流を検出するためのコンパレータ1011が不要となり、回路の簡素化を図ることができる。
更に、放電電流と充電電流とを感熱スイッチにより遮断することができるため、回路を簡素化することができる。
ここで、第2の過充電保護手段が存在しない場合を考える。過充電保護状態において、ヒータにより二次電池の電力が消耗されると、二次電池の電圧が低下し、スイッチング手段によりヒータの通電が停止され、感熱スイッチの加熱が停止される。そして、感熱スイッチは自然冷却され、動作温度以下になると、再びオンし、充電装置からの充電電流を流し、二次電池を再び充電する。二次電池の充電が継続されると、二次電池の電圧が過充電保護電圧を超え、再び、感熱スイッチはオフする。このように、過充電保護状態において、第1及び第2の接続端子間に充電装置が接続され続けると、チャタリングが発生する。
しかしながら、本発明は第2の過充電保護手段を備えている。そのため、過充電保護状態において、第1及び第2の接続端子間に充電装置が接続されて充電が継続され、第1及び第2の接続端子間の電圧が過充電保護電圧を超えていれば、スイッチング手段にヒータを通電させるため、二次電池の電圧が過充電保護電圧以下となっても、感熱スイッチは継続してオンする結果、過充電保護状態において生じる感熱スイッチのチャタリングを防止することができる。これにより、感熱スイッチの劣化を防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)と第1及び第2の接続端子間の電圧とがコンパレータにより検知されているため、かかる検知を高精度に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、スイッチング手段をORゲートとnチャネル電界効果型トランジスタとにより構成したため、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が過充電保護電圧を超えた場合、又は第1及び第2の接続端子間の電圧が過充電保護電圧を超えた場合、ヒータをより確実に加熱することができ、感熱スイッチをより確実にオフすることができる。
請求項4記載の発明によれば、短絡保護手段は、過電流保護状態において、二次電池の電圧から第1及び第2の接続端子間の電圧差し引いた電圧が短絡保護電圧を超えている場合、第1及び第2の接続端子は短絡されている、又は過電流を引き起こすような低抵抗が接続されていると判定して、ヒータを加熱させ、感熱スイッチを継続してオフさせるため、過電流保護状態における感熱スイッチのチャタリングを防止することができる。その結果、過充電保護状態において、第1及び第2の接続端子に過電流を生じさせる負荷が接続され続けている場合に、チャタリングのオン時に流れる過電流を防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が過充電保護電圧を超えているか否かが第1のコンパレータにより検知され、第1及び第2の接続端子間の電圧が過充電保護電圧を超えているか否かが第2のコンパレータにより検知され、二次電池の電圧が第1及び第2の接続端子間の電圧に短絡保護電圧を加えた電圧を超えているか否かが第3のコンパレータにより検知されているため、これらの検知を高精度に行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、スイッチング手段をORゲートとnチャネル電界効果型トランジスタとにより構成したため、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が過充電保護電圧を超えた場合、第1及び第2の接続端子間の電圧が過充電保護電圧を超えた場合、又は二次電池の電圧から第1及び第2の接続端子間の電圧を差し引いた電圧が短絡保護電圧を超えた場合、ヒータをより確実に加熱することができ、感熱スイッチをより確実にオフすることができる。
請求項7記載の発明によれば、温度制御手段は、ヒータの温度が感熱スイッチの動作温度よりも高い上限温度に達した場合、ヒータの通電を停止させるため、過充電保護を達成しつつ、感熱スイッチが上限温度以上に加熱されることを防止し、感熱スイッチの溶着を防止することができる。
請求項8記載の発明によれば、第1の過充電保護手段、第2の過充電保護手段、短絡保護手段、及び温度制御手段を第1〜第4のコンパレータにより構成し、スイッチング手段をORゲートと、ANDゲートと、nチャネル電界効果型トランジスタにより構成したため、二次電池を過充電及び過電流からより確実に保護することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様、二次電池を過充電から保護し、回路の簡素化を図ることができることに加え、温度制御手段は、ヒータの温度が感熱スイッチの動作温度よりも高い上限温度に達した場合、ヒータの通電を停止させるため、過充電保護を達成しつつ、感熱スイッチが上限温度以上に加熱されることを防止し、感熱スイッチの溶着を防止することができる。
請求項10記載の発明によれば、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が過充電保護電圧を超えているか否かが第1のコンパレータにより検知され、ヒータの温度が温度センサにより検知され、ヒータの温度が上限温度を超えているか否かが第4のコンパレータにより検知されているため、これらの検知を高精度に行うことができる。
請求項11記載の発明によれば、スイッチング手段をANDゲートとnチャネル電界効果型トランジスタにより構成したため、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が過充電保護電圧を超えた場合、ヒータを精度良くオンにし、ヒータの温度が上限温度を超えた場合、ヒータの加熱を精度良く停止することができる。
請求項12記載の発明によれば、過充電保護状態において充電が継続されると、ヒータの温度は更に上昇していき、やがて上限温度に到達するが、感熱スイッチが溶着していると、ヒータの温度が上限温度に到達しても、充電は継続される。そして、充電が継続され、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が第2の過充電保護電圧を超えると、上限温度が温度ヒューズの溶断温度よりも高い温度に変更される。そのため、温度ヒューズを確実に溶断することができ、感熱スイッチが溶着していても、二次電池を過充電から保護することができる。
請求項13記載の発明によれば、請求項1記載の発明同様、二次電池を過充電から保護することができ、回路の簡素化を図ることができると共に、請求項4記載の発明同様、過電流保護状態における感熱スイッチのチャタリングを防止することができる。
請求項14記載の発明によれば、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)と第1及び第2の接続端子間の電圧とがコンパレータにより検知されているため、かかる検知を高精度に行うことができる。
請求項15記載の発明によれば、スイッチング手段をORゲートとnチャネル電界効果型トランジスタとにより構成したため、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が過充電保護電圧を超えた場合、又は二次電池の電圧から第1及び第2の接続端子間の電圧を差し引いた電圧が短絡保護電圧を超えた場合、ヒータをより確実に加熱することができ、感熱スイッチをより確実にオフすることができる。
請求項16記載の発明によれば、過電流保護状態において、第1及び第2の接続端子から過電流を引き起こす負荷が取り外されると、感熱スイッチに並列接続された抵抗に二次電池からの電流が流れ、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)と第1及び第2の接続端子間の電圧がほぼ等しくなり、二次電池の電圧が第1及び第2の接続端子間の電圧に短絡保護電圧を加えた電圧以下となるため、ヒータの加熱が停止され、感熱スイッチがオンとなる。これにより、過電流保護状態において、負荷が取り外され、短絡又は低抵抗状態が解除された場合、保護回路を過電流保護状態から通常状態に速やかに復帰させることができる。
請求項17記載の発明によれば、第3及び第4の接続端子間の電圧(二次電池の電圧)が過放電電圧以下となった場合、二次電池から保護回路への電力供給が停止されるため、二次電池の電力消費を防止することができ、第1及び第2の接続端子が開放されている状態において、二次電池を過放電から保護することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電池パックの一例を示す分解斜視図である。図1に示す電池パック1は、有底筒状の容器2と、外部端子接続ユニット3と、容器2と外部端子接続ユニット3との間に挿入される板状のスペーサ4とを備えている。容器2は、二次電池6が収容され、かしめ封口されており、二次電池6に凸状に設けられた正極端子6aが容器2の開口端から突出するようにされている。また、容器2は、ニッケルメッキを表面に施した鋼板から構成されており、二次電池6の負極が容器2の内部で容器2と接続されている。
外部端子接続ユニット3は、例えば樹脂成形されたケース31を備えて構成され、充電装置や負荷機器を接続するための接続端子T1,T2がケース31の表面に露出して設けられている。また、接続端子T2と接続された、例えば板状の金属により構成された接続端子T4が、容器2と接続される方向に突出して設けられている。
図2は、図1に示す電池パック1の回路図を示している。電池パック1は、保護回路5と、二次電池6とを備えている。二次電池6は、例えばリチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、ニッケル水素二次電池、あるいはニッケルカドミウム二次電池等の充電可能な二次電池である。保護回路5は、二次電池6を過充電や、過電流から保護する回路である。
保護回路5は、外部端子接続ユニット3の内部に配設されており、接続端子T1〜T4(第1〜第4の接続端子)、バイメタルスイッチ(感熱スイッチ)SW1、過充電保護部(第1の過充電保護手段)51、チャタリング防止部(第2の過充電保護手段)52、ヒータR1、トランジスタ(スイッチング手段)Q1、及びORゲート(スイッチング手段)G1を備えている。接続端子T1及び接続端子T2は、二次電池6を充電する図略の充電装置及び/又は二次電池6からの放電電流により駆動される負荷機器を接続するための接続端子である。負荷機器は、例えば携帯電話機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯型パーソナルコンピュータ、電動工具等、電池で駆動される種々の電気機器である。
接続端子T3は二次電池6の正極に接続され、接続端子T4は二次電池6の負極に接続されている。バイメタルスイッチSW1は、接続端子T1及びT3間に接続されている。ヒータR1は、一端が接続端子T3に接続され、他端がトランジスタQ1のドレインに接続されている。トランジスタQ1は、ゲートがORゲートG1の出力端子に接続され、ソースが接続端子T2,T4に接続されている。
過充電保護部51は、コンパレータA1及び基準電圧源E1を備え、チャタリング防止部52は、コンパレータA2及び基準電圧源E2を備えている。コンパレータA1は−端子が基準電圧源E1の正極と接続され、+端子が接続端子T3と接続され、出力端子がORゲートG1の入力端子に接続され、電源供給端子が接続端子T3と接続され、グラウンド端子が接続端子T2,T4と接続されている。基準電圧源E1の負極は接続端子T2,T4と接続されている。
コンパレータA2は、+端子が接続端子T1と接続され、−端子が基準電圧源E2の正極と接続され、出力端子がORゲートG1の入力端子と接続され、電源供給端子が接続端子T3に接続され、グラウンド端子が接続端子T2,T4と接続されている。基準電圧源E2の負極は接続端子T2,T4と接続されている。
バイメタルスイッチSW1は、予め設定された所定の動作温度Tsw1を超えた場合にオフする感熱スイッチであり、動作温度Tsw1は、例えば二次電池6の特性を劣化させない温度範囲における最高温度が設定されている。
また、バイメタルスイッチSW1は、温度が上昇してオフした後、温度が低下すれば再びオンする復帰形の感熱スイッチである。なお、感熱スイッチとしては、バイメタルスイッチに代えて、形状記憶合金を用いたスイッチ(例えば、実公平7−4770、特開平11−224579に記載のもの)や、形状記憶樹脂を用いたスイッチを、同様にして用いることができる。
形状記憶合金としては、ニッケル−チタン合金系、銅−亜鉛−アルミニウム合金などの熱弾性型マルテンサイト変態および逆変態に基づき、復元力を有する形状記憶合金であれば良く、これらの合金がその変形された形状より復元された形状に変化する形状変化温度範囲は、形状記憶合金の組成を適宜に選定したり、熱処理プロセスを変更したりすることにより変更可能である。
形状記憶樹脂としては、架橋または部分結晶化させた固定相と可逆相が混在しているポリエステル、ポリウレタン、スチレン・ブタジエン、トランスポリイソプレンなどの樹脂を用いることができる。
ヒータR1は、例えば正の温度特性、すなわち温度の増減に応じて抵抗値が増減するPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタが用いられる。これにより、ヒータR1に電圧を印加すると、ヒータR1の自己発熱によってヒータR1の抵抗値が増大し、ヒータR1を流れる電流が減少する結果、ヒータR1の温度は最終的に、最終到達温度で一定となる。最終到達温度は、バイメタルスイッチSW1の動作温度Tsw1を超える温度であって、二次電池6や保護回路5を損傷しない程度の温度が設定されている。これにより、ヒータR1の発熱によって二次電池6や保護回路5を損傷したりすることを抑制することができる。
過充電保護部51は、二次電池6の過充電を検知し、二次電池6への充電電流を遮断させ、二次電池6を過充電保護状態にする。チャタリング防止部52は、過充電保護状態において生じるバイメタルスイッチSW1のチャタリングを防止する。
基準電圧源E1は、二次電池6の過充電を検出するための判断基準となる基準電圧(過充電保護電圧)Ref1を出力する電圧発生回路である。基準電圧源E2は、バイメタルスイッチSW1のチャタリングを防止するための基準電圧(過充電保護電圧)Ref2を出力する電圧発生回路である。
本実施の形態では、基準電圧Ref1と基準電圧Ref2とはほぼ等しく、具体的には基準電圧Ref1=基準電圧Ref2=4.3Vである。
コンパレータA1は、−端子に基準電圧Ref1が印加され、接続端子T3,T4間の電圧、すなわち二次電池6の電圧Vbが基準電圧Ref1を超えた場合、ハイレベルの信号を出力し、電圧Vbが基準電圧Ref1以下の場合、ローレベルの信号を出力する。
コンパレータA2は、−端子に基準電圧Ref2が印加され、接続端子T1,T2間の電圧、すなわち、接続端子T1,T2に接続される充電装置又は負荷機器の電圧Vaが基準電圧Ref2を超えた場合、ハイレベルの信号を出力し、電圧Vaが基準電圧Ref2以下の場合、ローレベルの信号を出力する。
本実施の形態では、コンパレータA1,A2として、ノイズの影響を低減するために、入力電圧にヒステリシスを有するコンパレータが採用されている。
ORゲートG1は、コンパレータA1,A2のうちいずれか一方のコンパレータからハイレベルの信号が出力された場合、トランジスタQ1のゲートにハイレベルの信号を出力し、両コンパレータからローレベルの信号が出力された場合、トランジスタQ1のゲートにローレベルの出力する。
トランジスタQ1は、nチャネルFET(電界効果型トランジスタ)が採用され、ORゲートG1からハイレベルの信号が出力された場合、オンしてヒータR1を通電し、ヒータR1を加熱させ、バイメタルスイッチSW1をオフさせ、ORゲートG1からローレベルの信号が出力された場合、オフしてヒータR1の通電を停止し、ヒータR1の加熱を停止させ、バイメタルスイッチSW1をオンさせる。
次に、保護回路5の動作について説明する。まず、保護回路5による過充電保護動作について説明する。接続端子T1,T2に図略の充電装置が接続され、充電装置から電圧Vaが接続端子T1,T2間に印加されると、電圧Va,Vbが共に基準電圧Ref1,Ref2以下の通常状態において、バイメタルスイッチSW1はオンし、二次電池6が充電される。ここで、電圧Vaは、正常時は例えば最大4.2Vである。
そして、例えば図略の充電装置が故障する等して電圧制御がきかなくなると、電圧Vbが基準電圧Ref1を超える。そうすると、コンパレータA1からハイレベルの信号が出力され、ORゲートG1からハイレベルの信号が出力され、トランジスタQ1がオンされ、接続端子T3からヒータR1に電流が流れ、バイメタルスイッチSW1が加熱される。そして、バイメタルスイッチSW1の温度が動作温度Tsw1に達すると、バイメタルスイッチSW1がオフして充電電流が遮断され、過充電保護状態とされる。これにより、二次電池6は過充電から保護される。
過充電保護状態において、ヒータR1により二次電池6の電力が消耗されると、電圧Vbが低下して、コンパレータA1の出力はローレベルになる。ここで、チャタリング防止部52が存在しない場合を考える。すると、トランジスタQ1はオフされ、ヒータR1に電流が流れず、バイメタルスイッチSW1の加熱が停止される。そして、バイメタルスイッチSW1は自然冷却され、動作温度Tsw1以下になると、再びオンし、充電装置からの充電電流を流し、二次電池6を再び充電する。二次電池6の充電が継続されると、電圧Vbが基準電圧Ref1を超え、再び、バイメタルスイッチSW1はオフする。このように、過充電保護状態において、接続端子T1,T2間に充電装置が接続され続けると、チャタリングが発生する。
しかしながら、本実施の形態の保護回路5はチャタリング防止部52を備えている。これにより、過充電保護状態において、接続端子T1,T2間に充電装置が接続され続け、電圧Vaが基準電圧Ref2を超える場合であっても、コンパレータA2からはハイレベルの信号が出力され、ORゲートG1からはハイレベルの信号が出力され、トランジスタQ1はオンされ、接続端子T3からヒータR1に電流が流れ、バイメタルスイッチSW1が継続して加熱され、バイメタルスイッチSW1はオフを継続する。これにより、過充電保護状態において、充電装置が接続され続けることで生じるバイメタルスイッチSW1のチャタリングが防止されることとなる。
次に、保護回路5による過電流保護について説明する。まず、バイメタルスイッチSW1がオンしている状態で、例えば接続端子T1,T2に金属片が接触したり、接続端子T1,T2に接続された図略の携帯電話機等の負荷機器が故障したりすることによって、接続端子T1,T2が短絡、又は接続端子T1,T2間の抵抗値が低抵抗になると、二次電池6からバイメタルスイッチSW1を介して過電流が流れる。バイメタルスイッチSW1は過電流が流れると、接点抵抗によって加熱される。
そして、バイメタルスイッチSW1は、温度が動作温度Tsw1に達すると、オフして二次電池6の放電電流を遮断し、保護回路5は過電流保護状態となり、二次電池6は過電流から保護される。過電流保護状態が継続すると、コンパレータA1,A2の出力は共にローレベルであり、ヒータR1の加熱は停止されているため、バイメタルスイッチSW1は自然冷却される。そして、バイメタルスイッチSW1は、動作温度Tsw1以下となると、再びオンし、保護回路5は、過電流保護状態から通常状態に復帰する。
以上説明したように実施の形態1による保護回路5によれば、感熱スイッチであるバイメタルスイッチSW1を用いて二次電池6を過充電及び過電流から保護することができるので、図14に示す背景技術に係る保護回路1002のように、放電電流を遮断するFET1006と、充電電流を遮断するFET1007と、過電流を検出するための基準電圧源1009、コンパレータ1011、及び抵抗1012と、二つのFET1006,1007のオンオフを制御するための論理回路1013とを必要とせず、保護回路5の回路を簡素化することができ、保護回路5を小型化することが容易となる。
また、コンパレータA1によって過充電が検出され、ヒータR1によりバイメタルスイッチSW1を加熱することによってバイメタルスイッチSW1をオフさせるので、例えば図15や図16に示すように二次電池1022と直列に接続されたバイメタルスイッチ1023又はPTC素子1032のみによって過充電保護を行う場合よりも過充電を検出する精度を向上させることができ、過充電保護動作が行われないまま二次電池6が過充電されたり、二次電池6の特性が劣化したり、二次電池6の膨張や変形等を招いたりするおそれを低減することができる。
更に、チャタリング防止部52を備えているため、過充電保護状態において充電装置が接続され続け、接続端子T1,T2間の電圧Vaが基準電圧Ref2を超えると、電圧Vbが基準電圧Ref1以下となっても、トランジスタQ1が継続してオンされるため、バイメタルスイッチSW1の加熱が継続され、バイメタルスイッチSW1はオフ状態を保つ結果、バイメタルスイッチSW1のチャタリングを防止することができ、バイメタルスイッチSW1の劣化を防止することができる。
なお、本実施の形態では、ヒータR1を用いたがこれに限定されず、過充電保護部51、チャタリング防止部52、ORゲートG1、トランジスタQ1を集積回路とし、主にトランジスタQ1がオンに起因して生じる集積回路の熱を利用してバイメタルスイッチSW1を加熱してもよい。この場合、ヒータR1が不要となり部品点数の削減を図ることができる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2の保護回路5aについて説明する。図3は、実施の形態2の保護回路5aの回路図を示している。実施の形態2の保護回路5aは実施の形態1の保護回路5において、チャタリング防止部52を省き、短絡保護部(短絡保護手段)53及び抵抗R2を備えることを特徴としている。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同一のものは同一の符号を付し、説明を省略する。
短絡保護部53は、コンパレータA3及び基準電圧源E3を備えている。コンパレータA3は、−端子が接続端子T1に接続され、+端子が基準電圧源E3に接続され、出力端子がORゲートG1の入力端子に接続され、電源供給端子が接続端子T3に接続され、グラウンド端子が接続端子T2,T4に接続されている。
基準電圧源E3は、正極が接続端子T3に接続され、負極がコンパレータA3の+端子に接続されている。抵抗R2はバイメタルスイッチSW1と並列に接続されている。
コンパレータA3は、二次電池6の電圧Vbが接続端子T1,T2間の電圧Vaと基準電圧Ref3とを加算した電圧を超えるか否かを検出し、電圧Vbが基準電圧(過電流保護電圧)Ref3と電圧Vaとを加算した電圧を超える場合(Vb>Ref3+Va)、過電流保護状態において接続端子T1,T2に過電流を引き起こすような負荷が接続されている、又は短絡されていると判定し、ハイレベルの信号を出力する。なお、コンパレータA3は、コンパレータA1,A2同様、入力電圧にヒステリシスを有するコンパレータである。本実施の形態では、基準電圧Ref3として1Vが採用されている。すなわち、電圧Vbから電圧Vaを差し引いた電圧が1Vを超えている場合、過電流保護状態において、接続端子T1,T2に過電流を引き起こすような負荷が接続されている又は短絡されていると判定する。
次に、保護回路5aによる過電流保護状態における短絡保護動作について説明する。過電流保護状態に至るまでの過程は実施の形態1の保護回路5と同一であるため、説明を省略する。過電流保護状態において、短絡保護部53がない場合を考える。この場合、バイメタルスイッチSW1は、電流が流れておらず、ヒータR2による加熱も停止されているため、自然冷却され、やがて動作温度Tsw1以下になってオンする。ここで、接続端子T1,T2の短絡が継続して行われると、バイメタルスイッチSW1には二次電池6からの過電流が流れ、再びオフする。バイメタルスイッチSW1は、オフすると自然冷却により再びオンする。
このように、過電流保護状態において、接続端子T1,T2が短絡され続けるとバイメタルスイッチSW1はオンオフを繰り返しチャタリングする。
しかしながら、本実施の形態の保護回路5aは短絡保護部53を備えている。そのため、過電流保護状態において、接続端子T1,T2間が短絡され続けると、過電流保護状態では電圧Vbは電圧Vaと基準電圧Ref3とを加算した電圧を超えるため、コンパレータA3からはハイレベルの信号が出力され、トランジスタQ1はオンされ、抵抗R1は継続して発熱し、バイメタルスイッチSW1は継続して加熱され、オフ状態を継続する。これにより、過電流保護状態において、接続端子T1,T2の短絡が継続されることで生じるバイメタルスイッチSW1のチャタリングを防止することができるとともに、チャタリングによってバイメタルスイッチSW1がオンしたときに過電流が流れることを防止することができる。
接続端子T1,T2間の短絡が解除されると、二次電池6から抵抗R2を経由して、接続端子T1に微小電流が流れる。このとき、接続端子T1,T2間に負荷が接続されていないため、電圧Vaと電圧Vbとはほぼ同じ値となり、電圧Vbと電圧Vaとの差が基準電圧Ref3以下になるため、コンパレータA3はローレベルの信号を出力する。このとき、コンパレータA1もローレベルの信号を出力しているため、トランジスタQ1はオフされ、バイメタルスイッチSW1は、加熱が停止され、自然冷却により動作温度Tsw1以下になるとオンし、保護回路5は過電流保護状態から通常状態に速やかに復帰する。なお、過充電保護部51による過充電保護は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように実施の形態2による保護回路5aによれば、実施の形態1の保護回路5と同様、二次電池6を過充電及び過電流から保護することができることに加え、短絡保護部53を備えているため、過電流保護状態において生じるチャタリングを防止することができる。そのため、バイメタルスイッチSW1の劣化を防止することができる。
なお、実施の形態2では、ヒータR1を用いたがこれに限定されず、過充電保護部51、短絡保護部53、ORゲートG1、トランジスタQ1、及び抵抗R2を集積回路とし、主にトランジスタQ1がオンに起因して生じる集積回路の熱を利用してバイメタルスイッチSW1を加熱してもよい。この場合、ヒータR1が不要となり部品点数の削減を図ることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3の保護回路5bについて説明する。図4は実施の形態3による保護回路5bの回路図を示している。実施の形態3の保護回路5bは、実施の形態1の保護回路5に対して、更に短絡保護部53を設ける、すなわち、チャタリング防止部52と短絡保護部53とを共に備えたことを特徴としている。なお、実施の形態1,2と同一のものとは同一の符号を付し、説明を省略する。
ORゲートG1には、コンパレータA1〜A3が接続されているため、コンパレータA1〜A3のうちいずれかのコンパレータからハイレベルの信号が出力されると、トランジスタQ1はオンし、ヒータR1は発熱し、バイメタルスイッチSW1はオフする。
このように実施の形態3による保護回路5bによれば、過充電保護部51、チャタリング防止部52を備えるため、実施の形態1と同様の効果を奏することができることに加え、短絡保護部53を備えているため、実施の形態2と同様の効果も奏することができる。
なお、実施の形態3では、ヒータR1を用いたがこれに限定されず、過充電保護部51、チャタリング防止部52、短絡保護部53、ORゲートG1、トランジスタQ1、及び抵抗R2を集積回路とし、主にトランジスタQ1がオンに起因して生じる集積回路の熱を利用してバイメタルスイッチSW1を加熱してもよい。この場合、ヒータR1が不要となり部品点数の削減を図ることができる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4による保護回路5cについて説明する。図5は実施の形態4による保護回路5cの回路図を示している。実施の形態4による保護回路5cは実施の形態3による保護回路5bに対して、更に温度制御部(温度制御手段)54及びANDゲートG2を備えたことを特徴としている。温度制御部54は、温度センサS1、コンパレータA4、抵抗R3、及び基準電圧源E4を備えている。なお、実施の形態1〜3と同一のものは同一の符号を付し、説明を省略する。
コンパレータA4は、−端子が温度センサS1を介して接続端子T3に接続され、+端子が基準電圧源E4の正極に接続され、出力端子がANDゲートG2の入力端子に接続され、電源供給端子が接続端子T3に接続され、グラウンド端子が接続端子T2,T4に接続されている。抵抗R3は一端が接続端子T2,T4に接続され、他端がコンパレータA4の−端子に接続されている。基準電圧源E4は負極が接続端子T2,T4に接続されている。また、ANDゲートG2には、ORゲートG1の出力端子が接続されている。
温度センサS1は負特性のサーミスタが採用され、ヒータR1の温度が上昇するにつれて抵抗が減少する。基準電圧源E4は、ヒータR1の所定の上限温度を検知するための基準電圧Ref4を出力する電圧発生回路である。この上限温度はバイメタルスイッチSW1の動作温度Tsw1より高い。ここで、基準電圧Ref4は、ヒータR1の温度が前記上限温度を超えたとき、コンパレータA4の+端子の電圧が−端子の電圧以下となる値が設定されている。
コンパレータA4は、バイメタルスイッチSW1が上限温度を超え、−端子の電圧が+端子の電圧より高くなった場合、ローレベルの信号を出力し、トランジスタQ1をオフさせる。なお、コンパレータA4は、コンパレータA1〜A3同様、ヒステリシスを有するコンパレータが採用されている。
次に保護回路5cの温度保護動作について説明する。例えば図略の充電装置が故障する等して電圧制御がきかなくなると、電圧Vbが基準電圧Ref1を超える。そうすると、コンパレータA1からハイレベルの信号が出力され、ORゲートG1からハイレベルの信号が出力される。このとき、バイメタルスイッチSW1の温度が上限温度に達していないため、コンパレータA4からハイレベルの信号が出力されている。
そのため、ANDゲートG2からハイレベルの信号が出力され、トランジスタQ1がオンされ、接続端子T3からヒータR1に電流が流れ、バイメタルスイッチSW1が加熱される。そして、バイメタルスイッチSW1の温度が動作温度Tsw1に達すると、バイメタルスイッチSW1がオフして充電電流が遮断され、過充電保護状態となる。
過充電保護状態が継続すると、ヒータR1は更に温度上昇し、これに伴って温度センサS1の抵抗は減少する。やがてヒータR1が上限温度に達すると、コンパレータA4はローレベルの信号を出力し、トランジスタQ1はオフし、ヒータR1は発熱を停止する。これによって、バイメタルスイッチSW1は、上限温度以上に加熱されることが防止され、接点の溶着が防止される。
以上説明したように実施の形態4による保護回路5cによれば、実施の形態3による保護回路5bの効果を奏することに加え、バイメタルスイッチSW1の接点の溶着を防止することができる。
なお、実施の形態4では、ヒータR1を用いたがこれに限定されず、過充電保護部51、チャタリング防止部52、短絡保護部53、温度制御部54、ORゲートG1、ANDゲートG2、トランジスタQ1、抵抗R2、及び温度センサS1を集積回路とし、主にトランジスタQ1がオンに起因して生じる集積回路の熱を利用してバイメタルスイッチSW1を加熱してもよい。この場合、ヒータR1が不要となり部品点数の削減を図ることができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5による保護回路5dについて説明する。図6は実施の形態5による保護回路5dの回路図を示している。保護回路5dは、実施の形態1の保護回路5に対し、チャタリング防止部52を省き、ORゲートG1に代えてANDゲートG2を採用し、温度ヒューズF1、温度制御部(温度制御手段)54d、及び上限温度変更部(温度変更手段)55を備えていることを特徴としている。
温度制御部54dは、実施の形態4の温度制御部54に対し、抵抗R3に代えて直列接続された2つの抵抗R4,R5を備え、ヒータR1が上限温度に達すると、ヒータR1の通電を停止させる。上限温度変更部55は、コンパレータA5、基準電圧源E5、及びトランジスタQ2を備え、ヒータR1の上限温度を変更する。抵抗R4と抵抗R5とは、抵抗値の加算値が保護回路5cの抵抗R3の抵抗値と等しくなるように設定されている。
コンパレータA5は、+端子及び電源供給端子が温度ヒューズF1を介して接続端子T3に接続され、−端子が基準電圧源E5の正極に接続され、出力端子がトランジスタQ2のゲートに接続され、グラウンド端子が接続端子T2,T4に接続されている。基準電圧源E5の負極は接続端子T2,T4に接続されている。トランジスタQ2は、nチャネルFETであり、抵抗R5と並列接続されている。
基準電圧源E5は、コンパレータA5の−端子に基準電圧(第2の過充電保護電圧)Ref5を印加する。本実施の形態では、基準電圧Ref5は基準電圧Ref1よりも大きな値が設定されている。コンパレータA5は、コンパレータA1〜A4同様、ヒステリシスを有するコンパレータが採用されている。
温度ヒューズF1は、二次電池6と近接して、あるいは絶縁物を挟んで密着されて配設され、二次電池6が過充電や過大な放電によって発熱した場合に、その熱で溶断するヒューズである。温度ヒューズF1の溶断する動作温度Tfuse1は、バイメタルスイッチSW1の動作温度Tsw1よりも高い温度に設定されている。また、温度ヒューズF1の動作速度は、バイメタルスイッチSW1よりも遅くなるように、溶断特性が設定されている。温度ヒューズF1は、一度溶断したら、導通状態に復帰することのない非復帰形の感熱スイッチである。この場合、バイメタルスイッチSW1の動作温度Tsw1と、ヒータR1の上限温度Thと、温度ヒューズF1の動作温度Tfuse1とは、下記式(1)で示す関係となる。
Tsw1<Th<Tfuse1 ・・・(1)
また、バイメタルスイッチSW1及び温度ヒューズF1の動作温度、及び動作速度の設定は、バイメタルスイッチSW1及び温度ヒューズF1自体の部品の特性を設定するほか、バイメタルスイッチSW1を温度ヒューズF1よりも先に動作させるために、例えばバイメタルスイッチSW1と二次電池6との間の熱抵抗が温度ヒューズF1と二次電池6との間の熱抵抗よりも小さくなるようにバイメタルスイッチSW1と二次電池6とを近接させたり密着させたりする構成によってもよく、例えば、バイメタルスイッチSW1の接点抵抗や可動切片における抵抗を上昇させて自己発熱量を増大させたり、バイメタルスイッチSW1が放熱する際の周囲に対する熱抵抗を増大させたり、バイメタルスイッチSW1を小型化して熱容量を低減させたりすることによってバイメタルスイッチSW1を自己発熱により温度上昇し易い構成としてもよい。
また、温度ヒューズF1の動作をバイメタルスイッチSW1より遅らせるために、例えば温度ヒューズF1が放熱する際の周囲に対する熱抵抗を減少させたり、例えば温度ヒューズF1に熱伝導性のよい材料を接触させる等の方法により温度ヒューズF1を大型化することなく温度ヒューズF1のみかけの熱容量を増大させたりすることによって、温度ヒューズF1を温度上昇し難い構成としてもよい。
図7は、上記式(1)を満たすようにバイメタルスイッチSW1及び温度ヒューズF1の動作温度、及び動作速度を設定した場合における電流値と、動作時間との一例を示すグラフである。図7に示すグラフにおいて、縦軸は、バイメタルスイッチSW1及び温度ヒューズF1に流れる電流値、横軸は、縦軸の電流を流してからバイメタルスイッチSW1及び温度ヒューズF1が動作するまでの時間である。
図7において、グラフG1〜G3は、電池パック1を組み立てた状態におけるバイメタルスイッチSW1に流れる電流値と、動作時間との関係の一例を示すグラフである。グラフG1は周囲温度が−30℃の場合、グラフG2は周囲温度が0℃の場合、グラフG3は周囲温度が25℃の場合、グラフG4は周囲温度が70℃の場合を示している。また、グラフG5〜G10は、電池パック1を組み立てた状態における温度ヒューズF1に流れる電流値と、動作時間との関係の一例を示すグラフである。グラフG5は周囲温度が65℃の場合における最小値、グラフG6は周囲温度が65℃の場合における平均値、グラフG7は周囲温度が65℃の場合における最大値、グラフG8は周囲温度が25℃の場合における最小値、グラフG9は周囲温度が25℃の場合における平均値、グラフG10は周囲温度が25℃の場合における最大値を示している。また、グラフG11は、バイメタルスイッチSW1の部品単体での特性を示している。なお、図7に示すデータの測定に際して、温度ヒューズF1は、パナソニックエレクトロニックデバイス(株)製EYP2ML098を用いた。
次に、保護回路5dの動作について説明する。まず、保護回路5cと同様にして保護回路5dが過充電保護状態になっているとする。過充電保護状態が継続すると、ヒータR1は更に温度上昇し、これに伴って温度センサS1の抵抗は減少し、やがてバイメタルスイッチSW1の上限温度Thに達する。そうすると、コンパレータA4はローレベルの信号を出力し、トランジスタQ1はオフし、ヒータR1は発熱を停止する。これにより上限温度Th以上に加熱されることが防止され、接点の溶着が防止される。
次にバイメタルスイッチSW1の接点が溶着した場合の保護回路5dによる温度保護動作について説明する。過充電保護状態が継続され、ヒータR1の上限温度Thに達しても、バイメタルスイッチSW1は接点が溶着しているため、オフされず、二次電池6への充電が継続して行われる。そして、電圧Vbが基準電圧Ref5(>Ref1)を超えると、コンパレータA5はハイレベルの信号を出力し、トランジスタQ2はオンする。これにより抵抗R5は短絡され、コンパレータA4の−端子の電圧が基準電圧Ref4以下となり、コンパレータA4はハイレベルの信号を出力する。このとき、電圧Vbは基準電圧Ref1を超えているため、コンパレータA1はハイレベルの信号を出力している。その結果、トランジスタQ1はオンし、抵抗R1は発熱し、バイメタルスイッチSW1を再び加熱する。これにより、ヒータR1の上限温度は温度ヒューズF1の動作温度Tfuse1より高くなる。そして、温度ヒューズF1の温度が上昇し、動作温度Tfuse1を超えると、温度ヒューズF1は溶断し、二次電池6への充電を停止させる。
このように実施の形態5による保護回路5dによれば、温度制御部54dを備えているため、ヒータR1がバイメタルスイッチSW1を加熱する温度範囲が、動作温度Tsw1より大きく、動作温度Tfuse1以下の範囲となるため、バイメタルスイッチSW1の接点の溶着を防止することができる。また、上限温度変更部55を備えているため、バイメタルスイッチSW1の接点が溶着され、二次電池6の過充電が継続され、電圧Vbが基準電圧Ref5を超えると、トランジスタQ2はオンし、ヒータR1の上限温度が動作温度Tfuse1より高くなる。これにより、ヒータR1の温度は更に上昇していき、動作温度Tfuse1に達して、温度ヒューズF1は溶断させるため、バイメタルスイッチSW1の接点が溶着した場合であっても、二次電池6を過充電から保護することができる。
なお、実施の形態5では、ヒータR1を用いたがこれに限定されず、過充電保護部51、温度制御部54d、ANDゲートG2、トランジスタQ1、及び温度センサS1を集積回路とし、主にトランジスタQ1がオンに起因して生じる集積回路の熱を利用してバイメタルスイッチSW1を加熱してもよい。この場合、ヒータR1が不要となり部品点数の削減を図ることができる。更に、この場合、図10〜13に示すように電池パック1を構成することが好ましい。
図10〜15は、実施の形態5の保護回路5dを集積回路とした場合における電池パック1の分解構成図を示し、(a)は上面図を示し、(b)は側面図を示している。図10(b)に示すように電池パック1は、合成樹脂やセラミックスなどの絶縁材料により一体形成されたフレーム体110と、金属薄板などにより形成された第1配線導体120と、金属薄板などに形成された第2配線導体130と、バイメタルスイッチ140(SW1)と、バイメタルスイッチ140を覆うカバー体150と、配線基板160とを備えている。
フレーム体110は、第1支持部材111と、第1支持部材111に対して所定間隔をおいて対向配置された第2支持部材112と、第1支持部材111及び第2支持部材112を連結する連結部材113とを備えている。配線基板160と連結部材113との間には空間が設けられ、この空間部に集積回路ICが配設される。
第1配線導体120は、第1支持部材111上に配設されている。第2配線導体130は、第2支持部材112上に配設されている。なお、第2配線導体130は、連結部材113の表面まで延設されている。
バイメタルスイッチ140は、可動接点部材141、バイメタル素子142、及び突起143を備えている。可動接点部材141は、第1配線導体120と第2配線導体130との間に跨って配設された長尺形状を有し、左端には上側に突出した接点141aが設けられ、右端が第2配線導体130上に固定されている。バイメタル素子142は、中央部が可動接点部材141側に湾曲された長尺形状を有し、加熱されたとき、可動接点部材141側に湾曲される。突起143は、バイメタル素子142の外力による変形を阻止する。
接点141aは、可動接点部材141がバイメタル素子142から下向きの力を受けたとき、第1配線導体120から離れる。これによりバイメタルスイッチ140はオフする。一方、接点141aは、可動接点部材141がバイメタル素子142からの下向きの力を受けないとき、第1配線導体120と接触する。これにより、バイメタルスイッチ140はオンする。
配線基板160の上面には、接続端子T1,T2が配設されている。第1配線導体120の左側には、温度ヒューズF1が配設されている。温度ヒューズF1と二次電池6の正極端子6aとは接続配線L1により電気的に接続されている。また、配線基板160の右端には接続端子T2を接地するための接続配線L2が取り付けられている。
なお、図10に示す電池パック1に代えて、図11に示す電池パック1を採用してもよい。図11に示す電池パック1は、配線基板160と二次電池6との空間を樹脂170により埋めたことを特徴としている。また、図11に示す電池パック1に代えて、図12に示す電池パック1を採用してもよい。図12に示す電池パック1は、図11の電池パックにおいて、二次電池6と配線基板160とを2つのねじ131,132によりねじ止めしたことを特徴としている。
更に、図12に示す電池パック1に代えて、図13に示す電池パック1を採用してもよい。図13に示す電池パック1は、バイメタル140等が取り付けられた表面を上側に向け、裏面を二次電池6側に向けて配線基板160を配設すると共に、接続端子T1,T2としてコネクタC1を採用したことを特徴としている。この場合、充電装置、又は負荷機器はコネクタC1に対応するコネクタを備え、対応するコネクタをコネクタC1にはめ込むことで、二次電池6と電気的に接続される。
(実施の形態6)
次に実施の形態6の保護回路60について説明する。図8は実施の形態6の保護回路60の回路図を示している。保護回路60は、集積回路IC及びバイメタルスイッチSW1を備えている。集積回路ICは、トランジスタ(スイッチング手段)Q1、トランジスタ(抵抗)Q2、ANDゲート(スイッチング手段)G2、ORゲート(スイッチング手段)G2、減電圧制御部(電源制御手段)61、電源制御部(電源制御手段)62、過充電制御部(第1の過充電保護手段及び第2の過充電保護手段)63、短絡保護部(短絡保護手段)64、及び温度制御部(温度制御手段)65を備えている。トランジスタQ1はnチャネルFETであり、ゲートがANDゲートG2の出力端子に接続され、ドレインが接続端子T3に接続され、ソースが接続端子T2,T4に接続されている。トランジスタQ2はpチャネルFETであり、ゲートが減電圧制御部61及び電源制御部62に接続され、ドレインが接続端子T3に接続され、ソースが接続端子T1に接続されている。
減電圧制御部61は、電圧Vbが所定の過放電防止電圧以下の場合、電源制御部62とトランジスタQ2とをオフし、二次電池6の過放電を防止する。
電源制御部62は、過充電制御部63、短絡保護部64、及び温度制御部65に電力を供給する。過充電制御部63は、過充電保護状態においてバイメタルスイッチSW1がオフしている場合に、接続端子T1,T2に充電装置が接続され、過充電が継続されているか否かを検知する。
短絡保護部64は、バイメタルスイッチSW1がオフしている過電流保護状態において、接続端子T1,T2に過電流を引き起こすような負荷が接続されている又は短絡されているか否かを検知する。
温度制御部65は、ヒータ素子とスイッチ素子とを兼ねるトランジスタQ1の発熱に起因する集積回路ICの温度を検知し、この温度が所定の設定温度を超えた場合、トランジスタQ1をオフする。
図9は保護回路60の詳細な構成を示す回路図である。減電圧制御部61は、コンパレータA6、及び基準電圧源E6を備えている。基準電圧源E6は、電圧発生回路から構成され、過放電防止電圧Ref6をコンパレータA6の+端子に印加する。コンパレータA6は、電圧Vbが過放電防止電圧Ref6を超えた場合、ローレベルの信号を出力し、トランジスタQ2及び電源制御部62をオンする。ここで、過放電防止電圧Ref6は基準電圧Ref1,Ref3,Ref4よりも小さい。
電源制御部62は、コンパレータA1,A2,A3,A4の電源供給端子と接続され、これらのコンパレータに電力を供給する。なお、図9において、コンパレータA2と電源制御部62との結線は省略している。
過充電制御部63は、コンパレータA1,A2、基準電圧源E1を備えている。コンパレータA1及び基準電圧源E1は、実施の形態1による保護回路5に示す過充電保護部51に相当し、コンパレータA2及び基準電圧源E1は、保護回路5に示すチャタリング防止部52に相当し、二次電池6の過充電を検知して二次電池6を過充電から保護すると共に、過充電保護状態において、バイメタルスイッチSW1に生じるチャタリングを防止する。
短絡保護部64は、コンパレータA3及び基準電圧源E3を備えている。コンパレータA3は出力端子がORゲートG1の入力端子に接続され、+端子が基準電圧源E3の負極に接続され、−端子が接続端子T1に接続され、電源供給端子が電源制御部62に接続され、グラウンド端子が接続端子T2,T4に接続されている。
コンパレータA3は、二次電池6の電圧Vbが基準電圧Ref3と電圧Vaとを加算した電圧を超える場合(Vb>Va+Ref3)、過電流保護状態において、接続端子T1,T2に負荷の接続が継続されていると判定し、ハイレベルの信号を出力する。これにより、過電流保護状態においてバイメタルスイッチSW1で生じるチャタリングを防止することができる。
温度制御部65は、コンパレータA4、基準電圧源E4、抵抗R3、温度センサS1、基準電圧源E7を備え、実施の形態4による保護回路5cに示す温度制御部54に相当する。
コンパレータA4は出力端子がANDゲートG2の入力端子に接続され、−端子が抵抗R3を介して接続端子T2,T4に接続され、+端子が基準電圧源E4を介して接続端子T2,T4と接続され、グラウンド端子が接続端子T2,T4に接続されている。基準電圧源E7は、負極が接続端子T2,T4と接続され、正極が温度センサS1を介してコンパレータA4の−端子に接続されている。
次に実施の形態6による保護回路60の動作について説明する。まず、保護回路60による過放電保護動作について説明する。二次電池6の放電が進み、電圧Vbが過放電防止電圧Ref6以下になると、コンパレータA6はハイレベルの信号を出力し、トランジスタQ2及び電源制御部62をオフさせる。従って、コンパレータA1〜A4に二次電池6の電力が供給されることが防止され、接続端子T1,T2間に負荷が接続されていない場合において生じる過放電から二次電池6を保護することができる。
次に保護回路60による過電流保護状態における短絡保護動作について説明する。過電流保護状態に至るまでの過程及び過電流保護状態においてバイメタルスイッチSW1のチャタリングを防止するまでの過程は、実施の形態2の保護回路5aと同一であるため説明を省く。
過電流保護状態において、接続端子T1,T2間の短絡が解除されると、二次電池6からトランジスタQ2を経由して、接続端子T1に微小電流が流れる。このとき、接続端子T1,T2間に負荷が接続されていないため、電圧Vaと電圧Vbとはほぼ同じ値となり、電圧Vbと電圧Vaとの差が基準電圧Ref3以下になるため、コンパレータA3はローレベルの信号を出力する。このとき、コンパレータA1もローレベルの信号を出力しているため、トランジスタQ1はオフされ、バイメタルスイッチSW1は、加熱が停止され、自然冷却により動作温度Tsw1以下になると、オンし、保護回路5は過電流保護状態から通常状態に復帰する。
なお、過充電制御部63による過充電保護動作及び過充電保護状態におけるチャタリング防止動作は、実施の形態1による保護回路5と同一であり、また、温度制御部65による温度保護動作は、実施の形態4の保護回路5cと同一であるため説明を省略する。
以上説明したように実施の形態6による保護回路60によれば、実施の形態1〜5の保護回路5〜5dと同一の作用効果を奏することができることに加え、減電圧制御部61及びトランジスタQ2を備えているため、二次電池6を過放電から保護することができる。