<第一実施例>
本実施例にかかるスロットマシン1は、遊技媒体として遊技球を用いる遊技機であり、パチンコ機用の遊技島に、パチンコ機と同様に取り付けられる。また、図1に示すように、スロットマシン1は、遊技島に起立状に配設される矩形状の外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とで構成される。さらに前記遊技機本体3は、外枠2の前面に開閉可能に枢設される前枠4と、前枠4の前面側上半分に開閉可能に枢設される前扉6とを備えている。なお、前枠4は、外枠2の前面の左側縁上に設けられたヒンジ部材12を介して当該外枠2に接続されている。
また、前扉6の中央には、リール11a〜11cの前面を視認可能とする三つの表示窓8a〜8cが設けられている。具体的には、左リール11aが左表示窓8aから、中リール11bが中表示窓8bから、右リール11cが右表示窓8cから視認可能となっている。ここで、図2に示すように、各リール11a〜11cの外周面には、複数の図柄Xが配設されており、その一部が前記表示窓8a〜8cから視認可能となっている。なお、図柄Xとしては、「7」、「BAR」、「リプレイ(R)」、「チェリー」、「ベル」、「レモン」があり、各リール11a〜11cごとに特徴的な図柄列30a,30b,30cが構成されている。そして、遊技者により、後述するスタートレバー56が操作されると、リール11a〜11cが前方に回転し、これに伴い図柄列30a,30b,30cは、図2に示すY方向に進行する。
また、図1に示すように、左表示窓8aの左位置には、後述する有効ラインを遊技者に報知する有効ライン表示部22が設けられている。なお、本実施例で表示される有効ラインは、中央横有効ライン(一本)、上横有効ライン(一本)、下横有効ライン(一本)、斜め有効ライン(二本)の計五本である。また、表示窓8a〜8cの直下位置には、各種の遊技情報を遊技者に報知する表示器7が配設されている。
また、前扉6の直下位置には、樹脂製の上皿部材31が固定されている。そして、この上皿部材31には、遊技球を貯留する皿形状の球貯留部32が設けられている。また、球貯留部32の直上位置に、遊技球が通過可能な払出口34が開口している。そして、いわゆる当りとなった場合に、前記払出口34から遊技球が放出され、球貯留部32に遊技球が流入する構成となっている。
また、上皿部材31の下方には、下皿部材20が配設されている。そして、この下皿部材20には、遊技球を貯留する補助貯留部21が設けられている。ここで、補助貯留部21内には、球出口24が開口しており、球貯留部32が満杯である場合に、球貯留部32内の遊技球が球出口24を介して補助貯留部21内に流入する構成となっている。この球貯留部32から補助貯留部21へ遊技球を流入させる機構は、既存のパチンコ機の構成を好適に用いることができる。
次に、球貯留部32について詳述する。
球貯留部32の内底面81には、図1又は図3に示すように、左右方向に形成された球整列溝82が設けられている。さらに、図3に示すように、この球整列溝82の右端には、遊技球が通過可能な取込口85が形成されている。そして、球貯留部32に流入した遊技球は、球整列溝82に流入して一列状に整列し、球整列溝82の案内に従って取込口85に流入する構成となっている。
また、図3又は図5に示すように、取込口85には、補助貯留部21にある球出口24に連通する球抜用樋部材84が配設されている。この球抜用樋部材84は、球整列溝82の先頭の遊技球が臨む位置に開口しており、当該開口部に開閉可能に設けられた開閉部材88の開閉制御により、適時に補助貯留部21へ遊技球を排出することができる構成となっている。
また、図5に示すように、球貯留部32の底面からは、樹脂部材により構成されるモータ台座62が垂下され、このモータ台座62に、スプロケット71を回転駆動する取込モータ72が固着されている。ここで、図4に示すように、スプロケット71は、その周部に、遊技球一個を収容可能な凹部70を三つ等間隔に備え、各凹部70の間を、遊技球を係止する係止部73としている。そして、図4,5に示すように、スプロケット71の中心に形成された軸孔74が取込モータ72の回転軸75に軸着され、スプロケット71が取込口85の直下に位置している。
かかる構成にあって、ステッピングモータからなる取込モータ72が、所定制御信号に応じた回転角度でスプロケット71を回転駆動させると、順次その凹部70に、球整列溝82に整列する遊技球が収容され、取込口85に配設された取込球通過用樋部材69に送り込まれる。ここで、遊技球は、原則、所定数(5個)を一単位として取込球通過用樋部材69に取り込まれる。そして、遊技球は、取込球通過用樋部材69により遊技機本体3の背面に案内されて、遊技島の球回収装置(図示省略)へと排出される。なお、球整列溝82には、遊技球通過を検知する非接触式の投入遊技球検出センサ18が設けられている。なお、本実施例に係る取込口85により、本発明に係る遊技媒体投入口が構成される。
一方、図1に示すように,上皿部材31の上面には、遊技者が操作するMAXベットボタン57aと1ベットボタン57bとが配設されている。さらに、当該球貯留部32の前面には、スタートレバー56、及び左リールストップボタン58a、中リールストップボタン58b、及び右リールストップボタン58cが配設されている。
ここで、各ベットボタン57a,57bは、ゲーム実行時の有効ライン数を決定するものであり、このボタン操作により球貯留部32内の遊技球が所定個数だけ自動的に取込口85へ投入される。具体的には、MAXベットボタン57aを操作すると、五本の有効ラインが有効となって、15球の遊技球が投入される。また、1ベットボタン57bを一回操作すると、一本の有効ラインが有効となって、5球の遊技球が投入される。さらに、1ベットボタン57bを二回操作すると、三本の有効ラインが有効となって、10球の遊技球が投入される。
また、スタートレバー56は、リール11a〜11cを回転始動するものであり、有効ライン数を決定した後、スタートレバー56を操作すると、これを契機として各リール11a〜11cに連繋された回胴装置39(図6参照)が駆動開始し、これに伴ってリール11a〜11cが前方に所定速度で回転する。
また、各リールストップボタン58a〜58cは、リール11a〜11cを回転停止するものであり、リール11a〜11cの回転中にこれらのボタンを押圧操作すると、この操作タイミングに基づいて回胴装置39が各ボタン58a〜58cに対応するリール11a〜11cを停止させる。具体的には、左リールストップボタン58aを操作すると、回転中の左リール11aが停止し、中リールストップボタン58bを操作すると、中リール11bが停止し、右リールストップボタン58cを操作すると、右リール11cが停止する、なお、スタートレバー56により、本発明に係るリール始動操作部が構成される。また、リールストップボタン58a〜58cにより、本発明に係るリール停止操作部が構成される。
これまでに述べた構成にあって、以下のように遊技が進行する。
遊技者が、いずれかのベットボタン57a,57bをボタン操作して有効ライン数を決定すると、有効ライン数に対応する所定数の遊技球が取込口85に投入され、有効ライン表示部22により所定数の有効ラインが表示される。そして、有効ライン数が表示された後、スタートレバー56を押し下げると、全リール11a〜11cが一斉に回転し始める。そして、このリール11a〜11cが回転している遊技状況でリールストップボタン58a〜58cを順次ボタン操作すると、そのボタン操作に基づいてリール11a〜11cが回転停止する。このとき、有効ライン上に同じ柄の図柄Xが並んで停止すると、当り組合せとなって、遊技者に所定数の遊技球が付与される。一方、停止した図柄Xの組合せが当り組合せ以外である場合は、ハズレとなる。なお、本発明に係るゲームとは、公知のゲームであって、スタートレバー56の操作から遊技球が付与されるまで、又は、スタートレバー56の操作からハズレの確定表示までをいう。また、一回のゲームを行うのに必要な遊技球数(5球)により、本発明に係る基準遊技媒体数が構成される。
次に、本実施例に係るスロットマシン1の遊技作動を制御する制御回路を、図6に従って説明する。
スロットマシン1は、遊技作動等を制御するための基板回路が設けられた主制御基板100を備えている。この主制御基板100の基板回路上には、マイクロコンピュータを構成し、遊技に関する統括的な制御を処理実行する主制御用中央制御装置CPU101が配設されている。
また、この主制御用中央制御装置CPU101には、記憶装置ROM102が、アドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)を介して接続されている。さらに、記憶装置RAM103も、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続されている。ここで、記憶装置ROM102には、演算処理に用いる動作プログラムや各種テーブル等の固定データが記憶保持されている。本発明にあっては、後述する通常ゲーム用当り乱数テーブルと補助ゲーム用当り乱数テーブルの固定データが記憶保持されている。一方、記憶装置RAM103には、記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
また、この主制御基板100の基板回路には、主制御用中央制御装置CPU101が周辺機器とデータ通信を行うための第一I/Oポート105a及び第二I/Oポート105bが設けられている。
第一I/Oポート105aには、スタートスイッチ51、左リールストップスイッチ14a、中リールストップスイッチ14b、右リールストップスイッチ14c、投入遊技球検出センサ18、MAXベットスイッチ52、及び1ベットスイッチ17がそれぞれ接続されている。そして、主制御用中央制御装置CPU101が所定の時間間隔でこれらのスイッチ又はセンサから出力される検出信号を調べ、検出信号を受信すると、その情報を記憶装置RAM103に記憶保持する。そして、種々の制御処理を実行する。
これに対し第二I/Oポート105bには、有効ライン表示部22、遊技球払出装置33、ランプ装置35、取込モータ72、表示器7、及び効果音発生装置25がそれぞれ接続され、主制御用中央制御装置CPU101からの制御指令が、各装置等へ一方向に出力される。また、これ以外にも第二I/Oポート105bには、リール11a〜11cと連繋した回胴装置39が接続されており、当該第二I/Oポート105bを介して主制御用中央制御装置CPU101と回胴装置39とが信号をやり取りしている。
次に、各装置等についてさらに説明する。
スタートスイッチ51は、スタートレバー56に配設されている。そして、遊技者が適正なタイミングでスタートレバー56を操作すると、主制御用中央制御装置CPU101が、スタート信号が出力されたと判定すると共に、各種乱数テーブルから乱数値を一つ抽選し、各値に基づいて種々の動作を開始する。また、主制御用中央制御装置CPU101は、回胴装置39に回転始動信号を送信する。一方、回胴装置39は、かかる信号に従って、全リール11a〜11cを回転始動する。
また、各リールストップスイッチ14a〜14cは、各リールストップボタン58a〜58cにそれぞれ配設されている。そして、遊技者が適正なタイミングでリールストップボタン58a〜58cをボタン操作すると、主制御用中央制御装置CPU101が、それぞれストップ信号が出力されたと判定し、所定のタイミングで回胴装置39に回転停止信号を送信する。そして、回胴装置39は、かかる信号に従って、所定のリール11a〜11cを所定回転角度位置で回転停止させる。
投入遊技球検出センサ18は、上述のように、球整列溝82に配設されており、取込口85を通過する遊技球を検知する。そして、遊技球が取込口85に投入されると、主制御用中央制御装置CPU101は遊技球検出信号が出力されたと判定し、投入された遊技球数を計数すると共に、後述する種々の制御処理を実行する。なお、投入遊技球検出センサ18及びかかる制御を行う主制御基板100により、本発明に係る計数手段が構成される。
また、MAXベットスイッチ52は、MAXベットボタン57aに配設されている。そして、遊技者が適正なタイミングでMAXベットボタン57aを操作すると、主制御用中央制御装置CPU101が、MAXベット信号が出力されたと判定する。さらに、取込モータ72に15球の遊技球を取り込むように駆動信号を送信すると共に、有効ライン表示部22に表示信号を送信する。一方、取込モータ72は、駆動信号に従ってスプロケット71を回転させて15球の遊技球を取り込む。また、有効ライン表示部22は、表示信号に従って、五本の有効ラインを表示する。
1ベットスイッチ17は、1ベットボタン57bに配設されている。そして、遊技者が適正なタイミングで1ベットボタン57bを一回操作すると、主制御用中央制御装置CPU101が、1ベット信号が出力されたと判定する。さらに、取込モータ72に5球の遊技球を取り込むように駆動信号を送信すると共に、有効ライン表示部22に表示信号を送信する。一方、取込モータ72は、駆動信号に従ってスプロケット71を回転させて5球の遊技球を取り込む。また、有効ライン表示部22は、表示信号に従って、一本の有効ラインを表示する。また、1ベットボタン57bが二回操作された場合は、10球の遊技球を取り込むと共に、三本の有効ラインを表示する。
次に、回胴装置39について説明する。
回胴装置39は、ステッピングモータ制御基板94と、リール11a〜11cが接続されたステッピングモータ92とで構成されている。さらに、ステッピングモータ制御基板94は、フォトセンサ等で構成される基準回転角度位置検出部90と、所定間隔で定期的にパルス信号を出力するパルス発生部91と、パルス発生部91が出力したパルス信号を計数するパルス計数部93とで構成されている。ここで、主制御基板100の第二I/Oポート105bとパルス発生部91とが接続し、このパルス発生部91が、ステッピングモータ92とパルス計数部93とにそれぞれ接続している。また、第二I/Oポート105bと基準回転角度位置検出部90とが互いに接続し、この基準回転角度位置検出部90がステッピングモータ92とも接続している。また、パルス計数部93は、第二I/Oポート105bとも互いに接続している。また、各リール11a〜11cには、回転角度を検出するための基準となる基準回転角度位置が設定されている。
かかる構成にあって、基準回転角度位置検出部90は、基準回転角度位置を随時検出すると共に、基準回転角度位置に関する信号データを主制御用中央制御装置CPU101に送信する。また、主制御用中央制御装置CPU101からの回転始動信号がパルス発生部91に送信されると、パルス発生部91は、基準回転角度位置から所定回転角度だけ各リール11a〜11cを回転させるためのパルス信号をステッピングモータ92に出力する。このパルス信号により、ステッピングモータ92は、各リール11a〜11cを所定回転角度だけ順次回転させて、各リール11a〜11cを前方回転させる。また、パルス計数部93は、入力されるパルス信号を計数し、第二I/Oポート105bに信号を送信する。このようにして主制御用中央制御装置CPU101は、基準回転角度位置からのパルス数を把握し、各リール11a〜11cの回転態様を完全に制御している。また、回転停止信号がパルス発生部91に送信されると、所定回転角度でリール11a〜11cを回転停止させる。例えば、ある特定の図柄Xを所定停止位置で停止させたり、回転中のリール11a〜11cに対してリールストップボタン58a〜58cが操作された際の回転角度(目押し位置)を特定したりする。なお、これまでに述べたいわゆるパルスモータの構成は、従来構成のものが好適に用いられ得る。
また、停止した図柄Xの組合せが当り組合せとなって遊技者に遊技球を付与する場合には、主制御用中央制御装置CPU101は、所定数の遊技球を払い出すために遊技球払出装置33に払出信号を送信する。これに対し、遊技球払出装置33は、送信された払出信号に従って駆動して、所定数の遊技球を球貯留部32に払い出す。一方、ハズレの場合は、主制御用中央制御装置CPU101は、ハズレの態様で停止図柄Xを確定表示する。なお、遊技球払出装置33により、本発明に係る遊技媒体付与手段が構成される。
また、遊技の進行に伴って所定の演出・報知を実行する場合には、主制御用中央制御装置CPU101は、ランプ装置35、表示器7、又は効果音発生装置25に演出・報知信号を送信する。そして、ランプ装置35、表示器7、又は効果音発生装置25は、かかる信号に従ってそれぞれ所要の演出態様で駆動し、点灯又は鳴音する。
また、この主制御用中央制御装置CPU101の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられている。そして主制御用中央制御装置CPU101は、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTも接続されている。このタイマTは、クロック装置のクロックと同期してカウントを計数し、このカウントが所定数に達すると、解除信号を出力するものである。なお、解除信号が出力されると、タイマTは初期化(リセット)される。
次に、上記構成からなるスロットマシン1のメイン遊技処理について、図7に従って説明する。
図7に示すように、主制御用中央制御装置CPU101は、まずビックボーナス(BB)フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1)。そして、当該フラグがONであると判定した場合は、ビックボーナス遊技処理を実行し(ステップS27)、メイン遊技処理を終了する。一方、ステップS1で当該フラグがONでないと判定した場合は、次に、レギュラーボーナス(RB)フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2)。そして、当該フラグがONであると判定した場合は、レギュラーボーナス遊技処理を実行し(ステップS28)、メイン遊技処理を終了する。一方、ステップS2で当該フラグがONでないと判定した場合は、次に、リプレイフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3)。そして、ステップS3でリプレイフラグがONであると判定した場合は、前回実行したゲームに用いた有効ライン数を今回実行するゲームの有効ライン数とする(ステップS4)。具体的には、有効ライン表示部22に表示信号を送信する。そして、リプレイフラグをOFFとする(ステップS5)。
一方、ステップS3で、リプレイフラグがONでないと判定した場合は、投入遊技球検出センサ18がONであるか否かを判定する(ステップS6)。そして、ステップS6で当該センサ18がONであると判定した場合は、遊技球の検出回数Nに1を加算し、その加算結果を新たな検出回数Nとする(ステップS7)。そしてさらに、検出回数Nが、N=5であるか(ステップS8)、N=10であるか(ステップS10)、又はN=15であるか(ステップS12)を順に判定する。そして、N=5であると判定した場合は、有効ライン表示部22に表示信号を送信し、中央横有効ラインを表示する(ステップS9)。また、N=10であると判定した場合は、中央横、上・下横有効ラインを表示する(ステップS11)。そして、N=15であると判定した場合は、中央横、上・下横、斜め有効ラインを表示する(ステップS13)。
そして、ステップS5、ステップS9、ステップS11、又はステップS13の処理を終了すると、ステップS14に移行する。なお、ステップS6で、当該センサ18がONでないと判定した場合も、ステップS14に移行する。また、検出回数Nが、N=5、N=10、及びN=15のうち、いずれでもない場合もステップS14に移行する。
ステップS14では、スタートレバー操作フラグがONであるか否かを判定する。そして、当該フラグがONであると判定した場合は、ステップS17に移行し、一方、ONでないと判定した場合は、ステップS15に移行する。ステップS15は、スタートレバー56が操作されたか否かを判定する。ここで、スタートレバー56が操作されたと判定した場合は、スタートレバー操作フラグをONとし(ステップS16)、ステップS17に移行する。一方、スタートレバー56が操作されていないと判定した場合は、メイン遊技処理を終了する。
ステップS17では、遊技球の検出回数Nが、基準遊技媒体数(5球)より少ないか否かを判定する。そして、ステップS17で検出回数NがN<5であると判定した場合は、本発明に係る基準遊技媒体数付与決定処理(ステップS26)に移行する。この基準遊技媒体数付与決定処理については、本発明の要部であるため後で詳述する。なお、このステップS17を実行する制御内容を具備する主制御基板100により、本発明に係る基準遊技媒体数判定手段が構成される。
一方、ステップS17でN≧5であると判定した場合は、次に、N=5であるか(ステップS18)、N=10であるか(ステップS19)、又はN=15であるか(ステップS20)を順に判定する。そして、N=5、N=10、又はN=15と判定した場合にはステップS21に移行する。これに対し、N=5又はN=10である場合は、ステップS21に移行する。また、いずれでもないと判定した場合は、メイン遊技処理を終了する。
ステップS21では、抽選処理を実行する。この抽選処理は、記憶装置ROM102に格納されている種々の乱数テーブルから乱数値を一つ抽選する処理である。例えば、記憶装置ROM102に格納されている通常ゲーム用当り乱数テーブルから乱数値を一つ抽選する。
ステップS22では、フラグ設定処理を実行する。このフラグ設定処理は、抽選した乱数値と、当該テーブルに対応する当り値とを比較し、両値が一致した場合に、対応するフラグをONに設定する処理である。例えば、通常ゲーム用当り乱数テーブルから抽選した乱数値と、通常ゲーム用当り値とを比較し、一致した場合に、通常ゲーム用当りフラグをONとする。一方、両値が不一致の場合は、フラグ設定を行わず、次の処理(ステップS23)に移行する。
ステップS23では、左・中・右リール回転処理を実行する。この左・中・右リール回転処理は、回胴装置39を用いて全リール11a〜11cを一斉に回転始動する処理である。
ステップS24では、回転リール停止処理を実行する。この回転リール停止処理は、リールストップボタン58a〜58cの操作に従って、対応するリール11a〜11cを所定回転角度位置で停止する処理である。
ステップS25では、入賞判定処理を実行する。この入賞判定処理は、有効ライン上に停止した図柄Xが当り組合せであるか否かを判定する処理である。ここで、当り組合せでないと判定した場合は、リプレイフラグ、及び小役フラグをOFFとし、処理を終了する。これに対し、当り組合せであると判定した場合は、その当り組合せがリプレイであるか否か判定し、リプレイであると判定した場合はそのまま処理を終了する。一方、リプレイでないと判定した場合は、当該当り組合せが小役であるか否かを判定し、小役であると判定した場合は、遊技球を50球払い出して、小役フラグをOFFとする。一方、小役でないと判定した場合は、当該当り組合せがRBであるか否かを判定し、RBであると判定した場合は、遊技球を75球払い出し、さらにRBフラグをOFFとし、かつRB遊技フラグをONとする。これに対し、RBでないと判定した場合は、遊技球を75球払い出し、さらにBBフラグをOFFとし、かつBB遊技フラグをONとする。なお、BBフラグがONに設定されると、有効ライン上にBB図柄組合せ「7−7−7」が停止しなくても、フラグがONである状態が維持される。また、RBフラグの場合も同様で、RBフラグがONに設定されると、RB図柄組合せ「BAR−BAR−BAR」が停止しなくても、フラグがONである状態が維持される。なお、小役フラグについては、1ゲームが終了する度にフラグがOFFとなる。
次に、本発明の要部に係る基準遊技媒体数付与決定処理(ステップS26)について説明する。まず、この基準遊技媒体数付与決定処理により実行される補助ゲームの意義について簡単に説明する。
従来、遊技中に球貯留部32等から遊技球がこぼれ落ち、獲得した遊技球を遊技者が紛失してしまうことがあった。したがって、遊技者が所持する遊技球数に端数が生じ、基準遊技媒体数(遊技球5球)より少ない数(具体的には、遊技球1球〜4球)しか遊技者の手元に残らないということがあった。本発明に係る補助ゲームは、このような遊技者に救済の機会を与えつつ、遊技球の端数処理を行うものである。換言すれば、補助ゲームは、遊技者が基準遊技媒体数より少ない数の遊技球しか所持していない場合にのみ、実行されるものである(ステップS17参照)。
さらに詳述すると、球貯留部32に基準遊技媒体数より少ない数の遊技球しかなく、当該遊技球が、取込口85に投入されて計数されると、有効ライン表示部22が中央横有効ライン(一本)を表示する。そして、中リール11bのみが回転開始する。そして、所定タイミングで当該中リール11bが自動停止し、中央横有効ライン上に「7」が停止すると、補助当りとなって、払出口34から球貯留部32に、基準遊技媒体数である5球の遊技球が払い出される。
かかる構成とすることにより、遊技者は、払い出された5球の遊技球を使って、通常のゲームを一回行うことが可能となる。なお、補助ゲームで、中央横有効ライン上に「7」が停止しなかった場合は、遊技者の持ち球はなくなり、結局、遊技球の端数処理が行われたこととなる。
次に、図8に従って、具体的に基準遊技媒体数付与決定処理を説明する。
主制御用中央制御装置CPU101は、まず中リール11bが回転中であることを示すタイマフラグがONであるか否かを判定する(ステップS50)。そして、当該フラグがONであると判定した場合は、ステップS65に移行する。一方、当該フラグがONでないと判定した場合は、記憶装置ROM102に格納された補助ゲーム用当り乱数テーブルから乱数値を一つ抽選し、抽選した乱数値を記憶装置RAM103に格納する(ステップS51)。ここで、補助ゲーム用当り乱数テーブルは、「0」〜「4」の5コマで構成され、抽選した乱数値は、「0」〜「4」のいずれかとなる。
そして、検出回数NがN=1であるか否かを判定する(ステップS52)。ここで、N=1であると判定した場合は、第一補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS53)。ここで、第一補助ゲーム用当り値は、「0」に設定されている。すなわち、補助当りとなる補助当り確率は、1/5となる。また、N≠1であって、N=2であると判定した場合は(ステップS54)、第二補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS55)。ここで、第二補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、2/5である。また、N≠2であって、N=3であると判定した場合は(ステップS56)、第三補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS57)。ここで、第三補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」,「2」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、3/5である。さらに、N≠3であった場合は、第四補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS58)。ここで、第四補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」,「2」,「3」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、4/5である。
ステップS53、ステップS55、ステップS57、又はステップS58の処理が終了すると、次にステップS59に移行し、抽選した乱数値と当り値とが一致しているか否かを判定する。そして、ステップS59で、両値が一致していると判定した場合は、補助当りフラグをONとする(ステップS60)。一方、ステップS59で、両値が不一致であると判定した場合は、ステップS61に移行する。
ステップS61では、リール停止タイマTをT=1000に設定する。そして、タイマフラグをONにする(ステップS62)。すなわち、中リール11bが回転開始してから2秒後に停止するように設定する。
そして、中央横有効ラインを有効ライン表示部22により表示し(ステップS63)、中リール11bを回胴装置39により回転開始する(ステップS64)。
そして、ステップS65では、リール停止タイマTの値を、1だけ減算した値を新たにTとし、ステップS66に移行する。ステップS66では、リール停止タイマTがT=0であるか否かを判定する。ここで、T≠0であると判定した場合は、基準遊技媒体数付与決定処理を終了する。一方、T=0であると判定した場合は、補助当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS67)。
ステップS67で、補助当りフラグがONであると判定した場合は、中央横有効ライン上に図柄「7」を停止させ(ステップS68)、ステップS69に移行する。一方、当該フラグがONでないと判定した場合は、当該有効ライン上に他の図柄Xを停止させてハズレとし(ステップS71)、ステップS72に移行する。
ステップS69では、遊技球払出装置33により基準遊技媒体数である5球の遊技球を払い出す。そして、補助当りフラグ、タイマフラグ、及びスタートレバー操作フラグをOFFとする(ステップS70、ステップS72、ステップS73)。さらに、検出回数Nをクリアして(ステップS74)、基準遊技媒体数付与決定処理を終了する。
上記制御処理内容にあって、遊技者の手元に残った遊技球が3球であった場合を例にして、補助ゲームを再度説明する。
遊技者が遊技球を3球賭けると、換言すれば3球の遊技球が取込口85に投入されると、中央横有効ラインが表示される。そして、遊技者によるスタートレバー56の操作があると、中リール11bのみが回転開始する。この中リール11bの回転開始により、補助ゲームが開始される。一方、内部処理として、投入された遊技球数が、基準遊技媒体数より少ない数であるため、ステップS18〜ステップS25の通常のゲームを実行する制御処理は実行されず、基準遊技媒体数付与決定処理が実行される。そして、補助ゲーム用当り乱数テーブルから抽選された乱数値が、第三補助ゲーム用当り値と一致した場合に、中央横有効ライン上に、図柄「7」が停止し、基準遊技媒体数である5球の遊技球が払い出される。
なお、本実施例では、補助当り確率が、計数された遊技球数の大小によって異なる構成である。換言すれば、遊技球数「1」の値に対して、補助当り確率が1/5である第一補助ゲーム用当り値が割り当てられ、「2」の値に対して、補助当り確率が2/5である第二補助ゲーム用当り値が割り当てられ、「3」の値に対して、補助当り確率が3/5である第三補助ゲーム用当り値が割り当てられ、「4」の値に対して、補助当り確率が4/5である第四補助ゲーム用当り値が割り当てられている。かかる構成とすることにより、遊技球を多く投入した遊技者が、補助ゲームで補助当りを獲得しやすくなる。
なお、ステップS50〜ステップS74の処理を実行し、補助ゲームを実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム実行手段が構成される。また、ステップS51の処理を実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム用当り抽選手段が構成される。また、ステップS59の処理を実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム用当り判定手段が構成される。また、ステップS69の処理を実行し、基準遊技媒体数の遊技球を払い出すための払出信号を遊技球払出装置33に送信する主制御基板100により、本発明に係る遊技媒体付与指令手段が構成される。また、ステップS53、ステップS55、ステップS57、及びステップS58の処理を実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム用当り値選定手段が構成される。
なお、上記実施例に係る補助ゲームは、所定箇所である中央横有効ライン上に、所定の当り図柄Xである「7」が停止した場合に、補助当りとなる構成であるが、補助当りとなる図柄Xの当り組合せは、適宜変更可能である。
また、取込口85に投入された遊技球数に関わらず、補助当り確率が変化しない構成であっても勿論良い。
<第二実施例>
第二実施例は、スロットマシン1にあって、基準遊技媒体数より少ない数の遊技球数の大小によって、補助ゲームで回転するリール11a〜11cが異なる構成である。具体的には、投入された遊技球数が1球である場合は、補助ゲームで中リール11bのみが回転する。また、投入された遊技球数が2球である場合は、右リール11cのみが、投入された遊技球数が3球である場合は、左リール11aのみが回転する。また、投入された遊技球数が4球である場合は、左リール11aと中リール11bが回転する。そして、各補助ゲームとも、中央横有効ライン上に「7」が停止すると、補助当りとなる。なお、左リール11aと中リール11bとが共に回転開始した場合は、どちらかのリール11a,11bに係る図柄「7」が、中央横有効ライン上に停止すれば補助当りとなる。勿論、補助ゲームで複数のリール11a〜11cが回転したときに補助当りとする態様は、他の構成でも良い。
ここで、図2に示す左リール11aの図柄列30aに着目すると、補助ゲームで当り図柄Xとなる「7」は五つ設けられている。また、中リール11bの図柄列30bには、図柄「7」が二つ設けられている。さらに、右リール11cの図柄列30cには、図柄「7」が三つ設けられている。すなわち、上記の遊技球数とリール11a〜11cとの対応関係は、数多く遊技球が取込口85に取り込まれると、当り図柄Xである図柄「7」が多く配設されたリール11a〜11cが補助ゲームで回転するような関係となっている。すなわち、遊技者が数多く遊技球を賭けると、補助ゲームに係る補助当り確率が内部的にも見かけ上も高まる構成となっており、例えば基準遊技媒体数(5球)より1球だけ少ない4球を賭けた遊技者は、補助当りに対して大いに期待することとなる。
次に、図9に従って、本実施例に係る制御処理を説明する。なお、図8に示す第一実施例に係る制御処理と共通する点については、説明を省略する。
ステップS102では、検出回数NがN=1であるか否かを判定する。ここで、N=1であると判定した場合は、第一補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS103)。ここで、補助ゲーム用当り乱数テーブルは、「0」〜「4」の5コマで構成され、抽選した乱数値は、「0」〜「4」のいずれかとなる。また、第一補助ゲーム用当り値は、「0」に設定されている。すなわち、補助当りとなる補助当り確率は、1/5となる。
また、N≠1であって、N=2であると判定した場合は(ステップS104)、右リール回転フラグをONとし(ステップS105)、第二補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS106)。ここで、第二補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、2/5である。
また、N≠2であって、N=3であると判定した場合は(ステップS107)、左リール回転フラグをONとし(ステップS108)、第三補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS109)。ここで、第三補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」,「2」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、3/5である。
さらに、N≠3であった場合は、左リール回転フラグと中リール回転フラグとをONとし(ステップS110、ステップS111)、第四補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS112)。ここで、第四補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」,「2」,「3」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、4/5である。
ステップS103、ステップS106、ステップS109、又はステップS112の処理が終了すると、次にステップS113に移行し、抽選した乱数値と当り値とが一致しているか否かを判定する。そして、ステップS113で、両値が一致していると判定した場合は、補助当りフラグをONとする(ステップS114)。さらにステップS115からステップS117までの処理を実行する。なお、ステップS115からステップS117までの処理は、図8に示すステップS61からステップS63までの処理と同じ内容である。
ステップS118では、左リール回転フラグがONであるか否かを判定する。そして、左リール回転フラグがONであると判定した場合は、次に中リール回転フラグがONであるか否かを判定する(ステップS119)。ここで、中リール回転フラグがONでないと判定した場合は、左リール11aを回転開始し(ステップS120)、左リール回転フラグをOFFとする(ステップS121)。一方、ステップS119で、中リール回転フラグがONであると判定した場合は、左リール11a及び中リール11bを回転開始し(ステップS122、S123)、両フラグをOFFとする(ステップS124)。
また、ステップS118で、左リール回転フラグがONでないと判定した場合は、右リール回転フラグがONであるか否かを判定する(ステップS125)。そして、右リール回転フラグがONであると判定した場合は、右リールを回転開始し(ステップS126)、当該フラグをOFFとする(ステップS127)。これに対し、ステップS125で右リール回転フラグがONでないと判定した場合は、中リール11bを回転開始する(ステップS128)。
ステップS121、ステップS124、ステップS127、又はステップS128の処理が終了すると、ステップS129に移行する。なお、ステップS129からステップS138までの処理は、図8に示すステップS65からステップS74までの処理と同じ内容である。
なお、本実施例は、取込口85に投入された遊技球数が多いほど、図柄「7」が多く配設されたリール11a〜11cが補助ゲームで回転する構成である。換言すれば、遊技球数「1」の値に対して、中リール11bが割り当てられ、「2」の値に対して、右リール11cが割り当てられ、「3」の値に対して、左リール11aが割り当てられ、「4」の値に対して、左リール11a及び中リール11bが割り当てられている。かかる構成とすることにより、遊技球を多く投入した遊技者は、図柄「7」が多く配設されたリール11a〜11cが回転するため、補助当りを期待することとなる。
なお、図9に示す、ステップS102、S104、S105、S107,S108、S110、S111の制御処理を実行する主制御基板100により、本発明に係るリール選定手段が構成される。
また、次のような変形例も提案される。
かかる変形例は、図10に示すように、検出回数NがN=1である場合は(ステップS202)、中リール11bのみを回転させる(ステップS222〜ステップS228)。また、検出回数NがN=2である場合は(ステップS205)、抽選した乱数値が「0」,「1」である場合に限り(ステップS207)、右リール11cを回転させる(ステップS208、ステップS222〜ステップS228)。一方、当該乱数値が「0」,「1」以外である場合は、中リール11bのみを回転させる(ステップS222〜ステップS228)。また、検出回数NがN=3である場合は(ステップS209)、抽選した乱数値が「0」,「1」である場合に限り(ステップS211)、右リール11cを回転させる(ステップS212、ステップS222〜ステップS228)。一方、当該乱数値が「2」,「3」である場合は(ステップS212)、左リール11aのみを回転させる(ステップS214、ステップS222〜ステップS228)。また、当該乱数値が、「0」,「1」,「2」,「3」以外である場合は、中リール11bのみを回転させる(ステップS222〜ステップS228)。また、検出回数NがN=4である場合は、左リール11aのみを回転させる(ステップS216、ステップS222〜ステップS228)。
かかる構成とすることにより、遊技者が数多く遊技球を賭けると、補助ゲームに係る補助当り確率が高まると共に、図柄「7」が多く配設されたリール11a〜11cが回転する可能性が高まる構成となる。
なお、図10に示す、ステップS202〜ステップS216の制御処理を実行する主制御基板100により、本発明に係るリール選定手段が構成される。
<第三実施例>
第三実施例は、スロットマシン1にあって、基準遊技媒体数より少ない数の遊技球数の大小によって、補助ゲームで補助当りを構成する当り図柄Xが異なるものである。具体的には、投入された遊技球数が1球である場合は、中央横有効ライン上に中リール11bの「BAR」が停止すると補助当りとなる。また、投入された遊技球数が2球である場合は、中央横有効ライン上に中リール11bの「7」が停止すると補助当りとなる。また、投入された遊技球数が3球である場合は、中央横有効ライン上に中リール11bの「ベル」が停止すると補助当りとなる。また、投入された遊技球数が4球である場合は、中央横有効ライン上に中リール11bの「リプレイ」が停止すると補助当りとなる。
ここで、図2に示す中リール11bの図柄列30bに着目すると、「7」が二つ配設され、「BAR」が三つ配設され、「ベル」が四つ配設され、「リプレイ」が五つ配設されている。すなわち、上記の遊技球数と図柄Xとの関係は、数多く遊技球が取込口85に取り込まれると、中リール11bに多く配設された図柄Xが当り図柄Xとなるような関係となっている。すなわち、遊技者が数多く遊技球を賭けると、補助当り確率が高まる構成となっており、例えば基準遊技媒体数(5球)より1球だけ少ない4球を賭けた遊技者は、補助当りに対して大いに期待することとなる。
次に、図11に従って、本実施例に係る制御処理を説明する。なお、図8〜図10に示す第一、第二実施例に係る制御処理と共通する点については、説明を省略する。
ステップS302では、検出回数NがN=1であるか否かを判定する。ここで、N=1であると判定した場合は、第一補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS303)。そして、当り図柄Xが「7」であることを報知する(ステップS304)。具体的には、表示窓8a〜8cの直下位置にある表示器7に、当り図柄Xが「7」であることを示す遊技情報が表示される。ここで、補助ゲーム用当り乱数テーブルは、「0」〜「4」の5コマで構成され、抽選した乱数値は、「0」〜「4」のいずれかとなる。なお、第一補助ゲーム用当り値は、「0」に設定されている。すなわち、補助当りとなる補助当り確率は、1/5となる。
また、N≠1であって、N=2であると判定した場合は(ステップS305)、第二補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS306)。そして、当り図柄Xが「BAR」であることを報知する(ステップS307)。なお、第二補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、2/5である。
また、N≠2であって、N=3であると判定した場合は(ステップS308)、第三補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS309)。そして、当り図柄Xが「ベル」であることを報知する(ステップS310)。なお、第三補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」,「2」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、3/5である。
さらに、N≠3であった場合は、第四補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS311)。そして、当り図柄Xが「リプレイ」であることを報知する(ステップS312)。ここで、第四補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」,「2」,「3」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、4/5である。
ステップS304、ステップS307、ステップS310、又はステップS312の処理が終了すると、次にステップS313に移行し、抽選した乱数値と当り値とが一致しているか否かを判定する。そして、ステップS313で、両値が一致していると判定した場合は、補助当りフラグをONとする(ステップS314)。さらにステップS315からステップS321までの処理を実行する。なお、ステップS315からステップS321までの処理は、図8に示すステップS61からステップS67までの処理と同じ内容である。
そして、ステップS322では、N=1であるか否かを判定する。そして、N=1であると判定した場合は、中央横有効ライン上に、N=1の場合に当り図柄Xとなる「7」を停止させる(ステップS323)。また、N=2であると判定した場合は(ステップS324)、当該有効ライン上に、N=2の場合に当り図柄Xとなる「BAR」を停止させる(ステップS325)。また、N=3であると判定した場合は(ステップS326)、当該有効ライン上に、N=3の場合に当り図柄Xとなる「ベル」を停止させる(ステップS327)。さらに、N≠3であると判定した場合は、当該有効ライン上に、N=4の場合に当り図柄Xとなる「リプレイ」を停止させる(ステップS328)。
ステップS323、ステップS325、ステップS327、又はステップS328の処理が終了すると、ステップS330に移行する。なお、ステップS330からステップS334までの処理は、図8に示すステップS69からステップS74までの処理と同じ内容である。
なお、本実施例は、取込口85に取り込まれた遊技球数が多いほど、中リール11bに配設された図柄Xのうち、多く配設された図柄Xが補助ゲームに係る当り図柄Xとなる。換言すれば、遊技球数「1」の値に対して、図柄「7」が割り当てられ、遊技球数「2」の値に対して、図柄「BAR」が割り当てられ、遊技球数「3」の値に対して、図柄「ベル」が割り当てられ、遊技球数「4」の値に対して、図柄「リプレイ」が割り当てられている。かかる構成とすることにより、遊技球を多く投入した遊技者は、配設数の多い図柄Xが当り図柄Xとなるため、補助当りに対する期待感が刺激されることとなる。
なお、図11に示す、ステップS302〜ステップS312の制御処理を実行する主制御基板100により、本発明に係る当り図柄選定手段が構成される。
<第四実施例>
次に、第四実施例に係るスロットマシン1aを、図12等に従って説明する。なお、本実施例に係るスロットマシン1aは、遊技媒体としてメダルを用いる遊技機である。さらには、3枚のメダルを投入して初めて一回のゲームを実行する3枚賭け専用機である。したがって、本実施例では、「3枚」が基準遊技媒体数となる。なお、第一から第三実施例に係るスロットマシン1と同じ構成については、同じ符号を付すと共に、説明を簡略する。
図12に示すように、スロットマシン1aは、正面矩形状をなす遊技機本体3を備え、その前面に、表示窓8a〜8cが設けられている。そして、この表示窓8a〜8cからは、リール11a〜11cの前面が視認可能となっている。また、各リール11a〜11cには、複数の図柄Xが配設され、図柄列30a〜30cが構成されている(図2参照)。
また、遊技機本体3の前面には、スタートレバー56、MAXベットボタン57a、1ベットボタン57b、リールストップボタン58a,58b,58cが設けられている。さらに、右リール11cの下方には、メダルが投入されるメダル投入口85aが配設されている。そして、メダル投入口85aの横であって、中リール11bの下方には、遊技情報を遊技者に報知する表示器7が設けられている。
また、遊技機本体3前面の最下位置には、メダルを貯留するメダル貯留部32aが配設されている。このメダルは、入賞として遊技者に付与されるものであって、この入賞メダル数がクレジット上限数を超えた場合に払い出される。なお、上記メダル投入口85aにより、本発明に係る遊技媒体投入口が構成される。
次に、図13に従って、スロットマシン1aの遊技作動を制御する制御回路を説明する。
主制御基板100には、主制御用中央制御装置CPU101が配設されていると共に、この主制御用中央制御装置CPU101には、第一I/Oポート105aを介して、スタートスイッチ51、左・中・右リールストップスイッチ14a〜14c、MAXベットスイッチ52、1ベットスイッチ17、及び投入メダル検出センサ18aがそれぞれ接続されている。
さらに、主制御用中央制御装置CPU101には、第二I/Oポート105bを介して、回胴装置39、有効ライン表示部22、ランプ装置35、表示器7、効果音発生装置25、及びメダル払出装置(ホッパー)33aがそれぞれ接続されている。
ここで、投入メダル検出センサ18aについて詳述する。この投入メダル検出センサ18aは、メダル投入口85aに配設されており、メダル投入口85aに投入されたメダルを検出する。そして、この投入メダル検出センサ18aによりメダルが検出されると、主制御用中央制御装置CPU101は、メダル検出信号が出力されたと判定し、投入されたメダル数を計数すると共に、後述する種々の制御処理を実行する。なお、この投入メダル検出センサ18a及びかかる制御を行う主制御基板100により、本発明に係る計数手段が構成される。
次に、メダル払出装置33aについて詳述する。このメダル払出装置33aは、リール11a〜11c上に設けられた図柄Xのうち、停止した図柄Xの組合せが当り組合せとなった場合に、主制御用中央制御装置CPU101の払出信号により駆動して、所定数のメダルを遊技者に付与する。なお、このメダル払出装置33aにより、本発明に係る遊技媒体付与手段が構成される。
次に、上記構成からなるスロットマシン1aのメイン遊技処理について、図14に従って説明する。なお、図7に示す、スロットマシン1のメイン遊技処理と共通する処理については、説明を省略する。
図14に示すように、主制御用中央制御装置CPU101は、まずビックボーナスフラグ、レギュラーボーナスフラグ、及びリプレイフラグがそれぞれONであるか否かを順に判定する(ステップS400〜ステップS402)。そして、各判定結果に応じて、ビックボーナス遊技処理(ステップS420)、又はレギュラーボーナス遊技処理(ステップS421)等を実行する。
ここで、リプレイフラグがONでないと判定した場合には(ステップS402)、次に、投入メダル検出センサ18aがONであるか否かを判定する(ステップS405)。そして、このステップS405で、当該センサ18aがONでないと判定した場合は、ベットスイッチ17,52がONであるか否かを判定する(ステップS406)。そして、当該スイッチ17,52がONであると判定した場合は、ステップS407に移行する。これに対し、当該スイッチ17,52がONでないと判定した場合は、ステップS410に移行する。
ステップS407では、メダルの検出回数Nに1を加算し、その加算結果を新たな検出回数Nとする。そしてさらに、検出回数Nが、N=3であるか否かを判定する(ステップS408)。そして、N=3であると判定した場合は、有効ライン表示部22に表示信号を送信し、五本の有効ラインを表示する(ステップS409)。一方、N≠3であると判定した場合は、ステップS410に移行する。
ステップS410からステップS412では、スタートレバー操作フラグをONとする制御処理を実行する。そして、ステップS413で、検出回数NがN=3であるか否かを判定する。ここで、検出回数NがN=3である場合は、基準遊技媒体数のメダルが投入されたとして、抽選処理等の制御処理を実行し(ステップS414〜ステップS418)、メイン遊技処理を終了する。一方、ステップS413で、検出回数NがN≠3であると判定した場合は、本実施例に係る基準遊技媒体数付与決定処理(ステップS419)を実行し、メイン遊技処理を終了する。なお、このステップS413を実行する制御内容を具備する主制御基板100により、本発明に係る基準遊技媒体数判定手段が構成される。
次に、基準遊技媒体数付与決定処理を、図15に従って説明する。なお、図8等に示す、他の実施例に係る基準遊技媒体数付与決定処理と共通する点については、説明を省略する。
図15に示すように、主制御用中央制御装置CPU101は、補助ゲーム用当り乱数テーブルから乱数値を一つ抽選し、格納する(ステップS551)。ここで、本実施例に係る補助ゲーム用当り乱数テーブルは、「0」〜「2」の3コマで構成されている。
次に、主制御用中央制御装置CPU101は、検出回数NがN=1であるか否かを判定する(ステップS552)。ここで、N=1であると判定した場合は、第一補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS553)。ここで、第一補助ゲーム用当り値は、「0」に設定されている。すなわち、補助当りとなる補助当り確率は、1/3となる。また、N≠1(すなわち、N=2)であると判定した場合は、第二補助ゲーム用当り値を判定値としてセットする(ステップS554)。ここで、第二補助ゲーム用当り値は、「0」,「1」に設定されている。すなわち、補助当り確率は、2/3である。
そして、抽選した乱数値と当り値とが、一致しているか否かを判定し(ステップS555)、一致していると判定した場合に、補助当りフラグをONとする(ステップS556)。そして、リール停止タイマTをT=1000に設定し(ステップS557)、タイマフラグをONにしてから(ステップS558)、中央横有効ラインを表示し(ステップS559)、中リール11bを回転開始する(ステップS560)。
そして、T=0と判定すると(ステップS561、S562)、補助当りフラグをONであるか否か判定し(ステップS563)、ONであると判定した場合に、表示した有効ライン上に当り図柄Xとしての「7」を停止させる(ステップS564)。そして、基準遊技媒体数である3枚のメダルを払い出す(ステップS565)。一方、当該フラグがONでなかったと判定した場合は、当該有効ライン上に「7」以外の図柄Xを停止させ、ハズレとする(ステップS567)。
上記制御処理内容にあって、遊技者の手元に残ったメダルが2枚であった場合を例にして、補助ゲームを再度説明する。
遊技者が、3枚賭け専用機のスロットマシン1aにメダルを2枚投入すると、中央横有効ラインが表示され、スタートレバー56の操作により中リール11bのみが回転開始する。この中リール11bの回転開始により、補助ゲームが開始される。一方、内部処理として、投入されたメダルが基準遊技媒体数より少ない数であるため、通常のゲームは実行されず、基準遊技媒体数付与決定処理が実行される。そして、補助ゲーム用当り乱数テーブルから抽選された乱数値が、第二補助ゲーム用当り値と一致した場合に(補助当り確率は2/3)、中央横有効ライン上に、図柄「7」が停止し、基準遊技媒体数である3枚のメダルが払い出される。
なお、本実施例では、補助当り確率が、計数されたメダル数の大小によって異なる構成である。換言すれば、メダル数「1」の値に対して、補助当り確率が1/3である第一補助ゲーム用当り値が割り当てられ、メダル数「2」の値に対して、補助当り確率が2/3である第二補助ゲーム用当り値が割り当てられている。かかる構成とすることにより、メダルを多く投入した遊技者が、補助ゲームで補助当りを獲得しやすくなる。
なお、ステップS550〜ステップS570の処理を実行し、補助ゲームを実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム実行手段が構成される。また、ステップS551の処理を実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム用当り抽選手段が構成される。また、ステップS555の処理を実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム用当り判定手段が構成される。また、ステップS565の処理を実行し、基準遊技媒体数のメダルを払い出すための払出信号をメダル払出装置33aに送信する主制御基板100により、本発明に係る遊技媒体付与指令手段が構成される。また、ステップS553、及びステップS554の処理を実行する主制御基板100により、本発明に係る補助ゲーム用当り値選定手段が構成される。
なお、上記実施例に係る補助ゲームは、所定箇所である中央横有効ライン上に、所定の当り図柄Xである「7」が停止した場合に、補助当りとなる構成であるが、補助当りとなる図柄Xの当り組合せは、適宜変更可能である。
また、投入メダル数に関わらず、補助当り確率が変化しない構成であっても勿論良い。
<第五実施例>
第五実施例は、第二実施例に係る変形例の内容を、3枚賭け専用のスロットマシン1aに適用したものである。すなわち、図16に示すように、計数されたメダル数が1枚である場合は(ステップS652)、補助ゲームで中リール11b又は右リール11cが回転し(ステップS669,671)、メダル数が2枚である場合は、左リール11a、又は右リール11cが回転する(ステップS666、ステップS669)。ここで、メダル数が1枚である場合にあって、左リール11a、及び中リール11bのうち、いずれのリールが回転するか否かは、抽選した乱数値の値で決定される(ステップS654)。また、メダル数が2枚である場合にあって、左リール11a、及び右リール11cのうち、いずれのリールが回転するか否かは、抽選した乱数値の値で決定される(ステップS657)。
さらに詳述すると、検出回数NがN=1であると判定した場合は(ステップS652)、抽選した乱数値が「1」であると(ステップS654)、右リール11cを回転させる(ステップS655,S668〜S669)。これに対し、抽選した乱数値が「1」以外であると(ステップS654)、中リール11bを回転させる(ステップS671)。また、検出回数NがN≠1(すなわち、N=2)であると判定した場合は(ステップS652)、抽選した乱数値が「0」であると(ステップS657)、右リール11cを回転させる(ステップS658、S668〜S669)。これに対し、抽選した乱数値が「0」以外であると(ステップS657)、左リール11aを回転させる(ステップS659、S665〜S666)。
そして、各補助ゲームとも、所定リール11a〜11cの図柄「7」が中央横有効ライン上に停止すると、補助当りとなる(ステップS675)。そして、補助当りとなると、遊技者には、基準遊技媒体数である3枚のメダルが付与される(ステップS676)。
なお、3枚賭け専用のスロットマシン1aに、第二実施例に係る内容を適用しても、勿論良い。
<第六実施例>
第六実施例は、第三実施例の内容を、3枚賭け専用のスロットマシン1aに適用したものである。すなわち、図17に示すように、計数されたメダル数が1枚である場合は(ステップS752)、中央横有効ライン上に中リール11bの「7」が停止すると補助当りとなる(ステップS754,767)。また、計数されたメダル数が2枚である場合は(ステップS752)、中央横有効ライン上に中リール11bの「リプレイ」が停止すると補助当りとなる(ステップS756,S768)。なお、かかる構成も、図2に示す図柄列30a〜30cを用いている。
なお、これまでに述べた第一から第六実施例にあっては、補助ゲームに係る有効ラインを中央横有効ラインとしたが、上・下横有効ラインであっても良いし、斜め有効ラインであっても良い。
また、これまでに述べた第一から第六実施例にあっては、基準遊技媒体数の付与態様として、実際に遊技球又はメダルを貯留部32,32aに払い出す構成としたが、一々払出処理を行わずに、ゲーム開始可能状態に移行するようにしても良い。例えば、第一実施例に係るスロットマシン1にあって、補助ゲームで補助当りとなると、直ぐに、基準遊技媒体数の遊技球を賭けた場合に実行するゲームが開始可能な状態となる構成が提案される。