JP4689904B2 - 超音波流速測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波を利用してガスその他の流速を測定する超音波流速測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスその他の流体の流量を求めるに際し、まず流体の流速を連続的ないし定期的に測定し、これに基づいて流量を演算することが行われている。そして、このような流体の流速測定方法の一つとして、超音波を利用した方法が知られている。 かかる超音波流速測定方法の原理を、図8にて説明すると次のとおりである。図8において、(1)は内部をガス等の流体が流れる流速測定管である。この流速測定管(1)内には、流れ方向の上流側および下流側に、所定距離を隔てて超音波振動子(2)(3)が配置されている。この超音波振動子(2)(3)は、駆動パルス発生回路(4)からの駆動パルスにより駆動されて振動し、超音波を発生送信する一方、送信されてきた超音波を受信するもので、その超音波振動子(2)(3)が振動したときの受信波(W)が受信増幅回路(5)から出力されるものとなされている。
【0003】
そして、上流側の超音波振動子(2)から流れに対して順方向に送信された超音波が下流側の超音波振動子(3)で受信されるまでの伝搬時間と、下流側の超音波振動子(3)から流れに対して逆方向に送信された超音波が上流側の超音波振動子(2)に受信されるまでの伝搬時間との差は、流速に関係することから、この伝搬時間差を求めることにより流体の流速を測定するものとなされている。
【0004】
なお、図8において、(6)は超音波振動子(2)(3)と駆動パルス発生回路(4)および受信増幅回路(5)の接続を切り替える切替回路であり、まず駆動パルス発生回路(4)と上流側の超音波振動子(2)、下流側の超音波振動子(3)と受信増幅回路(5)を接続して、上流側から下流側への順方向の超音波の伝搬時間を測定したのち、駆動パルス発生回路(4)と下流側の超音波振動子(3)、上流側の超音波振動子(2)と受信増幅回路(5)とが接続されるように切り替えて、下流側から上流側への逆方向の超音波の伝搬時間を測定するものとなされている。
【0005】
ところで、従来、超音波の伝搬時間のばらつきによる誤差を軽減するために、超音波の伝搬時間の測定を所定時間(例えば2秒)ごとに順方向および逆方向についてそれぞれ複数回(例えば8回)繰り返し、それら順方向および逆方向の超音波の伝搬時間の平均値t1、t2をそれぞれ求め、それら順方向および逆方向の伝搬時間の平均値t1、t2の差に基づいて所定時間内の流体の流速Vを算出することが行われていた。
【0006】
このとき、受信増幅回路(5)からは、図2に示すように、流速測定管(1)のどこにも反射せずに超音波振動子(2)(3)に受信される直進超音波に対応する受信波(以下、測定波(W1)という)に続いて、超音波流速測定管(1)または超音波振動子(2)(3)に何回か反射して超音波振動子(2)(3)に受信される反射超音波に対応する数次の受信波(以下、反射波(Wn)という)が出力される。このため、図9(a)に示すように、測定波(W1)に対して前の測定における反射波(Wn)が干渉するので、それら測定波(W1)と反射波(Wn)との合成波(Wg)のゼロクロス点を超音波到達タイミングとしていた。
【0007】
ところが、従来、超音波の伝搬時間の測定間隔は一定であったため、流体の温度が変化すると、図9(b)に示すように、それに伴って測定波(W1)と前の測定における反射波(Wn)との位相差が変化することにより、それらの合成波(Wg)の位相が変化し、超音波到達タイミングに用いる合成波(Wg)のゼロクロス時点もばらつくことから、超音波の伝搬時間を精度よく測定することができないという難点があった。このときの超音波の伝搬時間の誤差と流体の温度との関係を図4(a)に示す。
【0008】
そこで、特願2001−186250号に示すように、前記超音波の伝搬時間の測定間隔を、前の測定における超音波の伝搬時間に比例して調整する超音波流速測定方法が提案されている。これによれば、流体の温度変化が生じた場合であっても、測定波と前の測定における反射波との位相差を一定にすることができる。このため、測定波と前の測定における反射波との合成波の位相が一定となり、合成波における超音波到達タイミングに用いるゼロクロス時点がばらつかなくなり、超音波の伝搬時間を精度良く測定することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波の伝搬時間の測定間隔の制御に用いられる中央演算処理装置(以下、CPUという)は、そのタイマのクロック周期が要求レベルに対して大きすぎるため、前記測定間隔の滑らかな制御を行うことができず、前記測定間隔と計算上の測定間隔との間に誤差が生じ、その結果、超音波の伝搬時間に多少の誤差が残るという問題があった。
【0010】
例えば、一般的なCPUのタイマのクロック周期は4.17μsであるが、超音波が40kHzの場合、その超音波の周期が25μsとなるので、CPUの制御単位が超音波の1周期の約1/6しかない。このときの超音波の伝搬時間の誤差と温度との関係は、図4(b)に示すように、図4(a)の正弦波の一部を有する三角波が、CPUのタイマのクロック周期に相当する温度差ごとに繰り返されたものとなる。
【0011】
もとより、タイマのクロック周期が超音波の1周期の1/36以下の非常に短いCPUを用いれば、上述の問題は解消されるが、そのようなCPUは存在しないか、あるいは存在しても非常に高価で経済的でない。
【0012】
この発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、測定された超音波の伝搬時間を精度良く補正することができ、ひいては高精度の流速測定が可能な超音波流速測定方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために、超音波流速測定管を流れる流体の上流側と下流側にそれぞれ超音波振動子を配置し、前記各超音波振動子から相互に超音波を発生送信するとともに、送信された超音波を相互に受信することによって、流体の流れに対して順方向および逆方向の超音波の伝搬時間をそれぞれ測定することを複数回繰り返し、順方向および逆方向の超音波の伝搬時間の差に基づいて流速を測定する超音波流速測定方法において、
前記超音波の伝搬時間の測定間隔を、前の測定における超音波の伝搬時間に比例して調整するとともに、測定された超音波の伝搬時間を下式[1][2]により補正することを特徴とする。
tj’=tj−kj×Δtj…[1]
tg’=tg−kg×Δtg…[2]
tj’:補正後の順方向の超音波の伝搬時間
tg’:補正後の逆方向の超音波の伝搬時間
tj:順方向の超音波の伝搬時間の測定値
tg:逆方向の超音波の伝搬時間の測定値
kj、kg:補正係数
Δtj:順方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差
Δtg:逆方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差
これによれば、超音波の伝搬時間の測定間隔を前の測定における超音波の伝搬時間に比例して調整する場合において、CPUのタイマのクロック周期の制限から生ずる超音波の伝搬時間誤差を求め、さらに超音波の伝搬時間の測定値から前記超音波の伝搬時間誤差を減算するので、測定された超音波の伝搬時間を精度良く補正することができる。
【0014】
また、前記順方向および逆方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差Δtj、Δtgは、下式[3][4]で表されるのが好ましい。
Δtj=kt×t0j−nj×φ…[3]
Δtg=kt×t0g−ng×φ…[4]
kt:係数
0j:前の測定における順方向の超音波の伝搬時間
0g:前の測定における逆方向の超音波の伝搬時間
nj:順方向タイマ設定値
ng:逆方向タイマ設定値
φ:タイマクロック
これによれば、超音波の伝搬時間の測定間隔誤差が簡単かつ確実に算出され、測定された超音波の伝搬時間をより精度良く補正することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態に係る超音波流速測定方法を実施する超音波流速測定装置を示すものである。
【0016】
図1において、(1)はガス等の流体が流れる流速測定管、(2)(3)は流速測定管(1)内において上流側と下流側に所定距離を隔てて配置された超音波振動子、(4)は駆動パルス(K)を発生する駆動パルス発生回路、(5)は超音波振動子(2)(3)で超音波を受信したときに受信波(W)を出力する受信増幅回路、(6)は超音波振動子(2)(3)と駆動パルス発生回路(4)および受信増幅回路(6)の接続を切り替える回路であり、これらは図8に示したものと同じである。
【0017】
なお、この実施形態では、順方向および逆方向の超音波の伝搬時間tj、tgをそれぞれ測定して、それら超音波の伝搬時間tj、tgをそれぞれ補正することを8回繰り返し、それら補正後の順方向および逆方向の超音波の伝搬時間tj’、tg’の平均値t1、t2をそれぞれ求めることを所定時間(例えば2秒)ごとに繰り返す。そして、それら順方向および逆方向の超音波の伝搬時間の平均値t1、t2の差に基づいて所定時間(2秒)内の流体の流速Vを算出し、さらにその流体の流速Vに基づいて所定時間(2秒)内の流体の流量Qを算出する。
【0018】
(7)は補正後の超音波の伝搬時間tj’、tg’を記憶する伝搬時間記憶部、(8)は流体の流量Qを積算記憶する流量記憶部、(9)は中央演算処理装置(以下、CPUという)などからなる制御部である。
【0019】
この制御部(9)は、各部の制御や、データの転送、種々の演算、およびデータの格納などを行い、この実施形態では、伝搬時間測定処理、伝搬時間補正処理、測定間隔調整処理、および流量演算処理を図示略のプログラムにより実行するものとなされている。
【0020】
前記伝搬時間測定処理は、駆動パルス発生回路(4)から駆動パルス(K)を発生せしめることにより超音波振動子(2)(3)から超音波を送信し、その送信された超音波を超音波振動子(3)(2)で受信して、受信増幅回路(5)から出力された受信波(W)に基づいて超音波の伝搬時間tj、tgを測定する処理である。
【0021】
この受信増幅回路(5)から出力される受信波(W)は、図2に示すように、超音波超音波流速測定管(1)のどこにも反射せずに超音波振動子(2)(3)に受信される直進超音波に対応する測定波(W1)と、それに続く超音波超音波流速測定管(1)または超音波振動子(2)(3)に何回か反射して超音波振動子(2)(3)に受信される反射超音波に対応する数次の反射波(Wn)とからなる。しかして、測定波(W1)に前の測定における反射波(Wn)が干渉するので、それら測定波(W1)と反射波(Wn)との合成波(Wg)のゼロクロス点を超音波到達タイミングとする。
【0022】
前記伝搬時間補正処理は、下式[3][4]により超音波の伝搬時間の測定間隔誤差Δtj、Δtgを求め、さらに下式[1][2]により上述の伝搬時間測定処理において測定された超音波の伝搬時間tj、tgを補正する処理である。
tj’=tj−kj×Δtj…[1]
tg’=tg−kg×Δtg…[2]
Δtj=kt×t0j−nj×φ…[3]
Δtg=kt×t0g−ng×φ…[4]
tj’:補正後の順方向の超音波の伝搬時間
tg’:補正後の逆方向の超音波の伝搬時間
tj:順方向の超音波の伝搬時間の測定値
tg:逆方向の超音波の伝搬時間の測定値
kj、kg:補正係数
Δtj:順方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差
Δtg:逆方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差
kt:係数
0j:直前の測定における順方向の超音波の伝搬時間
0g:直前の測定における逆方向の超音波の伝搬時間
nj:順方向タイマ設定値
ng:逆方向タイマ設定値
φ:タイマクロック
ここで、順方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差Δtjが上式[3]で表されるのは以下の理由による。即ち、上式[3]の第1項(kt×t0j)は、後述の測定間隔調整処理で説明するように超音波の伝搬時間の測定間隔(計算値)を表す一方、第2項(nj×φ)は、CPUによる実際の超音波の伝搬時間の測定間隔(設定値)を表す。このため、それら超音波の伝搬時間の測定間隔の計算値と設定値との差が、CPUのタイマのクロック周期の制限から生ずる超音波の伝搬時間の測定間隔誤差を表すことになる。逆方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差Δtgについても上述と同様である。
【0023】
また、補正後の順方向の超音波の伝搬時間tj’が上式[1]で表されるのは以下の理由による。即ち、後述の測定間隔調整処理において超音波の伝搬時間の測定間隔を調整することによって、図4(b)に示すように超音波の伝搬時間誤差は減少するが、CPUのタイマのクロック周期の制限から多少の誤差が残る。この超音波の伝搬時間誤差は、図4(a)に示す正弦波の一部を有する三角波がCPUのタイマのクロック周期ごとに連続して繰り返されたものである。そして、図4(b)の三角波はその一部の正弦波を近似的に直線とみなすことができ、その値は超音波の伝搬時間の測定間隔誤差Δtjに比例した値(kj×Δtj)で表される。このため、測定された超音波の伝搬時間tjから超音波の伝搬時間誤差(kj×Δtj)を減算すれば、図4(c)に示すように残りの超音波の伝搬時間誤差が解消され、測定された超音波の伝搬時間tjを精度良く補正することができる。補正後の逆方向の超音波の伝搬時間tg’についても上述と同様である。
【0024】
なお、前記補正係数kg(kj)は、後述の測定間隔調整処理において順方向タイマ設定値nj(ng)を変更した直後の超音波の伝搬時間測定値tj(tg)と、直前の測定における超音波の伝搬時間測定値tj(tg)との差分値を用いるのが望ましい。この差分値は、それを直接用いてもよいし、あるいは過去数回の差分値の平均値を用いてもよい。
【0025】
前記測定間隔調整処理は、流体の温度が変化した場合に、下式[5][6]に示すように、直前の測定における超音波の伝搬時間t0j、t0gに比例して超音波の伝搬時間の測定間隔Itを調整する処理である。
It=kt×t0j(順方向の場合)…[5]
It=kt×t0g(逆方向の場合)…[6]
It:超音波の伝搬時間の測定間隔
kt:係数
0j:直前の測定における順方向の超音波の伝搬時間
0g:直前の測定における逆方向の超音波の伝搬時間
超音波の伝搬時間の測定間隔Itが上式[5][6]で表されるのは以下の理由による。即ち、測定波(W1)は直前の測定における反射波(Wn)の干渉を受けるが、その直前の測定における反射波(Wn)に対応する反射超音波の伝搬時間tnは、その直進超音波(測定波(W1)に対応)の伝搬時間t0j、t0gに比例して変化することから、直前の測定における直進超音波の伝搬時間t0j、t0gに比例して超音波の伝搬時間の測定間隔Itを調整する。
【0026】
これによれば、計算上は、流体の温度が変化した場合であっても、測定波(W1)と直前の測定における反射波(Wn)との位相差を一定となることにより、それら測定波(W1)と反射波(Wn)の合成波(Wg)の位相が一定となり、受信波到達タイミングに用いるゼロクロス時点がばらつかなくなり、超音波の伝搬時間を精度よく測定することができる。
【0027】
なお、超音波の伝搬時間の測定間隔の制御に用いられる中央演算処理装置(以下、CPUという)は、そのタイマのクロック周期が要求レベルに対して大きすぎるため、前記測定間隔の滑らかな制御を行うことができず、実際の測定間隔と計算上の測定間隔との間に誤差が生じ、その結果、超音波の伝搬時間に多少の誤差が残る。図4(a)は、測定間隔を調整しない場合の超音波の伝搬時間誤差を示す正弦波で、図4(b)は、測定間隔を調整をした場合の超音波の伝搬時間誤差を示す連続三角波である。しかしながら、この連続三角波からなる超音波の伝搬時間誤差は、図4(c)に示すように、上記伝搬時間補正処理により解消される。
【0028】
前記流量演算処理は、8個の補正後の順方向の超音波の伝搬時間tj’の平均値t1と、8個の補正後の逆方向の超音波の伝搬時間tg’の平均値t2とをそれぞれ求め、それら順方向および逆方向の伝搬時間の平均値t1、t2の差に基づいて所定時間(2秒)内の流体の流速Vを算出し、さらにその流体の流速Vに基づいて所定時間(2秒)内の流体の流量Qを算出する処理である。
【0029】
なお、この実施形態では、流体の流速および流量は下式[7][8]により求めるものとする。
V=L/2×(t2−t1)/(t1×t2)…[7]
V:流体の流速
L:超音波振動子(2)(3)間の距離
Q=V×S×t…[8]
Q:流体の流速
S:測定管の断面積
t:所定時間(2秒)
次にこの発明の一実施形態に係る超音波流速測定方法について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明及び図面において「ステップ」を「S」と略記する。
【0030】
まず、S1にて、駆動パルス発生回路(4)から駆動パルス(K)を発生せしめることにより超音波振動子(2)から超音波を送信し、その送信された超音波を超音波振動子(3)で受信して、受信増幅回路(5)から出力された受信波(W)に基づいて順方向の超音波の伝搬時間tjを測定する。この伝搬時間測定処理については後で詳述する。
【0031】
S2では、上式[3]により超音波の伝搬時間の測定間隔誤差Δtjを求め、さらに上式[1]により上述の伝搬時間測定処理において測定された超音波の伝搬時間tjを補正する。補正後の超音波の伝搬時間tj’は伝搬時間記憶部(7)に記憶される。
【0032】
S3では、流体の温度が変化したかどうかを判定し、流体の温度が変化した場合は(S3でYES)、S4において、超音波の伝搬時間の測定間隔Itを上式[5]により調整する。流体の温度が変化していない場合は(S3でNO)、そのままS5に進む。この流体の温度が変化したかどうかの判定は、直前の測定における超音波の伝搬時間tjの変化により判定するのが望ましい。
【0033】
S5では、前記測定間隔Itが経過したか否かを判定し、前記測定間隔Itが経過した場合は(S5でYES)、S6に進む一方、前記測定間隔Itが経過していない場合は(S5でNO)、経過するまでこの判定処理を繰り返す。
【0034】
S6では、超音波の伝搬時間tjを所定時間(2秒)内に8回測定したか否かを判定し、8回測定した場合は(S6でYES)、S4の流量演算処理に進む一方、まだ8回測定していない場合は(S6でNO)、S1に戻り、再び超音波の伝搬時間を測定する。なお、逆方向の超音波の伝搬時間tgについても、上述のS1〜S6と同様の処理により8回測定する。
【0035】
S7では、前記流量演算処理は、補正後の順方向および逆方向の各8個の超音波の伝搬時間tj’、tg’の平均値t1、t2をそれぞれ求め、それら順方向および逆方向の伝搬時間の平均値t1、t2の差に基づいて所定時間(2秒)内の流体の流速Vを算出し、さらにその流体の流速Vに基づいて所定時間(2秒)内の流体の流量Qを算出し、リターンする。この流量演算処理については後で詳述する。
【0036】
図6は、伝搬時間測定処理(図5のS1の処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0037】
まず、S11では、制御部(9)が、駆動パルス発生回路(5)から駆動パルス(K)を発生させて、その駆動パルス(K)を超音波振動子(2)に印加せしめることにより超音波振動子(2)から超音波を送信せしめる。
【0038】
S12では、前記超音波振動子(2)から送信された超音波を超音波振動子(3)で受信し、受信増幅回路(5)から受信波(W)を出力する。このとき、測定波(W1)に対して前の測定における反射波(Wn)が干渉するので、それら測定波(W1)と反射波(Wn)との合成波(Wg)が超音波到達タイミングの特定に用いられる。
【0039】
S13では、制御部(9)が、前記受信増幅回路(5)から出力された合成波(Wg)の3波目のゼロクロス時点を超音波到達タイミングとし、超音波が送信されてからその超音波到達タイミングまでの時間を超音波の伝搬時間tjとして測定する。
【0040】
図7は、流量演算処理(図5のS7の処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0041】
まず、S71では、制御部(9)が、前記伝搬時間記憶部(7)に記憶されている補正後の順方向および逆方向の各8個の超音波の伝搬時間tj’、tg’の平均値t1、t2をそれぞれ求める。
【0042】
S72では、それら順方向および逆方向の超音波の伝搬時間の平均値t1、t2の差に基づいて、上式[7]により流体の流速Vを求める。
【0043】
S73では、その流体の流速Vに基づいて、上式[8]により流体の流量Qを求める。
【0044】
S74では、その流体の流量Qを前記流量記憶部(8)に積算して、流体の全流量を求め、リターンする。
【0045】
なお、この実施形態では、超音波の伝搬時間の測定は、所定時間ごとに8回繰り返すものとしたが、所定時間ごとに1回としてもよいし、あるいは8回以外の複数回繰り返すものとしてもよい。
【0046】
また、超音波の伝搬時間の測定間隔は、直前の測定における超音波の伝搬時間に比例して調整するものとしたが、それよりも前の測定における超音波の伝搬時間に比例して調整するものとしてもよい。
【0047】
また、超音波の伝搬時間の測定間隔は、流体の温度が変化した場合に調整するものとしたが、流体の温度変化に関わらず、常時調整するものとしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、超音波の伝搬時間の測定間隔を前の測定における超音波の伝搬時間に比例して調整する場合において、CPUのタイマのクロック周期の制限から生ずる超音波の伝搬時間誤差を求め、さらに超音波の伝搬時間の測定値から前記超音波の伝搬時間誤差を減算するので、測定された超音波の伝搬時間を精度良く補正することができる。
【0049】
請求項2に係る発明によれば、超音波の伝搬時間の測定間隔誤差が簡単かつ確実に算出され、測定された超音波の伝搬時間をより精度良く補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するための超音波流速測定装置の一例を示すブロック図である。
【図2】駆動パルスおよび受信波を示す図である。
【図3】(a)流体の温度変化前の測定波、反射波、およびそれらの合成波を示す図である。
(b)流体の温度変化後の測定波、反射波、およびそれらの合成波を示す図である。
【図4】(a)超音波の伝搬時間の測定間隔を調整しない場合における超音波の伝搬時間誤差と温度との関係を示す図である。
(b)超音波の伝搬時間の測定間隔を調整した場合における超音波の伝搬時間誤差と温度との関係を示す図である。
(c)超音波の伝搬時間を補正した場合における超音波の伝搬時間誤差と温度との関係を示す図である。
【図5】図1の超音波流速測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図5の伝搬時間測定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図5の流量演算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】従来の超音波流速測定装置を示すブロック図である。
【図9】(a)図7の超音波流速測定装置における、流体の温度変化前の測定波、反射波、およびそれらの合成波を示す図である。
(b)図7の超音波流速測定装置における、流体の温度変化後の測定波、反射波、およびそれらの合成波を示す図である。
【符号の説明】
1・・・流速測定管
2、3・・・超音波振動子
4・・・駆動パルス発生回路
5・・・受信増幅回路
6・・・切替回路
7・・・伝搬時間記憶部
8・・・流量記憶部
9・・・制御部

Claims (2)

  1. 超音波流速測定管を流れる流体の上流側と下流側にそれぞれ超音波振動子を配置し、前記各超音波振動子か相互に超音波を発生送信するとともに、送信された超音波を相互に受信することによって、流体の流れに対して順方向および逆方向の超音波の伝搬時間をそれぞれ測定することを複数回繰り返し、順方向および逆方向の超音波の伝搬時間の差に基づいて流速を測定する超音波流速測定方法において、
    前記超音波の伝搬時間の測定間隔を、前の測定における超音波の伝搬時間に比例して測定波と直前の測定における反射波との位相差を一定となるように調整するとともに、測定された超音波の伝搬時間を下式[1][2]により補正することを特徴とする超音波流速測定方法。
    tj’=tj−kj×Δtj…[1]
    tg’=tg−kg×Δtg…[2]
    tj’:補正後の順方向の超音波の伝搬時間
    tg’:補正後の逆方向の超音波の伝搬時間
    tj:順方向の超音波の伝搬時間の測定値
    tg:逆方向の超音波の伝搬時間の測定値
    kj、kg:補正係数
    Δtj:順方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差
    Δtg:逆方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差
  2. 前記順方向および逆方向の超音波の伝搬時間の測定間隔誤差Δtj、Δtgは、下式[3][4]で表される請求項1に記載の超音波流速測定方法。
    Δtj=kt×t0j−nj×φ…[3]
    Δtg=kt×t0g−ng×φ…[4]
    kt:係数
    0j:前の測定における順方向の超音波の伝搬時間
    0g:前の測定における逆方向の超音波の伝搬時間
    nj:順方向タイマ設定値
    ng:逆方向タイマ設定値
    φ:タイマクロック
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