図1は、第1の実施形態の記録ヘッド(薄膜磁気ヘッド)を含む複合型磁気ヘッドの部分正面図、図2は、図1に示す複合型磁気ヘッドをA−A線に沿ってY−Z平面と平行な面から切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図3は、第2の実施形態の記録ヘッド(薄膜磁気ヘッド)を含む複合型磁気ヘッドの部分正面図、図4は、図3に示す複合型磁気ヘッドをB−B線に沿ってY−Z平面と平行な面から切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図5は、第3の実施形態を示す複合型磁気ヘッドの部分正面図である。
図6は、第4の実施形態の記録ヘッド(薄膜磁気ヘッド)を含む複合型磁気ヘッドの部分正面図、図7は、図6に示す複合型磁気ヘッドをC−C線に沿ってY−Z平面と平行な面から切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図8は、第5の実施形態の記録ヘッド(薄膜磁気ヘッド)を含む複合型磁気ヘッドの部分正面図、図9は、図1に示す複合型磁気ヘッドをD−D線に沿ってY−Z平面と平行な面から切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図10は、第6の実施形態の記録ヘッド(薄膜磁気ヘッド)を含む複合型磁気ヘッドの部分正面図、図11は、図10に示す複合型磁気ヘッドをE−E線に沿ってY−Z平面と平行な面から切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図1から図11に示す記録ヘッドは、いずれもディスクに対し水平に記録していく「面内磁気記録方式」の薄膜磁気ヘッドである。
図12は、第7の実施形態の垂直磁気記録方式の記録ヘッド(薄膜磁気ヘッド)の部分正面図、図13は、図14に示す記録ヘッドを含む複合型磁気ヘッドをF−F線に沿ってY−Z平面と平行な面から切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図12,図13に示す記録ヘッドは、ディスクに対し垂直に記録していく「垂直磁気記録方式」の薄膜磁気ヘッドである。
各図において共通する層には同じ符号を付している。また各図においてX方向はトラック幅方向、図示Y方向は、ハイト方向、図示Z方向は、膜厚方向を指す。各方向は残り2つの方向に対して直交する関係となっている。図示X−Z平面と平行な面は「記録媒体との対向面」であり、前記対向面に対し垂直方向であって記録媒体から離れる方向が「ハイト方向」(後方)である。前記記録媒体に近づく方向が「媒体方向」(前方)である。
スライダ10はAl2O3・TiCなどの非磁性材料で形成されており、スライダ10の対向面10aが記録媒体(図示しない)に対向し、記録媒体が回転すると、表面の空気流によりスライダ10が記録媒体の表面から浮上し、またはスライダ10が記録媒体上に摺動する。前記スライダ10上に形成される後述する再生ヘッドHR及び記録ヘッドHWの記録媒体との対向面Hは、前記スライダ10の対向面10aとほぼ同一面を成している。
スライダ10のトレーリング側端面(上面)10bには、Al2O3またはSiO2などの無機材料による絶縁層12が形成されて、この絶縁層12の上に再生ヘッドHRが形成されている。
再生ヘッドHRは下部シールド層13と、前記下部シールド層13上に形成された下部ギャップ層17と、前記下部ギャップ層17上に形成された磁気検出素子14と、前記磁気検出素子14上を覆う上部ギャップ層15と前記上部ギャップ層15上に形成された上部シールド層16とを有して構成される。前記下部シールド層13及び前記上部シールド層16は、NiFe等の磁性材料で形成される。前記下部ギャップ層17及び前記上部ギャップ層15はAl2O3やSiO2等の絶縁材料で形成される。前記磁気検出素子14は、AMR、GMR、TMRなどの磁気抵抗効果素子である。
前記上部シールド層16上には、絶縁材料で形成された分離層20が形成されている。前記分離層20は、Al2O3やSiO2等の絶縁材料で形成される。
前記分離層20上には、記録ヘッドHWが設けられている。
図2に示すように前記分離層20上には下部コア層(第1磁性層)21が形成されている。前記下部コア層21はNiFe等の磁性材料で形成される。前記下部コア層21の上面21aは平坦化面であり、前記下部コア層21の上面21aには前記対向面Hからハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置に、Gd決め層22が設けられている。前記Gd決め層22は有機絶縁材料で形成されても無機絶縁材料で形成されてもよい。前記対向面Hからハイト方向に向けて、下部コア層21の上面21aから前記Gd決め層22上にかけて磁極部23が形成されている。前記磁極部23は、下から下部磁極層24、ギャップ層25及び上部磁極層26の順で形成される。前記下部磁極層24の形成は任意である。前記下部磁極層24及び前記上部磁極層26はNiFe等の磁性材料で形成される。前記下部磁極層24及び前記上部磁極層26は、前記下部コア層21及び上部コア層34よりも高い飽和磁束密度を有する磁性材料で形成される。前記ギャップ層25はNiP等の非磁性材料で形成される。
図2に示すように、前記磁極部23の後方から前記下部コア層21の上面21aにかけてコイル絶縁下地層27が形成される。前記コイル絶縁下地層27上には非磁性導電材料で形成された第1コイル層28が形成されている。前記第1コイル層28は例えば、スパイラル形状で形成された平面コイルである。前記下部コア層21の上面21aには、前記対向面Hからハイト方向に離れた位置に磁性材料で形成された接続層29が形成され、前記第1コイル層28は前記絶縁層29の周囲に上記したスパイラル形状にて形成されている。
図2に示すように前記第1コイル層28の各ターン間はAl2O3等のコイル絶縁層30で埋められている。図2に示すように、前記上部磁極層26の上面26a、前記コイル絶縁層30の上面30a、第1コイル層28の上面28a及び接続層29の上面29aは同一平面で形成されている。
前記第1コイル層28上及び前記コイル絶縁層30上には、コイル絶縁下地層31を介して第2コイル層32が形成されている。前記第2コイル層32は、第1コイル層28と同様に、スパイラル形状で形成された平面コイルであり、前記第1コイル層28の巻き中心と第2コイル層32の巻き中心は導通接続されている。前記第1コイル層28と前記第2コイル層32は逆向きに形成されている。
図2に示すように前記第2コイル層32上は、例えば有機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層33にて覆われており、前記コイル絶縁層33上には磁性材料で形成された上部コア層(第2磁性層)34が形成されている。前記上部コア層34の前方部34aは前記上部磁極層26上に接しており、前記上部コア層34の後方部34bは前記接続層29上に接している。
前記記録ヘッドHw上は、Al2O3等の絶縁材料で形成された保護層35にて覆われている。
図1に示すように、下部シールド層13の前端面13a、上部シールド層16の前端面16a、下部コア層21の前端面21b、磁極部23の前端面23a、及び上部コア層34の前端面34cは、いずれも前記対向面Hに露出している。なお前記上部コア層34の前端面34cはハイト方向後方にやや後退しており前記対向面Hに露出していなくてもよい。
前記下部シールド層13の前端面13a、上部シールド層16の前端面16a及び下部コア層21の前端面21bのトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法はいずれもほぼ同じ幅寸法T1で露出している。前記幅寸法T1は、5.00〜 150μm程度である。
前記磁極部23の前端面23aのトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法はトラック幅Twで形成される。前記トラック幅Twは、特に上部磁極層26のトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法で規制される。前記上部コア層34の前端面34cのトラック幅方向における幅寸法T2は、前記トラック幅Twよりやや広い幅寸法で形成される。前記トラック幅Twは、0.05〜3.00μm程度である。前記幅寸法T2は、0.2〜3.0μm程度である。
図14は、前記下部コア層21の部分平面図であるが、下部コア層21は、前端面21bの幅寸法T1を同寸法にほぼ保ちながらハイト方向(図示Y方向)に向けて延出形成されている。すなわち前記下部コア層21のトラック幅方向(図示X方向)における両側端面21c,21cは、ハイト方向(図示Y方向)とほぼ平行に延びている。前記下部コア層21はほぼ矩形状で形成される。図示しないが、下部シールド層13,上部シールド層16も前記下部コア層21と同様に、各前端面13a,16aの幅寸法T1を同寸法にほぼ保ちながらハイト方向(図示Y方向)に延出形成されている。
前記下部コア層21の前記前端面21bを除く周囲はAl2O3やSiO2等の無機絶縁材料で形成された絶縁層36で囲まれている。
図2に示すように前記下部コア層21の前記前端面21bからハイト方向にかけて所定の長さ寸法L1で形成された前方部21dは、膜厚が、ハイト側から前記前端面21bに向かうにしたがって徐々に薄くなる膜厚減少領域となっている。前記前方部21dよりも後方部21eは、ほぼ一定の膜厚H1で形成されている。前記前方部21dの長さ寸法L1は、0.1〜6.0μm程度である。
図1,図2に示すように前記前端面21bの膜厚H2は、その全域にて、前記膜厚H1に比べて薄くなっている。図1に示す点線部分は、前記後方部21eの外周を示している。
本実施形態では、前記コイル層28,32と膜厚方向(図示Z方向)にて対向する部分の前記下部コア層21を従来と同じ厚さの膜厚H1で形成している。前記下部コア層21は磁性材料で形成され、その周囲に広がる絶縁層36(図14参照)よりも高い熱伝導率を有する。よって本実施形態では、従来と同様に、前記下部コア層21による良好な放熱効果を得ることが出来る。
さらに本実施形態では、上記したように、前記下部コア層21の前端面21bの膜厚H2は、その全域にて、前記膜厚H1に比べて薄くなっているから、前記前端面21bの露出面積を適切に小さくでき、よって、熱膨張係数の差に起因するPTP(Pole Tip Protrusion)の発生を適切に抑制することが出来る。
図2に示すように、前記前方部21dと前記対向面H間にはAl2O3やSiO2等の無機絶縁材料で形成された絶縁層37が設けられている。この形態では、前記絶縁層37と前記分離層20とが別個のものとして形成されているが、前記絶縁層37と前記分離層20とが一体のものとして形成されていてもよい。前記絶縁層37を設けることで、傾斜する前記前方部21dの下面21d1が、熱膨張係数の小さい無機絶縁材料の前記絶縁層37にて前方に突き出すのをブロックされ、前記前端面21bの突き出し量をより効果的に小さくできる。前記絶縁層36,37には、Al2O3やSiO2を使用することが好適である。本実施形態では、前記絶縁層36,37に有機材料を使用することを除外しないが、一般的に、有機材料は無機材料より耐熱性が低いとされているため、有機材料を使用するときには、Al2O3やSiO2と同等あるいはそれ以上の耐熱性を有することが必要である。前記絶縁層36,37の耐熱性が低く、絶縁層36,37が使用環境温度の上昇等によって軟化すると、前記下部コア層21の膨張を適切に阻害できず、前記下部コア層21の膜厚を薄くしても前記前端面21bは突出しやすくなる。前記耐熱性は軟化点を指標とできる。
図2に示す実施形態では、前記後方部21eがほぼ一定の膜厚H1で形成されているので、前記前端面21bの膜厚との対比において、比較する前記後方部21eの膜厚をどの部位から選択しても問題ないが、前記後方部21eに膜厚差がある場合には、前記コイル層28,32と膜厚方向にて対向する部分の最大膜厚を、前記前端面21bの膜厚と比較する。本実施形態では、前記後方部21eの前記コイル層28,32と膜厚方向にて対向する部分の最大膜厚を、前記前端面21bの膜厚より厚くしているので、前記下部コア層21による放熱効果は損なわれない。
ここで膜厚寸法を記載する。前記下部コア層21の後方部21eの膜厚H1は、0.3〜5.0μm程度である。例えば前記膜厚H1は約3μmで形成される。前記下部コア層21の前端面21bの膜厚H2は、0.1〜4.0μm程度である。例えば前記膜厚H2は約1.0μmで形成される。前記磁極部23全体の膜厚は、0.5〜5.0μmの範囲内である。前記磁極部23のうち、前記下部磁極層24の前端面24aの膜厚H5は、0.1〜0.7μm程度である。例えば前記膜厚H5は約0.4μmで形成される。また、前記上部シールド層16の前端面16aの膜厚H3は、0.3〜5.0μm程度である。例えば前記膜厚H3は約1.5μmで形成される。また、前記下部シールド層13の前端面13aの膜厚H4は、0.3〜5.0μm程度である。例えば前記膜厚H4は約1μmで形成される。
図2に示すように膜厚の減少領域である前記前方部21dは、前記コイル層28,32の形成域よりも前方(対向面H側)に位置することが好ましい。これにより前記コイル層28,32下に厚い膜厚H1の下部コア層21を対向させることができ、前記下部コア層21による放熱効果を高めることが出来る。
また、前記前方部21dの下面21d1は、前記前方部21dのハイト側から前記前端面21bに向かうにしたがって徐々に膜厚が薄くなる傾斜面(ここでいう傾斜面とは断面形状で見たときに直線的な傾く線として現れる面を指す)で形成されることが好ましい。なお、図16に示すように、前記下面21d1に段差38が2箇所以上形成され、前記ハイト側から前記前端面21bに向けて断続的に膜厚が薄くなる形態、図17に示すように、前記下面21d1に段差38が1箇所だけ形成される形態、また図18に示すように、前記下面21d1が曲面形状で形成される形態等を除外するものでない。図18では前記下面21d1は凹形状であるが凸曲面で形成されてもよい。
ただし、図2や図18のように連続的に膜厚がハイト側(図示Y方向側)から前記前端面21bに向けて薄く形成される形態であると、磁束がスムーズに、前記下部コア層21内を通りやすく、記録特性の向上を図りやすい。図16のように前記下面21d1に段差38があると、前記段差38により形成される角から記録磁界が漏れる等により記録特性が低下しやすいが、図2や図18の形態では、そのような問題が生じにくいため好適である。
また本形態では、図19のように前記下部コア層21の下面21d1側でなく上面21d2を傾斜面で形成してハイト側(図示Y方向側)から前記前端面21bに向かうにしたがって徐々に膜厚が薄くなるようにすることを除外しない。しかし、前記下部コア層21の上面21d2には磁極部23が形成されたり、あるいはギャップ層が形成されたりするため、前記上面21d2は平坦化面で形成されるほうが望ましい。
ところで図1,図2に示す形態では、前記下部コア層21と上部コア層34との間には対向面Hに露出する磁極部23が設けられている。前記磁極部23のうち下部磁極層24は前記下部コア層21上に重ねられている。ここで「重ねられる」とは、前記下部磁極層24と前記下部コア層21とが直接接続されている場合のみならず、前記下部磁極層24と前記下部コア層21間にメッキ下地層が介在する場合も含む。
本形態では、前記下部コア層21と前記下部磁極層24を合わせた前端面(21b+24a)の膜厚が、その全域にて、前記後方部21eでの膜厚H1より薄いことが好ましい。すなわち前記前端面(21b+24a)は、前記下部磁極層24が前記下部コア層21上に形成されている部分で、最も厚い膜厚(H2+H5)となるが、前記膜厚(H2+H5)は、前記膜厚H1より薄く形成されている。これにより、より適切にPTPの発生を抑制することが可能である。
また図2に示すようにスライダ10上に再生ヘッドHRと記録ヘッドHWとが分離層20を介して積層される複合型薄膜磁気ヘッドでは、前記下部コア層21と近い位置に形成され比較的大きい体積を有して形成される上部シールド層16と前記下部コア層21間で比較的強い相互作用が働いていると考えられる。すなわちPTPの発生は、従来において、前端面での露出面積が最も大きかった下部コア層21で最も問題であったが、下部コア層21ほどではないにしても比較的大きい露出面積を有し、また前記下部コア層21と距離的に近い前記上部シールド層16の前端面16aも使用環境温度の上昇等により前方へ突出しやすい状態であった。
本形態のように、前記下部コア層21の前端面21bを後方部21eの膜厚H1より薄い膜厚H2で形成することで、前記下部コア層21の前端面21bと前記上部シールド層16の前端面16aを合わせたトータル面積は減少する。
しかも図2のように、前記下部コア層21の前方部21dの下面21d1を前記前方部21dのハイト側から前記対向面Hに向かって前記上部シールド層16から離れる方向に上方に向けて傾けているため、前記下部コア層21の前方部21dと前記上部シールド層16間の距離H12(図2参照)は前記対向面Hに向かうにしたがって徐々に広がり、よって前記下部コア層21の前方部21dと前記上部シールド層16間の相互作用は効果的に弱まる。この結果、前記下部コア層21の前端面21bから前記上部シールド層16の前端面16aまでのPTPの発生をより効果的に抑制することが可能となる。
また、PTPの発生をより効果的に抑制するには、図3(図3に示す点線は、下部コア層21の後方部21eの外周を示し、一点鎖線は、上部シールド層16の後方部16bの外周を示している)及び図4に示すように、前記上部シールド層16の前端面16aの膜厚H6を、前記上部シールド層16の後方部16bの膜厚H7よりも薄く形成することが好ましい。このとき、本形態では、前記上部シールド層16の前端面16aの一部の膜厚H6が、前記上部シールド層16の後方部16bの膜厚H7よりも薄く形成される形態を含むが、前端面16aの膜厚H6が、全域にて、前記上部シールド層16の後方部16bの膜厚H7よりも薄く形成される形態であることがより好ましい。これにより、前記上部シールド層16の放熱効果を損なわずに、前記上部シールド層16の前記前端面16aの露出面積を小さくでき、PTPの発生をより効果的に抑制できる。
図4に示すように前記上部シールド層16の前方部16cの上面16c1を、前記前方部16cのハイト側(図示Y方向側)から前記前端面16aに向けて徐々に膜厚が薄くなるように下方向に向けて形成することが好ましい。前記上面16c1は図4に示す傾斜面形状以外に、図16,17で説明した段差形状や、図18の曲面形状であってもよい。
しかも、前記上部シールド層16の前記前方部16cの上面16c1を図4に示すように、前記ハイト側から前記対向面Hに向けて徐々に前記下部コア層21から離れる方向に形成することで、前記下部コア層21の前方部21dと前記上部シールド層16の前方部16c間の距離H13をより効果的に離すことができる。この結果、前記下部コア層21の前方部21dと前記上部シールド層16の前方部16c間の相互作用を、益々、効果的に小さくできる。したがって図4の形態は、図2の形態に比べて、より効果的にPTPの発生を抑制することが可能である。また、上部シールド層16の上面側を改良し、下面側は従来と同様に平坦化面として形成することで、前記下部シールド層13との間でのギャップ長を従来と同様に短くできる。
図4に示す形態では、前記上面16c1と対向面H間に、Al2O3やSiO2等の無機絶縁材料で形成された絶縁層40が設けられている。前記絶縁層40の上面と前記上部シールド層16の後方部16bの上面16b1は同一平面で形成されている。前記絶縁層40を、前記絶縁層37と同様に、無機絶縁材料で形成することで、PTPの発生をより効果的に抑制できる。なお前記上部シールド層16の前端面16aを除く周囲は図示しない絶縁層にて囲まれている。
また図4の形態において前記上部シールド層16の放熱効果を適切に維持するには、前記コイル層28,32の形成域下の全域に膜厚H7が厚い後方部16bが対向するように形成することが好ましい。
また、図4に示す実施形態でも、下部コア層21の場合と同様に、前記上部シールド層16の前端面16aの膜厚H6と比較する箇所の膜厚H7は、前記コイル層28,32と膜厚方向にて対向する部分の最大膜厚と定義する。
また、図2に示すように放熱効果をより高めるには、下部コア層21と上部シールド層16間、前記上部シールド層16と下部シールド層13間、前記下部シールド層13とスライダ10間の少なくともいずれか一箇所を、絶縁層12、ギャップ層15、17、及び分離層20の熱伝導率より高い熱伝導率を有する導電性材料で形成された放熱層41,42,43にて接続することが好ましい。これにより熱をスライダ10へ適切に逃がすことが可能である。
また図15に示すように前記下部コア層21の前端面21bのトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法T3を、後方部21eの幅寸法T4よりも小さくすることで、図5(図5に示す点線は、下部コア層21の後方部21eの外周を示し、一点鎖線は、上部シールド層16の後方部16bの外周を示している)に示すように、前記前端面21bの面積を図2の場合に比べてより小さくでき、PTPの発生を、より効果的に抑制できる。図15に示す形態では、前記後方部21eの両側端面21c,21cがハイト方向(図示Y方向)と平行な方向に形成され、前記後方部21eでの幅寸法T4がどの部位でもほぼ同じであるが、例えば、後方に向かうほど徐々に幅寸法が広がるような形態である場合には、前記コイル層28,32の形成域と膜厚方向で対向する部分での最大幅寸法を基準とし、前記前端面21bの幅寸法T3を前記最大幅寸法よりも小さくする。
前記対向面Hに露出する前記前端面21bが、前記磁極部23の前端面23a及び上部コア層34の前端面34cと膜厚方向にて対向する位置に形成されるように、幅方向にてリセスさせる部位は、前記下部コア層21の両側端部であることが好ましい。
図15に示すように、前記下部コア層21の前方部21dの両側端面21fが、前記後方部21eの両側端面21cより内側に位置し、前記両側端面21cと前記両側端面21f間を繋ぐ連結面21gが、前記前端面21bよりもハイト方向(図示Y方向)に後退し、前記連結面21gと前記対向面H間に前記絶縁層36が介在している。前記連結面21gはトラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に向いているが、傾いていてもかまわない。
図15に示す形態では、前記連結面21gが、ちょうど前記前方部21dと前記後方部21eとの境に位置するが、前記連結面21gは、前記前方部21d内に位置してもよいし、あるいは前記後方部21e内に位置してもよい。ただし、コイル層28,32の形成域と膜厚方向に対向する部分は、広い幅寸法で形成されているほうが、前記下部コア層21の放熱効果を適切に高めることが出来るので、前記連結面21gは、前記前方部21dと前記後方部21eとの境に位置するか、あるいは、前記前方部21d内に位置することが好ましい。
また、前記連結面21gと前記対向面H間の距離L2は、0.3〜6.0μm程度であることが好ましい。これにより、前記下部コア層21よりも熱膨張係数が低い絶縁層36を十分な体積にて、前記連結面21gと対向面H間に介在させることができ、前記下部コア層21の熱膨張を効果的に抑制できる。
なお図15に示すように前記前端面21bと、両側端面21c間が傾斜面21hにて連結されていてもよい。
このように前記下部コア層21の前端面21bの幅寸法T3を、後方部21eの幅寸法T4よりも小さくすることで、図5に示すように、前記下部コア層21の前端面21bの露出面積を、より小さくでき、PTPの発生を、より効果的に抑制できる。
なお図15に示す下部コア層21の平面形状は、上部シールド層16でも適用できる。これにより図5に示すように、前記上部シールド層16の前端面16aの露出面積を、より小さくでき、PTPの発生を、より効果的に抑制できる。
図6,図7に示す形態では、下部コア層60の前方部60dには突出部60aが形成され、前記突出部60aが前記対向面Hに現れている。図6に示す点線は下部コア層60の後方部60cの外周を示している。
図7に示すように前記下部コア層60の前方部60dの下面60d1は、前記前方部60dのハイト側から前端面60bに向かって上方向に向けて形成されている。前記下面60d1の形状は傾斜面に限定されず、図16,図17に示す段差形状、図18に示す曲面状であってもよい。
図6,図7に示す形態では、前記上部コア層34の前端面34cがトラック幅Twとして規制されている。前記突出部60aの幅寸法T5は前記トラック幅Twより大きい値で形成され、前記幅寸法T5は0.1〜5.0μm程度で形成される。また、前記突出部60aの膜厚H10は、0.1〜0.7μm程度で形成される。前記突出部60aのトラック幅方向(図示X方向)の両側に位置する部分は、前記前端面60bに薄い膜厚H11で現れる。前記膜厚H11は0.1〜4.0μm程度で形成される。また、前記突出部60aのハイト方向への長さ寸法L3(図7参照)は、0.1〜6.0μmの範囲内で形成される。
この形態では、前記下部コア層60の前端面60bの膜厚は、その全域にて、下部コア層60の後方部60cでの膜厚H9より薄く形成されていることが好ましい。すなわち前記突出部60aの膜厚H10は、前記後方部60cの膜厚H9より薄い。これにより、PTPの発生を適切に抑制できる。
ただし、前記突出部60aの膜厚H10が、前記後方部60cの膜厚H9以上である場合も本形態に含まれる。かかる場合、膜厚H11<膜厚H9≦膜厚H10という関係が成り立っている。
図6,図7の形態は、上記した形態と同様に、前記下部コア層60の前方部60dの下面60d1が、ハイト側から前記前端面60bに向かうにしたがって上方向に向けて形成されている。よって、磁束がスムーズに前記下部コア層60内を通り記録特性の向上を図ることができるとともに、前記下部コア層60の前方部60dと前記上部シールド層16間の距離を前記対向面Hに向かうほど大きくでき、よって前記下部コア層60と前記上部シールド層16間に作用する相互作用をより適切に弱めることが出来る。この結果、前記下部コア層60の前端面60bの一部が、後方部60cの膜厚H9以上であっても、従来に比べて効果的にPTPの発生を効果的に抑制できる。
図6,図7の形態は、一定の膜厚で形成された下部コア層60の最終的に突出部60aとなる部分を除く上面を一定の深さまでイオンミリング等で削って形成されたものである。
なお図7に示すように、前記突出部60aの後方に、コイル層52が形成され、前記コイル層52の上面及び前記コイル層52の各ターン間を埋めるコイル絶縁層53の上面が前記突出部60aの上面と同一平面で形成される。前記突出部60aの上面、コイル層52の上面、及びコイル絶縁層53の上面には、絶縁性のギャップ層61が形成され、前記ギャップ層61上に上部コア層34が形成される。前記上部コア層34の後方部は接続層29上に磁気的に接続されている。図7に示す形態は、記上部コア層34を平坦なギャップ層61上に形成でき、前記上部コア層34の前端面34cの幅で規制されるトラック幅Twを高精度に形成することが出来る。
図8,図9に示す形態は、下部コア層21上に突出形状の隆起層50を有する。前記隆起層50の膜厚はH8である。前記隆起層50の後方域にコイル層87が形成されている。前記隆起層50はトラック幅Twよりも広い幅寸法T8を有し、また膜厚も、その後方域にコイル層を形成できる程度の比較的厚い膜厚H8を有しているので、前記下部コア層21のみならず前記隆起層50も考慮してPTPの低減を図ることが好ましい。前記下部コア層21及び隆起層50を含めて下部磁極層と定義すると、前記下部コア層21の前端面21b及び前記隆起層50の前端面50aが、前記下部磁性部の前端面に該当し、前記「下部磁性部」の前端面の膜厚は、全域にて、後方部21eの膜厚H1に対して薄いことが好ましい。ただし、図6,図7で説明したように、前記下部コア層21上に隆起層50が形成された箇所の前端面の膜厚(H2+H8)が、前記膜厚H1以上であっても本形態に含まれる。前記隆起層50の幅寸法T8は0.1〜0.5μmの範囲内、膜厚H8は0.1〜0.7μmの範囲内、長さ寸法L4は0.1〜6.0μmの範囲内である。
図8,図9に示す形態でも、前記下部コア層21の前方部21dの下面21d1は、前記前方部21dのハイト側から前記前端面21bに向けて上方向に向かって形成されている。前記下面21d1と前記対向面H間には絶縁層37が介在する。前記下部コア層21の前方部21dの下面21d1と前記上部シールド層16間の距離は、ハイト側から前記対向面Hに向かうにしたがって徐々に広がり、よって前記下部コア層21と前記上部シールド層16間の相互作用を適切に弱めることができ、この結果、PTPの発生を効果的に抑制できる。
図8,図9に示す形態では、前記隆起層50のハイト方向後方に下部コア層21上にコイル絶縁下地層80を介して下側コイル層87が形成され、前記下側コイル層87の各ターン間を埋めるコイル絶縁層53の上面、接続層29の上面が前記隆起層50の上面と同一平面で形成される。前記同一平面上には前記対向面Hからハイト方向に所定距離だけ離れた位置にGd決め層81が形成され、前記Gd決め層81の前方及び後方に下から下部磁極層82、ギャップ層83が形成され、さらに前記ギャップ層83上及びGd決め層81上に上部磁極層84が形成される。前記下部磁極層82、ギャップ層83及び前記上部磁極層84の3層構造で磁極部85が構成され、前記磁極部85のトラック幅方向における幅寸法でトラック幅Twが規制される。前記磁極部85の両側及び後方は図示しない絶縁層で囲めれており、前記磁極部85の上面と前記絶縁層の上面は同一平面で形成される。前記上部磁極層84上には上部コア層89が重ねられている。前記上部コア層89の前端面89aは前記対向面Hから露出していてもしていなくてもどちらでもよい。前記上部コア層89の前端面89aの幅寸法T6は、たとえば、トラック幅Twよりも広い幅寸法で形成される。前記前端面89a除く上部コア層89の周囲は図示しない絶縁層で囲まれており、前記上部コア層89上にはコイル絶縁下地層86上に、上側コイル層88が形成されている。
ここで、前記コイル層87,88は、図1〜図7に示す平面型のコイル層とは違って、各コイル層87,88は複数本ずつ設けられ、各コイル層87,88は、前記磁極部85及び前記上部コア層89を横切ってその両側に延出形成され、前記下側コイル層87の両側端部と前記上側コイル層88の両側端部とが、前記磁極部85及び上部コア層89を中心軸としてその周囲を螺旋状で巻回するように接続される形態である(ソレノイド(Solenoid)状のコイル)。
図10,図11に示す形態は、今まで挙げた形態の中では最もシンプルな形態である。すなわち、下部コア層21上にギャップ層90が形成され、前記ギャップ層90上にコイル層91が形成されている。前記コイル層91上は有機材料等からなるコイル絶縁層92で覆われている。前記コイル絶縁層92上には上部コア層34が形成され、前記上部コア層34の前方部34aは、前記対向面Hで前記ギャップ層90を介して下部コア層21と対向している。一方、前記上部コア層34の後方部34bは前記下部コア層21に磁気的に接続されている。図10に示すように前記上部コア層34の前端面34cは前記対向面Hから露出し、前記前端面34cの幅寸法はトラック幅Twとなっている。
前記下部コア層21の形態は、図2に示す形態と同じである。すなわち前記下部コア層21の前端面21bの膜厚H2は全域にて、後方部21eでの膜厚H1より薄く形成されている。よって前記コイル層91と対向する部分では厚い膜厚H1を有するが、前記前端面21bの露出面積は小さくされている。したがって、放熱効果を損なわず、PTPの発生を適切に抑制することが出来る。
前記下部コア層21の前方部21dの下面21d1は、そのハイト側から前記前端面21bに向かって膜厚が徐々に薄くなるように上方に向けて形成されている。よって、前記下部コア層21の前方部21dと前記上部シールド層16間の距離は前記対向面Hに近づくにつれて徐々に大きくなり、前記下部コア層21と前記上部シールド層16間の相互作用を適切に弱めることが出来る。よって前記下部コア層21の形状を有することで、より効果的に、PTPの発生を抑制することが出来る。
図12,図13では、符号100は主磁極層(第2磁性層)である。図12に示すように前記主磁極層100の前端面100aはトラック幅Twで露出する。
前記主磁極層100上には非磁性のギャップ層101が形成され、前記ギャップ層101上には前記対向面Hからハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置にGd決め層102が形成されている。前記Gd決め層102の後方には上側コイル層88が形成され、前記上側コイル層88上はコイル絶縁層103にて覆われている。前記コイル絶縁層103上にはリターンヨーク層(第1磁性層)104が形成されている。前記リターンヨーク層104の前方部104aは前記ギャップ層101を介して前記主磁極層100に対向し、前記リターンヨーク層104の後端は、前記主磁極層100に磁気的に接続されている。
図12,図13に示すように、前記リターンヨーク層104の前記前方部104aよりもハイト方向の後方部104bのうち、コイル層88と膜厚方向にて対向する位置での最大膜厚はH14で形成されている。一方、前記リターンヨーク層104の前記対向面Hに現れる前端面104cの膜厚はH15であり、前記前端面104cの膜厚H15は、その全域にて、前記後方部104bの膜厚H14よりも薄く形成されている。
図12,図13に示す記録ヘッドHWは垂直磁気記録ヘッドであり、記録媒体Mに垂直磁界を与え、記録媒体Mのハード膜Maを垂直方向に磁化させるものである。
前記記録媒体Mは例えばディスク状であり、その表面に残留磁化の高いハード膜Maを、また内方に磁気透過率の高いソフト膜Mbを有しており、ディスクの中心が回転軸中心となって回転させられる。
この垂直磁気記録ヘッドにおいてリターンヨーク層104の前端面104cの膜厚H15が、後方部104bでの膜厚H14よりも薄く形成されているため、前記リターンヨーク層104によるPTPの発生を効果的に抑制できる。
また前記リターンヨーク層104の前記コイル層88と膜厚方向で対向する部分では厚い膜厚で形成されているので、前記リターンヨーク層104の放熱効果を損なうことがない。前記リターンヨーク層104に吸収された熱は保護層105を介して上方から逃がされる。
前記リターンヨーク層104のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法は、T7で形成される。前記幅寸法T7は、5.00〜150μm程度である。前記幅寸法T7は前記トラック幅Tw(0.05〜3.00μm程度)に比べて十分に広い幅寸法にて形成されている。
また前記リターンヨーク層104が前記主磁極層100の下側に形成される形態であってもよい。かかる場合、前記リターンヨーク層104は、図2に示す下部コア層21と同様の形状にて形成されていてもよい。
図20〜図25に示す図面を用いて、図2に示す下部コア層21及び絶縁層37の製造方法について説明する。各図は、製造工程中における一工程図であり、図2と同じ断面から見た部分断面図で示されている。なお図20〜図25では、図2に示す分離層20と絶縁層37とを一体に形成している。
図20に示す工程では、表面が平坦化面である上部シールド層16上に所定の膜厚で形成された絶縁層95を形成する。点線部分は記録媒体との対向面Hの位置である。
図21工程では、前記絶縁層95上にレジスト層96を形成する。前記レジスト層96は、絶縁層37及び分離層20として残す以外の絶縁層95上に形成する。前記レジスト層96は例えば、リフトオフ用のレジストであり、前記レジスト層96の笠部96aの一部分は、絶縁層37として残されるべき絶縁層95上にかかるように形成されている。
そして前記レジスト層96に覆われていない前記絶縁層95を一定の深さまでイオンミリングで除去する(図21に示す一点鎖線の位置まで削られる)。イオンミリングは等方性であり、前記レジスト層96の笠部96a下では、残された絶縁層95の表面が傾斜面として形成される。
図22に示すように一定の薄い膜厚で残された絶縁層95の部分が図2に示す分離層20であり、記録媒体との対向面Hにて隆起形状の絶縁層95が図2に示す絶縁層37である。前記絶縁層37の後端面37aは傾斜面となっている。
前記絶縁層37上から前記分離層20上にかけて下部コア層21をメッキ形成するためのメッキ下地層97をスパッタにて形成する。
そして前記絶縁層37上及び前記分離層20上に、レジスト層98を形成し、前記レジスト層98に前記下部コア層21の抜きパターン98aを露光現像にて形成する。
図23に示す工程では、前記抜きパターン98a内に下部コア層21をメッキ形成する。そして前記レジスト層98を除去し、図24工程では、前記下部コア層21の周囲、及び前記下部コア層21上に絶縁層36をスパッタ等で成膜し、前記絶縁層36上を前記下部コア層21の上面21aが露出するとともに、前記上面21aが平坦化面となるように、例えばCMP技術を用いて、前記絶縁層36上及び前記下部コア層21上を削る(図24に示す一点鎖線の位置まで削る)。このとき、前記記録媒体との対向面Hとなる位置にて、下部コア層21が残されていなければならない。前記対向面Hとなる位置にて前記下部コア層21は膜厚H2で残される。一方、前記下部コア層21の後方域では一定の膜厚H1で残され、前記膜厚H1は前記膜厚H2よりも十分厚い膜厚となっている。
その後、前記下部コア層21上に図2に示す各層を形成していき、最終的に前記対向面Hとなる位置から切断すると、図25に示すように、前記対向面Hにて、下部コア層21は膜厚H2で露出する。
前記下部コア層21の前方部21dの下面21d1は、前記絶縁層37の傾斜面(後端面)37a上に形成されるため、傾斜面形状で形成され、前方部21dの後方から前記対向面Hに向けて徐々に膜厚が薄くなる形態となる。
前記絶縁層37及び前記下部コア層21の形成方法は図20から図25に示す工程に限るものでない。例えば分離層20上に、前記絶縁層37の形成位置が開口しているリフトオフ用レジストを形成し、前記開口内に前記絶縁層37をスパッタ成膜して、前記リフトオフ用レジストを除去する方法であってもよい。
また図19や図12,図13に示すように磁性層の上面側をイオンミリング等で削って対向面に露出する前端面の膜厚を薄くしてもよい。
上記では特に下部シールド層13の好ましい形態について触れていないが、前記下部シールド層13の前端面13aも、その後方域の膜厚に比べて薄いことが好ましい。このとき、下部コア層21と同様に前方部の下面が前記前方部の後方から前記対向面Hに向かって上方に向けて傾くように形成することが好ましい。前記シールド層13,16の狭ギャップ化を確保するためである。