JP3640913B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体に信号を記録する、または前記信号を再生する磁気ヘッドに係り、特に、前記磁気ヘッドの狭ギャップ化を促進することのできる磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来の磁気ヘッドを記録媒体との対向面側からみた正面図である。図13に示す磁気ヘッドは、いわゆるインダクティブヘッドである記録用の磁気記録素子H1aが、磁気抵抗効果を利用した再生用の磁気検出素子H2aの上に積層されている複合型の磁気ヘッドである。
【0003】
磁気検出素子H2aは、例えばスピンバルブ膜に代表される巨大磁気抵抗効果を利用したGMR素子や、異方性磁気抵抗効果を利用したAMR素子で形成される磁気抵抗効果素子である磁界読み取り部1と、磁界読み取り部1に電流を供給するための電極層2,2、磁界読み取り部1の上下にギャップ層3を介して形成された下部シールド層4と上部シールド層5を有して構成される。
【0004】
磁気検出素子H2aのトラック幅はTrである。また、上部シールド層5と下部シールド層4間の距離(ギャップ長)はG1である。
【0005】
電極層2,2は、CrやTaなどの導電性材料からなる。
ギャップ層3は、Al23やSiO2などの絶縁性材料からなり、下部シールド層4及び上部シールド層5は、NiFe系合金(パーマロイ)などの高透磁率の軟磁性材料で形成されている。
【0006】
磁気検出素子H2aに、外部磁界(信号磁界)が与えられると、磁界読み取り部1の電気抵抗が変化することにより、外部磁界(信号磁界)を検出できる。
【0007】
上部シールド層5上に絶縁材料で形成された分離層6を介して、下部コア層7が形成されている。下部コア層7上には、下部磁極層8、ギャップ層9、上部磁極層10が積層されている。上部磁極層10の上には上部コア層11が積層されている。上部磁極層10は、上部コア層11に磁気的に接続されている。下部磁極層8、ギャップ層9、上部磁極層10の先端面のトラック幅方向の幅寸法は等しくなっており、磁気記録素子のトラック幅Twを規定している。
【0008】
下部コア層7、下部磁極層8、ギャップ層9、上部磁極層10、上部コア層11の周囲には、絶縁層12が設けられている。
【0009】
下部コア層7、下部磁極層8、上部磁極層10、及び上部コア層11はNiFeなどの磁性材料で形成されており、ギャップ層9はNiP、Al23、SiO2などの非磁性材料で形成されている。
【0010】
分離層6、絶縁層12は、Al23やSiO2などの絶縁性材料で形成されている。
【0011】
上部コア層11と下部コア層7の間に、コイル層(図示せず)が螺旋状にパターン形成されている。
【0012】
前記コイル層に記録電流が与えられると、下部コア層7及び上部コア層11に記録磁界が誘導され、ギャップ層9を介して対向する下部磁極層8及び上部磁極層10間に漏れ磁界が発生し、この漏れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図13に示される従来の磁気ヘッドでは、磁気検出素子H2aの電極層2,2、下部シールド層4、上部シールド層5、並びに、下部コア層7、下部磁極層8、ギャップ層9、上部磁極層10の先端面が、ギャップ層3、分離層6、及び絶縁層12の記録媒体との対向面側の端面(先端面)に露出している。
【0014】
これは、図13に示される磁気ヘッドが、以下に示す工程を経て形成されるためである。
【0015】
まず、下部シールド層4、磁界読み取り部1、電極層2,2、ギャップ層3、上部シールド層5をスパッタ法などによって薄膜形成する。下部シールド層4及び上部シールド層5はメッキ形成してもよい。さらに、分離層6をスパッタ成膜した後、下部コア層7、下部磁極層8、ギャップ層9、上部磁極層10、上部コア層11をメッキ形成する。なお、ギャップ層9はスパッタ法で形成されてもよい。絶縁層12はスパッタ法によって形成している。
【0016】
図14及び図15は、それぞれパターン形成工程直後の磁気検出素子H2aと磁気記録素子H1aを素子上方からみた平面図である。パターン形成直後の磁気検出素子H2aと磁気記録素子H1aは、ハイト方向長さ(図示Y方向)が完成した素子より長くなっている。
【0017】
パターン形成した磁気検出素子H2aを記録媒体との対向面側から研磨して、磁気検出素子H2aの直流抵抗値が所定の値になるように調節する。図14では、一点鎖線B−Bまで研磨する。このとき、図15の磁気記録素子H1aも記録媒体との対向面側から一点鎖線C−Cまで研磨される。
【0018】
この研磨工程で、磁気検出素子H2aの電極層2,2、下部シールド層4、上部シールド層5、並びに、下部コア層7、下部磁極層8、ギャップ層9、上部磁極層10の先端面が、ギャップ層3、分離層6、及び絶縁層12の記録媒体との対向面側の端面(先端面)に露出し、さらに研磨される。
【0019】
研磨には、ダイヤモンドなどの砥粒が用いられるのに対して、下部シールド層4、上部シールド層5、並びに、下部コア層7、下部磁極層8、上部磁極層9を形成するNiFe(パーマロイ)などの磁性材料は硬度が低く、研磨によってキズついたり、前記砥粒がその表面に刺さったままになってしまうことがある。
【0020】
磁性材料からなる層がキズつくと、素子の磁気特性が悪化することがある。また、前記砥粒が磁性材料からなる層の表面に刺さった状態で、磁気ヘッド装置が組み立てられて、磁気ヘッドが記録媒体上を摺動移動または浮上移動すると、記録媒体が傷つき、信号記録の精度が低下する。これは、高記録密度化を進めるために、浮上式磁気ヘッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進める際の妨げになっている。
【0021】
また、図13に示される従来の磁気ヘッドでは、前記研磨工程で、下部シールド層4と上部シールド層5にスメアリングが発生しやすく、下部シールド層4や上部シールド層5が電極層2,2と短絡しやすいという問題が発生していた。下部シールド層4や上部シールド層5と電極層2,2の短絡はギャップ長G1が短くなる程発生しやすく、磁気検出素子H2aの狭ギャップ化を促進するための妨げとなっていた。
【0022】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、磁気ヘッドを構成する磁性材料からなる層表面の傷、砥粒の残留を低減し、また、下部シールド層や上部シールド層と電極層の短絡も低減して、高記録密度化を促進することができる磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下部シールド層、磁界読み取り部、前記磁界読み取り部に電流を供給するための電極層、及び上部シールド層を有する磁気検出素子を有する磁気ヘッドにおいて、
前記磁気検出素子の前記下部シールド層と前記上部シールド層の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層が形成されており、この絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における前記下部シールド層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記下部シールド層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さいこと、及び/又は、前記絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における前記上部シールド層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部シールド層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さ
前記磁気検出素子の前記電極層の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層が形成されており、この絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における、前記電極層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記下部シールド層の前記露出面と前記上部シールド層の前記露出面のうち、少なくとも一方のトラック幅方向の幅寸法よりも大きいことを特徴とするものである。
【0024】
本発明では、前記下部シールド層及び/又は上部シールド層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が各層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さくなっている。
【0025】
すなわち、前記下部シールド層及び/又は上部シールド層の、前記絶縁材料層の前記端面における露出面積を従来よりも小さくできる。従って、前記下部シールド層及び/又は上部シールド層表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0026】
さらに、下部シールド層や上部シールド層のスメアリングを低減することができるので、電極層の短絡も低減させることができ、磁気検出素子の狭ギャップ化も容易になり、線記録密度のさらなる向上への対応ができる。
【0028】
本発明では、前記下部シールド層の前記露出面と前記上部シールド層の前記露出面のうち少なくとも一方のトラック幅方向の幅寸法を、前記電極層の前記露出面のトラック幅方向の幅寸法より小さくできるのでより効果的に、下部シールド層や上部シールド層と、電極層の短絡を低減させることができる。
【0029】
なお、前記下部シールド層及び/又は前記上部シールド層の、トラック幅方向の全幅寸法が、ハイト方向の全長寸法より大きいと、前記下部シールド層及び/又は前記上部シールド層の形状異方性がトラック幅方向を向き、トラック幅方向に磁化方向が向いた磁区の面積が大きくなる。トラック幅方向に磁化方向が向いた磁区の面積が大きい前記下部シールド層、前記上部シールド層であれば、トラック幅方向に垂直な方向(記録媒体からの洩れ磁界方向)から外部磁界(信号磁界)が与えられたときの磁気ヒステリシスが小さくなり、検出対象の外部磁界(信号磁界)以外の磁界を吸収遮断するシールド機能が向上する。
【0030】
また、本発明では、前記磁気検出素子に重ねられて、下部コア層、上部コア層コイル層、及び前記下部コア層と前記上部コア層の間に形成される非磁性材料からなるギャップ層を有する磁気記録素子が形成されている、複合型の磁気ヘッドを構成することができる。
【0031】
複合型の磁気ヘッドを構成するときには、前記下部コア層の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層が形成されており、この絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における、前記下部コア層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記下部コア層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さいことが好ましい。
【0032】
これにより、前記下部コア層の前記露出面の面積も、従来より小さくすることができるので、前記下部コア層表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。
【0033】
また本発明では、前記磁気記録素子の前記下部コア層は、そのトラック幅方向の全幅寸法が、ハイト方向の全長寸法より大きいことが好ましい。
【0035】
記下部コア層のトラック幅方向の全幅寸法が、ハイト方向の全長寸法より大きいと、前記下部コア層の形状異方性がトラック幅方向を向き、トラック幅方向に磁化方向が向いた磁区の面積が大きくなる。トラック幅方向に磁化方向が向いた磁区の面積が大きい前記下部コア層であれば、記録信号電流によって発生した誘導磁界による磁気ヒステリシスが最小になるので、前記下部コア層の保磁力及びヒステリシス損失が低下し、記録信号の高周波化・高速記録化に適切に対応できる磁気記録素子を提供できる。
【0037】
本発明において、前記磁気記録素子と前記磁気検出素子が重ねられた複合型の磁気ヘッドを構成し、前記下部コア層を前記上部シールド層の上層に形成するときには、前記下部コア層の前記上部シールド層に重なる領域内に、前記下部コア層の各縁部が形成されていると、前記上部シールド層の上に前記下部コア層を安定した形状で形成することができるので好ましい。
【0038】
また、前記下部コア層を形成する磁性材料が、前記上部シールド層を形成する磁性材料よりも飽和磁束密度が大きいことが好ましい。
【0039】
一方、前記上部シールド層は、前記下部コア層より透磁率が大きいことが好ましい。
【0040】
また、本発明において、前記磁気記録素子の前記ギャップ層と前記上部コア層の間に、先端面のトラック幅方向の幅寸法が前記上部コア層の先端面のトラック幅方向の幅寸法よりも小さく、前記上部コア層に磁気的に接続されている上部磁極層が形成されると、前記磁気記録素子の記録トラック幅寸法を小さくできるので好ましい。
【0041】
前記磁気記録素子の記録トラック幅寸法を小さくするために、さらに、前記磁気記録素子の前記ギャップ層と前記下部コア層の間に、先端面のトラック幅方向の幅寸法が前記下部コア層の先端面のトラック幅方向の幅寸法よりも小さく、前記下部コア層に磁気的に接続されている下部磁極層が形成されているとより好ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態の磁気ヘッドを記録媒体との対向面からみた正面図である。
【0043】
図1に示される磁気へッドは、記録用の磁気記録素子H1が再生用の磁気検出素子H2上に積層されている、いわゆる複合型の磁気ヘッドである。
【0044】
磁気記録素子H1は、いわゆるインダクティブヘッドであり、磁気検出素子H2は、磁気抵抗効果を利用してハードディスクなどの記録媒体からの洩れ磁界を検出し、記録信号を読み取るものである。
【0045】
図1に示された磁気ヘッドは、例えばアルミナ−チタンカーバイト(Al23−TiC)で形成されたスライダのトレーリング側端面上に形成される。スライダは、記録媒体との対向面と逆面側で、ステンレス材などによる弾性変形可能な支持部材と接合され、磁気ヘッド装置が構成される。
【0046】
図1に示すように、スライダ21のトレーリング側端面21a上にAl23膜22を介してNiFe等からなる磁性材料製の下部シールド層23が形成され、さらにその上であって、磁界読み取り部24及び磁界読み取り部24に電流を供給する電極層25,25及びNiFe等からなる磁性材料製の上部シールド層27が形成されている。下部シールド層23、磁界読み取り部24、電極層25,25及び上部シールド層27は、Al23(アルミナ)やSiO2などの絶縁材料からなる絶縁材料層26中に形成されている。絶縁材料層26のうち、下部シールド層23と上部シールド層27の間の部分がギャップ層26aである。
【0047】
磁界読み取り部24は、例えばスピンバルブ膜に代表される巨大磁気抵抗効果を利用したGMR素子や異方性磁気抵抗効果を利用したAMR素子で形成される磁気抵抗効果素子である。図1では、膜面水平方向にセンス電流磁界を流す、いわゆるCIP型のGMR素子を図示している。従って、電極層25,25は磁界読み取り部24の上面の両端部に接続されている。
【0048】
電極層25,25は、例えば、Au、W、Cr、Ru、Rh、Ta、Pt、Pdなどで形成される。電極層25の膜厚は300Å〜1500Åである。
【0049】
ただし、磁界読み取り部24が、膜面垂直方向にセンス電流磁界を流す、いわゆるCPP型のGMR素子であってもよいし、また、トンネル磁気抵抗効果を利用したTMR素子であってもよい。この場合、電極層25,25は、磁界読み取り部24の上面及び下面に接続される。
【0050】
上部シールド層及び下部シールド層の膜厚は、1.0μm〜3.0μmである。
【0051】
下部シールド層23、磁界読み取り部24、電極層25,25、ギャップ層26、上部シールド層27が磁気検出素子H2を構成している。
【0052】
図1では、磁界読み取り部24上の電極層25,25間のトラック幅方向(X方向)の距離が、磁界読み取り部24のトラック幅Trである。また、上部シールド層27と下部シールド層23間の距離はG2である。また、上部シールド層27の下面から電極層25,25の上面までの距離をG2a、下部シールド層23の上面から電極層25,25の下面までの距離をG2bとする。本実施の形態では、G2が0.08μm、G2aが0.03μm、G2bが0.02μmである。
【0053】
このような磁界読み取り部24を備えた磁気検出素子が磁気ディスク等磁気媒体の磁気記録を再生するとき、磁界読み取り部24は、上部シールド層27、下部シールド層23間に現れた磁気ディスクからの磁界を検知して、磁界により電気抵抗が変化する。そして、磁界読み取り部24の電気抵抗変化から磁気記録を再生する。
【0054】
なお、磁気検出素子からみたとき、記録媒体との対向面は、例えば磁気検出素子を構成する薄膜の膜面に垂直で且つ磁気検出素子のフリー磁性層の外部磁界(記録信号磁界)が印加されていないときの磁化方向と平行な平面である。図1では、記録媒体との対向面はX−Z平面に平行な平面である。
【0055】
また、トラック幅方向とは、外部磁界によって磁化方向が変動する領域の幅方向のことであり、例えば、フリー磁性層の外部磁界が印加されていないときの磁化方向、すなわち図示X方向である。トラック幅方向のフリー磁性層の幅寸法が磁気検出素子のトラック幅Trを規定する。
【0056】
磁気検出素子H2上には、アルミナ(Al23)やSiO2などの絶縁性材料からなる分離層28を介して、NiFe等の磁性材料からなる下部コア層29が形成されている。
【0057】
下部コア層29上には、先端面のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が下部コア層29の先端面のトラック幅方向の幅寸法よりも小さく、下部コア層29に磁気的に接続されている下部磁極層30、非磁性材料からなるギャップ層31、先端面のトラック幅方向の幅寸法が上部コア層34の先端面のトラック幅方向の幅寸法よりも小さく、上部コア層34に磁気的に接続される上部磁極層32が形成されている。本実施の形態において、下部コア層29、下部磁極層30、ギャップ層31、上部磁極層32、上部コア層34の先端面とは、前記各層の記録媒体との対向面側の端面のことである。
【0058】
下部磁極層30、ギャップ層31、及び上部磁極層32の3層が記録コア部33を構成している。下部磁極層30、ギャップ層31、及び上部磁極層32の先端面のトラック幅方向寸法は等しくなっており、この先端面のトラック幅方向寸法が磁気記録素子H1のトラック幅寸法Twを規定している。
【0059】
高記録密度化に対応した薄膜磁気ヘッドでは、トラック幅寸法Twは、0.7μm以下で形成されることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。また、下部磁極層30の高さ寸法(厚み寸法)は、例えば0.2μm〜0.5μm程度、ギャップ層31の高さ寸法(厚み寸法)は、例えば0.1μm〜0.15μm程度、上部磁極層32の高さ寸法(厚み寸法)は、例えば2.4〜2.7μm程度である。なお、上部コア層34は、トラック幅Twよりも大きい幅寸法で形成される。
【0060】
上部コア層34と下部コア層29は、NiFeなどによってメッキ形成されている。
【0061】
上部磁極層32及び下部磁極層30は、NiFe、CoFe、FeCoNi、或いはCoFeX又はFeNiX(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Ptのいずれか1または2種以上の元素である)の組成式で示される軟磁性材料のうちいずれか1種或いは2種以上を用いて形成される。
【0062】
下部磁極層30は、下部コア層29上に直接メッキ形成されている。また下部磁極層30の上に形成されたギャップ層31は、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成されていることが好ましい。具体的には、NiP、NiPd、NiPt、NiRh、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Cr、Ag、Cuのうち1種または2種以上を選択できる。また、ギャップ層31は単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。なお、ギャップ層31はAl23やSiO2などの絶縁性材料を用いて形成されてもよい。
【0063】
なお本発明における具体的な実施形態としてギャップ層31にはNiPが使用される。NiPでギャップ層31を形成することでギャップ層31を適切に非磁性状態にできるからである。
【0064】
上記のようにギャップ層31がメッキ形成可能な非磁性金属材料で形成されると、下部磁極層30、ギャップ層31及び上部磁極層32を連続メッキ形成することが可能である。
【0065】
なお記録コア部33は、ギャップ層31及び上部磁極層32の2層で構成されていてもよい。
【0066】
磁気記録素子H1の出力を大きくして、高記録密度化を促進するためには、記録下部コア層29及び下部磁極層30並びに上部コア層34及び上部磁極層32の飽和磁束密度を大きくすることが好ましい。また、磁気検出素子H2の上部シールド層27と下部シールド層23が、検出対象の信号磁界以外の磁界を効率よく遮断するようにするためには、上部シールド層27と下部シールド層23の透磁率が高いことが好ましい。
【0067】
飽和磁束密度と透磁率の両方が大きい磁性材料を得ることは難しいので、本実施の形態では、上部コア層34及び下部コア層29を形成する磁性材料を選ぶときは飽和磁束密度が大きいものであることを優先させ、上部シールド層27と下部シールド層23の材料を選ぶときは透磁率が大きいものであることを優先させている。
【0068】
その結果、本実施の形態では、下部コア層29を形成する磁性材料は、上部シールド層27を形成する磁性材料よりも飽和磁束密度が大きく、上部シールド層27は、下部コア層29より透磁率が大きくなっている。
【0069】
なお、下部コア層の膜厚は1.0μm〜3.0μmである。 上部コア層34と上部磁極層32は同じ材質でも異なる材質で形成されてもよい。下部コア層29と下部磁極層30は同じ材質でも異なる材質で形成されてもよい。
【0070】
ただし、上部磁極層32は、上部コア層34よりも高い飽和磁束密度を有する軟磁性材料で形成されることが好ましい。また、下部磁極層30は、下部コア層29よりも高い飽和磁束密度を有する軟磁性材料で形成されることが好ましい。
【0071】
下部コア層29の両側部には、Al23(アルミナ)やSiO2などの絶縁材料からなる絶縁材料層35が形成されている。
【0072】
磁気記録素子H1の上層には、Al23(アルミナ)やSiO2などの絶縁材料からなる絶縁材料層36が形成されている。
【0073】
なお、磁気ヘッドが浮上式の磁気ヘッドに用いられる場合、記録媒体との対向面とは、いわゆるABS面のことである。なお、後に説明する図4にも示されるように、記録媒体は磁気へッドの記録媒体との対向面に対向しており、図示Z方向に移動する。この記録媒体からの洩れ磁界方向は図示Y方向である。
【0074】
図2は、図1に示された磁気検出素子H2を図1の上方向(図示Z方向反対方向)からみた部分平面図である。
【0075】
磁気検出素子H2の下部シールド層23、上部シールド層27及び電極層25,25は、前述のように絶縁材料層26中に形成されているので、下部シールド層23、上部シールド層27、電極層25,25のトラック幅方向(図示X方向)の両側部及びハイト方向(図示Y方向)の奥側には絶縁材料層26が形成されていることになる。磁界読み取り部24、電極層25,25は、絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0076】
図2に示されるように、下部シールド層23では、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさE1である先端部23eが形成されて、この先端部23eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面23bとなっている。そして先端部23eの前端面が露出面23aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0077】
また、上部シールド層27では、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさF1である先端部27eが形成されて、この先端部27eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面27b,27bとなっている。そして先端部27eの前端面が露出面27aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0078】
すなわち、この端面26bにおける、下部シールド層23の露出面23aのトラック幅方向の幅寸法E1が下部シールド層23のトラック幅方向の全幅寸法E2よりも小さくなっている。さらに、端面26bにおける、上部シールド層27の露出面27aのトラック幅方向の幅寸法F1が、上部シールド層27のトラック幅方向の全幅寸法F2よりも小さくなっている。
【0079】
従って、下部シールド層23及び上部シールド層27の絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bには、下部シールド層23及び上部シールド層27の前面の一部分のみが露出することになり、下部シールド層23及び上部シールド層27表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0080】
さらに、下部シールド層23や上部シールド層27のスメアリングを低減することができるので、下部シールド層23や上部シールド層27と電極層25,25の短絡も低減させることができ、磁気検出素子の狭ギャップ化も容易になり、線記録密度のさらなる向上への対応ができる。
【0081】
また、絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bにおける電極層25,25の露出面25a,25aのトラック幅方向の幅寸法(露出面25a,25aの外側端面間距離)I1が、下部シールド層23の露出面23a及び上部シールド層27の露出面27aのトラック幅方向の幅寸法E1及びF1よりも、大きくなっている。
【0082】
これにより効果的に、下部シールド層23や上部シールド層27と、電極層25,25の短絡を低減させることができる。
【0083】
図3は、図1に示された磁気記録素子H1を図1の上方向(図示Z方向反対方向)からみた部分平面図である。
【0084】
磁気記録素子H1の下部コア層29は、前述のように絶縁材料層35中に形成されているので、下部コア層29の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層35が形成されていることになる。
【0085】
図3に示されるように、下部コア層29では、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさJ1である先端部29eが形成されて、この先端部29eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面29b,29bとなっている。そして先端部29eの前端面が露出面29aとして絶縁材料層35の記録媒体との対向面側の端面35aに露出している。
【0086】
すなわち、この端面35aにおける、下部コア層29の露出面29aのトラック幅方向の幅寸法J1が下部コア層29のトラック幅方向の全幅寸法J2よりも小さくなっている。
【0087】
従って、下部コア層29の絶縁材料層35の端面35aには、下部コア層29の前面の一部分のみが露出することになり、下部コア層35表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0088】
また、下部コア層29の露出面29aのトラック幅方向の幅寸法J1を十分に細くすることにより、サイドフリンジングの発生を抑制することが可能である。
【0089】
なお、図2及び図3では、下部シールド層23の先端部23e、上部シールド層27の先端部27e、及び下部コア層29の先端部29eのトラック幅方向の幅寸法はハイト方向に向かって一定になっている。ただし、これらの先端部23e、先端部27e、先端部29eが、ハイト方向に奥側に向かうに従ってトラック幅方向の幅寸法が大きくなるものであってもよい。
【0090】
図4は図1に示す磁気ヘッドをD−D線から切断し矢印方向から見た縦断面図である。
【0091】
磁気検出素子H2の絶縁材料層26は、上部シールド層27及び下部シールド層23のハイト方向(図示Y方向)奥側にも形成されている。
【0092】
磁気記録素子H1の下部コア層29上にはGd決め層40が形成されている。上部磁極層32とギャップ層31の接合面の記録媒体との対向面側の端部からGd決め層40の先端部までの長さ寸法でギャップデプス(Gd)が規制される。Gd決め層40は例えば非磁性有機絶縁材料からなるレジスト、SiO2、Al23などの非磁性無機絶縁材料、またはCuなどの非磁性導電性材料などで形成される。
【0093】
下部コア層29上には、導電材料からなるメッキ下地層41が積層されている。なお、図1では、メッキ下地層41の図示を省略している。
【0094】
記録媒体との対向面側では、メッキ下地層41上に、記録コア部33がメッキで形成されており、この記録コア部33が絶縁材料層36の記録媒体との対向面側の端面36aに露出している。
【0095】
磁気ヘッドのハイト方向奥側では、メッキ下地層41上に磁性金属材料の持ち上げ層42がメッキで形成され、持ち上げ層42が、下部コア層29と磁気的に接続されている。
【0096】
記録コア部33および持ち上げ層42を除く領域では、メッキ下地層41およびGd決め層40を覆う絶縁下地層43が形成されている。絶縁下地層43の上には、第1のコイル層44が設けられており、この第1のコイル層44は、持ち上げ層42の周囲に平面螺旋状となるようにメッキで形成されている。第1のコイル層44のピッチ間は第1のコイル絶縁層45で埋められており、また第1のコイル層44の上面が第1のコイル絶縁層45で覆われている。
【0097】
第1のコイル絶縁層45を形成する無機絶縁材料は、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種から選択されることが好ましい。
【0098】
第1のコイル絶縁層45上には、第2のコイル層46が形成されている。第2のコイル層46は、持ち上げ層42の周囲に巻回された平面螺旋状であり、第1、第2のコイル層44、46は、中心部が第1のコイル絶縁層45を貫通して互いに接続されている。
【0099】
第2のコイル絶縁層47は、レジスト等の有機絶縁材料からなり、第2のコイル層46のピッチ間を埋めると共に、第2のコイル層の上面を覆っている。
【0100】
上部コア層34はメッキで形成されたものであり、基部34aが持ち上げ層42に接続された状態で第2のコイル絶縁層47を覆うように形成され、先端部34bが記録コア部33の上部磁極層32の上面に磁気的に接続されている。
【0101】
また、上部コア層34の先端部34bは、絶縁材料層36の記録媒体との対向面側の端面36aに露出することなく、端面36aからハイト方向へ後退した位置を起点として記録コア部33から離れるに従って端面36aから離れるような傾斜面34cを有している。
【0102】
絶縁材料層36は磁気記録素子H1を覆っている。
また、図2ないし図4に示されるように、絶縁材料層26、絶縁材料層36、下部シールド層の露出面23a、上部シールド層27の露出面27a、下部コア層29の露出面29a、磁界読み取り部24、電極層25,25、磁気コア部33は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの絶縁性材料からなる保護膜37に覆われている。図1は、保護膜37がない状態での正面図である。
【0103】
第1コイル層44及び第2コイル層46に記録電流が与えられると、下部コア層29及び上部コア層34に記録磁界が誘導され、ギャップ層31を介して対向する下部磁極層30及び上部磁極層32間に漏れ磁界が発生し、この漏れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
【0104】
磁気記録素子からみた場合、トラック幅方向とは下部磁極層30及び上部磁極層32を流れる磁路の方向に垂直な方向である。
【0105】
なお記録コア部33は、ギャップ層31及び上部磁極層32のみで構成されていてもよい。また、上部磁極層32は2層以上の磁性層によって形成されてもよい。
【0106】
本実施の形態では、図2に示されるように、下部シールド層23の、トラック幅方向の全幅寸法E2が、ハイト方向の全長寸法E3より大きい。また、上部シールド層27のトラック幅方向の全幅寸法F2が、ハイト方向の全長寸法F3より大きい。
【0107】
さらに、図3に示されるように、磁気記録素子H2の下部コア層29は、そのトラック幅方向の全幅寸法J2が、ハイト方向の全長寸法J3より大きくなっている。
【0108】
下部シールド層23、上部シールド層27、下部コア層29のトラック幅方向の全幅寸法が、ハイト方向の全長寸法より大きいと、形状磁気異方性がトラック幅方向をむき、磁化方向がトラック幅方向を向いている磁区の面積を大きくすることが容易になる。
【0109】
図5は、下部コア層29の磁区構造の1例を示す平面図である。下部コア層の磁区構造は、例えばカー効果偏光顕微鏡を用いて観察することができる。
【0110】
磁化方向がトラック幅方向(図示X方向)を向いている磁区29fの総面積が、還流磁区29gの総面積より大きくなっている。なお、還流磁区とは、下部コナ層29内で静磁エネルギーを低く保つように、磁束が表面につきあたって表面磁荷を作らないように磁束を還流する磁区のことである。
【0111】
すなわち、下部コア層29のトラック幅方向の磁気異方性エネルギーが、ハイト方向の磁気異方性エネルギーより小さくなっており、下部コア層29はトラック幅方向が磁化容易軸方向である。
【0112】
第1コイル層44及び第2コイル層46を流れる信号電流によって発生した誘導磁界は、上部コア層34及び下部コア層29内をトラック幅方向に垂直な方向に流れる。従って、下部コア層29の磁化容易軸方向がトラック幅方向であると磁気ヒステリシスが最小になるので、下部コア層29の保磁力及びヒステリシス損失が低下し、記録信号の高周波化・高速記録化に適切に対応できる磁気記録素子を提供できる。
【0113】
同様にして、トラック幅方向の全幅寸法がハイト方向の全長寸法より大きい下部シールド層23、上部シールド層27も、磁化方向がトラック幅方向を向いている磁区の総面積が大きく、磁化容易軸方向がトラック幅方向であることを確認できる。
【0114】
上部シールド層27、下部シールド層23は、上部シールド層27、下部シールド層23間にある記録媒体からの磁界以外の余分な磁界を吸収遮蔽するものである。上部シールド層27、下部シールド層23の磁化容易軸方向がトラック幅方向であると保磁力が低下してトラック幅方向に垂直な方向(洩れ磁界方向)の透磁率が大きくなり、シールド機能が向上する。従って、記録媒体の高線記録密度化、狭トラック幅化に適切に対応できる磁気検出素子を提供できる。
【0115】
図6及び図7は、本発明における下部コア層の他の形状を示す平面図である。図6に示される下部コア層50は、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさK1である先端部50bが形成されている点では図5の下部コア層29と同じである。しかし、先端部50bより後方には、トラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面が形成されておらず、絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに平行な平面部50c,50cが形成されている。
【0116】
そして先端部50bの前端面が露出面50aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0117】
また、図7に示される下部コア層51では、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさL1である先端部51bが形成されて、この先端部51bより後方は、絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに平行な平面部51c1,51c1と、平面部51c1,51c1に連続して形成されているトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面51c2,51c2となっている。そして先端部51bの前端面が露出面51aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0118】
図6でも、この端面26bにおける、下部コア層50の露出面50aのトラック幅方向の幅寸法K1が下部コア層50のトラック幅方向の全幅寸法K2よりも小さくなっている。また、端面26bにおける、下部コア層51の露出面51aのトラック幅方向の幅寸法L1が下部コア層51のトラック幅方向の全幅寸法L2よりも小さくなっている。
【0119】
従って、絶縁材料層26の端面26bには、下部コア層50または51の前面の一部分のみが露出することになり、下部コア層50または51表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0120】
また、下部コア層50または51の露出面50aまたは51aのトラック幅方向の幅寸法K1またはL1を十分に細くすることにより、サイドフリンジングの発生を抑制することが可能である。
【0121】
なお、図6及び図7では、下部コア層50の先端部50b、下部コア層51の先端部51bのトラック幅方向の幅寸法はハイト方向の奥側に向かって一定になっている。ただし、これらの先端部50b、先端部51bが、ハイト方向に奥側に向かうに従ってトラック幅方向の幅寸法が大きくなるものであってもよい。
【0122】
下部コア層50は、トラック幅方向の全幅寸法K2がハイト方向の全長寸法K3より大きい。また、下部コア層51は、トラック幅方向の全幅寸法L2がハイト方向の全長寸法L3より大きい。
【0123】
従って、下部コア層50及び51も磁化容易軸方向がトラック幅方向であり、磁気ヒステリシスが最小になるので、下部コア層29の保持力及びヒステリシス損失が低下し、記録信号の高周波化・高速記録化に適切に対応できる磁気記録素子を提供できる。
【0124】
なお、下部シールド層23、上部シールド層27の代わりに、図6に示される下部コア層50ような、先端部23e、27eより後方に絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに平行な平面部が形成されている下部シールド層、上部シールド層が形成されてもよい。
【0125】
または、図7に示される下部コア層51ような、先端部23e、27eより後方に絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに平行な平面部と、前記平面部に連続して形成されているトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面が形成されている下部シールド層、上部シールド層が形成されてもよい。
【0126】
また、図3において、上部シールド層27を点線で示しているが、このように、下部コア層29は上部シールド層27の上層に形成され、上部シールド層27に重なる領域内に、下部コア層29の各縁部が形成されている。下部コア層29の各縁部とは、先端部29eの側端面29e1,29e1、傾斜面29b,29b、側端面29c,29c、及び後端面29dのことである。
【0127】
すなわち、下部コア層29は上部シールド層27に完全に重なるように形成されており、下部コア層29を安定した形状で形成することができ、下部コア層の磁気特性を向上させることができる。
【0128】
なお、図1ないし図4に示された実施の形態の磁気ヘッドでは、下部シールド層23、上部シールド層27、及び下部コア層29の3層とも、絶縁材料層26または35の記録媒体との対向面側の端面26bまたは35aにおける、露出面23a、27a、29aのトラック幅方向の幅寸法がそれぞれの層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さくなっている。
【0129】
しかし、本発明には、下部シールド層23、上部シールド層27、または下部コア層29のうちいずれか1層だけで、端面26bまたは35aにおける露出面のトラック幅方向の幅寸法がその層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さくなっているものも含まれる。
【0130】
ただし、下部コア層29の露出面29aのトラック幅方向の幅寸法J1が、下部コア層29のトラック幅方向の全幅寸法J2よりも小さくなっているだけであって、下部シールド層23、上部シールド層27の両層で、露出面23a及び27aのトラック幅方向の幅寸法E1及びF1がそれぞれの層のトラック幅方向の全幅寸法E2及びF2よりも小さくなっていない場合には、必ず下部コア層29のトラック幅方向の全幅寸法J2を、ハイト方向の全長寸法J3より大きくして、形状磁気異方性をトラック幅方向に向かせている。
【0131】
また、下部シールド層23、上部シールド層27、または下部コア層29のうちのいずれか2層だけで、端面26bまたは35aにおける露出面のトラック幅方向の幅寸法がそれぞれの層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さくなっているものも含まれる。
【0132】
また、電極層25,25の端面26bにおける露出面25a,25aのトラック幅方向の幅寸法I1は、下部シールド層23の露出面23aのトラック幅方向の幅寸法E1と上部シールド層27の露出面27aのトラック幅方向の幅寸法F1うち一方よりも小さければよい。
【0133】
図8は、本発明の第2の実施の形態の磁気へッドを記録媒体からの対向面側からみた部分正面図である。
【0134】
図8の磁気ヘッドは、磁気記録素子H1の下部コア層29が磁気検出素子H4の上部シールド層としても機能し、図1の磁気ヘッドに形成されていた独立した上部シールド層27が形成されていない点で、図1ないし図4に示された磁気ヘッドと異っている。
【0135】
磁気検出素子H4は、下部シールド層23、磁界読み取り部24、及び電極層25,25が絶縁材料層26内に形成され、磁界読み取り部24の上に絶縁材料層26を介して上部シールド層として機能する下部コア層29が積層されたものである。
【0136】
下部シールド層23と磁界読み取り部24の間及び磁界読み取り部24と下部コア層29の間の絶縁材料層26がギャップ層26aである。
【0137】
図8において、図1の磁気ヘッドと同じ部材には、同じ符号をつけている。図8において、磁気記録素子H1は図1のものと同じである。
【0138】
図8に示された磁気ヘッドでも、磁気検出素子H4の下部シールド層23及び電極層25,25は、絶縁材料層26中に形成されており、下部シールド層23、電極層25,25のトラック幅方向(図示X方向)の両側部及びハイト方向(図示Y方向)の奥側には絶縁材料層26が形成されている。
【0139】
また、図8の磁気へッドでも、下部シールド層23の平面形状は図2に示された形状であり、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさE1である先端部23eが形成されて、この先端部23eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面23bとなっている。そして先端部23eの前端面が露出面23aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0140】
また、下部コア層29は、絶縁材料層35中に形成されており、下部コア層29の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層35が形成されている。
【0141】
図8の磁気へッドでも、下部コア層29の平面形状は図3に示された形状であり、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさJ1である先端部29eが形成されて、この先端部29eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面29b,29bとなっている。そして先端部29eの前端面が露出面29aとして絶縁材料層35の記録媒体との対向面側の端面35aに露出している。
【0142】
すなわち、この端面26bにおける、下部シールド層23の露出面23aのトラック幅方向の幅寸法E1が下部シールド層23のトラック幅方向の全幅寸法E2よりも小さくなっている。また、端面35aにおける、下部コア層29の露出面29aのトラック幅方向の幅寸法J1が下部コア層29のトラック幅方向の全幅寸法J2よりも小さくなっている。
【0143】
従って、下部シールド層23の絶縁材料層26の端面26bには、下部シールド層23の前面の一部分のみが露出し、下部コア層29の絶縁材料層35の端面35aには、下部コア層29の前面の一部分のみが露出することになり、下部シールド層23及び下部コア層29表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0144】
さらに、下部シールド層23及び下部コア層29のスメアリングを低減することができるので、下部シールド層23や下部コア層29と電極層25,25の短絡も低減させることができ、磁気検出素子の狭ギャップ化も容易になり、線記録密度のさらなる向上への対応ができる。
【0145】
また、絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bにおける電極層25,25の露出面25a,25aのトラック幅方向の幅寸法(露出面25a,25aの外側端面間距離)I1が、下部シールド層23の露出面23a及び下部コア層29の露出面29aのトラック幅方向の幅寸法E1及びJ1よりも、大きくなっている。
【0146】
これにより効果的に、下部シールド層23や下部コア層29と、電極層25,25の短絡を低減させることができる。
【0147】
また、図1から図4に示された磁気ヘッド、及び図8に示された磁気ヘッドは、上部コア層34と下部コア層29の間に、下部磁極層30、ギャップ層31、及び上部磁極層32からなる磁気コア部33が形成されたものである。しかし、本発明は、図9に示される本発明の第3の実施の形態のように上部コア層52と下部コア層29の間に非磁性材料からなるギャップ層53のみが形成されるものであってもよい。ただし、上部コア層52の先端面52aは、絶縁材料層36の端面36aに露出する。
【0148】
図9に示された磁気ヘッドでは、上部コア層52の先端面52aのトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法で磁気記録素子のトラック幅寸法Twがきまる。
【0149】
図10は、本発明の第4の実施の形態の磁気へッドを記録媒体からの対向面側からみた部分正面図である。
【0150】
図10の磁気ヘッドは、GMR素子である磁界読み取り部24の上面と下面にセンス電流を供給するための電極層60、60が形成されている。すなわち、磁気検出素子H6が、GMR素子を構成するフリー磁性層、非磁性材料層、固定磁性層などの各膜面に対し垂直方向からセンス電流を流すCPP(current perpendicular to the plane)型の磁気検出素子である点で、図1ないし図4の磁気ヘッドと異なっている。
【0151】
磁界読み取り部24(GMR素子)のフリー磁性層の上面の幅で決められるトラック幅寸法をTw、磁界読み取り部24の膜厚をT、磁界読み取り部24のハイト方向への長さをMRhとすると、CPP型の場合は、以下のように出力(ΔV)が変化する。
【0152】
電流密度(J=I/(Tw×MRh))と膜厚Tを一定とし、前記トラック幅Twとハイト長さMRhを1/S倍に縮小したとすると、磁界読み取り部24の抵抗値RはS2倍となり、よって抵抗変化量ΔRもS2倍となる。またセンス電流Iは1/S2倍となる。したがって出力ΔV(=ΔR×I)は一定である。
【0153】
一方、発熱量(P)を一定として、前記トラック幅Twとハイト長さMRhを1/S倍に縮小したとすると、磁界読み取り部24の抵抗値RはS2倍となり、よって抵抗変化量ΔRもS2倍となる。またセンス電流Iは1/S倍となるから、出力ΔVはS倍に大きくなる。
【0154】
このように素子サイズを小さくしていくと、CIP型よりもCPP型にする方が出力を大きくでき、CPP型は、今後の高記録密度化に伴う素子サイズの狭小化に適切に対応できる構造である。
【0155】
図10において、図1の磁気ヘッドと同じ部材には、同じ符号をつけている。図10において、磁気記録素子H1は図1のものと同じである。
【0156】
図10に示された磁気ヘッドでも、磁気検出素子H6の下部シールド層23、上部シールド層27及び電極層60,60は、絶縁材料層26中に形成されており、下部シールド層23、上部シールド層27、及び電極層60,60のトラック幅方向(図示X方向)の両側部及びハイト方向(図示Y方向)の奥側には絶縁材料層26が形成されている。
【0157】
また、図10の磁気へッドでも、下部シールド層23の平面形状は図2に示された形状であり、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさE1である先端部23eが形成されて、この先端部23eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面23bとなっている。そして先端部23eの前端面が露出面23aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0158】
また、上部シールド層27の平面形状も図2に示された形状であり、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさF1である先端部27eが形成されて、この先端部27eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面27bとなっている。そして先端部27eの前端面が露出面27aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出している。
【0159】
すなわち、この端面26bにおける、下部シールド層23の露出面23aのトラック幅方向の幅寸法E1が下部シールド層23のトラック幅方向の全幅寸法E2よりも小さくなっている。また、端面26bにおける、下部シールド層27の露出面27aのトラック幅方向の幅寸法F1が下部シールド層27のトラック幅方向の全幅寸法F2よりも小さくなっている。
【0160】
従って、絶縁材料層26の端面26bには、下部シールド層23及び上部シールド層27の前面の一部分のみが露出することになり、下部シールド層23及び上部シールド層27表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0161】
さらに、下部シールド層23及び上部シールド層27のスメアリングを低減することができるので、下部シールド層23や上部シールド層27と電極層60,60の短絡も低減させることができ、磁気検出素子の狭ギャップ化も容易になり、線記録密度のさらなる向上への対応ができる。
【0162】
また、絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bにおける電極層60,60の露出面60a,60aのトラック幅方向の幅寸法M1が、下部シールド層23の露出面23a及び上部シールド層27の露出面27aのトラック幅方向の幅寸法E1及びF1よりも、大きくなっている。
【0163】
これにより効果的に、下部シールド層23や上部シールド層27と、電極層60,60の短絡を低減させることができる。
【0164】
図1ないし図4に示された磁気ヘッドの製造方法を説明する。
スライダ21となる基板上に、Al23膜22を成膜し、このAl23膜22上にNiFe等からなる磁性材料製の下部シールド層23をレジストフォトリソグラフィー及びフレームメッキ法或いはスパッタ法でパターン成膜する。その上にAl23(アルミナ)やSiO2などの絶縁材料からなる絶縁材料層26、磁界読み取り部24及び磁界読み取り部24に電流を供給する電極層25,25をレジストフォトリソグラフィー及びフレームメッキ法或いはスパッタ法でパターン成膜する。
【0165】
さらに、磁界読み取り部24及び電極層25,25上に、絶縁材料層26を積層した後、NiFe等からなる磁性材料製の上部シールド層27をレジストフォトリソグラフィー及びフレームメッキ法或いはスパッタ法でパターン成膜する。
【0166】
磁界読み取り部24は、例えばスピンバルブ膜に代表される巨大磁気抵抗効果を利用したGMR素子や異方性磁気抵抗効果を利用したAMR素子で形成される磁気抵抗効果素子である。図1では、膜面水平方向にセンス電流磁界を流す、いわゆるCIP型のGMR素子を図示している。従って、電極層25,25は磁界読み取り部24の上面の両端部に接続されている。
【0167】
電極層25,25は、例えば、Au、W、Cr、Ru、Rh、Ta、Pt、Pdなどで形成される。電極層25の膜厚は300Å〜1500Åである。
【0168】
上部シールド層27及び下部シールド層23の膜厚は、1.0μm〜3.0μmである。
【0169】
磁界読み取り部24上の電極層25,25間のトラック幅方向(X方向)の距離で、磁界読み取り部24のトラック幅Trを規定する。また、上部シールド層27と下部シールド層23間の距離はG2である。また、上部シールド層27の下面から電極層25,25の上面までの距離をG2a、下部シールド層23の上面から電極層25,25の下面までの距離をG2bとする。本実施の形態では、G2が0.08μm、G2aが0.03μm、G2bが0.02μmである。
【0170】
図11は、下部シールド層23、磁界読み取り部24、電極層25,25、上部シールド層27までパターン形成した状態の平面図である。
【0171】
図11の状態では、下部シールド層23、磁界読み取り部24、電極層25,25、上部シールド層27のトラック幅方向(図示X方向)の両側部及びハイト方向(図示Y方向)の前側及び奥側は絶縁材料層26によって囲まれている。
【0172】
図2に示されるように、下部シールド層23では、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさE1である先端部23eが形成されて、この先端部23eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面23bとなっている。また、上部シールド層27では、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさF1である先端部27eが形成されて、この先端部27eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面27b,27bとなっている。
【0173】
すなわち、下部シールド層23の先端部23eのトラック幅方向の幅寸法E1が下部シールド層23のトラック幅方向の全幅寸法E2よりも小さくなっている。さらに、上部シールド層27の先端部27eのトラック幅方向の幅寸法F1が、上部シールド層27のトラック幅方向の全幅寸法F2よりも小さくなっている。
【0174】
図11の状態では、下部シールド層23の先端部23e、上部シールド層27の先端部27e、磁界読み取り部24、電極層25,25はハイト方向の長さ寸法が、図2に示される完成した状態の磁気検出素子H2よりも長く形成されている。
【0175】
また、電極層25,25の露出面25a,25aのトラック幅方向の幅寸法(露出面25a,25aの外側端面間距離)I1を、下部シールド層23の先端部23e及び上部シールド層27の先端部27eのトラック幅方向の幅寸法E1及びF1よりも大きくしている。
【0176】
図11の状態の磁気検出素子H2の上に、絶縁材料からなる分離層28を積層した後、磁気記録素子H1を形成する。
【0177】
分離層28の上に、下部コア層29をレジストフォトリソグラフィー及びフレームメッキ法或いはスパッタ法でパターン形成する。
【0178】
さらに、下部コア層29のトラック幅方向(図示X方向)の両側部及びハイト方向(図示Y方向)の前側及び奥側を絶縁材料層35で埋める。
【0179】
以下、図4も参照しつつ説明を続ける。
下部コア層29上に、パーマロイなどの磁性材料で形成されたメッキ下地層41を形成し、さらにメッキ下地層41上の所定部分に、非磁性有機絶縁材料からなるレジスト、SiO2、Al23などの非磁性無機絶縁材料、またはCuなどの非磁性導電性材料などで形成されるGd決め層40を形成する。
【0180】
Gd決め層40をレジストを用いて形成するときには、レジスト層を矩形状に形成した後、ポストベーク(熱処理)することで、前記レジスト層にだれを生じさせ、図4に示すように、前記レジスト層で形成されたGd決め層40の前端面に下部コア層40から図示Z方向に向かうに従って徐々にハイト方向(図示Y方向)に傾斜する面を形成する。熱処理後、Gd決め層40に紫外線を照射して、硬化させる。
【0181】
次に、下部磁極層30、ギャップ層31、上部磁極層32を形成するためのレジストフレームを形成した後、前記レジストフレーム内で、下部磁極層30、ギャップ層31、上部磁極層32をパルス電流を用いた電気メッキ法を用いて連続メッキ形成する。
【0182】
上部磁極層32及び下部磁極層30は、NiFe、CoFe、FeCoNi、或いはCoFeX又はFeNiX(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Ptのいずれか1または2種以上の元素である)の組成式で示される軟磁性材料のうちいずれか1種或いは2種以上を用いて形成される。
【0183】
下部磁極層30は、メッキ下地層41上に直接メッキ形成されている。また下部磁極層30の上に形成されたギャップ層31は、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成されていることが好ましい。具体的には、NiP、NiPd、NiPt、NiRh、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Cr、Ag、Cuのうち1種または2種以上を選択できる。また、ギャップ層31は単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。
【0184】
なお本発明における具体的な実施形態としてギャップ層31にはNiPが使用される。NiPでギャップ層31を形成することでギャップ層31を適切に非磁性状態にできるからである。
【0185】
また、Al23(アルミナ)やSiO2(酸化ケイ素)を用いたギャップ層31を成膜・パターン形成後、その上にNiFeやCoFeなどからなるメッキ下地層を設け、上部磁極層32をメッキ形成してもよい。
【0186】
また、メッキ形成された記録コア部33の両側面(図示X方向における側面)を、トラック幅方向(図示X方向)からイオンミリングで削り、記録コア部33の幅寸法を小さくしてもよい。
【0187】
次に下部コア層29のハイト方向奥側で、メッキ下地層41上に磁性金属材料の持ち上げ層42をメッキで形成する。
【0188】
さらに、記録コア部33および持ち上げ層42を除く領域では、メッキ下地層41およびGd決め層40を覆う絶縁下地層43を成膜し、絶縁下地層43の上に、第1のコイル層44をフレームメッキ形成する。第1のコイル層44のピッチ間及び第1のコイル層44の上面に第1のコイル絶縁層45を積層する。
【0189】
第1のコイル絶縁層45を形成する無機絶縁材料は、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種から選択されることが好ましい。
【0190】
そして、第1のコイル絶縁層45の上面をCMP技術などを利用して削って平坦面とする。このとき、上部磁極層32の上面及び持ち上げ層42の上面が露出する。
【0191】
第1のコイル絶縁層45上に、第2のコイル層46をフレームメッキ形成する。第2のコイル層46も、持ち上げ層42の周囲に巻回された平面螺旋状であり、第1、第2のコイル層44、46は、中心部が第1のコイル絶縁層45を貫通して互いに接続される。
【0192】
さらに、第2のコイル層46のピッチ間及び第2のコイル層の上面を、レジスト等の有機絶縁材料からなる第2のコイル絶縁層47で覆い、第2のコイル絶縁層47にNiFeによって上部コア層34をフレームメッキ形成する。
【0193】
上部コア層34は、基部34aが持ち上げ層42に接続され、先端部34bが記録コア部33の上部磁極層32の上面に磁気的に接続されるように形成される。
【0194】
上部コア層34の形成後、上部コア層34の上及び第2のコイル絶縁層47上に絶縁材料層36を積層する。
【0195】
図12の状態では、下部コア層29のトラック幅方向(図示X方向)の両側部及びハイト方向(図示Y方向)の前側及び奥側は絶縁材料層35によって囲まれている。
【0196】
図12に示されるように、下部コア層29では、トラック幅方向の幅寸法が一定の大きさJ1である先端部29eが形成されて、この先端部29eより後方はトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる傾斜面29b,29bとなっている。
【0197】
すなわち、下部コア層29の先端部29eのトラック幅方向の幅寸法J1が下部コア層29のトラック幅方向の全幅寸法J2よりも小さくなっている。
【0198】
図12の状態では、下部コア層29の先端部29eはハイト方向の長さ寸法が、図3に示される完成した状態の磁気記録素子H1よりも長く形成されている。
【0199】
また、図12において、上部シールド層27を点線で示しているが、このように、上部シールド層27に重なる領域内に下部コア層29の各縁部が形成されている。下部コア層29の各縁部とは、先端部29eの側端面29e1,29e1、傾斜面29b,29b、側端面29c,29c、及び後端面29dのことである。
【0200】
すなわち、下部コア層29は上部シールド層27の領域内に形成されており、下部コア層29を安定した形状で形成することができ、下部コア層の磁気特性を向上させることができる。
【0201】
一旦、絶縁材料層36まで積層した後、磁気検出素子H2の磁界読み取り部24の直流抵抗値を調節するために、磁界読み取り部24のハイト方向長さ寸法を調節する。
【0202】
磁界読み取り部24のハイト方向長さ寸法の調節は、図11及び図12の状態の基板ごと図示Y方向に向けて研削し、磁界読み取り部24をハイト方向奥側に研削することによって行なう。
【0203】
このとき、図11及び図12の状態における下部シールド層23の先端部23eのハイト方向前側(図示Y方向反対側)の端面23a1、磁界読み取り部24の先端部24eのハイト方向前側の端面24a1、電極部25,25のハイト方向前側の端面25a1,25a1、上部シールド層27の先端部27eのハイト方向前側の端面27a1、下部コア層29の先端部29eのハイト方向前側の端面29a1から、下部シールド層23、磁界読み取り部24、電極部25,25、上部シールド層27、及び下部コア層29が同時に削られていく。
【0204】
そして、図11及び図12の、例えば一点鎖線Oで示されるところまで削られたときに、磁界読み取り部24の直流抵抗値が規定の値になり、図1ないし図4に示された磁気ヘッドになる。
【0205】
つまり、下部シールド層23の先端部23eの前端面が露出面23aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出する。そして上部シールド層27の先端部27eの前端面が露出面27aとして絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bに露出する。また、磁界読み取り部24、電極層25,25も端面26bに露出する。
【0206】
さらに、下部コア層29の先端部29eの前端面が露出面29aとして絶縁材料層35の記録媒体との対向面側の端面35aに露出する。また、磁気コア部33は絶縁材料層36の記録媒体との対向面側の端面36aに露出する。
【0207】
磁界読み取り部24の直流抵抗値を調節した後、絶縁材料層26、35、36の記録媒体との対向面側の端面26b、35a、36aを保護膜37で覆う。
【0208】
上述のように、下部シールド層23及び上部シールド層27の絶縁材料層26の端面26bには、下部シールド層23及び上部シールド層27の前面の一部分のみが露出することになり、下部シールド層23及び上部シールド層27表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0209】
さらに、下部シールド層23や上部シールド層27のスメアリングを低減することができるので、下部シールド層23や上部シールド層27と電極層25,25の短絡も低減させることができ、磁気検出素子の狭ギャップ化も容易になり、線記録密度のさらなる向上への対応ができる。
【0210】
また、絶縁材料層26の記録媒体との対向面側の端面26bにおける電極層25,25の露出面25a,25aのトラック幅方向の幅寸法(露出面25a,25aの外側端面間距離)I1が、下部シールド層23の露出面23a及び上部シールド層27の露出面27aのトラック幅方向の幅寸法E1及びF1よりも、大きくなっている。
【0211】
これにより効果的に、下部シールド層23や上部シールド層27と、電極層25,25の短絡を低減させることができる。
【0212】
また、下部コア層29の絶縁材料層35の端面35aには、下部コア層29の前面の一部分のみが露出することになり、下部コア層35表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。このことからも、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0213】
なお、図1の正面図は模式図的に示したものであり、記録コア部33が下部コア層29表面から矩形状に立ち上がって形成されていなくてもよい。例えば、下部磁極層30の両側端面から上部磁極層32の両側端面にかけてトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる、記録媒体との対向面と平行な断面形状が略逆台形状であったり、あるいは下部磁極層30の記録媒体との対向面と平行な断面形状が略台形状で、その上に形成される、ギャップ層31から上部磁極層32までの記録媒体との対向面と平行な断面形状が略逆台形状であるような形状であってもかまわない。
【0214】
以上本発明をその好ましい実施例に関して述べたが、本発明の範囲から逸脱しない範囲で様々な変更を加えることができる。
【0215】
なお、上述した実施例はあくまでも例示であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0216】
【発明の効果】
本発明では、前記下部シールド層及び/又は上部シールド層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が各層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さくなっている。
【0217】
すなわち、前記下部シールド層及び/又は上部シールド層の、前記絶縁材料層の前記端面における露出面積を従来よりも小さくできるので、前記下部シールド層及び/又は上部シールド層表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。特に、本発明の磁気ヘッドを浮上式磁気ヘッドとして使用するときに、磁気へッドの記録媒体上の浮上距離の極小化を進めることが容易になり、高記録密度化を促進できる。
【0218】
さらに、下部シールド層や上部シールド層のスメアリングを低減することができるので、電極層の短絡も低減させることができ、磁気検出素子の狭ギャップ化も容易になり、線記録密度のさらなる向上への対応ができる。
【0219】
また、本発明では、前記下部シールド層の前記露出面と前記上部シールド層の前記露出面のうち少なくとも一方のトラック幅方向の幅寸法を、前記電極層の前記露出面のトラック幅方向の幅寸法より小さくできるのでより効果的に、下部シールド層や上部シールド層と、電極層の短絡を低減させることができる。
【0220】
また、本発明では、前記絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における、前記下部コア層の露出面のトラック幅方向の幅寸法を、前記下部コア層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さくすることにより、前記下部コア層の前記露出面の面積も、従来より小さくすることができる。従って前記下部コア層表面の傷、砥粒の残留を低減することができる。
【0221】
また、前記下部コア層のトラック幅方向の全幅寸法を、ハイト方向の全長寸法より大きくして、前記下部コア層の形状異方性をトラック幅方向に向かせ、トラック幅方向に磁化方向が向いた磁区の面積を大きくできる。トラック幅方向に磁化方向が向いた磁区の面積が大きい前記下部コア層であれば、記録信号電流によって発生した誘導磁界による磁気ヒステリシスが最小になるので、前記下部コア層の保磁力及びヒステリシス損失が低下し、記録信号の高周波化・高速記録化に適切に対応できる磁気記録素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁気へッドを記録媒体との対向面側から見た正面図、
【図2】図1に示された磁気検出素子H2の部分平面図、
【図3】図1に示された磁気記録素子H1の部分平面図、
【図4】図1に示された磁気ヘッドの縦断面図、
【図5】図1に示された磁気記録素子H1の下部コア層29の平面図、
【図6】本発明における下部コア層の他の形状を示す平面図、
【図7】本発明における下部コア層の他の形状を示す平面図、
【図8】本発明の第2の実施の形態の磁気へッドを記録媒体との対向面側から見た正面図、
【図9】本発明の第3の実施の形態の磁気へッドを記録媒体との対向面側から見た正面図、
【図10】本発明の第4の実施の形態の磁気へッドを記録媒体との対向面側から見た正面図、
【図11】図1に示された磁気ヘッドの一製造工程を示す平面図、
【図12】図1に示された磁気ヘッドの一製造工程を示す平面図、
【図13】従来の磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見た正面図、
【図14】従来の磁気ヘッドの一製造工程を示す平面図、
【図15】従来の磁気ヘッドの一製造工程を示す平面図、
【符号の説明】
21 スライダ
23 下部シールド層
24 磁界読み取り部
25 電極層
26、35、36 絶縁材料層
27 上部シールド層
28 分離層
29 下部コア層
30 下部磁極層
31 ギャップ層
32 上部磁極層
33 磁気コア部
34 上部コア層
H1 磁気記録素子
H2 磁気検出素子

Claims (10)

  1. 下部シールド層、磁界読み取り部、前記磁界読み取り部に電流を供給するための電極層、及び上部シールド層を有する磁気検出素子を有する磁気ヘッドにおいて、
    前記磁気検出素子の前記下部シールド層と前記上部シールド層の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層が形成されており、この絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における前記下部シールド層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記下部シールド層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さいこと、及び/又は、前記絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における前記上部シールド層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部シールド層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さ
    前記磁気検出素子の前記電極層の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層が形成されており、この絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における、前記電極層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記下部シールド層の前記露出面と前記上部シールド層の前記露出面のうち、少なくとも一方のトラック幅方向の幅寸法よりも大きいことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記下部シールド層及び/又は前記上部シールド層の、トラック幅方向の全幅寸法が、ハイト方向の全長寸法より大きい請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 前記磁気検出素子に重ねられて、下部コア層、上部コア層、コイル層及び前記下部コア層と前記上部コア層の間に形成される非磁性材料からなるギャップ層を有する磁気記録素子が形成されている請求項1または2に記載の磁気ヘッド。
  4. 前記下部コア層の両側部及びハイト方向の奥側には絶縁材料層が形成されており、この絶縁材料層の記録媒体との対向面側の端面における、前記下部コア層の露出面のトラック幅方向の幅寸法が、前記下部コア層のトラック幅方向の全幅寸法よりも小さい請求項に記載の磁気ヘッド。
  5. 前記磁気記録素子の前記下部コア層は、そのトラック幅方向の全幅寸法が、ハイト方向の全長寸法より大きい請求項3または4に記載の磁気ヘッド。
  6. 前記下部コア層は前記上部シールド層の上層に形成され、前記下部コア層の前記上部シールド層に重なる領域内に、前記下部コア層の各縁部が形成されている請求項3ないし5のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  7. 前記下部コア層を形成する磁性材料は、前記上部シールド層を形成する磁性材料よりも飽和磁束密度が大きい請求項3ないし6のうちいずれかに記載の磁気ヘッド。
  8. 前記上部シールド層は、前記下部コア層より透磁率が大きい請求項3ないし7のうちいずれかに記載の磁気ヘッド。
  9. 前記磁気記録素子の前記ギャップ層と前記上部コア層の間には、先端面のトラック幅方向の幅寸法が前記上部コア層の先端面のトラック幅方向の幅寸法よりも小さく、前記上部コア層に磁気的に接続されている上部磁極層が形成されている請求項ないしのいずれかに記載の磁気ヘッド。
  10. 前記磁気記録素子の前記ギャップ層と前記下部コア層の間には、先端面のトラック幅方向の幅寸法が前記下部コア層の先端面のトラック幅方向の幅寸法よりも小さく、前記下部コア層に磁気的に接続されている下部磁極層が形成されている請求項ないしのいずれかに記載の磁気ヘッド。
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