JP4686617B2 - スタンパ作製用マスター原盤およびその製造方法並びにNiスタンパの製造方法 - Google Patents

スタンパ作製用マスター原盤およびその製造方法並びにNiスタンパの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マスター原盤およびその製造方法に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)に組み込まれる磁気記録媒体において、隣接トラック間の干渉によりトラック密度の向上が妨げられるという問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界のフリンジングの低減は重要な技術課題である。
このような問題に対して、記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック型媒体(DTR媒体)が提案されている。DTR媒体では、記録時に隣接トラックの情報を消去するサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報を読み出すサイドリード現象などを低減できるため、トラック密度を高めることができる。したがって、DTR媒体は高密度の磁気記録媒体として期待されている。
また、単一の磁性ドットを単一の記録セルとして記録再生を行うビットパターンド媒体(BPM)が、熱揺らぎ現象および媒体ノイズを抑制できる高密度の磁気記録媒体として提案されている。
個々のDTR媒体やBPMを電子線(EB)リソグラフィー技術によって製造すると、製造コストが著しく増大する。そこで、製造コストを低減するためには、電子線(EB)リソグラフィーにより微細パターンを形成したマスター原盤からNiスタンパを作製し、Niスタンパから射出成形により樹脂スタンパを大量に作製し、その樹脂スタンパを用いUV(紫外線硬化)インプリントによってDTR媒体やBPMを製造する方法が有効である。この方法を用いれば、安価かつ大量にDTR媒体やBPMを製造できる。
特許文献1には、Niスタンパ用のマスター原盤を作製し、マスター原盤からNiスタンパを作製するための以下のような方法が開示されている。まず、Si基板上にEBレジストを塗布し、EBリソグラフィーによりEBレジストにパターンを形成する。EBレジストのパターンをマスクとしてSi基板をエッチングして凹部を形成する。EBレジストのパターンを除去した後、酸化処理を施してSi基板の凹凸面に熱酸化膜を形成する。熱酸化膜上に導電化膜を成膜し、Ni電鋳層を形成した後、Ni電鋳層を剥離することによりNiスタンパを作製する。
しかし、上記のようにSi基板をエッチングする方法を採用すると、パターンの粗密に対応して凹部の深さが異なるという現象が生じる。これは、Si基板をエッチングするRIE(反応性イオンエッチング)工程において、マイクロローディング現象が無視できなくなるからである。マイクロローディング現象は、パターンに粗密があった場合、パターンが密な領域に選択的に反応性イオンが集まり、その領域でエッチングレートが増大することによって生じる。マイクロローディング現象は、記録トラックピッチが100nm以下のときに顕著に現れることがわかっている。
このように凹部の深さにバラツキがあるNiスタンパを射出成形機に導入して樹脂スタンパを成形すると、その樹脂スタンパではサーボ領域とデータ領域とで凸部の高さにバラツキが生じる。
ここで、樹脂スタンパを用いて紫外線(UV)インプリントを行ってパターンド媒体を製造する方法について説明する。まず、媒体基板上に磁気記録層を成膜し、磁気記録層上にUV硬化レジストを塗布する。UV硬化レジストに樹脂スタンパを押し付けて凹凸を転写し、樹脂スタンパを通してUV硬化レジストに紫外線を照射してUV硬化レジストを硬化させた後、樹脂スタンパを除去する。UV硬化レジストの凹部の底に残存しているレジスト残渣を除去する。UV硬化レジストのパターンをマスクとして磁気記録層をエッチングしてパターンド媒体を製造する。
ところが、凸部の高さにバラツキがある樹脂スタンパを用いてパターンド媒体を製造すると問題が生じる。この問題は、凸部の高さにバラツキがある樹脂スタンパをUV硬化レジストに押し付ける結果、UV硬化レジストの凹部の底に残存するレジスト残渣の厚さにバラツキができることに起因するものである。
例えば、データ領域の凸部が高くサーボ領域の凸部が低い樹脂スタンパの場合、サーボ領域のレジスト残渣が厚くなるので、サーボ領域のレジスト残渣を十分に除去することができなくなる。この結果、パターンド媒体へのサーボパターンの転写不良が生じる。このようなパターンド媒体を組み込んだHDDではサーボトラッキングができなくなる。
この問題を回避するために、サーボ領域の厚いレジスト残渣を除去するようにインプリント残渣除去のための条件を調整すると、データ領域ではエッチングが過多となり、サイドエッチが進んで記録トラック幅が狭くなる。最悪の場合には、記録トラックが形成されなくなる。
また、特許文献1には、Niスタンパを作製するための以下のような他の方法も開示されている。まず、Si基板の表面に熱酸化膜を形成し、熱酸化膜上にEBレジストを塗布し、EBリソグラフィーによりEBレジストにパターンを形成する。EBレジストのパターンをマスクとして熱酸化膜をエッチングして凹部を形成する。EBレジストのパターンを除去した後、熱酸化膜の凹凸面に導電化膜を成膜し、Ni電鋳層を形成した後、Ni電鋳層を剥離することによりNiスタンパを作製する。この方法では、Si基板をエッチングしないのでマイクロローディング現象は無視でき、熱酸化膜に形成される凹部の深さを均一化できる。
しかし、特許文献1の方法でNiスタンパを作製すると、50%程度の確率でNiスタンパにマイクロクラックが発生することがわかった。このようにマイクロクラックが発生したNiスタンパを用いてパターンド媒体を作製すると、パターンド媒体に欠陥が生じて記録密度を低下させる原因となる。Niスタンパのマイクロクラックは、Ni電鋳層とSi基板との膨張率が異なることから応力が発生し、何かのきっかけで応力緩和した際に発生すると考えられる。そこで、応力を緩和可能なNiスタンパ作製用のマスター原盤が望まれる。
特開2008−251095号公報
本発明の目的は、サーボ領域とデータ領域とで凹凸差がないマスター原盤を作製するとともに、そのマスター原盤からNiスタンパを作製する際に応力を緩和できるようにし、Niスタンパでのマイクロクラックの発生を抑制することにある。
本発明の一実施形態によれば、Si基板と、前記Si基板上に形成された、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)およびハフニウム(Hf)のいずれかからなる平坦な第1の金属層と、前記第1の金属層上に形成された、厚さ50nm以下のシリコン(Si)層および前記第1の金属層と同一の材料からなる厚さ30nm以下の第2の金属層からなり、データ領域の記録トラックまたは記録ビットおよびサーボ領域の情報に対応する凸部と、前記シリコン(Si)層および第2の金属層からなる凸部の上面および側面、ならびに凹部に位置する前記第1の金属層の表面に形成された金属酸化膜とを有することを特徴とするスタンパ作製用のマスター原盤が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、Si基板上に、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)およびハフニウム(Hf)のいずれかからなる第1の金属層、厚さ50nm以下のシリコン(Si層、および前記第1の金属層と同一の材料からなる厚さ30nm以下の第2の金属層を成膜し、前記第2の金属層上に電子ビームレジストを塗布し、電子ビームリソグラフィーにより、前記電子ビームレジストにデータ領域の記録トラックまたは記録ビットに対応するパターンおよびサーボ領域の情報に対応するパターンを描画した後レジストを現像して凹凸パターンを形成し、アルゴン(Arガスを用いて第2の金属層をエッチングし、フッ素系ガスを用いてSi層を反応性イオンエッチングし、前記第2の金属層、Si層および第1の金属層の露出部分を酸素プラズマに曝露して金属酸化膜を形成することを含むことを特徴とするスタンパ作製用のマスター原盤の製造方法が提供される。
本発明によれば、基板上に、第1の金属層/Si層/第2の金属層を積層した構造の凸部を含むパターンを形成し、その表面に酸化膜を形成したマスター原盤を作製することによって、サーボ領域とデータ領域とで凹凸差をなくしたことに加えて、このマスター原盤からNiスタンパを作製する際に応力を緩和できるので、Niスタンパでのマイクロクラックの発生を抑制することができる。
ディスクリートトラック媒体(DTR媒体)を示す平面図。 ビットパターンド媒体(BPM)を示す平面図。 本発明の実施形態に係るマスター原盤の製造方法を示す断面図。 本発明の実施形態に係るNiスタンパの製造方法を示す断面図。 本発明の実施形態に係るパターンド媒体の製造方法を示す断面図。 インプリント後のUVレジストの凹部の底に残存するレジスト残渣を示す断面図。 マスター原盤のLERを概念的に示す斜視図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1に、ディスクリートトラック媒体(DTR媒体)1の周方向に沿う平面図を示す。図1に示すように、媒体1の周方向に沿って、サーボ領域10と、データ領域20が交互に形成されている。サーボ領域10には、プリアンブル部11、アドレス部12、バースト部13が含まれる。データ領域20には互いに分断されたディスクリートトラック21が含まれる。
図2に、ビットパターンド媒体(BPM)2の周方向に沿う平面図を示す。図2に示すように、サーボ領域10は図1と同様な構成を有する。データ領域20には互いに分断された磁性ドット22が含まれる。
本発明においては、図1に示されるDTR媒体または図2に示されるBPMのデータ領域の記録トラックまたは記録ビットに対応するパターンおよびサーボ領域の情報に対応するパターンが凹凸で形成されたマスター原盤およびNiスタンパを製造する。
次に、図3(a)〜(d)を参照して本発明に係るマスター原盤の製造方法を説明する。
図3(a)に示すように、たとえば6インチSi基板31上に厚さ10nmのNiからなる第1の金属層32、厚さ40nmのSi層33、厚さ10nmのNiからなる第2の金属層34をスパッタリングにより順次成膜する。その上に、日本ゼオン社製のレジストZEP−520Aをアニソールで2倍に希釈し、0.05μmのフィルタでろ過した溶液をスピンコートした後、200℃で3分間プリベークして、厚さ約50nmのEBレジスト35を形成する。次に、ZrO/W熱電界放射型の電子銃エミッターを有する電子ビーム描画装置を用い、加速電圧50kVの条件で、EBレジスト35に所望のパターンを直接描画する。描画時には、図1に示したサーボパターン、バーストパターン、アドレスパターン、トラックパターンを形成するための信号と、描画装置のステージ駆動系(少なくとも一方向の移動軸の移動機構と回転機構とを有する、いわゆるX−θステージ駆動系)へ送る信号と、電子ビームの偏向制御信号とを同期させて発生する信号源を用いる。描画中は線速度500mm/sのCLV(constant linear velocity)でステージを回転させるとともに、半径方向にもステージを移動させる。1回転毎に電子ビームに偏向をかけて、同心円をなすデータ領域を描画する。また、1回転あたり7.8nmずつ送り、10周で1トラック(1アドレスビット幅に相当)を形成する。次いで、現像液(日本ゼオン社製、ZED−N50)に90秒間浸漬してレジストを現像した後、リンス液(日本ゼオン社製、ZMD−B)に90秒間浸漬してリンスを行い、エアーブローにより乾燥させる。こうしてEBレジスト35に凹凸パターンを形成する。
図3(b)に示すように、EBレジスト35のパターンをマスクとしてArイオンビームエッチングで厚さ10nmの第2の金属層(Ni)34をエッチングする。たとえばECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用い、マイクロ波パワー800W、加速電圧1000Vで5秒間エッチングする。なお、異方性を上げたRIEで代用してもよい。
図3(c)に示すように、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置でプロセスガスCF4、チャンバー圧2mTorrとし、コイルRFパワーとプラテンRFパワーをそれぞれ100W、エッチング時間30秒でSi層33をエッチングする。プロセスガスはフッ素含有ガスから自由に選択することができ、たとえばCHF3、C26、SF6などを用いることができる。
図3(d)に示すように、EBレジスト35を剥離した後、第2の金属層34、Si層33および第1の金属層32の露出部分を酸素プラズマに曝露して金属酸化膜36を形成する。たとえば酸素ガスを用いたRIEで、100mTorr、100W、時間60秒の処理を行う。このようにして凸部の表面が金属酸化膜36になっているマスター原盤30を作製する。凸部の表面に金属酸化膜36を形成することにより、電鋳したNiスタンパを容易に剥離することができるうえに、マイクロクラック発生を抑制できる。
本発明において、酸素プラズマ曝露工程を行わないと、この後にNi導電化膜の形成およびNi電鋳層の形成を行った際に、マスター原盤の金属層とNiスタンパとが密着して剥離することができなくなる。従来、EBレジストを剥離する場合、アルコール、アセトンなどの有機溶剤や現像液のようなアルカリに原盤を浸漬するが、この方法だと表面に凸部の金属層の露出部分を酸化処理(パシベーション)することができない。なお、酸素プラズマ曝露方法としては、RIE装置またはICP装置で処理する方法、UV照射機による処理などが挙げられる。また、本発明においては、凸部が基板側から第1の金属層/Si層/第2の金属層を積層した構造になっており、凸部表面に金属酸化膜が形成されていると規定しているが、これは少なくとも凸部の最表面が金属酸化膜になっていればよいことを意味する。ただし、酸素プラズマの暴露条件によっては、第1の金属層/Si層/第2の金属層の内部まで酸化されることもあるので、このような構造も本発明に含まれる。
次に、図4(a)〜(c)を参照しながら、Niスタンパの製造方法を説明する。
図4(a)に示すように、本発明のマスター原盤30上に、スパッタリングによってNiからなる導電化膜41を形成する。たとえばチャンバー内を8×10-3Paまで真空引きした後、アルゴンガスを導入して圧力を1Paに調整し、400WのDCパワーを印加して20秒間スパッタリングを行い、厚さ約5nmのNiからなる導電化膜41を成膜する。導電化膜41は純Niでもよいが、Niに微量のVやRuを混合した合金でもよい。
図4(b)に示すように、導電化膜41を成膜したマスター原盤30を、たとえばスルファミン酸ニッケルメッキ液(昭和化学(株)製、NS−160)に浸漬し、90分間Ni電鋳して、厚さ約300μmのNi電鋳層42を形成する。電鋳浴の条件は次の通りである。
スルファミン酸ニッケル:600g/L
ホウ酸:40g/L
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.15g/L
液の温度:55℃
pH:4.0
電流密度:20A/dm2
図4(c)に示すように、マスター原盤30から、Ni電鋳層42および導電化膜41を剥離して、Niスタンパ40を製造する。
次いで、図5(a)〜(i)を参照して、磁気記録媒体(DTR媒体またはBPM)の製造方法を説明する。
まず、上記のようにして製造したNiスタンパ40を射出成形装置(東芝機械製)にセットし、射出成形法により樹脂スタンパ60を作製する。樹脂材料には、日本ゼオン製環状オレフィンポリマーZEONOR 1060R、帝人化成製ポリカーボネートAD5503などが用いられる。
図5(a)に示すように、ガラス基板51上に、厚さ120nmのCoZrNbからなる軟磁性下地層(図示せず)、厚さ20nmのRuからなる配向制御用の下地層(図示せず)、厚さ15nmのCoCrPt−SiO2からなる磁気記録層52、厚さ15nmのカーボンからなるエッチング保護層53、厚さ3〜5nmの金属層54を順次成膜する。ここでは、簡略化のために、軟磁性下地層および配向制御層は図示していない。
金属層54には、後述するUV硬化レジスト(フォトポリマー剤、2P剤)との密着性がよく、後述するHe+N2ガスによるエッチング時に完全に剥離可能な金属が用いられる。具体的な金属は、CoPt、Cu、Al、NiTa、Ta、Ti、Si、Cr、NiNbZrTiである。特に、CoPt、Cu、Siは、UV硬化レジストとの密着性およびHe+N2ガスによる剥離性の両方に優れている。
図5(b)に示すように、金属層54の上にUV硬化レジスト55を厚さ50nmになるようにスピンコートする。UV硬化レジスト55は、モノマー、オリゴマーおよび重合開始剤を含み、紫外線硬化性を示す。たとえば、モノマーとして85%のイソボルニルアクリレート(IBOA)、オリゴマーとして10%のポリウレタンジアクリレート(PUDA)、重合開始剤として5%のダロキュア1173を含む組成物を用いることができる。このレジスト54に対向するように樹脂スタンパ60を配置する。
図5(c)に示すように、樹脂スタンパ60を用いてインプリントを行い、樹脂スタンパ60の凹部に対応してUV硬化レジスト55の凸部を形成した後、樹脂スタンパ60を通して紫外線を照射し、UV硬化レジスト55を硬化させる。
図5(d)に示すように、樹脂スタンパ60を除去した後、パターン化されたUV硬化レジスト55の凹部の底に残っているレジスト残渣を除去する。たとえばICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置を用い、プロセスガスとして酸素を導入してチャンバー圧を2mTorrとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100W、エッチング時間を30秒とする。
図5(e)に示すように、UV硬化レジスト55のパターンをマスクとして、Arガスを用いたイオンビームエッチングにより金属層54をエッチングする。この工程は必ずしも行う必要はない。たとえば、レジスト残渣を除去する際に、異方性の高いエッチング条件を用いれば、レジスト残渣および金属層をエッチングできる。具体的には、ICPエッチング装置でプラテンRFパワーを300W程度まで高くすると、エッチング異方性を高くすることができる。金属層54にSiを用いた場合はCF4ガスでエッチングしてもよい。
図5(f)に示すように、UV硬化レジスト55のパターンをマスクとして、エッチング保護層53をパターニングする。たとえば、ICPエッチング装置を用い、プロセスガスとしてO2を導入してチャンバー圧を2mTorrとし、コイルRFパワーとプラテンRFパワーをそれぞれ100W、エッチング時間を30秒とする。
図5(g)に示すように、エッチング保護層53のパターンをマスクとしてHeまたはHe+N2(混合比1:1)を用いたイオンビームエッチングを行い、磁気記録層52の一部をエッチングして凹凸を形成するとともに、凹部に残った磁気記録層52を失活させて非磁性層56を形成する。このとき、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いることが好ましい。たとえば、マイクロ波パワー800W、加速電圧1000Vで20秒間エッチングして磁気記録層52に深さ10nmの凹部を形成するとともに、磁性が失活した厚さ5nmの非磁性層56を形成する。これと同時に、残存している金属層(たとえばSi)54を完全に除去する。これは、金属層54が残存した状態では、次工程で酸素RIEによるエッチング保護層(カーボン)53の剥離ができなくなるからである。
図5(h)に示すように、エッチング保護層(カーボン)53のパターンを除去する。たとえば酸素ガスを用い、100mTorr、100W、エッチング時間30秒の条件でRIE(反応性イオンエッチング)を行う。
図5(i)に示すように、CVD(化学気相堆積法)により厚さ4nmのカーボンからなる表面保護膜57を形成する。表面保護膜57上に潤滑剤を塗布することによりDTR媒体またはBPMを製造する。
ここで、本発明と従来技術との差異をまとめて説明する。
従来のマスター原盤の製造方法では、Si基板をエッチングするRIE工程においてマイクロローディング現象が生じ、サーボ領域とデータ領域で凹部の深さにバラツキが生じていた。このバラツキはマスター原盤からNiスタンパおよび樹脂スタンパに転写される。凹凸にバラツキのある樹脂スタンパを用いて図5(c)に示すようにUVインプリントを行うと、図6(a)に示すように、UV硬化レジスト55の凹部の底に残存するレジスト残渣の厚さにバラツキができる。これが原因となり、製造されるDTR媒体またはBPMにもパターン形成不良が生じていた。
これに対して、本発明のマスター原盤はサーボ領域とデータ領域で凹部の深さにバラツキがなく、マスター原盤から順次転写することにより作製されるNiスタンパおよび樹脂スタンパにも凹凸のバラツキがなくなる。このように凹凸にバラツキのない樹脂スタンパを用いて図5(c)に示すようにUVインプリントを行うと、図6(b)に示すように、UV硬化レジスト55の凹部の底に残存するレジスト残渣の厚さにバラツキが生じることはない。このため、製造されるDTR媒体またはBPMにはパターン形成不良が生じない。
従来の方法によりSiマスター原盤からNiスタンパを形成した場合、Niスタンパにマイクロクラックが発生するため、歩留まりが50%程度になっていた。これに対して、本発明のマスター原盤からNiスタンパを作製した場合、Niスタンパにおけるマイクロクラック発生を抑制できるので、歩留まりをほぼ100%にすることができる。これは、本発明のマスター原盤では凸部が第1の金属層/Si層/第2の金属層を積層した構造になっており、延性および展性のある金属層が緩衝層の役目を果たしてNi電鋳時の応力を緩和するからであると考えられる。
本発明のマスター原盤から作製した樹脂スタンパおよびこれを用いて製造されたDTR媒体またはBPMは、RRO(リピータブルランアウト)が、従来よりも小さくなることがわかった。RROは、トラック同期位置歪みともいい、トラックの真円からのずれを示す。従来の方法で作製したNiスタンパは、電鋳時に発生した応力を保持した状態であるため成形中に徐々に歪みが生じ、成形された樹脂スタンパにも歪みが生じ、RROが発生すると考えられる。これに対して、本発明のマスター原盤から作製したNiスタンパは内部応力が小さいため成形時の歪みが生じにくく、成形された樹脂スタンパのRROが小さいと考えられる。
本発明の方法で作製したマスター原盤は、LER(ラインエッジラフネス)もよくなることが判明した。従来の方法では、結晶質であるSiをエッチングしてマスター原盤を作製する。このため、図7(a)に示すように、Siマスター原盤100のパターンには、Siの結晶粒径に依存してLERが生じ、LERを8nm以下にするのは極めて難しかった。これに対して本発明のマスター原盤は、凸部の表面が非晶質である金属酸化膜からなっている。このため、図7(b)に示すように、Siマスター原盤30のパターンには、結晶粒径に依存するLERが生じることがなく、LERを8nm以下にすることが容易である。LERはSNR(信号ノイズ比)に影響するので、LERの低減は製造したDTR媒体またはBPMの性能向上に繋がる。
本発明のマスター原盤は、ダスト抑制にも効果があることがわかった。従来の方法では、Siマスター原盤の表面が帯電し、空気中のパーティクルを集めてしまう。これに対して、本発明のマスター原盤は、凸部の表面が誘電体である金属酸化膜になっているため、空気中のパーティクルを集めることがない。
なお、以上では本発明のマスター原盤から射出成形用のNiスタンパを作製する技術について述べたが、本発明のマスター原盤の用途はこの限りではなく、ナノインプリント用Niスタンパの作製にも使用することができる。
以下、本発明において用いられる材料および個々の工程の詳細について説明する。
[UV硬化レジスト]
UV硬化レジスト(2P剤)は紫外線硬化性を持つ材料であり、モノマー、オリゴマー、重合開始剤を含む組成物であり、溶媒は含まない。
モノマーとしては下記のようなものが用いられる。
・アクリレート類
ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート(BPEDA)
ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート(DPEHA)
ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート(DPEHPA)
ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)
エトキシレイテッドトリメチロールプロパントリアクリレート(ETMPTA)
グリセリンプロポキシトリアクリレート(GPTA)
4−ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)
2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)
イソボルニルアクリレート(IBOA)
ポリエチレングリコールジアクリレート(PEDA)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)
トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)
・メタクリレート類
テトラエチレングリコールジメタクリルレート(4EDMA)
アルキルメタクリレート(AKMA)
アリルメタクリレート(AMA)
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(BDMA)
n−ブチルメタクリレート(BMA)
ベンジルメタクリレート(BZMA)
シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)
ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)
2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)
グリシジルメタクリレート(GMA)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)
イソボルニルメタクリレート(IBMA)
ラウリルメタクリレート(LMA)
フェノキシエチルメタクリレート(PEMA)
t−ブチルメタクリレート(TBMA)
テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA)
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPMA)
特に、イソボルニルアクリレート(IBOA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPDA)、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(TITA)などは粘度を10cP以下にすることができるため良好である。
オリゴマーとしては、たとえばウレタンアクリレート系材料、たとえばポリウレタンジアクリレート(PUDA)やポリウレタンヘキサアクリレート(PUHA)、その他、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フッ化ポリメチルメタクリレート(PMMA−F)、ポリカーボネートジアクリエート、フッ化ポリカーボネートメチルメタクリレート(PMMA−PC−F)などが用いられる。
重合開始剤としては、チバガイギー社製イルガキュア184およびチバガイギー社製ダロキュア1173などが用いられる。
[残渣除去]
RIE(反応性イオンエッチング)により、レジストの凹部の底に残存している残渣を除去する。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマを生成可能なICP(inductively coupled plasma)が好適であるが、ECR(electron cyclotron resonance)プラズマや、一般的な並行平板型RIE装置を用いてもよい。UV硬化レジスト(2P剤)の残渣除去には酸素ガスを用いるのが好ましい。
[磁性失活エッチング]
記録再生ヘッドの浮上性を考慮すると凹凸の深さを10nm以下にすることが好ましいが、信号出力を確保するために磁気記録層の厚さが15nm程度必要となる。そこで、磁気記録層の厚さ15nmのうち、10nmを物理的に除去し残りの5nmを磁気的に失活させるようにすれば、記録ヘッドの浮上性を確保しつつサイドイレースおよびサイドリードを抑制できるので、DTR媒体およびBPMを製造できる。厚さ5nmの磁気記録層を磁気的に失活させる方法として、HeやN2イオンを曝露する方法が用いられる。Heイオンを曝露した場合、曝露時間に従ってヒステリシスループの角形を維持したままHc(保磁力)が減少し、やがてヒステリシスがなくなる(磁性失活)。この場合、Heガスの曝露時間が不十分であると、角形のよい(Hn(反転核形成磁界)がある)ヒステリシスが保持される。しかし、このことは、凹部底部の磁性層に記録能力があることを意味し、DTR媒体またはBPMの利点が失われる。一方、N2イオンを曝露した場合、曝露時間に従ってヒステリシスループの角形が劣化して、やがてヒステリシスがなくなる。この場合、Hnは急激に劣化するが、Hcが減少しにくい。しかし、N2ガス曝露時間が不十分であると、凹部底部にHcの大きい磁性層が残ることになり、DTR媒体またはBPMの利点が失われる。そこで、Heガスによる磁性失活とN2ガスによる磁性失活の挙動が異なることに着目し、He+N2混合ガスを用いることにより、磁気記録層をエッチングしながら効率的に凹部底部の磁気記録層の磁性を失活することができる。
[エッチング保護膜剥離]
磁気記録層の磁性を失活させた後、カーボンからなるエッチング保護膜を剥離する。エッチング保護膜は、酸素プラズマ処理を行うことで容易に剥離できる。
[保護膜形成および後処理]
最後に表面保護膜を形成する。表面保護膜は、凹凸へのカバレッジをよくするためにCVDで成膜することが望ましいが、スパッタ法または真空蒸着法でもよい。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。表面保護膜の厚さが2nm未満だとカバレッジが悪くなり、10nmを超えるとヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下するので好ましくない。表面保護膜上に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1
図3に示した方法でマスター原盤を作製した。6インチSi基板上に、厚さ10nmのNiからなる第1の金属層、厚さ40nmのSi、厚さ10nmのNiからなる第2の金属層を、スパッタリングにより順次成膜した。その上に、厚さ50nmのEBレジストを塗布した。このSi基板をEB描画機にセットし、図1に示したようなDTR媒体に対応するパターンを描画した。トラックピッチを75nm、グルーブ幅を25nmとした。EBレジストのパターンをマスクとして、ECRイオンガンによりArガスを用いて第2の金属層(Ni)をエッチングした。次に、ICP装置によりCF4ガスを用いてSi層をエッチングした。EBレジストを剥離した後、ICP装置を用い、第2の金属層、Si層および第1の金属層の露出部分を酸素プラズマに60秒間曝露して凸部の表面に金属酸化膜を形成し、マスター原盤を作製した。
得られたマスター原盤の凹凸をAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、サーボ領域、データ領域ともに凹部の深さは50nmであった。トラック対応部分のLERを測定したところ、6nm以下であった。Xeランプによる遮光検査によりマスター原盤の表面を目視で観察したところ、パーティクル付着はゼロであった。
次に、作製したマスター原盤から図4に示した方法でNiスタンパを作製した。マスター原盤上に、スパッタリングによって厚さ5nmのNiからなる導電化膜を成膜した。スルファミン酸Niメッキ液に浸漬して55℃で90分間電鋳を行い、Ni電鋳層を形成した。Ni電鋳層および導電化膜を剥離してNiスタンパを得た。
得られたNiスタンパを射出成形装置にセットし、樹脂材料として日本ゼオン製環状オレフィンポリマーZEONOR 1060Rを用い、型締め力40tの条件で射出成形を行い、樹脂スタンパを作製した。
作製した樹脂スタンパについて光ディスク検査装置(パルステック社製DDU−1000)によりRROを評価した。その結果、RRO変位量が0.5以下と小さいことがわかった。
比較例1
特許文献1の方法でSiマスター原盤を作製した。6インチSi基板上に厚さ50nmのEBレジストを塗布した。実施例1と同様に、Si基板をEB描画機にセットし、図1に示したようなDTR媒体に対応するパターンを描画した。EBレジストのパターンをマスクとして、ICP装置を用いCF4ガスによりSi基板をエッチングして、トラック対応部分の凹凸が50nmになるようにした。ICP装置を用い酸素プラズマでEBレジストを剥離してSiマスター原盤を得た。
得られたSiマスター原盤の凹凸をAFMで測定したところ、サーボ領域の凹部の深さは45nm、データ領域の凹部の深さは50nmであり、凹凸にバラツキが生じることがわかった。トラック対応部分のLERを測定したところ、8nm程度であった。Xeランプによる遮光検査によりSiマスター原盤の表面を目視で観察したところ、数個のパーティクルが確認された。
次に、作製したSiマスター原盤から実施例1と同様にしてNiスタンパを作製した。得られたNiスタンパを射出成形装置にセットし、実施例1と同様にして樹脂スタンパを作製した。作製した樹脂スタンパについて光ディスク検査装置によりRROを評価した。その結果、RRO変位量が1.0以下であり、実施例1の樹脂スタンパよりもRROが大きいことがわかった。
実施例2
6インチSi基板上に成膜する第1および第2の金属層として、Niの代わりに、Al、Cr、Co、FeまたはHfを用いた以外は実施例1と同様の方法でマスター原盤を作製した。得られたマスター原盤の凹凸をAFMで測定したところ、全ての原盤でサーボ領域、データ領域ともに凹部の深さは50nmであった。トラック対応部分のLERを測定したところ、全てのマスター原盤で6nm以下であった。Xeランプによる遮光検査によりマスター原盤の表面を目視で観察したところ、パーティクル付着はゼロであった。作製したマスター原盤から実施例1と同様にNiスタンパを作製した。この際、マスター原盤からNiスタンパを良好に剥離することができた。
一方、6インチSi基板上に成膜する金属として酸化物を形成しないPtなどを用いた場合、Niスタンパ作成時にマスター原盤とNiスタンパを剥離できなくなる。これに対して、Al、Cr、Co、FeまたはHfは酸化物を形成しやすいため、Niスタンパを良好に作製できる。
実施例3
Si層の厚さを表1のように変えたこと以外は実施例1と同様の方法でマスター原盤を作製した。マスター原盤のLERをSEM(走査型電子顕微鏡)で測定したところ、表1のようになった。Si層の厚さが50nm以下のときにLERが6nm以下であった。
LERがトラックピッチの10%以下でないと、このマスター原盤から作製されるDTR媒体のSNRが悪化するので好ましくない。本実施例ではトラックピッチが75nmであるので、SNRの観点からLERは7.5nm以下であることが好ましい。表1に示されるように、Si層の厚さが50nm以下でないとLER≦7.5nmを満たさないため、SNRの良好なDTR媒体を作製するにはSi層の厚さが50nm以下であることが好ましい。
なお、本発明では、マスター原盤からNiスタンパを作製し、樹脂スタンパを作製し、最終的にDTR媒体を作製する。DTR媒体を作製するためにはスタンパの凹凸を最低でも5nmにする。第2の金属層の厚さとSi層の厚さとの和がスタンパの凹凸に相当する。第2の金属層を平坦な薄膜として形成できる最低の厚さは1nmであるので、Si層の現実的な厚さは4nm以上になる。したがって、本発明のマスター原盤におけるSi層の厚さは4nm以上、50nm以下であることが望ましい。
Figure 0004686617
実施例4
第2の金属層(Ni)の厚さを表2のように変えたこと以外は実施例1と同様の方法でマスター原盤を作製した。作製したマスター原盤から図4に示した方法でNiスタンパを連続して10枚作製した。得られたNiスタンパの表面を光学顕微鏡で観察し、マイクロクラックの有無を調べた。その結果を表2にまとめた。
表2に示されるように、第2の金属層の厚さが30nm以下であれば不良率(マイクロクラック発生率)は10%以下であったが、第2の金属層の厚さが30nmを超えると不良率が大きくなることがわかった。量産を考慮すると、不良率が20%を超えるとコストアップになるため、第2の金属層の厚さは30nm以下であることが好ましい。なお、一般的な金属を平坦な薄膜として形成できる最低の厚さは1nmであるので、第2の金属層厚さは1nm以上、30nm以下であることが望ましい。
Figure 0004686617
実施例5
実施例1と同様の方法で樹脂スタンパを作製した。樹脂スタンパの材料は、日本ゼオン製ZEONOR 1060Rを用いた。次に図5に示した方法でDTR媒体を作製した。磁気記録層のためのカーボン保護層上に成膜する金属層としてSiを用いた。UV硬化レジストとして85%のIBOA、10%のPUDA、5%のダロキュア1173を含む組成物を用いた。作製したDTR媒体は、トラックピッチ75nm、トラック幅50nm、グルーブ幅25nmであった。潤滑剤を塗布し、HDDドライブに搭載して評価した。その結果、記録再生ヘッドの位置決め精度は6nm、オントラックでのBER(ビットエラーレート)は−5乗であった。
実施例6
マスター原盤を作製するためのEBリソグラフィーにおいて図2に示したパターンを描画した以外は実施例5と同様の方法でBPMを作製した。作製したBPMのビットサイズは55nm×20nmであった。BPMではBERの定義ができないため、信号振幅強度を評価した。BPMを一方向に着磁し、ドライブへ組み込み再生波形を観察したところ、信号振幅強度200mVが得られた。記録再生ヘッド位置決め精度は6nmであった。DTR媒体と同様の作製方法でBPMも作製できることがわかった。
1…DTR媒体、2…BPM、10…サーボ領域、11…プリアンブル部、12…アドレス部、13…バースト部、20…データ領域、21…ディスクリートトラック、22…磁性ドット、30…マスター原盤、31…Si基板、32…第1の金属層、33…Si層、34…第2の金属層、35…EBレジスト、36…金属酸化膜、40…Niスタンパ、41…導電化膜、42…Ni電鋳層、51…ガラス基板、52…磁気記録層、53…エッチング保護膜、54…金属層、55…UV硬化レジスト、56…非磁性層、57…表面保護膜、60…樹脂スタンパ。

Claims (3)

  1. Si基板と、
    前記Si基板上に形成された、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)およびハフニウム(Hf)のいずれかからなる平坦な第1の金属層と、
    前記第1の金属層上に形成された、厚さ50nm以下のシリコン(Si)層および前記第1の金属層と同一の材料からなる厚さ30nm以下の第2の金属層からなり、データ領域の記録トラックまたは記録ビットおよびサーボ領域の情報に対応する凸部と、
    前記シリコン(Si)層および第2の金属層からなる凸部の上面および側面、ならびに凹部に位置する前記第1の金属層の表面に形成された金属酸化膜と
    を有することを特徴とするスタンパ作製用のマスター原盤。
  2. Si基板上に、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)およびハフニウム(Hf)のいずれかからなる第1の金属層、厚さ50nm以下のシリコン(Si)層、および前記第1の金属層と同一の材料からなる厚さ30nm以下の第2の金属層を成膜し、
    前記第2の金属層上に電子ビームレジストを塗布し、
    電子ビームリソグラフィーにより、前記電子ビームレジストにデータ領域の記録トラックまたは記録ビットに対応するパターンおよびサーボ領域の情報に対応するパターンを描画した後、レジストを現像して凹凸パターンを形成し、
    アルゴン(Ar)ガスを用いて第2の金属層をエッチングし、
    フッ素系ガスを用いてSi層を反応性イオンエッチングし、
    前記第2の金属層、Si層および第1の金属層の露出部分を酸素プラズマに曝露して金属酸化膜を形成する
    ことを含むことを特徴とするスタンパ作製用のマスター原盤の製造方法。
  3. 請求項1に記載のスタンパ作製用のマスター原盤上に導電化膜を形成し、
    前記導電化膜上にニッケル(Ni)電鋳層を形成し、
    前記Ni電鋳層をマスター原盤から剥離する
    ことを特徴とするNiスタンパの製造方法。
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